以下、本発明の一態様について図面等を用いながら説明する。但し、本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
(実施の形態1)
本発明のトリアジン誘導体の一態様は、一般式(13)で表される。
一般式(13)において、R19〜R21は、それぞれ独立して式(14)〜(20)で表されるいずれか一の基を表す。
式(14)で表される基において、R24、R25は、それぞれ独立、または結合して環を形成する。R24、R25とが独立であるとき、R24、R25とはそれぞれ、水素、または炭素数1〜6のアルキル基、または炭素数6〜30、好ましくは6〜14のアリール基、または炭素数2〜18、好ましくは2〜10の複素環基のいずれか一を表す。複素環基は、5員または6員の単環、または5員環と6員環のいずれか一若しくは両方を含む多環であることが好ましく、また、窒素または酸素または硫黄のいずれかの原子を含むことが好ましい。また、R24とR25とが結合して環を形成しているとき、その環は、炭素数3〜10好ましくは炭素数6の脂環を表す。
また、R22、R23、R26、R27は、それぞれ独立、またはR22とR23、R26とR27とがそれぞれ結合して環を形成する。R22、R23、R26、R27とが独立であるとき、R22、R23、R26、R27とは、それぞれ、水素、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、ハロゲノ基、炭素数1〜6のアシル基、炭素数1〜6のアルコキシカルボニル基、シアノ基、炭素数6〜30、好ましくは炭素数6〜14のアリール基、炭素数2〜18、好ましくは炭素数2〜10の複素環基のいずれか一を表す。なお、複素環基は、5員または6員の単環、または5員環と6員環のいずれか一若しくは両方を含む多環であることが好ましく、また、窒素または酸素または硫黄のいずれかの原子を含むことが好ましい。R22とR23、R26とR27とがそれぞれ結合して環を形成しているとき、それらの環は、それぞれ、炭素数3〜10、好ましくは6の脂環を表す。
式(15)で表される基において、R28〜R31は、それぞれ独立に、水素、または炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、ハロゲノ基、炭素数1〜6のアシル基、炭素数1〜6のアルコキシカルボニル基、炭素数6〜30、好ましくは炭素数6〜14のアリール基、炭素数2〜18、好ましくは炭素数2〜10の複素環基のいずれか一を表す。複素環基は、5員または6員の単環、または5員環と6員環のいずれか一若しくは両方を含む多環であることが好ましく、また、窒素または酸素または硫黄のいずれかの原子を含むことが好ましい。
式(16)で表される基において、R32は、炭素数6〜30、好ましくは炭素数6〜14のアリール基、または炭素数2〜18、好ましくは炭素数2〜10の複素環基のいずれかを表す。アリール基は、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアシル基、炭素数1〜6のアルコキシカルボニル基、またはハロゲノ基等の置換基を有していてもよいし、無置換でもよい。複素環基は、5員または6員の単環、または5員環と6員環のいずれか一若しくは両方を含む多環であることが好ましく、また、窒素または酸素または硫黄のいずれかの原子を含むことが好ましい。また、アリール基と複素環基とは、それぞれ他の芳香環または複素環が縮合したものであってもよい。
式(17)で表される基において、R33〜R35は、それぞれ独立して、水素、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアシル基、炭素数1〜6のアルコキシカルボニル基、またはハロゲノ基のいずれか一を表してもよいし、またはR33とR34とが結合して、芳香環を表していてもよい。また芳香環は、オキソ基等を含んでいてもよい。
式(18)で表される基において、R36〜R39は、それぞれ独立、または結合して環を形成する。R36〜R39が、それぞれ独立であるとき、R36〜R39は水素を表す。R36とR37、R38とR39とがそれぞれ結合して環を形成しているとき、その環は芳香環を表す。なお、R36とR37の結合と、R38とR39との結合は、それぞれ独立している。また、R40は、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜30、好ましくは炭素数6〜14のアリール基、炭素数2〜18、好ましくは炭素数2〜10の複素環基のいずれか一を表す。アリール基は、ジアルキルアミノ基等の置換基を有していてもよいし、または無置換でもよい。複素環基は、5員または6員の単環、または5員環と6員環のいずれか一若しくは両方を含む多環であることが好ましく、また、窒素または酸素または硫黄のいずれかの原子を含むことが好ましい。
式(19)で表される基において、R41、R42は、それぞれ独立して、水素、炭素数6〜30、好ましくは炭素数6〜14のアリール基、炭素数2〜18、好ましくは炭素数2〜10の複素環基、シアノ基を表す。アリール基は、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜30、好ましくは炭素数6〜14のアリール基、ハロゲノ基等の置換基を有していてもよいし、または無置換でもよい。また、複素環基は、5員または6員の単環、または5員環と6員環のいずれか一若しくは両方を含む多環であることが好ましく、また、窒素または酸素または硫黄のいずれかの原子を含むことが好ましい。
