JP4694137B2 - 走査型レーザ顕微鏡、該制御方法、及び該制御プログラム - Google Patents

走査型レーザ顕微鏡、該制御方法、及び該制御プログラム Download PDF

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本発明は、標本面上をレーザ光で走査したときの標本からの透過光や反射光あるいは標本に発生する蛍光を検出する走査型レーザ顕微鏡、顕微鏡制御方法、及び顕微鏡制御プログラムに関する。
走査型レーザ顕微鏡は、レーザ光を走査光学系及び対物レンズを介して標本のX軸及びY軸方向に走査しながら照射し、標本からの透過光や反射光又は標本に発生する蛍光を再び対物レンズ及び走査光学系を介して検出器で検出して透過光や反射光または蛍光の2次元の輝度情報を得る顕微鏡である。
また、この輝度情報をX−Y走査位置に対応させてディスプレイなどに輝度の2次元分布として表示することによって、標本の蛍光像、透過像あるいは反射像を観察することも可能である。
このレーザ走査型顕微鏡のうち共焦点走査型レーザ顕微鏡は、検出光学系の標本と共役な位置に、被測定光の回折限界程度の径を有した絞りを設けることにより、焦点が合っている面の情報のみを検出するものである。
特許文献1では、標本画像を観察・記録しながら標本の所望の位置にレーザ光を照射し、標本の動的特性などを調査するために、第1の走査光学系とは別に、第2のレーザ光源から出力されたコヒーレント光を第2の走査光学系により標本上の任意の位置に照射し、かつ第1のレーザ光源から出力されたコヒーレント光を第1の走査光学系1により標本上で走査させ、その蛍光を光電変換素子によって計測する走査型レーザ顕微鏡が開示されている。
一般に、共焦点走査型レーザ顕微鏡では、合焦面の情報だけを検出できるため、標本を傷付けることなく、光学的な断層像、すなわち3次元情報を得ることができ、しかも、非合焦面の情報を排除することによって、非常にシャープな画像が得られる特徴を有している。
このような共焦点走査型レーザ顕微鏡を用いて、例えば、イオン感受性の蛍光指示薬を標本に導入し、レーザ光で標本を走査して標本から発せられる蛍光の輝度分布から、標本内の特定のイオン濃度分布およびその経時変化を測定する。
この測定では、カルシウムイオンなどのイオン濃度に感受性を有する蛍光指示薬を導入した標本を、その蛍光指示薬を励起する波長のレーザ光で照射することにより、その指示薬特有の波長の蛍光が発せられる。
この蛍光の輝度とイオン濃度との間には一定の相関が成り立つため、蛍光の輝度分布およびその経時変化を測定することにより、標本内のイオン濃度分布とその経時変化を測定できる。
さらに、最近では、標本内の特定部位にイオン物質を出現させることができるケージド試薬が考案されている。このケージド試薬は、殻となるケージド基の中に、カルシウムイオンなどのイオン物質を包含させたものである。ケージド試薬を標本内に抽入したのち、紫外線を照射することによってケージド基が開裂するため、所望の特定部位にイオン物質を出現させることができる。
これらの蛍光指示薬とケージド試薬とを標本内に導入し、特定部位のケージド試薬を開裂させ、以降の蛍光指示薬からの蛍光を観察する装置が特許文献2に開示されている。この装置では、1つの走査手段に蛍光指示薬を励起するための第1のレーザ光源と、ケージド試薬を開裂させるための第2のレーザ光源を設置し、第1のレーザで標本を走査して蛍光指示薬によるイオン濃度分布を観察しながら、所望の位置において、第2のレーザを照射することによってケージド試薬を開裂させることができるものである。
また、各種研究所等では、走査型レーザ顕微鏡を使用したFRAP(Fluorescence Recovery After Photobleaching)の実験が行われている。走査型レーザ顕微鏡を使用したFRAPの実験では、まずフォトブリーチ実行前の標本画像を取得し、続いてフォトブリーチを実行し、そしてフォトブリーチ終了後及び蛍光復帰の間の標本画像を取得する等の手順で実験が行われる。
ここで、走査型レーザ顕微鏡を2つの走査光学系を有する構成にした場合、標本画像を取得するための第1のレーザ光源と、フォトブリーチを実行するための第2のレーザ光源を設置し、第2のレーザ光を照射しフォトブリーチしながら第1のレーザ光で標本を走査してフォトブリーチ終了後及び蛍光復帰を観察できる。
このとき、フォトブリーチ実行中に標本へ照射する第2のレーザ光の強度は、フォトブリーチ実行前後の画像取得時に標本へ照射する第1のレーザ光の強度よりも遥かに大きい。
上記のように、標本内の特定のイオン濃度分布およびその経時変化の測定やFRAPの実験では、第1の走査光学系の走査領域と第2の走査光学系の走査領域を異なるサイズにし、2つの領域が重なり合うようにして、非同期に走査することが可能である。
特開平10−206742号公報 特開2000−275529号公報
しかしながら、例えばFRAPの実験で、フォトブリーチ実行中に画像取得を行うために、第1の走査光学系の走査と第2の走査光学系の走査を非同期で実施しようとすると、第1の走査光学系からのレーザ光と第2の走査光学系からのレーザ光が走査領域内の一部で重なってしまい、その領域の蛍光物質の褪色が早まったり、または、第2の走査光学系からの光が第1の走査光学系に混入し、混入した領域の輝度値が飽和した走査画像が得られてしまうという問題が発生する可能性がある。
また、標本内の特定のイオン濃度分布およびその経時変化の測定する場合も、第1の走査光学系の走査と第2の走査光学系の走査を非同期で実施しようとすると、第1の走査光学系からのレーザ光と第2の走査光学系からのレーザ光が走査領域内の一部で重なってしまい、その領域のケージド試薬を開裂状態が他の領域の開裂状態と異なってしまうという問題が発生する可能性がある。
上記の課題に鑑み、本発明では、複数の走査光学系を使用し、各走査光学系の走査領域が重なり合うような場合でも、各走査光学系からのレーザ光が同時に同じ領域を照射しないようにすることが可能な走査型レーザ光顕微鏡、顕微鏡制御方法、及び顕微鏡制御プログラムを提供する。
本発明に係る走査型レーザ顕微鏡は、複数の走査光学系と、前記複数の走査光学系のうち第1の走査光学系の走査と、前記複数の走査光学系のうち第2の走査光学系の走査とが重なる領域を前記第1の走査光学系が走査する間、該第2の走査光学系のレーザ光の照射を停止する制御を行うレーザ光照射制御手段とを備えることを特徴とする。
