以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
図1は、本発明の実施の形態に係る遊技機の外観構成を示す斜視図である。
本実施形態の遊技機は、いわゆるスロットマシンあるいは回胴型遊技機と呼ばれるもので、メダルを遊技媒体として用いた遊技を行う種類の遊技機である。
本実施形態の遊技機は、収納箱BX、前面上扉UD、および前面下扉DDからなる箱形の筐体内に第1リールR1〜第4リールR4からなるリールユニットが収められている。また筐体内のリールユニットの下部には、メダルの払出装置としてのホッパーユニット(図示省略)が収められている。また本実施形態の遊技機の筐体内には、CPU、ROM、RAM等を搭載し、遊技機の動作を制御する制御基板も収められている。
第1リールR1〜第4リールR4は、それぞれ外周面が一定の間隔で21の領域(各領域を「コマ」と称する)に区画されており、各コマに複数種類の図柄のいずれかが配列されている。また第1リールR1〜第4リールR4は、ステップモータ(リール駆動手段:図示省略)に軸支されており、それぞれステップモータの軸周りに回転可能であって、ステップモータの駆動パルスのパルス数やパルス幅などを制御することによってコマ単位(所定の回転角度単位)で停止可能に設けられている。すなわち本実施形態の遊技機では、ステップモータが制御基板から供給された駆動パルスに応じて第1リールR1〜第4リールR4を回転駆動し、制御基板から駆動パルスの供給が断たれると、ステップモータの回転が停止することに伴って第1リールR1〜第4リールR4が停止する。
前面上扉UDと前面下扉DDとは個別に開閉可能に設けられており、前面上扉UDには第1リールR1〜第4リールR4の回転状態及び停止状態を観察可能にする表示窓DWが設けられている。第1リールR1〜第4リールR4が停止した状態では、第1リールR1〜第4リールR4それぞれの外周面に一定間隔で配列された複数種類の図柄のうち3個分(3コマ分)の図柄を遊技機の正面から表示窓DWを通じて観察できるようになっている。各リールR1〜R4の停止状態において、表示窓DWから観察される図柄は、5本の有効ラインL1〜L5上のいずれかの位置に停止表示される。遊技者の遊技結果は表示窓DW内に停止表示された図柄の組合せによって判断され、有効ライン上の図柄の組合せが予め定められた役に対応した組合せである場合には、その役が入賞したものとしてホッパーユニットからメダルの払い出し等が行われる。
なお5本の有効ラインL1〜L5は、メダルの投入枚数(ベット数)に応じて有効化されるラインが決定される。本実施形態の遊技機では、1回の遊技に関して1枚〜3枚の範囲でメダルを投入可能とされており、前面下扉DDに設けられたメダル投入口MIへ1枚のメダルを投入した場合、1本の有効ラインL1が有効化され、メダル投入口MIへ2枚のメダルを投入した場合、3本の有効ラインL1〜L3が有効化され、メダル投入口MIへ3枚のメダルを投入した場合、5本の有効ラインL1〜L5が全て有効化される。
また前面上扉UDには、遊技情報表示部DSが設けられている。遊技情報表示部DSは、LED、ランプ、7セグメント表示器等からなり、メダルの貯留枚数(クレジット)、1回の遊技におけるメダルの払出枚数(又は獲得枚数)、ボーナス遊技の残り回数等の各種遊技情報が表示される。なお前面上扉UDの表示窓DWの周囲や前面下扉DDの遊技者から見やすい箇所には、遊技演出を行うための液晶ディスプレイを設けるようにしてもよい。この場合、液晶ディスプレイには、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種の映像が表示される。
また前面下扉DDには、各種の操作手段が設けられている。操作手段としては、貯留されたメダルを投入状態にする操作を行うためのベットボタンB0、第1リールR1〜第4リールR4を回転させて遊技を開始する契機となる操作を行うためのスタートレバーSL、回転している複数のリールR1〜R4のそれぞれを停止させる契機となる操作を行うためのストップボタンB1〜B3が設けられている。
本実施形態の遊技機では、遊技者がメダルをメダル投入口MIに投入するか、ベットボタンB0を押下する操作を行うことで、遊技を開始することが可能な準備状態にセットされる。そして、遊技者がスタートレバーSLを押下すると、第1リールR1〜第3リールR3がステップモータの駆動により回転を開始し、第1リールR1〜第3リールR3の回転速度が所定の速度まで上昇し、かつ所定の待機時間(ウェイトタイム)を経過したことを条件に、ストップボタンB1〜B3の押下操作が許可される。
