JP4681714B2 - インクジェット記録装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は記録手段から被記録材へインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、紙、布、プラスチックシート、OHP用シートなどの被記録材(記録媒体、プリント媒体、単に記録紙ともいう)に対して記録(プリント、印刷等)を行う記録装置(プリント装置等)として、種々の記録方式、例えばワイヤードット方式、感熱方式、熱転写方式、又はインクジェット方式による記録手段(記録ヘッド、プリントヘッド)を用いて記録するものが提案されている。
【0003】
そのような記録装置の中で、吐出口からインクを吐出させて被記録材(記録用紙)上に記録を行うインクジェット記録方式の記録装置(以下、インクジェット装置ともいう)は、低騒音なノンインパクト型の記録方式であり、高密度かつ高速な記録動作を行うことが可能である。一般に広く普及しているシリアルタイプのインクジェット記録装置は、記録ヘッド(記録手段)を搭載するキャリッジを駆動するキャリッジ駆動手段と、記録部を通して被記録材(記録用紙)を搬送(紙送り)する搬送機構駆動手段と、これらを制御するための駆動系制御手段とを備えている。
【0004】
一方、記録ヘッド(記録手段)の吐出口からインクを吐出するために利用されるエネルギーを発生するエネルギー発生素子としては、ピエゾ素子などの電気機械変換体を用いたもの、レーザーなどの電磁波を照射して発熱させ、この発熱による作用でインク滴を吐出させるもの、あるいは発熱抵抗体を有する電気熱変換体素子によって液体を加熱させるものなどがある。その中でも熱エネルギーを利用してインクを滴として吐出させる方式のインクジェット記録方式の記録ヘッドは、吐出口を高密度に配列することができるため高解像度の記録を行うことが可能である。その中でも、電気熱変換体素子をエネルギー発生素子として用いた記録ヘッドは、小型化も容易であり、かつ最近の半導体分野における技術の進歩と信頼性の向上が著しいIC技術やマイクロ加工技術の長所を十分に活用して製造でき、高密度実装化が容易で製造コストも廉価なことから、有利である。
【0005】
上述のように、インクジェット記録方式は簡単な構成から成る極めて優れた記録方式であるが、一方には解決すべき技術的課題も存在する。インクジェット記録装置の技術的課題の一つに吐出口の目詰まりがあるが、この目詰まりを解消する手段として、一般には、ポンプ手段を用いて記録ヘッドの吐出口からインクを吸引排出させたり加圧排出させたりすることにより吐出口のインク吐出性能を維持回復させる回復処理手段(回復ユニット)が使用されている。具体的には、インクを吸引排出させる回復手段においては、吐出口(ノズル先端)から吸引ポンプでインクを吸引することにより、記録ヘッド内及び記録系にインクを供給する流路内に存在する高粘度のインク(増粘インク)や微細なゴミやインク液中の気泡などをインクとともに吐出口より吸引排出するという処理が行われる。このような吸引回復動作を実行するためには、吸引キャップの開閉動作や吸引ポンプのオンオフ動作を行う必要がある。
【0006】
そのための手段として、先ず、吸引キャップの開閉動作を記録ヘッドを搭載したキャリッジの駆動手段を利用して行う構成のもの、つまり、吸引キャップ開閉ポジションにキャリッジを移動させることにより、キャップ手段上に備えたボス等をキャリッジに係合させてキャップを記録ヘッドの吐出口面へ当接させて吐出口をキャッピングする構成のものがある。さらに、複数の吸引回復モードを持ったり、記録ヘッドをキャッピング中にキャップ内と大気を連通させる手段としての吸引選択共用の大気連通弁等を設けているインクジェット記録装置については、同様にキャリッジを駆動させる手段を利用してキャップ内を大気と連通させる大気連通ポジションへキャリッジを移動させることで対応している。また、吸引ポンプの動作は被記録材(記録紙)搬送用の駆動源を一時的に利用することで吸引回復動作等に対応している。前述のような回復手段(回復ユニット)の構成は一般的に広く知れわたっており、従来のインクジェット記録装置の回復装置に広く用いられている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前述したような吸引キャップの当接離間ポジションや大気連通弁の開閉ポジション等を有するインクジェット記録装置は、これらの各ポジションの数に応じてキャリッジ移動方向の装着本体幅が広がってしまい、装着本体のサイズが大きくなってしまう。また、吸引手段としての吸引ポンプを被記録材搬送用(記録紙搬送用)の駆動源から駆動力伝達を行う場合、記録紙搬送中と吸引回復中とで駆動を切換える駆動伝達切換機構が必要になりその駆動伝達切換機構のスペース分さらに装置本体のサイズが大きくなったり、複数の吸引動作モード等を制御しなければならないことから駆動伝達切換機構自体複雑になって部品点数増加によるコストUPを招いてしまう。そこで、一つの駆動源の正逆回転で複数の回復動作を任意に行うことができるインクジェット記録装置用回復ユニットを提供することが重要な解決すべき技術的課題となっている。
【0008】
本発明はこのような技術的課題に鑑みてなされたものであり、本発明は、回復装置内に持つ一つの駆動源によりインクジェット記録装置の記録手段のメインテナンスに係わる回復装置(回復ユニット)の全ての動作を駆動制御させ、他の駆動源からの駆動伝達切換機構に依存することなく安定的にメインテナンス動作を行えるインクジェット記録装置を提供しようとするものである。
また、本発明は、回復動作を行う上で他の駆動源からの伝達切換機構を有しない回復装置内完結型ユニットを実現することで、省スペース型のインクジェット記録装置に容易に搭載可能な(発展性のある)回復ユニットを提供することである。
【0009】
