JP4668585B2 - 送気装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ガス供給部に貯留された所定の気体を体腔内の少なくとも二箇所の腔に対して送気供給する送気装置に関する。
近年、患者への侵襲を小さくする目的で、開腹することなく治療処置を行う腹腔鏡下外科手術が広く行われている。腹腔鏡下外科手術においては、患者の腹部に、例えば観察用の硬性内視鏡を体腔内に導くための第1のトラカールと、治療処置を行う処置具を体腔内の処置部位に導くための第2のトラカールとが穿刺される。そして、硬性内視鏡の視野を確保する目的及び処置具を操作するための領域を確保する目的で、腹腔内に炭酸ガス等の気腹用ガスを供給する気腹装置が用いられている。
例えば、特開2000−139830号公報には、送気流量が設定値に達していない場合には、圧力調整手段である電空比例弁(又は、電磁比例弁とも言う)の出力圧力が上昇するように制御信号を電空比例弁に供給して、生体内圧が設定値となるように送気流量を制御するようにした送気装置が示されている。
また、開腹することなく胃や大腸などの管腔内の診断や処置を行う際、細長で可撓性を有する挿入部を備え、挿入部の先端部に鉗子チャンネル開口を有する軟性内視鏡が使用される。この軟性内視鏡では、挿入部を管腔内に挿入することによって、管腔内の観察を行えると共に、鉗子チャンネルを介して管腔内に処置具を導入することにより治療処置を行える。
近年、腹腔鏡下外科手術における新たな試みとして、腹腔内に硬性内視鏡を挿入すると共に、大腸等の管腔内に軟性内視鏡を挿入して処置部位を特定する手技が行われている。この手技においては、管腔内に挿入した軟性内視鏡の視野を確保する目的等のために管腔内に気体を供給して管腔を膨らませている。
前記手技を行う際、図16に示すように使用される周辺医療用機器の種類が多い。このため、複数の医療用機器を数台のカート160,170に分けて搭載して腹腔鏡下外科手術システム150を構築する。
例えば、第1のカート160に、モニタ161,集中表示パネル162,第1TVカメラ163a,第1光源164a,第2TVカメラ163b,第2光源164b,システムコントローラ165,ビデオミキサー166,VTR167,分配器168,通信用コネクタ169等を搭載する。また、第2カート170には、モニタ171,高周波焼灼装置172,気腹器173,CO2ボンベ174,吸引ボトル175,分配器176,通信用コネクタ177等を搭載する。さらに、第1カート160の第1光源164a又は、第2光源164bには、炭酸ガス(CO2)供給用チューブ192を介して内視鏡用炭酸ガス調節装置(Endoscopic CO2 Regulator:以下、ECRと略記する)190が接続されている。ECR190は、炭酸ガスボンベ(以下、CO2ボンベとも記載する)191に接続されている。
各種医療用機器は、第1のカート160及び第2のカート170内で図示しない通信ケーブルを介してそれぞれのカート160,170に配設されている分配器168,176と電気的に接続されている。また、第1のカート160と第2のカート170とは、通信ケーブルを内挿したユニバーサルケーブル178を介して電気的に接続されている。さらに、第1カート160及び第2カート170と、周辺機器コントローラ180とは、通信ケーブルを内挿したユニバーサルコード182を介して電気的に接続されている。そして、周辺機器コントローラ180には、第1のカート160及び第2のカート170に搭載されている医療用機器のうち、集中制御操作部181には頻繁に使用される設定スイッチ等が集約されている。
特開2000−139830号公報
しかしながら、前記手技を行うための腹腔鏡下外科手術システムにおいては、新たにECR190を追加している。このため、手術室内に、気腹器173に気腹用ガスを供給するCO2ボンベ174の他に、ECR190に気腹用ガスを供給するCO2ボンベ191を用意し、それぞれのボンベ174、191を別々に配置しているので、手術室内が手狭になると共に、準備作業が煩雑になる等の不具合が生じていた。
また、処置部位を特定するに当たって、軟性送気装置を管腔内に挿入するとしているが、処置部位の特定のための腔は消化管の一箇所に限定されるものではなく、例えば腹腔に対して背側に位置する後腹膜腔などの腔も考えられる。この場合には、腹腔と後腹腔との両方に気腹用ガスを供給する必要が生じるので、2つの気腹器173が必要になるので、配置スペースを確保するため準備作業がさらに煩雑になる。
さらに、軟性内視鏡の挿入部を口腔側及び肛門側からそれぞれ挿入して、それぞれの管腔内にガスを送気する必要が生じることも考えられる。この場合には、ECR190及びCO2ボンベ191が二組必要になり、手術室内がさらに手狭になると共に、準備作業がさらに煩雑になってしまう。
又、腹腔と管腔、腹腔同士或いは管腔同士は境界を接している。このため、一方の腔内に気腹用ガスを供給した際、一方の腔内の圧力が変化するばかりでなく他方の腔内の圧力にも影響が及ぶ。したがって、それぞれの腔に対応する気腹器やECRによってそれぞれガスを供給する場合、各腔内の圧力を所望する状態に安定して制御することが困難であった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、複数の腔内へのガスの供給を行え、かつ、それぞれの腔内の視野及び領域の確保を確実に行える送気装置を提供することを目的にしている。
本発明の送気装置は、気体の供給源に連通して、患者の複数の腔へ前記気体をそれぞれ供給するための複数の流路と、前記流路中に設けられ、前記それぞれの腔内の圧力を検出する圧力検出手段と、前記供給源から前記それぞれの流路を介して前記それぞれの腔に供給される気体の圧力を、前記それぞれの流路毎に調整する圧力調整手段と、前記圧力検出手段の検出結果に基づき前記圧力調整手段を制御して、所定圧力に調整した気体をそれぞれの流路に予め定めた順序で送気する制御を行う制御手段とを具備する送気装置であって、
前記複数の流路は、前記供給源から腹腔内へ気体を供給する第1の流路、前記供給源から管腔内へ気体を供給する第2の流路及び前記腹腔とは異なる腔内へ気体を供給する流路又は前記管腔とは異なる他の管腔内へ気体を供給する第3の流路を備え、
前記第3の流路が、前記腹腔とは異なる後腔内へ気体を供給する流路であるか、前記管腔とは異なる管腔内へ気体を供給する流路であるかを識別する信号を前記制御手段に出力する口金切替設定スイッチを報知手段として設けている。
この構成によれば、供給源に貯留されていた気体が、制御手段の制御の元、それぞれ流路を介して順番に気体が各腔に繰り返し送気されて、各腔が所定の膨脹状態になる。
本発明によれば、複数の腔内へのガスの供給を行え、かつ、それぞれの腔内の視野及び領域の確保を確実に行える送気装置を実現できる。
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
