JP4678212B2 - Iii族窒化物単結晶の成長方法 - Google Patents

Iii族窒化物単結晶の成長方法 Download PDF

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Description

本発明は、結晶成長容器の内部で大型で品質のよいIII族窒化物結晶の成長方法に関する。
一般に、III族窒化物結晶の成長は、昇華法などの気相法、フラックス法などの液相法により行なわれている。たとえば、III族窒化物結晶の一つであるAlN単結晶を昇華法により成長させる場合には、1900℃以上の結晶成長温度が必要とされている(たとえば、特許文献1から特許文献3を参照)。このため、昇華法に用いられる結晶成長容器として、グラファイト、パイロリティクグラファイトなどのカーボン部材、W(タングステン)、Ta(タンタル)などの高融点金属が知られている。
しかし、結晶成長容器としてカーボン部材を用いると、カーボン部材中のC(カーボン)が不純物としてAlN単結晶中に混入し、結晶の品質を低下させるという問題があった。また、結晶成長容器として高融点金属を用いると、高融点金属の窒化または炭化などにより、結晶成長容器としての高融点金属部材が消耗したり、結晶成長容器としての材質の変化により単結晶成長の再現性が損なわれたりするという問題があった。
また、昇華法などの気相法においては、結晶成長容器の内部における原料ガス(III族窒化物単結晶を成長させるための原料ガスをいう、以下同じ)中のAl(III族元素)とN(窒素)との組成比および不純物ガス濃度を一定に制御することが必要であり、このため、結晶成長容器には、結晶成長室の内部の原料ガスおよび不純物ガスの一部を結晶成長容器の外部に排出するための特別の排気構造を形成することが必要とされていた。
米国特許第5858086号明細書 米国特許第6001748号明細書 米国特許第6296956号明細書
本発明は、再現性よく大型で品質のよいIII族窒化物単結晶を成長させる方法およびその成長方法により得られたIII族窒化物結晶を提供することを目的とする。
本発明は、結晶成長容器の内部でIII族窒化物単結晶を昇華法により成長させる方法であって、結晶成長容器の少なくとも一部に、金属炭化物で形成されている気孔率が0.1%以上70%以下の多孔質体が用いられ、多孔質体の表面の少なくとも一部に、金属炭化物で形成されている気孔率が0.1%未満のコーティング層が被覆されていることを特徴とするIII族窒化物単結晶の成長方法である。
本発明にかかるIII族窒化物単結晶の成長方法において、上記多孔質体は金属炭化物粉末のプレス焼成法または反応焼成法により形成することができる。また、金属炭化物における金属と炭素との元素組成比である(金属):(炭素)を9:1〜4:6とすることができる。また、金属炭化物をTaCまたはTaCを含む複合炭化物とすることができる。また、金属炭化物の不純物含有量を500ppm以下とすることができる。また、結晶成長容器の内部の原料ガスの1%以上50%以下を多孔質体の気孔を介して結晶成長容器の外部に排出することができる。また、多孔質体の気孔径を0.1μm以上100μm以下とすることができる。また、上記コーティング層は金属炭化物粉末のプレス焼成法または反応焼成法により形成することができる。
本発明によれば、再現性よく大型で品質のよいIII族窒化物単結晶を成長させる方法を提供することができる。
本発明は、図1を参照して、結晶成長容器11の内部でIII族窒化物単結晶3を成長させる方法であって、結晶成長容器11の少なくとも一部に、金属炭化物で形成されている気孔率が0.1%以上70%以下の多孔質体を用いることを特徴とするIII族窒化物単結晶の成長方法である。
ここで、III族窒化物単結晶とは、III族元素と窒素とで形成される化合物の単結晶をいい、たとえばAlxGayIn1-x-yN(0≦1、0≦y、x+y≦1)単結晶などと表される。代表的なIII族窒化物単結晶として、たとえば、AlN単結晶、GaN単結晶などが挙げられる。
また、多孔質体の気孔率とは、多孔質体の体積に対する気孔の体積の百分率をいい、以下の式(1)
気孔率(%)=100×(気孔の体積)/(多孔質体の体積) ・・・(1)
で表される。
