JP4666815B2 - 超音波診断装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は超音波診断装置に関し、特にフレームレートを向上させる技術に関する。
【0002】
【従来の技術及びその課題】
超音波診断装置においては、通常は1送受信当たり、1本の送信ビーム及び1本の受信ビームが形成される。1フレーム(1枚の超音波画像に相当)を構成する送信ビームの本数をNtrとし、送信繰り返し周期をTprtとすると、フレームレートFR(フレーム数/秒)は、以下の周知の演算式から一義的に演算される。
【0003】
FR=1/(Ntr×Tprt) ・・・(1)
上記の演算式から、フレームレートを向上させるには、送信ビームの本数を少なくすること、送信繰り返し周期を短くすること、が考えられるが、前者によると、空間分解能の低下あるいは取込領域の制限、後者によると計測深さが浅くなる、といった問題が生じる。そこで、従来から、複数の受信処理系を並列設置し、1送信ビーム当たり複数の受信ビームを形成し、フレームレートを向上させることが行われている。一方、送信に関しては、互いに異なる複数の送信帯域を利用して、多方向同時送信(複数の送信ビームの同時形成)を行うことも可能ではあるが、そのような単純な周波数方式では、各送信ビームに対応した受信信号の分離が非常に困難であり、また、極めて広帯域の超音波振動子を利用しなければならない。更に、同じ振動素子に対して複数の送信パルスが同時に供給されると、超音波パルスが相互に干渉し合って適正に超音波を生成できない可能性がある。
【0004】
ところで、生体の深い部分(深部)をより良好な画質で観測するためには、送波される超音波パルスの中心周波数を低く設定するのが望ましい。これは、生体中を超音波が伝播する際に周波数が高いほど大きく減衰する特性(周波数依存減衰特性)があるためである。しかし、常に低い中心周波数を設定すると、十分な距離方向の空間分解能が得られなくなる。したがって、深部において、十分な感度及び十分な空間分解能を同時に得ることはできなかった。
【0005】
本発明は、上記従来の課題に鑑みなされたものであり、その目的は、信号の識別分離が容易な多方向同時送信(及び多方向同時受信)を実現することにある。
【0006】
本発明の他の目的は、フレームレートを向上させて時間分解能を向上させることにある。また、本発明の他の目的は、深部における空間分解能と感度の両方を向上させることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
(1)上記目的を達成するために、本発明は、複数の振動素子からなるアレイ振動子と、1回のマルチ送信当たりN個の送信ビームを同時的に形成するために、前記アレイ振動子に対して、1回のマルチ送信当たりN個の送信パルスセットを出力する送信部と、前記アレイ振動子から出力される受信信号を入力し、前記N個の送信パルスセットに対応した複数の受信信号成分を抽出する受信部と、前記複数の受信信号成分に基づいて超音波画像を形成する画像形成部と、を含み、前記各送信パルスセットは送信ビームを形成するための遅延関係をもって並列出力された複数の送信パルスで構成され、前記各送信パルスセットごとにそれぞれ異なるパルス波形が定められ、それを利用して前記複数の受信信号成分が抽出されることを特徴とする。
【0008】
上記構成によれば、1回のマルチ送信当たり、アレイ振動子にはN個(Nは2以上の整数)の送信パルスセットが順次供給される。その各送信パルスセットは、それら相互間で異なるパルス波形を有し、かつ、並列出力される複数の送信パルスで構成される。このN個の送信パルスセットがアレイ振動子に供給されると、N個の送信ビームが同時的に形成される。より具体的には、ビーム形成開始タイミングが短時間ずつずれて多重化されつつ、N個の送信ビームが形成される。
【0009】
受信時においては、N個の送信ビームに合致してN個の受信ビームが形成される。あるいは、N個の送信ビームのそれぞれに対してM個(Mは2以上の整数)の受信ビームが形成され、つまりN×M個の受信ビームが形成される。いずれにしても、各受信ビームごとに受信信号が処理されて、複数(N個又はN×M個)の受信信号成分が抽出される。そして、それらの受信信号成分を利用して超音波画像が形成される。
【0010】
以上のように、1回の送受信で複数の超音波ビームを構成できるのでフレームレートを向上でき、時間分解能を向上できる。
【0011】