図1ないし図13は本発明の第1実施形態に係り、図1は送気装置を備えた腹腔鏡下外科手術システムの構成を説明する図、図2は腹腔鏡下外科手術システムを構成する集中操作パネルの構成例を説明する図、図3は腹腔鏡下外科手術システムを構成する集中表示パネルの構成例を説明する図、図4は送気装置の設定操作部及び表示部の構成例を示す図、図5は送気装置の構成を説明するブロック図、図6は第1腹腔及び管腔に送気を行う送気装置における制御部の制御動作例を示すフローチャート、図7は制御部によって制御される電空比例弁、第1電磁弁及び第2電磁弁と腹腔圧及び管腔圧との関係を説明する図であって、図7(a)は制御部によって制御される電空比例弁の出力例を示す図、図7(b)は制御部による第1電磁弁の制御を説明する図、図7(c)は制御部による第2電磁弁の制御を説明する図、図7(d)は腹腔圧の変化を説明する図、図7(e)は管腔圧の変化を説明する図、図8は送気装置によって第1腹腔及び第2腹腔に送気を行う際の構成例を説明する図、図9は第1腹腔及び第2腹腔に送気を行う送気装置における制御部の制御動作例を示すフローチャート、図10は送気装置によって第1腹腔、管腔及び第2腹腔に送気を行う際の構成例を説明する図、図11は第1腹腔、管腔及び第2腹腔に送気を行う送気装置における制御部の制御動作例を示すフローチャート、図12は送気装置の他の構成例を説明する図、図13は送気装置の別の構成例を説明する図である。
図1に示すように腹腔鏡下外科手術システム(以下、外科手術システムと略記する)1は、第1内視鏡システム2と、第2内視鏡システム3と、送気システム4とを備えるとともに、システムコントローラ5と、表示装置であるモニタ6と、集中表示パネル7と、集中操作パネル8と、カート9とを備えて主に構成されている。
第1内視鏡システム2は腔である腹腔内の観察及び処置を行うためのものであり、第2内視鏡システム3は腔である管腔内の観察及び処置を行うためのものである。また、図1においては、説明のために腹腔用である内視鏡システムと管腔用の内視鏡システムとを用いる構成例を述べるが、後述する観察部位と処置部位等の組み合わせに応じた内視鏡システムが用意される。
なお、符号10は患者、符号11は患者が横たわる手術台である。また、符号12は電気メス装置、符号13は手術具である電気メスである。電気メス13は電気メス装置12に接続されている。さらに、符号14、15、16は患者の腹部に穿刺されるトラカールである。第1トラカール14は、後述する硬性内視鏡21を腹腔内に導くためのトラカールである。第2トラカール15は、組織の切除や処置を行う電気メス13等の処置具を腹腔内に導くためのトラカールである。第3トラカール16は、送気システム4を構成する後述する送気装置41から供給される気腹用ガスを腹腔内に導くためのトラカールである。気腹用ガスは、例えば生体に吸収され易い二酸化炭素ガス(以下、炭酸ガスと記載する)である。この炭酸ガスを、第1トラカール14又は第2トラカール15から腹腔内に導くようにしてもよい。
第1内視鏡システム2は、第1の内視鏡である例えば挿入部が硬性な硬性内視鏡21と、第1光源装置22と、第1のカメラコントロールユニット(以下、第1CCUと略記する)23と、内視鏡用カメラ24とで主に構成されている。
硬性内視鏡21の挿入部(不図示)は、第1トラカール14に挿通配置される。挿入部内には、被写体像を伝送するリレーレンズ(不図示)等で構成される観察光学系やライトガイド(不図示)等で構成される照明光学系が設けられている。挿入部の基端部には、観察光学系によって伝送された光学像を観察する接眼部25が設けられている。内視鏡用カメラ24は接眼部25に着脱自在に配設される。内視鏡用カメラ24の内部には撮像素子(不図示)が備えられている。
第1光源装置22は、硬性内視鏡21に照明光を供給する。第1CCU23は、内視鏡用カメラ24の撮像素子に結像して光電変換された電気信号を映像信号に変換し、例えばモニタ6や集中表示パネル7にその映像信号を出力する。このことによって、モニタ6又は集中表示パネル7の画面上に硬性内視鏡21でとらえた被写体の内視鏡画像が表示される。
なお、硬性内視鏡21と第1光源装置22とは硬性内視鏡21の基端部側部から廷出するライトガイドケーブル26によって接続される。第1CCU23と内視鏡用カメラ24とは撮像ケーブル27によって接続される。
一方、第2内視鏡システム3は、例えば管腔である大腸内に挿入される軟性な挿入部34を有する第2の内視鏡である軟性内視鏡31と、第2光源装置32と、第2カメラコントロールユニット(以下、第2CCUと略記する)33とで主に構成されている。
軟性内視鏡31は、挿入部34と、操作部35と、ユニバーサルコード36とを備えて構成されている。操作部35には、送気・送水スイッチ35aや吸引スイッチ35b、図示しない湾曲部を湾曲動作させる湾曲操作ノブ37、図示しない処置具チャンネルに連通する処置具挿通口38が設けられている。ユニバーサルコード36の基端部には、光源コネクタ36aが設けられている。
第2光源装置32は、軟性内視鏡31に照明光を供給する。この第2光源装置32には、光源コネクタ36aが着脱自在に接続される。光源コネクタ36aを第2光源装置32に接続することによって、照明光が図示しないライトガイドファイバを伝送されて挿入部34の図示しない先端部に設けられている照明窓から出射される。
第2CCU33は、軟性内視鏡31の挿入部34の図示しない先端部に設けられている撮像素子に結像して光電変換された電気信号を映像信号に変換し、例えばモニタ6や集中表示パネル7にその映像信号を出力する。このことによって、モニタ6又は集中表示パネル7の画面上に軟性内視鏡31でとらえた被写体の内視鏡画像が表示される。符号39は、光源コネクタ36aに設けられている電気コネクタ36bと第2CCU33とを電気的に接続する電気ケーブルである。
送気システム4は、送気装置41と、高圧ガスである炭酸ガスを貯留したいわゆる供給源である炭酸ガスボンベ42と、挿通口用アダプタ(以下、アダプタと略記する)43と、管腔供給ガス制御スイッチであるフットスイッチ44と、例えばチューブ45a、45bとで主に構成されている。炭酸ガスボンベ42には、炭酸ガスが液化した状態で貯留されている。チューブ45a、45bはシリコンやテフロン(登録商標)で形成されている。
送気装置41と炭酸ガスボンベ42とは、高圧ガス用チューブ46によって連結されている。送気装置41とフットスイッチ44とは、フットスイッチケーブル44bによって電気的に接続されている。
システムコントローラ5は、外科手術システム1全体を一括して制御する。システムコントローラ5には、図示しない通信回線を介して、集中表示パネル7及び集中操作パネル8や、内視鏡周辺装置である電気メス装置12、光源装置22、32、CCU23、33及び送気装置41等が双方向通信を行えるように接続されている。
モニタ6の画面上には、第1CCU23又は第2CCU33から出力される映像信号を受けて、硬性内視鏡21又は軟性内視鏡31でとらえた被写体の内視鏡画像が表示されるようになっている。
集中表示パネル7には、液晶ディスプレイ等の表示画面が設けられている。集中表示パネル7は、システムコントローラ5に接続されるにことにより、表示画面上に内視鏡画像とともに内視鏡周辺装置の動作状態の集中表示が可能になっている。
集中操作パネル8は、液晶ディスプレイ等の表示部と、この表示部の表示面上に一体的に設けられたタッチセンサ部とで構成されている。集中操作パネル8の表示部には、各内視鏡周辺装置の操作スイッチ等を設定画面として表示させる表示機能とともに、タッチセンサ部の所定領域を触れることによって操作スイッチを操作する操作機能とを有している。
集中操作パネル8は、システムコントローラ5に接続されることにより、表示部に表示されているタッチセンサ部を適宜操作することによって、各内視鏡周辺装置にそれぞれ設けられている操作スイッチを直接操作したのと同様に、集中操作パネル8上で遠隔的に各種操作或いは設定等を行える。