金属炭化物は、カーボン部材および高融点金属に比べて、高温における安定性(耐反応性、耐熱性)に優れている。このことから、結晶成長容器11の少なくとも一部の材料として、金属炭化物を用いることにより、結晶成長容器の劣化を抑制するとともに、結晶成長容器からIII族窒化物単結晶への不純物の混入を低減することにより、品質のよいIII族窒化物単結晶を再現性よく安定して成長させることができる。
しかし、かかる金属炭化物で形成されている緻密体は、一般に加工性が乏しく、大型の単結晶の成長に適した結晶成長容器の形状および大きさに加工することが困難である。また、結晶成長容器の内部の原料ガスおよび不純物ガスを一定に制御するための排気構造の形成が困難であり、III族窒化物単結晶の安定した成長が望めない。
これに対して、金属炭化物から形成される材料を複数の気孔を有する多孔質体とすることにより、金属炭化物材料の加工性を高め、所望の形状および大きさの結晶成長容器を形成することが可能になる。このため、結晶成長容器の主たる構成をたとえば厚さが200μm以上の金属炭化物の多孔質体のバルク材とすることができる。また、結晶成長容器の内部の原料ガスおよび不純物ガスが、多孔質体の気孔を介して、結晶成長容器の外部に排出されるため、結晶成長容器に特別な排気構造を設けることなく、結晶成長容器の内部の原料ガスおよび不純物ガスを一定に制御することが可能となり、品質のよいIII族窒化物単結晶を再現性よく安定して成長させることができる。
ここで、金属炭化物で形成されている多孔質体の気孔率は0.1%以上70%以下である。気孔率が0.1%未満であると、多孔質体の加工性および多孔質体の気孔からの原料ガスおよび不純物ガスの排気性が低下する。一方、気孔率が70%を超えると、多孔質体の気孔からの原料ガスの排気量が大きくなりすぎ、III族窒化物単結晶の結晶成長速度が低下する。かかる観点から、多孔質体の気孔率は、0.5%以上40%以下が好ましく、5%以上30%以下がより好ましい。
また、金属炭化物で形成されている多孔質体の気孔径は、特に制限はないが、0.1μm以上100μm以下であることが好ましい。気孔径が0.1μm未満であると、多孔質体の気孔からの原料ガスおよび不純物ガスの排気性が低下する。一方、気孔径が100μmを超えると、多孔質体の気孔からの原料ガスの排気量が大きくなりすぎ、III族窒化物単結晶の結晶成長速度が低下する。かかる観点から、多孔質体の気孔径は、1μm以上20μm以下がより好ましい。
本発明においては、図1を参照して、金属炭化物で形成されている多孔質体の気孔率を調節することにより、結晶成長容器11の内部の原料ガス4の1%以上50%以下を、多孔質体の気孔を介して、結晶成長容器11の外部に排出することが好ましい。結晶容器の内部の原料ガスとともに結晶成長容器の内部の不純物ガスが、結晶成長容器の外部に排出され、結晶成長容器の内部の原料ガスおよび不純物ガスを一定に制御することが可能となる。ここで、原料ガスの1%未満の排出であると原料ガスおよび不純物ガスの排気性が低下する。一方、原料ガスの50%を超える排出であると、結晶原料ガスの排気量が大きくなりすぎIII族窒化物単結晶の結晶成長速度が低下する。
また、本発明においては、結晶成長容器11の内部の原料ガスおよび不純物ガスが多孔質体の気孔から排出する量を調節するために、結晶成長容器において、金属炭化物で形成されている気孔率が0.1%以上70%以下の多孔質体の表面の少なくとも一部を、金属炭化物で形成されている気孔率が0.1%未満のコーティング層で被覆することも好ましい。ここで、コーティング層の厚さは、特に制限はないが、原料ガスおよび不純物ガスの排気量の調節効果を高める観点から、30μm以上であることが好ましい。
なお、上記の金属炭化物のコーテイング層に替えて、W、Taなどの高融点金属のコーティング層を形成することもできる。ここで、この高融点金属のコーティング層は、単結晶成長中に窒化または炭化を受けるが、コーティング層の体積が小さいため、単結晶成長の再現性が損なわれることはない。
また、本発明に用いられる金属炭化物としては、特に制限はなく、TiC、ZrC、NbC、MoC、TaC、WCおよびこれら金属炭化物を2以上含む複合炭化物が挙げられる。高温における安定性が高い観点から、金属炭化物としてはTaCまたはTaCを含む複合炭化物であることが好ましい。
また、金属炭化物の不純物含有量は500ppm以下であることが好ましい。これは、結晶成長容器の内部の不純物ガスを低減し、また、結晶成長容器の劣化を抑制する観点からである。