すなわち、本発明の目的は、他の駆動源からの駆動力に依存することなく、回復ユニット内の一つの駆動源により複数の吸引回復モードを選択して行うことができ、また、吸引回復終了後にキャップが吐出口面から十分退避するまで吸引手段の逆回転による正圧をかけるなどの従来の処理操作を不要にすることで、吸引回復動作中にキャップを吐出口面に当接した状態から動かす操作を無くすことができるインクジェット記録装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するため、インクを吐出して記録を行う記録ヘッドの吐出口面をキャッピングするためのキャップと、該キャップと連通する吸引チューブと、該吸引チューブを押圧し該吸引チューブ内に負圧を発生させるためのコロと、該コロを回転可能に支持するコロホルダと、前記キャップ内を大気連通状態または密閉状態に切り替えるための大気連通弁と、正逆転可能なモータと、を備え、前記モータが正転すると前記コロホルダが第1の方向に回転することによって前記コロが前記チューブに押圧されて前記チューブがしごかれ、前記モータが逆転すると前記コロホルダが前記第1の方向と反対の第2の方向に回転することによって前記チューブに対する前記コロの押圧が解除されるインクジェット記録装置であって、前記モータの回転方向が正転から逆転に切り替わったときに、前記モータの駆動が前記コロホルダに伝達される前に、前記大気連通弁が駆動されて前記キャップ内が前記大気連通状態から前記密閉状態に切り替わることを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を具体的に説明する。なお、各図面を通して、同一符号は同一又は対応部分を示すものである。図1は本発明を適用した回復ユニットの一実施例を備えたインクジェット記録装置の概略構成を示す模式的斜視図であり、図2は図1のインクジェット記録装置の回復ユニット(本発明を適用した回復ユニットの一実施例)を斜め上方から見て示す模式的斜視図であり、図3は図2の回復ユニットの内部構造を適宜分解して示す模式的分解斜視図である。
【0013】
図1〜図3において、インクジェット記録装置1は、駆動源である駆動モータM1、M2と、記録手段としての記録ヘッド(インクジェット記録ヘッド)3を搭載するキャリッジ2と、駆動モータM1によりキャリッジ2を両矢印A方向に往復移動させる伝動機構4と、被記録材(被記録媒体)としての記録紙Pを給紙搬送(記録紙の送給及び搬送)を行う給紙機構5と、記録ヘッド3の吐出回復処理(インク吐出性能の維持回復、メインテナンス)を行うための回復ユニット(回復装置)10と、を備えている。このようなインクジェット記録装置1においては、記録紙Pは給紙機構5によって送り込まれ、記録ヘッド3によって該記録紙Pに所定の記録が行われる。記録ヘッド3にインクを供給するためのインクカートリッジ6は、記録ヘッド3が搭載される部材である前記キャリッジ2に着脱自在に保持(装着)されている。
【0014】
記録ヘッド3に対しては、前記インクカートリッジ6内に収容されたインクが供給される。この場合、キャリッジ2と記録ヘッド3は、両部材の接合面が適正に接触されて所要の電気的接続を達成維持できるようになっている。前記記録ヘッド3は、記録信号に応じてエネルギーを印加することにより、複数の吐出口からインクを選択的に吐出して記録するインクジェット記録ヘッドである。また、この記録ヘッド3は、熱エネルギーを利用してインクを吐出するインクジェット記録手段であって、熱エネルギーを発生するための電気熱変換体を備えたものである。さらに、前記記録ヘッド3は、前記電気熱変換体によって印加される熱エネルギーにより生じる膜沸騰による気泡の成長、収縮によって生じる圧力変化を利用して、吐出口よりインクを吐出させ、記録を行うものである。前記電気熱変換体は各吐出口のそれぞれに対応して設けられ、記録信号に応じて対応する電気熱変換体にパルス電圧を印加することによって対応する吐出口からインクを吐出するものである。
【0015】
図19は、記録手段(記録ヘッド)3のインク吐出部(一つの吐出口列)の構造を模式的に示す部分斜視図である。図19において、記録紙等の被記録材Pと所定の隙間(例えば、約0.3〜2.0ミリ程度)をおいて対面する吐出口面23には、所定のピッチで複数の吐出口49が形成され、共通液室50と各吐出口49とを連通する各液路51の壁面に沿ってインク吐出用のエネルギーを発生するための電気熱変換体(発熱抵抗体など)52が配設されている。記録ヘッド3は、前記吐出口49が主走査移動方向(キャリッジ2に搭載される本実施例では該キャリッジ2の移動方向、両矢印A方向)と交叉する方向に並ぶような位置関係で案内支持されている。こうして、画像信号または吐出信号に基づいて対応する電気熱変換体52を駆動(パルス電圧を印加)して、液路51内のインクを膜沸騰させ、その時に発生する圧力によって吐出口49からインクを吐出させる記録手段(記録ヘッド)3が構成されている。
【0016】
図1において、キャリッジ2は、駆動モータM1の駆動力を伝達する伝動機構4の駆動ベルト7の一部に連結されており、ガイドシャフト13に沿って両矢印A方向に摺動自在に案内支持されており、前記駆動モータM1によって駆動(往復動の駆動)されるように装着されている。従って、キャリッジ2は、駆動モータM1の正転及び逆転によってガイドシャフト13に沿って往復移動する。また、装置本体にはキャリッジ2の矢印A方向における絶対位置を示すスケール8が設けられている。本実施の形態では、このスケール8として、透明なPETフィルムに必要なピッチで黒色のバーを印刷したものが使用されており、その一方はシャーシ9に固着され、他方は不図示の板バネで支持されている。
【0017】
