JP4676097B2 - 吸着装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、吸着装置に関し、特に、絶縁性基板を静電吸着する吸着装置において、吸着力を大きくする技術を提供する。
【0002】
【従来の技術】
図8の符号101に、従来のスパッタリング装置を示す。このスパッタリング装置101は、図示しない真空排気系に接続され、真空排気可能に構成された真空槽102を有し、この真空槽102の内部天井側には例えばチタンなどの金属からなるターゲット103が配設されている。
【0003】
このターゲット103は、接地された真空槽102とは絶縁され、かつ真空槽102の外部に設けられた電源104に接続されており、電源104を起動すると、電源104から電力が供給されるように構成されている。
【0004】
一方、真空槽102の内部底面側には、吸着装置120が配置されている。
この吸着装置120は、静電チャックプレート121と冷却装置123とを有している。
【0005】
冷却装置123は、真空槽102の内部底面に固定されている。冷却装置123の表面は平坦にされ、その表面に静電チャックプレート121が配置されている。
【0006】
静電チャックプレート121の構成を図9(a)、(b)に示す。この静電チャックプレート121は、金属板124と、該金属板124上に配置された誘電体層125を有している。この誘電体層125はAl23を主成分とするセラミックス製であり、その表面に、導電性のカーボンからなる第1、第2の電極1271、1272が形成されている。
【0007】
第1、第2の電極1271、1272の平面図を同図(a)に示す。第1、第2の電極1271、1272は櫛状に成形されており、その歯の部分が互いに噛み合うように配置されている。同図(b)は同図(a)のX−X線断面図に相当する。
【0008】
第1、第2の電極1271、1272はそれぞれ真空槽102外に設けられた静電チャック電源122に接続されており、その静電チャック電源122を起動すると、第1、第2の電極1271、1272の間に直流電圧を印加することができるように構成されている。
【0009】
第1、第2の電極1271、1272と誘電体層125との上には、表面保護膜130が密着配置されており、第1、第2の電極1271、1272と誘電体層125とは表面保護膜130で被覆されている。
【0010】
上述した冷却装置123内部には、図示しない通水管が通されており、通水管に冷却水を通すと冷却装置123が冷却され、その上に載置された静電チャックプレート121を冷却することができるように構成されている。
【0011】
上述のスパッタリング装置101を用いて、絶縁性基板の表面に薄膜を成膜するには、まず、真空槽102を真空排気して予め真空状態にした状態で、真空槽102内に基板を搬入し、静電チャックプレート121上の所定の位置に載置する。静電チャックプレート121の表面に載置された状態の基板を図8の符号105に示す。
【0012】
次に、静電チャック電源122を起動し、第1、第2の電極1271、1272に対してそれぞれ正負の電圧を印加する。
【0013】
一般に、不均一な電場E中に分極率αの誘電体を置いたとき、その誘電体には、単位面積当たり次式で表されるグラディエント力が働く。
【0014】
f = 1/2・α・grad(E2)
静電チャックプレート121は、上述したように、第1、第2の電極1271、1272がともに櫛状に成形され、その歯の部分が互いに噛み合うように配置されており、互いに隣接する第1、第2の電極1271、1272の間の距離が非常に小さくなっている。その結果、誘電体からなる基板がその表面に載置されたときに、上式のgrad(E2)が大きくなっている。
【0015】
絶縁性基板105が、静電チャックプレート121の表面方向に上述したグラディエント力を受け、絶縁性基板105の裏面全面が静電チャックプレート121表面に吸着される。図10は、その状態を模式的に示した図である。図10において符号Eは電場を示している。また、符号fは絶縁性基板105に働くグラディエント力の方向を示している。
【0016】
かかるグラディエント力により、絶縁性基板105が静電チャックプレート121の表面に吸着されたら、冷却装置123を起動して、静電チャックプレート121を冷却させる。静電チャックプレート121表面には絶縁性基板105が静電吸着されているので、静電チャックプレート121が冷却されると絶縁性基板105が冷却される。
【0017】