本発明に係る走査型レーザ顕微鏡は、標本の走査画像を得るための第1の走査光学系と、前記標本の特定の部位に特異現象を発現させるための第2の走査光学系と、前記第1の走査光学系の走査と前記第2の走査光学系の走査とが重なる領域を前記第1の走査光学系が走査する間、前記第2の走査光学系のレーザ光の照射を停止する制御を行うレーザ光照射制御手段とを備えることを特徴とする。
本発明に係る、複数の走査光学系を備えた走査型レーザ顕微鏡を制御する走査型レーザ顕微鏡制御方法は、前記複数の走査光学系のうち第1の走査光学系の走査と、前記複数の走査光学系のうち第2の走査光学系の走査とが重なる領域を前記第1の走査光学系が走査する間、該第2の走査光学系のレーザ光の照射を停止する制御を行うことを特徴とする。
本発明に係る、複数の走査光学系を備えた走査型レーザ顕微鏡の制御をコンピュータに実行させるための走査型レーザ顕微鏡制御プログラムは、前記複数の走査光学系に走査を行わせる処理と、前記複数の走査光学系を制御して、当該複数の走査光学系のうち第1の走査光学系の走査と、前記複数の走査光学系のうち第2の走査光学系の走査が重なる領域を前記第1の走査光学系が走査する間、該第2の走査光学系のレーザ光の照射を停止する処理を、コンピュータに実行させることを特徴とする。
本発明に係る走査型レーザ顕微鏡は、複数の走査光学系と、前記複数の走査光学系のうち第1の走査光学系の走査の帰線区間で当該第1走査光学系のレーザ光の照射を停止する制御を行うレーザ光照射制御手段と、前記複数の走査光学系のそれぞれの走査領域が重なり合う場合に、前記第1の走査光学系の走査の帰線区間で、前記複数の走査光学系のうち第2の走査光学系の走査と該第1の走査光学系の走査とを当該両走査光学系の走査動作を停止せずに交差させる制御を行う交差制御手段と、を備え、前記交差制御手段は、前記第2の走査光学系の走査の開始タイミングと前記第1の走査光学系の走査の開始タイミングとを、異ならせることを特徴とする。
本発明に係る走査型レーザ顕微鏡は、標本の走査画像を得るための第1の走査光学系と、前記標本の特定の部位に特異現象を発現させるための第2の走査光学系と、前記第2の走査光学系の走査の帰線区間で当該第2走査光学系のレーザ光の照射を停止する制御を行うレーザ光照射制御手段と、前記第1および第2の走査光学系のそれぞれの走査領域が重なり合う場合に、前記第2の走査光学系の走査の帰線区間で、該第2の走査光学系の走査と前記第1の走査光学系の走査とを当該両走査光学系の走査動作を停止せずに交差させる制御を行う交差制御手段と、を備え、前記交差制御手段は、前記第2の走査光学系の走査の開始タイミングと前記第1の走査光学系の走査の開始タイミングとを、異ならせることを特徴とする。
本発明に係る、複数の走査光学系を備えた走査型レーザ顕微鏡を制御する走査型レーザ顕微鏡制御方法は、前記複数の走査光学系のうち第1の走査光学系の走査の帰線区間で当該第1走査光学系のレーザ光の照射を停止する制御と、前記複数の走査光学系のそれぞれの走査領域が重なり合う場合に、前記複数の走査光学系のうち第1の走査光学系の走査の帰線区間で、前記複数の走査光学系のうち第2の走査光学系の走査と該第1の走査光学系の走査とを当該両走査光学系の走査動作を停止せずに交差させるように、前記第2の走査光学系の走査の開始タイミングと該第1の走査光学系の走査の開始タイミングとを異ならせる制御を行うことを特徴とする。
本発明に係る、複数の走査光学系を備えた走査型レーザ顕微鏡の制御をコンピュータに実行させるための走査型レーザ顕微鏡制御プログラムは、前記複数の走査光学系に走査を行わせる処理と、前記複数の走査光学系のうち第1の走査光学系の走査の帰線区間で当該第1走査光学系のレーザ光の照射を停止する処理と、前記複数の走査光学系のそれぞれの走査領域が重なり合う場合に、前記複数の走査光学系を制御して、当該複数の走査光学系のうち第1の走査光学系の走査の帰線区間で、前記複数の走査光学系のうち第2の走査光学系の走査と該第1の走査光学系の走査とを当該両走査光学系の走査動作を停止せずに交差させるように、前記第2の走査光学系の走査の開始タイミングと該第1の走査光学系の走査の開始タイミングとを異ならせる処理を、コンピュータに実行させることを特徴とする。
前記走査型レーザ顕微鏡において、前記第1の走査光学系は、レーザ光をX方向にライン走査するXスキャナと該Xラインの位置をY方向に走査するYスキャナを備え、前記レーザ光照射制御手段は、前記第1の走査光学系のXスキャナが前記重なる領域を含むXラインの走査を行なうときに前記第2の走査光学系のレーザ光の照射を停止する制御を行うことを特徴とする。
以上発明したように本発明の請求項1〜4によれば、第1の走査光学系の走査と第2の走査光学系の走査が重なる個所で、第2の走査光学系のレーザ光の照射を停止するのみで、容易に各走査光学系の間のレーザ光の影響を排除できる走査型レーザ光顕微鏡、顕微鏡制御方法、および顕微鏡制御プログラムを提供できる。
また、本発明の請求項1〜4によれば、ハードウェアは従来のものを変更せずに、第1の走査光学系の走査と第2の走査光学系の走査が重なる個所で、第2の走査光学系のレーザ光の照射を停止するように制御を変更するだけで、容易に本発明を導入することができる。
また、本発明の請求項5〜9によれば、第2の走査光学系の帰線区間で2つの走査光学系の走査を交差するようにするのみで、容易に各走査光学系の間のレーザ光の影響を排除することができる。
また、本発明の請求項5〜9によれば、ハードウェアは従来のものを変更せずに、第2の走査光学系の帰線区間で2つの走査光学系の走査を交差するように制御を変更するだけで、容易に本発明を導入することができる。
<第1の実施形態>
本実施形態では、走査型レーザ顕微鏡を用いて、標本内の特定のイオン濃度分布およびその経時変化を測定する例を説明する。
図1は、本実施形態における走査型レーザ顕微鏡のブロック図である。
走査型レーザ顕微鏡は、第1のレーザ光源1からのレーザ光を標本17の焦点面上を走査する観察用の第1の走査光学系Aと、第2のレーザ光源10から出力されるレーザ光を標本の任意の位置に照射してケージド試薬を開裂させるための第2の走査光学系Bとを備えている。第2の走査光学系Bは標本の特定部位に特異現象を発現させる光学系である。