図示のインクジェット記録装置1においては、記録ヘッド3の吐出口49が形成された吐出口面23に対向して不図示のプラテンが設けられており、駆動モータM1の駆動力によって記録ヘッド3を搭載したキャリッジ2が往復駆動されると同時に、記録ヘッド3に記録信号を与えてインクを吐出することによって、プラテン上に搬送された被記録材としての記録紙Pの全幅にわたって記録が行われる。14は記録紙(記録シート)Pを搬送するために搬送モータM2によって駆動される搬送ローラであり、15は不図示のバネにより記録紙Pを搬送ローラ14に当接させるピンチローラであり、16はピンチローラ15を回転自在に支持するピンチローラホルダである。
【0018】
また、17は搬送ローラ14の一端に固着された搬送ローラギアであり、この搬送ローラギア17に中間ギア18を介して伝達された搬送モータM2の回転により、搬送ローラ14が駆動されるようになっている。19は記録ヘッド3によって画像が形成された記録シートを記録装置外へ排出するための不図示の排出ローラに固定された排出ローラギアであり、前記排出ローラは、前記排出ローラギア19に中間ギア18を介して伝達された搬送モータM2の回転により駆動されるようになっている。なお、21は前記排出ローラに記録シートPを不図示のバネにより圧接する拍車ローラであり、22は拍車ローラ21を回転自在に支持する拍車ホルダである。
【0019】
また、インクジェット記録装置1においては、記録ヘッド3を搭載するキャリッジ2の記録動作のための往復運動の範囲外(記録領域外)の所望位置(例えばホームポジションと対応する位置)に、記録ヘッド3のインク吐出性能を維持するとともに吐出不良が生じた場合にはこれを回復するための回復ユニット(回復装置)10が配設されている。この回復ユニット10には、記録ヘッド3の吐出口面23をキャッピングするキャッピング手段11、及び記録ヘッド3の吐出口面23をクリーニング(拭き取り清掃)するワイピング手段12が設けられている。そして、前記キャッピング手段11により吐出口面23をキャッピングして吐出口49を密閉した状態で、該キャッピング手段11に接続された吸引手段(吸引ポンプ等)を駆動することにより、吐出口49からインクを強制的に吸引して排出させる吸引回復処理が行われる。前記吸引手段(吸引ポンプ等)も、前記回復ユニット10内に設けられている。
【0020】
このような吸引回復処理によって、記録ヘッド3のインク流路内の増粘インクや気泡等を吐出口49から排出除去することで、該記録ヘッド3のインク吐出性能の維持回復が図られる。また、非記録時等に、記録ヘッド3の吐出口面23をキャッピングすることによって、該記録ヘッドを保護するとともにインクの乾燥を防止することができる。また、前記ワイピング手段12は、記録ヘッド3の吐出口面23に付着したインク滴や紙粉等を拭き取るためのものであり、キャッピング手段11の近傍に配置されている。そして、これらキャッピング手段11、ワイピング手段12及び前記吸引手段により、記録ヘッド3のインク吐出性能を正常な状態に保つことが可能となっている。
【0021】
図4は回復ユニット10の内部に設けられた伝動機構としてのギア列を示す模式的側面図である。図2、図3及び図4において、回復ユニット10は、記録ヘッド3の不吐出や吐出不良等の回復手段としての吸引手段48、キャッピング手段11、ワイピング手段12などを備えている。前記吸引手段48はチューブポンプで構成されている。このチューブポンプ(吸引手段)48は、回復ベース20の円弧部内面をガイド面としその円弧面に沿わせるように配置された2本の吸引チューブ32と、これらの吸引チューブ32に押圧されて該吸引チューブを押しつぶしながら転動することで該吸引チューブ32内に負圧を発生させる所定個数(本実施例では合計4個)の加圧コロ33と、を備えている。
【0022】
前記加圧コロ33は、不図示の加圧ばねで吸引チューブ32に押圧された状態で該吸引チューブ32に沿って転動することにより該吸引チューブ32をしごくように配設されている。また、前記加圧コロ33は、吸引動作中は吸引チューブ32を押圧する側へ付勢され、吸引動作以外では吸引チューブ32から退避できるように、加圧コロホルダ31に形成された長孔形状の溝に沿って移動可能に軸支されている。このような加圧コロ31は、本実施例では、1本の吸引チューブ32に対して2個配置されている。
【0023】
本実施例では、吸引チューブ32をガイドする回復ベース20の円弧面は中心角が約180度の略半円形状にされ、回転駆動される加圧コロホルダ31上の加圧コロ33は180度で対向するように2個配置されているので、一方のの加圧コロが吸引チューブ32を押圧している状態から離間する時に、他方の加圧コロ33が吸引チューブ32の押圧を開始することができ、従って、2個の加圧コロ33を連続的に回転させることで吸引チューブ32内の負圧を保ちつつ連続的に吸引動作を行うことができる。なお、吸引チューブ32のガイド面がほぼ円形(360度)をしている場合は、1個の加圧コロによっても同様に連続的に吸引動作を行うことができる。さらに、加圧コロを3個以上配設して連続的な吸引動作を行うように構成してもよい。
【0024】
加圧コロ33を軸支した前記加圧コロホルダ31は、加圧コロホルダガイド30に回復ベース20の円弧ガイド面半径方向に回動可能に軸支され、加圧コロ33を吸引チューブ32に対し押圧、退避させる働きをする。加圧コロホルダガイド30は、両端部に軸を有し、回復ベース20の吸引チューブ32が備えられている半円弧ガイド面の円弧中心に軸支され、駆動モータ(以降PGモータという)M3からの駆動を伝達し回転可能に配置されている。
【0025】
ここで、PGモータM3から吸引手段48への駆動力の伝達は、先ずPGギア24及びポンプギア27に伝達され、次いで、加圧コロホルダガイド30の回転軸に軸支されている該ポンプギア27を介して加圧コロホルダガイド30の片端面に配置されたポンプギアトリガボス41へ伝達され、さらに、該ポンプギアトリガボス41がポンプギア27の回転によりポンプギアトリガリブ42a、42bと当接することにより吸引手段48へ伝達されるという伝達経路により行われる。すなわち、PGモータM3からの駆動力は、吸引手段48に対し、PGギア24、ポンプギア27を伝わり、加圧コロホルダガイド30の回転軸にポンプギア27を軸支させ、さらに加圧コロホルダガイド30の片端面に配置されたポンプギアトリガボス41がポンプギア27の回転によりポンプギアトリガリブ42a、42bと当接した時に伝達されるようになっている。