ここで従来から一般的な3リール構成の遊技機では、遊技者が任意のタイミングでストップボタンB1〜B3を押下していくと、その押下タイミングに応じて3つのリールが順次停止するようになっている。しかしながら本実施形態の遊技機では、4リール構成のリールユニットを採用しており、第1リールR1〜第4リールR4が存在するが、これらを停止させるためのストップボタンがB1〜B3の3つしか設けられていない。これはストップボタンB1〜B3の押下操作によって、その押下タイミングに応じて第1リールR1〜第3リールR3を停止させ、ストップボタンB3の押下状態からの開放操作によって、その開放タイミングに応じて第4リールR4を停止させるようにしているからである。このようにすることによって、従来から一般的に採用されている3リール構成の遊技機に採用されているストップボタンの構成を流用することができ、遊技機の設計自由度が向上する。
なお本実施の形態では、ストップボタンB3の押下状態からの開放操作を、第4リールR4を停止させる契機としているが、ストップボタンB1あるいはB2の押下状態からの開放操作を、第4リールR4を停止させる契機としてもよい。またストップボタンB1〜B3のうち最初に押下されたボタンの開放操作や最後に押下されたボタンの開放操作などを、第4リールR4を停止させる契機としてもよい。もちろん第4リールR4を停止させるために専用のストップボタンを別途設けるようにしてもよい。
また前面下扉DDの下部には、メダル払い出し口MOとメダル受け皿MPとが設けられており、遊技の結果に応じた枚数のメダルがメダル払い出し口MOからメダル受け皿MPへ払い出される。
図2は、本実施形態の遊技機の機能ブロック図である。
本実施形態の遊技機は、遊技制御手段100によって制御される。遊技制御手段100は、メダル投入スイッチ210、ベットスイッチ220、スタートスイッチ230、ストップスイッチ240等の入力手段からの入力信号を受けて、遊技を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいてリールユニット310、払出装置(ホッパーユニット)320、表示装置330、スピーカ340等の出力手段の動作制御を行う。遊技制御手段100の機能は各種のプロセッサ(CPU、DSPなど)、ASIC(ゲートアレイなど)、ROM、あるいはRAMなどのハードウェアや、所与のプログラムからなるソフトウェアにより実現される。
そして遊技制御手段100は、乱数発生手段110、抽選手段120、リール停止制御手段130、入賞判定手段140、払出制御手段150、リプレイ処理手段160、遊技状態移行制御手段170、演出制御手段180、記憶手段190を含む。
乱数発生手段110は、抽選用の乱数値を発生させる手段である。乱数値は、例えば、インクリメントカウンタ(所定のカウント範囲を循環するように数値をカウントするカウンタ)のカウント値に基づいて発生させることができる。なお本実施形態において「乱数値」には、数学的な意味でランダムに発生する値のみならず、その発生自体は規則的であっても、その取得タイミング等が不規則であるために実質的に乱数として機能しうる値も含まれる。
抽選手段120は、遊技者がスタートレバーSLを押下することで作動するスタートスイッチ210からの遊技スタート信号に基づいて役の当否を決定するための抽選を行う手段であって、抽選テーブル選択処理、乱数判定処理、フラグ設定処理などを行う。
抽選テーブル選択処理では、記憶手段190の抽選テーブル記憶手段192に格納されている複数の抽選テーブルのうち、いずれの抽選テーブルを用いて抽選を行うかを決定する。本実施形態の遊技機では、通常状態、第1ビックボーナス状態(RB−BB状態)、第2ビックボーナス状態(CB−BB状態:特別状態)という複数種類の遊技状態が設定可能とされており、記憶手段190には、各遊技状態における抽選のための抽選テーブルが記憶されている。そして各遊技状態用の抽選テーブルでは、複数の乱数値(例えば、0〜65535の65536個の乱数値)のそれぞれに対して再遊技役(リプレイ)、小役(入賞に伴い所定枚数のメダルが払い出される役:ベル、スイカ、チェリー)、第1ビックボーナス(RB−BB)、第2ビックボーナス(CB−BB)などの各種の役もしくはハズレのいずれかが対応づけられている。