第1の走査光学系Aは、第1のレーザ光源1、ダイクロイックミラー2、第1の走査光学ユニット3、リレーレンズ4及びミラー5から構成される。更に第1の走査光学系Aのダイクロイックミラー2の分岐光路上には、検出光学系Cが配置されている。この検出光学系Cは、測光フィルタ6、レンズ7、共焦点ピンホール8及び光電変換素子9により構成される。
第2の走査光学系Bは、第2のレーザ光源10、CPU22と接続しているレーザ制御素子27、第2の走査光学ユニット11、リレーレンズ12及びダイクロイックミラー13から構成される。なお、レーザ制御素子27としては、NDフィルタ(光量調整フィルタ)、AOTF(音響光学素子)やレーザシャッタ等が使用できる。
第1の走査光学系Aの光軸と、第2の走査光学系Bの光軸とは、ダイクロイックミラー13により合成され、結像レンズ14、対物レンズ15に導かれる。また、リレーレンズ4およびリレーレンズ12の焦点位置は、結像レンズ14の焦点位置と一致するように配置されている。標本17はステージ18上に載置されている。
ダイクロイックミラー13は、第1の走査光学系Aからのレーザ光の波長より長波長の光を透過すると共に、第2の走査光学系Bからのレーザ光の波長を反射する特性となっている。
第1の光学走査ユニット3は、第1の走査波形発生回路20に接続されている。第2の光学走査ユニット11は、第2の走査波形発生回路21に接続されている。光電変換素子9は、A/D変換器19に接続されている。そして、第1の走査波形発生回路20、第2の走査波形発生回路21、及びA/D変換器19は、CPU(中央処理装置)22と接続している。さらに、CPU22はメモリ23に接続され、フレームメモリ25を介してディスプレイ26とも接続されている。
CPU22は、各所に制御命令を出すもので、例えば、第1及び第2の走査光学ユニット3、11の光学スキャナ3a、3b及び11a、11bを操作制御する第1及び第2の走査波形発生回路20、21に対し、第1及び第2のレーザ光源1、10からのレーザ光が所望の領域を走査するような走査波形を指示して走査を開始させたり、A/D変換器19からのデジタルデータを画像化するなどをしている。また、後述する第2の走査光学系Bのレーザ制御素子27の制御もしている。
メモリ23は、A/D変換器19からのデジタルデータや、CPU22で形成される走査画像などを記憶している。ディスプレイ26は、CPU22で形成されメモリ23に記憶している走査画像をフレームメモリ25を介して表示する。
ここで、CPU22、メモリ23、フレームメモリ25等は一般的なパーソナルコンピュータ等を利用してもよい。また、後述する制御方法はコンピュータプログラムにより処理可能で、その処理プログラムはCD−ROM等の記録媒体やハードディスク等の記憶装置24に記録されている。また、通信ネットワーク経由で処理プログラムを読み出すようにしてもよい。
必要に応じて前記パーソナルコンピュータのメモリ23上に前記処理プログラムを読み出し、CPU22により実行しパーソナルコンピュータに接続されている各装置を制御している。
次に、このように構成した走査型レーザ顕微鏡の作用を説明する。第1のレーザ光源1からのレーザ光は、第1の走査波形発生回路20により走査制御される第1の走査光学ユニット3へ導かれ、任意の方向に偏向走査される。このレーザ光はさらに、リレーレンズ4、ミラー5、ダイクロイックミラー13、結像レンズ14、対物レンズ15を介して、標本17の断面16上に集光され、断面16内を2次元走査する。
標本17には第1のレーザ光源1の波長によって励起される蛍光指示薬が導入されており、断面16内をレーザ光が走査することにより、蛍光指示薬が励起されて蛍光を生じる。対物レンズ15により捕らえられた蛍光は、上記レーザ光と同じ光路を逆向きに進み、対物レンズ15、結像レンズ14、ダイクロイックミラー13を透過し、ミラー5、リレーレンズ4、第1の走査光学ユニット3を介してダイクロイックミラー2へ導かれる。
ダイクロイックミラー2は、第1のレーザ光源1からのレーザ光の波長より長波長側の光を反射する特性となっており、これにより上記蛍光はダイクロイックミラー2により反射され、検出光学系Cへ導入される。
検出光学系Cにおいて、蛍光は測光フィルタ6により特定の波長の光が選択透過され、さらにレンズ7、共焦点ピンホール8により断面16からの光のみが選択されて、光電変換素子9へ入射する。
光電変換素子9からの出力信号は、A/D変換器19へ導かれ、走査制御に同期してデジタル信号に変換され、CPU22により、フレームメモリ25を介して、走査位置に対応してディスプレイ26上に表示される。表示された画像は、断面16での蛍光画像(蛍光輝度の2次元分布)、すなわち所望のイオン濃度の断面16内での分布を示している。
一方、第2のレーザ光源10からのレーザ光は、CPU22により制御されるレーザ制御素子27によりレーザ強度等が調整され、第2の走査光学ユニット11、リレーレンズ12、ダイクロイックミラー13を介して第1の走査光学系Aからの光軸と合成される。そして、結像レンズ14、対物レンズ15を透過して、標本17の断面16上に照射される。この時の断面16内での照射位置は、CPU22により第2の走査光学ユニット11を制御することで第1の走査光学系Aの走査位置に依存しない任意の位置を選択することができる。
このように第2のレーザ光源10からのレーザ光が、ケージド試薬を導入した標本17に照射されると、照射された部位のケージド試薬のケージド基が開裂し、内部に包含されている物質が放出される。この放出による標本17内の上記イオン濃度分布の変化を、上記第1の走査光学系Aにより得られる画像により測定できる。
次に、第1の走査光学系Aの標本17への走査と、第2の走査光学系Bからの標本17へのレーザ光の照射の制御について説明する。図1にも示すように、第1及び第2の走査光学ユニット3及び11は、2つの光学スキャナ3a、3b及び11a、11bを備えている。
CPU22は、第1の走査光学ユニット3の光学スキャナ3a、3bを走査制御する第1の走査波形発生回路20と、第2の走査光学ユニット11内の光学スキャナ11a,11bを走査制御する第2の走査波形発生回路21に接続している。