式(20)で表される基において、Yは、芳香環または複素環または脂環を表す。なお、芳香環はオキソ基等の置換基を有していてもよいし、または無置換でもよい。また、複素環は、5員または6員の単環、または5員環と6員環のいずれか一若しくは両方を含む多環であることが好ましく、また、窒素または酸素または硫黄のいずれかの原子を含むことが好ましい。R43、R44は、それぞれ独立、または結合して環を形成する。R43、R44が独立であるとき、R43、R44は、それぞれ、水素、炭素数6〜30、好ましくは炭素数6〜14のアリール基、または炭素数2〜18、好ましくは炭素数2〜10の複素環基、または炭素数1〜6のアルキル基のいずれか一を表す。なお、複素環基は、5員または6員の単環、または5員環と6員環のいずれか一若しくは両方を含む多環であることが好ましく、また、窒素または酸素または硫黄のいずれかの原子を含むことが好ましい。また、R43とR44とが結合して環を形成しているとき、その環は炭素数3〜10好ましくは炭素数6の脂環を表す。
式(14)〜(20)で表される基の具体例を構造式(21)〜(70)に示す。
以上のような、本発明のトリアジン誘導体は、発光素子を作製するための材料として用いることができる。このように本発明によって、発光素子を作製するための新たな材料を得ることができる。
(実施の形態2)
本発明のトリアジン誘導体を適用した発光素子について図1を用いて説明する。
図1に示す発光素子は、第1の電極101と第2の電極103との間に発光物質を含む層102を挟んで成る。そして、第1の電極101から発光物質を含む層102へ注入された正孔と、第2の電極103から発光物質を含む層102へ注入された電子とが、発光物質を含む層102において再結合して励起子を形成し、その励起子が基底状態に戻るときに発光する。つまり、本形態に示す発光素子において、第1の電極101は陽極として機能し、第2の電極103は陰極として機能する。
なお、本発明において、発光物質とは、発光効率が良好で、所望の発光波長の発光をし得る物質である。例えば、青色系の発光を得たいときは、9,10−ジフェニルアントラセン等のアントラセン誘導体、1,3,6,8−テトラフェニルピレン等のピレン誘導体、ペリレンおよびその誘導体のように、発光効率が良好で、400〜500nmの帯域に発光スペクトルのピークを有する物質が発光物質に該当する。
第1の電極101について特に限定はないが、本形態のように、陽極として機能するときは、仕事関数の大きい物質で形成されていることが好ましい。具体的には、インジウム錫酸化物(ITO)、または酸化珪素を含むインジウム錫酸化物、2〜20%の酸化亜鉛を含む酸化インジウムの他、金(Au)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)等を用いることができる。なお、第1の電極101は、例えばスパッタ法や蒸着法等を用いて形成することができる。
第2の電極103について特に限定はないが、本形態のように、陰極として機能するときは、仕事関数の小さい物質で形成されていることが好ましい。具体的には、リチウム(Li)またはマグネシウム等のアルカリ金属またはアルカリ土類金属等を含んだアルミニウム等を用いることができる。なお、第2の電極103は、例えばスパッタ法や蒸着法等を用いて形成することができる。
発光物質を含む層102は、第1の電極101および第2の電極103から離れた部位にキャリアが再結合する領域が形成されるように、発光物質、キャリア(電流の担い手のことをいい、電子、正孔のいずれか一または両方のことを指す。)を輸送し易い物質等を含む層を組み合わせて、単層または多層で構成される。
発光物質を含む層102は、本発明のトリアジン誘導体を含む層を少なくとも一層含む。ここで、本発明のトリアジン誘導体を含む層について特に限定はなく、本発明のトリアジン誘導体のみを含むものであってもよいし、他の物質を含ものであってもよい。このように、本発明のトリアジン誘導体を含むことによって、第1の電極102、第2の電極103のいずれか一または両方の電極から注入されたキャリアを、キャリアが再結合する領域に、効率よく輸送することができる。従って、低駆動電圧の発光素子を得ることができる。
また、発光物質を含む層102は、本発明のトリアジン誘導体を含む層の他、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニル−アミノ]−ビフェニル(略称:α−NPD)、4,4’−ビス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニル−アミノ]−ビフェニル(略称:TPD)、4,4’,4’’−トリス(N,N−ジフェニル−アミノ)−トリフェニルアミン(略称:TDATA)、4,4’,4’’−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニル−アミノ]−トリフェニルアミン(略称:MTDATA)等の芳香族アミン系(即ち、ベンゼン環−窒素の結合を有する)の化合物等、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Alq3)、トリス(5−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Almq3)、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]−キノリナト)ベリリウム(略称:BeBq2)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)−4−フェニルフェノラト−アルミニウム(略称:BAlq)など、キノリン骨格またはベンゾキノリン骨格を有する金属錯体等の物質から選ばれた一または二以上の層を含んでいてもよい。
また、発光物質を含む層102は、第1の電極101または第2の電極103から発光物質を含む層102へキャリアが注入されるのを補助できる物質を含む層を、さらに含んでいてもよい。このような、電極から発光物質を含む層102へキャリアが注入されるのを補助できる物質について特に限定はないが、フタロシアニン(略称:H2Pc)、銅フタロシアニン(略称:CuPc)のようなフタロシアニン系の化合物、モリブデン酸化物(MoOx)、バナジウム酸化物(VOx)、ルテニウム酸化物(RuOx)、タングステン酸化物(WOx)、マンガン酸化物(MnOx)等の金属酸化物、フッ化リチウム(LiF)、フッ化セシウム(CsF)、フッ化カルシウム(CaF2)等のようなアルカリ金属又はアルカリ土類金属の化合物等が挙げられる。
