JP4672042B2 - 射出成形機のスクリュ駆動方法及び装置 - Google Patents

射出成形機のスクリュ駆動方法及び装置 Download PDF

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Description

本発明は、先端部に逆流防止バルブを設けたスクリュを駆動する射出成形機のスクリュ駆動方法及び装置に関する。
一般に、インラインスクリュ式射出成形機では、スクリュの先端部に逆流防止バルブを設けることにより、射出時における溶融樹脂の逆流防止を図っている。また、この種の射出成形機では、より確実な逆流防止を実現することを目的として、スクリュを回転(正回転)させて計量を行った後、スクリュを僅かな回転数(回転角)だけ逆回転させることにより、強制的に逆流防止バルブを閉鎖する方法も行われている。
しかし、スクリュを単純に逆回転させる方法は、逆回転後における逆流防止バルブの位置或いは樹脂圧にバラツキを生じやすく、計量した樹脂量のショット毎の変動を防止するには不十分となり、高い計量精度を確保できないとともに、逆流防止バルブの前方の樹脂圧よりも後方の樹脂圧が高い状態となる計量終了後にスクリュを逆回転させるため、逆流防止バルブが後方(閉鎖方向)へ移動しにくく、逆流防止バルブを十分な状態で閉鎖できない問題があった。
そこで、本出願人は、既に、この問題を解決する射出成形機の計量方法を特許文献1により提案した。この計量方法は、先端部に逆流防止バルブを設けたスクリュを正回転させて計量を行う計量主処理工程と、この計量主処理工程の終了後、スクリュを逆回転させて計量後処理を行う計量後処理工程とを含む計量方法であって、計量主処理工程の終了後、スクリュを回転自由状態にして前進移動させるとともに、この前進移動時におけるスクリュの回転状態を監視し、スクリュの回転が停止状態になったならスクリュを所定の回転量だけ逆回転させる計量後処理工程を行うようにしたものであり、逆回転後における樹脂圧のバラツキ、更には計量した樹脂量のショット毎の変動を低減し、高い計量精度を確保することができる。
特開2006−327127号公報
しかし、上述した射出成形機の計量方法は、スクリュを回転自由状態にして前進移動させ、この前進移動時におけるスクリュの回転状態を監視するようにしたため、スクリュを駆動モータにより回転させる電動式の駆動部を搭載する射出成形機の場合には、所望の効果を期待できるが、スクリュをオイルモータにより回転させる油圧式の駆動部を搭載する射出成形機の場合には、スクリュに対する回転方向の抵抗が比較的大きくなるなど、十分な回転自由状態をつくり出すことができず、この計量方法を油圧式の駆動部を搭載する射出成形機にそのまま適用しても所望の効果を得れないという課題が存在した。
即ち、上述した射出成形機の計量方法は、油圧式の駆動部を搭載する射出成形機にとって必ずしもベストな手法とはいえず、計量した樹脂量のショット毎の変動を低減し、高い計量精度を確保する観点からは、油圧式の駆動部に対して最適化するための更なる改善の余地が残されていた。
本発明は、このような背景技術に存在する課題を解決した射出成形機のスクリュ駆動方法及び装置の提供を目的とするものである。
本発明に係る射出成形機Mのスクリュ駆動方法は、上述した課題を解決するため、先端部に逆流防止バルブ3を設けたスクリュ2を駆動するに際し、油圧駆動部4によりオイルモータ5を駆動してスクリュ2を正回転させる計量主処理工程Saと、この計量主処理工程Saの終了後、油圧駆動部4によりオイルモータ5を駆動してスクリュ2を所定の回転角Q1,Q2だけ逆回転させ、かつ当該逆回転時にはスクリュ2の回転開始時における前進方向の圧力を保持する制御を行う逆回転処理(S3,S7),及びこの逆回転処理(S3,S7)の終了後に油圧駆動部4により射出シリンダ6を駆動してスクリュ2を所定の加圧時間T1,T2だけ前進方向に加圧する加圧処理(S5,S9)を、少なくとも二回以上行う計量後処理工程Sbを有することを特徴とする。
この場合、発明の好適な態様により、加圧処理(S5,S9)には、スクリュ2を回転自由状態にして行う加圧処理(S9)を含ませることができる。また、油圧駆動部4には、駆動モータ11の回転数を可変制御して、少なくとも吐出流量を制御可能な油圧ポンプ部9を有する油圧駆動部を用いることができる。
一方、本発明に係る射出成形機のスクリュ駆動装置1は、上述した課題を解決するため、先端部に逆流防止バルブ3を設けたスクリュ2を駆動するスクリュ駆動装置であって、スクリュ2を正回転又は逆回転可能なオイルモータ5及びスクリュ2を前進方向又は後退方向に加圧可能な射出シリンダ6を有するスクリュ駆動部7と、このスクリュ駆動部7に接続する油圧回路部8及びこの油圧回路部8に接続する油圧ポンプ部9を有する油圧駆動部4と、この油圧駆動部4を制御し、計量主処理工程Saではオイルモータ5を駆動してスクリュ2を正回転させるとともに、計量後処理工程Sbではオイルモータ5を駆動してスクリュ2を所定の回転角Q1,Q2だけ逆回転させ、かつ当該逆回転時にはスクリュ2の回転開始時における前進方向の圧力を保持する制御を行う逆回転処理(S3,S7),及びこの逆回転処理(S3,S7)の終了後に射出シリンダ6を駆動してスクリュ2を所定の加圧時間T1,T2だけ前進方向に加圧する加圧処理(S5,S9)を、少なくとも二回以上行う成形機コントローラ10とを備えることを特徴とする。