CPU22は蛍光画像を得るため、第1の走査波形発生回路20に対して目的とする断面16内の目的とする範囲を第1のレーザ光源1からのレーザ光が走査するような走査波形を指示して走査制御を開始する。また、これと共に、ケージド試薬を開裂させる所望の領域を第2のレーザ光源10からのレーザ光が走査するように第2の走査波形発生回路21に対して走査波形を指示する。
図2は、本実施形態における走査波形と走査の関係を示す。同図において、34は第1の走査光学系の走査領域を示しており、この第1の走査光学系の走査領域34の水平方向をX1、垂直方向をY1で表す。また、走査波形30はX1方向の走査波形(1波形の長さをLx1で表す)を示しており、走査波形31はY1方向の走査波形(1波形の長さをLy1で表す)で示している。
また、35は第2の走査光学系の走査領域を示しており、この第2の走査光学系の走査領域35の水平方向をX2、垂直方向をY2で表す。また、走査波形32はX2方向の走査波形(1波形の長さをLx2で表す)を示しており、走査波形33はY2方向の走査波形(1波形の長さをLy2で表す)で示している。
また、第1の走査光学系のピクセルクロックをC1、第2の走査光学系のピクセルクロックをC2で表す。36は第2の走査光学系の走査開始位置(xo2,yo2)を示している。
さて、CPU22により走査開始が指示された第1の走査波形発生回路20は、第1の走査光学ユニット3内の2つの光学スキャナ3a、3bに対し、CPU22により指示された走査波形30,31をそれぞれ出力する。なお、ここでは光学スキャナ3aが水平方向の主走査を、光学スキャナ3bが垂直方向の副走査を行うものである。
これによりレーザ光が断面16内で2次元走査を始める。第1の走査波形発生回路20は走査波形30,31の出力を始めると、A/D変換器19に対して、図示しない各種同期信号(クロック信号、垂直同期信号、水平同期信号)を出力する。A/D変換器19はこれらの各種同期信号のうち、各画素ごとに発生するクロック信号(図2に示す第1の走査光学系のピクセルクロックC1)により光電変換素子9から出力される蛍光輝度信号をA/D変換する。
そして、CPU22において、A/D変換器19より得られたデジタルデータと、垂直同期信号と、水平同期信号とからメモリ23上に画像を形成して、フレームメモリ25を介してディスプレイ26上に表示する。この場合、垂直同期信号の1サイクル分が1枚の画像となる。
このようにして得られた画像は、ケージド試薬が開裂する前における標本17内のイオン濃度分布の初期状態を示す画像となる。かかる画像を1枚ないし複数枚測定した後、CPU22は、第1の走査波形発生回路20に対して走査開始を指示し、画像の取得を開始する。続いて、CPU22は、所望のタイミングでレーザ制御素子27にレーザ強度等を指示すると共に、第2の走査波形発生回路21に走査開始を指示する。
CPU22により走査開始が指示された第2の走査波形発生回路21は、第2の走査光学ユニット11内の2つの光学スキャナ11a、11bに対し、CPU22により指示された走査波形32、33をそれぞれ出力する。なお、ここでは光学スキャナ11aが水平方向の主走査を、光学スキャナ11bが垂直方向の副走査を行うものである。
第2の走査光学系Bからのレーザ光を標本17に照射するとケージド試薬が開裂し、これ以降に第1の走査光学系Aの走査から得られる走査画像は、ケージド試薬が開裂したことによる標本内の変化を示すものとなる。
このとき、第1の走査光学系Aの走査と第2の走査光学系Bの走査が重なる領域では、レーザ制御素子27によりレーザ強度等を調整して、レーザ光を同じ領域に同時に照射しないようにする。通常、第1の走査光学系の走査と第2の走査光学系の走査を非同期で開始すると、走査領域内のある領域でレーザ光が同時に照射される可能性がある。本発明では、各走査光学系の走査が重なる領域を、第1の走査光学系が走査している間、第2の走査光学系のレーザ光の照射を停止するようにする。
ここで、図2のような走査波形を用いて走査をする場合を例にして、第1の走査光学系の走査と第2の走査光学系の走査が重なる領域のレーザ光の照射制御について、図3を用いて説明する。図3は、1枚の画像を取得する場合の流れであり、複数枚の画像を取得する場合はこの流れを繰り返す。
まず、走査領域34に対する第1の走査光学系の走査を開始する(S31)。続いて、所望のタイミングで走査領域35に対する第2の走査光学系の走査を開始する(S32)。なお、このとき第2の走査光学系のレーザ光の照射も同時に開始する。
第1の走査光学系の垂直方向の走査位置がyo2に到達したら(S33)、第2の走査光学系のレーザ光の照射を停止する(S37)。次に第1の走査光学系の垂直方向の走査位置がyo2+Y2+1に到達したら(S34)、第2の走査光学系のレーザ光の照射を再開する(S38)。これらにより、第1の走査光学系の垂直方向の走査位置がyo2からyo2+Y2の間は第2の走査光学系のレーザ光の照射が停止されるので、同時に同じ領域にレーザ光が照射されることはない。
第1の走査光学系の水平方向の走査は、走査領域34の全体で繰り返されており(S35)、走査領域34の終了位置まで到達したら(S36)、1枚の画像の取得が終了となる。
上記により、複数の走査光学系を用いて、所望の領域で特異現象を発現させる時のイオン濃度分布の経時変化の測定やFRAPの実験などにおいて、各走査光学系の間のレーザ光の影響を排除することが可能となる。
上記第1の実施形態では、第2の走査光学系のレーザ光の照射を制御しているが、第1の走査光学系のレーザ光の照射を制御してもよい。この場合、レーザ制御素子27を光源1の光路側に設ける。
上記第1の実施形態では、レーザ制御素子を利用しているが、光源が固体レーザの場合は、レーザ光の射出を制御してもよい。
<第2の実施形態>
本実施形態では、第2の走査光学系の走査の帰線区間で第1の走査光学系を走査させることにより、各走査光学系の走査領域が重なり合うような場合でも、第1の走査光学系からのレーザ光と第2の走査光学系からのレーザ光が走査領域内のある1点で重なることを防止する。本実施形態では、走査型レーザ顕微鏡を用いて、標本内の特定のイオン濃度分布およびその経時変化を測定する例を説明する。