その後真空槽102内に例えばアルゴンガス等のスパッタリングガスを一定量導入しながら、電源104を起動してターゲット103に電力を供給すると、放電が生じる。放電が生じると、ターゲット103がスパッタリングされる。スパッタリングされたターゲット材料は、絶縁性基板105の表面に付着し、絶縁性基板105表面には、ターゲット材料からなる薄膜が成長しはじめる。
【0018】
絶縁性基板105の表面に成長した薄膜が、目標とする膜厚に達したら電源104を停止させ、プラズマを消滅させ、成膜を終了させる。以上のようにして、スパッタリング装置101で絶縁性基板105の表面に薄膜を成膜することができる。
【0019】
上述した成膜方法では、絶縁性基板105の表面にターゲットの構成材料がスパッタリングされ、その構成材料が基板表面に入射して基板に熱が加えられるため、冷却装置123で静電チャックプレート121を冷却して、絶縁性基板105を冷却しなければ、絶縁性基板105の温度が過度に上昇してしまう。特に、絶縁性基板が樹脂フィルムなどで構成された場合は、基板の温度が過度に上昇すると、熱変形等が生じるため、基板の温度が上昇しすぎないようにする必要がある。
【0020】
しかしながら、上述したグラディエント力は小さく、吸着力が弱いため、基板105と静電チャックプレート121とが充分に密着しない。このため静電チャックプレート121と絶縁性基板105との熱伝導率は低く、静電チャックプレート121が成膜に最適な温度になっていても、絶縁性基板105の温度が最適な温度よりも過度に上昇してしまい、正確な温度制御ができなくなってしまうという問題があった。このため、さらに吸着力を大きくしたいという要求があった。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記従来技術の要求に応じるために創作されたものであり、その目的は、静電チャックプレート表面に絶縁性基板を静電吸着させる際に、吸着力を大きくする技術を提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】
本発明の発明者等は、絶縁性基板をグラディエント力で吸着する際の吸着力をさらに大きくすべく調査研究を重ねた。
本発明の発明者等は、細長矩形板状の電極が平行に配置された静電チャックプレートを複数用意し、ガラス基板を吸着する際に、複数の測定位置において吸着力を測定した。その結果を図5のグラフに示す。図5の横軸は、電極の幅方向において、電極の中心位置からの測定位置までの距離を示しており、縦軸は、各測定位置における吸着力を示している。
【0023】
図5の曲線(A)は、上述した構造の静電チャックプレート121において、第1、第2の電極1271、1272の幅をともに4mmとし、互いに隣接する第1、第2の電極1271、1272の間隔を1mmとし、表面保護膜130の厚みを400μmとしたものについての測定結果を示している。また、曲線(B)は、曲線(A)に示した測定に用いた静電チャックプレートにおいて、第1、第2の電極1271、1272の幅のみを2mmに変えたものについての測定結果を示している。また、曲線(C)は、曲線(B)に示した測定に用いた静電チャックプレートにおいて、表面保護膜130の厚みのみを100μmに変えたものについての測定結果を示している。更に、曲線(D)は、曲線(B)に示した測定に用いた静電チャックプレートにおいて、表面保護膜130の厚みのみを50μmに変えたものについての測定結果を示している。
【0024】
曲線(A)の静電チャックプレートは、第1、第2の電極1271、1272の幅が4mmであり、第1、第2の電極1271、1272の端部が±2mmの位置になる。曲線(A)に示したように、端部が位置する±2mmの位置では、吸着力は他の位置に比して大きくなっている。他方、曲線(B)、(C)、(D)の第1、第2の電極1271、1272の端部は±1mmの位置であるが、曲線(B)、(C)、(D)のいずれにおいても、電極の端部が位置する±1mm前後の位置で吸着力が大きくなっている。
【0025】
このように、いずれの静電チャックプレートにおいても、それぞれの第1、第2の電極の端部の位置付近で吸着力が大きくなっていることが確認できた。
【0026】
本発明の発明者等は、この原因について、電極の端部は尖っており、この尖った箇所で電界集中が生じてグラディエント力が大きくなり、吸着力が大きくなっているものと推測した。
【0027】