この場合、発明の好適な形態により、油圧駆動部4には、駆動モータ11の回転数を可変制御して、少なくとも吐出流量を制御可能な油圧ポンプ部9を用いることができる。他方、油圧回路部8は、オイルモータ5を逆回転させる以外の切換を行う切換弁V1,V2に加え、オイルモータ5に接続して当該オイルモータ5を逆回転させる追加切換弁V3を備えて構成できる。また、油圧回路部8は、スクリュ2の後退に対して背圧制御を行うとともに、圧力センサ12を有することにより背圧に対するマイナループのフィードバック制御を行う背圧制御弁V4を備えて構成できる。なお、この背圧制御弁V4には、外部の油圧を検出可能な圧力センサ12を設けることが望ましい。さらに、オイルモータ5の正回転時及び逆回転時の回転数又は回転角を検出するロータリエンコーダ13を備えて構成できる。
このような本発明に係る射出成形機のスクリュ駆動方法及び装置1によれば、次のような顕著な効果を奏する。
(1) スクリュ2を所定の回転角Q1,Q2だけ逆回転させ、かつ当該逆回転時にはスクリュ2の回転開始時における前進方向の圧力を保持する制御を行う逆回転処理(S3,S7),及びこの逆回転処理(S3,S7)の終了後にスクリュ2を所定の加圧時間T1,T2だけ前進方向に加圧する加圧処理(S5,S9)を、少なくとも二回以上行う計量後処理工程Sbを設けたため、油圧式の駆動部を搭載する射出成形機Mであっても、計量後処理工程Sbにおけるスクリュ2を回転自由状態にして前進させる際の挙動(作用)を電動式の駆動部に近似させることができる。したがって、油圧式の駆動部であってもスクリュ2の逆流防止バルブ3を的確に閉鎖することが可能となり、樹脂圧のバラツキ、更には計量した樹脂量のショット毎の変動を低減し、高い計量精度を確保できるなど、電動式の駆動部の場合と同等の効果を享受できる。
(2) 逆回転処理(S3,S7)では、スクリュ2の回転開始時における前進方向の圧力を保持する制御を行いながら逆回転させるようにしたため、樹脂密度を保持した状態で逆回転できる。これにより、逆流防止バルブ3の閉鎖をより安定に行うことができ、計量した樹脂量の変動防止(計量精度の向上)に寄与できる。
(3) 好適な態様により、加圧処理(S5,S9)に、スクリュ2を回転自由状態にして行う加圧処理(S9)を含ませれば、特に、逆回転処理(S7)と組合わせることにより、樹脂密度を保持した状態で加圧できるため、逆流防止バルブ3の閉鎖をより安定に行うことができ、計量した樹脂量の変動防止(計量精度の向上)に寄与できる。
(4) 好適な態様により、油圧駆動部4に、駆動モータ11の回転数を可変制御して、少なくとも吐出流量を制御可能な油圧ポンプ部9を有する油圧駆動部を用いれば、本発明に係るスクリュ駆動方法をより円滑に実施できるとともに、実効性の高い実施態様として実現できる。また、ポンプ本体に対するインバータ制御により、省エネルギ性の向上及びランニングコストの削減を図ることができる。
(5) 好適な態様により、油圧回路部8を、オイルモータ5を逆回転させる以外の切換を行う切換弁V1,V2に加え、オイルモータ5に接続して当該オイルモータ5を逆回転させる追加切換弁V3を備えて構成すれば、油圧式の駆動部における逆回転処理(S3,S7)を実現するに際し、一つの切換弁の追加で足りるため、比較的簡易な構成により容易に実現できる。
(6) 好適な態様により、油圧回路部8を、スクリュ2の後退に対して背圧制御を行うとともに、圧力センサ12を有することにより背圧に対するマイナループのフィードバック制御を行う背圧制御弁V4を備えて構成すれば、より精度の高い安定した計量主処理工程Sa及び逆回転処理(S3,S7)を行うことができる。
(7) 好適な態様により、背圧制御弁V4に、外部の油圧を検出可能な圧力センサ12を設ければ、この圧力センサ12により射出シリンダ6の後油室6rにおける油圧を直接検出することができるため、背圧に対するマイナループのフィードバック制御を高精度で行うことができるとともに、射出シリンダ6に付設する他の圧力センサを削減することができる。
(8) 好適な態様により、オイルモータ5の正回転時及び逆回転時の回転数又は回転角を検出するロータリエンコーダ13を用いれば、正回転時及び逆回転時におけるスクリュ2の回転数又は回転角を正確に検出することができ、より精度の高い安定した計量主処理工程Sa及び逆回転処理(S3,S7)を行うことができる。
次に、本発明に係る最良の実施形態を挙げ、図面に基づき詳細に説明する。
まず、本実施形態に係るスクリュ駆動装置1の構成及びこのスクリュ駆動装置を備える射出成形機Mの概略構成について、図3〜図7を参照して説明する。
図3中、Mは油圧式の射出成形機であり、特に、型締装置を省略した射出装置Miを示す。射出装置Miは、後部に配したスクリュ駆動部7を備えるとともに、このスクリュ駆動部7の前方に一体に組付けた加熱筒31を備える。加熱筒31は、前端に射出ノズル32を有するとともに、後部にホッパー33を備え、加熱筒31にはスクリュ2を内蔵する。スクリュ駆動部7は、射出シリンダ6及びこの射出シリンダ6の後端に配したオイルモータ5を備える。射出シリンダ6は、片ロッドタイプのピストン6pを内蔵し、ピストン6pから突出する片ロッド部6prはシリンダ本体の前端から前方に突出してスクリュ2の後端に結合する。したがって、射出シリンダ6の内部は、ピストン6pによって前油室6fと後油室6rに仕切られる。一方、ピストン6pの後端には、オイルモータ5の駆動シャフト5sがスプライン結合する。オイルモータ5は正回転及び逆回転の双方に回転可能なタイプを用いる。これにより、射出シリンダ6はスクリュ2を前進方向又は後退方向に加圧可能(移動可能)になるとともに、オイルモータ5はスクリュ2を正回転又は逆回転可能となる。