発光物質を含む層102において、発光物質は、第1の電極101から注入された正孔と第2の電極103から注入された電子とが再結合する領域が形成される層に含まれていることが好ましい。
なお、400nm〜500nm、好ましくは450nm〜500nmの帯域に発光波長を有する発光物質を用いるとき、発光物質は、本発明のトリアジン誘導体を含む層に含まれていることが好ましい。これによって発光物質に由来した発光色により近い発光色を呈することのできる発光素子を得ることができる。
発光物質について特に限定はなく、4−ジシアノメチレン−2−メチル−6−(1,1,7,7−テトラメチルジュロリジル−9−エニル)−4H−ピラン(略称:DCJT)、4−ジシアノメチレン−2−t−ブチル−6−(1,1,7,7−テトラメチルジュロリジル−9−エニル)−4H−ピラン(略称:DPA)、ペリフランテン、2,5−ジシアノ−1,4−ビス(10−メトキシ−1,1,7,7−テトラメチルジュロリジル−9−エニル)ベンゼン、N,N’−ジメチルキナクリドン(略称:DMQd)、クマリン6、クマリン545T、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Alq3)、9,9’−ビアントリル、9,10−ジフェニルアントラセン(略称:DPA)や9,10−ビス(2−ナフチル)アントラセン(略称:DNA)等を用いることができる。
また、発光物質が400nm〜500nmの帯域に発光波長を有する発光物質としては、例えば、9,10−ジフェニルアントラセン、9,10−ジ−2−ナフチルアントラセン、1,5−ビス(ジフェニルアミノ)ナフタレン、ペリレン、クマリン30、1,1,4,4−テトラフェニルブタジエン、スチリルアリーレン類、スチリルアミン類等が挙げられる。
(実施の形態3)
本発明のトリアジン誘導体を作製され、励起三重項状態からの発光を呈する発光素子の態様について図9を用いて説明する。
図9において、第1の電極501と第2の電極502との間には、発光物質を含む層503が設けられている。発光物質を含む層503は、多層構造であり、正孔注入層511、正孔輸送層512、発光層513、阻止層514、電子輸送層515、電子注入層516を含む。そして、第1の電極501の電位が第2の電極502の電位よりも高くなるように電圧を印加したときに電流が流れ、発光層513において電子と正孔が再結合して励起エネルギーを生じ、励起された発光物質が基底状態に戻るときに発光する。
ここで、発光層513には、励起三重項状態からの発光を呈することのできる発光物質が含まれている。このような発光物質について特に限定はないが、ビス(2−p−トリルピリジナト−N,C2)アセチルアセトナトイリジウム(III)(略称:Ir(tpy)2(acac))、ビス{2−(2’−ベンゾチエニル)ピリジナート}アセチルアセトナートイリジウム(III)(略称:Ir(btp)2(acac))、ビス{2−(4,6−ジフルオロフェニル)ピリジナート−N、C2}ピコリナートイリジウム(III)(略称:FIrpic)、ビス(2−フェニルピリジナート−N、C2)アセチルアセトナートイリジウム(III)(略称:Ir(ppy)2(acac))等、金属に有機化合物が配位した構造を有する有機金属錯体が好ましい。発光層513には発光物質の他、発光物質よりも大きいエネルギーギャップを有する物質が含まれていることが好ましい。そして、発光物質は、発光物質よりも大きいエネルギーギャップを有する物質からなる層中に分散したような状態で含まれていることが好ましい。これによって、発光物質の濃度に起因した消光を低減することができる。発光物質よりも大きいエネルギーギャップを有する物質について特に限定はなく、4,4’−ビス(N−カルバゾリル)ビフェニル(略称:CBP)、1,4−ジ(トリフェニルシリル)ベンゼン、バソキュプロイン(略称:BCP)、Alq3、BAlq、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPB)等を用いることができる。
第1の電極501と第2の電極502とについて特に限定はないが、第1の電極501と第2の電極502の何れか一、または両方は、可視光を透過できるように形成されていることが好ましい。具体的には、第1の電極501と第2の電極502の何れか一、または両方は、インジウム錫酸化物、珪素を含むインジウム酸化物、インジウム亜鉛酸化物等から成る所謂透明電極であるか、若しくはアルミニウムや銀等の導電物を含み数nmの厚さとなるように形成された電極であることが好ましい。可視光を透過させる必要がない場合は、アルミニウム、金、銀、チタン、窒化チタン、タンタル、窒化タンタル等の導電物を用いて、数nmよりも厚く形成した電極を用いることができる。