また、金属炭化物における金属と炭素との元素組成比である(金属):(炭素)は9:1〜4:6であることが好ましい。ここで、金属炭化物は、1相以上の金属炭化物相、1相以上の金属相および1相以上の金属炭化物相から構成される。9:1よりも金属成分が大きい金属炭化物を用いて形成された結晶成長容器は劣化が大きくなり、4:6よりも炭素成分が大きい金属炭化物を用いて形成された結晶成長容器は機械的強度が低下する。かかる観点から、(金属):(炭素)は8:2〜5:5であることがより好ましい。
上記のような金属炭化物の多孔質体またはコーティング層を形成する方法としては、特に制限はなく、気相法、金属炭化物粉末のプレス焼成法、反応焼成法などが挙げられる。ここで、反応焼成法とは、所定の元素組成比の金属と炭素との混合粉末を焼成することにより金属炭化物を生成させる方法である。かかる反応焼成法は、低融点の不純物である結合剤を用いないため金属炭化物の高純度化に有利であり、また、高い気孔率においても粒子同士が強く結合しているため機械的強度が高く耐衝撃性が高い材料が得られる観点から、本発明で用いられる金属炭化物の多孔質体またはコーティング層の形成に特に適している。
本発明は、結晶成長容器の内部で単結晶を成長させる方法であれば特に制限なく、気相法および液相法に広く適用が可能である。本発明が適用される気相法としては、昇華法、HVPE(ハイドライド気相エピタキシ)法、MBE(分子線エピタキシ)法、MOCVD(有機金属化学気相堆積)法など各種の気相法が挙げられる。本発明は、金属炭化物が高温で安定な化合物である金属炭化物の特性から、高温でAlN単結晶などのIII族窒化物単結晶の成長を行なう昇華法に特に好ましく適用される。また、本発明が適用される液相法としては、フラックス法、溶融法など各種の液相法が挙げられる。
ここで、本発明にかかるIII族窒化物単結晶の成長方法を昇華法に適用した場合について、図1を用いて具体的に説明する。結晶成長装置10である昇華炉は、反応容器12と、反応容器12の内部に設置された結晶成長容器11と、反応容器12の外部に設置され結晶成長容器11を加熱するためのヒータ13とを含む。ここで、結晶成長容器11の少なくとも一部に、金属炭化物で形成されている気孔率が0.1%以上70%以下の多孔質体が用いられている。また、ヒータ13は、結晶成長容器11の種結晶1側を加熱するための第1のヒータ13aと結晶成長容器11の原料(III族窒化物単結晶を成長させるための原料、以下同じ)2側を加熱するための第2のヒータとを含む。
まず、結晶成長容器11の一方(図1においては上部)に種結晶1としてたとえばIII族窒化物種結晶を配置し、結晶成長容器11の他方(図1においては下部)に原料2としてたとえばIII族窒化物粉末またはIII族窒化物多結晶を配置する。
次いで、反応容器12の内部に排気ガス5としてたとえば窒素ガスを流しながら、第1ヒータ13aおよび第2ヒータ13bを用いて結晶成長容器11の内部を昇温させ、第1ヒータ13aおよび第ヒータ13bの加熱量を調節して結晶成長容器11の原料2側の温度を種結晶1側の温度より高く保持することにより、原料2からIII族窒化物を昇華させて原料ガス4とし、この原料ガス4を種結晶1上で再度固化させてIII族窒化物単結晶3を成長させる。なお、排気ガスとしては、窒素ガス、アルゴンガスなどの不活性ガスが好ましく用いられる。
このIII族窒化物結晶成長段階において、結晶成長容器の少なくとも一部は金属炭化物で形成されている気孔率が0.1%以上70%以下の多孔質体であるため、III族窒化物単結晶への不純物の混入が低減するとともに、多孔質体の気孔により結晶成長容器の内部の原料ガスおよび不純物ガスが一定に制御されIII族窒化物単結晶の安定な成長が可能となる。
なお、結晶成長容器11の内部の昇温中は、結晶成長容器の種結晶1側の温度を原料2側の温度より高くすることにより、種結晶1の表面がエッチングにより清浄にされるとともに、結晶成長容器11の内部の不純物ガスが多孔質体の気孔から結晶成長容器11の外部に排出され、さらに排気ガス5により上記の不純物ガスの排出が促進されるため、III族窒化物単結晶への不純物の混入がさらに低減する。
上記のIII族窒化物単結晶の成長方法を用いることにより、結晶品質の高いIII族窒化物単結晶を安定して成長させることができるため、直径が2.5cm以上で厚さが200μm以上の大型で品質のよいIII族窒化物単結晶を得ることができる。
