JP4688019B2 - 同軸ケーブル - Google Patents

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Description

本発明は、中心導体、絶縁体、外部導体を具える同軸ケーブルに関するものである。特に、引張応力及び繰り返し屈曲に加え、捻回に対する耐久性に優れる同軸ケーブルに関するものである。
従来、超音波診断装置の診断プローブや内視鏡などの医療機器、産業用ロボットなどで用いられる信号伝送用ケーブル、ノート型コンピュータなどの情報機器、携帯電話やPDAなどの携帯機器で用いられる内部接続用ケーブルなどといった電線ケーブルとして、同軸ケーブルが広く利用されている。図1は、同軸ケーブルの概略構造を示す斜視図である。同軸ケーブル10は、中心導体11と、中心導体11の外周に配置される絶縁体12と、絶縁体12の外周に中心導体11と同軸状に配置される外部導体13とを具えるものであり、外部導体13の外周には、通常、樹脂などからなる外皮(ジャケット)14を具える。上記のような電気機器で利用される同軸ケーブルでは、機器使用中、引張応力に加えて、繰り返し屈曲されることが多く、屈曲による歪みが蓄積して、最悪の場合、断線やケーブル破壊に至る恐れがある。そこで、耐屈曲性を高めるために中心導体11として、銅や希薄銅合金からなる素線11aを複数本撚り合わせた撚線構造のものがよく用いられている。特許文献1では、耐屈曲性を向上するべく、中心線の弾性係数が外層線の弾性係数よりも大きくなるように導体素線を撚り合わせた撚線構造の中心導体を提案している。一方、特許文献2では、撚線がばらけて短絡などの事故が生じるのを防止するべく、中心導体を撚線ではなく特定組成からなる単線にて形成することを提案している。
特許第3376672号公報 特開2001-23456号公報
上記のように従来の同軸ケーブルは、引張応力や繰り返し屈曲に対して優れた耐久性を有している。しかし、最近、引張応力、繰り返し屈曲に加えて、捻回(捻り)も加わった複雑な動作を行う機器が開発されてきており、従来の同軸ケーブルでは、捻回に対する耐久性が十分でなく、早期に断線が発生することがある。従って、耐捻回性に優れる同軸ケーブルの開発が望まれている。
そこで、本発明の主目的は、引張応力、繰り返し屈曲に対し優れた耐久性を有するだけでなく、耐念回性にも優れる同軸ケーブルを提供することにある。
本発明者らは、同軸ケーブルにおいて中心導体の材料特性と、引張応力、繰り返し屈曲及び捻りの三つの動作が中心導体に加わった場合に中心導体が断線するまでの耐久性との関係を調べた結果、中心導体の弾性係数(ヤング率)と、上記三つの動作とに相関があることを見出した。即ち、特定のヤング率を有する中心導体を用いた同軸ケーブルでは、引張、屈曲、捻りの三つのモードが加わった場合でも、従来の同軸ケーブルと比較して、断線までの耐久性が大幅に向上するとの知見を得た。そこで、本発明では、特に、中心導体のヤング率を規定し、上記目的を達成する。
即ち、本発明は、中心導体と、中心導体の外周に配置される絶縁体と、絶縁体の外周に中心導体と同軸状に配置される外部導体を具える同軸ケーブルである。そして、中心導体のヤング率を245GPa以上、導電率を20%IACS以上とする。
以下、本発明を詳しく説明する。
本発明同軸ケーブルは、中心から順に中心導体、絶縁体、外部導体を具えるものとする。更に、外部導体の外周に外皮(ジャケット)を具えた構成としてもよい。また、本発明同軸ケーブルは、中心導体、絶縁体、外部導体から構成されるコアを1本具える単心のケーブルとしてもよいし、同コアを複数用意し、これら複数のコアの外周を一括に覆う共通の外皮を具えた多心のケーブルとしてもよい。更に、本発明同軸ケーブルは、中心導体、絶縁体、外部導体、外皮から構成されるコアを複数用意し、これら複数のコアの外周を一括に覆う共通の外皮を具えた多心のケーブルとしてもよい。
そして、中心導体は、ヤング率が245GPa以上のものとする。245GPa未満では、引張応力、屈曲、及び捻回の複合動作が繰り返し行われた際、ケーブル(特に、中心導体)が断線するまでの耐久性の向上が少ないからである。特に、280GPa以上が好ましい。また、本発明では、中心導体の導電率を20%IACS以上とする。20%IACS未満では、導電率が低すぎることで、例えば、信号を伝送する際、中心導体内部に発生するジュール熱により、伝送損失が増大するためである。特に、25%IACS以上が好ましい。