【0026】
ここでポンプギア27の形状について説明を加えると、ポンプギア27は内部に2つのリブ(ポンプギアトリガリブ42a、42b)を備え、側面に空間が設けられ、この空間に入ってくるボス(ポンプトリガボス41)と前記両リブが当接することで駆動力を吸引手段48側へ伝達するような構成となっている。また、吸引手段48は、PGモータM3の回転駆動に対し直結された形になっており、PGモータM3の一方向回転(以降正転という)で吸引動作、逆方向回転(以降逆転という)で加圧コロ33を吸引チューブ32への押圧状態から解除方向へ移動させる働きを得る構成となっている。
【0027】
図5は本発明を適用した回復ユニットの一実施例における吸引手段としてのチューブポンプに対するポンプギアによる駆動伝達が解除された直後の状態を示す断面図であり、図6は図5のチューブポンプに対するポンプギアによる駆動が伝達される直前の状態を示す断面図であり、図6は図5のチューブポンプに対するポンプギアによる駆動が伝達され吸引動作が行われている状態を示す断面図である。
図8は本発明を適用した回復ユニットの一実施例における吸引手段としてのチューブポンプの加圧コロがチューブを押圧状態にありかつポンプギアによる駆動伝達が解除された直後の状態を示す断面図であり、図9は図8のチューブポンプに対するポンプギアによる駆動が伝達される直前の状態を示す断面図であり、図10は図9のチューブポンプに対するポンプギアによる駆動が伝達され加圧コロが解除状態となっている状態を示す断面図である。
【0028】
図11は本発明を適用した回復ユニットの一実施例におけるキャッピング手段のBk用大気連通弁及びColor用大気連通弁の両方が閉じている状態(キャップクローズ状態)を示す模式的斜視図であり、図12は図11の回復ユニットにおけるキャッピング手段のBk用大気連通弁及びColor用大気連通弁の両方が開放されている状態(空吸引、コロイニシヤル取り状態)を示す模式的斜視図であり、図13は図11の回復ユニットにおけるキャッピング手段の大気連通弁のうちColor用大気連通弁が開放されかつBk用大気連通弁が閉じている状態(Bk吸引状態)を示す模式的斜視図であり、図14は図11の回復ユニットにおけるキャッピング手段の大気連通弁のうちColor用大気連通弁が閉じかつBk用大気連通弁が開放されている状態(Color吸引状態)を示す模式的斜視図である。
図15は本発明を適用した回復ユニットの一実施例における吸引手段としてのチューブポンプの加圧コロが解除状態にありかつポンプギアによる駆動伝達が解除されている状態を示す断面図であり、図16は図15のチューブポンプがポンプギアによる駆動伝達を受けかつ吸引手段の加圧コロをチューブに押圧している状態を示す断面図である。
【0029】
さらに、図17は本発明を適用した回復ユニットの一実施例におけるキャッピング手段のキャップ及び大気連通弁の吸引モード選択動作時の各状態を示す図表であり、図18は本発明を適用した回復ユニットの一実施例における一般的な吸引回復動作のシーケンスを示すフローチャートである。以下に、図5〜図18を参照して、本発明を適用したインクジェット記録装置用回復ユニットの特徴的な構成及びその作用効果について更に具体的に説明する。
【0030】
キャッピング手段11は、記録ヘッド3の吐出口面に当接するキャップ35と、図11に示す記録ヘッド3の吐出口面から排出されるインクを効率よく吸引するためのキャップ吸収体44と、キャップ35を支え不図示のキャップばねにより記録ヘッド3の吐出口面23にキャップ35を圧接させ得るキャップホルダ36と、キャップホルダ36に不図示のキャップばねでキャップ圧を与えるキャップばねを支持し、キャップホルダ36を上下方向に摺動自在に支持するキャップベース34と、キャップ35を記録ヘッド3の吐出口面23に当接、離間させるためのアーム部材として機能するキャッピング手段昇降レバー37と、キャップ35内部に密閉状態にしたり開放状態にするための大気連通弁46a、46b(図11〜図14参照)と、により構成されている。前記大気連通弁46a、46bは、図11〜図14に示すように、キャップ35とキャップベース34に設けた大気連通孔47とを連結する大気連通チューブ45を開閉することで、キャップ35内部を大気開放状態にしたり、該キャップ35内部に密閉状態を作ったりするものである。
【0031】
キャッピング手段11には、吸引手段48としてのチューブポンプを構成する吸引チューブ32がキャップホルダ36のジョイント部を介して連結されており、これによって、キャップ35が記録ヘッド3の吐出口面23に当接している間、吸引手段48の吸引動作によりキャップ35内に負圧を与え記録ヘッド3からインクを吸引排出することができる。本実施例では、Bkインクと Colorインクを別々の吸引チューブ32で吸引する構成としているため、キャップ35の閉空間を2個、キャップ吸収体44を閉空間に合わせて2個、大気連通チューブを2本、大気開放弁46a、46bを2個それぞれ配置している。キャッピング手段11を記録ヘッド3に当接させるための昇降動作、並びに大気開放弁46a、46bの開閉動作は、PGモータM3からの駆動力をPGギア25、26らを経由して伝達することにより行われる。
【0032】
このキャッピング手段11を記録ヘッド3に当接させるための昇降動作、並びに大気開放弁46a、46bの開閉動作は、キャッピング手段11の昇降動作及び大気連通弁46a、46bの開閉動作を実行するカム38に嵌合して該PGモータM3からの駆動力を一方向回転時はカム38に伝達し、他方向回転時は空転してカム38に駆動を伝達させないワンウエイ駆動伝達手段(ワンウエイクラッチギア)28を伝達して駆動力を受ける構成によって行われる。