乱数判定処理(いわゆる内部抽選)では、スタートスイッチ210からの遊技スタート信号に基づいて1回の遊技につき乱数発生手段112から1の乱数値(抽選用乱数)を取得し、取得した乱数値について記憶手段190に記憶されている抽選テーブルを参照して役に当選したか否かを判定する。
フラグ設定処理では、乱数判定の結果に基づいて、当選したと判定された役のフラグを非内部当選状態(第1のフラグ状態、オフ状態)から内部当選状態(第2のフラグ状態、オン状態)に設定する。フラグの設定情報は、記憶手段190のフラグ記憶手段192に格納される。また本実施形態では、入賞するまで次回以降の遊技に内部当選状態を持ち越し可能なフラグ(持越可能フラグ)と、入賞の如何に関わらず次回以降の遊技に内部当選状態を持ち越さずに非内部当選状態にリセットされるフラグ(持越不可フラグ)とが用意されている。前者のフラグが対応づけられる役としては、第1ビックボーナス(RB−BB)及び第2ビックボーナス(CB−BB)があり、それ以外の役(例えば、小役、リプレイ等)は後者のフラグに対応づけられている。
リール停止制御手段130は、遊技者がストップボタンB1〜B3(操作手段)を押下あるいは押下状態から開放(停止操作)することにより作動するストップスイッチ240からのリール停止信号に基づいて、回転している第1リールR1〜第4リールR4をフラグの設定状態に応じて停止させる停止制御を行う。本実施形態の遊技機では、記憶手段190の停止制御テーブル記憶手段196に記憶されている停止制御テーブルを参照して停止制御を行うテーブル方式を採用している。具体的には、停止制御テーブルを参照してストップボタンB1〜B3の押下タイミングや開放タイミング等(停止操作の態様)に応じた第1リールR1〜第4リールR4の停止位置を決定し、決定された停止位置で第1リールR1〜第4リールR4が停止するようにリールユニット310のステップモータへの駆動パルスの供給を停止することによりリールの停止制御が行われる。
またリール停止制御手段130は、いわゆる引き込み処理と蹴飛ばし処理とをリールを停止させる制御として行っている。引き込み処理とは、フラグが内部当選状態に設定された役に対応する図柄が有効ライン上に停止するように(当選した役を入賞させることができるように)リールを停止させる制御処理である。一方蹴飛ばし処理とは、フラグが非内部当選状態に設定された役に対応する図柄が有効ライン上に停止しないように(当選していない役を入賞させることができないように)リールを停止させる制御処理である。すなわち本実施形態の遊技機では、上記引き込み処理及び蹴飛ばし処理を実現させるべく、フラグの設定状態、ストップボタンB1〜B3の押下タイミング、開放タイミングや押下順序、既に停止しているリールの停止位置(あるいは有効ラインL1〜L5上に停止している図柄の種類)に応じて各リールの停止位置が変化するように停止制御テーブルが設定されている。このようにリール停止制御手段130は、フラグが内部当選状態に設定された役の図柄を入賞の形態で停止可能にし、一方でフラグが非内部当選状態に設定された役の図柄が入賞の形態で停止しないように第1リールR1〜第4リールR4を停止させる停止制御を行っている。
なお本実施の形態では、ある特定の役に対応する図柄が他の図柄に優先して引き込み処理の対象となる状態を制御状態と呼ぶことにする。この場合、抽選の結果によって、ある特定の役のみが内部当選状態になることにより、その役に対応する図柄が他の図柄に優先して引き込み処理の対象となる場合、および抽選の結果に関わらず複数の役が内部当選状態に設定されるが、内部当選状態にされた複数の役の中のある特定の役に対応する図柄が内部当選状態に設定された他の役に対応する図柄に優先して引き込み処理の対象となる場合のいずれの場合も本実施形態でいう制御状態に含まれるものとする。そして本実施形態の遊技機では、通常状態では、第1リールR1〜第4リールR4が、抽選の結果によって内部当選状態に設定された役のみが引き込み処理の対象となる制御状態に設定される。
入賞判定手段140は、第1リールR1〜第4リールR4の停止状態に基づいて、役が入賞したか否かを判定する処理を行う。具体的には、第1リールR1〜第4リールR4の全てが停止した際に、記憶手段190の入賞判定テーブル記憶手段198に記憶されている入賞判定テーブルを参照しながら、各リールの停止状態によって有効ライン上に停止している図柄の組合せが、予め定められた役の入賞の形態であるか否かを判定する。