望ましくは、前記送信部はパルス変調の条件を変えることによってN個のパルス波形を生成する。ここで、送信時(マルチ送信時)のパルス変調は、受信時(マルチ受信時)のパルス復調(パルス圧縮)を前提とするものである。そのようなパルス圧縮方式によれば、特に生体深部において感度を向上させて、また距離方向の空間分解能を高められる。そのようなパルス圧縮方式としては、二値化コードによる直接拡散方式、チャープ信号方式、周波数ホッピング方式などが周知である。送信時において、各送信ビームを変調によって個性化しておくことにより、受信時において、各送信ビームに対応する信号成分を精度よく弁別することができる。
【0012】
望ましくは、前記N個の送信パルスセットは、それらの相互間において振動素子単位でのパルス波形の重なりが生じず、かつ、マルチ送信繰り返し周期の1/Nよりも短い間隔で出力される。1マルチ送信当たり、振動素子に複数の送信パルスが供給される場合に、それらが時間的に重なり合うと相互干渉の問題が生じるが、上記構成によればそれを防止できる。また、それらのN個の送信パルスセットは、マルチ送信繰り返し周期の1/Nよりも短い間隔で出力されるが、より望ましくは、フレームレートをより向上させるために、極めて短時間の間隔をもってN個の送信パルス列が送信される。
【0013】
望ましくは、前記複数の振動素子に対して開口位置がシフトしたN個の送信開口が設定され、各送信開口を構成する複数の振動子に対して、それに対応する送信パルスセットが供給される。この構成によれば、超音波ビームの電子リニア走査(コンベックス走査を含む)で上記構成を実現できる。
【0014】
望ましくは、前記複数の振動子の全部に対して送信開口が設定され、それら全部の振動素子に対して各送信パルスセットが供給される。この構成によれば、超音波ビームの電子セクタ走査で上記構成を実現できる。
【0015】
望ましくは、前記受信部は、前記N個の送信ビームに合致したN個の受信ビームを同時的に形成するために並列配置されたN個の整相加算部と、前記N個の整相加算部から出力されるN個の整相加算信号からN個の受信信号成分を抽出する並列配置されたN個の抽出部と、を含む。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。
【0017】
図1には、本発明に係る超音波診断装置の全体的な構成がブロック図として示されている。
【0018】
図1において、アレイ振動子10は、図示されていない超音波探触子内に設けられるものであり、このアレイ振動子10は直線状に整列したあるいは円弧状に整列した複数の振動素子12によって構成される。図1においては、それらの複数の振動素子12がch1〜chmとして示されている。
【0019】
マルチ送信ビームフォーマ16は、1回の送信(マルチ送信)あたり、本実施形態において3本の送信ビームを多重的に形成するための送信回路である。具体的に説明すると、マルチ送信ビームフォーマ16は、図1に示す例において、各振動素子12ごとに設けられたm個の送信ユニット20によって構成される。各送信ユニット20は、送信制御部18によって制御される。また、送信制御部18等は主制御部14によって制御される。
【0020】
各送信ユニット20は、図1に示す例において、メモリ22、D/A変換器24、ローパスフィルタ(LPF)26、重み付け回路としての減衰器28及び送信アンプ29によって構成されている。メモリ22は、波形メモリとして構成され、本実施形態において、互いに異なるパルス波形をもった3つの送信パルス(原波形)をデジタル信号として格納している。それら3つのパルスは、後に図6を用いて示すように、互いに異なるコードによって変調されたすなわち差別化された所定数の波からなるものである。
【0021】
送信制御部18は、各メモリ22に対して送信パルスの種別の選択及び、選択された送信パルスの出力タイミングの制御を実行する。メモリ22から出力された送信パルスは、D/A変換器24においてデジタル信号からアナログ信号へ変換され、そのアナログ信号に変換された送信パルスがLPF26を通過して減衰器28に入力される。減衰器28は、送信開口内において重み付けを行う回路であって、例えば送信開口の中央部よりもその端部については小さな重み付け、すなわち大きな減衰量を設定する回路である。
【0022】
減衰器28から出力される送信パルスは送信アンプ29を介して対応するチャンネルの振動素子12へ出力される。よって、電子セクタ走査が行われる場合においては、送信制御部18の制御によって、まず最初に第1送信ビームを形成するために所定の遅延関係をもって各メモリ22からそれぞれ第1送信パルスが出力され、それらによって構成される第1送信パルスセットが各回路を通過した後にアレイ振動子10の各振動素子12へ出力されることになる。また、送信制御部18の制御によって、第1送信パルスセットの出力に引き続いて、第2送信パルスセットが複数のメモリ22から出力され、上記同様にアレイ振動子10へ出力される。更に、送信制御部18の制御により、複数のメモリ22から第2送信パルスセットに引き続いて第3送信パルスセットが出力され、その第3送信パルスセットもアレイ振動子10へ出力されることになる。