また、正孔輸送層512は、第2の電極502側から注入された正孔を発光層513の方へ輸送する機能を有する。このように、正孔輸送層512を設け、第1の電極501と発光層513との距離を離すことによって、発光層513における発光が第1の電極501に含まれている金属に起因して消光してしまうことを防ぐことができる。正孔輸送層512は、正孔輸送層は、正孔輸送性の高い物質を用いて形成することが好ましく、特に1×10-6cm2/Vs以上の正孔移動度を有する物質を用いて形成することが好ましい。なお、正孔輸送性の高い物質とは、電子よりも正孔の移動度が高く、電子の移動度に対する正孔の移動度の比の値(=正孔移動度/電子移動度)が100よりも大きい物質をいう。正孔輸送層512を形成するのに用いることができる物質の具体例としては、NPB、4,4’−ビス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:TPD)、4,4’,4’’−トリス(N,N−ジフェニルアミノ)トリフェニルアミン(略称:TDATA)、4,4’,4’’−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]トリフェニルアミン(略称:MTDATA)、4,4’−ビス{N−[4−(N,N−ジ−m−トリルアミノ)フェニル]−N−フェニルアミノ}ビフェニル(略称:DNTPD)、1,3,5−トリス[N,N−ジ(m−トリル)アミノ]ベンゼン(略称:m−MTDAB)、4,4’,4’’−トリス(N−カルバゾリル)トリフェニルアミン(略称:TCTA)、フタロシアニン(略称:H2Pc)、銅フタロシアニン(略称:CuPc)、バナジルフタロシアニン(略称:VOPc)等が挙げられる。また、正孔輸送層512は、以上に述べた物質から成る層を二以上組み合わせて形成した多層構造の層であってもよい。
また、電子輸送層515は、第1の電極501側から注入された正孔を発光層513の方へ輸送する機能を有する。このように電子輸送層515を設け、第2の電極502と発光層513との距離を離すことによって、発光層513における発光第2の電極502に含まれている金属に起因して消光してしまうことを防ぐことができる。電子輸送層は、電子輸送性の高い物質を用いて形成することが好ましく、特に1×10-6cm2/Vs以上の電子移動度を有する物質を用いて形成することが好ましい。なお、電子輸送性の高い物質とは、正孔よりも電子の移動度が高く、正孔の移動度に対する電子の移動度の比の値(=電子移動度/正孔移動度)が100よりも大きい物質をいう。電子輸送層515を形成するのに用いることができる物質の具体例としては、Alq3、トリス(4−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Almq3)、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]−キノリナト)ベリリウム(略称:BeBq2)、BAlq、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾオキサゾラト]亜鉛(略称:Zn(BOX)2)、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾチアゾラト]亜鉛(略称:Zn(BTZ)2)等の金属錯体の他、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(略称:PBD)、1,3−ビス[5−(p−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベンゼン(略称:OXD−7)、3−(4−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−5−(4−ビフェニリル)−1,2,4−トリアゾール(略称:TAZ)、3−(4−tert−ブチルフェニル)−4−(4−エチルフェニル)−5−(4−ビフェニリル)−1,2,4−トリアゾール(略称:p−EtTAZ)、バソフェナントロリン(略称:BPhen)、BCP、4,4−ビス(5−メチルベンズオキサゾル−2−イル)スチルベン(略称:BzOs)等が挙げられる。また、電子輸送層515は、以上に述べた物質から成る層を二以上組み合わせて形成した多層構造の層であってもよい。
また、正孔注入層511は、第1の電極501から正孔輸送層512へ正孔の注入を補助する機能を有する層である。正孔注入層511を設けることによって、第1の電極501と正孔輸送層512との間のイオン化ポテンシャルの差が緩和され、正孔が注入され易くなる。正孔注入層511は、正孔輸送層512を形成している物質よりもイオン化ポテンシャルが小さく、第1の電極501を形成している物質よりもイオン化ポテンシャルが大きい物質、または正孔輸送層512と第1の電極501との間に1〜2nmの薄膜として設けたときにエネルギーバンドが曲がるような物質を用いて形成することが好ましい。正孔注入層511を形成するのに用いることのできる物質の具体例として、フタロシアニン(略称:H2Pc)や銅フタロシアニン(CuPC)等のフタロシアニン系の化合物、或いはポリ(エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(スチレンスルホン酸)水溶液(PEDOT/PSS)等の高分子等が挙げられる。つまり、正孔注入層511におけるイオン化ポテンシャルが正孔輸送層512におけるイオン化ポテンシャルよりも相対的に小さくなるような物質を正孔輸送性を有する物質の中から選択することによって、正孔注入層511を形成することができる。
また、電子注入層516は、電子注入層516は、第2の電極502から電子輸送層515へ電子の注入を補助する機能を有する層である。電子注入層516を設けることによって、第2の電極502と電子輸送層515との間の電子親和力の差が緩和され、電子が注入され易くなる。電子注入層516は、電子輸送層515を形成している物質よりも電子親和力が大きく第2の電極502を形成している物質よりも電子親和力が小さい物質、または電子輸送層515と第2の電極502との間に1〜2nmの薄膜として設けたときにエネルギーバンドが曲がるような物質を用いて形成することが好ましい。電子注入層516を形成するのに用いることのできる物質の具体例として、アルカリ金属またはアルカリ土類金属、アルカリ金属のフッ化物、アルカリ土類金属のフッ化物、アルカリ金属の酸化物、アルカリ土類金属の酸化物等の無機物が挙げられる。また、無機物の他、BPhen、BCP、BCP、p−EtTAZ、TAZ、BzOs等の電子輸送層515を形成するのに用いることのできる物質も、これらの物質の中から、電子輸送層515の形成に用いる物質よりも電子親和力が大きい物質を選択することによって、電子注入層516を形成する物質として用いることができる。つまり、電子注入層516における電子親和力が電子輸送層515における電子親和力よりも相対的に大きくなるような物質を電子輸送性を有する物質の中から選択することによって、電子注入層516を形成することができる。
