JP4675542B2 - ゲッタリング能力の評価方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、デバイス動作に悪影響を及ぼす重金属不純物を除去するゲッタリング技術に関するものであり、特に、半導体ウエーハが有するインターナルゲッタリング(IG)の能力を評価する評価方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体集積回路等のデバイスを作製するためのウエーハとしては、主にチョクラルスキー法(CZ法)によって育成したシリコン単結晶をスライスし、ラッピング、面取り、研磨等を施して作製したシリコン単結晶ウエーハが用いられている。このシリコン単結晶ウエーハに高温熱処理を施してウエーハ表面近傍を極力無欠陥化すると、デバイスの品質を向上させることができる。その特徴を最も生かしたウエーハが表面無欠陥層(Denuded Zone、DZ)を持つウエーハであり、その優位性はほぼ証明されている。
【0003】
一方、ウエーハのバルクには、酸素析出物等からなる内部微小欠陥(BulkMicro Defects,以下BMDと略す)を高密度に形成することによって、重金属などの不純物を捕獲するゲッタリング能力の向上が求められている。例えば、ウエーハにデバイス形成熱処理を行う際、ウエーハが重金属不純物の汚染にさらされる機会ははなはだ多く、その重金属がデバイス動作に悪影響を及ぼすため、それらをデバイス形成領域である表面近傍から除去する必要がある。その要求に応える方法として、ゲッタリング技術がある。
【0004】
CZ法によって育成されたシリコン単結晶は製造段階にて不可避的に酸素を含有するが、その酸素濃度の制御は可能であり、目的に応じて種々の酸素濃度を持つCZ−シリコンウエーハを作製することができる。このようなCZ−シリコンウエーハに熱処理を行うと、結晶中に含まれている酸素が析出して、ウエーハ内部に酸素析出物からなるBMDが形成される。このBMDの周囲には結晶格子の歪みを少なからず含んでおり、この歪みに重金属不純物が捕獲される。このような方法は、種々のゲッタリング技術のうち、インターナルゲッタリング(IG:Internal Gettering)と呼ばれる方法である(イントリンシックゲッタリングとも呼ばれる)。
【0005】
このインターナルゲッタリングにおいて、そのIG能力を評価する方法の一つとして、ウエーハのバルク中に形成されたBMDの密度とサイズを測定する方法がある。一般に、インターナルゲッタリングは、ウエーハのバルク中におけるBMD密度が高いほどウエーハの有するIG能力は高く、またBMDのサイズが大きいほどIG能力が高い。従って、IG能力を評価する際には、バルク中のBMDの密度とサイズを把握することが重要であり、バルク中のBMDの密度とサイズを測定することによって、そのウエーハが有するIG能力の評価を行うことができる。
【0006】
しかしながら、このような評価方法は、ウエーハが有するIG能力を直接的に測定して評価するものではなく、ウエーハのバルク中に存在するBMDの密度及びサイズから間接的に評価を行う方法である。したがって、BMDの密度及びサイズから評価したIG能力が実際に特定の重金属元素がゲッタリングされる能力であるとは必ずしも判定できず、ウエーハが有する実際のIG能力を正確に評価しているとは限らなかった。
【0007】
また、IG能力を評価する他の方法として、例えば特開2000−68280号公報に開示されているような、酸素析出物の対角線長をL(nm)とし、密度をD(個/cm)とした場合、L×D0.6≧1.0×10の関係が成立するか否かによりIG能力を評価する方法がある。この特開2000−68280号公報では、上記の関係式を決定するために、実施例及び比較例にてウエーハにNiの故意汚染を施して、ウエーハ表面に形成されたシャローピット有無の観察を行い、上記関係式が成立した場合にウエーハがシャローピットの発生がなくIG能力を持つことを見出しており、その結果から計算機シミュレーションによってウエーハのIG能力が評価できることを示している。
【0008】
