JP4694820B2 - バンク角推定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、バンク角推定装置に関する。
近年、車両には、操安性を考慮した運動性能の向上、或いはドライバーの運転操作のアシストといった観点から、車両の状態を制御する種々の制御装置が搭載されている。この類の制御装置としては、例えば、前後輪の駆動力配分比を調整する駆動力制御装置、ブレーキ力を調整するブレーキ制御装置、車輪の操舵角を調整する操舵角制御装置が挙げられる。ところで、このような制御装置では、その制御精度の向上を図るために、車両が走行している路面の状態を推定することが重要となる。推定が必要な路面状態としては、例えば、車輪と路面との間の摩擦係数が挙げられるが、これ以外にも、路面のバンク角もまた重要である。例えば、特許文献1には、車速、ヨーレート、横加速度といった車両の状態量に基づいて、路面のバンク角を推定する手法について開示されている。
特開平10−103935号公報
ヨーレートまたは横加速度は、センサ等で検出可能な状態量であり、ある程度の検出精度を確保することができる。しかしながら、これらの状態量だけでなく、別の状態量を用いてバンク角を推定することができるのであれば、技術の豊富化といった点で有益である。
そこで、本発明の目的は、ヨーレートや横加速度を用いることなく、路面のバンク角を推定することである。
また、本発明の別の目的は、路面のバンク角に基づいて、車両の状態を制御することである。
かかる課題を解決するために、本発明は、バンク角推定装置を提供する。このバンク角推定装置は、検出部と第1の推定部とを有する。検出部は、車輪に作用する横力と上下力とを直接的に検出する。第1の推定部は、車輪に作用する横力に基づいて、車両の横方向に作用する車両横力を推定し、車輪に作用する上下力に基づいて、車両の上下方向に作用する車両上下力を推定する。そして、車両横力と車両上下力とを演算パラメータとして用いて、車両横力に対する車両の遠心力と重力とのオフセット量と、車両上下力に対する車両の遠心力と重力とのオフセット量とに基づいて、路面のバンク角を第1のバンク角として推定する。
ここで、本発明において、検出部は、車両に設けられている車輪のそれぞれを検出対象として横力と上下力とを直接的に検出しており、第1の推定部は、車輪のそれぞれにおける横力の総和として車両横力を推定するとともに、車輪のそれぞれにおける上下力の総和として車両上下力を推定することが好ましい。
また、本発明において、車速、ヨーレートおよび横加速度を検出する状態量センサと、車速と、ヨーレートと、横加速度とを演算パラメータとして用いて、車両の横方向に作用する遠心力に対する、車両の水平方向に作用する遠心力のオフセットに基づいて、路面のバンク角を第2のバンク角として推定する第2の推定部と、第1のバンク角と第2のバンク角とを比較することにより、検出部および状態量センサの一方を診断対象として、診断対象が故障しているか否かを判断する診断部とをさらに有することが好ましい。
診断部は、第2のバンク角を基準値に設定し、第1のバンク角が基準値に対応していない場合、診断対象としての検出部が故障していると判断することが好ましい。
診断部は、加速度に基づいて車両横力を推定することにより、検出部によって検出された横力の値が異常であるか否かを判断することを特徴することが好ましい。
診断部は、車速と、ヨーレートと、第2のバンク角とに基づいて車両上下力を推定することにより、検出部によって検出された上下力の値が異常であるか否かを判断することが好ましい。
本発明によれば、車輪に作用する横力を直接的に検出しているため、車両横力を推定することができる。また、車輪に作用する上下力を直接的に検出しているため、車両上下力を推定することができる。車両横力と車両上下力とには、車両に作用する遠心力と重力とがバンク角相当だけオフセットしてそれぞれ作用しているため、このオフセット量を考慮することにより、路面のバンク角を推定することが可能となる。また、本発明によれば、直接的な手法により車輪の作用力が検出されているので、車両横力と車両上下力との推定精度の向上を図ることができる。その結果、これらの値を用いてバンク角を推定することにより、その値を精度よく推定することが可能となる。
