JP4671048B2 - 排気浄化装置 - Google Patents

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Description

本発明は、エンジンから排出される排気ガスを浄化、すなわち、排気ガスから有害物質を除去(削減)する排気浄化装置に関する。
自動車等に搭載されるエンジン、特にディーゼルエンジンから排出される排気ガス中には、一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)、窒素酸化物(NOx)等、環境に悪影響を与える虞のある汚染物質や、微粒子状物質(PM:Particulate Matter)等が多く含まれている。このため、一般的には、エンジンから排出される排気ガスが通過する排気通路に、例えば、上記汚染物質を分解(還元等)するための三元触媒や、PMを捕捉するためのパティキュレートフィルタ等を設け、排気ガスができるだけ無害化された状態で大気中に放出されるようにしている。
このようなパティキュレートフィルタは、使用に伴ってフィルタ内にPMが堆積して通過抵抗が増大するため、必要に応じて再生処理を行う必要がある。このような再生処理としては、パティキュレートフィルタに加熱装置を配設し、加熱によりPMを燃焼さて除去することが行われていたが、パティキュレートフィルタの上流に設けられた酸化触媒に燃料(軽油)などの炭化水素系液体を流入させて発熱反応を生じさせ、この熱によりパティキュレートフィルタの再生処理を行う方法も提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、ディーゼルエンジンにおいては、窒素酸化物(NOx)が特に多く発生し易い。このため、ディーゼルエンジンには、排気ガス中のNOxを効率的に分解するために、例えば、NOxの吸着と還元とを繰り返し行ってNOxを分解(還元)する、いわゆるNOx吸蔵触媒が多く採用されている。
このようなNOx吸蔵触媒は、吸着したNOxを分解(還元)するため、NOx吸蔵触媒に外部から還元剤を適宜供給する必要がある。このため、一般的には、燃料(軽油)等を還元剤として排気通路内に噴射することでNOx吸蔵触媒に供給するようにしている。その一例としては、例えば、排気通路に設けられたインジェクタによってNOx還元剤を、NOx吸蔵触媒に向かって噴射するようにしたものがある(例えば、特許文献2参照)。
特開2002−89237号公報 特開2005−214100号公報
ここで、特許文献1や特許文献2に記載されているように酸化触媒やNOx吸蔵触媒などの、複数の流路を束ねた形状を有するハニカム型触媒に向かって上流から燃料などの還元剤を噴射すると、還元剤がハニカム型触媒の端面に届くまでに十分に霧化、拡散されず、液滴状態で端面の一部の領域のみに付着するようになり、結果的にハニカム型触媒の一部の流路のみに供給されることになり、酸化触媒の触媒機能の一部分のみしか使用されなかったり、NOx吸蔵触媒に吸着されているNOxの一部分しか分解(還元)されなかったりするという虞がある。すなわち、噴射された還元剤の霧化、拡散が不十分であり、還元剤がハニカム触媒の一部分にしか行き届かないという課題がある。
また、このように噴射された還元剤が液滴状態でハニカム型触媒の端面の一部の領域に噴霧されると、還元剤の気化熱により局所的に触媒温度が低下し、排気ガスの温度が低下するという虞がある。
この場合、ハニカム型触媒の熱容量を小さくすると、局所的な触媒の温度低下を低減でき、また、局所的な温度低下がないので、ハニカム触媒の下流でリアルタイム検出される排気ガス温度による制御に悪影響を及ぼし難くなるが、エンジン停止によって触媒が冷却し易いので、運転開始時に排気ガス劣化の現象が生じ易いという課題がある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、ハニカム型触媒に向かって噴射される還元剤を触媒全体に均等に導入することができる排気浄化装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の第1の態様は、エンジンの排気ポートに連通する排気通路