JP4677196B2 - シリカ粒子、その製造方法及びその用途 - Google Patents

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Description

本発明は、シリカ粒子、その製造方法及びその用途に関する。更に詳しくは、本発明は、油脂、石油、溶剤等の様々な液状物の吸着を目的とする吸着材、高い皮脂吸着作用が求められる化粧品等に好適に使用される特異な形状を有するシリカ粒子、その製造方法及びその用途に関する。
化粧料や吸着材の分野において、シリカ粒子は油脂や石油、溶剤等の様々な液状物品を吸着する成分として使用されている。シリカ粒子の製造方法として、一般的に粉砕方法による不定形シリカ粒子の製造方法、シード重合法やゾルゲル法による球状シリカ粒子の製造方法が知られている。しかしこれらの粒子は、いずれも球状又は球状に近い不定形形状であるため表面積が小さく、吸着能力は低かった。そのため、これらのシリカ粒子では、例えば化粧料に配合した時、吸着できなかった皮脂による化粧崩れ等が問題となっていた。
そこで、球状や不定形シリカ粒子に比べ高吸油量の多孔質シリカ粒子及び製造方法が提案され(特開2000−7320号公報、特許文献1)、この粒子は紙のインク浸透抑制材として用いられている。また、これと同じような多孔質シリカ粒子を用いた化粧料の例として、特開平10−182345号公報(特許文献2)が挙げられ、多孔質シリカ粒子を皮脂コントロール材として用いている。
特開2000−7320号公報 特開平10−182345号公報
しかし、多孔質シリカ粒子の吸油量は300〜500ml/100g程度であり、コントロールの幅が限られていた。
紙でのインク浸透抑制効果や化粧料での皮脂による化粧崩れ等を改善するために、多量のインク、油剤等を吸着できる吸着材、及び多量の皮脂を吸着でき、皮脂のコントロールに幅を持たせることのできる化粧料を与えうるシリカ粒子を提供することが望まれていた。
本発明の発明者は、上記の課題を解決すべく、鋭意研究した結果、重合性モノマーを、重合性ビニル系モノマーに対し共重合性を有さないポリアルコキシシロキサンオリゴマーの存在下、水系懸濁重合後、ポリアルコキシシロキサンオリゴマーを縮合させることで、重合体粒子の表面が少なくとも一部露出するようにポリアルコキシシロキサンオリゴマー由来のシリカ被膜で被覆された複合粒子を形成でき、この複合粒子を焼成することで重合体粒子を除去することにより、特異な形状のシリカ粒子を得ることができ、得られたシリカ粒子は、優れた吸着性を有することを意外にも見い出し本発明に至った。
かくして本発明によれば、重合性ビニル系モノマー100重量部と、重合性ビニル系モノマーに対し不活性なポリアルコキシシロキサンオリゴマー10〜500重量部と、重合開始剤0.01〜10重量部とを均一に混合してモノマー組成物を得、該モノマー組成物中の前記重合性ビニル系モノマーを、懸濁安定剤の存在下で、水系懸濁重合させることで重合体粒子を得た後、前記ポリアルコキシシロキサンオリゴマーを酸又は塩基触媒の存在下で縮合させることで前記重合体粒子の表面が少なくとも一部露出するようにシリカ被膜を形成したシリカ被覆重合体粒子を得、該シリカ被覆重合体粒子を焼成することで重合体粒子を除去してシリカ粒子を得ることを特徴とするシリカ粒子の製造方法が提供される。
また、本発明によれば、上記製造方法により得られたシリカ粒子であって、0.1〜1の開口率かつ、シリカ粒子の高さhと直径Dとが、0.5≦h/D<1の関係を有する少なくとも一部が開口した中空構造である球状又は略球状のシリカ粒子が提供される。
更に、本発明によれば、上記製造方法により得られたシリカ粒子であって、JIS K 5101で測定した吸油量が500ml/100gを超えて、700ml/100g以下である、少なくとも一部が開口した中空構造を有する球状又は略球状のシリカ粒子が提供される。
以上に述べたように、本発明のシリカ粒子は、開口率が0.1〜1の範囲内であることで、不定形状のシリカ粒子と比較して、非常に高い吸油量を有している。そのため、例えば、吸着材に配合することで、高い液体吸着能力が得られる。また、化粧料に配合することで、高い皮脂吸着能力を付与することができ、皮脂による化粧崩れを抑える効果が期待できる。更に、本発明のシリカ粒子は、従来の多孔質シリカ粒子より吸油量が大きいため、化粧料の皮脂コントロール性に幅を持たせることができる。
本発明のシリカ粒子は、図1の断面図に示されるように、0.1〜1の開口率で少なくとも一部が開口した中空構造を有する球状又は略球状の構造である。このような構造を有することで、吸着性が向上し、インク、油剤、皮脂等の吸着成分をより多く吸着させることができる。
開口率が0.1未満では、十分な吸着性が得難いので好ましくない。より好ましい開口率は0.1〜0.8である。なお、開口率の最大値は1である。開口率の測定方法は、実施例に記載する。