このような方法は、第1段階としてのウエーハのIG能力の評価、つまりウエーハがIG能力を些少といえども持っているのか、もしくはIG能力が皆無なのかを判別するには十分な方法である。しかしながら、この方法も、酸素析出物の大きさと密度からIG能力を評価する間接的な評価方法であり、また本来連続的に変化するIG能力の大きさをある一定の境界を設けて区別し、IG能力の有無をいずれかに判定するという極めて大まかな評価しか行えず、ウエーハが有するIG能力の大きさの評価やウエーハ間のIG能力差の比較を行うことはできない。
【0009】
従って、このような従来のゲッタリング能力の評価方法は、ウエーハが有するIG能力を直接的に測定するものではなく、IG能力の評価として不十分であり、実際のデバイス作製プロセスにおいて問題となるような複数のウエーハ間の微小なIG能力の差を正確に評価することは困難であった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、半導体ウエーハが実際に有するIG能力を直接的に測定して、複数のウエーハ間の微小なIG能力差を正確に評価することができるゲッタリング能力の評価方法を提供することを主な目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明によれば、半導体ウエーハが有するインターナルゲッタリング(IG)の能力を評価する方法であって、少なくとも2種類以上の半導体ウエーハに対し、Niによる汚染処理、熱処理、選択エッチング処理を同一条件で順次行って半導体ウエーハの表面に浅いエッチピット(シャローピット)を形成し、該ウエーハ表面に形成された浅いエッチピットの密度を測定した後、それぞれの半導体ウエーハのエッチピット密度を比較することによって、IG能力を評価することを特徴とするゲッタリング能力の評価方法が提供される
【0012】
このように、2種類以上の半導体ウエーハに対し、Niによる汚染処理、熱処理、選択エッチング処理を同一条件で順次行ってウエーハ表面にエッチピットを形成し、そのエッチピット密度を測定した後、それぞれの半導体ウエーハのエッチピット密度を比較することによって、半導体ウエーハが実際に有するIG能力を直接的に測定することができ、半導体ウエーハ間のIG能力差を定量的にまた正確に評価することができる。さらに、デバイス作製プロセスにおいてウエーハが実際に有するIG能力を高精度に評価したい場合には、実際に行われるデバイス作製プロセスの条件に基づいてNiによる汚染処理、熱処理を行った後、エッチピットを形成して評価を行うことによって、ウエーハがそのデバイス作製条件で実際に有するIG能力を直接的に測定して、高精度に評価することが可能となる。
【0013】
また、前記熱処理において、冷却を行う際の冷却速度を制御することが好ましい
選択エッチング処理後のウエーハ表面に形成されるエッチピットの密度は、熱処理における冷却の際の冷却速度により変化する。そのため、2種類以上の半導体ウエーハのIG能力を評価する際に、冷却速度を適切な速度に制御することによって、ウエーハ間のIG能力の定量的な比較を正確に行うことができる。
【0014】
このとき、前記冷却を行う際の冷却速度を、ウエーハ表面にエッチピットが10/cm以上の密度で形成される速度に制御することが好ましい
このように、冷却速度を選択エッチング処理後のウエーハ表面にエッチピットが10/cm以上の密度で形成される速度に制御すれば、2種類以上の半導体ウエーハに形成されたエッチピットの密度を正確に比較することができるため、IG能力の評価を確実に行うことができる。
【0015】
さらに、前記冷却を行う際の冷却速度を、1〜10000℃/minの範囲に制御することが好ましい
このように、冷却速度を1℃/min以上に制御することによって、ウエーハ表面にエッチピットが形成される条件で熱処理を行うことができるため、IG能力の評価を正確に行うことができる。また一方、冷却速度を10000℃/minを超える速度にするとウエーハ表面に形成されるエッチピットの密度が高過ぎて顕微鏡等で観察してカウントを行うのが困難となり、さらに10000℃/minを超える冷却速度は簡単に実施することが可能な上限の冷却速度でもあるため、本発明では冷却速度を10000℃/min以下にすることが好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について実施の形態を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