に介装されるハニカム型排気浄化用触媒と、前記ハニカム型排気浄化用触媒の上流に設けられて前記ハニカム型排気浄化用触媒の上流側端面に向かって添加剤を噴射するインジェクタとを具備する排気浄化装置であって、前記ハニカム型排気浄化用触媒が、上流側にあって前記インジェクタから噴射される添加剤を受ける前段担体と、この前段担体の下流側にあって排気の流れ方向に亘った寸法が当該前段担体より大きい後段担体と、これらの間に設けられた間隙であって前記前段担体から排出された排気が拡散して前記後段担体に導入されるように機能する拡散部とを有し、前記前段担体には触媒層が設けられておらず、前記後段担体に触媒層が設けられ、前記排気通路において前記ハニカム型排気浄化用触媒が設けられる部分の断面積が一定で、前記担体は上流側端面の一部の領域のみに前記添加剤が噴射されることを特徴とする排気浄化装置にある。
かかる第1の態様では、前段担体に向かって噴射された添加剤が前段担体の一部分のみに導入されても、通過した後に拡散部に入ると拡散し、後段担体の全体に均等に導入されることになる。
本発明の第2の態様は、第1の態様に記載の排気浄化装置において、前記前段担体が、ハニカム構造体であることを特徴とする排気浄化装置にある。
かかる第2の態様では、触媒層が設けられていないハニカム構造体は、触媒層の分だけ熱容量が小さく、運転開始時に加熱され易いので、液滴状の添加剤が直接付着しても気化し易く、また、触媒層を省いた分だけ低コスト化を図ることができる。
本発明の第3の態様は、第1又は2の態様に記載の排気浄化装置において、前記前段担体が、メタル製ハニカム構造体であることを特徴とする排気浄化装置にある。
かかる第3の態様では、メタル製ハニカム構造体は熱容量が小さく熱伝導率が大きいので、運転開始時に加熱され易く、また、液滴状の添加剤が直接付着してもその部分の温度が低下し難いので、添加剤を気化させ易く、排気ガスの温度を低下させ難くなる。
本発明の第4の態様は、第1〜3の何れかの態様に記載の排気浄化装置において、前記後段担体が、セラミック製ハニカム構造体であることを特徴とする排気浄化装置にある。
かかる第4の態様では、後段担体の触媒性能を高度に維持することができる。
かかる本発明では、インジェクタからハニカム型排気浄化触媒に向かって噴射された添加剤が前段担体を通過して拡散部に入ると拡散されるため、添加剤を排気浄化用触媒全体に亘って略均等に供給することができ、触媒効率を向上させることができる。
以下、実施形態に基づいて本発明について説明する。なお、図1は、実施形態1に係る排気浄化装置の概略構成を示す図であり、図2は、その要部の縦断面図である。
図1に示すように、本実施形態に係る排気浄化装置10は、複数の排気浄化用触媒と排気浄化用フィルタとを有し、これら複数の排気浄化用触媒と排気浄化用フィルタとは、車両に搭載される多気筒ディーゼルエンジン(以下、単にエンジンという)11の排気管(排気通路)12に介装されている。
エンジン11は、シリンダヘッド13とシリンダブロック14とを有し、シリンダブロック14の各シリンダボア15内には、ピストン16が往復移動自在に収容されている。そして、このピストン16とシリンダボア15とシリンダヘッド13とで燃焼室17が形成されている。ピストン16は、コンロッド18を介してクランクシャフト19に接続されており、ピストン16の往復運動によってクランクシャフト19が回転するようになっている。
またシリンダヘッド13には吸気ポート20が形成され、この吸気ポート20には吸気マニホールド21を含む吸気管(吸気通路)22が接続されている。また、吸気ポート20には吸気弁23が設けられており、この吸気弁23によって吸気ポート20が開閉されるようになっている。また、シリンダヘッド13には、排気ポート24が形成され、この排気ポート24には、排気マニホールド25を含む排気管(排気通路)12が接続されている。なお、排気ポート24には排気弁26が設けられており、吸気ポート20と同様に、排気ポート24はこの排気弁26によって開閉されるようになっている。そして、これら吸気管22及び排気管12の途中には、ターボチャージャ27が設けられ、排気管12のターボチャージャ27の下流側には、本実施形態に係る排気浄化装置10を構成する排気浄化用触媒及び排気浄化用フィルタが介装されている。