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態にかかる制御装置が適用された車両の説明図である。この車両は、前後左右の四輪がそれぞれ駆動される四輪駆動車である。エンジン1のクランクシャフト(図示せず)からの動力は、自動変速機2、センタディファレンシャル装置3を介して、前輪側および後輪側の駆動軸(車軸)4へとそれぞれ伝達される。車軸4に動力が伝達されると、各車輪5には駆動トルクが与えられ、これにより、車輪5に駆動力が加えられる。
車両の状態を制御する制御装置10は、バンク角推定装置20と、制御部30とを主体に構成されている。図2は、バンク角推定装置20のブロック構成図である。バンク角推定装置20は、CPU、ROM、RAM、入出力インターフェース等で構成されたマイクロコンピュータ21を主体に構成されている。マイクロコンピュータ21は、これを機能的に捉えた場合、路面のバンク角θを推定する推定部21aを有する。このマイクロコンピュータ21には、バンク角θを推定するために、検出部22を含む各種のセンサからの検出信号が入力されている。
図3は、車輪5に作用する作用力の説明図である。検出部22は、車輪5に作用する作用力を検出する。説明の便宜上、図2には、検出部22相当のブロックを一つのみ示しているが、実際には、個々の車輪5に対応して検出部22が設けられている。検出部22が検出し得る作用力は、前後力Fx、横力Fyおよび上下力Fzである。前後力Fxは、車輪5の接地面に発生する摩擦力のうち車輪中心面に平行な方向(x軸)に発生する分力であり、横力Fyは、車輪中心面に直角な方向(y軸)に発生する分力である。一方、上下力Fzは、鉛直方向(z軸)に作用する力、いわゆる、垂直荷重である。これらの作用力Fx,Fy,Fzのうち、本実施形態では、横力Fyと上下力Fzとが重要となる。個々の検出部22は、ひずみゲージと、このひずみゲージから出力される電気信号を処理し、作用力に応じた検出信号を生成する信号処理回路とを主体に構成されている。車軸4に生じる応力は作用力に比例するという知得に基づき、ひずみゲージを車軸4に埋設することにより、作用力が直接的に検出される。なお、検出部22の具体的な構成については、例えば、特開平04−331336号公報および特開平10−318862号公報に開示されているので、必要ならば参照されたい。
一方、制御装置10のもう一つの構成要素である制御部30は、バンク角推定装置20によって推定された推定結果に基づいて、各種のアクチュエータを制御し、車両の状態を制御する。制御部30としては、CPU、ROM、RAM、入出力インターフェースを主体に構成されたマイクロコンピュータを用いることができる。
図4は、本実施形態にかかる制御手順を示すフローチャートである。このフローチャートに示す処理は、所定間隔毎に呼び出され、マイクロコンピュータ21によって実行される。まず、ステップ1において、それぞれの車輪5において検出された横力Fyと、それぞれの車輪5において検出された上下力Fzとが読み込まれる。そして、ステップ2において、車両の横方向(車幅方向)に作用する力(以下「車両横力」という)FYと、車両の上下方向(車高方向)に作用する力(以下「車両上下力」という)FZとが推定される。具体的には、車両横力FYは、それぞれの車輪5に関して検出された横力Fyの総和として推定され、車両上下力FZは、それぞれの車輪に関して検出された上下力Fzの総和として推定される。