特に本実施形態の遊技機では、通常状態、第1ビックボーナス状態(RB−BB状態)、及び第2ビックボーナス状態(CB−BB状態:特別状態)のいずれの遊技状態でも、第1リールR1〜第3リールR3の停止状態に応じて入賞の適否が判定される。すなわち第4リールR4の停止状態は、入賞の適否に影響を与えないようになっている。
なお本実施形態の遊技機では、いずれの遊技状態においても第1リールR1〜第3リールR3の停止状態に応じて入賞の適否が判定され、第4リールR4の停止状態が、入賞の適否に影響を与えないようにしているが、特定の遊技状態の際にだけ、第1リールR1〜第3リールR3の停止状態に応じて入賞の適否が判定されるようにしてもよい。すなわち、特定の遊技状態(例えば、CB−BB状態)以外の遊技状態(例えば、通常状態、RB−BB状態など)では、第1リールR1〜第4リールR4の全てのリールの停止状態に応じて入賞の適否が判定され、特定の遊技状態で第1リールR1〜第3リールR3のみの停止状態に応じて入賞の適否が判定されるようにしてもよい。例えば、第1リールR1〜第3リールR3が制御状態に設定され、第4リールR4が無制御状態に設定される第2ビックボーナス状態(CB−BB状態)を、上記のような入賞判定が行われる特定の遊技状態として設定しておいてもよい。
そして本実施形態の遊技機では、入賞判定手段140の判定結果に基づいて、メダルの払出をするための制御、リプレイ処理、遊技状態を移行させる制御のいずれを行うかが決定される。例えば、小役が入賞した場合には払出制御手段150によりメダルの払出制御が行われ、リプレイが入賞した場合には、リプレイ処理手段160によりリプレイ処理が行われ、RB−BBやCB−BBが入賞した場合には遊技状態移行制御手段170により遊技状態を移行させる制御が行われる。
払出制御手段150は、遊技結果に応じたメダルの払い出しに関する制御を行う。具体的には、何らかの役に入賞した場合に、入賞役に対応するメダルの払出枚数をホッパーユニット320(払出装置)に対して指示する制御を行う。ホッパーユニット320は、指示された払出枚数のメダルを払い出す動作を行う。なおメダルの貯留(クレジット)が許可されている場合には、メダルの払い出しを行う代わりに記憶手段190の図示しない貯留メダル枚数記憶領域に記憶されている貯留メダル枚数に対して払出枚数を加算する処理(クレジット処理)を行う。
リプレイ処理手段160は、リプレイ(再遊技役)が入賞した場合に、次回の遊技に関してメダルの投入を要さずに前回の遊技と同じ準備状態に設定するリプレイ処理(再遊技処理)を行う。すなわち本実施形態の遊技機では、リプレイが入賞した場合、自動的に前回の遊技と同じ有効ラインを有効化した状態で次回の遊技の開始操作(遊技者によるスタートレバーSLの押下操作)を待機する。
遊技状態移行制御手段170は、所定の移行条件の成立に基づいて、通常状態、第1ビックボーナス状態(RB−BB状態)、第2ビックボーナス状態(CB−BB状態:特別状態)の間で遊技状態を移行させる制御を行う。遊技状態の移行条件は、1の条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の条件のうち、1の条件が成立したことに基づいて、遊技状態を別の遊技状態へ移行させることができる。遊技状態を移行させる際には、記憶手段190の抽選テーブル記憶手段192に記憶されている抽選テーブルの切り替えを行う。また移行先の遊技状態に応じて停止制御テーブル記憶手段196に記憶されている停止制御テーブルや入賞判定テーブル記憶手段198に記憶されている入賞判定テーブルを切り替えるようにしてもよい。
RB−BB状態は、通常状態から移行する遊技状態であって、通常状態において第1ビックボーナス(RB−BB)に内部当選した場合に、所定の第1ビックボーナス図柄(RB−BB図柄)を入賞の形態で停止させたことを開始条件とする遊技状態である。またRB−BB状態は、そのボーナス遊技において所定枚数(360枚以下の予め定められた枚数)を超えるメダルが払い出されたことを終了条件とし、その終了条件が満たされた場合には遊技状態を通常状態へ移行(復帰)させる制御が行われる。