阻止層514は、第1の電極501側から注入された正孔が発光層513を突き抜けて第2の電極502の方へ流れてしまうことを防ぐ機能と、発光層513において生じた励起エネルギーが電子輸送層515の方へ移動しまうことを防ぐ機能との、両方の機能若しくはいずれか一方の機能を有する層である。阻止層514は、本発明のトリアジン誘導体を用いて形成することが好ましい。本発明のトリアジン誘導体はイオン化ポテンシャルが大きい為、第1の電極501側から注入された正孔が発光層513を突き抜けて第2の電極502の方へ流れてしまうことを防ぐことができる。その為、発光層513において正孔と電子とが効率よく再結合することができ、発光効率が向上する。また、本発明のトリアジン誘導体は大きいエネルギーギャップを有する為、発光層513において生じた励起エネルギーが電子輸送層515の方へ移動しまうことを防ぐことができる。その為、励起エネルギーの移動に起因した発光効率の低下を防ぐことができる。
なお、本形態では、正孔注入層511と電子注入層516を含む発光素子について説明したが、正孔注入層511に換えて正孔発生層を設けてもよいし、または電子注入層516に換えて電子発生層を設けてもよい。また、正孔注入層511を設けなくても第1の電極501から正孔輸送層512への正孔の注入が効率よく行われる場合は、必ずしも正孔注入層511を設ける必要はない。また、電子注入層516を設けなくても第2の電極502から電子輸送層515への電子の注入が効率よく行われる場合は、必ずしも電子注入層516を設ける必要はない。つまり、正孔注入層511、または電子注入層516を設けるか否かについては本発明の実施者が適宜選択すればよい。
ここで、正孔発生層とは、正孔を発生する層である。電子よりも正孔の移動度が高い物質及びバイポーラ性の物質の中から選ばれた少なくとも一の物質と、これらの物質に対して電子受容性を示す物質とを混合することによって正孔発生層を形成することができる。ここで、電子よりも正孔の移動度が高い物質としては、正孔輸送層512を形成するのに用いることのできる物質と同様の物質を用いることができる。また、バイポーラ性の物質についても、2,3−ビス(4−ジフェニルアミノフェニル)キノキサリン(略称:TPAQn)等のバイポーラ性の物質を用いることができる。なお、バイポーラ性の物質とは、電子または正孔のいずれか一方のキャリアの移動度と他方のキャリアの移動度とを比較したときに、一方のキャリアの移動度に対する他方のキャリアの移動度の比の値が100以下、好ましくは10以下である物質をいう。また、電子よりも正孔の移動度が高い物質及びバイポーラ性の物質の中でも特にトリフェニルアミンを骨格に含む物質を用いることが好ましい。トリフェニルアミンを骨格に含む物質を用いることによって、正孔をより発生し易くなる。また、電子受容性を示す物質としては、モリブデン酸化物、バナジウム酸化物、ルテニウム酸化物、レニウム酸化物等の金属酸化物を用いることが好ましい。
また、電子発生層とは、電子を発生する層である。正孔よりも電子の移動度が高い物質及びバイポーラ性の物質の中から選ばれた少なくとも一の物質と、これらの物質に対して電子供与性を示す物質とを混合することによって電子発生層を形成することができる。ここで、正孔よりも電子の移動度が高い物質としては電子輸送層515を形成するのに用いることのできる物質と同様の物質を用いることができる。また、バイポーラ性の物質についても、TPAQn等の先に記載したバイポーラ性の物質を用いることができる。また、電子供与性を示す物質としては、アルカリ金属およびアルカリ土類金属の中から選ばれた物質、具体的にはリチウム(Li)、カルシウム(Ca)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、マグネシウム(Mg)等を用いることができる。また、アルカリ金属酸化物またはアルカリ土類金属酸化物、アルカリ金属窒化物、アルカリ土類金属窒化物等、具体的にはリチウム酸化物(Li2O)、カルシウム酸化物(CaO)、ナトリウム酸化物(Na2O)、カリウム酸化物(K2O)、マグネシウム酸化物(MgO)、フッ化リチウム(LiF)、フッ化セシウム(CsF)、フッ化カルシウム(CaF2)等から選ばれる少なくとも一の物質も電子供与性を示す物質として用いることができる。
以上のように、励起三重項状態からの発光を呈することのできる発光物質を含む発光層に接して本発明のトリアジン誘導体を含む層を設けることで、発光物質に由来した発光を効率よく得られる発光素子を作製することができる。
(実施の形態4)
先に説明したような本発明のトリアジン誘導体を含む発光素子を用いることによって、発光物質に由来した発光を効率的に得ることができる発光装置を作製することができる。本形態では、発光素子を画素として用いた発光素子の態様について説明する。なお、本形態では特に、アクティブマトリクス駆動をさせることの出来る発光装置の態様について説明するが、発光装置の駆動方法は、本形態に示すものに限定されるものはなく、パッシブ駆動をさせる発光装置であってもよい。
図2において、点線で囲まれているのは、本発明の発光素子12を駆動するために設けられているトランジスタ11である。発光素子12は第1の電極13と第2の電極14とこれらの電極に挟まれた発光層15で構成されている。トランジスタ11のドレインと第1の電極13とは、第1層間絶縁膜16(16a、16b、16c)を貫通している配線17によって電気的に接続されている。また、発光素子12は、隔壁層18によって、隣接して設けられている別の発光素子と分離されている。このような構成を有する本発明の発光装置は、本形態において、基板10上に設けられている。
