JP4675552B2 - 重合体組成物およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の技術分野】
本発明は、エチレン系共重合体が本来有する好ましい諸特性および成形加工性に適した流動性を維持しながら、耐熱性を改善した重合体組成物およびその製造方法に関し、さらに詳しくは、耐熱性、引張強度特性、柔軟性および高周波ウェルダー性に優れる成形体を調製することができる流動性と生産性に優れる重合体組成物およびその製造方法に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】
従来より、エチレン系共重合体は優れた特性を有しており、各種成形材料として広く用いられている。
【0003】
しかしながら、この共重合体は溶融軟化点が低いため高温条件下で熱変形を起こすという特性があり、使用範囲が大幅に制限されるという問題を有していた。こうしたエチレン系共重合体の耐熱性を改善する目的でポリプロピレンのような高融点の樹脂をブレンドすることも試みられているが、この場合は、十分な耐熱性を得ることができないばかりでなく、樹脂同士の相溶性が悪いことに起因する機械的物性の低下をもたらす傾向が見られる。
【0004】
また、特公平1−26616号公報(特許文献1)に開示されているように、エチレン系共重合体、過酸化物分解型オレフィン系共重合体、および有機過酸化物を同時に溶融混練することにより耐熱性を改善する方法が知られている。
【0005】
しかしながら、このような方法では、溶融混練時に架橋あるいは低分子化等の副反応が起こるため、重合体組成物の流動性を制御することが困難であるという問題があった。
【0006】
さらに、特開2001−31801号公報(特許文献2)では、エチレン系共重合体、数平均分子量が50,000以下のポリプロピレンワックス、数平均分子量が100,000以上のエチレン−ラジカル分解型オレフィン系共重合体、および有機過酸化物を同時に溶融混練することにより耐熱性に優れるエチレン系共重合体を得ている。
【0007】
しかしながら、ポリプロピレンワックスを使用している上に、相溶化剤的な第三成分が必要であり、生産技術面で未だ問題があった。
【0008】
そこで、本願発明者らは、エチレン系共重合体が本来有する、成形加工に適した流動性を維持したままで、優れた耐熱性を有する重合体組成物およびその製造方法を開発することを目的として鋭意研究し、特定のエチレン系共重合体からなる樹脂と、特定の二元以上の多元プロピレン共重合体、または該プロピレン共重合体とプロピレン単独重合体とのブレンド物からなる樹脂とを特定の比率で配合した上で、有機過酸化物の存在下に動的に架橋したところ、上記の目的とする重合体組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
【特許文献1】
特公平1−26616号公報
【特許文献2】
特開2001−31801号公報
【0010】
【発明の目的】
本発明の目的は、耐熱性、引張強度特性、柔軟性および高周波ウェルダー性に優れる成形体を調製することができる流動性と生産性に優れる重合体組成物およびその製造方法を提供することにある。
【0011】
また、本発明の他の目的は、容易にしかも安価に製造することができる重合体組成物およびその製造方法を提供することにある。
【0012】
【発明の概要】
本発明に係る重合体組成物は、
ビニルエステル成分含量が5〜60重量%のエチレン−ビニルエステル共重合体(A1)および不飽和カルボン酸成分含量が5〜60重量%のエチレン−不飽和カルボン酸共重合体(A2)から選ばれる少なくとも1種のエチレン系共重合体からなる樹脂(A)95〜50重量%と、
プロピレン以外の成分が0.1〜20モル%共重合されている二元以上の多元プロピレン共重合体、または二元以上の多元プロピレン共重合体とプロピレン単独重合体とのブレンド物からなる樹脂(B)5〜50重量%とを、
前記樹脂(A)と樹脂(B)との合計100重量部に対し0.001〜3重量部の有機過酸化物(C)の存在下に、動的に熱処理して得られることを特徴としている。
【0013】
本発明に係る重合体組成物としては、
120℃に設定したオーブン中に100時間吊した後の自重による変形・重量変化が5%以下になる、厚み2mmのJIS 3号ダンベル(JIS K6760)を調製することができる重合体組成物、あるいは、
引張破断点強度(JIS K 6760)が5MPa以上で、かつ、伸び(JIS K 6760)が200%以上の成形体を調製することができる重合体組成物、あるいは
曲げ剛性率(オルゼン式)(JIS K 7106)が300MPa以下の成形体を調製することができる重合体組成物が好ましい。
【0014】
本発明に係る重合体組成物の製造方法は、
ビニルエステル成分含量が5〜60重量%のエチレン−ビニルエステル共重合体(A1)および不飽和カルボン酸成分含量が5〜60重量%のエチレン−不飽和カルボン酸共重合体(A2)から選ばれる少なくとも1種のエチレン系共重合体からなる樹脂(A)95〜50重量%と、