図4は、本実施形態における走査型レーザ顕微鏡のブロック図である。走査型レーザ顕微鏡は、第1のレーザ光源1からのレーザ光を標本17の焦点面上を走査する観察用の第1の走査光学系Aと、第2のレーザ光源10から出力されるレーザ光を標本の任意の位置に照射してケージド試薬を開裂させるための第2の走査光学系Bとを備えている。第2の走査光学系Bは、標本の特定部位に特異現象を発現させる光学系である。
第1の走査光学系Aは、第1のレーザ光源1、ダイクロイックミラー2、第1の走査光学ユニット3、リレーレンズ4、及びミラー5から構成される。更に、第1の走査光学系Aのダイクロイックミラー2の分岐光路上には、検出光学系Cが配置されている。
この検出光学系Cは、測光フィルタ6、レンズ7、共焦点ピンホール8、及び光電変換素子9により構成される。第2の走査光学系Bは、第2のレーザ光源10、第2の走査光学ユニット11、リレーレンズ12及びダイクロイックミラー13から構成される。
第1の走査光学系Aの光軸と第2の走査光学系Bの光軸とは、ダイクロイックミラー13により合成され、結像レンズ14及び対物レンズ15に導かれる。また、リレーレンズ4およびリレーレンズ12の焦点位置は、結像レンズ14の焦点位置と一致するように配置されている。標本17はステージ18上に載置されている。
ダイクロイックミラー13は、第1の走査光学系Aからのレーザ光の波長より長波長の光を透過すると共に、第2の走査光学系Bからのレーザ光の波長を反射する特性となっている。
第1の光学走査ユニット3は、第1の走査波形発生回路20に接続されている。第2の光学走査ユニット11は、第2の走査波形発生回路21に接続されている。光電変換素子9は、A/D変換器19に接続されている。そして、第1の走査波形発生回路20、第2の走査波形発生回路21、及びA/D変換器19は、CPU(中央処理装置)22と接続している。さらに、CPU22はメモリ23に接続され、またフレームメモリ25を介してディスプレイ26とも接続されている。
CPU22は、各所に制御命令を出すもので、例えば、第1及び第2の走査光学ユニット3,11の光学スキャナ3a,3b及び11a,11bを操作制御する第1及び第2の走査波形発生回路20,21に対し、第1及び第2のレーザ光源1,10からのレーザ光が所望の領域を走査するような走査波形を指示して走査を開始させたり、A/D変換器19からのデジタルデータを画像化するなどをしている。また、後述する第1の走査光学系の走査開始と第2の走査光学系の走査開始の間の遅延時間も計算している。
メモリ23は、A/D変換器19からのデジタルデータや、CPU22で形成される走査画像などを記憶している。ディスプレイ26は、CPU22で形成されメモリ23に記憶している走査画像を、フレームメモリ25を介して表示する。
ここで、CPU22、メモリ23、フレームメモリ25等は一般的なパーソナルコンピュータ等を利用してもよい。また、後述する制御方法はコンピュータプログラムにより処理可能で、その処理プログラムはCD−ROM等の記録媒体やハードディスク等の記憶装置24に記録されている。また、通信ネットワーク経由で処理プログラムを読み出すようにしてもよい。
必要に応じてこのパーソナルコンピュータのメモリ23上に前記処理プログラムを読み出し、CPU22により実行しパーソナルコンピュータに接続されている各装置を制御している。
次に、このように構成した走査型レーザ顕微鏡の作用を説明する。第1のレーザ光源1からのレーザ光は、第1の走査波形発生回路20により走査制御される第1の走査光学ユニット3へ導かれ、任意の方向に偏向走査される。このレーザ光はさらに、リレーレンズ4、ミラー5、ダイクロイックミラー13、結像レンズ14、対物レンズ15を介して、標本17の断面16上に集光され、断面16内を2次元走査する。
標本17には第1のレーザ光源1の波長によって励起される蛍光指示薬が導入されており、断面16内をレーザ光が走査することにより、蛍光指示薬が励起されて蛍光を生じる。対物レンズ15により捕らえられた蛍光は、上記レーザ光と同じ光路を逆向きに進み、対物レンズ15、結像レンズ14、ダイクロイックミラー13を透過し、ミラー5、リレーレンズ4、第1の走査光学ユニット3を介してダイクロイックミラー2へ導かれる。
ダイクロイックミラー2は、第1のレーザ光源1からのレーザ光の波長より長波長側の光を反射する特性となっており、これにより上記蛍光はダイクロイックミラー2により反射され、検出光学系Cへ導入される。
検出光学系Cにおいて、蛍光は測光フィルタ6により特定の波長の光が選択透過され、さらにレンズ7、共焦点ピンホール8により断面16からの光のみが選択されて、光電変換素子9へ入射する。
光電変換素子9からの出力信号は、A/D変換器19へ導かれ、走査制御に同期してディジタル信号に変換され、CPU22により、フレームメモリ25を介して、走査位置に対応してディスプレイ26上に表示される。表示された画像は、断面16での蛍光画像(蛍光輝度の2次元分布)、すなわち所望のイオン濃度の断面16内での分布を示している。
一方、第2のレーザ光源10からのレーザ光は、第2の走査光学ユニット11、リレーレンズ12、ダイクロイックミラー13を介して第1の走査光学系Aからの光軸と合成される。そして、結像レンズ14、対物レンズ15を透過して、標本17の断面16上に照射される。この時の断面16内での照射位置は、CPU22により第2の走査光学ユニット11を制御することで、第1の走査光学系Aの走査位置に依存しない任意の位置を選択することができる。
このように第2のレーザ光源10からのレーザ光が、ケージド試薬を導入した標本17に照射されると、照射された部位のケージド試薬のケージド基が開裂し、内部に包含されている物質が放出される。この放出による標本17内の上記イオン濃度分布の変化を、上記第1の走査光学系Aにより得られる画像により測定できる。
次に、第1の走査光学系Aの標本17への走査と、第2の走査光学系Bからの標本17へのレーザ光の照射の制御について説明する。図4にも示すように、第1及び第2の走査光学ユニット3及び11は、2つの光学スキャナ3a,3b及び11a,11bを備えている。
CPU22は、第1の走査光学ユニット3の光学スキャナ3a,3bを操作制御する第1の走査波形発生回路20と、第2の走査光学ユニット11内の光学スキャナ11a,11bを操作制御する第2の走査波形発生回路21に接続している。