本発明は、かかる調査研究に鑑みてなされたものであり、請求項1記載の発明は、誘電体からなる支持体と、前記支持体に配置された第1、第2の電極とを有するチャック本体を備え、該チャック本体上に絶縁性の基板を載置した状態で、前記第1、第2の電極間に電圧を印加すると、不均一な電場E中に分極率αの誘電体を置いたときに、その誘電体に働く、単位面積当たり次式で表されるグラディエント力f、
f = 1/2・α・grad(E 2 )
吸着力が生じ、該吸着力で前記基板が前記チャック本体に吸着されるように構成された吸着装置であって、前記第1、第2の電極は、前記チャック本体上に載置された基板側に向かって尖った上端部を有する吸着力発生部を複数有し、前記吸着装置は、前記基板を前記チャック本体上に載置した場合に、表面が前記基板に接するように構成された保護膜を有し、各前記上端部と前記保護膜の表面はそれぞれ等距離にされ、前記第1、第2の電極間に電圧を印加すると、尖った前記上端部で電界集中が生じるように構成された吸着装置である。
【0028】
このように構成すると、吸着力発生部は、チャック本体上に基板を載置した状態で基板に向かって凸部を有し、尖っている。このように、電極に尖った箇所を意図的に多数形成することで、第1、第2の電極間に電圧を印加したときに、電界集中が生じ、吸着力が大きくなる箇所が従来に比して増えるので、吸着力がさらに大きくなる。
【0029】
また、このように構成することにより、第1、第2の電極は基板と直接接触しないので、第1、第2の電極が基板と擦れることで磨耗してしまうことがない。
【0030】
また、請求項記載の発明のように、請求項1記載の吸着装置であって、三角柱形状で底面が立設され、側面の一辺が前記保護膜の表面に向けられた前記吸着力発生部を有するようにしてもよい。
【0031】
また、請求項記載の発明のように、請求項1記載の吸着装置であって、円錐体又は角錐体の錐体形状で、尖った前記上端部は、前記保護膜の表面に向けられた前記吸着力発生部を有するようにしてもよい。
このように構成すると、円錘体又は角錐体の頂点は基板に向かって凸部を有し尖っており、尖った部分で電界集中が生じ、吸着力が大きくなる。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下で図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。
【0033】
図1の符号1に、本発明の一実施形態のスパッタリング装置を示す。このスパッタリング装置1は、図示しない真空排気系に接続され、内部が真空排気可能に構成された真空槽2を有している。真空槽2の内部天井側には、金属からなるターゲット3が配設されている。ここでは、ターゲット3はチタンで構成されているものとする。このターゲット3は、接地された真空槽2と絶縁され、真空槽2の外部に設けられた電源4に接続されており、電源4を起動すると直流電圧が印加されて電力が供給されるように構成されている。
【0034】
他方、真空槽2の内部底面側には、吸着装置20が配置されている。
この吸着装置20は、静電チャックプレート21と冷却装置23とを有している。
冷却装置23は、真空槽2の内部底面に固定されている。冷却装置23の表面は平坦にされ、その表面に静電チャックプレート21が配置されている。
【0035】
静電チャックプレート21の構成を図2(a)、(b)に示す。この静電チャックプレート21は、金属板24と、Al23を主成分とするセラミックス製の誘電体層25とを有している。金属板24と誘電体層25とはともに薄板状に形成され、表面が平坦にされており、誘電体層25は平坦な金属板24の表面に配置されている。平坦な誘電体層25の表面には、アルミニウム等の金属からなる第1、第2の電極171、172が形成されている。
【0036】
第1、第2の電極171、172は、ともに真空槽2とは絶縁され、かつ真空槽2の外部に設けられた静電チャック電源22に接続されている。真空槽2は接地され、静電チャック電源22を駆動すると、第1、第2の電極171、172にそれぞれ正電圧と負電圧とが印加されるようになっている。
【0037】
第1、第2の電極171、172は、それぞれが細長矩形板状の根本部分181、182を一つずつ有し、細長矩形板状の櫛の歯部分271、272を複数本ずつ有している。
【0038】