プロピレン以外の成分が0.1〜20モル%共重合されている二元以上の多元プロピレン共重合体、または二元以上の多元プロピレン共重合体とプロピレン単独重合体とのブレンド物からなる樹脂(B)5〜50重量%とを、
前記樹脂(A)と樹脂(B)との合計100重量部に対し0.001〜3重量部の有機過酸化物(C)の存在下に、動的に熱処理することを特徴としている。
【0015】
上記の、本発明に係る重合体組成物およびその製造方法において、前記樹脂(A)のメルトフローレート(JIS K 6760,190℃、2160g荷重)は、通常0.1〜300g/10分である。
【0016】
前記樹脂(B)としては、融点が120℃以上で、メルトフローレート(ASTM D 1238,230℃、2160g荷重)が1〜50g/10分である樹脂が望ましい。
【0017】
本発明に係る重合体組成物、および本発明に係る製造方法により得られる重合体組成物のメルトフローレート(JIS K 6760,190℃、2160g荷重)は、通常0.1g/10分以上である。
【0018】
【発明の具体的説明】
以下、本発明に係る重合体組成物およびその製造方法について具体的に説明する。
【0019】
まず、本発明に係る重合体組成物で用いられる成分について説明する。
【0020】
樹脂(A)
本発明で用いられる樹脂(A)は、エチレン−ビニルエステル共重合体(A1)およびエチレン−不飽和カルボン酸共重合体(A2)から選ばれる少なくとも1種のエチレン系共重合体からなる。すなわち、樹脂(A)は、これらの共重合体単独からなる樹脂のみであってもよいし、また共重合体(A1)と共重合体(A2)とをブレンドした樹脂であってもよい。
【0021】
エチレン−ビニルエステル共重合体(A1)におけるエチレンと共重合可能なビニルエステル成分としては、具体的には、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、n-酪酸ビニル、パーサティック酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニル、サリチル酸ビニル、シクロヘキサンカルボン酸ビニルなどが挙げられる。
【0022】
エチレン−ビニルエステル共重合体(A1)としては、具体的には、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−プロピオン酸ビニル共重合体、エチレン−n-酪酸ビニル共重合体、エチレン−パーサティック酸ビニル共重合体、エチレン−ラウリン酸ビニル共重合体、エチレン−ステアリン酸ビニル共重合体、エチレン−安息香酸ビニル共重合体、エチレン−サリチル酸ビニル共重合体、エチレン−シクロヘキサンカルボン酸ビニル共重合体などが挙げられる。
【0023】
エチレン−ビニルエステル共重合体(A1)は、エチレンから導かれる構成単位含量(エチレン含量)が95〜40重量%、好ましくは93〜42重量%、さらに好ましくは90〜45重量%であり、ビニルエステル成分から導かれる構成単位含量(ビニルエステル成分含量)が5〜60重量%、好ましくは7〜58重量%、さらに好ましくは10〜55重量%である。
【0024】
エチレン−不飽和カルボン酸共重合体(A2)におけるエチレンと共重合可能な不飽和カルボン酸としては、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチルなどが挙げられる。
【0025】
エチレン−不飽和カルボン酸共重合体(A2)としては、具体的には、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−エタクリル酸共重合体、エチレン−マレイン酸共重合体、エチレン−フマル酸共重合体、エチレン−イタコン酸共重合体、エチレン−無水マレイン酸共重合体、エチレン−無水イタコン酸共重合体、エチレン−マレイン酸モノメチル共重合体、エチレン−マレイン酸モノエチル共重合体などが挙げられる。
【0026】
エチレン−不飽和カルボン酸共重合体(A2)は、エチレン含量が95〜40重量%、好ましくは93〜42重量%、さらに好ましくは90〜45重量%であり、不飽和カルボン酸成分から導かれる構成単位含量(不飽和カルボン酸成分含量)が5〜60重量%、好ましくは7〜58重量%、さらに好ましくは10〜55重量%である。
【0027】
これらの共重合体(A1)、(A2)は、三元以上の多元エチレン系共重合体であってもよく、エチレンと共重合が可能な上記成分の他に、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n-ブチル、アクリル酸イソオクチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸イソブチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル等の不飽和カルボン酸エステル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル;プロピレン、ブテン、1,3-ブタジエン、ペンテン、1,3-ペンタジエン、1-ヘキセン、3-ヘキセン、1-オクテン、4-オクテン等の不飽和炭化水素;ビニル硫酸、ビニル硝酸等の酸化合物;塩化ビニル、弗化ビニル、沃化ビニル等のハロゲン化合物;ビニル基含有1、2級アミン化合物およびアミド化合物;一酸化炭素、二酸化硫黄等が第三成分としてエチレン等と共重合されていてもよい。