【0023】
各送信パルスセットはそれぞれ送信ビームを形成するために、上述のように所定の遅延関係をもって並列出力された例えばm個の送信パルスからなるものであり、それぞれの送信パルスセット間において各送信パルスの波形は上述のように異なっている。本実施形態においては、後に図4及び図5を用いて説明するように、各送信パルスセットが極めて微小の間隔をもって順番に出力されており、よって、アレイ振動子10においては、1マルチ送信あたり3つの送信ビームが同時的に形成される。もちろん、各送信ビームの形成開始時点には実際には時間的にわずかなずれがあるが、各送信パルスセット間における時間的な間隔は極めて短時間であるため、ほぼ同時期に3つの送信ビームが形成されるとみなすことができる。よって、同時的にあるいは多重的に3つの異なる方向に送信ビームを形成することができるので、フレームレートを従来よりもほぼ1/3にすることができる。
【0024】
一般には、N個の送信ビームが同時的に形成される場合には、従来に比べてフレームレートをほぼ1/Nにすることができる。ちなみに、このようなマルチ送信の送信繰り返し周期Tごとに、上述のような3つの送信ビームの同時的な形成が繰り返し実行されており、その場合において、それぞれの送信ビームのビームアドレスは異なっており、3本の送信ビームは電子セクタ走査(あるいは電子リニア走査)されることになる。
【0025】
次に、受信系について説明する。図1において、各チャンネルごとに信号切換器などが設けられているが、図示省略されている。また、電子リニア走査を行う場合には、マルチ送信ビームフォーマ16及び後述する受信信号処理部30と、アレイ振動子10との間にスイッチングマトリックス回路などが設けられる。
【0026】
受信信号処理部30は、本実施形態において、m個の受信信号処理ユニット32によって構成されている。各受信信号処理ユニット32は、それぞれ各チャンネルに対応したものである。それぞれの受信信号処理ユニット32において、対応するチャンネルからの受信信号は、アンプ34において増幅された後、LPF36を通過してA/D変換器38に入力される。そのA/D変換器38において、アナログ信号からデジタル信号への変換が実行される。このような処理が各受信信号処理ユニット32ごとに実行される。整相加算部40は、互いに並列的に設けられた3つの受信ビームフォーマ42、44、46によって構成される。それぞれの受信ビームフォーマー42、44、46には、受信信号処理部38から出力される受信信号セットが入力される。
【0027】
各受信ビームフォーマー42、44、46は、従来の受信ビームフォーマと同様に、各チャンネルごとに設けられた複数の遅延器と、それらの複数の遅延器から出力される受信信号を加算する加算器と、によって構成されるものである。本実施形態においては、3つの送信ビームが同時的に形成された場合に、それらに合致する3つの受信ビームが同時的に形成されており、各受信ビームはそれぞれの受信ビームフォーマ42、44、46によって電子的に形成される。
【0028】
相関演算部48は、本実施形態において3つの圧縮演算器(相関演算器)50、52、54によって構成されている。各圧縮演算器50、52、54には、対応する受信ビームフォーマー42、44、46から出力された整相加算後の受信信号が入力される。各圧縮演算器50、52、54の具体的な構成例については後に図2及び図3を用いて説明するが、この圧縮演算器50、52、54は、対応する送信ビームを形成する際に利用されたパルス波形に従って、受信信号に対してパルス圧縮処理を実行することにより、公知のパルス圧縮技術の適用によって受信信号に対して時間軸上におけるパルス圧縮を実行するものである。
【0029】
この場合において、そのパルス圧縮の方式としては、二値化コードによる直接拡散方式、チャープ信号方式、周波数ホッピング方式などの各種の方式を利用することができ、上記の3つの送信パルス波形を構成する場合においては、それぞれ異なる符号系列を用いて直接拡散方式によって3つの送信パルス波形を構成するようにしてもよいし、互いに異なる周波数の組を利用して周波数ホッピング方式によって3つの送信パルス波形を構成するようにしてよいし、互いに異なる周波数変調条件をもってチャープ信号方式に従って3つの送信パルス波形を構成するようにしてもよい。いずれにしても、各メモリ22から出力される3つの送信パルスに適用された変調条件と、3つの圧縮演算器50、52、54における3つの復調方式(パルス圧縮方式)を対応付けることによって、3つの送信ビーム及びそれによって得られる3つの受信信号成分をそれぞれ相互に識別することができる。