そしてRB−BB状態のボーナス遊技では、所定の図柄の組合せが表示されたことに基づいて、小役(入賞に伴いメダルが払い出される役)の種類や小役の入賞確率が上昇するレギュラーボーナス状態(RB状態)へ移行するように制御される。RB状態は、所定回数(12回)のボーナス遊技が行われたこと、およびボーナス遊技において所定回数(8回)の入賞が達成されたことのいずれかを終了条件とする遊技状態である。すなわちRB状態は、上記いずれかの条件が先に成立すると終了することになる。なおRB−BB状態では、所定枚数を超えるメダルが払い出されるまで、所定の図柄の組合せが表示される毎にRB状態へ移行することができるように制御される。このように、RB−BB状態は、通常状態に比べて多くのメダルが短期間で獲得しやすくなっており、遊技者にとって有利な遊技状態であるといえる。
CB−BB状態は、RB−BB状態と同じように通常状態から移行する遊技状態であって、通常状態において第2ビックボーナス(CB−BB)に内部当選した場合に、所定の第2ビックボーナス図柄(CB−BB図柄)を入賞の形態で停止させたことを開始条件とする遊技状態である。またCB−BB状態は、そのボーナス遊技において所定枚数(253枚以下の予め定められた枚数)を超えるメダルが払い出されたことを終了条件とし、その終了条件が満たされた場合には遊技状態を通常状態へ移行(復帰)させる制御が行われる。
そしてCB−BB状態のボーナス遊技では、第1リールR1〜第3リールR3を制御状態に設定し、第4リールR4を無制御状態に設定して遊技を行うチャレンジボーナス状態(CB状態)がCB−BB状態の終了条件が成立するまで継続するように制御される。CB状態では、小役のフラグが抽選手段120の抽選の結果に関わらずに内部当選状態に設定される。そして第1リールR1〜第3リールR3については、複数ある小役(ベル、スイカ、チェリー)の中でも特定の小役(ベル)が他の小役に優先して引き込み処理の対象となるように停止制御テーブルが設定されている。さらに第4リールR4については、第1リールR1〜第3リールR3とは異なり、停止制御テーブルにおいて引き込み処理の対象について優先度をつけていないことによって、全ての小役が均等に引き込み処理の対象となって実質的な無制御状態に設定される。そしてCB−BB状態では、上述したように所定枚数を超えるメダルが払い出されるまで、CB状態が継続するように制御されるため、CB−BB状態も、通常状態に比べて多くのメダルが短期間で獲得しやすくなっており、遊技者にとって有利な遊技状態であるといえる。
なおCB−BB状態では、フラグが非内部当選状態の役については、入賞しないように蹴飛ばし処理が行われている。そしてCB−BB状態では、RB−BBの抽選は行っておらずRB−BBのフラグがボーナス遊技中に内部当選状態に設定されることはないため、RB−BB図柄は、常に蹴飛ばし処理の対象となる。またCB−BB状態では、リプレイについては、抽選してもよいし、抽選しなくてもよい。CB−BB状態でリプレイを抽選する場合には、リプレイのフラグが内部当選状態のときに限ってリプレイ図柄が引き込み処理の対象となり、それ以外のときには蹴飛ばし処理の対象とされ入賞させることができないようにリールを停止させる制御が行われる。
演出制御手段180は、ランプ、LED、液晶ディスプレイ等の表示装置330を用いて行う表示演出やスピーカ340から出力される音による音演出に関する制御を行う。具体的には、メダルの投入やベットボタンB0、スタートレバーSL、ストップボタンB1〜B3に対する操作などの遊技イベントの発生に応じてランプやLEDを点灯あるいは点滅させたり、液晶ディスプレイが設けられている場合には、その表示内容を変化させたり、スピーカ340から音を出力させたりすることにより、遊技を盛り上げたり、遊技を補助するための演出制御を行う。
なお本実施形態の機能ブロック構成は、コンピュータシステム(ゲームシステムを含む)に関しても適用することができる。これらのシステムでは、本実施形態の遊技制御手段100としてコンピュータを機能させるプログラムを、CD、DVD等の情報記憶媒体あるいはインターネット上のWebサーバからネットワークを介してダウンロードすることによって、その機能を実現することができる。また上記コンピュータシステムでは、メダル投入スイッチ210、ベットスイッチ220、スタートスイッチ230、ストップスイッチ240等は、キーボードやポインティングデバイス(マウス等)、あるいはコントローラなどの操作手段に対してそれらの機能を仮想的に割り当てることにより実現することができる。また上記コンピュータシステムでは、リールユニット310やホッパーユニット320などは必須の構成要件ではなく、これらの装置ユニットは、ディスプレイ(表示装置330)に表示出力される画像の制御によってそれらの機能を仮想的に実現することができる。