カート9には、周辺装置である電気メス装置12、光源装置22、32、CCU23、33及び送気装置41と、システムコントローラ5と、集中表示パネル7と、集中操作パネル8と炭酸ガスボンベ42等が搭載される。
図2に示すように集中操作パネル8には、送気装置41による腹腔用又は管腔用の気腹流量を調節するための設定操作ボタン8a、電気メス装置(高周波燃焼装置)12の出力値を調節するための操作ボタン8b、第1CCU23,第2CCU33の色調を調節するための操作ボタン8c、モニタ6に表示する映像情報の表示切り換えを指示するための操作ボタン8d、VTR(不図示)による録画又は録画停止を指示するための操作ボタン8eと、第1光源装置22及び第2光源装置32の光量を調節するための操作ボタン8f等が設けられている。
図3に示すように集中表示パネル7の表示画面上の表示エリア7Aには、システムコントローラ5が通信制御している機器である送気装置41の動作状態である例えば管腔内圧力表示7a、腹腔内圧力表示7b、炭酸ガス残量表示及び流量表示等を行うエリアや、電気メス装置12の動作状態を表示するエリア7c、送水・吸引ポンプ(不図示)の動作状態を表示するエリア7d、VTRの機能に関する設定・動作状態を表示するエリア7e等が設けられている。
図4を参照して送気装置41のフロントパネルの構成を説明する。
図4に示すように送気装置41のフロントパネルには、第1の供給口金である第1腹腔用口金41Aと、第2の供給口金である管腔用口金41Bと、第3の供給口金である第2腹腔用口金41Cと、設定操作部63と、表示部64とが設けられている。
第1腹腔用口金41Aには第1チューブ45aの一端部が連結され、この第1チューブ45aの他端部は第1腹腔(後述する図11に示す腹側の腔)であるいわゆる腹腔に穿刺された第3トラカール16に連結される。管腔用口金41Bには第2チューブ45bの一端部が連結され、この第2チューブ45bの他端部はアダプタ43の側部に設けられているチューブ連結部43aに連結される。第2腹腔用口金41Cには第3チューブ45cの一端部が連結され、この第3チューブ45cの他端部は腔である第2腹腔(図8に示す背側に位置する腔)である後腹腔に穿刺された第4トラカール17に設けられている気腹用ガス供給路(不図示)に連結される。
設定操作部63及び表示部64は、ガス供給部設定表示部41Dと、第1腹腔用設定表示部41Eと、管腔用設定表示部41Fと、第2腹腔用設定表示部41Gとに分割されている。ガス供給部設定表示部41Dには炭酸ガスボンベ42に関する設定、操作及び状態表示のための設定操作部63及び表示部64が設けられる。第1腹腔用設定表示部41Eには第1腹腔送気に関する設定、操作及び状態表示のための設定操作部63及び表示部64が設けられる。管腔用設定表示部41Fには管腔送気に関する設定、操作及び状態表示のための設定操作部63及び表示部64が設けられる。第2腹腔用設定表示部41Gには第2腹腔送気に関する設定、操作及び状態表示のための設定操作部63及び表示部64が設けられる。
そして、第1腹腔用設定表示部41Eの例えば図中下側に第1腹腔用口金41Aが設けられ、管腔用設定表示部41Fの例えば図中下側に管腔用口金41Bが設けられ、第2腹腔用設定表示部41Gの例えば図中下側に第2腹腔用口金41Cが設けられている。
ガス供給部設定表示部41Dには設定操作部63である電源スイッチ71、送気開始ボタン72、送気停止ボタン73、表示部64であるガス残量表示部76が設けられている。
第1腹腔用設定表示部41Eには表示部64である第1腹腔内圧力表示部77a,77b、第1腹腔側流量表示部78a,78b、送気ガス総量表示部79及び圧力警告灯84と、設定操作部63である第1腹腔内圧力設定ボタン74a,74b、第1腹腔側送気ガス流量設定ボタン75a,75b、第1腹腔指示ボタン82が設けられている。
管腔用設定表示部41Fには表示部64である管腔内圧力表示部80a,80b、設定操作部63である管腔内圧力設定ボタン81a,81b、管腔指示ボタン83が設けられている。
第2腹腔用設定表示部41Gには表示部64である第2腹腔内圧力表示部85a,85b、設定操作部63である第2腹腔内圧力設定ボタン86a,86b、第2腹腔指示ボタン87が設けられている。
なお、第1腹腔内圧力設定ボタン74a、74b、管腔内圧力設定ボタン81a,81b及び第2腹腔内圧力設定ボタン86a,86bは圧力設定手段である。
電源スイッチ71は、送気装置41の電源をオン状態又はオフ状態に切り替えるスイッチである。送気開始ボタン72は、炭酸ガスの供給開始を指示するボタンである。送気停止ボタン73は、炭酸ガスの供給停止を指示するスイッチである。フットスイッチ44は、スイッチ部44aが押圧されているとき炭酸ガスを第2チューブ45bに供給し、スイッチ部44aの押圧が解除された状態において炭酸ガスの第2チューブ45bへの供給を停止する。
第1腹腔内圧力設定ボタン74a、第1腹腔側送気ガス流量設定ボタン75a、管腔内圧力設定ボタン81a及び第2腹腔内圧力設定ボタン86aは、ボタン操作することによって設定値を徐々に高くなる方向に変化させる。一方、第1腹腔内圧力設定ボタン74b、腹腔側送気ガス流量設定ボタン75b、管腔内圧力設定ボタン81b及び第2腹腔内圧力設定ボタン86bは、ボタン操作することによって設定値を徐々に低くなる方向に変化させる。
ガス残量表示部76には、炭酸ガスボンベ42内の炭酸ガスの残量が表示される。
第1腹腔内圧力表示部77aには後述する第1圧力センサ95Aで測定された測定結果が表示される。一方、第1腹腔内圧力表示部77bには、例えば腹腔内圧力設定ボタン74a、74bをボタン操作して設定された設定圧力が表示される。
第1腹腔側流量表示部78aには後述する第1流量センサ96Aによって測定された測定結果が表示される。一方、腹腔側流量表示部78bには、例えば第1腹腔側送気ガス流量設定ボタン75a、75bをボタン操作して設定された設定流量が表示される。
送気ガス総量表示部79には、後述する第1流量センサ96A、第2流量センサ96B及び第3流量センサ96Cの計測結果に基づいて制御部98のCPU(不図示)で演算によって求められる送気ガス総量が表示される。
管腔内圧力表示部80aには、後述する第2圧力センサ95Bによって測定された測定結果が表示される。一方、管腔内圧力表示部80bには、例えば管腔内圧力設定ボタン81a、81bをボタン操作して設定された設定圧力が表示される。
第2腹腔内圧力表示部85aには後述する第3圧力センサ95Cによって測定された測定結果が表示される。一方、第2腹腔内圧力表示部85bには、例えば第2腹腔内圧力設定ボタン86a、86bをボタン操作して設定された設定圧力が表示される。
第1腹腔指示ボタン82は、送気装置41による炭酸ガスの送気を第1腹腔内に対して行う第1腹腔送気モードを選択するための指示ボタンであり、ボタン操作されることにより、第1腹腔送気モードが選択又は解除される。
管腔指示ボタン83は、送気装置41による炭酸ガスの送気を管腔内に対して行う管腔送気モードを選択するための指示ボタンであり、ボタン操作されることにより、管腔送気モードが選択又は解除される。
第2腹腔指示ボタン87は、送気装置41による炭酸ガスの送気を第2腹腔内に対して行う第2腹腔送気モードを選択するための指示ボタンであり、ボタン操作されることにより、第2腹腔送気モードが選択又は解除される。