ターボチャージャ27は、図示しないタービンと、このタービンに連結されたコンプレッサとを有し、エンジン11からターボチャージャ27内に排気ガスが流れ込むと、排気ガスの流れによってタービンが回転し、このタービンの回転に伴ってコンプレッサが回転して吸気管22aからターボチャージャ27内に空気を吸い込んで加圧するようになっている。そして、ターボチャージャ27で加圧された空気は、吸気管22bを介してエンジン11の各吸気ポート20に供給される。
なお、シリンダヘッド13には、各気筒の燃焼室17内に燃料を直噴射する電子制御式の燃料噴射弁28が設けられており、この燃料噴射弁28には、図示しないコモンレールから所定の燃圧に制御された高圧燃料が供給されるようになっている。
ここで、本実施形態では、ターボチャージャ27の下流側の排気管12に、排気浄化用触媒であるディーゼル酸化触媒(以下、単に酸化触媒と称する)31及びNOx吸蔵触媒32と、排気浄化用フィルタであるディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF:Diesel Particulate Filter:以下、DPFと称する)33とが上流側から順に配されている。また、詳しくは後述するが、ターボチャージャ27と酸化触媒31との間の排気管12aには、添加剤として、還元剤である燃料(軽油)を酸化触媒31に向かって噴射するインジェクタ35が設けられている。
酸化触媒31は、例えば、セラミックス材料で形成されたハニカム構造の担体に、白金(Pt)、パラジウム(Pd)等の貴金属が担持された触媒層を有する後段担体41を具備する。また、この酸化触媒31は、後段担体41より上流側には所定長さの間隙である拡散部42を介して後段担体41と比較して排気の流れ方向の長さが短い前段担体43を具備するものである。すなわち、後段担体41と前段担体43とは、拡散部42となる所定の間隔を空けた状態で、触媒保持マット44を介して排気管12aに保持されており、排気管12aを流れる排気ガスが、前段担体43を通過して拡散部42を通って後段担体41に導入されるようになっている。ここで、触媒保持マット44は、緩衝材として作用してセラミックス製の担体を保護するものである。なお、酸化触媒31の構成の詳細については後述する。
このような酸化触媒31では、排気ガスが流入すると、排気ガス中の一酸化炭素(NO)が酸化されて二酸化窒素(NO)が生成される。また、酸化触媒31における酸化反応が起こるには、酸化触媒31が所定温度以上に加熱されている必要があるため、酸化触媒31は可及的にエンジン11に近い位置に配されていることが好ましい。エンジン11に近い位置に配置されることにより、酸化触媒31がエンジン11の熱によって加熱され、エンジン始動時等であっても、比較的短時間で酸化触媒31を所定温度以上に加熱することができる。
NOx吸蔵触媒32は、例えば、酸化アルミニウム(Al)からなるハニカム構造の担体に、白金(Pt)、パラジウム(Pd)等の貴金属が担持されると共に、吸蔵剤としてバリウム(Ba)等のアルカリ金属、あるいはアルカリ土類金属が担持されてなる。そして、NOx吸蔵触媒32では、酸化雰囲気においてNO、すなわち、酸化触媒31で生成されたNO、また酸化触媒31で酸化されずに排気ガス中に残存するNOを一旦吸蔵し、例えば、一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)等を含む還元雰囲気中において、NOを放出して窒素(N)等に還元する。
なお、酸化触媒31で生成されたNOの多くはNOx吸蔵触媒32によって吸着・分解(還元)され、吸着・分解されなかった残りのNOはDPF33での反応により浄化されるようになっている。
通常、エンジン11から排出される排気ガスの大部分はNOが占めておりHCの量は極めて少ないため、NOx吸蔵触媒32内が酸化雰囲気となり、NOx吸蔵触媒32ではNOが吸着されるのみで吸着されたNOが分解(還元)されることはない。このため、NOx吸蔵触媒32に所定量のNOが吸着されると、ターボチャージャ27と酸化触媒31との間の排気管12aに固定されたインジェクタ35から還元剤である燃料(軽油)が噴射されるようになっている。これにより、燃料が混合された排気ガスが酸化触媒31を通過してNOx吸蔵触媒32に供給され、NOx吸蔵触媒32内が還元雰囲気となり、吸着されたNOが分解(還元)される。
