JP4677196B2 - シリカ粒子、その製造方法及びその用途 - Google Patents
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紙でのインク浸透抑制効果や化粧料での皮脂による化粧崩れ等を改善するために、多量のインク、油剤等を吸着できる吸着材、及び多量の皮脂を吸着でき、皮脂のコントロールに幅を持たせることのできる化粧料を与えうるシリカ粒子を提供することが望まれていた。
まず、本発明に使用できる重合性ビニル系モノマーは、重合後、焼成により除去できさえすれば、特には限定されない。例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、n−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチレン等のスチレン及びその誘導体、
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニル、α−クロルアクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸フェニル、アクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、アクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル等のα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類、
カラム:「TSK GEL」(東ソー社製)
G−1000H、
G−2000H
G−4000H
流出液:テトラハイドロフラン
流出速度:1ml/分
流出温度:40℃
モノマー組成物の分散方法として、例えば、水性媒体中にモノマー組成物を直接添加し、プロペラ翼等の攪拌力によりモノマー滴として水性媒体に分散させる方法、ローターとステーターから構成される高せん断力を利用する分散機であるホモミキサー、もしくは超音波分散機等を用いて分散させる方法等が挙げられる。この内、マイクロフルイダイザー、ナノマイザー等のモノマー液滴同士の衝突や機壁への衝突力を利用した高圧型分散機やMPG(マイクロポーラスガラス)多孔膜を通してモノマー組成物を水性媒体中に圧入させる等の方法によって分散させれば、粒子径をより均一にそろえられて好ましい。
吸着材に使用する場合、平均粒子直径3〜500μmのシリカ粒子を使用することが好ましい。なお、本明細書において吸着材とは、紙の表面処理に用いるインク浸透抑制材、石油や油剤を吸着するための吸着粉体や吸着マット、油脂成分を吸着清掃するための清掃用物品等、油脂や石油、溶剤、インク、水等のあらゆる液状の物品を吸着するために用いられるものであり、粉体単独又は、基材に吸収又は分散して用いてもよい。
平均粒子直径の測定方法は、マルチイメージアナライザー(ベックマン・コールター株式会社製)を用いて行った。マルチイメージアナライザーは、粒子がアパチャーを通過する時、アパチャーチューブ後方のストロボにより光線を照射し、アパチャーを通過する個々の粒子の投影画像をCCDカメラにより撮影するものであり、平均粒子直径を数平均値として算出する装置である。なお、平均粒子直径の値は、粒子1000〜1500個の測定値の数平均値である。
測定方法を以下に示す。
100μmのアパチャーを装置にセットし、CCDカメラにアパチャーの細孔部の全体像が映るように位置を調節した。ピントの調節は、まずアパチャーの細孔部にピントを合わせ、ピント調節用つまみを4目盛り戻した位置とした。
・試料調製
試料0.01gを10mlのノニオン系界面活性剤0.1%水溶液に分散させた。
装置備え付けのビーカーにISOTON II(ベックマンコールター株式会社製)を満たし、これに調整した試料分散溶液を1〜3滴ピペットで滴下した。ビーカー中は試料が沈降しないように緩く攪拌し、測定はマルチイメージアナライザー取扱説明書(ベックマンコールター株式会社)に従い、アパチャーを通過する粒子をレンズ倍率40倍のCCDカメラで1000〜1500個撮影し、撮影した粒子画像それぞれを、画素校正値0.219μmとして平均粒子直径を測定した。
JIS K 5101の方法で吸油量の測定を行った。詳しくは以下の通りである。
・装置及び器具
測定板 300×400×5mmより大きい平滑なガラス板。
ヘラ 鋼製又はステンレス鋼製の刃を持った柄つきのもの。
計量器 10mgオーダーまで計れるもの。
ビュレット JIS R 3505に規定するもので、10mlまでのもの。
アマニ油(JIS K 5421に規定するもの;今回は特級アマニ油(和光純薬)を用いた。)
・測定方法
(1)以下の操作を行う前に、予備試験により予め吸油量の概略値を確認しておく。(2)試料1gを測定板上の中央部に取り、アマニ油をビュレットから1回に4,5滴ずつ、徐々に試料の中央に滴下し、その都度全体をヘラで充分練り合わせる。(3)滴下及び練り合わせを繰り返し、全体が固いパテ状の塊になったら1滴ごとに練り合わせて、最後の1滴で、ヘラを用いてらせん状に巻くことのできる状態になったときを終点とする。ただし、らせん状に巻くことのできない場合は、アマニ油の1滴で急激に軟らかくなる直前を終点とする。(4)終点までの操作時間が7〜15分間になるように(1)及び(2)の操作を調節する。(5)終点に達した時の、ビュレットのアマニ油の滴下量を読み取る。
吸油量は次の式により算出する。
O=(V/m)×100
O:吸油量(ml/100g)
m:試料の質量(g)
V:滴下したアマニ油の容量(ml)