さらに、このような大型で品質の高いIII族窒化物単結晶を加工することにより得られるIII族窒化物単結晶基板は、大型で結晶品質が高いことから、発光ダイオード、レーザダイオードなどの発光素子、整流器、バイポーラトランジスタ、電界効果トランジスタ、HEMT(高電子移動度トランジスタ)などの電子素子、温度センサ、圧力センサ、放射線センサ、加速度センサ、可視−紫外光検出器などの半導体センサ、SAW(表面弾性波)デバイス、MEMS(微小電気機械システム)部品、圧電振動子、共振器、圧電アクチュエータなどに広く適用できる。
以下、実施例に基づいて、本発明をさらに具体的に説明する。
(結晶成長容器の作製)
図1の結晶成長容器11として、以下のようにして、TaCから形成される多孔質体の坩堝を作製した。すなわち、純度が99.99質量%のTa粉末と純度が99.99質量%のC粉末を元素組成比Ta:Cが1:1となるように混合し、成形した後、カーボン坩堝中で焼成して、内径が6cmで内部高さが8cmで厚さが5mmの中空円柱形状のTaCから形成される多孔質体の坩堝を得た。この多孔質TaC坩堝の不純物含有量は、SIMS(2次イオン質量分析法)で測定したところ150ppmであった。また、この多孔質TaC坩堝の気孔率および気孔径は、水銀ポロシメータで測定したところ、それぞれ15%および1μm〜20μmであった。
(実施例1)
図1を参照して、結晶成長容器11として上記の多孔質TaC坩堝を用いて、昇華法によりAlN単結晶(III族窒化物単結晶3)を成長させた。まず、多孔質TaC坩堝(結晶成長容器11)の上部に種結晶1としてAlN種結晶を配置し、多孔質TaC坩堝の下部に原料2としてAlN粉末を配置した。次に、反応容器12に排気ガスとして窒素ガスを流しながら、第1のヒータ13aおよび第2のヒータ13bを用いて多孔質TaC坩堝(結晶成長容器11)内部を昇温させ、多孔質TaC坩堝のAlN種結晶の温度を2200℃、AlN粉末の温度を2300℃として、24時間保持することにより、AlN種結晶(種結晶1)上にAlN単結晶(III族窒化物単結晶3)を成長させた。結晶成長後、自然冷却した後、AlN単結晶を取り出した。
上記のようにして得られたAlN単結晶は直径5.08cmで厚さ3.5mmであった。また、このAlN単結晶の不純物含有量は、SIMSで測定したところ、10ppmと極めて少なかった。また、このAlN単結晶のX線回折における(0002)ピークの半値幅は、82arsecと良好な結晶品質を有していた。また、このAlN結晶成長において、多孔質TaC坩堝にダメージおよび欠損は認められなかった。さらに、同じ多孔質TaC坩堝を用いて同様の条件でAlN結晶成長を9回行なったところ、各AlN結晶成長において得られたAlN単結晶は、最初の結晶成長で得られたAlN単結晶と同等の形状、大きさおよび品質を有していた。
参考例
結晶成長容器として上記の多孔質TaC坩堝を用いて、Na−フラックス法によりGaN単結晶を成長させた。まず、多孔質TaC坩堝の内部に、種結晶としてMOCVD法により作製したGaN種結晶と、Ga原料として金属Gaと、フラックス原料として金属Naと(モル比でGa:Na=64:36)を配置した。次に、結晶成長容器の内部を真空(0.3Pa)として300℃まで昇温させて0.5時間保持して、GaN種結晶、Ga−Na融液および多孔質TaC坩堝の水分を除去した。次に、結晶成長容器の内部にN原料となるN2ガスを導入して、結晶成長容器の内部を内圧5MPaで800℃まで昇温させて100時間保持することにより、GaN種結晶上にGaN単結晶を成長させた。なお、結晶成長容器として用いた上記多孔質TaC坩堝は、気孔率が15%、気孔径が1μm〜20μm(100μm以下)であり、上記のGaN単結晶の成長においてGa−Na融液の漏れは認められなかった。
上記のようにして得られたGaN単結晶は直径2.5cmで厚さ510μmであった。また、このGaN単結晶をSIMS分析したところ、GaN単結晶には、主な不純物としてAlが380ppm含まれていた。また、このGaN単結晶のX線回折における(0002)ピークの半値幅は、60arsecと良好な結晶品質を有していた。
なお、多孔質TaC坩堝の内部を観察したところ、坩堝とGa−Na融液との界面に少数の粒子が認められた。これらの粒子を採取したところ0.6gであった。また、これらの粒子をX線回折により解析したところ、GaN多結晶であることがわかった。