第1の電極171の複数の櫛の歯部分271は、それぞれが間隔をおいて互いに平行に誘電体層25表面に配置され、その一端が、各櫛の歯部分271と垂直に配置された根本部分181に接続されており、結果として第1の電極171は櫛状に形成されている。これと同様に、第2の電極172についても、互いに平行に配置された複数の櫛の歯部分272の一端がともに根本部分182に接続されることで櫛状に形成されている。このように、ともに櫛状に形成された第1、第2の電極171、172は、それぞれの櫛の歯部分271、272が互いに噛み合うように誘電体層25の表面に配置されている。
【0039】
各櫛の歯部分271、272は、薄板状の電極本体部511、512と、後述する吸着力発生部521、522を有している。
各電極本体部511、512上には、各櫛の歯部分271、272の一本につき複数個の吸着力発生部521、522がそれぞれ設けられている。ここでは、上述した電極本体部511、512の櫛の歯の部分の一本について、それぞれ8本の吸着力発生部521、522が配置されている。
【0040】
各吸着力発生部521、522は、細長の三角柱体をなしており、その底面は二等辺三角形にされている。
各電極本体部511、512の表面は平坦であって、その平坦な表面に、三角柱体の底面の二等辺三角形の底辺が、電極本体部511、512上に位置するように、各吸着力発生部521、522が配置されており、その二等辺三角形の頂点は、電極本体部511、512と反対側を向く。各吸着力発生部521、522は、各櫛の歯部分271、272上の長手方向に、互いに平行になるように延設されている。
【0041】
その状態の一組の第1、第2の電極171、172の状態を図3の斜視図に示す。図中、符号531、532は、三角柱体の底面の二等辺三角形の頂点をそれぞれ示す。かかる構造の第1、第2の電極171、172は、誘電体層25とともに本発明のチャック本体の一例を構成している。
図2に示すように各吸着力発生部521、522の上端部は、全て同一平面内にある。各吸着力発生部521、522の上端部が張る面を図2の符号95に示す。
【0042】
第1、第2の電極171、172と、誘電体層25上には、第1、第2の電極171、172と誘電体層25の表面とを被覆するように絶縁性の保護膜30が配置されている。
【0043】
この保護膜30は、表面が平坦であって、かつその表面は吸着力発生部521、522の上端部が張る面95と平行になっており、各吸着力発生部521、522の上端部と、保護膜30の表面との距離は、全て等距離になっている。また、各吸着力発生部521、522の上端部は、保護膜30の表面に向かって尖っている。
【0044】
上述した冷却装置23内部には、図示しない通水管が通されており、通水管に冷却水を通すと冷却装置23が冷却され、その上に載置された静電チャックプレート21を冷却することができるように構成されている。
【0045】
上述した構成のスパッタリング装置1を用いて、絶縁性基板の表面に薄膜を成膜する方法について以下で説明する。ここでは絶縁性基板としてガラス基板を用いている。
【0046】
予め真空槽2内部を真空排気しておき、真空槽2内部の真空状態を維持しながら真空槽2内に絶縁性基板を搬入し、静電チャックプレート21上の所定の位置に載置する。静電チャックプレート21の表面に載置された状態の絶縁性基板を図1の符号5に示す。
【0047】
次に、静電チャック電源22を起動して第1、第2の電極171、172の間に直流電圧を印加すると、第1、第2の電極171、172にそれぞれ正電圧と負電圧とが印加される。
【0048】
すると、第1、第2の電極171、172の間に電界が発生し、絶縁性基板5は、静電チャックプレート21の表面方向に、上述した電界の勾配によるグラディエント力を受け、そのグラディエント力により絶縁性基板5の裏面全面が静電チャックプレート21表面に吸着される。
【0049】
上述したように第1、第2の電極171、172の吸着力発生部521、522の上端部は、保護膜30の表面に向かって尖っており、その表面には絶縁性基板5が載置されているので、各吸着力発生部521、522の上端部は、絶縁性基板5に向かって凸部になって尖っている。
【0050】
このため、第1、第2の電極171、172間に電圧が印加されて電界が生じると、各吸着力発生部521、522の尖った上端部では電界集中が生じ、電界の勾配に比例する力であるグラディエント力が従来に比して大きくなるので、吸着力が大きくなる。
【0051】
かかるグラディエント力により、絶縁性基板5が静電チャックプレート21の表面に吸着されたら、冷却装置23を起動して、静電チャックプレート21を冷却させる。静電チャックプレート21表面には絶縁性基板5が静電吸着されているので、静電チャックプレート21が冷却されると絶縁性基板5が冷却される。