CPU22は、蛍光画像を得るために、目的とする断面16内の目的とする範囲を第1のレーザ光源1からのレーザ光が走査するような走査波形を、第1の走査波形発生回路20に対して指示して走査制御を開始する。また、CPU22は、ケージド試薬を開裂させる所望の領域を第2のレーザ光源10からのレーザ光が走査するように第2の走査波形発生回路21に対して走査波形を指示する。
図2は、本実施形態における走査波形と走査の関係を示す。同図において、34は第1の走査光学系の走査領域を示しており、この第1の走査光学系の走査領域34の水平方向をX1、垂直方向をY1で表す。また、走査波形30はX1方向の走査波形(1波形の長さをLx1で表す)を示しており、走査波形31はY1方向の走査波形(1波形の長さをLy1で表す)を示している。
また、35は第2の走査光学系の走査領域を示しており、この第2の走査光学系の走査領域35の水平方向をX2、垂直方向をY2で表す。また、走査波形32はX2方向の走査波形(1波形の長さをLx2で表す)を示しており、走査波形33はY2方向の走査波形(1波形の長さをLy2で表す)を示している。
また、第1の走査光学系のピクセルクロックをC1、第2の走査光学系のピクセルクロックをC2で表す。36は第2の走査光学系の走査開始位置(xo2,yo2)を示している。
さて、CPU22により走査開始が指示された第1の走査波形発生回路20は、第1の走査光学ユニット3内の2つの光学スキャナ3a,3bに対し、CPU22により指示された走査波形30,31をそれぞれ出力する。なお、ここでは光学スキャナ3aが水平方向の主走査を、光学スキャナ3bが垂直方向の副走査を行うものである。
これによりレーザ光が断面16内で2次元走査を始める。第1の走査波形発生回路20は走査波形30,31の出力を始めると、A/D変換器19に対して、図示しない各種同期信号(クロック信号、垂直同期信号、水平同期信号)を出力する。A/D変換器19はこれらの各種同期信号のうち、各画素ごとに発生するクロック信号(図2に示す第1の走査光学系のピクセルクロックC1)により光電変換素子9から出力される蛍光輝度信号をA/D変換する。
そして、CPU22において、A/D変換器19より得られたデジタルデータと、垂直同期信号と、水平同期信号とからメモリ23上に画像を形成して、フレームメモリ25を介してディスプレイ26上に表示する。この場合、垂直同期信号の1サイクル分が1枚の画像となる。
このようにして得られた画像は、ケージド試薬が開裂する前における標本17内のイオン濃度分布の初期状態を示す画像となる。かかる画像を1枚ないし複数枚測定した後、CPU22は、第1の走査波形発生回路20に対して走査開始を指示し、画像の取得を開始する。続いて、後述する方法で計算した遅延時間後に、CPU22は、第2の走査波形発生回路21に走査開始を指示する。
CPU22により走査開始が指示された第2の走査波形発生回路21は、第2の走査光学ユニット11内の2つの光学スキャナ11a,11bに対し、CPU22により指示された走査波形32,33をそれぞれ出力する。なお、ここでは光学スキャナ11aが水平方向の主走査を、光学スキャナ11bが垂直方向の副走査を行うものである。
第2の走査光学系Bからのレーザ光を標本17に照射するとケージド試薬が開裂し、これ以降に第1の走査光学系Aの走査から得られる走査画像は、ケージド試薬が開裂したことによる標本内の変化を示すものとなる。
ここで、図2のような走査波形を用いて走査をする場合を例にして、第1の走査光学系の走査開始時間に対する第2の走査光学系の走査開始時間の遅延時間について説明する。通常、第1の走査光学系の走査と第2の走査光学系の走査を非同期で開始すると、走査領域内のある1点でレーザ光が重なる可能性がある。本実施形態では、その1点が第2の走査光学系の走査の水平または垂直の帰線区間になるように、第1の走査光学系の走査開始時間または第2の走査光学系の走査開始時間を遅延させる。
これについて具体的に説明する。図2において、例えば走査波形32について見てみると、走査波形32の左端は急勾配になって下っており、それから緩やかに右上方へ上がって行き、その後再び急勾配で下っている。このうち、緩やかに右上方へ上がっている波形部分が、レーザ光を照射しながら走査しているところを示している。そして、この両端の急勾配の波形が帰線区間を示し、左から右への走査が再び左へ戻っていることを示す。このときレーザ光の照射は停止状態である。
また、走査波形33について見てみると、走査波形33の左端は急勾配になって下っており、それから緩やかに右上方へ上がって行き、その後再び急勾配で下っている。このうち、緩やかに右上方へ上がっている波形部分が、レーザ光を照射しながら走査しているところを示している。そして、この両端の急勾配の波形が帰線区間を示し、上から下へ表示した走査線が再び上へ戻っていることを示す。このときレーザ光の照射は停止状態である。
走査波形30,31の見方についてもそれぞれ、走査波形32,33と同様である。
このとき、例えば、第2の走査光学系のレーザ光の照射が行われていない時、すなわち、第2の走査光学系の水平走査の帰線区間の時に、第1の走査光学系の走査を行うようにすれば、第1の走査光学系からのレーザ光と第2の走査光学系からのレーザ光が走査領域内のある1点で重なることはない。
図5は、本実施形態における第2の走査光学系の帰線区間で、第1の走査光学系の走査を行うフローを示す。まず、走査領域35を第2の走査光学系で水平走査を行う(S1)。それから、その水平走査が終わって次の走査開始まで移動する帰線区間となる(S2)。この第2の走査光学系の帰線区間で、第1の走査光学系を走査させることにより(S3)、第1の走査光学系からのレーザ光と第2の走査光学系からのレーザ光が走査領域内のある1点で重なることはない。以下では、これの実現方法を詳述する。
第2の走査光学系の水平走査の帰線区間の終点で、2つの走査光学系の走査を交差する例を説明する。なお、以下の説明中の式で、INT()は切り捨てを意味する。
まず、第2の走査光学系の走査の先頭位置(垂直位置がyo2)の走査線の先頭に、第1の走査光学系の走査が到達するまでの時間T1を次式(1)で計算する。
Figure 0004694137
次に、第2の走査光学系の水平走査の1回の走査時間T2を次式(2)で計算する。
Figure 0004694137
上記T1とT2から、第2の走査光学系の走査の先頭位置に第1の走査光学系の走査が到達するまでに、第2の走査光学系が水平走査する回数naを次式(3)で計算する。