また、スクリュ2の先端部には、図4(a),(b)に示すように、リングバルブ(逆流防止バルブ)3を備える。スクリュ2は、最先端部に先端尖形となる円錐状のスクリュヘッド2hを有するとともに、このスクリュヘッド2hからフライト2f側間に、比較的小径のバルブ装填軸部2sを有し、このバルブ装填軸部2sに円筒形のリングバルブ3を変位自在に装填する。これにより、リングバルブ3は、バルブ装填軸部2sの軸方向(前後方向)に所定のストロークにわたってスライド自在となる。したがって、リングバルブ3が後退し、図4(b)に示すように、フライト2f側に形成したバルブシート2rに当接すれば、フライト2f側からスクリュヘッド2h側に至る樹脂通路が遮断、即ち、リングバルブ3が閉鎖するとともに、リングバルブ3が前進し、図4(a)に示すように、バルブシート2rから離間すれば、当該樹脂通路が開放される。
他方、スクリュ駆動部7には油圧駆動部4を接続する。油圧駆動部4は、油圧回路部8及びこの油圧回路部8に接続した油圧ポンプ部9を備え、この油圧回路部8及び油圧ポンプ部9は成形機コントローラ10により制御される。この場合、成形機コントローラ10は、成形機全体の制御を司るコンピューティング機能を有し、格納した処理プログラム10pにより各種シーケンス制御(プロセス制御)及び通信制御等を実行するとともに、演算処理及び記憶処理等の各種データ処理を行う機能を備えており、特に、後述する本実施形態に係るスクリュ駆動方法における一連の制御(シーケンス制御)を実行することができる。図3中、35はスクリュ2の位置(スクリュ位置)を直接検出するリニアスケールを用いた位置センサを示すとともに、13はオイルモータ5の正回転時及び逆回転時の回転数又は回転角を直接検出するロータリエンコーダを示す。この位置センサ35及びロータリエンコーダ13は、成形機コントローラ10に付属し、それぞれ成形機コントローラ10の入力ポートに接続する。このようなロータリエンコーダ13を用いれば、正回転時及び逆回転時におけるスクリュ2の回転数又は回転角を正確に検出できるため、後述する主計量処理及び逆回転処理を高精度かつ安定に行うことができる。以上のスクリュ駆動部7,油圧駆動部4(油圧回路部8,油圧ポンプ部9)及び成形機コントローラ10が本実施形態に係るスクリュ駆動装置1を構成する。
図5には、スクリュ駆動装置1をより具体化した油圧系及び制御系における回路図の一例を示す。なお、図5において、図3と同一の部分には同一符号を付してその構成を明確にした。
まず、油圧ポンプ部9には、油圧駆動源となる可変吐出型油圧ポンプ9sを用いる。可変吐出型油圧ポンプ9sは、ポンプ本体41とこのポンプ本体41を回転駆動するサーボモータ11s(駆動モータ11)を備える。この可変吐出型油圧ポンプ9sは、サーボモータ11sの回転数を可変制御して、少なくとも吐出流量を制御することができる。サーボモータ11sは、成形機コントローラ10の出力ポートに接続した交流サーボモータを用いる。サーボモータ11sには、このサーボモータ11sの回転数を検出するロータリエンコーダ11eが付設され、このロータリエンコーダ11eは成形機コントローラ10の入力ポートに接続する。また、ポンプ本体41は、斜板型ピストンポンプにより構成する。したがって、ポンプ本体41は、斜板42を備え、この斜板42の傾斜角(斜板角)を大きくすれば、ポンプ本体41におけるポンプピストンのストロークが大きくなり、吐出流量が増加するとともに、斜板角を小さくすれば、同ポンプピストンのストロークが小さくなり、吐出流量が減少する。よって、斜板角を所定の角度に設定することにより、吐出流量が所定の大きさに固定される固定吐出流量を設定可能である。さらに、斜板42には、コントロールシリンダ43及び戻しスプリング44を付設するとともに、コントロールシリンダ43は、切換弁(電磁弁)Vc,絞り45,逆止弁46を介してポンプ本体41の吐出口に接続する。これにより、コントロールシリンダ43を制御すれば、斜板42の角度(斜板角)を変更することができる。なお、47はポンプ圧センサを示す。このように、油圧ポンプ部9に、サーボモータ11sの回転数を可変制御して、少なくとも吐出流量を制御可能な可変吐出型油圧ポンプ9sを用いれば、後述する本実施形態に係るスクリュ駆動方法をより円滑に実施できるとともに、実効性の高い実施態様として実現できる。しかも、ポンプ本体41に対するインバータ制御により、省エネルギ性の向上及びランニングコストの削減を図れる利点がある。そして、ポンプ本体41の吸入口は、オイルタンク48に接続するとともに、ポンプ本体41の吐出口は油圧回路部8に接続する。