本発明では、上記ヤング率及び導電率の双方を満たす材料にて中心導体を形成する。具体的な形成材料としては、金属材料、特に、タングステン、モリブデン、タングステン合金、モリブデン合金から選択される1種以上の金属材料が挙げられる。タングステンとは、タングステンと不可避的不純物とからなるいわゆる純タングステン、モリブデンとは、モリブデンと不可避的不純物とからなるいわゆる純モリブデンとする。タングステン合金としては、例えば、Cu、Al、Si、K、Re、ThO2、CeO2を含有し、残部がタングステンと不可避的不純物とからなるものが挙げられる。モリブデン合金としては、例えば、Cu、Co、Sn、Al、Si、Kを含有し、残部がモリブデンと不可避的不純物とからなるものが挙げられる。
上記材料からなる中心導体は、単線としてもよいし、複数の素線をより合わせた撚線構造としてもよい。中心導体を単線とした場合、1.導体断面積(公称断面積)を同じとする場合、単線の方が撚線よりも細径化が可能である、2.ピッチパターンの狭い回路基板に中心導体をはんだ付けする際、撚線のように素線がばらけて短絡が生じる恐れがない、3.撚線工程がないため、製造コストの大幅な低減が可能である、といった効果を奏する。また、ヤング率が245GPa以上を満たす場合、単線からなる中心導体であっても、従来の銅や銅合金からなる撚線構造の中心導体と比較して、特に耐捻り性に優れる。本発明において中心導体を撚線構造とする場合、各素線は、同一種の材料にて形成してもよいし、異種の材料を組み合わせて形成してもよい。例えば、純タングステンからなる素線と、タングステン合金からなる素線とを用意して撚り合わせてもよい。このとき、本発明で規定するヤング率及び導電率を満たすようにする。例えば、各素線の組成を調整することが挙げられる。
特に、中心導体を単線とする場合、単線の外径は、0.01mm以上0.2mm以下が好ましい。中心導体に屈曲及び捻りが加わる場合、屈曲時の曲げ半径や捻りのピッチを同じとすると、中心導体の外径が大きくなるほど、中心導体表面に発生する歪み量が大きくなり、早期に断線し易くなる。そこで、屈曲と捻りとの二つのモードが加わった際に中心導体が断線するまでの耐久性の劣化を低減するべく、中心導体の外径は、0.2mm(200μm)以下とすることが好ましい。特に、0.1mm(100μm)以下とすることが好ましい。一方、屈曲、捻りの二つの動作だけの場合、中心導体は、外径が小さいほど耐久性に優れるが、更に、引張応力も加わった場合、中心導体の外径を小さくし過ぎる、特に0.01mm(10μm)未満とすると、破断までの耐久性が極端に悪くなる。そこで、中心導体を単線とする場合、その外径は、0.01mm以上とすることが好ましい。なお、複数の素線を撚り合わせて中心導体を構成する場合、各素線の外径は、0.004mm以上0.06mm以下、撚り合わせた際の外径は、単線と同様に0.01mm以上0.2mm以下、特に、0.1mm以下とすることが好ましい。
更に、中心導体は、引張強さが2450MPa以上であることが好ましい。引張強さが高い場合、耐屈曲性に優れることに加えて、耐捻り性にも優れることを見出した。具体的には、引張強さが2450MPa以上であると、引張、屈曲及び捻りの複合モードにおいて中心導体の破断までの耐久性がより向上できるとの知見を得た。引張強さは、中心導体の形成材料や伸線条件によって調整することができる。形成材料に応じて伸線条件を変化させるとよい。一般に、伸線回数を多くするほど引張強度は高くなる傾向にある。また、形成材料としてタングステンやその合金を用いると、2450MPa以上の引張強さを得易い。