上記開口率を有することで、500ml/100gを超えて、700ml/100g以下のJIS K 5101で測定した吸油量(測定方法は実施例の欄に記載)を有するシリカ粒子が得られる。より好ましい吸油量は、530〜650ml/100gである。なお、本明細書においては、吸着性の評価を吸油量の測定で行っているが、本発明のシリカ粒子の吸着成分は油に限定されず、水を含む成分も含まれる。
更に、シリカ粒子の高さhと直径Dとが、0.5≦h/D<1の関係を有する。h/Dが1の場合及び0.5未満の場合、吸着性が乏しくなるので好ましくない。なお、h/Dの測定方法は、実施例に記載する。
以下、本発明のシリカ粒子をその製造方法を参照しつつ説明する。
まず、本発明に使用できる重合性ビニル系モノマーは、重合後、焼成により除去できさえすれば、特には限定されない。例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、n−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチレン等のスチレン及びその誘導体、
エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン等のエチレン不飽和モノオレフイン類、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、弗化ビニル等のハロゲン化ビニル類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル類、
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニル、α−クロルアクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸フェニル、アクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、アクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル等のα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類、
アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル等のアクリル酸もしくはメタクリル酸誘導体、
場合によってはアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマール酸等も使用できる。またビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類、N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドン等のN−ビニル化合物、ビニルナフタリン塩等を本発明の効果を妨げない範囲で1種もしくは2種以上組合せて使用することもできる。
この中でも、コストの面で安価なスチレンやメタクリル酸メチル等が好ましい。また、重合体粒子はエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ジビニルベンゼン等の2つ以上の官能基を持つモノマーで架橋されていてもよい。
本発明において、シリカ粒子の前駆体であるポリアルコキシシロキサンオリゴマーは、重合性ビニル系モノマーに不活性(共重合しないことを意味する)であり、以下に示すような構造式のものが使用できる。
Figure 0004677196
上記構造式の内、例えば、ポリメトキシシロキサン、ポリエトキシシロキサン、ポリプロポキシシロキサン、ポリブトキシシロキサン等のオリゴマーが挙げられる。これらの中でも、難水溶性で、樹脂との相分離が良好であるポリメトキシシロキサンオリゴマー、ポリブトキシシロキサンオリゴマーが好ましく、特に好ましいものは重量平均分子量が300〜3000のポリメトキシシロキサンオリゴマー、ポリブトキシシロキサンオリゴマーである。
なお、重量平均分子量は、GPCを用いて以下の条件で測定される。
カラム:「TSK GEL」(東ソー社製)
G−1000H、
G−2000H
G−4000H
流出液:テトラハイドロフラン
流出速度:1ml/分
流出温度:40℃
テトラメトキシシランやテトラエトキシシラン等の上記分子式でn=1〜2であるような低分子量アルコキシシロキサンでは、官能基の加水分解時に、水溶性が強くなるため、モノマー滴中に安定に存在させることが難しく好ましくない。また、上記分子式でn=40以上となるようなポリアルコキシシロキサンオリゴマーは、重合性ビニル系モノマーとの相溶性や縮合性が低下するので好ましくない。ポリアルコキシシロキサンオリゴマーの添加量は、重合性ビニル系モノマー100重量部に対して、10〜500重量部が好ましく、更に好ましくは20〜300重量部である。10重量部未満の場合、本発明の被覆状態に被覆することが困難であり、500重量部より多い場合、重合体粒子が一部露出した状態になりにくいため好ましくない。