【0033】
前記カム38は、前述のキャッピング手段11の動作の他に、ワイピング手段12の駆動及びCRロックレバー29の昇降動作を制御するためにも使用される。前記CRロックレバー29は、記録ヘッド3の回復動作中に、該記録ヘッド3と本実施例における回復ユニットを構成するキャッピング手段11との位置決めとして設けられたものであり、その昇降動作の制御も前記カム38を使用して行われる。前述したキャッピング手段11やワイピング手段12等の各手段の動作は、カム38に備えられたカム位置検知センサ用フラグとカム位置検知センサ40とでカム38の回転位置決めを行って各手段を制御することにより実行される。
【0034】
ここで、本発明を適用したインクジェット記録装置用回復ユニットの一実施例は、モータの一方向の駆動で吸引回復を行う吸引手段を駆動し、逆方向の駆動で、キャップを記録手段の吐出口面に当接・離間させるキャッピング手段11の駆動、あるいは該キャッピング手段11の駆動と吐出口面23をワイピングするワイピング手段12の駆動との両駆動を、位置検知用のフラグ部を同一軸上に有するカムとカム位相検知手段とにより駆動するように構成されており、これに加えて、以下に説明するような特徴的な構成を包蔵するものである。
【0035】
先ず、図5〜図18を参照して本発明を適用したインクジェット記録装置用回復ユニットの吸引回復モードについて説明する。本発明を適用した回復ユニット10の一実施例により記録ヘッド3の吸引回復動作を行う場合、図18に示すフローチャートのようなシーケンスにより吸引回復が行われる。図18に示すフローは本実施例における回復ユニットの一般的な吸引回復動作を示している。以下図18のフローに沿って本実施例における吸引回復モードの詳細を説明する。
【0036】
図18において、吸引回復動作命令が下された場合、回復ユニット10を構成しているカム38の位置をカム位相検知センサ40により検出し、キャッピング手段11及びワイピング手段12等の位置を確認する。記録ヘッド3が吸引回復動作ポジションにいない状態の場合は、記録ヘッド3と回復ユニット10を構成しているキャッピング手段11やワイピング手段12等とが干渉しない状態にあることをカム位置検出センサ40により確認した後で、図1に示す伝動機構4を駆動して記録ヘッド3を吸引回復動作ポジションに移動させる。その後PGモータM3の駆動によりカム38を駆動させることで吸引回復動作を実行するためキャッピング手段11を記録ヘッド3の吐出口面23へカム38の回転により当接させる。
【0037】
その際のPGモータM3の回転方向は図8〜図10に示す回転方向Rであるため、吸引手段48の加圧コロ33は図10に示すように吸引チューブ32から離間した位置に配置され、キャップ35内を大気と連通させており、吸引手段48が回転してもキャップ35内へ吸引チューブ32内に残留するインクを逆流させたり、キャップ35内に正の圧力をかけて記録ヘッド3の吐出口にダメージ(インク吐出上の不都合)を与えないように構成している。
【0038】
キャップ35を記録ヘッド3の吐出口面23に当接させた後、吸引回復動作に入る準備として、吸引手段48を構成する加圧コロ33を一度吸引チューブ32に押圧させるため、PGモータM3によって吸引手段48が回転方向L側へ回転する方向の駆動を与える。その際、キャッピング手段11は記録ヘッド3の吐出口面に当接しているので、吸引手段48が回転方向R側へ回転する時に余計な負圧をキャップ35内にかけることを防ぐため、キャップ35を記録ヘッド3に当接させた時にカム38の回転により大気開放弁46a、46bを開放状態にさせておく。PGモータM3の駆動により図5に示す状態からポンプギア27がL方向の回転力を受けることで図6に示す状態まで回転する。
【0039】
さらに回転を続けることで吸引手段48を構成している加圧コロホルダガイド30の軸にポンプギア27が軸支されている側の端面に配置されたポンプギアトリガボス41がポンプギア27の内側に備えられたポンプギアトリガリブ42bと当接し吸引手段48に回転力を伝達させ、図7に示すように吸引手段48を回転方向L側に回転させ、加圧コロ33を吸引チューブ32に押圧する状態にさせる(図15、図16)。この動作は吸引回復動作命令が入った時、加圧コロ33がどの位置にいても安定的な吸引回復動作を可能にするため、加圧コロ33の位置を吸引チューブ32に押圧させた状態にすることで、加圧コロ33が吸引チューブ32を押圧するまでの不感領域における吸引チューブ32の押しつぶし量すなわちインク吸引量のバラツキを抑える役割となっている。前述の動作をすることで加圧コロ33の位置検知に必要であった加圧コロセンサがなくともインク吸引量のバラツキを少なくし安定的な吸引回復動作が可能になる。
【0040】
次に、加圧コロ33を吸引チューブ32に押圧させた後、本実施例の回復ユニットでは吸引モードの選択を行う。吸引モードの選択は、キャッピング手段11の大気連通弁46a、46bをキャップ35が記録ヘッド3に当接している間に開閉することにより、キャップ35内部を密閉状態や大気連通状態にし、吸引手段48の吸引回復動作により密閉空間となっているキャップ35内部に負圧を与え記録ヘッド3よりインクを排出させる側のキャップを制御することで行っている。
【0041】
図11から図14に示すように大気連通弁46a、46bの位置により大気連通孔47を開放、密閉することでキャップ35内密閉開放制御をしている。図11は記録ヘッド3の吐出口面を保護するキャッピング状態の時の位置を示し、図12は吸引回復動作準備を行う際にキャップ35内を大気連通状態にするとともにキャップ35内のインクを排出する空吸引状態にする場合の弁の位置を示し、図13は本実施例における回復ユニット10のBkインク吸引状態の弁の位置を示し、同様に図14は Colorインク吸引状態の弁の位置を示している。
【0042】