【0052】
その後真空槽2内に例えばアルゴンガス等のスパッタリングガスを一定量導入しながら、電源4を起動してターゲット3に電力を供給する。こうして電力をターゲット3に供給すると、放電が生じる。放電が生じると、ターゲット3がスパッタリングされる。スパッタリングされたターゲット3の構成材料であるチタンは、絶縁性基板5の表面に付着し、絶縁性基板5表面にチタンからなる導電性薄膜が成長しはじめる。
【0053】
こうして導電性薄膜の成長を続け、絶縁性基板5の表面に目標とする厚さの導電性薄膜が形成されたら電源4を停止させてプラズマを消滅させ、成長を終了させる。以上の工程を経て、スパッタリング装置1で絶縁性基板5の表面に、チタンからなる導電性薄膜が成膜される。
【0054】
以上説明したように、本実施形態では、三角柱体で、絶縁性基板5が載置された状態で上端部が絶縁性基板5へ向けて尖っている吸着力発生部521、522を複数有しており、この尖った上端部の位置における吸着力が大きくなる。
【0055】
このため、静電チャックプレート21と絶縁性基板5とが強く密着し、これらの間の熱伝導率が高くなるので、静電チャックプレート21を成膜に最適な温度にすることで、絶縁性基板5の温度が過度に高くならずに最適な温度になるように制御することができる。
【0056】
なお、以上説明した実施形態では、三角柱状の吸着力発生部521、522を、櫛の歯部分271、272の一本につき複数設けたが、本発明はこれに限られるものではなく、図4に示すように、各櫛の歯部分の電極本体部511、512上に、三角柱状に形成された吸着力発生部551、552をそれぞれ1本ずつ配置して、櫛の歯部分361、362を構成するようにしてもよい。
【0057】
このように構成した場合には、図2、図3で説明した静電チャックプレート21に比して、基板に向かって尖った吸着力発生部551、552の数が少なくなるため、吸着力は小さくなるが、三角柱を1個だけ形成すればよいので、微細パターンで複数の三角柱体を形成するため製造が難しい図2の吸着装置に比して製造が容易になる。
さらに、図6の符号82に示すように、吸着力発生部を円錐形状としてもよい。
【0058】
図6(a)の符号371、372は、それぞれが第1、第2の電極の櫛の歯部分を示している。図6(a)は各櫛の歯部分371、372の平面の配置状態を説明する図であり、同図(b)は、同図(a)のB−B線断面図である。図中符号561、562はそれぞれ吸着力発生部を示している。これらの吸着力発生部561、562は、円錘形状に形成され、それぞれの底面が各電極本体部511、512上に位置した状態で、各電極本体部511、512上に複数個配置されている。円錐状の各吸着力発生部561、562の頂点は、電極本体部511、512と反対側に位置し、全ての頂点が同一平面上にある。その頂点を図6(a)の符号56aに示す。各吸着力発生部561、562の頂点が張る面を図中の符号96に示す。各吸着力発生部561、562の頂点が張る面96は、図2の吸着装置と同様に、保護膜30の表面と平行になっており、各吸着力発生部561、562の頂点は、保護膜30の表面に向かって凸部となり、尖っている。
【0059】
従って、絶縁性基板5が保護膜30の表面に載置されると、各吸着力発生部561、562の頂点は、載置された基板5の方向に尖っており、電圧を第1、第2の電極171、172に印加すると、基板に向かって尖った頂点で電界集中が生じるので、従来に比して吸着力が大きくなる。
【0060】
さらに、図7に示すように、吸着力発生部を角錐形状としてもよい。
図7(a)は、第1、第2の電極の櫛の歯部分381、382の平面の配置状態を説明する図であり、同図(b)は、同図(a)のC−C線断面図である。図中符号581、582はそれぞれ吸着力発生部を示している。これらの吸着力発生部581、582は、四角錘状に形成され、それぞれの底面が各電極本体部511、512上の表面と接した状態で、各電極本体部511、512上に複数個配置されている。その頂点を図7(a)の符号58aに示す。
【0061】
各吸着力発生部581、582の頂点が張る面97は、図6(a)、(b)で説明した円錐状の吸着力発生部561、562と同様、保護膜30の表面と平行になっており、各吸着力発生部561、562の頂点は、保護膜30の表面に向かって尖っている。
【0062】
このように構成した場合でも、図2、図3で説明した吸着装置と同様に、円錐形状の吸着力発生部581、582の頂点は 絶縁性基板5が保護膜上に載置された状態で、その絶縁性基板5に向かって尖り、その部分で電界集中が起こるので、吸着力が大きくなる。