従来、半導体ウエーハが有するIG能力を評価する方法としては、例えば、特開2000−68280号公報に記載されている方法がある。この評価方法は、上述のように、BMDの対角線長L(nm)とBMD密度D(個/cm)の関係を規定して、ウエーハのIG能力の有無を評価するものである。
【0017】
本発明者等は、バルク中のBMD密度及びBMD半径を様々に変化させたときのウエーハが有するIG能力について、特開2000−68280号公報を参考にして、以下のような実験を行った。
【0018】
先ず、CZ法によって直径200mm、初期酸素濃度18ppma(JEIDA:日本電子工業振興協会規格)、方位<100>のシリコン単結晶インゴットを育成した。このシリコン単結晶インゴットをスライスした後、研磨加工を行い、シリコンウエーハを複数作製した。その後、これらのシリコンウエーハのバルク中にBMDを形成するため、700℃で4〜16時間の熱処理を施し、異なる密度の酸素析出核を発生させた後、1000℃で4〜16時間の熱処理を施して酸素析出物を成長させ、そのサイズを制御した。
【0019】
作製したシリコンウエーハにNi原子を1012cm−2の濃度で付着させて汚染処理を行った。その後、シリコンウエーハを800℃まで加熱し、その温度で14分間保持することによってウエーハのバルク中にNi原子を均一に拡散させた後、800℃から室温まで220℃/minの冷却速度で冷却した。熱処理後、それぞれのウエーハに選択エッチング処理を行ってウエーハ表面にシャローピット(S−pit)を形成し、形成されたシャローピットを光学顕微鏡にて観察した。
【0020】
図3に、様々なBMD密度及びBMD半径を有するウエーハにおけるシャローピットの発生の有無を観察した結果を示す。図3に示す通り、BMD密度及びBMD半径ともに大きいほどシャローピットは発生していなく、そのシャローピット発生の有無の境界は両対数グラフ上にほぼ直線で描くことができる。このようにシャローピットの有無を判定することで、特開2000−68280号公報に記載されているように、IG能力の有無が判定でき、またBMD密度とBMD半径が予め既知であれば、その大きさからIG能力の有無を予想することができる。
【0021】
しかしながら、上述のように、この方法ではウエーハが有するIG能力の大きさの評価や複数のウエーハ間のIG能力差の比較を行うことはできず、あくまでもウエーハが有するIG能力の有無を間接的に評価する二値的な評価となる。また、特開2000−68280号公報では、BMDの対角線長L(nm)とBMD密度D(個/cm)の関係を導き出す際に、汚染処理、熱処理、エッチング処理を行ってシャローピットを形成し、このシャローピットの有無を観察した結果から関係式を求めているが、このとき、熱処理する際の冷却時の冷却速度については全く考慮していない。後述するように、ウエーハ表面に形成されるシャローピットが熱処理の際の冷却速度に大きく依存するものである以上、特開2000−68280号公報に記載されているBMDに関する関係式は、ある特定の条件下でのIG能力を評価するものでしかない。すなわち、このような評価方法においては、熱処理の際の冷却速度を厳密に規定しない限り、例えば図3に示したようなIG能力の有無を区別する境界線が移動してしまうため、評価結果が全く異なるものとなり、半導体ウエーハのIG能力の正確な評価を行うことはできない。
【0022】
また、IG能力を評価する別の方法としては、ウエーハのバルク中に形成されたBMDの密度とサイズを測定する方法があるが、この評価方法は前述のように、ウエーハが有するIG能力を間接的に評価するものであり、ウエーハが有する実際のIG能力を正確に評価できるとは限らない。
【0023】