【0030】
また、このようにパルス圧縮技術を適用して超音波の送受信を行うので、特に生体の深部において、距離方向における空間分解能を維持しながら検出感度を向上することができるという利点がある。
【0031】
もちろん、上述したように、従来よりもフレームレートを極めて高めることができるので、フレーム間の時間分解能も従来よりも飛躍的に高められる。
【0032】
検波部56は、本実施形態において3つの検波器58、60、62によって構成されている。各検波器58、60、62には、それぞれ対応する圧縮演算器50、52、54から出力された圧縮後の受信信号が入力され、各検波器58、60、62は包絡線検出を実行し、すなわちエンベロープの検出を行って、検波後の受信信号を出力する。それぞれの受信信号が図示されるようにスキャン変換部64に送られ、そこに設けられたフレームメモリ65上には、各受信ビームに対応するエコーデータが格納される。すなわち、本実施形態においては、フレームメモリ65上に、1回の送受信あたり、3つの送受信ビームに対応したエコーデータを同時的に書き込むことができる。
【0033】
ちなみに、スキャン変換部64は、従来装置同様に、座標変換機能、データ補間機能、などの各種の機能を有し、そのフレームメモリ65上には、表示部66に表示するための超音波画像データが構成される。ここで、超音波画像としてはBモード画像などをあげることができる。もちろん、本実施形態における方式は、さらに三次元画像処理に拡張利用することも可能である。
【0034】
図1に示した実施形態においては、1回のマルチ送信あたりN個(3つの)送信ビームが形成され、それに対応して、N個(3つの)受信ビームが形成されていたが、もちろん2つ、あるいは4以上の超音波ビームが送受信において形成されるようにしてもよい。また、後に説明するように、送信ビームN個に対して、受信ビームをそれ以上形成するようにしてもよい。さらに、上述した説明では、電子セクタ走査が適用されていたが、本実施形態における装置は、基本的にそのままの構成で電子リニア走査に適用することができる。
【0035】
図2には、図1に示した圧縮演算器50、52、54の具体的な構成例が示されている。各圧縮演算器50、52、54はそれぞれ同一の構成を有しているため(但し乗算される係数列の内容は異なる)、圧縮演算器50を代表して説明することにする。
【0036】
圧縮演算器50は、図示されるように、互いに直列接続された複数のディレイライン(DL)72からなるDL群70を有している。それらのDL群によって時間軸上において揃えられたエコーデータは、並列的に出力されている。ここで、各ディレイライン72は、1エコーデータ(1サンプリングクロック)分のデータ遅延を実行する遅延器である。
【0037】
DL群70から並列出力された複数のエコーデータは、乗算器群74に入力される。乗算器群74は、複数の乗算器76によって構成され、それぞれの乗算器76においては、パルス圧縮を行うための係数が、対応するエコーデータに対して乗算されている。すなわち、並列出力された複数のエコーデータに対してパルス圧縮を適用するための係数列が乗算され、それぞれの乗算結果が加算器78において加算され、加算後のパルス圧縮信号が出力されている。
【0038】
各圧縮演算器50、52、54においては、それぞれ異なる係数列が設定されており、それぞれの係数列は上述したように3つの送信パルス波形に対応したものである。
【0039】
図3には、圧縮演算器50の他の構成例が示されており、この構成例では、受信信号がFFT回路80に入力され、ここで時間軸上の受信信号が周波数軸上の受信信号に変換される。乗算器84においては、周波数軸上の受信信号に対してメモリ82から出力された周波数軸上の係数列が乗算され、その乗算後の信号がIFFT回路86に入力され、そこで周波数軸上の信号から時間軸上の信号に戻される。そのIFFT回路86から出力されるパルス圧縮後の受信信号が図1に示した検波器58、60、62に入力される。
【0040】