圧力警告灯84は、例えば消灯状態から点滅表示状態に変化して、腹腔内圧力が設定値より高くなったことを術者等に告知するようになっている。
このような配置構成により、術者にとって送気装置41の操作がし易く、また各表示が見易いものになっている。
なお、管腔用設定表示部41F及び第2腹腔用設定表示部41Gに、圧力警告灯84と同様の管腔圧力警告灯を設けるようにしてもよい。また、第1及び第2腹腔内圧力又は管腔内圧力の設定、腹腔側送気ガス流量の設定等は集中操作パネル8によっても行える。さらに、集中表示パネル7に、第1腹腔内圧力表示部77a、77b、第1腹腔側流量表示部78a,78b、管腔内圧力表示部80a,80b、送気ガス総量表示部79、第2腹腔内圧力表示部85a、85bに表示される値の中から術者が予め指定した1つ又は複数の値を表示させるようにしてもよい。
図5を参照して送気装置の内部構成を説明する。
図5に示すように送気装置41内には、供給圧センサ91、減圧器92、圧力調整手段である電空比例弁93、第1電磁弁94A、第2電磁弁94B及び第3電磁弁94C、圧力検出手段である第1圧力センサ95A、第2圧力センサ95B及び第3圧力センサ95C、流量検出手段である第1流量センサ96A、第2流量センサ96B及び第3流量センサ96C、気体排出手段である第1リリーフ弁97A、第2リリーフ弁97B及び第3リリーフ弁97C、制御手段である制御部98が主に設けられている。
また、送気装置41には第1腹腔用口金41A,管腔用口金41B及び第2腹腔用口金41Cに加えて、高圧口金99及びスイッチ用コネクタ100が設けられている。高圧口金99には高圧ガス用チューブ46が接続される。スイッチ用コネクタ100にはフットスイッチケーブル44bが接続される。スイッチ用コネクタ100は、制御部98と電気的に接続されている。したがって、フットスイッチ44から出力された制御信号が制御部98に入力される。
供給圧センサ91は、炭酸ガスボンベ42から供給された炭酸ガスの圧力を計測して制御部98に出力する。減圧器92は、高圧口金99を介して供給された炭酸ガスを所定の圧力に減圧する。電空比例弁93は弁部に作用する減圧ばねの力を変化させて圧力を電気的に調節するように構成されており、制御部98から出力される制御信号に基づいて、減圧器92で減圧された炭酸ガスの圧力を0〜500mmHgの範囲内の送気圧に変化される。
電空比例弁93の下流側は、第1腹腔用流路と管腔用流路と第2腹腔用流路との3つに分岐している。第1腹腔用流路は、第1電磁弁94A、第1圧力センサ95A、第1流量センサ96A、第1リリーフ弁97A、第1腹腔用口金41A及び第1チューブ45aで構成されて腔である第1腹腔に通じる第1の流路である。管腔用流路は、第2電磁弁94B、第2圧力センサ95B、第2流量センサ96B、第1リリーフ弁97A、管腔用口金41B及び第2チューブ45bで構成されて管腔に通じる第2の流路である。第2腹腔用流路は第3電磁弁94C、第3圧力センサ95C、第3流量センサ96C、第3リリーフ弁97C、第2腹腔用口金41C及び第3チューブ45cで構成されて第2腹腔に通じる第3の流路である。
第1電磁弁94A、第2電磁弁94B及び第3電磁弁94Cは、制御部98から出力される制御信号に基づいて所定時間間隔で開閉動作される。第1圧力センサ95Aは第1腹腔内圧力を測定して、その測定結果を制御部98に出力する。第2圧力センサ95Bは管腔内圧力を測定して、その測定結果を制御部98に出力する。第3圧力センサ95Cは第2腹腔内圧力を測定して、その測定結果を制御部98に出力する。
第1流量センサ96Aは、第1腹腔内に供給される炭酸ガスの流量を測定して、その測定結果を制御部98に出力する。第2流量センサ96Bは、管腔内に供給される炭酸ガスの流量を測定して、その測定結果を制御部98に出力する。第3流量センサ96Cは、第3腹腔内に供給される炭酸ガスの流量を測定して、その測定結果を制御部98に出力する。
第1リリーフ弁97Aは制御部98からの制御信号に基づいて開閉動作される。第1リリーフ弁97Aが開状態のとき、第1腹腔内のガスが大気中に放出される。第2リリーフ弁97Bは制御部98からの制御信号に基づいて開閉動作される。第2リリーフ弁97Bが開状態のとき、管腔内のガスが大気中に放出される。第3リリーフ弁97Cは制御部98からの制御信号に基づいて開閉動作される。第3リリーフ弁97Cが開状態のとき、第2腹腔内のガスが大気中に放出される。
したがって、炭酸ガスボンベ42内に貯留されている炭酸ガスは、送気装置41内に送られ減圧器92で減圧された後、制御部98から出力される制御信号に基づいて、第1腹腔用流路を介して第1腹腔内又は管腔用流路を介して管腔内又は第2腹腔用流路を介して第2腹腔に供給されるようになっている。
また、制御部98から出力される制御信号に基づいて、第1リリーフ弁97A又は第2リリーフ弁97B又は第3リリーフ弁97Cが開状態にされることによって、第1腹腔内又は管腔内又は第2腹腔内の炭酸ガスが大気中に放出される。このことによって、第1腹腔内圧力又は管腔内圧力又は第2腹腔内圧力が減圧される。
ここで、前述のように構成されている送気装置41の作用を説明する。
まず、手技において第1腹腔と管腔とに炭酸ガスを供給する場合を説明する。
図1に示すように術者或いは医療従事者によって、外科手術システム1において所望する腔内に気体を導入するための第1腹腔用流路及び管腔用流路を構成(導入ステップ)する。その後、送気装置41の電源スイッチ71がオン状態にされると、第1腹腔内圧力表示部77aに第1腹腔内圧力が表示されるとともに、管腔内圧力表示部80aに管腔内圧力が表示される。また、第1腹腔内圧力表示部77b及び第1腹腔流量表示部78b等には、例えば集中操作パネル8で予め設定した(圧力設定ステップ及び流量設定ステップ)第1腹腔内圧力及び設定流量等がそれぞれ表示される。
なお、第1腹腔内圧力や設定流量が予め設定されていない場合には、第1腹腔内圧力表示部77b及び腹腔流量表示部78bは非表示状態であるので、第1腹腔内圧力設定ボタン74a、74bや第1腹腔側送気ガス流量設定ボタン75a、75b、管腔内圧力設定ボタン81a、81b等を操作して第1腹腔内圧力及び設定流量と管腔内圧力との設定を行う。(操作ステップ)
そして、送気装置41においては、炭酸ガスボンベ42のコックが開けられることで、高圧炭酸ガスが減圧器92に導かれて所定の圧力に減圧されて供給された状態になる。その後、術者は、導入ステップの1つである腹腔内に硬性内視鏡21を挿入すると共に、導入ステップの1つである大腸などの管腔内に軟性内視鏡31を挿入して処置部位を特定して治療(処置ステップ)を行う。
その際、術者等によって第1腹腔指示ボタン82及び送気開始ボタン72が操作(操作ステップ)されることにより、送気装置41から第1腹腔内へ炭酸ガスが供給される。一方、術者等によって管腔指示ボタン83が操作されて、フットスイッチ44のスイッチ部44aが押圧(操作ステップ)されることにより、送気装置41から管腔内へ炭酸ガスが供給される。
図6を参照して第1腹腔内圧力及び管腔内圧力の制御(圧力設定ステップ及び流量設定ステップ)を具体的に説明する。
まず、制御部98は、第1腹腔指示ボタン82及び管腔指示ボタン83がボタン操作された状態において、ステップS1に示すように第1腹腔圧を取得する。そして、ステップS2に移行して第1腹腔圧が第1腹腔目標圧(Pa)に達しているか否かを判断する。