【0028】
多元エチレン系共重合体としては、たとえば、エチレン−酢酸ビニル−一酸化炭素共重合体、エチレン−プロピオン酸ビニル−一酸化炭素共重合体、エチレン−アクリル酸メチル−一酸化炭素共重合体、エチレン−アクリル酸エチル−一酸化炭素共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル−一酸化炭素共重合体、エチレン−メタクリル酸エチル−一酸化炭素共重合体、エチレン−アクリル酸−一酸化炭素共重合体、エチレン−メタクリル酸−一酸化炭素共重合体、エチレン−メタクリル酸−アクリル酸イソブチル共重合体、エチレン−メタクリル酸−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸−アクリル酸n−ブチル共重合体等の三元エチレン系共重合体などが挙げられる。
【0029】
これらの共重合体における第三成分から導かれる構成単位含量(第三成分含量)は、好ましくは0.01〜40重量%、特に好ましくは0.1〜30重量%であり、エチレン含量は、好ましくは95〜40重量%であり、特に好ましくは90〜50重量%である。
【0030】
好ましいエチレン系共重合体としては、たとえばエチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル−一酸化炭素共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体などが挙げられる。
【0031】
本発明で用いられる樹脂(A)のメルトフローレート(JIS K 6760,190℃、2160g荷重)は、通常0.1〜300g/10分、好ましくは0.2〜250g/10分、さらに好ましくは0.5〜200g/10分である。
【0032】
樹脂(A)は、樹脂(A)と樹脂(B)との合計100重量%に対し、95〜50重量%、好ましくは93〜53重量%、さらに好ましくは90〜55重量%の割合で用いられる。
【0033】
樹脂(B)
本発明で用いられる樹脂(B)は、二元以上の多元プロピレン共重合体、または、このプロピレン共重合体とプロピレン単独重合体とのブレンド物からなる。
【0034】
この二元以上の多元プロピレン共重合体におけるプロピレンと共重合可能なプロピレン以外の成分としては、具体的には、エチレン、または、1‐ブテン、4‐メチル‐1‐ペンテンなどの炭素数4〜20のα−オレフィンが挙げられる。これらの成分は、単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。また、本発明で用いるこの二元以上の多元共重合体は、ランダム共重合体でもブロック共重合体でもよいが、ランダム共重合体が特に好ましい。
【0035】
二元以上の多元プロピレン共重合体としては、具体的には、プロピレン・エチレンランダム共重合体またはプロピレン・エチレンブロック共重合体、プロピレン・1‐ブテンランダム共重合体またはプロピレン・1‐ブテンブロック共重合体、プロピレン・4‐メチル‐1‐ペンテンランダム共重合体またはプロピレン・4‐メチル‐1‐ペンテンブロック共重合体等のプロピレン二元共重合体、プロピレン・1-ブテン・エチレンランダム共重合体またはプロピレン・1-ブテン・エチレンブロック共重合体等のプロピレン三元共重合体が例示できる。これらの中では、プロピレン・1-ブテン・エチレン三元ランダム共重合体が最も好ましい。
【0036】
上記プロピレン共重合体におけるプロピレン以外の成分から導かれる構成単位(例えば、α−オレフィン単位)の含有量は、0.1〜20モル%、好ましくは0.2〜18モル%、さらに好ましくは0.5〜15モル%である。
【0037】
本発明で用いられる樹脂(B)としては、融点が120℃以上で、メルトフローレート(ASTM D 1238,230℃、2160g荷重)が1〜50g/10分、好ましくは2〜45g/10分、さらに好ましくは3〜40g/10分である樹脂が望ましい。
【0038】
樹脂(B)は、樹脂(A)と樹脂(B)との合計100重量%に対し、5〜50重量%、好ましくは7〜47重量%、さらに好ましくは10〜45重量%の割合で用いられる。
【0039】
有機過酸化物(C)
本発明では、架橋剤として有機過酸化物(C)が好ましく用いられる。
【0040】
