JP4677792B2 - 接合構造及び接合方法 - Google Patents

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Description

本発明は、接合構造及び接合方法に関し、特に、隣接する鉄筋コンクリート部材(柱、梁等のPC部材)間の接合に有効な接合構造及び接合方法に関する。
近年、鉄筋コンクリート構造物の施工の高品質化、工期短縮等を図るため、プレキャストコンクリート(以下、PCという。)柱や梁等のPC部材が広く用いられている。PC柱や梁等のPC部材を用いて鉄筋コンクリート構造物を架構する場合、隣接するPC部材間の接合に各種の接合方法が利用されている。その一例を図7及び図8に示す。
すなわち、図7及び図8に示す接合方法は、隣接する一対のPC梁部材40、50間の接合方法であって、図7に示すように、予め、各PC梁部材40、50の接合端面46、46から主筋42、52をそれぞれ所定の長さ突出させ、その突出させた部分を所定の位置から所定の角度で屈曲させておく。そして、両PC梁部材40、50を所定の位置に位置決めし、両PC梁部材40、50の接合端面46、56同士を所定の間隔をおいて対向させ、各接合端面46、56から突出している主筋42、52を互いに重ね合わせる。そして、図8に示すように、両PC梁部材40、50の接合端面46、56間にコンクリートを打設する。
このようにして、隣接する一対のPC梁部材40、50間を一体に接合することができる。
図9に示す接合方法は、いわゆる横挿工法であって、予め、他方のPC梁部材50に打継ぎ用継手53を埋設しておき、一方のPC梁部材40の主筋42を接合端面46から所定の長さ突出させておく。そして、両PC梁部材40、50を所定の位置に位置決めし、接合端面46、56同士を互いに対向させ、一方のPC梁部材40を他方のPC梁部材50の方向に相対的に水平移動させ、打継ぎ用継手53に主筋42を差し込む。このようにして、隣接する一対のPC梁部材40、50間を一体に接合することができる。
ところで、上記のような接合方法のうち、図7及び図8に記載されている接合方法は、現場において、隣接するPC梁部材40、50間の接合部にコンクリートを打設する必要があるため、サポート等によって両PC梁部材40、50を支持した状態でコンクリートを打設しなければならない。
このため、打設したコンクリートが固化して両PC梁部材40、50と一体化するまではサポート等を取り外すことができず、サポート等が作業の邪魔になるため、両PC梁部材40、50の下方の部分、及び上方の部分の施工を連続して行うことができず、工期が延びてしまう。
また、両PC梁部材40、50の接合部にコンクリートを打設しなければならない。このため、両PC梁部材40、50間の接合部においてせん断補強筋の配筋や型枠の組み立て作業が生じるため、工期が長くなる。
このような問題に対処するため、両PC梁部材40、50間の接合部及びスラブへのコンクリートの打設に同一のコンクリート(高い方の設計基準強度のコンクリート)を打設することも考えられるが、その場合には、工期を短縮することができても、必要以上に強度の高いコンクリートを使用しなければならないため、施工費が高くついてしまう。
さらに、図9に記載されている接合方法は、一方のPC梁部材40又は他方のPC梁部材50を水平移動させなければならないため、移動に必要な広い空間を確保しなければならない。さらに、一方のPC梁部材40又は他方のPC梁部材50を水平移動させる際に、既に建て込まれた柱などが障害となるため、両PC梁部材40、50を移動させる工程を考慮した施工手順を計画しなければならず、施工手順が複雑になり、工期が長くなる。さらに、建て込む上で、両PC梁部材40、50を水平移動させることができない箇所が必ず生じるため、そのような箇所には現場でコンクリートを打設しなければならない。
本発明は、前記のような従来の問題に鑑みなされたものであって、柱や梁等のPC部材に適用した場合に、施工が容易で工期を大幅に短縮することができる接合構造及び接合方法を提供することを目的とする。