2.本実施形態の制御手法
次に、図3〜図7を参照しながら、本実施形態の遊技機で採用されている制御手法を具体的に説明する。
まず本実施形態では、入賞判定テーブルを参照しながら、遊技毎の第1リールR1〜第4リールR4の停止状態に基づいて入賞の適否を判定している。
本実施形態では、役として第1ビックボーナスBB1、第2ビックボーナスBB2、再遊技、小役1〜小役3の計6種類の役が用意されている。
第1ビックボーナスBB1(RB−BB)は、入賞により終了条件が成立するまでレギュラーボーナス状態(RB状態)へ高確率で移行可能な役である。第2ビックボーナスBB2(CB−BB)は、入賞により終了条件が成立するまでチャレンジボーナス状態(CB状態)が継続する役である。また再遊技(リプレイ)は、入賞により次回の遊技に際してメダルの投入が不要となる役である。また小役1(ベル)は、入賞により1ラインあたり10枚のメダルが払い出される役である。また小役2(スイカ)は、入賞により1ラインあたり5枚のメダルが払い出される役である。また小役3(チェリー)は、入賞により1ラインあたり2枚のメダルが払い出される役である。
ここでCB状態時には、第4リールR4が無制御状態になるチャレンジボーナス状態(CB状態)で遊技を行うことになるが、第4リールR4は、1コマ以内(75ms以内)に停止するように制御される。またCB状態では、第1リールR1〜第3リールR3については、ベルに対応する図柄(ベル図柄)を最優先に引き込むようにリールを停止させる制御が行われる。
なお本実施形態の遊技機では、回転している各リールの停止位置を決めるための停止制御テーブルにおいて、各リールが停止するまでに要するコマ数が5コマを上限として設定されており、CB状態における第1リールR1〜第3リールR3に関する引き込み処理では、ストップボタンB1〜B3の押下タイミングに相当するコマから最大4コマ先の図柄を引き込むことができるようにリールを停止させる制御を行っている。このため第1リールR1〜第3リールR3については、各リールに複数配列されるベル図柄の間隔が5コマ以内となるように配列しておくことによって、ストップボタンB1〜B3の押下タイミングに関係なくベル図柄が引き込み処理の対象となるようにリールユニットが構成されている。
すなわち本実施形態の遊技機では、第1リールR1〜第3リールR3は、停止操作(ストップボタンB1〜B3の押下操作)の後、ベル図柄が1の有効ラインに揃うように引き込みながら停止させる制御が行われるが、第4リールR4は、停止操作(ストップボタンB3の押下状態からの開放操作)の後、直ちに停止することになる。このため、第4リールR4の停止状態が入賞の適否に影響を与えるようになっていると、遊技者は精度の高い目押し操作を行わなければ、CB状態においてメダルを獲得することができないようになってしまう。
そこで本実施形態では、図3に示すような入賞判定テーブルを設定していて、いずれの遊技状態においても第1リールR1〜第3リールR3の停止状態に応じて入賞の適否が決定されるようになっている。言い換えれば、いずれの遊技状態においても第4リールR4の停止状態が入賞の適否に影響を与えないようになっている。このようにすることによって、遊技者は、第4リールR4についてベル図柄を狙って目押し操作をしなくても、第1リールR1〜第3リールR3について、ベル図柄が有効ライン上で揃うようにする引き込み処理がされる結果、第4リールR4の停止状態に関わらずにベルを入賞させることができるようになる。
このように本実施形態の手法によれば、CB状態において無制御状態に設定される第4リールR4の停止結果を無視して入賞の適否を判定しているため、遊技に不慣れな初心者でも遊技に熟練した上級者と同じようにメダルを獲得して遊技を楽しむことができるようになる。