有機過酸化物(C)としては、具体的には、ジクミルペルオキシド、ジ‐tert‐ブチルペルオキシド、2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ‐(tert‐ブチルペルオキシ)へキサン、2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ‐(tert‐ブチルペルオキシ)へキシン‐3、1,3‐ビス(tert‐ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1‐ビス(tert‐ブチルペルオキシ)‐3,3,5‐トリメチルシクロヘキサン、n‐ブチル‐4,4‐ビス(tert‐ブチルペルオキシ)バレレート、ベンゾイルペルオキシド、p‐クロロベンゾイルペルオキシド、2,4‐ジクロロベンゾイルペルオキシド、tert‐ブチルペルオキシベンゾエート、tert‐ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート、ジアセチルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、tert‐ブチルクミルペルオキシドなどが挙げられる。
【0041】
これらの内では、臭気性、スコーチ安定性の点で、2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ‐(tert‐ブチルペルオキシ)へキサン、2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ‐(tert‐ブチルペルオキシ)へキシン‐3、1,3‐ビス(tert‐ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1‐ビス(tert‐ブチルペルオキシ)‐3,3,5‐トリメチルシクロヘキサン、n‐ブチル‐4,4‐ビス(tert‐ブチルペルオキシ)バレレートなどが好ましく、なかでも、2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ‐(tert‐ブチルペルオキシ)へキサンが最も好ましい。
【0042】
有機過酸化物(C)は、樹脂(A)および樹脂(B)の合計量100重量部に対して、0.001〜3重量部、好ましくは0.002〜2.5重量部、さらに好ましくは0.003〜2.0重量部の量で用いられる。有機過酸化物(C)を上記範囲内の量で用いると、流動性に優れ、成形加工性に優れた重合体組成物が得られる。この重合体組成物から耐熱性および外観に優れた成形体を調製することができる。
【0043】
成分(D)
本発明に係る重合体組成物の調製(すなわち、動的熱処理前または動的熱処理時)の際に、あるいは動的熱処理後に、必要に応じて、成分(D)としてグラフト変性ポリオレフィンを添加してもよい。
【0044】
本発明で必要に応じて用いられる成分(D)は、不飽和カルボン酸もしくはその酸無水物によるグラフト変性ポリオレフィンである。具体的には、マレイン酸グラフト変性ポリエチレン、イタコン酸グラフト変性ポリエチレン等の不飽和カルボン酸グラフト変性ポリオレフィン;無水マレイン酸グラフト変性ポリエチレン、無水イタコン酸グラフト変性ポリエチレン等の不飽和カルボン酸無水物グラフト変性ポリエチレンなどが挙げられる。
【0045】
グラフトモノマーである不飽和カルボン酸もしくはその酸無水物としては、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸などが挙げられる。
【0046】
上記グラフト変性ポリオレフィン(D)は、樹脂(A)、樹脂(B)およびグラフト変性ポリオレフィン(D)の合計100重量部に対し、0〜20重量部、好ましくは1〜20重量部の量で用いられる。特に、樹脂(A)、樹脂(B)および成分(D)の合計100重量部に対し、3〜10重量部の量で成分(D)を用いると、柔軟性と耐熱性とのバランスに優れる重合体組成物が得られる。
【0047】
成分(E)
本発明に係る重合体組成物の調製(すなわち、動的熱処理前または動的熱処理時)の際に、あるいは動的熱処理後に、必要に応じて、成分(E)として熱可塑性エラストマーを添加してもよい。
【0048】
本発明で必要に応じて用いられる成分(E)としては、従来公知のオレフィン系ゴム(オレフィン系エラストマー)やスチレン系ブロック共重合体およびその水添物を用いることができる。
【0049】
オレフィン系ゴム(エラストマー)としては、たとえば、エチレン・α‐オレフィン共重合体ゴム、プロピレン・α‐オレフィン共重合体ゴム、エチレン・プロピレン・ジエン共重合体ゴムなどが挙げられる。上記α‐オレフィンとしては炭素数3〜12のα‐オレフィンが好ましい。
【0050】
また、スチレン系ブロック共重合体およびその水添物としては、スチレン‐ブタジエン‐スチレンブロック共重合体(SBS),その水添物であるスチレン‐エチレン・ブチレン‐スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン‐イソプレン‐スチレンブロック共重合体(SIS)、その水添物であるスチレン‐エチレン・プロピレン‐スチレンブロック共重合体(SEPS)、スチレン‐エチレン‐エチレン・プロピレン‐スチレンブロック共重合体(SEEPS)などが挙げられる。
【0051】
熱可塑性エラストマー(E)のメルトフローレート(MFR;ASTM D 1238、190℃、2160g 荷重)は、0.1〜300g/10分、好ましくは0.2〜250g/10分、さらに好ましくは0.5〜200g/10分であることが望ましい。