上記のような課題を解決するために、本発明は、以下のような手段を採用している。
すなわち、請求項1に係る発明は、隣接する一対の鉄筋コンクリート部材間を接合する接合構造であって、
方の鉄筋コンクリート部材に埋設されるとともに、一端が前記一方の鉄筋コンクリート部材の前記接合端面以外の表面に開口し、他端が他方の鉄筋コンクリート部材との接合端面に開口する一方の鞘管と、
前記他方の鉄筋コンクリート部材に埋設されるとともに、一端が前記一方の鉄筋コンクリート部材との接合端面に開口し、かつ開口中心が前記一方の鞘管の開口中心と略一致する他方の鞘管と、
前記一方の鞘管と前記他方の鞘管との間に挿着される可撓性鋼材と、
前記両鞘管内に充填されて、前記可撓性鋼材を前記両鞘管内に固着させるグラウトとを備え
前記一方の鞘管は、前記他端から長手方向中間部までが前記一方の鉄筋コンクリート部材に埋設される主筋に沿い、かつ、前記長手方向中間部から前記一端までの間が湾曲して前記一端が前記他方の鉄筋コンクリート部材との接合端面以外の表面に開口するように、前記一方の鉄筋コンクリート部材に埋設され、前記他方の鞘管は、少なくとも一部が前記他方の鉄筋コンクリート部材に埋設される主筋に沿って埋設されていることを特徴とする。
本発明による接合構造によれば、一方の鉄筋コンクリート部材の接合端面と他方のコンクリート部材の接合端面とを対向させて、一方の鞘管の開口中心と他方の鞘管の開口中心とを一致させ、一方の鞘管と他方の鞘管との間に可撓性鋼材を挿着し、両鞘管内にグラウトを充填させて、可撓性鋼材を両鞘管内に固着させることにより、一方の鉄筋コンクリート部材と他方の鉄筋コンクリート部材の接合端面間が接合されることになる。
従って、現場において、両鉄筋コンクリート部材間の接合部にコンクリートを打設する必要がないので、両鉄筋コンクリート部材を支持するためのサポート等が不要となり、両鉄筋コンクリート部材間の接合に連続して、両鉄筋コンクリート部材の下方の部分及び上方の部分の施工を行うことができ、工期を短縮することができる。
また、両鉄筋コンクリート部材間の接合部にコンクリートを打設する必要がないので、鉄筋工事や型枠工事を減少させることができ、これによっても工期を短縮することができる。
さらに、一方の鉄筋コンクリート部材の接合端面と他方の鉄筋コンクリート部材の接合端面とを合わせるだけでよいので、両鉄筋コンクリート部材を水平方向に移動させるために広い移動空間を必要とすることはなく、また、建て込む順序が複雑になるようなこともない。
さらに、一方の鞘管の主筋に沿って埋設される部分、及び他方の鞘管の主筋に沿って埋設される部分を挿通する可撓性鋼材の部分を重ね継手として機能させることができるので、所定の接合強度を確保するために可撓性鋼材を緊張させたり、ボルトを締め付ける等の作業を省略することができ、施工性を大幅に高めることができる。
請求項に係る発明は、請求項に記載の接合構造であって、前記他方の鞘管は、他端が前記他方の鉄筋コンクリート部材で閉塞されるとともに、前記他方の鉄筋コンクリート部材には、前記他方の鞘管と前記他方の鉄筋コンクリート部材の表面との間を連通する注入孔が設けられていることを特徴とする。
本発明による接合構造によれば、注入孔から他方の鞘管内にグラウトを注入することにより、他方の鞘管及び一方の鞘管内にグラウトが注入、充填され、このグラウトが固化することにより、可撓性鋼材が両鞘管内にグラウトを介して固着されることになる。この場合、一方の鉄筋コンクリート部材の表面に開口している一方の鞘管の一端が空気抜きとして機能することになるので、両鞘管内に容易にグラウトを注入、充填することができる。
請求項に係る発明は、請求項1又は2に記載の接合構造であって、前記可撓性鋼材は、PC鋼より線であることを特徴とする。
本発明による接合構造によれば、一方の鞘管と他方の鞘管との間にPC鋼より線からなる可撓性鋼材を容易に挿着することができるとともに、このPC鋼より線からなる可撓性鋼材により、両鉄筋コンクリート部材間の重ね継手に必要な強度が十分に得られることになる。