【0063】
なお、上述した実施形態では、吸着力発生部の形状を、三角柱、円錐、四角錐としたが、本発明の吸着力発生部はこれに限られるものではなく、基板が載置された状態で、基板に向かって凸部となり尖るように構成されていればよい。
【0064】
また、第1、第2の電極をアルミニウムで形成したが、本発明はこれに限られるものではなく、他の金属例えば銅でもよいし、さらに金属に限られるものでもなく、例えばカーボンなどの導電性材料を用いてもよい。
【0065】
また、本発明の吸着装置を備えた装置として、スパッタ装置について説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、吸着装置を備えた装置として、例えばCVD装置等の成膜装置や、あるいはエッチング装置等を用いてもよい。
【0066】
さらに、ガラスなどの絶縁性基板を吸着する場合について説明したが、本発明はこれに限らず、樹脂製のフィルム基板や、あるいはシリコン基板等の導電性基板を吸着する場合にも適用可能である。
【0067】
【発明の効果】
絶縁性基板を静電吸着する際に、吸着力を大きくできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の吸着装置を備えた真空処理装置の構成を説明する図
【図2】(a):本発明の一実施形態の静電チャックプレートを説明する平面図
(b):本発明の一実施形態の静電チャックプレートを説明する断面図
【図3】本発明の一実施形態の第1、第2の電極を示す斜視図
【図4】本発明の三角柱状の吸着発生部が1個ずつ設けられた場合の第1、第2の電極の構造を説明する断面図
【図5】第1、第2の電極の相対的な位置と吸着力との関係を説明するグラフ
【図6】(a):本発明の、円錐状の吸着発生部を有する第1、第2の電極の構造を説明する平面図
(b):本発明の、円錐状の吸着発生部を有する第1、第2の電極の構造を説明する断面図
【図7】(a):本発明の、角錐状の吸着発生部を有する第1、第2の電極の構造を説明する平面図
(b):本発明の、角錐状の吸着発生部を有する第1、第2の電極の構造を説明する断面図
【図8】従来の真空処理装置の構成を説明する図
【図9】(a):本発明の一実施形態の静電チャックプレートを説明する平面図
(b):本発明の一実施形態の静電チャックプレートを説明する断面図
【図10】絶縁性基板が静電吸着される状態を説明する図
【符号の説明】
1……スパッタリング装置 5……絶縁性基板 271……第1の電極
272……第2の電極

Claims (3)

  1. 誘電体からなる支持体と、前記支持体に配置された第1、第2の電極とを有するチャック本体を備え、該チャック本体上に絶縁性の基板を載置した状態で、前記第1、第2の電極間に電圧を印加すると、不均一な電場E中に分極率αの誘電体を置いたときに、その誘電体に働く、単位面積当たり次式で表されるグラディエント力f、
    f = 1/2・α・grad(E 2 )
    吸着力が生じ、該吸着力で前記基板が前記チャック本体に吸着されるように構成された吸着装置であって、
    前記第1、第2の電極は、前記チャック本体上に載置された基板側に向かって尖った上端部を有する吸着力発生部を複数有し、
    前記吸着装置は、前記基板を前記チャック本体上に載置した場合に、表面が前記基板に接するように構成された保護膜を有し、
    各前記上端部と前記保護膜の表面はそれぞれ等距離にされ、
    前記第1、第2の電極間に電圧を印加すると、尖った前記上端部で電界集中が生じるように構成された吸着装置。
  2. 三角柱形状で底面が立設され、側面の一辺が前記保護膜の表面に向けられた前記吸着力発生部を有する請求項1記載の吸着装置。
  3. 円錐体又は角錐体の錐体形状で、尖った前記上端部は、前記保護膜の表面に向けられた前記吸着力発生部を有する請求項1記載の吸着装置。
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JPH08507196A (ja) * 1994-01-31 1996-07-30 アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド 共形な絶縁体フィルムを有する静電チャック

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