そこで、本発明等者は、従来行うことができなかった半導体ウエーハが有するIG能力を直接的に測定して評価する方法について、鋭意検討及び実験を重ねた結果、少なくとも2種類以上の半導体ウエーハに対し、Niによる汚染処理、熱処理、選択エッチング処理を同一条件で順次行って半導体ウエーハの表面に浅いエッチピット(シャローピット)を形成し、このウエーハ表面に形成された浅いエッチピットの密度を測定した後、それぞれの半導体ウエーハのエッチピット密度を比較することによって、半導体ウエーハが実際に有するIG能力を直接的に測定して、複数の半導体ウエーハ間のIG能力差を定量的に、正確に評価することができることを見出し、本発明を完成させた。
【0024】
以下、本発明のゲッタリング能力の評価方法について詳細に説明する。
先ず、評価対象となる少なくとも2種類以上の半導体ウエーハの表面にNi原子を一定量で付着させることによって汚染処理を行う。このとき、Niの汚染濃度(Ni原子の付着量)は特に限定されるものでなく、例えばNi原子を半導体ウエーハの表面に10〜1016cm−2程度、特には1012cm−2程度の濃度で付着させて汚染処理を行うことができる。
【0025】
次に、汚染処理されたそれぞれの半導体ウエーハに同一条件の熱処理を行う。この熱処理において、半導体ウエーハを所定の温度まで加熱することによって、汚染処理でウエーハ表面に付着させたNi原子をウエーハのバルク中に均一に拡散させることができる。その後、ウエーハを室温まで冷却する冷却過程において、バルク中に拡散しているNi原子をBMDに捕獲させるとともに、ウエーハが有するIG能力を超えて捕獲しきれずにバルク中に残存するNi原子を表面近傍に拡散させ、Niシリサイドの形態で析出させる。尚、このような熱処理において、加熱する際の昇温速度や熱処理時間、また熱処理雰囲気等は特に限定されるものではなく、必要に応じて適宜決定することができる。例えば、昇温速度は0.1〜10000℃/min、熱処理温度は300℃〜シリコンの融点以下、熱処理時間は1秒〜100時間、雰囲気はH、O、Ar、N、Heあるいはこれらの混合雰囲気等を挙げることができる。
【0026】
熱処理後、それぞれの半導体ウエーハに選択エッチング液等により選択エッチング処理を行い、半導体ウエーハの表面に浅いエッチピット(以下、シャローピットと記載する場合もある)を形成する。このエッチピットは、上記の熱処理の冷却過程においてBMDで捕獲しきれずに析出したNiシリサイドの量に応じて形成されるため、このウエーハ表面に形成されたエッチピットの密度を測定することによって、そのウエーハが有するIG能力を直接的に測定することが可能になり、それぞれの半導体ウエーハのエッチピット密度を比較することによって、ウエーハ間のIG能力の差を定量的にまた正確に評価することができる。
尚、上記の選択エッチング処理の方法は特に限定されるものではなく、例えば、選択エッチング液として混酸(HF,HNO系)やSecco液等を用いてウエーハを10秒〜30分間浸漬させることによって容易に選択エッチング処理を行うことができる。
【0027】
このとき、デバイス作製プロセスにおいてウエーハが有するIG能力を高精度に評価したい場合には、実際に行われるデバイス作製プロセスの条件に基づいてNiによる汚染処理、熱処理を行った後、エッチピットを形成して評価を行うことができる。このように評価を行えば、そのデバイス作製条件でウエーハが実際に有するIG能力を直接的に測定でき、高精度な評価を行うことが可能となる。
【0028】
また、このような本発明のゲッタリング能力の評価方法において、上記の熱処理において冷却を行う際の冷却速度を制御することが好ましい。選択エッチング処理後のウエーハ表面に形成されるエッチピットの密度は、冷却時の冷却速度により変化する。そのため、この冷却速度を適切に制御して2種類以上の半導体ウエーハに熱処理することによって、各ウエーハの表面に形成されるエッチピットの密度を正確に比較することができ、ウエーハが有するIG能力の定量的な評価を正確に行うことができる。
【0029】
ここで、熱処理における冷却速度と選択エッチング処理後にウエーハ表面に形成されるエッチピット密度との関係について実験を行った結果を、図2を参照して説明する。