前述の大気連通弁の動作も本実施例における回復ユニットに備えられたPGモータM3の1駆動源で行うため、吸引回復動作の準備として行った加圧コロ33の状態を崩さずに、大気連通弁の選択を行い吸引モードを選択しなくてはならない。そこで、図17に示すように記録ヘッド3にキャッピング手段11が当接している間はPGモータM3の駆動によりワンウエイ駆動伝達手段(ワンウエイクラッチギア)28を伝達してカム38を回転させ大気連通弁46a、46bを動作させる際、ポンプギア27に備えられたポンプギアトリガリブ42a、42bが吸引手段48を構成する加圧コロホルダガイド30の端面に設けられたポンプギアトリガボス41に当接して吸引手段48側にPGモータM3の駆動力を伝達しないように構成している。すなわち、PGモータM3によりカム38側へ駆動伝達されている状態で吸引モード選択中(図17の網掛け領域)は吸引手段48への伝達を解除するように構成している。
【0043】
よって、ポンプギア27に備えられているポンプギアトリガリブ42a、42bの間隔は吸引モード選択領域においてカム38の回転角度とPGモータM3から吸引手段48へ伝達するギアの減速比とカム38へ伝達するギアの減速比を考慮して図17に示す網掛け領域内でPGモータM3の駆動力を吸引手段48側へ伝達しない間隔としている。本実施例では、吸引選択モードの数に対し、ポンプギア27の持つリブは2本必要ではあるが、吸引選択モードの数やギアの減速比、カム38の回転量によってはポンプギア27に備えるポンプギアトリガリブの数は1本でもよい。また、本実施例の説明図ではポンプギア27に形成した空間を貫通した空間としたが、ポンプギア27の片側が閉じている形状、すなわちギアの肉抜き形状のようにしてトリガリブによる空間を構成してもよい。
【0044】
吸引モード選択を行った後、PGモータM3の駆動により吸引回復動作を行うよう吸引手段48側に駆動力を与える方向にモータを回転させ所定量のインクを吸引する吸引回復動作を行う。その後、キャップ35内に溜められた吸引された排インクをキャップ35内から排出するために、図12に示すように大気連通弁46a、46bをカム38の回転により開放状態にさせる。この大気連通弁の開動作の間に吸引手段48に駆動が伝達されてしまうと加圧コロ33が吸引チューブ32をキャップ35内にインクを逆流させる方向へと回転してしまい、インク逆流により記録ヘッド3にダメージを与えてしまうのだが、前述の動作の間においてもポンプギア27はポンプギアトリガリブ42a、42bが加圧コロホルダガイド30上のポンプギアトリガボス41との当接から離間する側へ回転駆動する構成となっているため、吸引手段48が回転することはなく、インク逆流による不具合を起こすことはない。
【0045】
前記大気連通弁46a、46bの連通状態にした後、吸引手段48は吸引回復動作させる方向の駆動をPGモータM3より伝達され、キャップ35内のインクを回復ユニット外へ排出する空吸引動作を実行し、一般的な吸引回復動作は終了する。前述の一般的な吸引回復動作は、本実施例においては、Bkインクの単独吸引モード、 Colorインクの単独吸引モード、Bk、 Colorインクの連続吸引モードの基本制御であり、この吸引回復動作を組み合わせることで各種吸引モードに対応している。
【0046】
前述したインクジェット記録装置用回復ユニットによれば、モータの一方向の駆動で吸引回復を行う吸引手段を駆動し、逆方向の駆動で、キャップを記録手段の吐出口面に当接・離間させるキャッピング手段又は該キャッピング手段と吐出口面をワイピングするワイピング手段との両方を、位置検知用のフラグ部を同一軸上に有するカムとカム位相検知手段とにより駆動可能であり、これによって、記録ヘッドのメインテナンスに関わる回復動作に対してユニット内完結型の回復ユニットを提供することができる。
【0047】
すなわち、以上説明した実施例によれば、記録手段から被記録材へインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置において、一つの駆動源の一方向の駆動で、インク吐出吸引回復を行う吸引手段を駆動するとともに、前記一つの駆動源の逆方向の駆動で、キャップを前記記録手段の吐出口面に当接及び離間させるキャッピング手段と、前記キャップが前記記録手段の吐出口面に当接している際に該キャップ内空間を密閉又は大気と連通させるための連通弁の開閉手段との両方を一つのカムにより駆動する構成を基本構成とするインクジェット記録装置用回復ユニットが提供される。そして、以下の述べるような特徴的な構成及び作用効果を有するインクジェット記録装置用回復ユニットが提供される。
【0048】
先ず、前記基本構成において、前記キャップが前記記録手段の吐出口面に当接しており、前記連通弁が所定の開閉動作を行っている間は前記吸引手段に前記駆動源より駆動力を伝達させず、前記吸引手段をある時間一定の位置に停止させておき、その間に複数の吸引回復モードを選択可能にし、前記駆動源から前記吸引手段に連結している1つのギアの側面に複数のリブにより空間を設け、前記ギアの前記空間に係合し、所定角度前記ギアが回転した後に前記吸引手段へ駆動力を伝達する伝達手段を持ち、前記駆動源の一方向の駆動により前記吸引手段がインク吐出吸引回復動作中には前記駆動源から前記キャッピング手段及び前記連通弁の開閉手段を駆動させる前記カムに駆動力を伝達解除させ、前記駆動源の逆方向の駆動により前記キャッピング手段及び前記連通弁の開閉手段を駆動させる前記カムに駆動を伝達するワンウエイ駆動伝達手段を持つ構成が採用されている。
【0049】
このような構成を採ることにより、他の駆動源からの駆動力に依存せず回復ユニット内の一つの駆動源でキャッピング中にキャップ内にチューブポンプ逆回転による正圧をかけることなく複数の吸引回復モード選択を行うことができる他、吸引ポンプが吸引回復動作中にはキャップ手段のキャップ部材は記録ヘッドの吐出口面に接している状態から動くことがなく、吸引回復終了後キャップ手段を記録ヘッドの吐出口面から退避させる時もキャップ部材が吐出口面から十分退避するまでチューブポンプの逆回転による正圧をかけないようにできる回復動作ユニット内完結型のインクジェット記録装置用回復ユニットが提供される。