ここで、本発明では、図2に示すように、インジェクタ35は、酸化触媒31からそれほど離間していない上流側に設けられ、先端のノズル36の噴射方向が前段担体43の上流側端面43aの中央部付近に向かうように排気管12aに固定されている。したがって、インジェクタ35のノズル36から噴射された燃料(還元剤)は、前段担体43の中央部に向かって液滴状態で飛行しながら霧化するが、ほとんどが液滴状態のまま前段担体43の上流側端面43aの中央部(一部の領域)に付着する。このようにインジェクタ35から噴射される燃料は、前段担体43に付着された後、気化されながら中央部の流路を流れて拡散部42に到達する。前段担体43の各流路はそれぞれ拡散部42に連通し、流路が流れに交差する方向、すなわち、径方向に広がるので、前段担体43の中央部の領域の流路から排出された還元剤は、拡散部42において気化した状態で径方向に拡散し(他の流路から排出された排気ガスと混合され)、後段担体41に導入されるまでに後段担体41の上流側端面の全体に均等になるように拡散し、後段担体41の全体の流路にほぼ均等に導入される。また、このように全体に均等に拡散された還元剤は、後段担体41を出た後も排出ガス中に均等に混合されており、下流に配置されたNOx吸蔵触媒32、DPF33等に均等に供給される。
一般的には、インジェクタは排気浄化触媒から相当の距離だけ離間して設けて噴射された還元剤が排気浄化触媒に到達するまでに十分に拡散し霧化するようにするが、配置スペースの制限からこのような配置が取れない場合がある。例えば、本実施形態では、酸化触媒31がターボチャージャ27の直下に近接して設けられており、またこれらターボチャージャ27と酸化触媒31との間の排気管12aは略L字状に湾曲した湾曲管で構成されているので、酸化触媒31から相当の距離だけ離間した位置にインジェクタ35を設けることができず、本実施形態では、インジェクタ35から噴射された還元剤は液滴状態で酸化触媒31の上流側端面の一部の領域のみに付着するようになる。しかしながら、上述したように、後段担体41の上流側に拡散部42を介して前段担体43を設けたので、前段担体43の一部の領域に付着した還元剤は、拡散部42を介して十分に拡散した状態で後段担体41全体に均等に導入されることになる。
なお、本実施形態では、図2に示すように、インジェクタ35を前段担体43の上流側端面43aにほぼ対向する位置に設けたが、上流側端面43aに向かって傾斜する方向にインジェクタ35を設けてもよい。また、燃料を拡散部42で良好に拡散させるためには、ノズル36から前段担体43の上流側端面43aの中央部(一部の領域)に向かって燃料が噴射されるようになっていることが好ましいが、中央部でなく、他の部分のみに噴射されるようになっていてもよい。
ここで、拡散部42は、前段担体43からの還元剤が径方向に十分に拡散できるような流れ方向の長さを有しているのが好ましい。すなわち、前段担体43でほぼ整流された排気ガスが拡散部42で乱流となって拡散し、後段担体41に導入されるように機能すればよい。
また、前段担体43の流れ方向の長さ(厚さ)は、特に限定されないが、液滴状態で付着した還元剤が通過する間に十分に気化できるような長さであるのが好ましい。勿論、前段担体43は、インジェクタ35から噴射される還元剤との関係では全体の一部分だけが使用されることになるので、長くなるほど不使用部分が増えるので好ましくないことは言うまでもない。
さらに、前段担体43は、本実施形態では、後段担体41と同様に、セラミックス材料で形成されたハニカム構造の担体に触媒層を設けたものとしたが、ハニカム構造体であれば、必ずしも触媒層を具備する必要はない。
触媒層を設けないハニカム構造体とすると、貴金属を使用した触媒層の分だけ、コストダウンを図ることができると共に熱容量を低減することができる。このように熱容量が小さいと、例えば、運転開始時に加熱され易いので、液滴状の還元剤が直接付着しても気化し易いという利点がある。