図5は、車両に作用する各種の力を示す説明図である。ステップ3では、車両横力FYと車両上下力FZとを演算パラメータとして用いて、路面のバンク角θが推定される。バンク角θを有する路面(バンク路面)を走行する車両(或いは、停止している車両)には、鉛直方向に重力が作用し、その水平方向に遠心力が作用する(停止時には遠心力は「0」)。この場合、Y軸方向に作用する車両横力FYには、遠心力と重力とがバンク角θ相当オフセットして作用しており、また、Z軸方向に作用する車両上下力FZにも、遠心力と重力とがバンク角θ相当オフセットして作用している。それ故に、このオフセット量に基づいて、路面のバンク角θが推定可能となる。ここで、バンク角θについて分析すると、車両横力FY、車両上下力FZ、遠心力および重力の間には、以下に示す関係が成立する。
ここで、mは車両質量、maは遠心力、mgは重力である。同数式から分かるように、遠心力maに関するバンク角相当の余弦成分(ma・cosθ)は、車両横力FYに、重力mgに関するバンク角相当の正弦成分(mg・sinθ)を加算した値となる。一方、遠心力maに関するバンク角相当の正弦成分(ma・sinθ)は、車両上下力FZから、重力mgに関するバンク角相当の余弦成分(mg・cosθ)を減算した値となる。したがって、数式1をバンク角θについて解くことにより、バンク角θは、下式により一義的に算出される。
ステップ4において、推定されたバンク角θに基づいて、車両の状態が制御される。本実施形態では、バンク角θを考慮した制御手法の一例として、車輪5の操舵角を制御する手法について説明する。この制御手法では、前方のカーブ形状に応じて操舵角制御が行われる。具体的には、車両に搭載され、前方の状況を撮像するカメラ(図示せず)から得られる情報に基づいて、自車両前方のカーブ半径が推定される。つぎに、路面のバンク角θおよび重力mgにより車両に生じる横力に基づいて、補正舵角が算出される。そして、この補正舵角に基づいて、前方のカーブ半径に応じた車輪5の操舵角が制御される。なお、バンク角θを考慮に入れた操舵角制御の詳細については、例えば、特開平10−103935号公報に開示されているので必要ならば参照されたい。
このように本実施形態によれば、車両横力FYと車両上下力FZとには、車両に作用する遠心力と重力とがバンク角相当だけオフセットして作用しているとの知得に基づき、このオフセット量から路面のバンク角θを推定することが可能となる。また、本実施形態によれば、直接的な検出手法により車輪5の作用力を検出しているため、その値を精度よく検出することができる。これにより、車両横力FYと車両上下力FZとの推定精度が向上するとともに、ひいては、バンク角θの推定精度の向上を図ることができる。
なお、本実施形態では、車両横力FYまたは車両上下力FZを推定する際に、各車輪5の横力Fyの総和または上下力Fzの総和としてその値を推定した。しかしながら、本発明はこれに限定されず、ある特定の車輪5に関する検出値に基づいて、車両横力FY、車両上下力FZを推定してもよい。例えば、左右後輪に関する横力Fy(または、上下力Fz)の和を2倍した値を、車両横力FY(または、車両上下力FZ)として推定するといった如くである。
また、制御部30は、操舵角制御以外にも、バンク角θに応じた駆動力配分制御や、バンク角θに応じたブレーキ制御などを行ってもよい。さらに、これらの制御以外にも、ヨーレート制御、ロール角制御といったように車両の運動状態をバンク角θを考慮した上で制御することも可能である。また、これらの運動状態制御では、バンク路面を想定外として制御則が決定されていることもあるので、誤制御を防止するといった観点から、バンク角θが判定値以上となった場合には、現在実行されている運動状態の制御を中止するといった手法も有効である。
図6は、バンク角θの概念説明図である。本実施形態におけるバンク角θとは、単に路面の傾斜角のみでなく、路面に対する車両の傾斜角も含む。この車両の傾斜角は、例えば、同図に示すように、路面上の突起等の轍、段差、物体等を乗越えて走行する際に生じる車両の傾斜角といったように、水平面を基準とした車両の傾斜を広く含む。
(第2の実施形態)
図7は、第2の実施形態にかかるバンク角推定装置20のブロック構成図である。第2の実施形態が第1の実施形態と相違する点は、バンク角推定装置20が故障診断機能を有している点である。具体的には、バンク角推定装置20は、車輪5の作用力ベースで推定されたバンク角θを判定値と比較することにより、検出部22が故障しているか否かが判断される。なお、第2の実施形態において、第1の実施形態で説明した構成要素と同じ要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。