Figure 0004694137
上記より、第2の走査光学系の走査の先頭位置に第1の走査光学系の走査が到達したときに、第2の走査光学系の走査の垂直位置Ys2が次式(4)で計算できる。
Figure 0004694137
ここで、第2の走査光学系の走査の垂直位置Ys2における水平走査の帰線区間の終点で、2つの走査光学系の走査を交差するものとする。
続いて、第2の走査光学系の走査の垂直位置Ys2に第2の走査光学系の走査が到達するまでの時間Taを次式(5)で計算する。
Figure 0004694137
次に、上記Ta時間内に第1の走査光学系の走査が到達する垂直位置Ys1を次式(6)で計算する。
Figure 0004694137
そして、Ta時間内に各走査光学系の走査が到達した垂直位置の差Dsを次式(7)で計算する。
Figure 0004694137
上記より、この垂直位置の差の時間分、第2の走査光学系の走査開始時間を第1の走査光学系の走査開始時間に対して遅延すればよい。この遅延時間tは、次式(8)で計算できる。
Figure 0004694137
以上より、複数の走査光学系を用いて、所望の領域で特異現象を発現させる時のイオン濃度分布の経時変化の測定やFRAPの実験などにおいて、各走査光学系の間のレーザ光の影響を排除することが可能となる。
<第3の実施形態>
第2の実施形態では、水平走査を走査画像の左から右への一方向で走査しているが、走査画像の左から右と右から左の二方向すなわち往復で走査する場合もある。これは走査波形と走査の関係が図6のようになる場合である。この場合は、第2の走査光学系の垂直走査の帰線区間で、第1の走査光学系の走査と第2の走査光学系の走査を交差すればよい。
図6は、本実施形態における走査波形と走査の関係を示す。同図において、図2と異なるのは、第1の走査光学系と第2の走査光学系の水平走査を往復にするために、走査波形40,42を変化させたことである。
走査波形40について見てみる。まず左から右への走査時には走査波形40は緩やかな曲線を描いて飽和に達し、折り返し後(右から左への走査時)にはこの波形を反転した波形となる。走査波形42についても同様である。
そこで、本実施形態では、第2の走査光学系の垂直走査の帰線区間で、第1の走査光学系の走査と第2の走査光学系の走査を交差させる。
以下、第2の走査光学系の垂直走査の帰線区間で、第1の走査光学系の走査と第2の走査光学系の走査を交差する場合の遅延時間の計算を説明する。なお、以下の説明中の式で、INT()は切り捨てを意味する。
まず、第2の走査光学系の1回のXY走査の終了位置に、第1の走査光学系の走査が到達するまでの時間Tr1を次式(9)で計算する。
Figure 0004694137
次に、第2の走査光学系の1回のXY走査の走査時間Tr2を次式(10)で計算する。
Figure 0004694137
上記Tr1とTr2から、第2の走査光学系の走査の終了位置に第1の走査光学系の走査が到達するまでに、第2の走査光学系がXY走査する回数nrを次式(11)で計算する。
Figure 0004694137
上記より、第2の走査光学系の走査の終了位置に(nr+1)回目の第2の走査光学系の走査が到達するまでの時間Trを次式(12)で計算する。
Figure 0004694137
続いて、上記Tr時間内に第1の走査光学系の走査が到達する垂直位置Yr1を次式(13)で計算する。
Figure 0004694137
そして、Tr時間内に各走査光学系の走査が到達した垂直位置の差Drを次式(14)で計算する。
Figure 0004694137
上記より、この垂直位置の差の時間分、第2の走査光学系の走査開始時間を第1の走査光学系の走査開始時間に対して遅延すればよい。
この遅延時間trは、次式(15)で計算できる。
Figure 0004694137
上記により、複数の走査光学系を用いて所望の領域で特異現象を発現させる時のイオン濃度分布の経時変化の測定やFRAPの実験などにおいて、往復走査する場合でも各走査光学系の間のレーザ光の影響を排除することが可能となる。
なお、第2及び第3の実施形態では、第2の走査光学系の帰線区間の先頭で第1の走査光学系の走査と第2の走査光学系の走査を交差しているが、第2の走査光学系の帰線区間中であればどの位置でもよい。
また、第2及び第3の実施形態では、第1の走査光学系の走査領域より第2の走査光学系の走査領域が小さい場合として記載しているが、第1の走査光学系の走査領域より第2の走査光学系の走査領域が大きい場合は、第1の走査光学系の走査の帰線区間で2つの走査光学系の走査が交差するようにする。
また、第2及び第3の実施形態では、第2の走査光学系の走査開始時間を第1の走査光学系の走査開始時間に対して遅延しているが、第1の走査光学系の走査開始時間を第2の走査光学系の走査開始時間に対して遅延してもよい。
また、第2の実施形態では、第1の走査光学系と第2の走査光学系の水平走査の方向は、それぞれ一方向であり、第3の実施形態では、それぞれ往復したが、これに限らず、一方の走査光学系を一方向、他方を走査光学系を往復で水平走査するようにしてもよい。
また、第2及び第3の実施形態では、第1の走査光学系と走査光学系の走査領域の走査方向は同方向であったが、例えば一方の走査光学系を左から走査させ、他方を右から走査させるというように、逆方向で走査するようにしてもよい。このようにすることで、交差する時間が短くなり、制御に要する負担が軽減される。
また、第1から第3の実施形態では、走査光学系を2つ使用したが、これに限られず、さらに複数使用しても良い。たとえば、5つの走査光学系がある場合、1つを画像取得用走査光学系とし、他の4つをフォトブリーチ用走査光学系とすることで、同時に4つの領域をフォトブリーチすることができる。これにより、様々なパターンの条件下でFRAPの実験を行うことができる。
なお、本発明は、第1から第3の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々変形実施可能である。
第1の実施形態における走査型レーザ顕微鏡のブロック図である。 第1および第2の実施形態における走査波形と走査の関係を示す図である。 第1の実施形態におけるレーザ光の照射制御の流れを示す図である。 第2の実施形態における走査型レーザ顕微鏡のブロック図である。 第2の実施形態における第2の走査光学系の帰線区間で、第1の走査光学系の走査を行うフローを示す図である。 第3の実施形態における走査波形と走査の関係を示す図である。