他方、油圧回路部8は、第一方向切換弁(電磁弁)V1,第二方向切換弁(電磁弁)V2,追加切換弁(電磁弁)V3及び背圧制御弁V4を備え、図5に示すように接続して油圧回路部8を構成する。なお、51,52,53は逆止弁、54は絞りを示す。したがって、この油圧回路部8は、オイルモータ5を逆回転させる以外の切換を行う二つの切換弁V1,V2に加え、オイルモータ5に接続して当該オイルモータ5を逆回転させる追加切換弁V3を備えている。このような構成を採用すれば、油圧式の駆動部におけるスクリュ2に対する逆回転処理を実現するに際し、一つの切換弁の追加で足りるため、比較的簡易な構成により容易に実現できる利点がある。
また、背圧制御弁V4は、スクリュ2の後退に対して背圧制御を行うとともに、圧力センサ12を有することにより背圧に対するマイナループのフィードバック制御(クローズドループ制御)を行うことができるユニットとして構成する。このような背圧制御弁V4を用いれば、より精度の高い安定した計量処理(計量主処理工程)及びスクリュ2に対する逆回転処理を行うことができる利点がある。
図6及び図7に、背圧制御弁V4の具体的な構造を示す。この背圧制御弁V4は、弁ボディ61及び電磁ソレノイド62を含む基本的な制御弁を構成する弁機構部60を備えるとともに、圧力センサ12,温度センサ63及び回路ボックス64を備える。弁ボディ61は内部に弁座部61sを形成するとともに、この弁座部61sに対応する進退自在の弁体61mを内蔵する。そして、この弁体61mは電磁ソレノイド62のアーマチュア62sに結合するとともに、弁座部61sは上流側となる作動油の流入ポート65i及び下流側となる作動油の流出ポート65oにそれぞれ連通する。なお、66は弁体61mを戻し方向に付勢するスプリングを示す。
さらに、弁ボディ61の外面には圧力センサ12をネジ込み式に取付け、圧力センサ12の先端に設けた圧力検知面12dを弁ボディ61の内部に設けた油路67に臨ませる。例示する油路67は、圧力検知面12dが対面する第三直線油路67c,この第三直線油路67cに連通する第二直線油路67b,この第二直線油路67bに連通する第一直線油路67aにより構成し、第一直線油路67aの外端は弁ボディ61の外面に開口する接続ポート67sとなる。また、弁ボディ61の外面に臨む第二直線油路67b及び第三直線油路67cの開口は、閉塞キャップ68b及び68cをそれぞれ螺着して閉塞する。この場合、閉塞キャップ68cは温度センサ63の取付部材に兼用する。即ち、温度センサ63を閉塞キャップ68cの中心に貫通して取付け、閉塞キャップ68cを第三直線油路67cに螺着した際に、温度センサ63の先端検出部を第三直線油路67cの内部に臨ませる。これにより、温度センサ63は、図6に示すように、圧力検知面12dに近接した作動油の温度を検出することができる。
そして、温度センサ63及び圧力センサ12は回路ボックス64に接続する。この回路ボックス64は、図5に示す電気系の回路、即ち、信号処理部71,演算部72及びアンプ部73を内蔵し、この信号処理部71に、温度センサ63及び圧力センサ12を接続することにより、マイナループのフィードバック制御回路Csを構成する。なお、74は、回路ボックス64に設けた入力端子74a及び出力端子74bを有するコネクタである。このフィードバック制御回路Csは、次のように動作(機能)する。まず、信号処理部71は、主に温度センサ63の検出結果(油温)に対応して圧力センサ12の出力信号を補正する機能を有する。したがって、圧力センサ12の出力信号及び温度センサ63の出力信号が信号処理部71に付与されることにより、信号処理部71からは、温度補正された圧力センサ12の出力信号(圧力検出値)Spdが得られ、この圧力検出値Spdは、演算部72の反転入力部に入力する。一方、成形機コントローラ10からは、背圧に対する指令信号(圧力指令値)Spcが付与され、この圧力指令値Spcは、入力端子74aを介して演算部72の非反転入力部に入力する。これにより、演算部72の出力部からは、圧力指令値Spcと圧力検出値Spdの偏差に基づく制御信号が得られ、この制御信号は、アンプ部73を介して電磁ソレノイド62に供給される。よって、制御信号により弁体61mの軸方向位置が可変制御され、圧力検出値Spdが圧力指令値Spcに一致するように背圧に対するマイナループのフィードバック制御が行われる。
ところで、マイナループのフィードバック制御回路Csを備える従来の背圧制御弁V4における圧力センサ12は、通常、流入ポート65i内の油圧を検出できるように組付けている。即ち、上述した油路67は、弁ボディ61の外面に臨むことなく流入ポート65iに連通する構造となる。しかし、本実施形態に係る背圧制御弁V4では、油路67と流入ポート65iを遮断し、油路67の先端を接続ポート67sとすることにより、外部の油圧を検出可能にしている。したがって、本実施形態では、図5に示すように、接続ポート67sを、外部の配油管を介して射出シリンダ6の後油室6rに接続し、射出シリンダ6の後油室6rに生じる背圧を直接検出できることになり、背圧に対するマイナループのフィードバック制御を高精度で行うことができる。また、射出シリンダ6に付設する他の圧力センサを兼用できるため、他の圧力センサを削減できる利点がある。