請求項に係る発明は、請求項1からの何れかに記載の接合構造であって、前記一方の鞘管及び前記他方の鞘管の内面又は外面の少なくとも何れか一方には、複数の凹凸が設けられていることを特徴とする。
本発明による接合構造によれば、両鞘管内に挿着される可撓性鋼材と両鞘管との付着性を高めることができるとともに、両鞘管の両鉄筋コンクリート部材に対する付着性を高めることもでき、重ね継手としての性能が十分に得られることになる。
請求項に係る発明は、請求項1からの何れかに記載の接合構造であって、前記一方の鉄筋コンクリート部材の接合端面と前記他方のコンクリート部材の接合端面との間に、前記両鞘管内に注入されるグラウトの一部を回り込ませることにより、両接合面間に目地処理を施したことを特徴とする。
本発明による接合構造によれば、両鞘管内に注入されるグラウトの一部を両鉄筋コンクリート部材の接合端面間に回りこませることにより、両鉄筋コンクリート部材の接合端面間に目地処理を施すことができる。
従って、目地処理を別途行う場合に比べて、目地処理に要する手間を削減することができるので、施工性を高めることができ、工期を短縮することができる。
請求項に係る発明は、隣接する一対の鉄筋コンクリート部材間を接合するにあたり、
方の鉄筋コンクリート部材に、一端が該一方の鉄筋コンクリート部材の表面に開口し、他端が前記他方の鉄筋コンクリート部材との接合端面に開口するように一方の鞘管を予め埋設しておき、
方の鉄筋コンクリート部材に、一端が前記一方の鉄筋コンクリート部材との接合端面に開口し、かつ該開口中心が前記一方の鞘管の開口中心と略一致するように他方の鞘管を予め埋設しておき、
前記一方の鉄筋コンクリート部材の接合端面と前記他方の鉄筋コンクリート部材の接合端面とを合わせて、前記一方の鞘管の開口中心と前記他方の鞘管の開口中心とを一致させ、 前記一方の鞘管の一端側から前記一方の鞘管と前記他方の鞘管との間に可撓性鋼材を挿着し、前記両鞘管内にグラウトを注入して固化させることにより、前記一方のコンクリート部材と前記他方のコンクリート部材との間を接合する接合方法であって、
前記一方の鞘管を、前記他端から長手方向中間部までが前記一方の鉄筋コンクリート部材に埋設される主筋に沿い、かつ、前記長手方向中間部から前記一端までの間が湾曲して前記一端が前記他方の鉄筋コンクリート部材との接合端面以外の表面に開口するように、前記一方の鉄筋コンクリート部材に予め埋設しておき、前記他方の鞘管を、少なくとも一部が前記他方の鉄筋コンクリート部材に埋設される主筋に沿って予め埋設しておくことを特徴とする。
本発明による接合方法によれば、一方の鉄筋コンクリート部材の接合端面と他方のコンクリート部材の接合端面とを対向させて、一方の鞘管の開口中心と他方の鞘管の開口中心とを一致させ、一方の鞘管と他方の鞘管との間に可撓性鋼材を挿着し、両鞘管内にグラウトを充填させて、可撓性鋼材を両鞘管内に固着させることにより、一方の鉄筋コンクリート部材と他方の鉄筋コンクリート部材の接合端面間が接合されることになる。
従って、現場において、両鉄筋コンクリート部材間の接合部にコンクリートを打設する必要がないので、両鉄筋コンクリート部材を支持するためのサポート等が不要となり、両鉄筋コンクリート部材間の接合に連続して、両鉄筋コンクリート部材の下方の部分及び上方の部分の施工を行うことができ、工期を短縮することができる。
また、両鉄筋コンクリート部材間の接合部にコンクリートを打設する必要がないので、鉄筋工事や型枠工事を減少させることができ、これによっても工期を短縮することができる。
さらに、一方の鉄筋コンクリート部材の一方の鞘管の開口中心と他方の鉄筋コンクリート部材の他方の鞘管の開口中心とを一致させるだけでよいので、両鉄筋コンクリート部材を水平方向に移動させるために広い移動空間を必要とすることはなく、また、建て込む順序が複雑になるようなこともない。