その他、中心導体の表面には、メッキ層を設けてもよい。メッキ層を設けることで、中心導体と他の部材との接続性をよくすることができる。具体的には、中心導体と他の部材とを半田付けする場合、中心導体にメッキ層を設けることで、半田濡れ性を良好にすることができるため、接続性が良好になる。また、中心導体に端子をかしめ接続する場合、中心導体にメッキ層を設けることで、中心導体の酸化などによる接続信頼性の低下を防止することができる。従って、例えば、最近の信号伝送量の増大化に伴い、ケーブルの細径化、特に、中心導体の細径化要求が強くなってきているが、メッキ層を設けた中心導体を利用することで、ピッチパターンの狭い回路基板においても接続信頼性を向上できる。このようなメッキ層の形成材料としては、Cu、Ni、Sn、Au、Ag、Pd、Znからなる群から選ばれた1種以上の金属材料からなるものが好ましい。上記群から選択された1種の金属元素としてもよいし、複数種の金属元素からなる合金メッキとしてもよい。特に、Ni、Au、Sn、Agが好ましい。また、メッキ層の厚さは、5μm以下が好適である。5μmを超えるメッキを施すと、機械的特性、耐屈曲性、耐捻り特性が低下し易いからである。特に好ましい厚さは、0.05〜2.0μmである。複数の素線にて中心導体を形成する場合、素線ごとにメッキ層を設け、メッキ層を有する素線を撚り合わせて中心導体を形成してもよい。
上記中心導体の外周には、絶縁体(誘電体)を具える。絶縁体は、絶縁性に加えて可撓性を有する材料を利用することが好ましい。例えば、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ビニルエステル系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシアクリレート系樹脂、ジアリルフタレート系樹脂、フェノール系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、メラミン系樹脂などの樹脂、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、これらの樹脂からなる有機質繊維、無機物質からなる無機質繊維などが挙げられる。これらの材料を単独、又は2種以上組み合わせて使用してもよい。特に、低誘電率、薄肉加工性が可能なフッ素系の樹脂が適する。従来の同軸ケーブルで利用されている材料を用いてもよい。このような絶縁体は、中心導体の周囲に押出により形成することができる。より具体的には、筒状の中空部を有するモールド型内に中心導体を配置し、型内に上記樹脂材料を押し出すことが挙げられる。
上記絶縁体の外周には、外部導体を具える。この外部導体は、従来、医療機器や情報機器、携帯機器などで汎用さている比較的細径の同軸ケーブルの外部導体と同様の形成材料にて設けてもよい。上記細径の同軸ケーブルでは、一般に、可撓性を有するように外部導体を形成している。このような外部導体は、例えば、銅や銅合金などの導電性材料からなる薄肉細幅のテープ状線や細径線を上記絶縁体の外周に巻回したり、細径導線や極細径導線を撚り合わせた細線(例えば、リッツ線)からなる編組材を上記絶縁体の外周に配置して形成してもよい。また、これらテープ状線や細径線、極細径線は、外周にメッキ層を有するものを利用してもよい。このメッキ層は、Cu、Ni、Sn、Au、Ag、Pd、Znからなる群から選ばれた1種以上の金属材料からなるものが好ましい。
上記外部導体の外周には、外皮(ジャケット)を設けてもよい。この外皮は、同軸ケーブルの外皮材料として一般的に使用される材料を適宜選択して用いてもよい。例えば、絶縁体の形成材料として述べた上記樹脂材料のうち熱可塑性を有するものや、その他の熱可塑性材料を用いて、外部導体の外周を覆った後加熱溶着したり、絶縁体の形成方法と同様に外部導体の外周に押出成形により形成することが挙げられる。
以上説明したように本発明同軸ケーブルによれば、引張応力、繰り返し屈曲に対する耐久性に加えて、耐捻回性に優れるという特有の効果を奏し得る。従って、中心導体が断線に至るまでの時間を長くすることができ、ケーブル寿命を大幅に延長させることができる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
(試験例1)
表1に示す材料にて単心の同軸ケーブルを作製し、捻り試験、屈曲試験を行った。試験に用いた同軸ケーブルは、以下のように作製した。
<同軸ケーブルの作製>