先ず、CZ法によって直径200mm、初期酸素濃度14ppma(JEIDA)、方位<100>のシリコン単結晶インゴットを育成した。このシリコン単結晶インゴットをスライスした後、研磨加工を行い、シリコンウエーハを複数枚作製した。その後、これらのシリコンウエーハには特別な熱処理を施さなかったため、ウエーハ内部にはBMDがほとんど形成されてなく、ウエーハのIG能力を極めて低いものとした。
【0030】
得られたこれらのシリコンウエーハの表面にNi原子を1012cm−2の濃度で付着させて汚染処理を行った後、そのシリコンウエーハに熱処理を行った。このとき、熱処理は、800℃まで加熱した後、その温度で14分間保持することによってウエーハのバルク中にNi原子を拡散させ、その後冷却速度を1〜10000℃/minの範囲で変化させて800℃から室温まで冷却することによって行った。
【0031】
熱処理後、それぞれのウエーハに選択エッチング処理を行ってウエーハ表面にシャローピットを形成し、形成されたシャローピットを光学顕微鏡にて観察し、その密度を測定した。
シリコンウエーハに熱処理を行った際の冷却速度と測定したウエーハ表面のシャローピット密度との関係を調べた結果を図2に示す。この図2より、ウエーハ表面に形成されるシャローピット密度は熱処理の際の冷却速度に依存しており、冷却速度が速くなるほどシャローピット密度が大きくなることがわかる。
【0032】
すなわち、熱処理において冷却時の冷却速度を制御することにより、選択エッチング後にウエーハ表面に形成されるシャローピット密度を変化させることができ、例えば、冷却を行う際の冷却速度を非常に遅く制御することにより、全てのNi原子をBMDに捕獲させて、選択エッチング処理後にシャローピットが形成されないようにすること、つまりIG能力が無限大と評価される条件に設定することも可能となる。
【0033】
本発明は、上述のように、ウエーハ表面に形成されたエッチピットの密度を測定しウエーハ間で比較することによってIG能力の評価を行うため、上記2種類以上の半導体ウエーハに同一条件で熱処理を行う際に、冷却時の冷却速度をウエーハ表面にエッチピットが適切に形成される速度に制御することが好ましく、特にウエーハ表面にエッチピットが10/cm以上の密度で形成される速度に制御することが好ましい。このように、冷却速度をエッチピットが形成されるように適切に設定すれば、エッチピット密度を測定することによって、2種類以上の半導体ウエーハ間の微小なIG能力差を正確に比較することができ、半導体ウエーハが有するIG能力の評価を確実に行うことができる。
【0034】
このとき、冷却速度を速くするほど、NiがBMDに捕獲されにくくなり、ウエーハ表面に形成されるシャローピットの密度も大きくなるため、ウエーハ間の微小なIG能力の差を正確に評価できるようになる。したがって、冷却を行う際の冷却速度を1℃/min以上に制御することが好ましく、このように、冷却速度を1℃/min以上に制御することによって、ウエーハ表面にエッチピットが適切に形成される条件で熱処理を行うことができ、その後選択エッチング処理によりウエーハ表面に形成されたエッチピットの密度を測定することによってIG能力の評価を精度良く行うことができる。
【0035】
また一方、冷却の際に冷却速度が余りにも速過ぎると、選択エッチング処理後、ウエーハ表面に形成されるエッチピットが多過ぎて例えば10を超えるようになり、顕微鏡等で観察してカウントを行うのが困難となるし、さらに冷却する際に10000℃/minを超える冷却速度を得るのは特別な冷却手段を用いる必要があり困難であるため、本発明では冷却時の冷却速度を10000℃/min以下にすることが好ましい。
【0036】
すなわち、本発明では、冷却を行う際の冷却速度を1〜10000℃/minの範囲に制御することが好ましく、より好ましくは、冷却速度を2〜1000℃/minの範囲に、さらには10〜500℃/minの範囲に制御することが良い。このように冷却速度を制御することによって、ウエーハ間のIG能力差を正確に比較でき、IG能力の評価を確実に行うことができる。
【0037】
【実施例】
以下、実施例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例)