なお、図5からも明らかなように、背圧制御弁V4は、通常、第一方向切換弁V1の下流側に接続するため、圧力センサ12を内蔵する背圧制御弁V4では、圧力センサ12により射出シリンダ6の後油室6rにおける背圧を直接検出することは困難となり、結局、正確な背圧制御を行うことができない。勿論、本実施形態に係る背圧制御弁V4であっても、必要に応じてオプション配油管等により流入ポート65iと接続ポート67sを接続すれば、従来構造の背圧制御弁V4として用いることもできる。
また、背圧制御弁V4には、背圧に対する第二のフィードバック制御系(クローズドループ制御系)が付設されている。即ち、背圧制御弁V4における信号処理部71から出力する温度補正された圧力検出値Spdは、出力端子74bを介して成形機コントローラ10に付与されるとともに、成形機コントローラ10により、圧力検出値Spdの大きさに基づいて圧力指令値Spcが補正され、この補正された圧力指令値Spcが背圧制御弁V4の入力端子74aに付与される第二のフィードバック制御回路Cmを備えている。
このフィードバック制御回路Cmは次の理由により設けている。成形機コントローラ10と背圧制御弁V4は異なる設置環境等の原因により、両者の内部電位間には、微妙な電位差(数十〔mV〕程度)を生じる虞れがある。この場合、射出圧力や型締圧力などは、通常、15〔MPa〕程度の大きな圧力となるため、このような電位差(オフセットレベル)はほとんど問題にならない。しかし、背圧の場合、通常、0.5〔MPa〕程度の小さな圧力となるため、このようなオフセットレベルの発生は無視できない誤差要因となる。そこで、フィードバック制御回路Cmを設けることにより、信号処理部71から出力する温度補正された圧力検出値Spdを成形機コントローラ10にも取り込み、例えば、圧力検出値Spdが正規の圧力指令値よりも小さい値になっているときは、その偏差分を正規の圧力指令値に加算し、この加算された圧力指令値Spcを背圧制御弁V4に付与することにより、圧力検出値Spdが常に正規の圧力指令値の大きさに一致するようにフィードバック制御を行っている。
さらに、成形機コントローラ3には、図5に示すように、ロータリエンコーダ13が接続され、オイルモータ5の回転数(回転数検出値)が得られるため、この回転数検出値と予め設定した回転数設定値に基づいてサーボモータ11sの回転数を可変制御する第三のフィードバック制御回路Crを設けている。これにより、
オイルモータ5で回転させるスクリュ2の回転状態を直ちに油圧ポンプ部9の制御に反映できるため、スクリュ2の回転数を速やかに目標の回転数に立ち上げることができるなど、スクリュ2を回転させる際の応答性を高めることができる。特に、上述した背圧制御弁V4と組み合わせることにより、背圧制御にも良い影響を与えることができ、背圧制御を安定かつ的確に行うことができる。
次に、このような構成を有するスクリュ駆動装置1の動作を含む本実施形態に係るスクリュ駆動方法について、図1〜図9を参照して説明する。
まず、計量主処理工程Sa及び計量後処理工程Sbを含む計量工程の動作について説明する。計量工程の処理手順を図1にフローチャートで示す。
最初に計量主処理工程Saが行われる。計量主処理工程Saでは、図5の油圧回路部8における切換弁V1及びV2を共にシンボルbに切換えるとともに、切換弁V3をシンボルaに切換える。なお、切換弁Vcは図5に示すポジションを維持する。これにより、可変吐出型油圧ポンプ9sの作動油は、オイルモータ5を正回転、即ち、スクリュ2を正回転させて計量を行う(ステップS1)。この場合、可塑化された溶融樹脂が加熱筒31の内部におけるスクリュ2の前方に計量蓄積されるとともに、これに対応してスクリュ2が後退する。スクリュ2の後退に伴って射出シリンダ6における後油室6rの作動油が排出され、この排出された作動油は、背圧制御弁V4を通ってオイルタンク48に戻される。したがって、スクリュ2の後退に対して背圧制御弁V4による背圧制御が行われる。背圧に対しては、上述したように、背圧制御弁V4に備えるフィードバック制御回路Csによるマイナループのフィードバック制御と、背圧制御弁V4に付設した成形機コントローラ10による第二のフィードバック制御回路Cmによるフィードバック制御(クローズドループ制御)が行われる。即ち、二重のフィードバック制御系により、背圧に対する精度の高い安定した制御が行われる。図4(a)は、計量主処理工程Saにおけるスクリュ2の状態を示し、矢印Rpはスクリュ2の回転方向(正回転方向)を示すとともに、矢印Ffは溶融樹脂の相対移動方向を示す。
一方、計量処理が進行し、スクリュ2が設定した計量終了位置Xmに達したなら切換弁V1を中立ポジションに切換えて、スクリュ2の回転を停止させるとともに、切換弁V3をシンボルbに切換えて、オイルモータ5を逆回転、即ち、スクリュ2を逆回転させる一回目の逆回転処理を行う(ステップS2,S3)。この場合、切換弁V1を中立ポジションに切換えることにより、計量主処理工程Saが終了するとともに、切換弁V3をシンボルbに切換えることにより、計量後処理工程Sbが開始する。また、逆回転処理によりスクリュ2を逆回転させる回転角は、予め第一回転角Q1として設定する。第一回転角Q1としては、例えば、20〜80〔゜〕程度に設定することができる。逆回転処理に伴う実際の回転角はロータリエンコーダ13により検出される。さらに、逆回転処理時には、スクリュ2の回転開始時における前進方向の圧力を保持する制御を行う。これにより、樹脂密度を保持した状態で逆回転できるため、リングバルブ3の閉鎖をより安定に行うことができ、計量した樹脂量の変動防止(計量精度の向上)に寄与できる。そして、検出される回転角が第一回転角Q1に達したなら、切換弁V3を中立ポジションに切換える。これにより、スクリュ2の回転を停止させ、逆回転処理を終了させる(ステップS4)。次いで、切換弁V1及びV3を共にシンボルaに切換えて、スクリュ2を前進方向に加圧する一回目の加圧処理を行う(ステップS5)。この場合、加圧は、予め設定した加圧時間T1だけ行う。加圧時間T1としては、例えば、0.5〜1.5〔秒〕程度に設定できる。そして、設定した加圧時間T1に達したなら、切換弁V1を中立ポジションに切換え、スクリュ2の加圧(前進)を停止させて加圧処理を終了させる。