このステップS2において、第1腹腔圧が第1腹腔目標圧(Pa)に達していないと判断された場合はステップS3に移行する。ステップS3で制御部98は、電空比例弁93及び第1電磁弁94Aを動作させて第1腹腔内に炭酸ガスを所定量送気した後、ステップS4に移行する。一方、ステップS2において第1腹腔圧が第1腹腔目標圧(Pa)に達していると判断された場合はステップS4に移行する。
ステップS3において、制御部98は、第1圧力センサ95Aによって取得された第1腹腔圧と、第1腹腔目標圧(Pa)との差に応じて電空比例弁93を例えば0〜80mmHgの範囲で調節し、送気圧を決定する。また、その差に応じて第1電磁弁94Aを開状態にする時間を決定し、第1腹腔へ送気する炭酸ガスの量を例えば0.1〜3.5L/minの範囲で調節する。
次に、ステップS4において制御部98は管腔圧を取得する。そして、ステップS5に移行して管腔圧が管腔目標圧(Pb)に達しているか否かを判断する。このステップS5において、管腔圧が管腔目標圧(Pb)に達していないと判断された場合はステップS6に移行する。ステップS6で制御部98は、電空比例弁93及び第2電磁弁94Bを動作させて管腔内に炭酸ガスを所定量送気した後、ステップS7に移行する。一方、ステップS5において管腔圧が管腔目標圧(Pb)に達していると判断された場合はステップS7に移行する。
ステップS6において、制御部98は、第2圧力センサ95Bよって取得された管腔圧と、管腔目標圧(Pb)との差に応じて電空比例弁93を例えば0〜500mmHgの範囲で調節し、送気圧を決定する。また、その差に応じて第2電磁弁94Bを開状態にする時間を決定し、管腔へ送気する炭酸ガスの量を例えば1〜3L/minの範囲で調節する。
ステップS7において制御部98は、第1腹腔圧が第1腹腔目標圧(Pa)より大きく、かつ、管腔圧が管腔目標圧(Pb)より大きかったとき、第1腹腔及び管腔への炭酸ガスの供給を停止状態にする。一方、第1腹腔圧又は管腔圧の一方が第1腹腔目標圧(Pa)又は管腔目標圧(Pb)より小さかったときにはステップS1に移行する。そして、ステップS1からステップS7までを繰り返し行って、第1腹腔圧及び管腔圧を第1腹腔目標圧(Pa)及び管腔目標圧(Pb)より大きくさせる。
制御部98は、第1腹腔圧及び管腔圧を取得することによって、第1腹腔に対する送気と管腔に対する送気とにおいてそれぞれに適した送気圧及び流量で炭酸ガスの送気を行える。また、制御部98は、第1腹腔圧及び管腔圧が第1腹腔目標圧(Pa)及び管腔目標圧(Pb)より下がっているか否かを確認しながら、炭酸ガスを第1腹腔及び管腔に対して交互に送気して、第1腹腔圧及び管腔圧が第1腹腔目標圧(Pa)及び管腔目標圧(Pb)より大きくなるようにしている。
具体的に、制御部98は図7(a)に示すように電空比例弁93を制御しながら、図7(b)及び図7(c)に示すように電磁弁94A及び電磁弁94Bを制御する。このことによって、腹腔及び管腔に対して、それぞれ適切な圧力及び送気量で炭酸ガスが交互に送られる。この結果、図7(d)及び図7(e)に示すように第1腹腔圧が徐々に腹腔目標圧である例えば12mmHgに到達し、管腔圧も徐々に管腔目標圧である例えば30mmHgに到達する。
このように、送気装置に設けられた第1腹腔用流路及び管腔用流路流路を用いて送気を行うことによって、従来の気腹器の機能及びECRの機能と同様に、第1腹腔内及び管腔内にそれぞれ炭酸ガスを供給して視野の確保及び領域の確保を確実に行うことができる。
また、第1腹腔及び管腔に交互に供給する炭酸ガスの圧力を、第1腹腔圧の測定結果及び管腔圧の測定結果を元に設定することによって、第1腹腔内及び管腔内の圧力が急激に上昇することを防止することができる。
次に、図8及び図9を参照して第1腹腔と第2腹腔とに炭酸ガスを供給する場合を説明する。
図8に示すように第1腹腔用流路及び第2腹腔用流路を構成(導入ステップ)した外科手術システム1Aにおいて、電源スイッチ71がオン状態にされると、第1腹腔内圧力表示部77aに第1腹腔内圧力が表示されるとともに、第2腹腔内圧力表示部85aに第2腹腔内圧力が表示される。また、第1腹腔内圧力表示部77b及び腹腔流量表示部78b等には、例えば集中操作パネル8で予め設定した第1腹腔内圧力及び設定流量がそれぞれ表示される。
送気装置41においては、炭酸ガスボンベ42のコックが開けられることで、高圧炭酸ガスが減圧器92に導かれて所定の圧力に減圧されて供給された状態になる。その後、術者は、導入ステップの1つである第1腹腔内への硬性内視鏡21の挿入及び第2腹腔への硬性内視鏡21Aの挿入を行って処置部位を特定して治療(処置ステップ)を行う。
その際、術者等によって腹腔指示ボタン82、87及び送気開始ボタン72が操作(操作ステップ)されることにより、送気装置41から第1腹腔内及び第2腹腔内へ炭酸ガスが供給される。
図9を参照して第1腹腔内圧力及び第2腹腔内圧力の制御(圧力設定ステップ及び流量設定ステップ)を具体的に説明する。
まず、制御部98は、第1腹腔指示ボタン82、第2腹腔指示ボタン87及び送気開始ボタン72がボタン操作された状態において、ステップS11に示すように第1腹腔圧を取得する。そして、ステップS12に移行して第1腹腔圧が第1腹腔目標圧(Pa)に達しているか否かを判断する。
このステップS12において、第1腹腔圧が第1腹腔目標圧(Pa)に達していないと判断された場合はステップS13に移行する。ステップS13で制御部98は、電空比例弁93及び第1電磁弁94Aを動作させて第1腹腔内に炭酸ガスを所定量送気した後、ステップS14に移行する。一方、ステップS12において第1腹腔圧が第1腹腔目標圧(Pa)に達していると判断された場合はステップS14に移行する。
ステップS13において、制御部98は、前述と同様に第1圧力センサ95Aの計測結果に基づいて電空比例弁93を調節して、第1腹腔内へ炭酸ガスを送気する。
次に、ステップS14において制御部98は第2腹腔圧を取得する。そして、ステップS15に移行して第2腹腔圧が第2腹腔目標圧(Pc)に達しているか否かを判断する。このステップS15において、第2腹腔圧が第2腹腔目標圧(Pc)に達していないと判断された場合はステップS16に移行する。ステップS16で制御部98は、電空比例弁93及び第3電磁弁94Cを動作させて第2腹腔内に炭酸ガスを送気した後、ステップS17に移行する。一方、ステップS15において第2腹腔圧が第2腹腔目標圧(Pc)に達していると判断された場合はステップS17に移行する。
ステップS16において、制御部98は、第1圧力センサ95Aによって取得された第1腹腔圧と、第1腹腔目標圧(Pa)との差に応じて電空比例弁93を例えば0〜80mmHgの範囲で調節し、送気圧を決定する。また、その差に応じて第1電磁弁94Aを開状態にする時間を決定し、第1腹腔へ送気する炭酸ガスの量を例えば0.1〜3.5L/minの範囲で調節する。
ステップS17において制御部98は、第1腹腔圧が第1腹腔目標圧(Pa)より大きく、かつ、第2腹腔圧が第2腹腔目標圧(Pc)より大きかったとき、第1腹腔及び第2腹腔への炭酸ガスの供給を停止状態にする。一方、第1腹腔圧又は第2腹腔圧の一方が第1腹腔目標圧(Pa)又は第2腹腔目標圧(Pc)より小さかったときにはステップS11に移行する。そして、ステップS11からステップS17までを繰り返し行って、第1腹腔圧及び第2腹腔圧を第1腹腔目標圧(Pa)及び第2腹腔目標圧(Pc)より大きくさせる。