また、これらのポリアルコキシシロキサンオリゴマーに紫外線吸収等の機能付加の目的で、珪素系以外の加水分解性アルコキシ金属化合物を添加することもできる。
重合性ビニル系モノマーの重合には重合開始剤が使用される。重合開始剤としては、通常水系懸濁重合に用いられる油溶性の過酸化物系重合開始剤あるいはアゾ系重合開始剤が挙げられる。具体的には、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酸化オクタノイル、オルソクロロ過酸化ベンゾイル、オルソメトキシ過酸化ベンゾイル、メチルエチルケトンパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、キュメンハイドロパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド等の過酸化物系重合開始剤、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2'−アゾビス(2,3−ジメチルブチロニトリル)、2,2'−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2'−アゾビス(2,3,3−トリメチルブチロニトリル)、2,2'−アゾビス(2−イソプロピルブチロニトリル)、1,1'−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2'−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、(2−カルバモイルアゾ)イソブチロニトリル、4,4'−アゾビス(4−シアノバレリン酸)、ジメチル−2,2'−アゾビスイソブチレート等のアゾ系開始剤が挙げられる。
この中でも、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル等が、重合開始剤の分解速度等の点で好ましい。重合開始剤は重合性ビニル系モノマー100重量部に対して、0.01〜10重量部用いるのが好ましく、更に好ましくは0.1〜5.0重量部である。
なお、シリカ粒子を着色するために、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化クロム、酸化ジルコニウム等の酸化金属系顔料を使用してもよい。しかし、有機系顔料や水酸化金属系顔料、染料等は焼結時に燃焼又は構造変化を起こすため好ましくない。
上記重合性ビニル系モノマーと、ポリアルコキシシロキサンオリゴマーと、重合開始剤と、その他の成分は、公知の方法により均一に混合されてモノマー組成物となる。
次に、モノマー組成物を水系懸濁重合させるための水性媒体としては、水、又は水とアルコールのような水溶性溶媒との混合媒体が挙げられる。水性媒体の使用量は、懸濁重合粒子の安定化を図るために、通常、重合性ビニル系モノマー及びポリアルコキシシロキサンオリゴマーの合計100重量部に対して、100〜1000重量部である。
また、水系での乳化粒子の発生を抑えるために、亜硝酸塩類、亜硫酸塩類、ハイドロキノン類、アスコルビン酸類、水溶性ビタミンB類、クエン酸、ポリフェノール類等の水溶性の重合禁止剤を用いてもよい。
更に必要に応じて水性媒体に懸濁安定剤を添加してもよい。例えば、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛等のリン酸塩、ピロリン酸カルシウム、ピロリン酸マグネシウム、ピロリン酸アルミニウム、ピロリン酸亜鉛等のピロリン酸塩、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、メタケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、コロイダルシリカ等難水溶性無機化合物の分散安定剤等が挙げられる。この中でも第三リン酸カルシウムや複分解生成法によるピロリン酸マグネシウムやピロリン酸カルシウム、コロイダルシリカは、重合体粒子を安定して得ることが可能であるため好ましい。
また、上記懸濁安定剤と、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性イオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤等の界面活性剤とを併用することも可能である。
アニオン性界面活性剤としては、例えば、オレイン酸ナトリウム、ヒマシ油カリ等の脂肪酸油、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム等のアルキル硫酸エステル塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩等が挙げられる。
ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステル、オキシエチレン−オキシプロピレンブロックポリマー等が挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、例えば、ラウリルアミンアセテート、ステアリルアミンアセテート等のアルキルアミン塩、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド等の第四級アンモニウム塩等が挙げられる。
両性イオン界面活性剤としては、ラウリルジメチルアミンオキサイドや、リン酸エステル系又は亜リン酸エステル系界面活性剤が挙げられる。
これら懸濁安定剤や界面活性剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよいが、得られる重合体粒子の粒子径と重合時の分散安定性を考慮して、その懸濁安定剤の選択や使用量を適宜調整して使用される。通常、懸濁安定剤の添加量は、重合性ビニル系モノマー100重量部に対して0.5〜15重量部であり、界面活性剤の添加量は、水性媒体100重量部に対して0.001〜0.1重量部である。
このようにして調整された水性媒体にモノマー組成物を添加して、水系懸濁重合を行う。
モノマー組成物の分散方法として、例えば、水性媒体中にモノマー組成物を直接添加し、プロペラ翼等の攪拌力によりモノマー滴として水性媒体に分散させる方法、ローターとステーターから構成される高せん断力を利用する分散機であるホモミキサー、もしくは超音波分散機等を用いて分散させる方法等が挙げられる。この内、マイクロフルイダイザー、ナノマイザー等のモノマー液滴同士の衝突や機壁への衝突力を利用した高圧型分散機やMPG(マイクロポーラスガラス)多孔膜を通してモノマー組成物を水性媒体中に圧入させる等の方法によって分散させれば、粒子径をより均一にそろえられて好ましい。
次いで、モノマー組成物が球状のモノマー滴として分散された水性媒体を、加熱することにより懸濁重合を開始する。重合反応中は、水性媒体を攪拌するのが好ましく、その攪拌は例えば、モノマー滴の浮上や重合後の粒子の沈降を防止できる程度に緩く行えばよい。懸濁重合において、重合温度は30〜100℃程度にするのが好ましく、更に好ましくは、40〜80℃程度である。そしてこの重合温度を保持する時間としては、0.1〜20時間程度が好ましい。
なお、重合性ビニル系モノマー及びポリアルコキシシロキサンオリゴマーの沸点が重合温度付近又は重合温度以上である場合には、重合性ビニル系モノマー及びポリアルコキシシロキサンオリゴマーが揮発しないように、オートクレーブ等の耐圧重合設備を使用して、密閉下あるいは加圧下で重合させるのが好ましい。
次に、ポリアルコキシシロキサンオリゴマーを縮合させることで重合体粒子の表面が少なくとも一部露出するようにシリカ被膜を形成したシリカ被覆重合体粒子を得ることができる。ポリアルコキシシロキサンオリゴマーの縮合方法としては、酸触媒や塩基触媒を用いた脱水縮合が挙げられる。酸触媒及び塩基触媒としては、塩酸、硫酸、硝酸、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、硝酸アンモニウム等を用いることができる。なお、製造容器が鋼製やステンレス製である場合、腐食等の面から、塩基性の水酸化ナトリウムやアンモニア等が好ましい。触媒の添加量は、ポリアルコキシシロキサンオリゴマー100重量部に対して、0.01〜30重量部が好ましい。より好ましくは1〜15重量部である。
縮合後、必要に応じて、懸濁安定剤を塩酸等により分解し、シリカ被覆重合体粒子を吸引ろ過、遠心脱水、遠心分離、加圧脱水等の方法により含水ケーキとして分離し、更に、得られた含水ケーキを水洗し、乾燥して粒子を分離することができる。
このようにして得られたシリカ被覆重合体粒子を焼成することで、本発明のシリカ粒子を得る。焼成方法としては特に限定されないが、アルゴン、キセノン、窒素等の不活性なガス雰囲気下において焼成する方法、又は酸素存在下、例えば、空気中で焼成する方法がある。経済的な面から考慮すると、空気中での焼成が好ましい。また、焼成温度は500℃以上であることが好ましい。焼成温度が500℃未満であると、焼成した樹脂の炭素カス等の残留により、シリカ粒子が着色するため好ましくない。より好ましい焼成温度は、500〜1500℃である。
本発明のシリカ粒子は、大きさ及び形状は特に限定されない。上記シリカ粒子の製造方法によれば、1〜500μmの平均粒子直径の粒子を得ることができる。ここで、粒子の平均粒子直径の調整は、モノマー組成物と水との混合条件、懸濁安定剤や界面活性剤等の添加量及び上記攪拌機の攪拌条件、分散条件を調整することで可能である。