次いで、切換弁V3をシンボルbに切換え、オイルモータ5を逆回転、即ち、スクリュ2を逆回転させる二回目の逆回転処理を行う(ステップS6,S7)。スクリュ2を逆回転させる回転角は、予め第二回転角Q2として設定する。第二回転角Q2としては、例えば、80〜160〔゜〕程度に設定することができる。逆回転処理に伴う実際の回転角はロータリエンコーダ13により検出される。そして、検出される回転角が第二回転角Q2に達したなら、切換弁V3を中立ポジションに切換える。これにより、スクリュ2の回転を停止させ、逆回転処理を終了させる(ステップS8)。次いで、切換弁V1をシンボルaに切換えて、スクリュ2を前進方向に加圧する二回目の加圧処理を行う(ステップS9)。この場合、加圧は、予め設定した加圧時間T2だけ行う。加圧時間T2としては、上述した加圧時間T1と同様に、例えば、0.5〜1.5〔秒〕程度に設定できる。この際、切換弁V3は中立ポジションを維持し、スクリュ2は回転自由状態にする。加圧処理を行うに際し、スクリュ2を回転自由状態にして行う加圧処理を含ませれば、特に、前段に行う逆回転処理と組合わせることにより、樹脂密度を保持した状態で加圧できるため、リングバルブ3の閉鎖をより安定に行うことができ、計量した樹脂量の変動防止(計量精度の向上)に寄与できる。そして、設定した加圧時間T2に達したなら、切換弁V1をシンボルbに切換えた後、中立ポジションに切換えるとともに、切換弁V2をシンボルaに切換え、加圧処理を終了させ、かつスクリュ2を後退させるサックバック処理に移行させる(ステップS10,S11)。
サックバック処理では、スクリュ2を予め設定したストローク(例えば、1〜2〔mm〕前後)だけ後退移動させる。この場合、スクリュ2の後退速度は、後退時にリングバルブ3が開かない比較的低速となる後退速度により行う。これにより、スクリュ2の後退速度が速すぎてリングバルブ3が開いてしまう弊害を回避できる。なお、この低速による後退移動は、背圧制御弁4の制御により実現可能となる。また、スクリュ2を設定したストロークだけ後退させたなら、切換弁V2をシンボルbに切換え、射出工程への待機状態に移行させる(ステップS12,S13)。図4(b)は、サックバック処理を行った後におけるスクリュ2の状態を示す。このように、第二の加圧処理を行った後にサックバック処理を行えば、サックバック処理の前に、リングバルブ3に対して前方の樹脂圧を後方の樹脂圧よりも高くした状態でリングバルブ3を閉鎖できるため、この後のサックバック処理によりリングバルブ3が再度開いてしまう弊害を排除できる。したがって、射出開始の前にリングバルブ3を確実かつ安定に閉鎖できる利点がある。そして、この後、射出開始のタイミングになったなら後述する射出工程を行う(ステップS14,S15)。
なお、以上の計量後処理工程Sbでは、スクリュ2を所定の回転角Q1,Q2だけ逆回転させる逆回転処理及びスクリュ2を所定の加圧時間T1,T2だけ前進方向に加圧する加圧処理をそれぞれ二回行った場合を示したが、この逆回転処理及び加圧処理は、三回以上行ってもよいし、一回行う場合を排除するものではない。しかし、一回では、十分な効果を得る観点からはやや難があり、他方、三回以上行っても回数に見合った効果を得れないため、時間対効果(効率)の観点からは、二回が好適である。
他方、計量工程では次の処理を行うことができる。まず、成形機コントローラ10は、計量主処理工程Saの終了により計量終了位置Xmを検出して記憶する。なお、計量終了位置Xmは予め設定されているため、設定された計量終了位置Xm(設定値)を用いてもよい。また、第二回転角Q2だけ逆回転させる二回目の逆回転処理が終了したなら、このときのスクリュ位置Xnを検出する(ステップS101)。そして、検出したスクリュ位置Xnと上述した計量終了位置Xmとの偏差を求めるとともに、求めた偏差を補正量Ecとして記憶する(ステップS102)。この補正量Ecはスクリュ位置の偏差であるため、計量後処理工程Sbの終了後に行う射出工程における位置設定値の補正に用いることができる。さらに、得られた計量終了位置Xm,スクリュ位置Xn及び補正量Ec等の検出(演算)データは、記憶することにより他の目的(データ表示や解析等)に利用することもできる。
次に、充填工程及び保圧工程を含む射出工程の動作について説明する。射出工程の処理手順を図2にフローチャートで示す。