先ず、CZ法によって直径200mm、初期酸素濃度18ppma(JEIDA)、方位<100>のシリコン単結晶インゴットを育成した。このシリコン単結晶インゴットをスライスした後、研磨加工を行い、シリコンウエーハを複数作製した。
【0038】
その後、これらのシリコンウエーハのバルク中にBMDを形成するため、700℃で4〜16時間の熱処理を施し、異なる密度の酸素析出核を発生させ、その後、1000℃で4〜16時間の熱処理を施して酸素析出物を成長させ、そのサイズを制御した。またこのとき、比較のために、ウエーハに熱処理を行わずにウエーハのバルク中にBMDがほとんど形成されていない半導体ウエーハを作製した。
【0039】
得られたこれらのシリコンウエーハの表面にNi原子を1012cm−2の濃度で付着させて汚染処理を行った後、そのシリコンウエーハに熱処理を行った。このとき、熱処理は、800℃まで加熱した後、その温度で14分間保持することによってウエーハのバルク中にNi原子を拡散させ、その後、800℃から室温までの冷却速度を50℃/minまたは200℃/minの二つの条件に設定し冷却を行った。
【0040】
熱処理後、それぞれのウエーハに混酸系の選択エッチング液(JIS H0609:1999によるB液)による選択エッチング処理を行ってウエーハ表面にシャローピット(S−pit)を形成し、形成されたシャローピットを光学顕微鏡にて観察し、その密度を測定した。その結果を図1に示す。
図1に示すように、熱処理において冷却速度を50℃/minに設定して冷却を行った場合、BMDを含まないウエーハではシャローピットが10cm−2以上の密度で観察されているのに対し、熱処理を行ってバルク中にBMDを形成したウエーハは、いずれもウエーハ表面にシャローピットがほとんど観察されなかった。このことから、これらのウエーハはいずれもIG能力を有していることがわかる。
【0041】
次に、冷却速度を200℃/minに設定して冷却を行ったウエーハについてそのシャローピット密度を比較してみると、BMD半径を一定にしてBMD密度を変化させた場合では、BMD密度が大きくなるほどS−pit密度が減少しており、ゲッタリング能力が向上していることがわかる。また、BMD密度を一定にしてBMD半径を変化させたウエーハを比較すると、BMD半径が大きくなるほどS−pit密度が減少しているため、IG能力が向上していることがわかる。このように、各ウエーハに形成されたS−pit密度の大きさを比較することによって、ウエーハ間のわずかなIG能力の差を直接的にかつ正確に把握することができることがわかる。
【0042】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のゲッタリング能力の評価方法によれば、半導体ウエーハが実際に有するIG能力を直接的に測定でき、複数の半導体ウエーハ間の微小なIG能力差を正確に評価することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】シリコンウエーハの表面に形成したシャローピットの密度を比較したグラフである。
【図2】冷却速度とシャローピット密度の関係を示すグラフである。
【図3】様々なBMD密度及びBMD半径を有するウエーハにおけるシャローピットの発生の有無を観察した結果を示すグラフである。

Claims (2)

  1. 半導体ウエーハが有するインターナルゲッタリング(IG)の能力を評価する方法であって、少なくとも2種類以上の半導体ウエーハに対し、Niによる汚染処理、熱処理、選択エッチング処理を同一条件で順次行って半導体ウエーハの表面に浅いエッチピット(シャローピット)を形成し、前記熱処理において、冷却を行う際の冷却速度をウエーハ表面にエッチピットが10 /cm 以上の密度で形成される速度に制御し、該ウエーハ表面に形成された浅いエッチピットの密度を測定した後、それぞれの半導体ウエーハのエッチピット密度を比較することによって、IG能力を評価することを特徴とするゲッタリング能力の評価方法。
  2. 前記冷却を行う際の冷却速度を、1〜10000℃/minの範囲に制御することを特徴とする請求項に記載のゲッタリング能力の評価方法。
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