【0052】
熱可塑性エラストマー(E)は、樹脂(A)、樹脂(B)および熱可塑性エラストマー(E)の合計100重量部に対し、0〜20重量部、好ましくは1〜20重量部の量で用いられる。特に、樹脂(A)、樹脂(B)および成分(E)の合計100重量部に対し、3〜20重量部の量で成分(E)を用いると、柔軟性と耐熱性とのバランスに優れる重合体組成物が得られる。
【0053】
その他の成分
本発明に係る重合体組成物の調製(すなわち、動的熱処理前または動的熱処理時)の際に、あるいは動的熱処理後に、必要に応じて、従来公知の架橋助剤、鉱物油系軟化剤、可塑剤、充填剤、酸化防止剤、耐熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、顔料、染料、抗菌剤、防黴剤、帯電防止剤、発泡剤、発泡助剤、スリップ剤(滑剤)等の添加剤を、本発明の目的を損なわない範囲で添加することができる。
【0054】
架橋助剤としては、具体的には、p‐キノンジオキシム、p,p‐ジベンゾイルキノンオキシム等のキノンオキシム類;ラウリル(メタ)アクリレート、エチレングリコールアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート等の(メタ)アクリレート類;ジアリルフマレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、ジアリルフタレート等のアリル類;マレイミド、フェニルマレイミド等のマレイミド類;その他、硫黄、無水マレイン酸、イタコン酸、ジビニールベンゼン、ビニルトルエン、1,2‐ポリブタジエンなどを挙げることができる。
【0055】
架橋助剤は、樹脂(A)および樹脂(B)の合計量100重量部に対して、0〜3重量部、好ましくは0〜2.5重量部、さらに好ましくは0〜2.0重量部の量で用いられる。架橋助剤を上記範囲内の量で用いると、エチレン系共重合体が本来有する優れた特性である成形加工に適した流動特性を維持することができる。
【0056】
鉱物油系軟化剤としては、たとえばパラフィン系あるいはナフテン系のプロセスオイルが挙げられる。特に、40℃における粘度が300〜1000mm2 /sの範囲内にあるパラフィン系プロセスオイルを用いると、ブリード現象の発生を防止することができる。鉱物油系軟化剤の配合量は、樹脂(A)および樹脂(B)の合計量100重量部に対して、0.1〜10重量部、好ましくは0.2〜8重量部の量で用いることが望ましい。
【0057】
本発明に係る重合体組成物においては、柔軟性、耐屈曲性を一層改善するために可塑剤(オイル)を配合することが効果的である。
【0058】
本発明で必要に応じて用いられる可塑剤としては、具体的には、
プロセスオイル、エクステンダー油等の鉱物油系軟化剤;
ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、ジn‐オクチルフタレート、ジ(2‐エチルヘキシル)フタレート、ジイソノニルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジウンデシルフタレート、ジラウリルフタレート、ブチルラウリルフタレート、ブチルベンジルフタレート等のフタル酸エステル、トリメリット酸オクチルエステル、トリメリット酸イソノニルエステル、トリメリット酸イソデシルエステル等のトリメリット酸エステル、ピロメリット酸オクチルエステル等のピロメリット酸エステルのような芳香族エステル系可塑剤;
ジメチルアジペート、ジイソブチルアジペート、ジn‐ブチルアジペート、ジオクチルアジペート、ジ(2‐エチルヘキシル)アジペート、ジイソデシルアジペート、ジオクチルアゼレート、ジ(2‐エチルヘキシル)アゼレート、ジ(2‐エチルヘキシル)セバケート、メチルアセチルリシノレート、ジペンタエリスリトールエステル等の脂肪族エステル系可塑剤;
ポリエチレングリコールエステル等のグリコールエステル系可塑剤;
エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、エポキシ化脂肪酸アルキルエステル等のエポキシ系可塑剤;
トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリ(2‐エチルヘキシル)ホスフェート、トリラウリルホスフェート、トリセチルホスフェート、トリステアリルホスフェート、トリオレイルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、トリス−クロロエチルホスフェート、トリス−ジクロロプロピルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、キシレニルジフェニル、2‐エチルヘキシルジフェニルホスフェート、縮合リン酸エステル等のリン酸エステル系可塑剤などを挙げることができる。これらの中では、芳香族エステル系可塑剤の使用が最も好ましい。可塑剤の配合量は、樹脂(A)および樹脂(B)の合計量100重量部に対して、0.1〜10重量部、好ましくは0.2〜8重量部の量で用いることが望ましい。