射出工程の開始に先だって、上述した補正量Ecにより射出工程における位置設定値を補正する(ステップS21)。この位置設定値には、多段設定した射出速度の切換位置等を含めることができる。なお、この補正処理は、上述したサックバック処理が終了し、射出工程が開始するまでの待機期間に行うことができる。このような補正を行えば、計量後処理工程Sbにおいて発生するスクリュ位置の誤差分を排除することができ、計量した樹脂量の更なる変動防止を図れるとともに、より高い計量精度を確保できる。
一方、射出開始のタイミングになったなら、切換弁V1及びV2を共にシンボルaに切換える。これにより、スクリュ2がスクリュ開始位置から前進し、計量された溶融樹脂を不図示の金型に射出充填する(ステップS22)。そして、スクリュ2が予め設定したVP切換位置、即ち、速度制御区間から圧力制御区間に切換えるVP切換位置に達したなら、VP切換を行い、保圧工程に移行させる(ステップS23,S24,S25)。なお、このVP切換位置も上述した補正量Ecによる補正対象に含めることができる。この後、保圧工程の終了タイミングに達したなら保圧工程を終了させる(ステップS26)。これにより、一連の射出工程が終了する。射出工程が終了し、次ショット(成形サイクル)が続行する場合には、次ショットの計量工程に移行し、上述した計量工程と同様の処理が繰り返して行われる。
他方、射出工程では次の処理を行うことができる。まず、充填工程では、スクリュ2を回転自由状態にして前進させる。これにより、スクリュ2は樹脂状態(粘性や樹脂圧等)に基づいて回転することができるため、成形機コントローラ10は、スクリュ2の回転状態を監視する(ステップS201)。この場合、スクリュ2の回転状態、即ち、回転角はロータリエンコーダ13により検出できる。そして、この回転状態に基づいて成形に対する良否判定を行う(ステップS202)。具体的には、検出した逆回転方向の回転角が予め設定した閾値以上のときに成形不良と判定する。このような判定を行えば、リングバルブ3の閉鎖が不十分となることに基づく成形不良の想定される成形品を確実に判別できるとともに、成形条件の最適化,検証及び解析等に利用することができる利点がある。なお、充填工程において、このような処理を行うか否か、即ち、スクリュ2を回転自由状態にするか否かは任意に選択できる。
図8は、本実施形態に係るスクリュ駆動方法及び従来方法により成形を行った実際の成形品(バーフロー)の一部(先端部)を配列して示す。同図中、符号Gi…が本実施形態に係るスクリュ駆動方法により成形したバーフローであり、符号Gr…が計量(計量主工程)終了後、続けてサックバック処理を行う方法により成形したバーフローである。バーフローGi…は長さのバラツキが少なく、目標値に近い質量を得ている。これに対して、バーフローGr…はバラツキが大きく、しかも、目標値よりも質量が多めになる傾向を示しており、バリ等の不良品に結びつきやすい。なお、成形したバーフローは、横幅が10〔mm〕、厚さが1〔mm〕である。
図9は、より具体的なデータを示している。図9において、実施例2が本実施形態に係るスクリュ駆動方法により成形したバーフローであり、図8のバーフローGi…に対応する。また、比較例が計量(計量主工程)終了後、続けてサックバック処理を行う方法により成形したバーフローであり、図8のバーフローGr…に対応する。さらに、実施例1は、本発明に係るスクリュ駆動方法により成形するも逆回転処理及び加圧処理をそれぞれ一回行った場合である。したがって、実施例2は、逆回転処理及び加圧処理をそれぞれ二回行った場合である。図9は、30個の試料(バーフロー)を成形した際の質量〔g〕を示している。図9から明らかなように、バラツキ度合を示す変動係数6CVを見た場合、比較例では1.44、実施例1では0.47、実施例2では0.42となる。このように、実施例1及び実施例2の変動係数6CVは、比較例に対して1/3程度となり、質量のショット毎のバラツキは大幅に低減されている。また、実施例1と実施例2を対比した場合には、実施例2のほうが良好な結果を得ている。なお、図9中、Aveは平均値、Maxは最大値、Minは最小値、Rangeは最大値と最小値の偏差、σnは標準偏差をそれぞれ示している。
よって、このような本実施形態に係るスクリュ駆動方法及び装置1によれば、スクリュ2を所定の回転角Q1,Q2だけ逆回転させ、かつ当該逆回転時にはスクリュ2の回転開始時における前進方向の圧力を保持する制御を行う逆回転処理(S3,S7),及びこの逆回転処理(S3,S7)の終了後にスクリュ2を所定の加圧時間T1,T2だけ前進方向に加圧する加圧処理(S5,S9)を、少なくとも二回以上行う計量後処理工程Sbを設けたため、油圧式の駆動部を搭載する射出成形機Mであっても、計量後処理工程Sbにおけるスクリュ2を回転自由状態にして前進させる際の挙動(作用)を電動式の駆動部に近似させることができる。したがって、油圧式の駆動部であってもスクリュ2の逆流防止バルブ3を的確に閉鎖することが可能となり、樹脂圧のバラツキ、更には計量した樹脂量のショット毎の変動を低減し、高い計量精度を確保できるなど、電動式の駆動部の場合と同等の効果を享受できる。