(比較例)
結晶成長容器としてAl23坩堝を用いた他は、参考例と同様にして、Na−フラックス法により、GaN単結晶を成長させた。得られたGaN単結晶は直径1.8cmで厚さ350μmであった。また、このGaN単結晶をSIMS分析したところ、GaN単結晶には、主な不純物としてAlが630ppm含まれていた。また、このGaN単結晶のX線回折における(0002)ピークの半値幅は、180arsecであった。
なお、Al23坩堝の内部を観察したところ、坩堝とGa−Na融液との界面に多数の粒子が認められた。これらの粒子を採取したところ1.5gであった。また、これらの粒子をX線回折により解析したところ、GaN多結晶であることがわかった。
比較例と参考例とを対比すると、Na−フラックス法において、結晶成長容器としてAl23坩堝に替えて多孔質TaC坩堝を用いることにより、GaN単結晶中のAl不純物含有量は630ppmから380ppmに低減し、X線回折における(0002)ピークの半値幅は180arsecから60arsecに低減し、結晶品質が向上したことがわかる。これは、Al23坩堝においては単結晶成長の際にAlが溶出し成長する単結晶に混入するが、多孔質TaC坩堝は高温における安定性が高いため高純度で品質のよい単結晶が得られるものと考えられる。
また、比較例と参考例とを対比すると、Na−フラックス法において、結晶成長容器としてAl23坩堝に替えて多孔質TaC坩堝を用いることにより、多結晶粒子の生成が1.5gから0.6gに抑制できることがわかる。これは、多孔質TaC坩堝はAl23坩堝に比べて坩堝表面とGa−Na融液との濡れ性が低減するためと考えられる。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明でなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内のすべての変更が含まれることが意図される。
本発明にかかるIII族窒化物単結晶の成長方法の一例を示す断面模式図である。
符号の説明
1 種結晶、2 原料、3 III族窒化物単結晶、4 原料ガス、5 排気ガス、10 結晶成長装置、11 結晶成長容器、12 反応容器、13 ヒータ、13a 第1のヒータ、13b 第2のヒータ。

Claims (8)

  1. 結晶成長容器の内部でIII族窒化物単結晶を昇華法により成長させる方法であって、
    前記結晶成長容器の少なくとも一部に、金属炭化物で形成されている気孔率が0.1%以上70%以下の多孔質体が用いられ、前記多孔質体の表面の少なくとも一部に、前記金属炭化物で形成されている気孔率が0.1%未満のコーティング層が被覆されていることを特徴とするIII族窒化物単結晶の成長方法。
  2. 前記多孔質体は反応焼成法または金属炭化物粉末のプレス焼成法により形成されていることを特徴とする請求項1に記載のIII族窒化物単結晶の成長方法。
  3. 前記金属炭化物における金属と炭素との元素組成比である(金属):(炭素)が、9:1〜4:6である請求項1または請求項2に記載のIII族窒化物単結晶の成長方法。
  4. 前記金属炭化物が、TaCまたはTaCを含む複合炭化物である請求項1から請求項3のいずれかに記載のIII族窒化物単結晶の成長方法。
  5. 前記金属炭化物の不純物含有量が、500ppm以下である請求項1から請求項4のいずれかに記載のIII族窒化物単結晶の成長方法。
  6. 前記結晶成長容器の内部の原料ガスの1%以上50%以下を、前記多孔質体の気孔を介して前記結晶成長容器の外部に排出することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載のIII族窒化物単結晶の成長方法。
  7. 前記多孔質体の気孔径が0.1μm以上100μm以下である請求項1から請求項6のいずれかに記載のIII族窒化物単結晶の成長方法。
  8. 前記コーティング層は反応焼成法または金属炭化物粉末のプレス焼成法により形成されていることを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれかに記載のIII族窒化物単結晶の成長方法。
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