制御部98は、第1腹腔圧及び第2腹腔圧を取得することによって、第1腹腔に対する送気と第2腹腔に対する送気とにおいてそれぞれに適した送気圧で炭酸ガスの送気を行える。また、制御部98は、第1腹腔圧及び第2腹腔圧が第1腹腔目標圧(Pa及び第2腹腔目標圧(Pc)より下がっているか否かを確認しながら、炭酸ガスを第1腹腔及び第2腹腔に対して交互に送気して、第1腹腔圧及び第2腹腔圧が第1腹腔目標圧(Pa)及び第2腹腔目標圧(Pc)より大きくなるようにしている。
このように、送気装置に設けられた第1腹腔用流路及び第2腹腔用流路を用いて送気を行うことによって、従来の気腹器2台分の機能と同様に、第1腹腔内及び第2腹腔内にそれぞれ炭酸ガスを供給して視野の確保及び領域の確保を確実に行うことができる。
また、第1腹腔及び第2腹腔に交互に供給する炭酸ガスの圧力を、第1腹腔圧の測定結果及び第2腹腔圧の測定結果を元に設定することによって、第1腹腔内及び第2腹腔内の圧力が急激に上昇することを防止することができる。
なお、第1の管腔と第2管腔とへの炭酸ガスも前述と同様に行える。
次いで、図10及び図11を参照して第1腹腔と管腔と第2腹腔とに炭酸ガスを供給する場合を説明する。
図10に示すように第1腹腔用流路、管腔用流路及び第2腹腔用流路を構成(導入ステップ)した外科手術システム1Bにおいて、電源スイッチ71がオン状態にされると、第1腹腔内圧力表示部77aに第1腹腔内圧力が表示され、管腔内圧力表示部80aに管腔内圧力が表示され、第2腹腔内圧力表示部85aに第2腹腔内圧力が表示される。また、第1腹腔内圧力表示部77b及び腹腔流量表示部78b等には、例えば集中操作パネル8で予め設定した第1腹腔内圧力及び設定流量がそれぞれ表示される。
送気装置41においては、炭酸ガスボンベ42のコックが開けられることで、高圧炭酸ガスが減圧器92に導かれて所定の圧力に減圧されて供給された状態になる。その後、術者は、導入ステップの1つである硬性内視鏡21の第1腹腔内への挿入及び軟性内視鏡31の大腸などの管腔内への挿入を行って、硬性内視鏡21Aを第2腹腔内に挿入して処置部位を特定して治療(処置ステップ)を行う。
その際、術者等によって腹腔指示ボタン82、87及び送気開始ボタン72が操作(操作ステップ)されることにより、送気装置41から第1腹腔内及び第2腹腔内へ炭酸ガスが供給される。一方、術者等によって管腔指示ボタン83が操作されて、フットスイッチ44のスイッチ部44aが押圧(操作ステップ)されることにより、送気装置41から管腔内へ炭酸ガスが供給される。
図11を参照して第1腹腔内圧力、管腔内圧力及び第2腹腔内圧力の制御を具体的に説明する。
まず、制御部98は、第1腹腔指示ボタン82、管腔指示ボタン83、第2腹腔指示ボタン87及び送気開始ボタン72がボタン操作された状態において、ステップS21に示すように第1腹腔圧を取得する。そして、ステップS22に移行して第1腹腔圧が第1腹腔目標圧(Pa)に達しているか否かを判断する。
このステップS22において、第1腹腔圧が第1腹腔目標圧(Pa)に達していないと判断された場合はステップS23に移行する。ステップS23で制御部98は、電空比例弁93及び第1電磁弁94Aを動作させて第1腹腔内に炭酸ガスを所定量送気した後、ステップS24に移行する。一方、ステップS22において、第1腹腔圧が第1腹腔目標圧(Pa)に達していると判断された場合はステップS24に移行する。
ステップS23において、制御部98は、前述と同様に第1圧力センサ95A及び第1流量センサ96Aの計測結果に基づいて電空比例弁93を調節して、第1腹腔内へ炭酸ガスを送気する。
次に、ステップS24において制御部98は管腔圧を取得する。そして、ステップS25に移行して管腔圧が管腔目標圧(Pb)に達しているか否かを判断する。このステップS25において、管腔圧が管腔目標圧(Pb)に達していないと判断された場合はステップS26に移行する。ステップS26で制御部98は、電空比例弁93及び第2電磁弁94Bを動作させて管腔内に炭酸ガスを送気した後、ステップS27に移行する。一方、ステップS25において管腔圧が管腔目標圧(Pb)に達していると判断された場合はステップS27に移行する。
ステップS26において、制御部98は、前述と同様に第2圧力センサ95B及び第2流量センサ96Bの計測結果に基づいて電空比例弁93を調節して、管腔内へ炭酸ガスを送気する。
次いで、ステップS27において制御部98は第2腹腔圧を取得する。そして、ステップS28に移行して第2腹腔圧が第2腹腔目標圧(Pc)に達しているか否かを判断する。このステップS28において、第2腹腔圧が第2腹腔目標圧(Pc)に達していないと判断された場合はステップS29に移行する。ステップS29で制御部98は、電空比例弁93及び第2電磁弁94Bを動作させて管腔内に炭酸ガスを送気した後、ステップS30に移行する。一方、ステップS28で、第2腹腔圧が第2腹腔目標圧(Pc)に達していると判断された場合はステップS30に移行する。
ステップS29において、制御部98は、前述と同様に第3圧力センサ95C及び第3流量センサ96Cの計測結果に基づいて電空比例弁93を調節して、第3腹腔内へ炭酸ガスを送気する。
ステップS30において、第1腹腔圧が第1腹腔目標圧(Pa)より大きく、かつ、管腔圧が管腔目標圧(Pb)より大きく、かつ、第2腹腔圧が第2腹腔目標圧(Pc)より大きかったとき、第1腹腔、管腔及び第2腹腔への炭酸ガスの供給を停止状態にする。一方、第1腹腔圧又は管腔又は第2腹腔圧のうち1つでも第1腹腔目標圧(Pa)又は管腔目標圧(Pb)又は第2腹腔目標圧(Pc)より小さかったときにはステップS21に移行する。そして、ステップS21からステップS30までを繰り返し行って、第1腹腔圧、管腔圧及び第2腹腔圧を第1腹腔目標圧(Pa)及び管腔目標圧(Pb)及び第2腹腔目標圧(Pc)より大きくさせる。
制御部98は、第1腹腔圧及び管腔圧及び第2腹腔圧を取得することで、第1腹腔に対する送気と管腔に対する送気と第2腹腔に対する送気とにおいてそれぞれに適した送気圧で炭酸ガスの送気を行える。また、制御部98は、第1腹腔圧、管腔圧及び第2腹腔圧が第1腹腔目標圧(Pa)、管腔目標圧(Pb)及び第2腹腔目標圧(Pc)より下がっているか否かを確認しながら、炭酸ガスを第1腹腔、管腔、第2腹腔の順番に送気して、第1腹腔圧、管腔圧及び第2腹腔圧が第1腹腔目標圧(Pa)、管腔目標圧(Pb)及び第2腹腔目標圧(Pc)より大きくなるようにしている。
このように、送気装置に設けられた第1腹腔用流路、管腔用流路及び第2腹腔用流路を用いて送気を行うことによって、従来の気腹器2台分の機能とECRの機能と同様に、2箇所の腹腔内及び管腔内にそれぞれ炭酸ガスを供給して視野の確保及び領域の確保を確実に行うことができる。
また、第1腹腔、管腔、第2腹腔の順番で供給する炭酸ガスの圧力を、第1腹腔圧の測定結果、管腔圧の測定結果及び第2腹腔圧の測定結果を元に設定しているので、第1腹腔内、管腔内及び第2腹腔内の圧力が急激に上昇することを防止することができる。
本実施形態においては、送気装置に第1腹腔用口金、管腔用口金、第2腹腔用口金を設ける構成を示しているが、送気装置毎に用途に応じた2つの口金を設けて、制御部で制御するようにしても良い。