以上、最良の実施形態について詳細に説明したが、本発明は、このような実施形態に限定されるものではなく、細部の構成,形状,数量,数値,手法等において、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、任意に変更,追加,削除することができる。例えば、逆流防止バルブ3としてリングバルブを例示したが必ずしもリングバルブに限定されるものではない。また、逆回転処理では、スクリュ2を設定した回転角Q1,Q2だけ逆回転させる場合を示したが、この回転角Q1,Q2は、時間(及び回転速度)により設定してもよい。さらに、油圧駆動部4として、駆動モータ11の回転数を可変制御して、少なくとも吐出流量を制御可能な油圧ポンプ部9を有する油圧駆動部を例示したが、固定吐出ポンプと流量制御弁を組合わせた油圧ポンプ部など、他の油圧ポンプ部を用いてもよいし、油圧回路部8は、例示の回路構成に限定されるものではなく、同様の機能を発揮する他の回路構成により置換してもよい。
本発明の最良の実施形態に係る射出成形機のスクリュ駆動方法による計量工程の処理手順を示すフローチャート、 同スクリュ駆動方法による射出工程の処理手順を示すフローチャート、 同スクリュ駆動方法を実施できる射出成形機の概略構成図、 同射出成形機に備えるスクリュの逆流防止バルブが開いた状態(a)及び逆流防止バルブが閉鎖した状態(b)を示す模式的構成図、 本発明の最良の実施形態に係る射出成形機のスクリュ駆動装置の油圧系及び制御系の回路図、 同スクリュ駆動装置に用いる背圧制御弁の一部断面側面図、 同背圧制御弁の平面図、 同スクリュ駆動方法(同スクリュ駆動装置)により成形した成形品(バーフロー)の一部(先端部)を配列して示す正面図、 同スクリュ駆動方法(同スクリュ駆動装置)により成形した成形品(バーフロー)の質量データを示す表、
1:スクリュ駆動装置,2:スクリュ,3:逆流防止バルブ,4:油圧駆動部,5:オイルモータ,6:射出シリンダ,6r:射出シリンダの後油室,7:スクリュ駆動部,8:油圧回路部,9:油圧ポンプ部,10:成形機コントローラ,11:駆動モータ,12:圧力センサ,13:ロータリエンコーダ,M:射出成形機,Sa:計量主処理工程,Sb:計量後処理工程,(S3,S7):逆回転処理,(S5,S9):加圧処理,(S11):サックバック処理,V1:切換弁,V2:切換弁,V3:追加切換弁,V4:背圧制御弁

Claims (9)

  1. 先端部に逆流防止バルブを設けたスクリュを駆動する射出成形機のスクリュ駆動方法において、油圧駆動部によりオイルモータを駆動して前記スクリュを正回転させる計量主処理工程と、この計量主処理工程の終了後、前記油圧駆動部により前記オイルモータを駆動して前記スクリュを所定の回転角だけ逆回転させ、かつ当該逆回転時には前記スクリュの回転開始時における前進方向の圧力を保持する制御を行う逆回転処理,及びこの逆回転処理の終了後に前記油圧駆動部により射出シリンダを駆動して前記スクリュを所定の加圧時間だけ前進方向に加圧する加圧処理を、少なくとも二回以上行う計量後処理工程を有することを特徴とする射出成形機のスクリュ駆動方法。
  2. 前記加圧処理には、前記スクリュを回転自由状態にして行う加圧処理を含むことを特徴とする請求項1記載の射出成形機のスクリュ駆動方法。
  3. 前記油圧駆動部には、駆動モータの回転数を可変制御して、少なくとも吐出流量を制御可能な油圧ポンプ部を有する油圧駆動部を用いることを特徴とする請求項1記載の射出成形機のスクリュ駆動方法。
  4. 先端部に逆流防止バルブを設けたスクリュを駆動する射出成形機のスクリュ駆動装置において、前記スクリュを正回転又は逆回転可能なオイルモータ及び前記スクリュを前進方向又は後退方向に加圧可能な射出シリンダを有するスクリュ駆動部と、このスクリュ駆動部に接続する油圧回路部及びこの油圧回路部に接続する油圧ポンプ部を有する油圧駆動部と、この油圧駆動部を制御し、計量主処理工程では前記オイルモータを駆動して前記スクリュを正回転させるとともに、計量後処理工程では前記オイルモータを駆動して前記スクリュを所定の回転角だけ逆回転させ、かつ当該逆回転時には前記スクリュの回転開始時における前進方向の圧力を保持する制御を行う逆回転処理,及びこの逆回転処理の終了後に前記射出シリンダを駆動して前記スクリュを所定の加圧時間だけ前進方向に加圧する加圧処理を、少なくとも二回以上行う成形機コントローラとを備えることを特徴とする射出成形機のスクリュ駆動装置。
  5. 前記油圧駆動部は、駆動モータの回転数を可変制御して、少なくとも吐出流量を制御可能な油圧ポンプ部を備えることを特徴とする請求項4記載の射出成形機のスクリュ駆動装置。
  6. 前記油圧回路部は、前記オイルモータを逆回転させる以外の切換を行う切換弁に加え、前記オイルモータに接続して当該オイルモータを逆回転させる追加切換弁を備えることを特徴とする請求項4記載の射出成形機のスクリュ駆動装置。
  7. 前記油圧回路部は、前記スクリュの後退に対して背圧制御を行うとともに、圧力センサを有することにより背圧に対するマイナループのフィードバック制御を行う背圧制御弁を備えることを特徴とする請求項4又は6記載の射出成形機のスクリュ駆動装置。
  8. 前記背圧制御弁は、前記射出シリンダの後油室の油圧を直接検出可能な圧力センサを備えることを特徴とする請求項7記載の射出成形機のスクリュ駆動装置。
  9. 前記オイルモータの正回転時及び逆回転時の回転数又は回転角を検出するロータリエンコーダを備えることを特徴とする請求項4記載の射出成形機のスクリュ駆動装置。
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