本発明のシリカ粒子は、吸着材、化粧料や塗料の原料として使用することが好適である。
吸着材に使用する場合、平均粒子直径3〜500μmのシリカ粒子を使用することが好ましい。なお、本明細書において吸着材とは、紙の表面処理に用いるインク浸透抑制材、石油や油剤を吸着するための吸着粉体や吸着マット、油脂成分を吸着清掃するための清掃用物品等、油脂や石油、溶剤、インク、水等のあらゆる液状の物品を吸着するために用いられるものであり、粉体単独又は、基材に吸収又は分散して用いてもよい。
ここで、シリカ粒子を単独で吸着材として用いるには、飛散を起こしにくく、取扱が容易な平均粒子直径である100〜500μm程度が好ましく。特に好ましくは200〜500μm程度である。平均粒子直径が500μmを超える場合、粒子内に一度吸収された油剤の保持力が弱く、脱離しやすいため好ましくない。
また、シリカ粒子を基材に支持させる場合は、3〜100μmの平均粒子直径が好ましく、基材からの脱落を防ぐために3〜50μmがより好ましい。特に基材が紙である場合、3〜20μm程度の平均粒子直径が紙の表面に粒子に起因する凹凸が現れず好ましい。
基材としては、特には限定されないが、サルファイトパルプ、クラフトパルプ、ソーダパルプ、セミケミカルパルプ、メカニカルパルプ等の公知の製紙用パルプから作成した紙、又は、レーヨン、アセテート、アクリル、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリアミド、コットン及びこれらを混綿したものの織布又は不織布等を用いてもよい。
シリカ粒子の基材への支持方法としては、基材が紙である場合、シリカ粒子をスラリー状態にして紙の原料と混合し、公知の湿式抄紙機により製紙することで支持させる方法が挙げられる。また、スラリー状態にせずにシリカ粒子を直接紙の原料と混合し、これを水に再分散させて製紙することもできる。
基材が繊維である場合は、例えば、水や溶剤等でスラリー状にしたシリカ粒子を繊維に浸透させ、そのままの状態、又は、乾燥し、繊維表面又は内部に添着して支持させることができる。
上記湿式抄紙機は、例えば、丸網式抄紙機、短網式抄紙機、長網式抄紙機、ツインワイヤー式抄紙機等の商業規模の抄紙機を目的に応じて用いることができる。
また、サイズ剤、スライムコントロール剤、染料、着色顔料、蛍光染料、乾燥紙力増強剤、湿潤紙力増強剤、濾水性向上剤、でんぷん、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド及び歩留まり向上剤等を必要に応じ原料に添加できる。
化粧料に使用する場合、平均粒子直径としては3〜50μm程度が、使用感や、シート状にしたときの基材からの脱落を防止する観点から好ましい。50μmを超えると、使用感が悪化する場合がある。特に好ましくは、より感触が滑らかになる3〜20μm程度である。
具体的な化粧料としては、おしろい、ファンデーション等の固形状化粧料、ベビーパウダー、ボディーパウダー等のパウダー状化粧料、化粧水、乳液、クリーム、ボディーローション等の液状化粧料、身体の清拭用シートや油取り紙等のシート状化粧料等が挙げられる。
これらの化粧料への配合割合は、化粧料の種類によっても異なるが、おしろい、ファンデーション等の固形状化粧料の場合は1〜20重量%が好ましく、3〜15重量%が特に好ましい。また、ベビーパウダー、ボディーパウダー等のパウダー状化粧料の場合は、1〜20重量%が好ましく、特に好ましくは3〜15重量%である。さらに、化粧水、乳液、クリームやリキッドファンデーション、ボディーローション、プレシェーブローション等の液状化粧料の場合は、1〜15重量%が好ましく、更に好ましくは3〜10重量%である。また更に、シート状化粧料の場合は、1〜20重量%が好ましく、更に好ましくは1〜15重量%である。
本発明の化粧料には、シリカ粒子に加えて、必要な他の成分を使用することができる。例えば、肌とのすべり性向上のため、有機微粒子や球状シリカ等と混合して用いることができる。また、光学的な機能の向上や触感の向上のため、マイカ、タルク等の無機化合物、酸化鉄、酸化チタン、群青、紺青、カーボンブラック等の着色用顔料、又はアゾ系等の合成染料等を添加することができる。
液状化粧料の場合、液状の媒体として、特には限定されないが、水、アルコール、炭化水素、シリコーンオイル、植物性又は動物性油脂等を用いることもできる。
シート状化粧料の場合、基材としては、天然繊維又は合成繊維の織布又は不織布のいずれも用いることができる。具体的には、レーヨン、アセテート、アクリル、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリアミド、コットン及びこれらを混綿したものの織布又は不織布、更に乾式及び湿式パルプシート、熱可塑性樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等)で強化したパルプシート等が挙げられる。熱可塑性樹脂で強化したパルプシートについてはエンボス加工等を行うことができ、また、数枚のシートを重ねて使用することで拭きごたえのあるシートにすることができる。