以上、説明したように、本発明の接合構造及び接合方法によれば、一方の鉄筋コンクリート部材の接合端面と他方の鉄筋コンクリート部材の接合端面とを合わせて、一方の鞘管と他方の鞘管との間に可撓性鋼材を挿着し、両鞘管内にグラウトを注入、充填して、グラウトを固化させることにより、両鉄筋コンクリート部材間を一体に接合することができるので、施工性を高めることができるとともに、施工に要する時間を削減することができ、工期の短縮、施工費の低減を図ることができる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
図1〜図3には、本発明による接合構造の一実施の形態が示されていて、図1は接合構造の全体を示す縦断面図、図2は図1の一方のPC梁部材の接合端面を示す側面図、図3は図1の他方のPC梁部材の接合端面を示す側面図である。
すなわち、この接合構造1は、水平方向に隣接して配置される一対の鉄筋コンクリート部材10、20である一対のPC梁部材10、20間の接合に適用したものであって、一方のPC梁部材10に埋設される一方の鞘管14と、他方のPC梁部材20に埋設される他方の鞘管24と、両鞘管14、24間に挿着される可撓性鋼材30と、両鞘管14、24内に充填されるグラウト32とを備えている。
一方のPC梁部材10は、断面矩形状のコンクリート製の梁本体11と、梁本体11内の下端部に全長に渡って埋設される異形鉄筋等からなる主筋12と、梁本体11内の周縁部に梁本体11の長手方向に沿って所定の間隔ごとに埋設されるとともに、上端部が梁本体11の上面から上方に突出する異形鉄筋等からなるスターラップ13とから構成されている。一方のPC梁部材10の長手方向の右側の端面は、他方のPC梁部材20との接合端面16に形成されている。
他方のPC梁部材20は、一方のPC梁部材10と同様に、コンクリート製の断面矩形状の梁本体21と、梁本体21内の下端部に全長に渡って埋設される異形鉄筋等からなる主筋22と、梁本体21内の周縁部に梁本体21の長手方向に沿って所定の間隔ごとに埋設されるとともに、上端部が梁本体21の上面から突出する異形鉄筋等からなるスターラップ23とから構成されている。他方のPC梁部材20の長手方向の左側の端面は、一方のPC梁部材10との接合端面26に形成されている。
一方の鞘管14は、鉄、ステンレス等の金属材、各種の合成樹脂材等から形成される管状をなすものであって、一端が一方のPC梁部材10の梁本体11の上面に開口し、他端が接合端面16に開口するように、一方のPC梁部材10の梁本体11内に埋設されている。
なお、一方の鞘管14の一端は、一方のPC梁部材10の梁本体11の上面に限らず、側面又は下面に開口させてもよい。
一方の鞘管14は、長手方向の中間部から一端までの間が所定の曲率で湾曲されて円弧状に形成され、長手方向の中間部から他端までの間が直線状に形成され、直線状に形成された部分が主筋12の上部に主筋12に沿って埋設されている。
一方の鞘管14の内面又は外面の少なくとも何れか一方には複数の凹凸(図示せず)が設けられ、この凹凸によって一方の鞘管14の外面と梁本体11のコンクリートとの付着性が高められ、一方の鞘管14の内面とその内部に挿着される後述する可撓性鋼材30との付着性が高められる。
他方の鞘管24は、一方の鞘管14と同様に、鉄、ステンレス等の金属材、各種の合成樹脂材等から形成される管状をなすものであって、一端が他方のPC梁部材20の梁本体21の接合端面26に開口し、他端が他方のPC梁部材20の梁本体21のコンクリートによって閉塞されるように、他方のPC梁部材20の梁本体21内に埋設されている。
他方の鞘管24は、全体が主筋22の上部に主筋22に沿って埋設され、他方の鞘管24の他端部に、他方のPC梁部材20の梁本体21の下面と他方の鞘管24との間を連通する注入孔25が設けられ、この注入孔25を介して他方の鞘管24内にグラウト32が注入可能に構成されている。
なお、注入孔25は、梁本体21の下面に限らず、上面又は側面に設けても良い。
他方の鞘管24の内面又は外面の少なくとも何れか一方には、一方の鞘管14と同様に複数の凹凸(図示せず)が設けられ、この複数の凹凸によって他方の鞘管24の外面と梁本体21のコンクリートとの付着性が高められ、他方の鞘管24の内面とその内部に挿着される後述する可撓性鋼材30との付着性が高められる。