また、後段担体41及び前段担体43は、必ずしもセラミックス製の担体を用いる必要はなく、メタル製ハニカム構造の担体を用いたものとしてもよい。このようなメタル製ハニカム構造体は熱容量が小さく熱伝導率が大きいので、運転開始時に加熱され易く、排ガスの温度が比較的低温時から触媒が活性化するという利点がある。特に、前段担体43をメタル製とした場合、液滴状の還元剤が直接付着してもその周囲からの熱伝導が速いのでその部分の温度が低下し難く、付着した還元剤が気化し易く、また、排気ガスの温度が低下し難いという利点がある。なお、メタル製ハニカム構造体とした場合においても、前段担体43の触媒層を省くことにより、上述したような作用効果を奏する。
ここで、メタル製ハニカム構造体は、一般には波板と薄板とを筒状に巻いた構造を有するものであるが、流路の断面形状が三角形に近くなり、触媒層を設けるとその隅部が触媒層で埋められたような構造となってしまうので、一般的には、セラミックス製担体を用いた場合より有効体積が小さいとされている。よって、触媒効率の点からは、後段担体41にはセラミックス製の担体を用いるのが好ましいが、上述したような熱容量を重視すると前段担体43にはメタル製の担体を用いるのが好ましい。
このような構成とした一例を図3に示す。この図に示す酸化触媒31Aは、上述したようなセラミックス製の担体を用いた後段担体41の上流側に所定の間隙となる拡散部42をおいて、メタル製の担体を用いた前段担体43Aを設けたものである。
このような酸化触媒31Aの作用効果は上述した通りであるが、メタル製の担体を用いた前段担体43Aは、後段担体41を保持する触媒保持マット44を設けることなく、排気管12aに直接ろう付け等により固定される。触媒保持マット44は、一般的には、還元剤などが直接付着すると吸収して保持するような材質であり、場合によっては吸収保持された燃料などの還元剤が燃焼して消失する虞もあるが、図3の構成ではこのような問題が生じる虞がない。例えば、インジェクタ35を前段担体43Aの側方に設けて上流側端面に向かって傾斜した方向から還元剤を噴射した場合にも、還元剤は全てメタル製の前段担体43Aに導入されることになる。
また、セラミック製の担体と比較してメタル製の担体は機械的強度が十分に大きいので、前段担体43の流れ方向の長さ(厚さ)を小さくすることができる。すなわち、セラミックス製の担体を用いた場合には、排気管12aに保持したときの強度を考慮してある程度の長さ(厚さ)を有するものとする必要があるが、メタル製の担体を用いた場合には、このような制限はない。
何れにしても後段担体41の上流側に拡散部42を介して前段担体43(43A)を設けることにより、前段担体43(43A)に付着した還元剤が十分に拡散した状態で後段担体41全体に均等に導入されることになる。なお、燃料が均等に混合されていない状態で排気ガスが酸化触媒31を通過した場合、燃料の濃度が高い部分でNOの生成量が低下し、全体として所望量のNOが生成されない虞がある。また、燃料が均等に混合されていない排気ガスが、例えば、NOx吸蔵触媒32に供給された場合には、燃料の濃度の低い部分で、吸着されたNOが十分に還元されない虞がある。
DPF33は、例えば、セラミックス材料で形成されたハニカム構造のフィルタであり、DPF33内には、上流側端部が開放され下流側端部が閉塞された排気ガス通路33aと下流側端部が開放され上流側端部が閉塞された排気ガス通路33bとが交互に配列されている。そして、排気ガスは、まず上流側端部が開放された排気ガス通路33aに流入し、隣接する排気ガス通路33bとの間に設けられた多孔質の壁面から下流側端部が開放された排気ガス通路33bに流入して下流側に流出し、この過程において排気ガス中の微粒子状物質(PM)が、壁面に衝突したり吸着されたりして捕捉される。
捕捉されたPMは、排気ガス中のNOによって酸化(燃焼)されCOとして排出され、またDPF33内に残存するNOはNに分解されて排出されるようになっている。すなわち、DPF33では、排気ガスを浄化して、PM及びNOの排出量を大幅に低減できるようになっている。また、PMが燃焼されることで、DPF33の性能がある程度再生される。