本実施形態においては、送気装置41に第1腹腔用口金41A、管腔用口金41B、第2腹腔用口金41Cを設ける構成を示しているが、図12に示すように送気装置41Hに第1の供給口金である腹腔用口金41Jと、第2の供給口金である第1管腔用口金41Kと、第3の供給口金である第2管腔用口金41Lとを設けるようにしてもよい。
そして、第1管腔用口金41Kにはチューブ45dの一端部が連結され、このチューブ45dの他端部は例えば大腸に挿入される軟性内視鏡31に設けられているチューブ連結部に連結される。第2管腔用口金41Lにはチューブ45eの一端部が連結され、このチューブ45eの他端部は例えば胃に挿入される軟性内視鏡31Aに設けられているチューブ連結部に連結される。
このことによって、2つの管腔と1つの腹腔に送気を行える送気装置を構成することができる。
図13に示すように送気装置41Mに第1の供給口金である腹腔用口金41Nと、第2の供給口金である管腔用口金41Pと、第3の供給口金である腹腔/管腔切替口金41Rとを設けるようにしてもよい。本実施形態においては送気装置41Mに、腹腔/管腔切替口金41Rに接続される流路が第2腹腔用であるか第2管腔用であるかを制御部98に報知する報知手段である口金切替設定スイッチ41Sが設けられている。
したがって、口金切替設定スイッチ41Sを操作して制御部98に制御信号を出力することによって、制御部98は腹腔/管腔切替口金41Rに接続されて構成された流路が第2腹腔用であるか第2管腔用であるかを判断して、所定の制御を行う。
このことによって、口金切替設定スイッチを操作することにより選択的に、2つの腹腔と1つの管腔へと送気を行える、又は、2つの管腔と1つの腹腔へと送気を行える送気装置を構成することができる。
又、送気装置に3つ以上の供給口金を設ける構成であってもよい。
なお、本実施形態においては、第1腹腔、管腔、第2腹腔という予め決められた順序で送気を場合の送気制御例について説明したが、送気制御の順序はこれに限定されるものではなく、例えば管腔、第1腹腔、第2腹腔という順序等であってもよい。
また、送気の順序を決める手段を設けるようにして、その手段に基づいて送気制御する構成にしても同様な効果を得ることができる。
さらに、それぞれの目標圧の大きい腔から順番に送気を行うようにしてもよい。この場合には、より目標に達するまでの時間が短縮される効果が期待できる。また、目標圧と実際の圧力との差が大きい腔から順番に送気を行うようにしてもよい。
図14及び図15は本発明の第2実施形態にかかり、図14は第1腹腔及び第2腹腔の容積を設定可能な送気装置における設定操作部及び表示部の構成を説明する図、図15は制御部による第1腹腔内の圧力及び容積と第2腹腔内の圧力及び容積との制御例を示すフローチャートである。
図14を参照して本実施形態の送気装置101のフロントパネルの構成を説明する。
図14に示すように送気装置101のフロントパネルには前記第1実施形態の送気装置41の第1腹腔用設定表示部41Eに設けられていた第1腹腔側流量表示部78a、78b及び第1腹腔側送気ガス流量設定ボタン75a,75bの代わりに、第1腹腔容積設定表示部88a、88b及び第1腹腔容積設定ボタン90a、90bが設けられている。また、第2腹腔用設定表示部41Gに表示部64である第2腹腔容積設定表示部89a、89bを設けると共に、設定操作部63である第2腹腔容積設定ボタン90c、90dを設けている。
第1腹腔容積設定ボタン90a及び第2腹腔容積設定ボタン90cは、ボタン操作することによって設定値を徐々に高くなる方向に変化させる。一方、第1腹腔容積設定ボタン90b及び第2腹腔容積設定ボタン90dは、ボタン操作することによって設定値を徐々に低くなる方向に変化させる。
そして、第1腹腔容積設定表示部88aには前記第1流量センサ96Aで測定された測定結果が表示される。一方、第1腹腔容積設定表示部88bには第1腹腔容積設定ボタン90a、90bをボタン操作して設定された設定容積が表示される。また、第2腹腔容積設定表示部89aには前記第3流量センサ96Cで測定された測定結果が表示される。一方、第2腹腔容積設定表示部89bには第2腹腔容積設定ボタン90c、90dをボタン操作して設定された設定容積が表示される。
その他の構成は前記第1実施形態と同様であり、同部材には同符号を付して説明を省略する。
図15を参照して第1腹腔内圧力及び第2腹腔内圧力の制御(圧力設定ステップ及び流量設定ステップ)を具体的に説明する。
まず、制御部98は、第1腹腔指示ボタン82、第2腹腔指示ボタン87及び送気開始ボタン72がボタン操作された状態において、ステップS31に示すように第1腹腔容積設定表示部88bに表示されている第1腹腔設定容積(Va)を第1腹腔内ガス供給許容量(ΔVa)として設定すると共に、第2腹腔容積設定表示部89bに表示されている第2腹腔設定容積(Vb)を第2腹腔内ガス供給許容量(ΔVb)として設定する(操作ステップ)。
次に、ステップS32に移行して制御部98は、第1腹腔圧を取得し、ステップS33に移行して第1腹腔圧が第1腹腔目標圧(Pa)に達しているか否かを判断する。このステップS33において、第1腹腔圧が第1腹腔目標圧(Pa)に達していないと判断された場合はステップS34に移行して第1腹腔内へ供給された炭酸ガスの総量である第1腹腔内積算流量(Fa)と第1腹腔内ガス供給許容量との比較を行う。一方、ステップS33において、第1腹腔圧が第1腹腔目標圧(Pa)に達していると判断された場合はステップS38に移行する。
ステップS34において、第1腹腔内積算流量(Fa)が第1腹腔設定容積(Va)より少ないと判断された場合はステップS35に移行する。このステップS35で、制御部98は、電空比例弁93及び第1電磁弁94Aを動作させて、ΔVa/2の容量の炭酸ガスを一度に第1腹腔内に供給して、ステップS37に移行する。一方、ステップS34において第1腹腔内積算流量(Fa)が第1腹腔設定容積(Va)より多いと判断された場合はステップS36に移行して術者にエラー告知をするための処理を行う。具体的なエラー告知としてはブザーの発報或いは圧力警告灯84の例えば赤色点滅等である。
ステップS37において、制御部98は、第1流量センサ96Aの測定結果を基に第1腹腔内に供給された炭酸ガスの総量(Fa)を求め、ステップS38に移行する。
次に、ステップS38においては制御部98は第2腹腔圧を取得し、ステップS39に移行して第2腹腔圧が第2腹腔目標圧(Pc)に達しているか否かを判断する。このステップS39において、第2腹腔圧が第2腹腔目標圧(Pc)に達していないと判断された場合はステップS40に移行して第2腹腔内へ供給された炭酸ガスの総量である第2腹腔内積算流量(Fb)と第1腹腔内ガス供給許容量との比較を行う。一方、ステップS39において、第2腹腔圧が第2腹腔目標圧(Pc)に達していると判断された場合はステップS45に移行する。
ステップS40において、第2腹腔内積算流量(Fb)が第2腹腔設定容積(Vb)より少ないと判断された場合はステップS41に移行する。このステップS41で、制御部98は、電空比例弁93及び第3電磁弁94Cを動作させて、ΔVb/2の容量の炭酸ガスを一度に第2腹腔内に供給して、ステップS43に移行する。一方、ステップS40において第1腹腔内積算流量(Fb)が第2腹腔設定容積(Vb)より多いと判断された場合はステップS42に移行して術者にエラー告知をするための処理を行う。具体的なエラー告知は前述と同様である。