一方の鞘管14及び他方の鞘管24は、一方のPC梁部材10と他方のPC梁部材20の接合端面16、26同士を合わせた際に、開口中心同士がほぼ一致するように、一方のPC梁部材10の梁本体11及び他方のPC梁部材20の梁本体21の所定の位置に埋設されている。そして、このような位置に両鞘管14、24を埋設することにより、一方のPC梁部材10と他方のPC梁部材20の接合端面16、26同士を合わせるだけで、両鞘管14、24の開口中心をほぼ一致させることができる。
可撓性鋼材30は、一方のPC梁部材10の主筋12と他方のPC梁部材20の主筋22とを接合する重ね継手としての強度を有し、かつ可撓性を有するものであれば特に制限はなく、例えば、PC鋼より線等が挙げられる。
可撓性鋼材30は、一方のPC梁部材10の一方の鞘管14の一端から一方の鞘管14内に挿入され、一方の鞘管14内を挿通して他方のPC梁部材20の他方の鞘管24内に挿入され、両鞘管14、24の全体に行き渡るように、両鞘管14、24間に挿着される。
両鞘管14、24内には、注入孔25を介してグラウト32が注入、充填され、このグラウト32を固化させることにより、両鞘管14、24内に可撓性鋼材30がグラウト32を介して固着される。この場合、必要に応じて、グラウト30の一部を両接合端面16、26間に回し込み、両接合端面16、26間の目地処理35を同時に行ってもよい。グラウト32を注入する際に、一方の鞘管14が空気抜き孔として機能するので、両鞘管14、24内にグラウト32を容易に注入、充填することができる。
このようにして、可撓性鋼材30を両鞘管14、24内にグラウト32を介して固着させることにより、可撓性鋼材30が両PC梁部材10、20の主筋12、22同士を接合する重ね継手として機能し、隣接する一方のPC梁部材10と他方のPC梁部材20とを一体に接合することができる。
この場合、一方のPC梁部材10の主筋12が負担している引っ張り応力は、主筋12を介して一方の鞘管14に伝達され、一方の鞘管14から可撓性鋼材30に伝達され、可撓性鋼材30から他方の鞘管24に伝達され、他方の鞘管24から他方のPC梁部材20の主筋22に伝達される。また、他方のPC梁部材20の主筋22が負担している引っ張り応力は、主筋22を介して他方の鞘管24に伝達され、他方の鞘管24から可撓性鋼材30に伝達され、可撓性鋼材30から一方の鞘管14に伝達され、一方の鞘管14から一方のPC梁部材10の主筋12に伝達される。
上記のように構成した本実施の形態による接合構造1にあっては、一方のPC梁部材10と他方のPC梁部材20との接合部に、現場でコンクリートを打設する必要がないので、両PC梁部材10、20を支持するためのサポート等が不要となる。従って、両PC梁部材10、20間の接合に連続して、両PC梁部材10、20の下方の部分及び上方の部分の施工を行うことができるので、工期を大幅に短縮することができる。
また、両PC梁部材10、20の接合部にコンクリートを打設する必要がないので、両PC梁部材10、20間の接合部とスラブとのコンクリートを打ち分ける必要はなく、これによっても工期を大幅に短縮することができる。
さらに、一方のPC梁部材10と他方のPC梁部材20の接合端面16、26同士を合わせるだけで、一方の鞘管14と他方の鞘管24の開口中心同士を一致させることができるので、両PC梁部材10、20を水平方向に移動させるために広い移動空間を必要とするようなことはなく、また、建て込む順序が複雑になるようなこともなく、施工性を大幅に高めることができ、工期を短縮することができるとともに、施工費を低減させることができる。
さらに、両鞘管10、20内にグラウト32を充填する際に、一方のPC梁部材10の接合端面16と他方のPC梁部材20の接合端面26間にグラウト32の一部を回し込んで、接合端面16、26間の目地処理35を同時に行うこともできるので、目地処理35のために新たに工程を設ける必要はなく、施工性を高めることができるとともに、工期を短縮することができる。