また、これら化粧料には、上記他の成分以外に、保湿剤、抗炎症剤、美白剤、UVケア剤、殺菌剤、制汗剤、清涼剤、香料等を添加することにより、各種機能を追加することもできる。
本発明の化粧料は、高い吸油量を有するシリカ粒子を使用することで、余分な皮脂を吸収除去し、化粧崩れを抑制することができるものである。特に500ml/100gを超える吸油量を有することで、高い皮脂吸着能力を発揮でき、化粧料配合時に皮脂コントロール性に幅を持たせることができる。
本発明のシリカ被覆重合体粒子及びシリカ粒子の平均粒子直径と、シリカ粒子の吸油量、開口率及びh/Dは以下の方法で測定した。
(平均粒子直径の測定方法)
平均粒子直径の測定方法は、マルチイメージアナライザー(ベックマン・コールター株式会社製)を用いて行った。マルチイメージアナライザーは、粒子がアパチャーを通過する時、アパチャーチューブ後方のストロボにより光線を照射し、アパチャーを通過する個々の粒子の投影画像をCCDカメラにより撮影するものであり、平均粒子直径を数平均値として算出する装置である。なお、平均粒子直径の値は、粒子1000〜1500個の測定値の数平均値である。
測定方法を以下に示す。
・装置準備
100μmのアパチャーを装置にセットし、CCDカメラにアパチャーの細孔部の全体像が映るように位置を調節した。ピントの調節は、まずアパチャーの細孔部にピントを合わせ、ピント調節用つまみを4目盛り戻した位置とした。
・試料調製
試料0.01gを10mlのノニオン系界面活性剤0.1%水溶液に分散させた。
・測定
装置備え付けのビーカーにISOTON II(ベックマンコールター株式会社製)を満たし、これに調整した試料分散溶液を1〜3滴ピペットで滴下した。ビーカー中は試料が沈降しないように緩く攪拌し、測定はマルチイメージアナライザー取扱説明書(ベックマンコールター株式会社)に従い、アパチャーを通過する粒子をレンズ倍率40倍のCCDカメラで1000〜1500個撮影し、撮影した粒子画像それぞれを、画素校正値0.219μmとして平均粒子直径を測定した。
(吸油量の測定)
JIS K 5101の方法で吸油量の測定を行った。詳しくは以下の通りである。
・装置及び器具
測定板 300×400×5mmより大きい平滑なガラス板。
ヘラ 鋼製又はステンレス鋼製の刃を持った柄つきのもの。
計量器 10mgオーダーまで計れるもの。
ビュレット JIS R 3505に規定するもので、10mlまでのもの。
・材料
アマニ油(JIS K 5421に規定するもの;今回は特級アマニ油(和光純薬)を用いた。)
・測定方法
(1)以下の操作を行う前に、予備試験により予め吸油量の概略値を確認しておく。(2)試料1gを測定板上の中央部に取り、アマニ油をビュレットから1回に4,5滴ずつ、徐々に試料の中央に滴下し、その都度全体をヘラで充分練り合わせる。(3)滴下及び練り合わせを繰り返し、全体が固いパテ状の塊になったら1滴ごとに練り合わせて、最後の1滴で、ヘラを用いてらせん状に巻くことのできる状態になったときを終点とする。ただし、らせん状に巻くことのできない場合は、アマニ油の1滴で急激に軟らかくなる直前を終点とする。(4)終点までの操作時間が7〜15分間になるように(1)及び(2)の操作を調節する。(5)終点に達した時の、ビュレットのアマニ油の滴下量を読み取る。
・計算方法
吸油量は次の式により算出する。
O=(V/m)×100
O:吸油量(ml/100g)
m:試料の質量(g)
V:滴下したアマニ油の容量(ml)
(開口率の測定方法)
シリカ粒子を、走査型電子顕微鏡(日本電子社製:GMS−820−A)で写真を撮影した。撮影した写真の中から、シリカ粒子の開口部分が上にある任意の50個を選出し、画像解析装置(オムロン社製:Image−Ana LITE)のトレース計測を用いて、手動でそれぞれのシリカ粒子の輪郭及び開口部分の輪郭を指定し、図8に例示するように、シリカ粒子の投影面積(S2)及び開口部分の面積(S1)を計測した。
計測したそれぞれの面積から、以下の式により個々のシリカ粒子の開口率を求め、その平均値を実施例に示した。
開口率=シリカ粒子の開口部分の面積(S1)÷シリカ粒子の投影面積(S2)
(h/Dの測定)
また、図1に示すように、上記シリカ粒子の直径をDとし、シリカ粒子の高さをhとしたときの、h/Dの値を、次の方法によって測定し、その値を実施例に示した。
開口率の測定方法と同様にして、シリカ粒子の走査型電子顕微鏡写真を撮影し、撮影した写真の中からシリカ粒子の開口部分の面が撮影面に対して垂直な粒子を任意に50個選出した。上記画像解析装置で個々の粒子のD及びhの値を計測し、h/Dを算出した。本明細書でのh/Dは、50個のh/Dの平均値を意味する。