シリカ粒子を、走査型電子顕微鏡(日本電子社製:GMS−820−A)で写真を撮影した。撮影した写真の中から、シリカ粒子の開口部分が上にある任意の50個を選出し、画像解析装置(オムロン社製:Image−Ana LITE)のトレース計測を用いて、手動でそれぞれのシリカ粒子の輪郭及び開口部分の輪郭を指定し、図8に例示するように、シリカ粒子の投影面積(S2)及び開口部分の面積(S1)を計測した。
開口率=シリカ粒子の開口部分の面積(S1)÷シリカ粒子の投影面積(S2)
また、図1に示すように、上記シリカ粒子の直径をDとし、シリカ粒子の高さをhとしたときの、h/Dの値を、次の方法によって測定し、その値を実施例に示した。
水200gに対し、懸濁安定剤として複分解法によるピロリン酸マグネシウム5gを混合させた分散媒を、500mlセパラブルフラスコに入れ、界面活性剤としてラウリル硫酸ナトリウム0.04g、重合禁止剤として亜硝酸ナトリウム0.02gを分散媒に溶解させた。
メタクリル酸メチルを30g、MKCシリケートMS57を70g、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を0.15gに変更したこと以外は、実施例1と同様の方法で重合体粒子の表面の一部が露出するシリカ被覆重合体粒子を得た。得られたシリカ被覆重合体粒子の平均粒子直径は116.3μmである。
ポリアルコキシシロキサンオリゴマーとしてMKCシリケートMS51(三菱化学社製:平均分子量500〜700、上記構造式中Rはメチル、nの平均は5〜10)を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で重合体粒子の表面の一部が露出するシリカ被覆重合体粒子を得た。得られたシリカ被覆重合体粒子の平均粒子直径は6.4μm、重合性ビニル系モノマー由来の重合体部分のTgは105℃である。
ポリアルコキシシロキサンオリゴマーとしてMKCシリケートMS58B15(三菱化学社製:平均分子量1600〜1800、上記構造式中Rはブチル、nの平均は11〜13)を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で重合体粒子の表面の一部が露出するシリカ被覆重合体粒子を得た。得られたシリカ被覆重合体粒子の平均粒子直径は17.1μmである。
重合性ビニル系モノマーとしてスチレンを用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で重合体粒子の表面の一部が露出するシリカ被覆重合体粒子を得た。得られたシリカ被覆重合体粒子の平均粒子直径は12.5μmである。
重合性ビニル系モノマーとしてアクリル酸n−ブチルを用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で重合体粒子の表面の一部が露出するシリカ被覆重合体粒子を得た。得られたシリカ被覆重合体粒子の平均粒子直径は19.5μmである。
ポリアルコキシシロキサンオリゴマーの代わりに、テトラメトキシシラン(信越化学社製KBM04)を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法でシリカ被覆重合体粒子を得たが、得られた粒子は、強く凝集した不定形な形状で、500μmより大きな塊であった。この塊を粉砕すると、1μm以下の不定形シリカ粒子となり、取り扱いが困難であるため吸油量測定は行わなかった。
ポリアルコキシシロキサンオリゴマーの代わりに、重合性ビニル系モノマーと重合性を有するγ−メタクロキシプロピルトリメトキシシラン(東レダウコーニングシリコーン社製SZ−6030)を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で粒子を得たが、得られた粒子は、重合体ビニル系モノマー由来の樹脂部が粒子中に分散していた。
実施例1〜6と比較例1から、ポリアルコキシシロキサンオリゴマーの代わりに単量体であるシランを使用すると、粒子が凝集してしまい、特異な形状のシリカ粒子を得ることができないことがわかる。
h シリカ粒子の高さ
S1 シリカ粒子の開口部分面積
S2 シリカ粒子の投影面積
Claims (4)
- 重合性ビニル系モノマー100重量部と、重合性ビニル系モノマーに対し不活性なポリアルコキシシロキサンオリゴマー10〜500重量部と、重合開始剤0.01〜10重量部とを均一に混合してモノマー組成物を得、該モノマー組成物中の前記重合性ビニル系モノマーを、懸濁安定剤の存在下で、水系懸濁重合させることで重合体粒子を得た後、前記ポリアルコキシシロキサンオリゴマーを酸又は塩基触媒の存在下で縮合させることで前記重合体粒子の表面が少なくとも一部露出するようにシリカ被膜を形成したシリカ被覆重合体粒子を得、該シリカ被覆重合体粒子を焼成することで重合体粒子を除去してシリカ粒子を得ることを特徴とするシリカ粒子の製造方法。
- 前記ポリアルコキシシロキサンオリゴマーが、300〜3000の重量平均分子量を有する請求項1に記載のシリカ粒子の製造方法。
- 請求項1又は2に記載の製造方法により得られたシリカ粒子であって、0.1〜1の開口率かつ、シリカ粒子の高さhと直径Dとが、0.5≦h/D<1の関係を有する少なくとも一部が開口した中空構造である球状又は略球状のシリカ粒子。
- 請求項1又は2に記載の製造方法により得られたシリカ粒子であって、JIS K 5101で測定した吸油量が500ml/100gを超えて、700ml/100g以下である、少なくとも一部が開口した中空構造を有する球状又は略球状のシリカ粒子。
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