ここで、通常は、上述したようにNOはNOx吸蔵触媒32で吸着されるため、DPF33に供給される排気ガス中のNOの量は少なく、DPF33にはPMが徐々に堆積されていく。そして、DPF33に所定量のPMが堆積すると、排気管12aに固定されているインジェクタ35から所定量の燃料が噴射されるようになっている。上述したように排気ガスに燃料が混合されると、NOx吸蔵触媒32では吸着されたNOが還元されるため、排気ガスに含まれているNO(NO)はNOx吸蔵触媒32で吸着されずにDPF33に供給される。これにより、DPF33におけるPMの燃焼が促進されるようになっている。
なお、これら酸化触媒31、NOx吸蔵触媒32及びDPF33の上流側近傍及びDPF33の下流側近傍には、それぞれ排気温センサ38が設けられており、これら複数の排気温センサ38によって、酸化触媒31、NOx吸蔵触媒32及びDPF33に流入する排気ガスの温度と、酸化触媒31、NOx吸蔵触媒32及びDPF33から排出される排気ガスの温度を検出している。さらに、酸化触媒31及びDPF33の上流側近傍には、排気ガス中の酸素濃度を検出するための酸素濃度センサ39が設けられている。また、車両には、図示しないが電子制御ユニット(ECU)が設けられており、このECUには、入出力装置、制御プログラムや制御マップ等の記憶を行う記憶装置、中央処理装置及びタイマやカウンタ類が備えられている。そして、このECUが、上記各センサからの情報に基づいて、エンジン11及び排気浄化装置10の総合的な制御を行っている。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、この実施形態に限定されるものではない。例えば、上述の実施形態では、排気浄化装置10として、排気管(排気通路)12に、排気浄化用触媒である酸化触媒31及びNOx吸蔵触媒32と、排気浄化用フィルタであるDPF33とを、上流側から酸化触媒31、NOx吸蔵触媒32、DPF33の順で配置した例を挙げたが、これら排気浄化用触媒及び排気浄化用フィルタの配置及び種類は特に限定されるものではない。
例えば、図4(a)に示すように、ターボチャージャ27の下流側の排気管12に、NOx吸蔵触媒32、酸化触媒31、DPF33の順で配置するようにしてもよい。また、例えば、図4(b)に示すように、ターボチャージャ27の下流側の排気管12に、NOx吸蔵触媒32を設けずに、酸化触媒31とDPF33とを順に配置するようにしてもよい。
また、上述した実施形態では、後段担体41の上流に拡散部42を介して前段担体43を設ける構成を酸化触媒31に適用したが、還元剤を上流側に噴射するインジェクタを設けた排気浄化触媒であれば、何れの触媒にも適用できる。例えば、上述した実施形態において、酸化触媒31に適用した構造を、代わりにNOx吸蔵触媒32に適用してもよく、また、両者に同様な構造を適用してもよい。
図5には、NOx吸蔵触媒に本発明の構成を適用した場合の他の配置の例を示す。
図5(a)、(b)は、本発明の構造を適用したNOx吸蔵触媒32A、32Bを有するものである。図5(a)の例は、NOx吸蔵触媒32Aの上流にNOx吸蔵触媒32Aの上流側端面に向かって還元剤を噴射するインジェクタ35Aを設けると共に、NOx吸蔵触媒32Aを後段担体51の上流側に拡散部52を介して前段担体53を有する構成としたものである。また、このNOx吸蔵触媒32Aの下流側には、DPF33を介装した構成となっている。図5(b)の例は、図5(a)と同様なNOx吸蔵触媒32Aの下流側に、同様な構成を有するNOx吸蔵触媒32B及び酸化触媒31Aを配置し、さらにその下流にDPF33を介装したものである。
このようにNOx吸蔵触媒32A、32Bに向かって噴射された還元剤は、前段担体53の上流側端面の一部の領域に付着しても、気化して拡散部52に導入されると拡散されて後段担体51に均等に供給されることになる。そして、図5(a)の構成では、インジェクタ35Aから噴射された還元剤は、NOx吸蔵触媒32Aに吸着されたNOを還元するために供され、また、NOx吸蔵触媒32Aへの還元剤の供給による排気ガス温度の上昇により、DPF33の再生を行うことができる。一方、図5(b)の構成では、インジェクタ35A又は35Bからの還元剤の供給により、NOx吸蔵触媒32A又は32Bに吸着されているNOを還元することができ、また、NOx吸蔵触媒32A又は32Bを通過して酸化触媒31Aに還元剤が導入されると、排気ガス温度が上昇し、DPF33が再生される。