なお、前記の説明においては、本発明による接合構造1を隣接する一対のPC梁部材10、20間の接合に適用したが、水平方向に連続して設けられる3つ以上のPC梁部材の隣接するPC梁部材間に適用してもよい。また、柱に一体に連結されるブラケットとそれに接合されるPC梁部材との間の接合に適用しても良い。その場合には、ブラケットを一方のPC梁部材として機能させ、それに接合されるPC梁部材を他方のPC梁部材として機能させればよい。
図4〜図6には、本発明による接合方法の一実施の形態が示されていて、この接合方法は、図1に示す隣接する一対のPC梁部材10、20間の接合に適用したものである。
すなわち、まず、図4に示すように、クレーン等を用いて一方のPC梁部材10の接合端面16と他方のPC梁部材20の接合端面26とを合わせる。この場合、両接合端面16、26に開口している一方の鞘管14の開口中心と他方の鞘管24の開口中心とは、予め開口中心同士が互いに一致するように、両鞘管14、24を両PC梁部材10、20に埋設させているので、両PC梁部材10、20の接合端面16、26同士を合わせるだけで、両鞘管14、24の開口中心を一致させることができる。
次に、図5に示すように、可撓性鋼材30を一方の鞘管14の一端から一方の鞘管14内に挿入し、一方の鞘管14内を挿通させて他方の鞘管内24に挿入し、他方の鞘管24の他端に達するまで挿入し、両鞘管14、24内の全体に可撓性鋼材30を行き渡らせる。この場合、可撓性鋼材30は可撓性を有しているので、両鞘管14、24の形状に追従して容易に湾曲変形させながら、両鞘管14、24の全体に挿着させることができる。
次に、図6に示すように、注入孔25から他方の鞘管24内にグラウト32を注入し、他方の鞘管24を介して一方の鞘管14内にグラウト32を注入し、両鞘管14、24の全体にグラウト32を充填する。この場合、グラウト32の一部を一方のPC梁部材10の接合端面16と他方のPC梁部材20の接合端面26との間に回し込み、両接合端面16、26間に目地処理35ために充填してもよい。一方の鞘管14は、空気抜きとして機能するので、両鞘管14、24内にグラウトを容易に充填することができる。
そして、両鞘管14、24内及び両PC梁部材10、20の接合端面16、26間に充填したグラウト32を固化させることにより、両鞘管14、24内に可撓性鋼材30をグラウト32を介して固着させることができ、両PC梁部材10、20の接合端面16、26間を一体に接合することができる。
なお、前記の説明においては、本発明による接合構造及び接合方法を水平方向に隣接するPC梁部材10、20の接合に適用したが、PC柱部材とPC梁部材との間に本発明を適用してもよいものであり、その場合にも同様の作用効果を奏するのは勿論のことである。
さらに、鉄筋コンクリート部材は、柱、梁等のPC部材に限らず、他の構造物であってもよい。
本発明による接合構造の一実施の形態を示した縦断面図である。 図1の一方の鉄筋コンクリート部材の側面図である。 図1の他方の鉄筋コンクリート部材の側面図である。 本発明による接合方法の一実施の形態を示した縦断面図であって、一方の鉄筋コンクリート部材の接合端面と他方の鉄筋コンクリート部材の接合端面とを合わせた状態を示した説明図である。 一方の鉄筋コンクリート部材の一方の鞘管と他方の鉄筋コンクリート部材の他方の鞘管との間に可撓性鋼材を挿着した状態を示した説明図である。 一方の鞘管と他方の鞘管内にグラウトを充填した状態を示した説明図である。 従来の接合構造の一例を示した説明図である。 図7の一方の鉄筋コンクリート部材と他方の鉄筋コンクリート部材との間にコンクリートを打設した状態を示した説明図である。 従来の接合構造の他例を示した説明図であって、一方の鉄筋コンクリート部材と他方の鉄筋コンクリート部材を所定の位置に配置した状態を示した説明図である。
符号の説明
1 接合構造
10、40 一方の鉄筋コンクリート部材(一方のPC梁部材)