【0059】
充填剤(フィラー)としては、たとえばカーボンブラック、タルク、クレー、炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、けいそう土、シリカ、アルミナ、アスベスト、グラファイト、ガラス繊維などが挙げられる。
【0060】
酸化防止剤としては、たとえばフェニル‐α‐ナフチルアミン、2,6‐ジ‐t‐ブチルフェノール、テトラキス〔メチレン(3,5‐ジ‐t‐ブチル‐4‐ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕などが挙げられる。
【0061】
重合体組成物の製造方法
上記のような、本発明に係る重合体組成物は、樹脂(A)と、樹脂(B)とを、有機過酸化物(C)の存在下に、動的に熱処理(すなわち溶融混練)することにより得られる。また、本発明の重合体組成物は、樹脂(A)と、樹脂(B)とを、有機過酸化物(C)の存在下に、必要に応じて鉱物油系軟化剤、酸化防止剤、架橋助剤などの添加剤とともに、動的に熱処理(すなわち溶融混練)することにより得てもよい。
【0062】
溶融混練装置としては、たとえば一軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、加圧ニーダー、ロールなどが挙げられる。これらの中では、一軸または二軸押出機を用いることが特に好ましい。
【0063】
溶融混練は、通常120〜250℃の温度で、30秒〜30分間行なわれる。なお、動的熱処理(溶融混練)は、窒素ガス、炭酸ガスなどの不活性ガスの雰囲気下で行なうことが好ましい。
【0064】
このようにして得られる本発明に係る重合体組成物は、樹脂(A)および樹脂(B)を必須成分として含み、樹脂(A)および樹脂(B)の少なくとも一方が部分的または完全に(高度に)架橋された重合体組成物となっている。
【0065】
なお、本発明において「部分的または完全に(高度に)架橋された」とは、熱処理(架橋)前の樹脂(A)および樹脂(B)の二成分からなる重合体組成物のメルトフローレート(MFR;JIS K6760、190℃、2160g荷重)に対して、熱処理(架橋)後に得られる樹脂(A)および樹脂(B)の二成分からなる重合体組成物のMFRの低下率が20%以上、好ましくは20%〜99%となる状態を意味する。得られる重合体組成物の架橋度が低すぎると、モルホロジー制御が不完全となり引張強度が著しく低下したり、目標の耐熱性が得られないという問題がある。
【0066】
上記のようにして得られる本発明に係る重合体組成物のメルトフローレート(JIS K 6760、190℃、2160g荷重)は、通常0.1g/10分以上、好ましくは0.2〜30g/10分であることが望ましい。
【0067】
また、本発明においては、部分的または完全に(高度に)架橋された重合体組成物100重量部に対して、必要に応じて0〜100重量部のポリオレフィン樹脂を混合してもよい。
【0068】
本発明において動的熱処理後に、必要に応じて混合されるポリオレフィン樹脂は、エチレン、プロピレン、1‐ブテン、1‐ヘキセン、4‐メチル‐1‐ペンテンなどの1‐オレフィンの単独重合体、その2種以上の共重合体、あるいはα−オレフィンと15モル%以下の他の重合性単量体との共重合体、たとえば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体等であって、樹脂状高分子物質のものが挙げられる。これらのポリオレフィン樹脂のメルトインデックス(ASTM D1238‐65T、190℃、ただし、プロピレン系重合体は230℃)は、5〜100g/10分、特に10〜50g/10分であることが好ましい。
【0069】
用途
本発明に係る重合体組成物は、パッキン、シール材、ホース類、フィルム類、テープ類、シート類、射出成形物、繊維、織布、不織布、容器等の耐熱性、引張特性が必要とされる用途、および、建築用シート類等のカレンダー成形性、高周波ウェルダー性、耐熱性が必要とされる用途に広く利用することができる。
【0070】
具体的な用途としては、
農業、園芸などに用いられる覆い、被覆用カバー、名刺もしくは定期入れの袋、小物入れの袋、住所録用ファイルもしくは袋、絵葉書のケース、封筒や便箋類の袋、事務器のケース、物品袋、旅行カバン、買い物袋、浴室用の靴もしくは絨毯、バルコニーの日よけ、レインコート、オイルフェンス、キップ入れ、手帳入れ、バンド、布団カバー、化粧品入れ、エプロン、煙草入れ、電話帳カバー、洗濯袋、自転車のサドルカバー等の日用品;
自動車の裏張り、自動車のマット、自動車のカバー、自動車用サンバイザー、自動車モール材、バンパー等の自動車の内外装材料;
ダイシングテープ基材やバックグラインドフィルムなどの半導体用テープもしくはフィルム、マーキングフィルム、ICキャリアーテープ、電子部品テーピングテープ等の電気・電子材料;
壁紙、マット、床材等の建材;