以上のような構成の発光装置において、発光素子12は本発明の発光素子であり、特に発光層15は本発明のトリアジン誘導体を含むものである。
なお、トランジスタ11はトップゲート型のものである。但し、トランジスタ11の構造については、特に限定はなく、例えば逆スタガ型のものでもよい。また逆スタガ型の場合には、チャネルを形成する半導体層の上に保護膜が形成されたもの(チャネル保護型)でもよいし、或いはチャネルを形成する半導体層の一部が凹状になったもの(チャネルエッチ型)でもよい。なお、21はゲート電極、22はゲート絶縁膜、23は半導体層、24はn型の半導体層、25は電極、26は保護膜である。
また、トランジスタ11を構成する半導体層は、結晶性、非結晶性のいずれのものでもよい。また、セミアモルファス等でもよい。
なお、セミアモルファスな半導体とは、次のようなものである。非晶質と結晶構造(単結晶、多結晶を含む)の中間的な構造を有し、自由エネルギー的に安定な第3の状態を有する半導体であって、短距離秩序を持ち格子歪みを有する結晶質な領域を含んでいるものである。また少なくとも膜中の一部の領域には、0.5〜20nmの結晶粒を含んでいる。ラマンスペクトルが520cm-1よりも低波数側にシフトしている。X線回折ではSi結晶格子に由来するとされる(111)、(220)の回折ピークが観測される。未結合手(ダングリングボンド)を終端する為に水素またはハロゲンを少なくとも1原子%またはそれ以上含ませている。所謂微結晶半導体(マイクロクリスタル半導体)とも言われている。珪化物気体をグロー放電分解(プラズマCVD)して形成する。珪化物気体としては、SiH4、その他にもSi2H6、SiH2Cl2、SiHCl3、SiCl4、SiF4などを用いることができる。この珪化物気体をH2、又は、H2とHe、Ar、Kr、Neから選ばれた一種または複数種の希ガス元素で希釈しても良い。希釈率は2〜1000倍の範囲。圧力は概略0.1Pa〜133Paの範囲、電源周波数は1MHz〜120MHz、好ましくは13MHz〜60MHz、基板加熱温度は300℃以下でよく、好ましくは100〜250℃、膜中の不純物元素として、酸素、窒素、炭素などの大気成分の不純物は1×1020/cm3以下とすることが望ましく、特に、酸素濃度は5×1019/cm3以下、好ましくは1×1019/cm3以下とする。なお、セミアモルファスなものを有する半導体を用いたTFT(薄膜トランジスタ)の移動度はおよそ1〜10m2/Vsecとなる。
また、半導体層が結晶性のものの具体例としては、単結晶または多結晶性の珪素、或いはシリコンゲルマニウム等から成るものが挙げられる。これらはレーザー結晶化によって形成されたものでもよいし、例えばニッケル等を用いた固相成長法による結晶化によって形成されたものでもよい。
なお、半導体層が非晶質の物質、例えばアモルファスシリコンで形成される場合には、トランジスタ11およびその他のトランジスタ(発光素子を駆動するための回路を構成するトランジスタ)は全てNチャネル型トランジスタで構成された回路を有する発光装置であることが好ましい。それ以外については、Nチャネル型またはPチャネル型のいずれか一のトランジスタで構成された回路を有する発光装置でもよいし、両方のトランジスタで構成された回路を有する発光装置でもよい。
さらに、第1層間絶縁膜16は、図2(A)、(C)に示すように多層でもよいし、または単層でもよい。なお、16aは酸化珪素や窒化珪素のような無機物から成り、16bはアクリルやシロキサン(シリコン(Si)と酸素(O)との結合で骨格構造が構成され、置換基に少なくとも水素を含む物質)、塗布成膜可能な酸化珪素等の自己平坦性を有する物質から成る。さらに、16cはアルゴン(Ar)を含む窒化珪素膜から成る。なお、各層を構成する物質については、特に限定はなく、ここに述べたもの以外のものを用いてもよい。また、これら以外の物質から成る層をさらに組み合わせてもよい。このように、第1層間絶縁膜16は、無機物または有機物の両方を用いて形成されたものでもよいし、または無機膜と有機膜のいずれか一で形成されたものでもよい。
隔壁層18は、エッジ部において、曲率半径が連続的に変化する形状であることが好ましい。また隔壁層18は、アクリルやシロキサン、レジスト、酸化珪素等を用いて形成される。なお隔壁層18は、無機膜と有機膜のいずれか一で形成されたものでもよいし、または両方を用いて形成されたものでもよい。
なお、図2(A)、(C)では、第1層間絶縁膜16のみがトランジスタ11と発光素子12の間に設けられた構成であるが、図2(B)のように、第1絶縁膜16(16a、16b)の他、第2層間絶縁膜19(19a、19b)が設けられた構成のものであってもよい。図2(B)に示す発光装置においては、第1の電極13は第2層間絶縁膜19を貫通し、配線17と接続している。
第2層間絶縁膜19は、第1層間絶縁膜16と同様に、多層でもよいし、または単層でもよい。19aはアクリルやシロキサン(シリコン(Si)と酸素(O)との結合で骨格構造が構成され、置換基に少なくとも水素を含む物質)、塗布成膜可能な酸化珪素等の自己平坦性を有する物質から成る。さらに、19bはアルゴン(Ar)を含む窒化珪素膜から成る。なお、各層を構成する物質については、特に限定はなく、ここに述べたもの以外のものを用いてもよい。また、これら以外の物質から成る層をさらに組み合わせてもよい。このように、第2層間絶縁膜19は、無機物または有機物の両方を用いて形成されたものでもよいし、または無機膜と有機膜のいずれか一で形成されたものでもよい。