符号の説明
1,10 レーザ光源
2,13 ダイクロイックミラー
3,11 走査光学ユニット
4,12 リレーレンズ
5 ミラー
6 測定フィルタ
7 レンズ
8 共焦点ピンホール
9 光電変換素子
14 結像レンズ
15 対物レンズ
16 断面位置
17 標本
18 ステージ
19 A/D変換器
20,21 走査波形発生回路
22 CPU
23 メモリ
24 記憶装置
25 フレームメモリ
26 ディスプレイ
27 レーザ制御素子

Claims (9)

  1. 複数の走査光学系と、
    前記複数の走査光学系のうち第1の走査光学系の走査と、前記複数の走査光学系のうち第2の走査光学系の走査とが重なる領域を前記第1の走査光学系が走査する間、該第2の走査光学系のレーザ光の照射を停止する制御を行うレーザ光照射制御手段と
    を備えることを特徴とする走査型レーザ顕微鏡。
  2. 標本の走査画像を得るための第1の走査光学系と、
    前記標本の特定の部位に特異現象を発現させるための第2の走査光学系と、
    前記第1の走査光学系の走査と前記第2の走査光学系の走査とが重なる領域を前記第1の走査光学系が走査する間、前記第2の走査光学系のレーザ光の照射を停止する制御を行うレーザ光照射制御手段と
    を備えることを特徴とする走査型レーザ顕微鏡。
  3. 複数の走査光学系を備えた走査型レーザ顕微鏡を制御する走査型レーザ顕微鏡制御方法であって、
    前記複数の走査光学系のうち第1の走査光学系の走査と、前記複数の走査光学系のうち第2の走査光学系の走査とが重なる領域を前記第1の走査光学系が走査する間、該第2の走査光学系のレーザ光の照射を停止する制御を行う
    ことを特徴とする走査型レーザ顕微鏡制御方法。
  4. 複数の走査光学系を備えた走査型レーザ顕微鏡の制御をコンピュータに実行させるための走査型レーザ顕微鏡制御プログラムであって、
    前記複数の走査光学系に走査を行わせる処理と、
    前記複数の走査光学系を制御して、当該複数の走査光学系のうち第1の走査光学系の走査と、前記複数の走査光学系のうち第2の走査光学系の走査が重なる領域を前記第1の走査光学系が走査する間、該第2の走査光学系のレーザ光の照射を停止する処理
    を、コンピュータに実行させるための走査型レーザ顕微鏡制御プログラム。
  5. 複数の走査光学系と、
    前記複数の走査光学系のうち第1の走査光学系の走査の帰線区間で当該第1走査光学系のレーザ光の照射を停止する制御を行うレーザ光照射制御手段と、
    前記複数の走査光学系のそれぞれの走査領域が重なり合う場合に、前記第1の走査光学系の走査の帰線区間で、前記複数の走査光学系のうち第2の走査光学系の走査と該第1の走査光学系の走査とを当該両走査光学系の走査動作を停止せずに交差させる制御を行う交差制御手段と、
    を備え
    前記交差制御手段は、前記第2の走査光学系の走査の開始タイミングと前記第1の走査光学系の走査の開始タイミングとを、異ならせる
    ことを特徴とする走査型レーザ顕微鏡。
  6. 標本の走査画像を得るための第1の走査光学系と、
    前記標本の特定の部位に特異現象を発現させるための第2の走査光学系と、
    前記第2の走査光学系の走査の帰線区間で当該第2走査光学系のレーザ光の照射を停止する制御を行うレーザ光照射制御手段と、
    前記第1および第2の走査光学系のそれぞれの走査領域が重なり合う場合に、前記第2の走査光学系の走査の帰線区間で、該第2の走査光学系の走査と前記第1の走査光学系の走査とを当該両走査光学系の走査動作を停止せずに交差させる制御を行う交差制御手段と、
    を備え
    前記交差制御手段は、前記第2の走査光学系の走査の開始タイミングと前記第1の走査光学系の走査の開始タイミングとを、異ならせる
    ことを特徴とする走査型レーザ顕微鏡。
  7. 複数の走査光学系を備えた走査型レーザ顕微鏡を制御する走査型レーザ顕微鏡制御方法であって、
    前記複数の走査光学系のうち第1の走査光学系の走査の帰線区間で当該第1走査光学系のレーザ光の照射を停止する制御と、
    前記複数の走査光学系のそれぞれの走査領域が重なり合う場合に、前記複数の走査光学系のうち第1の走査光学系の走査の帰線区間で、前記複数の走査光学系のうち第2の走査光学系の走査と該第1の走査光学系の走査とを当該両走査光学系の走査動作を停止せずに交差させるように、前記第2の走査光学系の走査の開始タイミングと該第1の走査光学系の走査の開始タイミングとを異ならせる制御を行うことを特徴とする走査型レーザ顕微鏡制御方法。
  8. 複数の走査光学系を備えた走査型レーザ顕微鏡の制御をコンピュータに実行させるための走査型レーザ顕微鏡制御プログラムであって、
    前記複数の走査光学系に走査を行わせる処理と、
    前記複数の走査光学系のうち第1の走査光学系の走査の帰線区間で当該第1走査光学系のレーザ光の照射を停止する処理と、
    前記複数の走査光学系のそれぞれの走査領域が重なり合う場合に、前記複数の走査光学系を制御して、当該複数の走査光学系のうち第1の走査光学系の走査の帰線区間で、前記複数の走査光学系のうち第2の走査光学系の走査と該第1の走査光学系の走査とを当該両走査光学系の走査動作を停止せずに交差させるように、前記第2の走査光学系の走査の開始タイミングと該第1の走査光学系の走査の開始タイミングとを異ならせる処理
    を、コンピュータに実行させるための走査型レーザ顕微鏡制御プログラム。
  9. 前記第1の走査光学系は、レーザ光をX方向にライン走査するXスキャナと該Xラインの位置をY方向に走査するYスキャナを備え、
    前記レーザ光照射制御手段は、前記第1の走査光学系のXスキャナが前記重なる領域を含むXラインの走査を行なうときに前記第2の走査光学系のレーザ光の照射を停止する制御を行う
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の走査型レーザ顕微鏡。
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