その他、食品包装材料、衛生材料、フレコン内袋、コンテナー、防湿フィルム、防汚フィルム、放射性物質処理用袋、放射能防護用服、クリーンルーム用フィルムもしくはシート、間仕切り用カーテン
などに用いられる。
【0071】
また、本発明に係る重合体組成物は、他の樹脂との積層、あるいは樹脂以外の他の素材との積層に使用してもよい。本発明に係る重合体組成物は、必要に応じて、その成形物表面に粘着剤を塗布することもできる。
【0072】
【発明の効果】
本発明によれば、耐熱性、引張強度特性、柔軟性および高周波ウェルダー性に優れる成形体を調製することができる流動性と生産性に優れる重合体組成物およびその製造方法を提供することができる。また、本発明によれば、容易にしかも安価に製造することができる重合体組成物およびその製造方法を提供することができる。
【0073】
【実施例】
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は、これら実施例により何ら限定されるものではない。
【0074】
なお、実施例および比較例で得られた熱可塑性エラストマー組成物の成形体について、曲げ剛性率、硬度(ショアD)、引張破断点強度、引張破断点伸びを下記の方法に従って測定した。また、耐熱性試験を下記の方法に従って行ない、評価した。
(1)曲げ剛性率(オルゼン式)
曲げ剛性率(オルゼン式)は、JIS K7106に従って測定した。
(2)硬度(ショアD)
硬度(ショアD)は、JIS K7215に従って測定した。
(3)引張破断点強度および引張破断点伸び
引張破断点強度および引張破断点伸びは、JIS K6760に従い、引張速度200mm/分で引張試験を行なって測定した。
(4)耐熱性試験
120℃に設定したオーブン中に、2mm厚のJIS K6301規格で定められている3号ダンベルを100時間吊し、ダンベルの外観・重量の変化を測定した。自重による変形・重量変化が5%以下のダンベルを合格とし、5%を超えるダンベルを不合格とした。
【0075】
また、実施例、比較例で用いた成分は、以下の通りである。
【0076】
エチレン−ビニルエステル共重合体(A成分)
(A−1):エチレン・酢酸ビニル共重合体
酢酸ビニル含量=19重量%
MFR(JIS K6760,190℃、2160g荷重)=15g/10分
(A−2):エチレン・酢酸ビニル共重合体
酢酸ビニル含量=33重量%
MFR(JIS K6760,190℃、2160g荷重)=14g/10分
(A−3):エチレン・酢酸ビニル共重合体
酢酸ビニル含量=41重量%
MFR(JIS K6760,190℃、2160g荷重)=65g/10分
(A−4):エチレン・メタクリル酸共重合体
メタクリル酸含量=9重量%
MFR(JIS K6760,190℃、2160g荷重)=12g/10分
プロピレン共重合体、プロピレン単独重合体(B成分)
(B−1);
三元系プロピレンランダム共重合体
プロピレン含量=93.5モル%
エチレン含量=3モル%
ブテン含量=3.5モル%
MFR(ASTM D1238,230℃、2160g荷重)=7.2g/10分
(B−2);
三元系プロピレンランダム共重合体
プロピレン含量=95.5モル%
エチレン含量=2モル%
ブテン含量=2.5モル%
MFR(ASTM D1238,230℃、2160g荷重)=7.4g/10分
(B−3);
二元系プロピレンランダム共重合体
プロピレン含量=96.0モル%
エチレン含量=4.0モル%
MFR(ASTM D1238,230℃、2160g荷重)=9g/10分
(B−4);
二元系プロピレンブロック共重合体
プロピレン含量=90モル%
エチレン含量=10モル%
MFR(ASTM D1238,230℃、2160g荷重)=10g/10分
(B−5);
プロピレン単独重合体
MFR(ASTM D1238,230℃、2160g荷重)=9g/10分
(B−6);
プロピレン単独共重合体
MFR(ASTM D1238,230℃、2160g荷重)=15g/10分
有機過酸化物(C)
(C−1);商品名 ルパゾール101
アトケム吉富(株)製の2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ‐(tert‐ブチルペルオキシ)へキサン
架橋助剤(D)
(D−1):商品名 TAIC
東京化成工業社製のイソシアヌル酸トリアリル
【0077】
【実施例1〜7および比較例1〜7】
前記諸成分を第1表に示す割合でヘンシェルミキサーに供給し、ヘンシェルミキサー中で60秒間予備混合し、ペレタイザーを備えた40mmφの単軸押出機[ナカタニ機械(株)製、品番 VSK40m/m]に上記混合物をフィードし、下記の押出条件(ないし溶融混練条件)で溶融混練して造粒し、(A)成分および(B)成分の少なくとも一方が部分的に(あるいは高度に)架橋された重合体組成物のペレットを得た。
【0078】
上記単軸押出機における押出条件は、次の通りである。
【0079】
L/D:28
バレル温度(℃);
C1=180、C2=200、C3=200、C4=200、
A=200、D=200
スクリュー回転数:40rpm
押出量:8kg/h
滞留時間:80秒
ミキシングゾーン温度:200℃