ステップS43において、制御部98は第2腹腔内に供給された炭酸ガスの総量(Fb)を求め、ステップS44に移行する。ステップS44において制御部98は、第1腹腔設定容積(Va)とステップS37で求めた第1腹腔内積算流量(Fa)との差分を求め、この差分を第1腹腔内ガス供給許容量(ΔVa)として再設定すると共に、第2腹腔設定容積(Vb)からステップS43で求めた第2腹腔内積算流量(Fb)との差分を求め、この差分を第2腹腔内ガス供給許容量(ΔVb)として再設定してステップS45に移行する。
ステップS45において制御部98は、第1腹腔圧が第1腹腔目標圧(Pa)より大きく、かつ第2腹腔圧が第2腹腔目標圧(Pc)より大きかったとき、第1腹腔及び第2腹腔への炭酸ガスの供給を停止状態にする。一方、第1腹腔圧又は第2腹腔圧の一方が第1腹腔目標圧(Pa)又は第2腹腔目標圧(Pc)より小さかったときにはステップS32に移行する。そして、ステップS32からステップS45までを繰り返し行って、第1腹腔圧及び第2腹腔圧を第1腹腔目標圧(Pa)及び第2腹腔目標圧(Pc)より大きくさせる。
制御部98は、第1腹腔圧及び第2腹腔圧を取得すると共に、第1腹腔へのガスの供給量及び第2腹腔へのガスの供給量とを確認して、第1腹腔に対する送気と第2腹腔に対する送気とにおいてそれぞれに適した送気圧で炭酸ガスの送気を行える。また、制御部98は、第1腹腔の容積及び第2腹腔の容積を考慮の上で、第1腹腔圧及び第2腹腔圧が第1腹腔目標圧(Pa)及び第2腹腔目標圧(Pc)より下がっているか否かを確認しながら、炭酸ガスを第1腹腔及び第2腹腔に対して交互に送気して、第1腹腔圧及び第2腹腔圧が第1腹腔目標圧(Pa)及び第2腹腔目標圧(Pc)より大きくなるようにしている。
このように、それぞれの腹腔の容積を予め設定して、各腹腔内に炭酸ガスを供給することによって、より確実に視野の確保及び領域の確保を行うことができる。
また、それぞれの腹腔内に供給された炭酸ガスの総量とそれぞれの腹腔の設定容積とを常時比較する制御を行うことによって、それぞれの腹腔内に炭酸ガスが過剰に供給されることを防止することができる。その他の作用及び効果は前記第1実施形態と同様である。
尚、本発明は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能である。
[付記]
以上詳述したような本発明の上記実施形態によれば、以下の如き構成を得ることができる。
1.高圧な気体を貯留した供給源に連通する複数の流路を、体内の複数の腔へ導入する導入ステップと、
前記複数の流路を介して供給される気体のそれぞれの圧力を設定する圧力設定ステップと、
前記供給されるそれぞれの気体の流量を設定する流量設定ステップと、
前記複数の流路より前記複数の腔内に気体を供給するために、前記圧力設定ステップで設定された圧力及び前記流量設定ステップで設定された流量になるように前記複数の流路を制御する制御装置の操作部を操作する操作ステップと、
前記操作ステップでの操作に基づき、前記気体が供給された前記複数の腔の少なくともいずれかにおいて腔内の処置を施す処置ステップと、
を有する体腔内処置方法。
図1ないし図13は本発明の第1実施形態に係り、図1は送気装置を備えた腹腔鏡下外科手術システムの構成を説明する図 腹腔鏡下外科手術システムを構成する集中操作パネルの構成例を説明する図 腹腔鏡下外科手術システムを構成する集中表示パネルの構成例を説明する図 送気装置の設定操作部及び表示部の構成例を示す図 送気装置の構成を説明するブロック図 第1腹腔及び管腔に送気を行う送気装置における制御部の制御動作例を示すフローチャート 制御部によって制御される電空比例弁、第1電磁弁及び第2電磁弁と腹腔圧及び管腔圧との関係を説明する図 送気装置によって第1腹腔及び第2腹腔に送気を行う際の構成例を説明する図 第1腹腔及び第2腹腔に送気を行う送気装置における制御部の制御動作例を示すフローチャート 送気装置によって第1腹腔、管腔及び第2腹腔に送気を行う際の構成例を説明する図 第1腹腔、管腔及び第2腹腔に送気を行う送気装置における制御部の制御動作例を示すフローチャート 送気装置の他の構成例を説明する図 送気装置の別の構成例を説明する図 図14及び図15は本発明の第2実施形態にかかり、図14は第1腹腔及び第2腹腔の容積を設定可能な送気装置における設定操作部及び表示部の構成を説明する図 制御部による第1腹腔内の圧力及び容積と第2腹腔内の圧力及び容積との制御例を示すフローチャート 送気装置とECRとを備えた腹腔鏡下外科手術システムの構成例を説明する図
符号の説明
1…腹腔鏡下外科手術システム 2…第1内視鏡システム 3…第2内視鏡システム 4…送気システム 21…硬性内視鏡 31…軟性内視鏡 41…送気装置
41A…第1腹腔用口金 41B…管腔用口金 41C…第2腹腔用口金
42…炭酸ガスボンベ 93…電空比例弁
94A…第1電磁弁 94B…第2電磁弁 94C…第3電磁弁
95A…第1圧力センサ 95B…第2圧力センサ 95C…第3圧力センサ
96A…第1流量センサ 96B…第2流量センサ 96C…第3流量センサ
98…制御部
代理人 弁理士 伊藤 進

Claims (3)

  1. 気体の供給源に連通して、患者の複数の腔へ前記気体をそれぞれ供給するための複数の流路と、
    前記流路中に設けられ、前記それぞれの腔内の圧力を検出する圧力検出手段と、
    前記供給源から前記それぞれの流路を介して前記それぞれの腔に供給される気体の圧力を、前記それぞれの流路毎に調整する圧力調整手段と、
    前記圧力検出手段の検出結果に基づき前記圧力調整手段を制御して、所定圧力に調整した気体をそれぞれの流路に予め定めた順序で送気する制御を行う制御手段と、
    を具備する送気装置において、
    前記複数の流路は、前記供給源から腹腔内へ気体を供給する第1の流路、前記供給源から管腔内へ気体を供給する第2の流路及び前記腹腔とは異なる腔内へ気体を供給する流路又は前記管腔とは異なる他の管腔内へ気体を供給する第3の流路を備え、
    前記第3の流路が、前記腹腔とは異なる後腔内へ気体を供給する流路であるか、前記管腔とは異なる管腔内へ気体を供給する流路であるかを識別する信号を前記制御手段に出力する口金切替設定スイッチを報知手段として設けたことを特徴とする送気装置。
  2. それぞれの腔の目標とする容積を設定する容積設定手段と、
    それぞれの腔の目標とする圧力を設定する圧力設定手段と、
    前記それぞれの流路中に設けられ、各腔内に供給される気体の流量を検出する流量検出手段と、をさらに備え、
    前記制御手段は、前記圧力設定手段の設定値及び前記圧力検出手段の検出結果に加えて、前記容積設定手段の設定値と前記流量検出手段の検出結果とに基づき前記圧力調整手段を制御して、前記供給源から供給される気体を所定圧力に調整して、それぞれの流路に予め定めた順序で送気する制御を行うことを特徴とする請求項1記載の送気装置。
  3. 前記制御手段は、前記容積設定手段によってそれぞれ設定された容量の気体を前記それぞれの腔に送気し、その後は、前記設定値から実際に供給された供給量を差し引いた容量の気体を前記それぞれの腔に送気する制御を繰り返し行うことを特徴とする請求項2に記載の送気装置。
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