【0050】
さらに、前記吸引手段を前記駆動源より回転駆動を得て記録手段の吐出口に通じるチューブを加圧コロで変形させることにより前記吐出口に負圧を発生させ、前記吐出口よりインクを排出させるチューブポンプであり、前記加圧コロがチューブ加圧回転方向とは逆側の駆動を与えられたとき、加圧コロがチューブ加圧力を緩和する方向へ移動する構成としたので、回復動作中の吸引回復動作以外の回復動作を行う際に、チューブポンプの逆回転によりチューブ内の残留インクやチューブ内の空気を逆流させることがないため、安定的な回復動作ユニット内完結型のインクジェット記録装置用回復ユニットが提供される。
【0051】
さらに、前記吸引手段を前記駆動源より回転駆動を得て記録手段の吐出口に通じるチューブを加圧コロで変形させることにより前記吐出口に負圧を発生させ、前記吐出口よりインクを排出させるチューブポンプとし、前記吸引手段によりインク吐出吸引回復を行う際に駆動源の一方向の駆動により前記大気連通弁を開放状態にさせ、逆方向の駆動により前記吸引手段を構成する加圧コロをチューブポンプの吸引チューブに押圧させた後に各吸引回復モードを選択し、各モードの吸引動作を行う構成としたので、常に吸引前の加圧コロの位置をチューブに押圧した状態から吸引動作に入ることができるため、前述の状態からチューブポンプの回転量を規定することでコロの位置検知用センサを持たずにバラツキの少ないインク吸引が可能となり、より安定的なインクジェット記録装置用回復ユニットが提供される。
【0052】
なお、以上の説明した実施例では、記録手段を被記録媒体に対して相対移動させながら記録するシリアル記録方式のインクジェット記録装置を例に挙げて説明したが、本発明は、被記録媒体の全幅又は一部をカバーする長さのラインタイプの記録手段を用いて副走査のみで記録するライン記録方式のインクジェット記録装置に対しても同様に適用することができ、同様の効果を達成し得るものである。また、本発明は、1個の記録手段を用いる記録装置、異なる色のインクで記録する複数の記録手段を用いるカラー記録装置、あるいは同一色彩で異なる濃度で記録する複数の記録手段を用いる階調記録装置、さらには、これらを組み合わせた記録装置の場合にも、同様に適用することができ、同様の効果を達成し得るものである。
【0053】
さらに、本発明は、記録ヘッドとインクタンクを一体化した交換可能なインクカートリッジを用いる構成、記録ヘッドとインクタンクを別体にし、その間をインク供給用のチューブ等で接続する構成など、記録ヘッドとインクタンクの配置構成がどのような場合にも同様に適用することができ、同様の効果が得られるものである。なお、本発明は、インクジェット記録装置が、例えば、ピエゾ素子等の電気機械変換体等を用いる記録手段を使用するものである場合にも適用できるが、中でも、熱エネルギーを利用してインクを吐出する方式の記録手段を使用するインクジェット記録装置において優れた効果をもたらすものである。かかる方式によれば、記録の高密度化、高精細化が達成できるからである。
【0054】
【発明の効果】
本発明によれば、他の駆動源からの駆動力に依存することなく、回復ユニット内の一つの駆動源により、キャッピング中にキャップ内に吸引手段の逆回転による正圧をかけるなどの操作を必要とせずに、複数の吸引回復モードを選択して行うことができ、また、吸引回復終了後にキャップが吐出口面から十分退避するまで吸引手段の逆回転による正圧をかけるなどの従来の処理操作を不要にすることで、吸引回復動作中にキャップを吐出口面に当接した状態から動かす操作を無くすことができるインクジェット記録装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した回復ユニットの一実施例を備えたインクジェット記録装置の概略構成を示す模式的斜視図である。
【図2】図2は図1のインクジェット記録装置の回復ユニットを斜め上方から見て示す模式的斜視図である。
【図3】図2の回復ユニットの内部構造を適宜分解して示す模式的分解斜視図である。
【図4】図2の回復ユニットの内部に設けられた伝動機構としてのギア列を示す模式的側面図である。
【図5】本発明を適用した回復ユニットの一実施例における吸引手段としてのチューブポンプに対するポンプギアによる駆動伝達が解除された直後の状態を示す断面図である。
【図6】図5のチューブポンプに対するポンプギアによる駆動が伝達される直前の状態を示す断面図である。
【図7】図5のチューブポンプに対するポンプギアによる駆動が伝達され吸引動作が行われている状態を示す断面図である。
【図8】本発明を適用した回復ユニットの一実施例における吸引手段としてのチューブポンプの加圧コロがチューブを押圧状態にありかつポンプギアによる駆動伝達が解除された直後の状態を示す断面図である。
【図9】図8のチューブポンプに対するポンプギアによる駆動が伝達される直前の状態を示す断面図である。
【図10】図9のチューブポンプに対するポンプギアによる駆動が伝達され加圧コロが解除状態となっている状態を示す断面図である。
【図11】本発明を適用した回復ユニットの一実施例におけるキャッピング手段のBk用大気連通弁及びColor用大気連通弁の両方が閉じている状態(キャップクローズ状態)を示す模式的斜視図である。
【図12】図11の回復ユニットにおけるキャッピング手段のBk用大気連通弁及びColor用大気連通弁の両方が開放されている状態(空吸引、コロイニシヤル取り状態)を示す模式的斜視図である。
【図13】図11の回復ユニットにおけるキャッピング手段の大気連通弁のうちColor用大気連通弁が開放されかつBk用大気連通弁が閉じている状態(Bk吸引状態)を示す模式的斜視図である。