実施例1
水200gに対し、懸濁安定剤として複分解法によるピロリン酸マグネシウム5gを混合させた分散媒を、500mlセパラブルフラスコに入れ、界面活性剤としてラウリル硫酸ナトリウム0.04g、重合禁止剤として亜硝酸ナトリウム0.02gを分散媒に溶解させた。
別途、単官能性の重合性ビニル系モノマーとしてメタクリル酸メチル70g、ポリアルコキシシロキサンオリゴマーとしてMKCシリケートMS57(三菱化学社製:平均分子量1300〜1500、上記構造式中Rはメチル、nの平均は15〜18)30g、重合開始剤として2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.25gを均一に溶解してなるモノマー組成物を調製した。
このモノマー組成物を上記分散媒に加えて、ホモミキサー(IKA社製 商品名:ULTRA TURRAX T−25)にて8000rpmで約10秒間攪拌して、モノマー組成物を微分散した。セパラブルフラスコに撹拌翼、温度計及び還流冷却器を取り付け、窒素置換後、60℃の恒温水槽(ウォーターバス)中に設置した。セパラブルフラスコ内を撹拌速度200rpmで攪拌を継続させ、セパラブルフラスコ内のモノマー組成物を加えた分散媒の温度が60℃になってから10時間懸濁重合を行うことで重合性ビニル系モノマーを重合させ、水酸化ナトリウム2gを添加して、ポリアルコキシシロキサンオリゴマーの縮合を行った。
次いで、セパラブルフラスコを恒温水槽より取り出し、セパラブルフラスコ内を攪拌しながらセパラブルフラスコ内の反応液を室温まで冷却し、スラリーのpHが2程度になるまで塩酸を添加して懸濁安定剤を分解し、重合体粒子の表面の一部が露出するシリカ被覆重合体粒子を得た。得られた粒子を、濾紙を用いたブフナー漏斗で吸引濾過し、1.2Lのイオン交換水で洗浄し懸濁安定剤を除去し、乾燥させることで目的の粒子を取り出した。得られたシリカ被覆重合体粒子の平均粒子直径は5.8μmである。
次に、上記シリカ被覆重合体粒子を、500℃の電気炉で焼成してシリカ粒子(平均粒子直径5.6μm)を得た。得られたシリカ粒子の形状を電子顕微鏡写真で観察した。電子顕微鏡写真を図2に示す。吸油量、開口率及びh/Dを表1に示す。
実施例2
メタクリル酸メチルを30g、MKCシリケートMS57を70g、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を0.15gに変更したこと以外は、実施例1と同様の方法で重合体粒子の表面の一部が露出するシリカ被覆重合体粒子を得た。得られたシリカ被覆重合体粒子の平均粒子直径は116.3μmである。
次に、上記シリカ被覆重合体粒子を実施例1と同様にして焼成して、シリカ粒子(平均粒子直径112.7μm)を得た。得られたシリカ粒子の形状を電子顕微鏡写真で観察した。電子顕微鏡写真を図3に示す。吸油量、開口率及びh/Dを表1に示す。
実施例3
ポリアルコキシシロキサンオリゴマーとしてMKCシリケートMS51(三菱化学社製:平均分子量500〜700、上記構造式中Rはメチル、nの平均は5〜10)を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で重合体粒子の表面の一部が露出するシリカ被覆重合体粒子を得た。得られたシリカ被覆重合体粒子の平均粒子直径は6.4μm、重合性ビニル系モノマー由来の重合体部分のTgは105℃である。
次に、上記シリカ被覆重合体粒子を実施例1と同様にして焼成して、シリカ粒子(平均粒子直径6.1μm)を得た。得られたシリカ粒子の形状を電子顕微鏡写真で観察した。電子顕微鏡写真を図4に示す。吸油量、開口率及びh/Dを表1に示す。
実施例4
ポリアルコキシシロキサンオリゴマーとしてMKCシリケートMS58B15(三菱化学社製:平均分子量1600〜1800、上記構造式中Rはブチル、nの平均は11〜13)を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で重合体粒子の表面の一部が露出するシリカ被覆重合体粒子を得た。得られたシリカ被覆重合体粒子の平均粒子直径は17.1μmである。
次に、上記シリカ被覆重合体粒子を実施例1と同様にして焼成して、シリカ粒子(平均粒子直径16.5μm)を得た。得られたシリカ粒子の形状を電子顕微鏡写真で観察した。電子顕微鏡写真を図5に示す。吸油量、開口率及びh/Dを表1に示す。
実施例5
重合性ビニル系モノマーとしてスチレンを用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で重合体粒子の表面の一部が露出するシリカ被覆重合体粒子を得た。得られたシリカ被覆重合体粒子の平均粒子直径は12.5μmである。