発光素子12において、第1の電極13および第2の電極14がいずれも透光性を有する物質で構成されている場合、図2(A)の白抜きの矢印で表されるように、第1の電極13側と第2の電極14側の両方から発光を取り出すことができる。また、第2の電極14のみが透光性を有する物質で構成されている場合、図2(B)の白抜きの矢印で表されるように、第2の電極14側のみから発光を取り出すことができる。この場合、第1の電極13は反射率の高い材料で構成されているか、または反射率の高い材料から成る膜(反射膜)が第1の電極13の下方に設けられていることが好ましい。また、第1の電極13のみが透光性を有する物質で構成されている場合、図2(C)の白抜きの矢印で表されるように、第1の電極13側のみから発光を取り出すことができる。この場合、第2の電極14は反射率の高い材料で構成されているか、または反射膜が第2の電極14の上方に設けられていることが好ましい。
また、発光素子12は、第1の電極13が陽極として機能し、第2の電極14が陰極として機能する構成であってもよいし、或いは第1の電極13が陰極として機能し、第2の電極14が陽極として機能する構成であってもよい。但し、前者の場合、トランジスタ11はPチャネル型トランジスタであり、後者の場合、トランジスタ11はNチャネル型トランジスタである。
なお、上記のような発光装置において、画素部には、発光素子12とそれを駆動するためのトランジスタ等とを含んで成る画素が複数配列されている。各発光素子の発光波長が発光素子12の発光波長と同一である場合、発光装置は単色発光のものとなる。また、各発光素子の発光波長が異なる場合、赤(R)、緑(G)、青(B)等複数色の発光が可能な発光装置となる。
発光素子を駆動するために画素に含まれている回路の態様について以下に図3(A)〜(C)を用いて説明する。但し、発光素子を駆動するための回路の構成は、以下に示すものに限定されるものではない。
図3(A)に示すように、発光素子301には、発光素子を駆動するための回路が接続されている。当該回路は、それぞれ、映像信号によって発光素子301の発光・非発光を決定する駆動用トランジスタ321と、前記映像信号の入力を制御するスイッチング用トランジスタ322と、前記映像信号に関わらず発光素子301を非発光状態にする消去用トランジスタ323とを有する。ここで、スイッチング用トランジスタ322のソース(又はドレイン)はソース信号線331と接続し、駆動用トランジスタ321のソース及び消去用トランジスタ323のソースはソース信号線331と並列するように延びた電流供給線332と接続し、スイッチング用トランジスタ322のゲートは第1の走査線333と接続し、第1の走査線333と並列に延びた消去用トランジスタ323のゲートは第2の走査線334と接続している。また、駆動用トランジスタ321と発光素子301とは直列に接続している。なお、発光素子301のうち陽極として機能する電極と駆動用トランジスタ321とが接続しているとき、駆動用トランジスタ321はPチャネル型トランジスタとする。また、発光素子301のうち陰極として機能する電極と駆動用トランジスタ321とが接続しているとき、駆動用トランジスタ321はNチャネル型トランジスタとする。
発光素子301が発光するときの駆動方法について説明する。書き込み期間において第1の走査線333が選択されると、第1の走査線333にゲートが接続されているスイッチング用トランジスタ322がオンになる。そして、ソース信号線331に入力された映像信号が、スイッチング用トランジスタ322を介して駆動用トランジスタ321のゲートに入力さることによって電流供給線332から発光素子301へ電流が流れ発光する。この時、発光素子301へ流れる電流の大きさによって発光の輝度が決まる。
図4は、図3(A)に示すような回路を有する発光装置の画素部の上面図である。図4に付した数値は、それぞれ図3(A)と同じものを表す。また、図4では、発光素子301の電極84を図示している。
また、発光素子に接続する回路の構成は、ここで述べたものに限定されず、例えば後述する図3(B)、または図3(C)等と同様の構成であっても構わない。
次に、図3(B)で表される回路について説明する。図3(B)に示すように、発光素子801には、発光素子を駆動するための回路が接続されている。当該回路は、映像信号によって発光素子801の発光・非発光を決定する駆動用トランジスタ821と、前記映像信号の入力を制御するスイッチング用トランジスタ822と、前記映像信号に関わらず発光素子801を非発光状態にする消去用トランジスタ823と、発光素子801に供給される電流の大きさを制御するための電流制御用トランジスタ824とを有する。ここで、スイッチング用トランジスタ822のソース(又はドレイン)はソース信号線831と接続し、駆動用トランジスタ821のソース及び消去用トランジスタ823のソースはソース信号線831と並列するように延びた電流供給線832と接続し、スイッチング用トランジスタ822のゲートは第1の走査線833と接続し、第1の走査線833と並列に延びた消去用トランジスタ823のゲートは第2の走査線834と接続している。また、駆動用トランジスタ821と発光素子801と間に電流制御用トランジスタ824を挟み、直列に接続している。電流供給用トランジスタ824のゲートは、電源線835に接続している。なお、電流制御用トランジスタ824は、電圧−電流(Vd−Id)特性における飽和領域において電流が流れるように構成、制御されたものであり、これによって、当該トランジスタ824に流れる電流値の大きさを決定することができる。なお、発光素子801のうち陽極として機能する電極と駆動用トランジスタ821とが接続しているとき、駆動用トランジスタ821はPチャネル型トランジスタとする。また、発光素子801のうち陰極として機能する電極と駆動用トランジスタ821とが接続しているとき、駆動用トランジスタ821はNチャネル型トランジスタとする。