本実施形態では、マイクロコンピュータ21に対して、状態量センサ23からの検出信号がさらに入力されている。状態量センサ23は、車両の状態を示す各種情報(車両状態量)を検出するセンサである。この状態量センサ23が検出する車両状態量としては、車速V、車両の横方向(車幅方向)の加速度(以下「横加速度」という)ay、ヨーレートωが挙げられる。なお、状態量センサ23は、これ自体が各種の車両状態量を単独で検出可能である必要はなく、車速センサ、横加速度センサ、ヨーレートセンサ等の周知のセンサを複合的に用いてもよい。
マイクロコンピュータ21は、これを機能的に捉えた場合、上述した推定部21a(以下「第1の推定部」という)に加え、第2の推定部21bと、診断部21cとをさらに有する。第2の推定部21bは、状態量センサ23によって検出された車両状態量に基づいて、路面のバンク角θを推定する。ここで、各推定部21a,21bによって推定される推定値を区別すべく、以下、第1の推定部21aによる推定結果を第1のバンク角θ1といい、第2の推定部21bによる推定結果を第2のバンク角θ2という。診断部21cは、両推定部21a,21bの推定結果に基づいて、検出部22が故障しているか否かを判断する。
図8は、第2の実施形態にかかる故障診断手順を示すフローチャートである。このフローチャートに示す処理は、所定間隔毎に呼び出され、マイクロコンピュータ21によって実行される。ステップ11からステップ13までの処理は、第1の実施形態におけるステップ1からステップ3までの処理に対応するので、ここでの説明は省略する。ただし、ステップ11では、状態量センサ23の検出値である車速V、横加速度ay、ヨーレートωもさらに取得される。
ステップ14において、検出された車両状態量V,ay,ωを演算パラメータとして用いて、第2のバンク角θ2が推定される。車両の横方向(車幅方向)に作用する遠心力は、車両の水平方向に作用する遠心力maに対してバンク角θに応じた値相当オフセットする。それ故に、このオフセット量に基づいてバンク角θが推定可能となる。ここで、バンク角θについて分析すると、車速V、車両質量m、ヨーレートωの積算値である横方向の遠心力mVωと、水平方向の遠心力maとの間には、以下に示す関係が成立する。
横方向の遠心力(mVω)は、車両横力FYと、重力mgに関するバンク角相当の正弦成分(mg・sinθ)との加算値であり、横力Fyは、横加速度ayと車両質量mとの積算値である。したがって、数式3をバンク角θについて解くことにより、第2のバンク角θ2は、下式により一義的に推定される。
ステップ15では、まず、第2のバンク角θ2が基準値θsに設定される。そして、第1のバンク角θ1が基準値θsに対応しているか否か、すなわち、第1のバンク角θ1と基準値θsとの差(絶対値)が判定値θthよりも大きいか否か判断される。この判定値θthは、第1のバンク角θ1と基準値θsとが実質的に同一と見なるせる誤差の最大値として、実験やシミュレーションを通じて所定の値が予め設定されている。このステップ15において肯定判定された場合、すなわち、第1のバンク角θ1が基準値θsに対応していない場合には(θ1−θs>θth)、ステップ16に進む。一方、ステップ15において否定判定された場合、すなわち、第1のバンク角θ1が基準値θsに対応している場合には(θ1−θs≦θth)、ステップ16をスキップして本ルーチンを抜ける。
ステップ16において、診断処理が実行される。この診断処理では、第1のバンク角θ1の推定要素である検出部22の検出値Fy,Fzを対象として、どの値が異常であるか否かが判断される。具体的には、まず、状態量センサ23によって検出される横加速度ayと、車両質量mとの積算値として車両横力Fyが推定される。また、状態量センサ23によって検出された車速Vおよびヨーレートωと、第2のバンク角θ2とに基づいて、車両上下力Fzが推定される(数式5参照)。