得られた重合体組成物のメルトフローレート(MFR;JIS K6760、190℃、2160g荷重)およびMFR低下率を第1表に示す。
【0080】
また、得られた重合体組成物のペレットを、200℃に設定したプレス成形機にて、150mm角のシートを作製した。
【0081】
上記のようにして得られたプレスシートについて、曲げ剛性率、硬度(ショアD)、引張破断点強度、引張破断点伸びを上記方法に従って測定した。また、耐熱性試験を上記方法に従って行なった。その結果を第1表に示す。
【0082】
【表1】
Claims (6)
- 酢酸ビニル含量が10〜55重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体(A1)および(メタ)アクリル酸含量が10〜55重量%のエチレン−(メタ)アクリル酸共重合体(A2)から選ばれる少なくとも1種のエチレン系共重合体からなり、メルトフローレート(JIS K 6760,190℃、2160g荷重)が0.5〜200g/10分である樹脂(A)90〜55重量%と、
エチレン又はエチレンと1-ブテンが0.5〜15モル%共重合されているプロピレン・エチレン二元共重合体又はプロピレン・エチレン・1-ブテン三元共重合体、または該二元又は三元共重合体とプロピレン単独重合体とのブレンド物からなり、融点が120℃以上で、メルトフローレート(ASTM D 1238,230℃、2160g荷重)が3〜40g/10分である樹脂(B)10〜45重量%とを、
前記樹脂(A)と樹脂(B)との合計100重量部に対し0.003〜2.0重量部の有機過酸化物(C)の存在下に、動的に熱処理して得られる少なくとも部分的に架橋された、メルトフローレート(JIS K 6760,190℃、2160g荷重)が0.2〜30g/10分であることを特徴とする重合体組成物。 - 120℃に設定したオーブン中に100時間吊した後の自重による変形・重量変化が5%以下になる、厚み2mmのJIS 3号ダンベル(JIS K 6760)を調製することができることを特徴とする請求項1に記載の重合体組成物。
- 引張破断点強度(JIS K 6760)が5MPa以上で、かつ、伸び(JIS K 6760)が200%以上の成形体を調製することができることを特徴とする請求項1〜2のいずれか1項に記載の重合体組成物。
- 曲げ剛性率(オルゼン式)(JIS K 7106)が300MPa以下の成形体を調製することができることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の重合体組成物。
- 酢酸ビニル含量が10〜55重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体(A1)および(メタ)アクリル酸含量が10〜55重量%のエチレン−(メタ)アクリル酸共重合体(A2)から選ばれる少なくとも1種のエチレン系共重合体からなり、メルトフローレート(JIS K 6760,190℃、2160g荷重)が0.5〜200g/10分である樹脂(A)90〜55重量%と、
エチレン又はエチレンと1-ブテンが0.5〜15モル%共重合されているプロピレン・エチレン二元共重合体又はプロピレン・エチレン・1-ブテン三元共重合体、または該二元又は三元共重合体とプロピレン単独重合体とのブレンド物からなり、融点が120℃以上で、メルトフローレート(ASTM D 1238,230℃、2160g荷重)が3〜40g/10分である樹脂(B)10〜45重量%とを、
前記樹脂(A)と樹脂(B)との合計100重量部に対し0.003〜2.0重量部の有機過酸化物(C)の存在下に、動的に熱処理することを特徴とするメルトフローレート(JIS K 6760,190℃、2160g荷重)が0.2〜30g/10分である重合体組成物の製造方法。 - 酢酸ビニル含量が10〜55重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体(A1)および(メタ)アクリル酸含量が10〜55重量%のエチレン−(メタ)アクリル酸共重合体(A2)から選ばれる少なくとも1種のエチレン系共重合体からなり、メルトフローレート(JIS K 6760,190℃、2160g荷重)が0.5〜200g/10分である樹脂(A)90〜55重量%と、
エチレン又はエチレンと1-ブテンが0.5〜15モル%共重合されているプロピレン・エチレン二元共重合体又はプロピレン・エチレン・1-ブテン三元共重合体、または該二元又は三元共重合体とプロピレン単独重合体とのブレンド物からなり、融点が120℃以上で、メルトフローレート(ASTM D 1238,230℃、2160g荷重)が3〜40g/10分である樹脂(B)10〜45重量%とを、
必須成分として含み、その少なくとも一方が部分的または完全に架橋されてなり、メルトフローレート(JIS K 6760,190℃、2160g荷重)が0.2〜30g/10分であることを特徴とする重合体組成物。
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