表1に示すタングステン、モリブデンに関しては、それぞれの粉末を成形・焼結してインゴットを作製し、熱間でスウェージ、伸線加工を行い、表1に示す線径の素線を得た。また、表1に示すCu-0.3%Sn合金線については、連続鋳造圧延法により、線径8.0mmのワイヤロッドを得た後、冷間で伸線加工を行い、表1に示す線径の素線を得た。タングステン、モリブデンの成形、焼結、熱間スウェージ、熱間伸線条件、及びCu-0.3%Sn合金線の連続鋳造圧延条件、伸線条件は、表1に示すような細径の素線を作製する際に利用されている条件とした。得られた1本の素線(単線)を中心導体とするものと、得られた素線を複数撚り合わせて中心導体とするものとの二種類の中心導体を作製した。試料No.3,100の素線には、素線外周にメッキを施し、メッキ層を有する素線を中心導体に利用した。得られた中心導体の外周に誘電体(絶縁体)を施した。本例では、フッ素樹脂を中心導体の外周に押出して誘電体を形成した。誘電体の外周には、Snメッキを施した金属細線(Cu-0.3質量%Sn)を撚り合わせて外部導体(シールド)を形成した。更に、外部導体の外周にフッ素樹脂を押出して外皮(ジャケット)を形成し、中心から順に中心導体、絶縁体、外部導体、外皮からなる単心の同軸ケーブルを得た。このような同軸ケーブルを中心導体が異なる試料ごとに複数用意した。なお、表1の「タングステン」とは、W及び不可避的不純物からなる純タングステン、同「モリブデン」とは、Mo及び不可避的不純物からなる純モリブデンである。また、外皮は、ケーブル外径が0.19mmとなるように厚さを調整した。
Figure 0004688019
得られた同軸ケーブルに捻り試験を行った。捻り試験は、図2に示すように試験ケーブル20の中央部をクランプ21で把持して固定し、端部側をクランプ22で把持する。クランプ21とクランプ22間の距離(Holding
length)を10mm、捻り角(Twisting angle):±180°、捻回速度:60回/分として、クランプ22にて試験ケーブル20を把持しながら念回し、中心導体が破断するまでの捻回回数を測定した(一方向から180°捻回した後、その反対方向に180°捻回して1回とする)。本試験では、n=3の平均値を求めた。その結果を表2に示す。
また、別の同軸ケーブルに屈曲試験を行った。屈曲試験は、いわゆる左右屈曲試験を行った。具体的には、図3に示すように試験ケーブル30の中央部を金属材料からなる断面円形状のマンドレル棒31(マンドレル外径D:10mm)にて挟持し、ケーブル30の一端に荷重(10g)を取り付け、この状態でケーブル30の他端側(荷重が取り付けられていない側、図3では上方側)をマンドレル棒31の外周に沿って90°ずつ左右に屈曲させる。左右90°の屈曲を1回とし(図3では、右に屈曲させて垂直方向を経て左に屈曲させ、再び垂直方向を経て右に屈曲させて2回とし)、中心導体が破断するまでの屈曲回数を測定した。本試験では、n=3の平均値を求めた。その結果を表2に示す。
更に、上記試料No.1〜4,100,101の中心導体において、ヤング率(GPa)、導電率(%IACS)、引張強さ(MPa)を測定してみた。これらの測定に用いた中心導体は、同軸ケーブルに形成せず、中心導体のままにしておいたものを用いた。表2にその結果を示す。
Figure 0004688019
表2に示すように、ヤング率が高い、具体的には245GPa以上、特に300GPa超の試料No.1〜4は、引張強度、耐屈曲性に優れるだけでなく、耐捻回性にも優れることがわかる。また、表2に示すように導電率も20%IACS以上を満たしており、信号伝送用ケーブルとして、十分利用できることがわかる。従って、引張応力、繰り返し屈曲に加えて捻回が加わるような箇所で利用される同軸ケーブルとして、本発明ケーブルは、好適であることが確認された。
また、試料No.1と試料No.2とを比較すると、中心導体が撚線構造である試料No.2の方が耐屈曲性、耐捻回性に優れることがわかる。また、試料No.1と試料No.3とを比較すると、素線径が小さい試料No.3の方が耐屈曲性、耐捻回性に優れることがわかる。更に、試料No.1と銅合金からなる中心導体を具える試料No.100(従来品に相当)とを比較すると、撚線構造の試料No.100よりも試料No.1の方が耐屈曲性、耐捻回性の双方に優れることがわかる。加えて、試料No.1と特許文献1に記載される構造の中心導体(中心線:タングステン、外層線:銅合金)を有する試料No.101とを比較すると、試料No.1の方が耐屈曲性、耐捻回性の双方に優れることがわかる。
(試験例2)
試験例1で作製した同軸ケーブルに対し、中心導体の材質を変えた同軸ケーブルを作製し、上記と同様に捻り試験及び屈曲試験を行ってみた。中心導体は、以下の3種を作製した。
試料No.5 タングステン合金(組成(質量%);Cu:10%、残部W及び不可避的不純物)からなる素線(1本、素線径:40μm)