20、50 他方の鉄筋コンクリート部材(他方のPC梁部材
11、21 梁本体
12、22、42、52 主筋
13、23 スターラップ
14 一方の鞘管
16、26、46、56 接合端面
24 他方の鞘管
25 注入孔
30 可撓性鋼材
32 グラウト
35 目地処理
53 打ち継ぎ用継手

Claims (6)

  1. 隣接する一対の鉄筋コンクリート部材間を接合する接合構造であって、
    方の鉄筋コンクリート部材に埋設されるとともに、一端が前記一方の鉄筋コンクリート部材の前記接合端面以外の表面に開口し、他端が他方の鉄筋コンクリート部材との接合端面に開口する一方の鞘管と、
    前記他方の鉄筋コンクリート部材に埋設されるとともに、一端が前記一方の鉄筋コンクリート部材との接合端面に開口し、かつ開口中心が前記一方の鞘管の開口中心と略一致する他方の鞘管と、
    前記一方の鞘管と前記他方の鞘管との間に挿着される可撓性鋼材と、
    前記両鞘管内に充填されて、前記可撓性鋼材を前記両鞘管内に固着させるグラウトとを備え
    前記一方の鞘管は、前記他端から長手方向中間部までが前記一方の鉄筋コンクリート部材に埋設される主筋に沿い、かつ、前記長手方向中間部から前記一端までの間が湾曲して前記一端が前記他方の鉄筋コンクリート部材との接合端面以外の表面に開口するように、前記一方の鉄筋コンクリート部材に埋設され、前記他方の鞘管は、少なくとも一部が前記他方の鉄筋コンクリート部材に埋設される主筋に沿って埋設されていることを特徴とする接合構造。
  2. 前記他方の鞘管は、他端が前記他方の鉄筋コンクリート部材で閉塞されるとともに、前記他方の鉄筋コンクリート部材には、前記他方の鞘管と前記他方の鉄筋コンクリート部材の表面との間を連通する注入孔が設けられていることを特徴とする請求項に記載の接合構造。
  3. 前記可撓性鋼材は、PC鋼より線であることを特徴とする請求項1又は2に記載の接合構造。
  4. 前記一方の鞘管及び前記他方の鞘管の内面又は外面の少なくとも何れか一方には、複数の凹凸が設けられていることを特徴とする請求項1からの何れかに記載の接合構造。
  5. 前記一方の鉄筋コンクリート部材の接合端面と前記他方のコンクリート部材の接合端面との間に、前記両鞘管内に注入されるグラウトの一部を回り込ませることにより、両接合面間に目地処理を施したことを特徴とする請求項1からの何れかに記載の接合構造。
  6. 隣接する一対の鉄筋コンクリート部材間を接合するにあたり、
    方の鉄筋コンクリート部材に、一端が該一方の鉄筋コンクリート部材の表面に開口し、他端が他方の鉄筋コンクリート部材との接合端面に開口するように一方の鞘管を予め埋設しておき、
    前記他方の鉄筋コンクリート部材に、一端が前記一方の鉄筋コンクリート部材との接合端面に開口し、かつ該開口中心が前記一方の鞘管の開口中心と略一致するように他方の鞘管を予め埋設しておき、
    前記一方の鉄筋コンクリート部材の接合端面と前記他方の鉄筋コンクリート部材の接合端面とを合わせて、前記一方の鞘管の開口中心と前記他方の鞘管の開口中心とを一致させ、 前記一方の鞘管の一端側から前記一方の鞘管と前記他方の鞘管との間に可撓性鋼材を挿着し、前記両鞘管内にグラウトを注入して固化させることにより、前記一方のコンクリート部材と前記他方のコンクリート部材との間を接合する接合方法であって、
    前記一方の鞘管を、前記他端から長手方向中間部までが前記一方の鉄筋コンクリート部材に埋設される主筋に沿い、かつ、前記長手方向中間部から前記一端までの間が湾曲して前記一端が前記他方の鉄筋コンクリート部材との接合端面以外の表面に開口するように、前記一方の鉄筋コンクリート部材に予め埋設しておき、前記他方の鞘管を、少なくとも一部が前記他方の鉄筋コンクリート部材に埋設される主筋に沿って予め埋設しておくことを特徴とする、隣接する一対の鉄筋コンクリート部材間を接合する接合方法。
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