なお本実施形態の手法では、図3に示すように、複数の遊技状態のいずれにおいても第4リールR4の停止状態が入賞の適否に影響を与えないようにした入賞判定テーブルを用いる場合を説明したが、このような入賞判定テーブルをCB状態、すなわち第2ビックボーナスBB2(CB−BB)の入賞後のチャレンジボーナス状態(CB状態)の時にだけ参照するようにしてもよい。このようにする場合には、他の遊技状態では、例えば、図4に示すように、第1リールR1〜第4リールR4の停止状態に応じて入賞の適否が判定され、第4リールR4の停止状態も入賞の適否に影響を与えるようになっている入賞判定テーブルを用意しておき、CB状態とそれ以外の遊技状態とにおいて入賞判定テーブルを切り替えるようにすればよい。なおこのような入賞判定の手法を用いる場合には、通常状態等において第4リールR4に関して当選役のフラグに応じた引き込み処理や蹴飛ばし処理を行うようにすればよい。
続いて図5〜図7のフローチャートを参照しながら本実施形態の手法を実現する遊技機の制御処理の例を説明する。
図5は、複数の遊技状態間の関係を示したフローチャートである。
まず本実施形態の遊技機では、初期設定で通常状態に設定され、通常状態での遊技が実行される(ステップS10)。そして通常状態中にRB−BB図柄(図3参照)が1の有効ライン上に揃って停止することにより第1ビックボーナスBB1(RB−BB)が入賞すると(ステップS11でY)、遊技状態が通常状態からRB−BB状態へ移行する(ステップS12)。
RB−BB状態では、RB状態への移行契機となる役(RBシフト役)が高確率で抽選され、RBシフト役を入賞(所定の図柄の組合せが表示されること)させると、小役(ベル、スイカ、チェリー)の入賞確率が上昇するRB状態へ移行するボーナス遊技が行われる。RB状態は、12回のボーナス遊技あるいは8回の入賞が達成されたことを条件に終了し、所定枚数(360枚以下の予め定められた枚数)を超えるメダルを払い出すまでは、RBシフト役を入賞させることを条件に繰返してRB状態へ移行することができる(ステップS13でN)。そしてRB−BB状態において払い出されたメダルの総枚数が所定枚数を超えると(ステップS13でY)、RB−BB状態が終了して遊技状態が通常状態へ復帰する(ステップS10へ)。
また通常状態中にCB−BB図柄(図3参照)が1の有効ライン上に揃って停止することにより第2ビックボーナスBB2(CB−BB)が入賞すると(ステップS14でY)、遊技状態が通常状態からCB−BB状態へ移行する(ステップS15)。
CB−BB状態では、第1リールR1〜第3リールR3を制御状態に設定し、第4リールR4を無制御状態に設定して遊技を行うチャレンジボーナス状態(CB状態)がCB−BB状態の終了条件が成立するまで継続する(ステップS16でN)。そしてCB−BB状態において払い出されたメダルの総枚数が所定枚数(253枚以下の予め定められた枚数)を超えると(ステップS16でY)、CB−BB状態が終了して遊技状態が通常状態へ復帰する(ステップS10へ)。
図6は、通常状態における遊技制御処理の例を示したフローチャートである。
遊技者がスタートレバーSLを押下してスタートスイッチが作動すると(ステップS20でY)、内部抽選が行われる(ステップS21)。このとき抽選において当選した役(当選役)のフラグがオン(内部当選状態)に設定される。
続いて遊技者が行うストップボタンB1〜B3の押下操作及びストップボタンB3の押下状態からの開放操作に応じて第1リールR1〜第4リールR4を停止させる制御処理が行われる(ステップS22)。すなわち内部抽選の結果に応じて当選役に対応する図柄(当選役図柄)を入賞させることができるように優先的に有効ライン上に引き込む引き込み処理や当選していない役(被当選役)に対応する図柄(非当選役図柄)を入賞させることができないようにする蹴飛ばし処理を行う。
第1リールR1〜第4リールR4の全てが停止すると、その停止状態に応じて入賞の適否が判定される(ステップS23〜S25)。このとき図3に示す入賞判定テーブルにより第1リールR1〜第3リールR3の停止状態のみに応じて入賞の適否が判定される。具体的には、ベル、スイカ、チェリーなどの小役が入賞した場合には(ステップS23でY)、メダルの払い出しを行う払出制御処理が行われる(ステップS26)。リプレイ(再遊技)が入賞した場合には(ステップS24でY)、次回の遊技に関してメダルの投入を要さずに前回の遊技と同じ有効ラインを有効化して準備状態に設定するリプレイ処理が行われる(ステップS27)。第1ビックボーナスBB1又は第2ビックボーナスBB2が入賞した場合には(ステップS25でY)、RB−BB状態又はCB−BB状態へ遊技状態を移行させる遊技状態移行制御処理が行われる(ステップS28)。なお小役、リプレイ、第1ビックボーナスBB1、及び第2ビックボーナスBB2のいずれの入賞もなかった場合には(ステップS23〜S25でN)、次回の遊技の開始を待機する(ステップS20へ)。