つぎに、車輪5の作用力(横力Fy)をベースに算出された車両横力FYと、車両状態量をベースに算出された車両横力FYとが比較される。また、車輪5の作用力(上下力Fz)をベースに算出された車両上下力FZと、車両状態量をベースに算出された車両上下力FZとが比較される。これらの比較において、作用力ベースの車両横力FYが車両状態量ベースの車両横力Fyに対応していない場合、例えば、両者の差が所定のしきい値以上である場合には、検出値である横力Fyの値に異常があると判断される。また、車両横力Fyと同様に、作用力ベースの車両上下力FZが車両状態量ベースの車両上下力FZに対応していない場合には、検出値である上下力Fzの値に異常があると判断される。
なお、ここでは詳述しないが、診断結果は、バンク角推定装置20のバックアップRAMにストアされる診断フラグに反映される(例えば、診断フラグ=0のとき正常、1のとき異常)。そして、バンク角推定装置20の図示しない外部接続コネクタに携帯型故障診断装置(シリアルモニタ)を接続し、診断フラグの値を読み出すことで診断結果を知ることができる。また、異常判定時は、インストルメントパネルに配設されバンク角推定装置20の出力ポートに接続された警報ランプを点灯することでドライバーに異常を報知してもよい。
このように本実施形態によれば、検出部22に生じる異常を有効に判断することができる。すなわち、作用力ベースの第1のバンク角θ1と、車両状態量ベースの第2のバンク角θ2とは、原則として値的に対応する。したがって、これらの値θ1,θ2は、厳密に一致するか、または、許容可能な誤差の範囲内に収束する。そこで、本実施形態では、状態量センサ23の検出結果を信頼した上で、第2のバンク角θ2が基準値θsに設定される。そして、第1のバンク角θ1と基準値θsとを比較することにより、検出部22に異常が生じているか否かが判断可能となる。
また、本実施形態によれば、状態量センサ23の検出値に基づいて、車両横力FYと車両上下力FZとを推定することにより、検出部22による横力Fyの値または上下力Fzの値に異常が生じているのか否かを個別に判断することができる。これにより、検出部22の異常をより詳細に特定することが可能となる。
なお、上述した実施形態では詳述していないが、例えば、検出部22の検出値に異常が認められた場合には、検出部22の検出値Fy,Fzを補正してもよい。例えば、車両状態量ベースの車両横力FY(または車両上下力FZ)と、作用力ベースの車両横力FY(または車両上下力FZ)との誤差の割合程度だけ、検出値を補正するといった如くである。また、制御の信頼性といった観点から、検出部22に異常があると判断された場合には、検出部22の検出結果を用いる制御の実行を中止することも有効である。
また、本実施形態では、状態量センサ23の検出値を信頼した上で、第2のバンク角θ2を基準値θsに設定し、第1のバンク角θ1と基準値θsとを比較し、検出部22の故障診断を行った。しかしながら、本発明の故障診断において、検出部22および状態量センサ23のどちらの検出値を信頼するかは択一的である。すなわち、検出部22の検出値に信頼性をおいた上で、第1のバンク角θ1を基準値θsに設定し、第2のバンク角θ2と基準値θsとを比較し、状態量センサ23の故障診断を行ってもよい。このような二値の比較による故障診断では、検出部22または状態量センサ23の取付精度などといったように、その検出値の信頼の程度を考慮した上で、故障診断の対象となる部位を決定すれば足りる。
本実施形態において、検出部22は、作用力として、三方向に作用する作用力を検出する構成であるが、本発明は、これに限定されるものではなく、必要となる分力方向に作用する作用力を検出可能であれば足りる。また、この三方向回りのモーメントをも含む六分力を検出する六分力計であってもよい。かかる構成であっても、制御において必要となる作用力は少なくも検出することができるので、当然ながら問題はない。なお、車輪5に作用する六分力を検出する手法については、例えば、特開2002−039744号公報、特開2002−022579号公報に開示されているので、必要ならば参照されたい。