発光素子801が発光するときの駆動方法について説明する。書き込み期間において第1の走査線833が選択されると、第1の走査線833にゲートが接続されているスイッチング用トランジスタ822がオンになる。そして、ソース信号線831に入力された映像信号が、スイッチング用トランジスタ822を介して駆動用トランジスタ821のゲートに入力さる。さらに、駆動用トランジスタ821と、電源線835からの信号を受けてオン状態になった電流制御用トランジスタ824とを介して電流供給線832から発光素子801へ電流が流れ、発光に至る。このとき、発光素子へ流れる電流の大きさは、電流制御用トランジスタ824によって決まる。
図5は、図3(B)に示すような回路を有する発光装置の画素部の上面図である。図5に付した数値は、それぞれ図3(B)と同じものを表す。また、発光素子801の電極94を図示している。
次に、図3(C)で表される回路について説明する。発光素子401には、発光素子を駆動するための回路が接続されている。当該回路は、それぞれ、映像信号によって発光素子401の発光・非発光を決定する駆動用トランジスタ421と、前記映像信号の入力を制御するスイッチング用トランジスタ422とを有する。ここで、スイッチング用トランジスタ422のソース(又はドレイン)はソース信号線431と接続し、駆動用トランジスタ421のソースはソース信号線431と並列するように延びた電流供給線432と接続し、スイッチング用トランジスタ422のゲートは走査線433と接続している。また、駆動用トランジスタ421と発光素子401とは直列に接続している。なお、発光素子401のうち陽極として機能する電極と駆動用トランジスタ421とが接続しているとき、駆動用トランジスタ421はPチャネル型トランジスタとする。また、発光素子401のうち陰極として機能する電極と駆動用トランジスタ421とが接続しているとき、駆動用トランジスタ421はNチャネル型トランジスタとする。
発光素子401が発光するときの駆動方法について説明する。書き込み期間において走査線433が選択されると、走査線433にゲートが接続されているスイッチング用トランジスタ422がオンになる。そして、ソース信号線431に入力された映像信号が、スイッチング用トランジスタ422を介して駆動用トランジスタ421のゲートに入力さることによって電流供給線432から発光素子401へ電流が流れ発光する。この時、発光素子401へ流れる電流の大きさによって発光の輝度が決まる。
本発明の発光素子は、発光物質に由来した発光色により近い発光色を呈することのできる素子である。その為、以上に示したような本発明の発光素子を含む発光装置は、色再現性のよい、良好な表示画像を提供することができる。また、本発明の発光素子は、低駆動電圧で発光することができる。その為、本発明の発光素子を含む発光装置は、低消費電力で動作することができる。
本発明を適用した発光装置は、封止後、外部入力端子が装着され、各種電子機器に実装される。
本形態では、本発明を適用した発光装置およびその発光装置を実装した電子機器について図6〜8を用いて説明する。但し、図6〜8に示したものは一実施例であり、発光装置の構成はこれに限定されるものではない。
図6は封止後の発光装置の断面図である。トランジスタおよび本発明の発光素子とを間に挟むように基板6500および封止基板6501とがシール材6502によって貼り合わされている。また基板6500の端部には外部入力端子となるFPC(フレキシブルプリントサーキット)6503が装着されている。なお、基板6500と封止基板6501とに挟まれた領域には、窒素などの不活性ガスまたは樹脂材料で充填された状態となっている。
図7は本発明を適用した発光装置を上面からみた模式図である。図7において、点線で示された6510は駆動回路部(ソース側駆動回路)、6511は画素部、6512は駆動回路部(ゲート側駆動回路)である。画素部6511には本発明の発光素子が設けられている。駆動回路部6510および6512は外部入力端子であるFPC6503と基板6500上に形成された配線群を介して接続している。FPC(フレキシブルプリントサーキット)6503からビデオ信号、クロック信号、スタート信号、リセット信号等を受け取ることによってソース側駆動回路6510及びゲート側駆動回路6512に信号が入力される。またFPC6503にはプリント配線基盤(PWB)6513が取り付けられている。駆動回路部6510には、シフトレジスタ6515、スイッチ6516、メモリ(ラッチ)6517,6518が設けられており、駆動回路部6512にはシフトレジスタ6519、バッファ6520が設けられている。なお、これら以外の機能を備えられていてもよい。
本発明を適用した発光装置を実装した電子機器の一実施例を図8に示す。
図8(A)は、本発明を適用して作製したノート型のパーソナルコンピュータであり、本体5521、筐体5522、表示部5523、キーボード5524などによって構成されている。本発明の発光素子を有する発光装置を表示部として組み込むことでパーソナルコンピュータを完成できる。
図8(B)は、本発明を適用して作製した携帯電話であり、本体5552には表示部5551と、音声出力部5554、音声入力部5555、操作スイッチ5556、5557、アンテナ5553等によって構成されている。本発明の発光素子を有する発光装置を表示部として組み込むことでパーソナルコンピュータを完成できる。
図8(C)は、本発明を適用して作製したテレビ受像機であり、表示部5531、筐体5532、スピーカー5533などによって構成されている。本発明の発光素子を有する発光装置を表示部として組み込むことでテレビ受像機を完成できる。
以上のように本発明の発光装置は、各種電子機器の表示部として用いるのに非常に適している。
以上に示した電子機器の他、カーナビゲイション、或いは照明機器等に本発明の発光素子を有する発光装置を実装しても構わない。
以上ような本発明を適用した電子機器は、本発明のトリアジン誘導体を含む発光素子を画素部の構成要素として用いることで良好な表示画像を提供できるようになったものである。また、本発明を適用した電子機器は、低消費電力で駆動することができる。