【図14】図11の回復ユニットにおけるキャッピング手段の大気連通弁のうちColor用大気連通弁が閉じかつBk用大気連通弁が開放されている状態(Color吸引状態)を示す模式的斜視図である。
【図15】本発明を適用した回復ユニットの一実施例における吸引手段としてのチューブポンプの加圧コロが解除状態にありかつポンプギアによる駆動伝達が解除されている状態を示す断面図である。
【図16】図15のチューブポンプがポンプギアによる駆動伝達を受けかつ吸引手段の加圧コロをチューブに押圧している状態を示す断面図である。
【図17】本発明を適用した回復ユニットの一実施例におけるキャッピング手段のキャップ及び大気連通弁の吸引モード選択動作時の各状態を示す図表である。
【図18】本発明を適用した回復ユニットの一実施例における一般的な吸引回復動作のシーケンスを示すフローチャートである。
【図19】図1中の記録手段のインク吐出部の構造を模式的に示す部分斜視図である。
【符号の説明】
1 インクジェット記録装置
2 キャリッジ
3 記録手段(記録ヘッド)
4 伝動機構
5 給紙機構
6 インクカートリッジ
7 駆動ベルト
8 スケール
9 シャーシ
10 回復ユニット(回復装置)
11 キャッピング手段
12 ワイピング手段
13 ガイドシャフト
14 搬送ローラ
15 ピンチローラ
16 ピンチローラガイド
17 搬送ローラギア
18 中間ギア
19 排出ローラギア
20 回復ベース
21 拍車ローラ
23 吐出口面
24 PGギア
25 PGギア
26 PGギア
27 ポンプギア
28 ワンウエイ駆動伝達手段(ワンウエイクラッチギア)
29 CRロックレバー
30 加圧コロホルダガイド
31 加圧コロホルダ
32 チューブ(吸引チューブ)
33 加圧コロ
34 キャップベース
35 キャップ
36 キャップホルダ
37 キャッピング手段昇降レバー
38 カム
39 キャップ手段昇降レバー付勢ばね
40 カム位置検知センサ
41 ポンプギアトリガボス
42a ポンプギアトリガリブ
42b ポンプギアトリガリブ
43 加圧コロ圧接ポイント
44 キャップ吸収体
45 大気連通チューブ
46a 大気連通弁
46b 大気連通弁
47 大気連通孔
48 吸引手段(吸引ポンプ、チューブポンプ)
49 吐出口
50 共通液室
51 液路
52 電気熱変換体
A キャリッジ往復動方向
L チューブポンプのコロ加圧回転方向
M1 キャリッジ駆動モータ(駆動源)
M2 搬送モータ(駆動源)
M3 回復用モータ(駆動源、PGモータ)
P 被記録材(記録紙等)
R チューブポンプのコロ解除回転方向

Claims (4)

  1. インクを吐出して記録を行う記録ヘッドの吐出口面をキャッピングするためのキャップと、該キャップと連通する吸引チューブと、該吸引チューブを押圧し該吸引チューブ内に負圧を発生させるためのコロと、該コロを回転可能に支持するコロホルダと、前記キャップ内を大気連通状態または密閉状態に切り替えるための大気連通弁と、正逆転可能なモータと、を備え、前記モータが正転すると前記コロホルダが第1の方向に回転することによって前記コロが前記チューブに押圧されて前記チューブがしごかれ、前記モータが逆転すると前記コロホルダが前記第1の方向と反対の第2の方向に回転することによって前記チューブに対する前記コロの押圧が解除されるインクジェット記録装置であって、
    前記モータの回転方向が正転から逆転に切り替わったときに、前記モータの駆動が前記コロホルダに伝達される前に、前記大気連通弁が駆動されて前記キャップ内が前記大気連通状態から前記密閉状態に切り替わることを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記モータの駆動が伝達されるポンプギアと、該ポンプギアの回転を前記コロホルダに伝達するためのコロホルダガイドと、を備え、前記ポンプギアは側面に2本のリブを有し、前記コロホルダガイドは前記2本のリブの間の空間に入り込むボスを有し、前記モータが正転するときに前記ボスと当接するリブと前記モータが逆転するときに前記ボスと当接するリブとが異なることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記モータに駆動されて、前記大気連通弁を駆動するとともに前記キャップを前記吐出口面に対して移動させるためのカムと、前記モータが逆転した場合には前記カムに駆動を伝達し前記モータが正転した場合には前記カムに駆動を伝達しないワンウェイ伝達手段と、を備えることを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット記録装置。
  4. インクを吐出して記録を行う記録ヘッドの吐出口面をキャッピングするためのキャップと、該キャップと連通する吸引チューブと、該吸引チューブを押圧し該吸引チューブ内に負圧を発生させるためのコロと、該コロを回転可能に支持するコロホルダと、前記キャップ内を大気連通状態または密閉状態に切り替えるための大気連通弁と、正逆転可能なモータと、を備えるインクジェット記録装置の吸引方法であって、
    前記モータを逆転して、前記キャップを前記吐出口面に当接させ、かつ前記大気連通弁を駆動して前記キャップ内を前記大気連通状態にする第1の逆転工程と、
    該第1の逆転工程後に、前記モータを正転して、前記コロホルダを第1の方向に回転させて前記コロを前記吸引チューブに押圧する第1の正転工程と、
    該第1の正転工程後に、前記モータを再度逆転して、前記コロホルダを回転させることなく前記大気連通弁を駆動して前記キャップ内を前記大気連通状態から前記密閉状態に切り替える第2の逆転工程と、
    該第2の逆転工程後に、前記モータを再度正転して、前記コロで前記吸引チューブをしごく第2の正転工程と、
    を有することを特徴とするインクジェット記録装置の吸引方法。
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