試料No.6 モリブデン合金(組成(質量%);Cu:10%、残部Mo及び不可避的不純物)からなる素線(1本、素線径:30μm)
試料No.7 中心線にモリブデン素線(素線径:16μm):1本、外層線にタングステン素線(同):6本を用いた撚線
すると、試料No.5〜7も、上記試料No.1〜4と同様に引張強度、耐屈曲性に優れるだけでなく、耐捻回性にも優れることが確認された。なお、試料No.5〜7は、いずれもヤング率:280GPa以上、導電率:20%IACS以上、引張強さ:1800MPa以上であり、特に、タングステン合金からなる中心導体では、2500MPa以上であった。
(試験例3)
試験例1で用いた試料No.3において、メッキ層のみを変えた同軸ケーブルを作製し、上記と同様に捻り試験及び屈曲試験を行ってみた。中心導体は、以下の7種を作製した。各メッキ層の厚さは、0.1〜1μmの範囲内で選択した。
試料No.3-1 Cuからなるメッキ層
試料No.3-2 Niからなるメッキ層
試料No.3-3 Snからなるメッキ層
試料No.3-4 Auからなるメッキ層
試料No.3-5 Pdからなるメッキ層
試料No.3-6 Znからなるメッキ層
試料No.3-7 Sn-Agからなるメッキ層
すると、試料No.3-1〜3-7も、上記試料No.3と同様に引張強度、耐屈曲性、耐捻回性の三者に優れることが確認された。なお、試料No.3-1〜3-7は、いずれもヤング率、導電率、引張強さが試料No.3と同程度であった。
(試験例4)
上記試験例1〜3で作製した上記試料No.1〜7、3-1〜3-7、100、101と同様の同軸ケーブル(コア)を試料ごとに60本ずつ作製し、これら複数のコアを具える多心の同軸ケーブルを作製して上記試験例1〜3と同様に捻り試験及び屈曲試験を行ってみた。具体的には、60本のコアを一括してフッ素樹脂などのプラスティックテープで抑え巻きを行い、横断面が円形状の多心同軸ケーブル(ケーブル外径:2.0mm)を作製した。
すると、ヤング率が245GPa以上の中心導体を有する多心同軸ケーブルは、引張強度、耐屈曲性及び耐捻回性に優れていた。従って、本発明は、単心同軸ケーブルだけでなく、多心同軸ケーブルでも、上記優れた効果を奏することが確認された。
本発明同軸ケーブルは、超音波診断装置の診断プローブや内視鏡などの医療機器、産業用ロボットなどで用いられる信号伝送用ケーブル、ノート型コンピュータなどの情報機器、携帯電話やPDAなどの携帯機器で用いられる内部接続用ケーブルなどといった電線ケーブルとしての利用に適する。特に、引張応力、繰り返し屈曲に加えて、捻りが加えられるような使用箇所において優れた耐久性を有する。
同軸ケーブルの概略構成を示す斜視図である。 捻り試験の試験方法を示す説明図である。 屈曲試験の試験方法を示す説明図である。
符号の説明
10 同軸ケーブル 11 中心導体 11a 素線 12 絶縁体 13 外部導体
14 外皮 20,30 試験ケーブル 21,22 クランプ 31 マンドレル棒

Claims (4)

  1. 中心導体と、中心導体の外周に配置される絶縁体と、絶縁体の外周に中心導体と同軸状に配置される外部導体を具える同軸ケーブルであって、
    前記中心導体のヤング率が245GPa以上、導電率が20%IACS以上であり、
    前記中心導体は、タングステン、モリブデン、タングステン合金、及びモリブデン合金から選択される1種以上の金属からなることを特徴とする同軸ケーブル。
  2. 前記中心導体は、外径が0.01mm以上0.2mm以下の単線からなることを特徴とする請求項1に記載の同軸ケーブル。
  3. 前記中心導体は、引張強さが2450MPa以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の同軸ケーブル。
  4. 前記中心導体の表面には、メッキ層を有しており、
    前記メッキ層は、Cu、Ni、Sn、Au、Ag、Pd、及びZnからなる群から選ばれた1種以上の金属材料からなり、厚さ5μm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の同軸ケーブル。
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