図7は、CB−BB状態における遊技制御処理の例を示したフローチャートである。
遊技者がスタートレバーSLを押下してスタートスイッチが作動すると(ステップS30でY)、内部抽選が行われる(ステップS31)。このとき通常状態とは異なり、抽選の結果に関わらずにベル、スイカ、チェリーなどの小役のフラグがオン(内部当選状態)に設定される。またこの内部抽選では、第1ビックボーナスBB1、第2ビックボーナスBB2、及びリプレイについては抽選を行わない。
続いて遊技者が行うストップボタンB1〜B3の押下操作及びストップボタンB3の押下状態からの開放操作に応じて第1リールR1〜第4リールR4を停止させる制御処理が行われる(ステップS32)。ここでは、小役のフラグが全てオンになっているため、第1リールR1〜R3についてはベルを入賞させることができるようにベル図柄を優先的に有効ライン上に引き込む引き込み処理が行われるとともに、第4リールR4についてはストップボタンB3の開放タイミングから1コマ以内(75ms以内)にリールを停止させる。
第1リールR1〜第4リールR4の全てが停止すると、その停止状態に応じて入賞の適否が判定される(ステップS33〜S35)。ここでも図3に示す入賞判定テーブルにより第1リールR1〜第3リールR3の停止状態のみに応じて入賞の適否が判定される。具体的には、小役(ベル)が入賞した場合には(ステップS33でY)、メダルの払い出しを行う払出制御処理が行われる(ステップS34)。このときCB−BB状態でのメダルの総払出枚数をカウントアップ(あるいはカウントダウン)する。そして、CB−BB状態では、所定枚数(253枚以下の予め定められた枚数)を超えるメダルを払い出すまでCB状態が継続し(ステップS35でN、ステップ30へ)、所定枚数を超えるメダルが払い出された場合には(ステップS35でY)、CB−BB状態が終了して遊技状態が通常状態へ復帰する(ステップS36)。
なお、本発明は、上記の実施形態で説明したものに限らず、種々の変形実施が可能である。
上記実施形態では、遊技状態として、通常状態、RB−BB状態(RB状態を含む)、CB−BB状態(CB状態を含む)を設定したが、これら以外の遊技状態を設定してもよい。例えば、リプレイ(再遊技)の当選確率が高くなるリプレイタイム状態(RT状態)、ストップボタンを押下する順序を報知する、あるいは、有効ラインL1〜L5上に停止させるべき図柄を報知するなど、遊技に伴う操作を遊技者に促すことによって、特定の役を入賞させることを可能にするアシストタイム状態(AT状態)、特定の役に当選した場合にこれを貯留させるストックタイム状態(ST状態)、貯留された役の放出確率が高くなる放出高確率状態、1回の遊技に限って特定の役の入賞率を上昇させたボーナス遊技を行わせるシングルボーナス状態(SB状態)、RT状態、AT状態、ST状態、及びSB状態など特殊な遊技状態への移行確率が一定区間の遊技で高くなる遊技状態などを設定してもよい。
上記実施形態では、4リール構成の遊技機を例にとり説明したが、3リール構成の遊技機や5リール以上によってリールユニットが構成される遊技機においても本発明の手法を適用することができる。
上記実施形態では、CB状態において無制御状態に設定されるリールが1リールのみであったが、CB状態において少なくとも1リール以上が無制御状態に設定される遊技機であれば、本発明の範囲に含まれるものとする。
上記実施形態では、第2ビックボーナス状態(CB−BB状態)では、第2ビックボーナス(CB−BB)の入賞確定に伴って、CB状態が継続する遊技機を例にとり説明したが、第2ビックボーナスの入賞確定後、所定の移行条件(例えば、所定の図柄の組合せが表示されること)が成立するまでCB状態への移行を制限するようにしてもよい。
上記実施形態では、第2ビックボーナス状態(CB−BB状態)中にチャレンジボーナス状態(CB状態)へ連続的に移行する遊技機を例にとり説明したが、通常状態で所定のチャレンジボーナス図柄(CB図柄)を入賞の形態で停止させることにより、CB状態でのボーナス遊技が1回に限り実行可能な役(シングルチャレンジボーナス役)を設定した遊技機においても本発明の手法を適用することができる。