また、本実施形態では、検出部22を車軸4に埋設するケースを説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、その他のバリエーションも考えられる。作用力を検出するという観点でいえば、例えば、車輪5を保持する部材、例えば、ハブやハブキャリア等に検出部22を設けてもよい。なお、検出部22をハブ等に設ける手法については、特開2003−104139号公報に開示されているので、必要ならば参照されたい。
第1の実施形態にかかる制御装置が適用された車両の説明図 第1の実施形態にかかる推定装置のブロック構成図 車輪に作用する作用力の説明図 本実施形態にかかる車両運動制御手順を示すフローチャート 車両に作用する遠心力と重力との釣り合いを示す説明図 バンク角の概念説明図 第2の実施形態にかかる推定装置のブロック構成図 故障診断手順を示すフローチャート
符号の説明
1 エンジン
2 自動変速機
3 センタディファレンシャル装置
4 車軸
5 車輪
10 制御装置
20 バンク角推定装置
21 マイクロコンピュータ
21a 推定部(第1の推定部)
21b 第2の推定部
21c 診断部
22 検出部
23 状態量センサ
30 制御部

Claims (6)

  1. バンク角推定装置において、
    車輪に作用する横力と上下力とを直接的に検出する検出部と、
    前記車輪に作用する前記横力に基づいて、車両の横方向に作用する車両横力を推定し、前記車輪に作用する前記上下力に基づいて、前記車両の上下方向に作用する車両上下力を推定するとともに、前記車両横力と前記車両上下力とを演算パラメータとして用いて、前記車両横力に対する前記車両の遠心力と重力とのオフセット量と、前記車両上下力に対する前記車両の遠心力と重力とのオフセット量とに基づいて、路面のバンク角を第1のバンク角として推定する第1の推定部と
    を有することを特徴とするバンク角推定装置。
  2. 前記検出部は、前記車両に設けられている前記車輪のそれぞれを検出対象として前記横力と上下力とを直接的に検出しており、
    前記第1の推定部は、前記車輪のそれぞれにおける前記横力の総和として前記車両横力を推定するとともに、前記車輪のそれぞれにおける前記上下力の総和として前記車両上下力を推定することを特徴とする請求項1に記載されたバンク角推定装置。
  3. 車速と、ヨーレートと、横加速度とを検出する状態量センサと、
    前記車速と、前記ヨーレートと、前記横加速度とを演算パラメータとして用いて、前記車両の横方向に作用する遠心力に対する、前記車両の水平方向に作用する遠心力のオフセットに基づいて、前記路面のバンク角を第2のバンク角として推定する第2の推定部と、
    前記第1のバンク角と前記第2のバンク角とを比較することにより、前記検出部および前記状態量センサの一方を診断対象として、当該診断対象が故障しているか否かを判断する診断部と
    をさらに有することを特徴とする請求項1または2に記載されたバンク角推定装置。
  4. 前記診断部は、前記第2のバンク角を基準値に設定し、前記第1のバンク角が前記基準値に対応していない場合、診断対象としての前記検出部が故障していると判断することを特徴とする請求項3に記載されたバンク角推定装置。
  5. 前記診断部は、前記加速度に基づいて前記車両横力を推定することにより、前記検出部によって検出された前記横力の値が異常であるか否かを判断することを特徴する請求項4に記載されたバンク角推定装置。
  6. 前記診断部は、前記車速と、前記ヨーレートと、前記第2のバンク角とに基づいて前記車両上下力を推定することにより、前記検出部によって検出された前記上下力の値が異常であるか否かを判断することを特徴とする請求項4に記載されたバンク角推定装置。
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