次に、上記シリカ被覆重合体粒子を実施例1と同様にして焼成して、シリカ粒子(平均粒子直径12.3μm)を得た。得られたシリカ粒子の形状を電子顕微鏡写真で観察した。電子顕微鏡写真を図6に示す。吸油量、開口率及びh/Dを表1に示す。
実施例6
重合性ビニル系モノマーとしてアクリル酸n−ブチルを用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で重合体粒子の表面の一部が露出するシリカ被覆重合体粒子を得た。得られたシリカ被覆重合体粒子の平均粒子直径は19.5μmである。
次に、上記シリカ被覆重合体粒子を実施例1と同様にして焼成して、シリカ粒子(平均粒子直径18.8μm)を得た。得られたシリカ粒子の形状を電子顕微鏡写真で観察した。吸油量、開口率及びh/Dを表1に示す。
比較例1
ポリアルコキシシロキサンオリゴマーの代わりに、テトラメトキシシラン(信越化学社製KBM04)を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法でシリカ被覆重合体粒子を得たが、得られた粒子は、強く凝集した不定形な形状で、500μmより大きな塊であった。この塊を粉砕すると、1μm以下の不定形シリカ粒子となり、取り扱いが困難であるため吸油量測定は行わなかった。
比較例2
ポリアルコキシシロキサンオリゴマーの代わりに、重合性ビニル系モノマーと重合性を有するγ−メタクロキシプロピルトリメトキシシラン(東レダウコーニングシリコーン社製SZ−6030)を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で粒子を得たが、得られた粒子は、重合体ビニル系モノマー由来の樹脂部が粒子中に分散していた。
次に、上記粒子を実施例1と同様にして焼成して、多孔質のシリカ粒子(平均粒子直径6.7μm)を得た。得られたシリカ粒子の形状を電子顕微鏡写真で観察した。電子顕微鏡写真を図7に示す。吸油量を表1に示す。開口率及びh/Dは、シリカ粒子が多孔質形状であるため測定不能であった。
Figure 0004677196
上記実施例及び比較例から以下のことがわかる。
実施例1〜6と比較例1から、ポリアルコキシシロキサンオリゴマーの代わりに単量体であるシランを使用すると、粒子が凝集してしまい、特異な形状のシリカ粒子を得ることができないことがわかる。
実施例1〜6と比較例2から、ポリアルコキシシロキサンオリゴマーの代わりに重合性モノマーと重合性を有するシランを使用すると、重合性モノマーとシランとが重合することにより混合し、特異な形状のシリカ粒子を得ることができないことがわかる。また、開口率が0.1〜1の範囲内であることで、吸油量も多くできることがわかる。
本発明のシリカ粒子の概略断面図である。 実施例1のシリカ粒子の電子顕微鏡写真である。 実施例2のシリカ粒子の電子顕微鏡写真である。 実施例3のシリカ粒子の電子顕微鏡写真である。 実施例4のシリカ粒子の電子顕微鏡写真である。 実施例5のシリカ粒子の電子顕微鏡写真である。 比較例2のシリカ粒子の電子顕微鏡写真である。 本発明における開口率の測定法を説明するための概念図である。
符号の説明
D シリカ粒子の直径
h シリカ粒子の高さ
S1 シリカ粒子の開口部分面積
S2 シリカ粒子の投影面積

Claims (4)

  1. 重合性ビニル系モノマー100重量部と、重合性ビニル系モノマーに対し不活性なポリアルコキシシロキサンオリゴマー10〜500重量部と、重合開始剤0.01〜10重量部とを均一に混合してモノマー組成物を得、該モノマー組成物中の前記重合性ビニル系モノマーを、懸濁安定剤の存在下で、水系懸濁重合させることで重合体粒子を得た後、前記ポリアルコキシシロキサンオリゴマーを酸又は塩基触媒の存在下で縮合させることで前記重合体粒子の表面が少なくとも一部露出するようにシリカ被膜を形成したシリカ被覆重合体粒子を得、該シリカ被覆重合体粒子を焼成することで重合体粒子を除去してシリカ粒子を得ることを特徴とするシリカ粒子の製造方法。
  2. 前記ポリアルコキシシロキサンオリゴマーが、300〜3000の重量平均分子量を有する請求項に記載のシリカ粒子の製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載の製造方法により得られたシリカ粒子であって、0.1〜1の開口率かつ、シリカ粒子の高さhと直径Dとが、0.5≦h/D<1の関係を有する少なくとも一部が開口した中空構造である球状又は略球状のシリカ粒子。
  4. 請求項1又は2に記載の製造方法により得られたシリカ粒子であって、JIS K 5101で測定した吸油量が500ml/100gを超えて、700ml/100g以下である、少なくとも一部が開口した中空構造を有する球状又は略球状のシリカ粒子。
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