また、上述した実施形態では、NOを分解(還元)する排気浄化用触媒として、燃料(軽油)を還元剤としてNOを分解(還元)するNOx吸蔵触媒を例示したが、これに限定されず、例えば、排気ガス中のNOを選択的に触媒に吸着させ、還元剤としてアンモニアあるいは尿素をインジェクタから噴射してNOを分解(還元)する、いわゆるSCR(Selective Catalytic Reduction)等であってもよい。
このSCRを用いた構成の一例を図5(c)に示す。この図の構成では、排気管12に、酸化触媒31A、DPF33及びSCR34が順番に配置されている。そして、SCR34の上流に還元剤としての尿素液を噴射するインジェクタ35Cが配置され、SCR34は、後段担体61の上流側に拡散部62を介して前段担体63を具備するように構成されている。これにより、インジェクタ35Cから噴射された尿素液は、前段担体63の一部の領域に付着しても、気化して拡散部62で拡散され、後段担体61の全体に均等に供給されることになる。
また、上述した実施形態では、添加剤として還元剤としたが、還元作用を目的としたものに限らず、噴射した燃料を燃焼させて触媒を昇温させるものを添加剤として用いても同様の効果が得られる。
さらに、上述した実施形態では過給器としてターボチャージャを備えている吸排気系の構成の一例を示しているが、特にこれに限定されず、例えば、過給器は必ずしも設ける必要はない。また、排気通路と吸気通路とにわたり冷却排気ガスの再循環路を有する冷却排気ガス再循環装置、いわゆるEGR装置を設けるようにしてもよい。
本発明の一実施形態に係る排気浄化装置の概略構成図である。 本発明の一実施形態に係る排気浄化装置の要部の縦断面図である。 本発明の一実施形態に係る排気浄化装置の変形例を示す要部の縦断面図である。 本発明の一実施形態に係る排気浄化装置の変形例を示す概略構成図である。 本発明の一実施形態に係る排気浄化装置の変形例を示す概略構成図である。
符号の説明
10 排気浄化装置
11 エンジン
12 排気管
27 ターボチャージャ
31,31A 酸化触媒
32,32A,32B NOx吸蔵触媒
33 DPF
34 SCR
35,35A,35B,35C インジェクタ
36 ノズル
41,51,61 後段担体
42,52,62 拡散部
43,53,63 前段担体

Claims (4)

  1. エンジンの排気ポートに連通する排気通路に介装されるハニカム型排気浄化用触媒と、前記ハニカム型排気浄化用触媒の上流に設けられて前記ハニカム型排気浄化用触媒の上流側端面に向かって添加剤を噴射するインジェクタとを具備する排気浄化装置であって、
    前記ハニカム型排気浄化用触媒が、上流側にあって前記インジェクタから噴射される添加剤を受ける前段担体と、この前段担体の下流側にあって排気の流れ方向に亘った寸法が当該前段担体より大きい後段担体と、これらの間に設けられた間隙であって前記前段担体から排出された排気が拡散して前記後段担体に導入されるように機能する拡散部とを有し、前記前段担体には触媒層が設けられておらず、前記後段担体に触媒層が設けられ、
    前記排気通路において前記ハニカム型排気浄化用触媒が設けられる部分の断面積が一定で、前記前段担体は上流側端面の一部の領域のみに前記添加剤が噴射される
    ことを特徴とする排気浄化装置。
  2. 請求項1に記載の排気浄化装置において、前記前段担体が、ハニカム構造体であることを特徴とする排気浄化装置。
  3. 請求項1又は2に記載の排気浄化装置において、前記前段担体が、メタル製ハニカム構造体であることを特徴とする排気浄化装置。
  4. 請求項1〜3の何れかに記載の排気浄化装置において、前記後段担体が、セラミック製ハニカム構造体であることを特徴とする排気浄化装置。
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