図4には電子リニア走査が適用される場合における3つの送信ビームの同時的形成の概念が示されている。上述したように、アレイ振動子10には、微小時間間隔ΔT(チャンネルごとに異なる)をもって3つの送信パルスセットが連続的に供給される。具体的には、第1送信パルスセット88、第2送信パルスセット90、第3送信パルスセット92が順番に供給される。ここで、第1送信パルスセット88は、第1パルス波形をもった複数の第1送信パルス89によって構成されている。ここでは、1番からi番までのi個の第1送信パルスによって第1送信パルスセット88が構成されている。それらの第1送信パルスセット88は、第1送信ビーム#1を形成するための所定の遅延関係をもって並列的にアレイ振動子10に供給される。これは、第2送信パルスセット90についても同様であり、第2送信パルスセット90は第2パルス波形をもったi個の第2送信パルス91によって構成され、また、第3送信パルスセット92は第3パルス波形をもったi個の第3送信パルス93によって構成される。送信ビーム#1〜#3は互いに異なるビームアドレスにおいて形成されすなわち互いに異なる位置あるいは方位に形成される。これに対応して、それらのマルチ送信時においては、アレイ振動子10上に多重的に3つの送信開口が設定される。それらの3つの送信開口は互いにずれながら多重的に設定され、図においては送信ビーム#1に対応した送信開口#1が代表されてハッチングで示されている。ちなみに、図4においてTintは、送信パルスセットの出力周期を示している。また、Tはマルチ送信の送信繰り返し周期を示している。その各周期ごとに3つの送信パルスセットが連続的にアレイ振動子10へ供給される。
【0041】
図5には、電子セクタ走査が適用される場合における3つの送信ビームの同時的形成の概念が示されている。図5に模式的に示されているように、アレイ振動子の全体を利用して共通の送信開口#0が設定され、すなわち全振動素子に対して、第1送信パルスセット100、第2送信パルスセット102及び第3送信パルスセット104が供給される。これによって、送信ビーム#1〜#3が微小時間間隔で多重的に形成され、これは上記の電子リニア走査の場合と同様である。
【0042】
図4及び図5に示した動作例において、本実施形態では、各チャンネルについて、先行する送信パルスに対して、少なくとも後続する送信パルスが重ならないように各送信パルスセットの間隔が設定されている。図4に示すΔtは極短時間に設定されるのが望ましく、理論的には、送信パルスが連なってもそれらが重ならなければ送信パルスの干渉は生じない。なお、本実施形態においては、同時的に形成される送信ビームの本数をNとした場合、少なくともT/NよりもTintが小さくなるように設定され、より望ましくはTintができる限り小さくなるように設定される。
【0043】
図6には、送信されるパルス波形の一例が示されている。上述したように、本実施形態においては3つのパルス波形が利用されているが、図6にはそのうちの1つのパルス波形についてのいくつかの例が示されている。
【0044】
(A)には、パルス波形を構成するための変調条件としての第1コード(第1符号系列)が示されている。もちろん、図に示される例は一例であって、よりビット長の長いものを利用するのが望ましい。それらの符号系列は、パルス圧縮をした場合において、一点に収束する性質をもった符号系列である。(B)に示すように、例えば正位相と反転位相とを利用し、(A)に示した符号系列をサイン波の連続として構成することもできる。また、(C)に示すように、2つの周波数を利用して(A)に示した符号系列を表現することもできる。もちろん、周波数変調の条件を異ならせることによって符号系列を表現することもできるし、それ以外にも各種の公知技術を利用可能である。図6に示すようなパルス波形が図1に示したメモリ22内に3種類格納され、送信部18の制御によって、第1パルス波形から第3パルス波形までが順番に選択されることになる。
【0045】
図7には、上述した送受信方式を拡張させた変形例が示されている。図7に示す例では、1送信あたり同時的に2つの送信ビーム106、108が形成される。そして、それぞれの送信ビームごとに2つの受信ビームが同時的に形成される。具体的には、第1送信ビーム106については受信ビーム110、112が形成され、第2送信ビーム108については受信ビーム114、116が形成される。図7には、送信開口106A、108A及び受信開口110A〜116Aが参考として示されている。すなわち、この図7に示す構成例では、送信ビームの本数をNとし、各送信ビームごとに形成される受信ビームの本数をMとした場合に、1回の送受信あたり、N×M個の受信ビームが形成される。そして、それらのN×M個の受信ビームに対応してN×M個の受信ビームフォーマが設けられ、それぞれにおいて整相加算処理が実行され、またそれらの後段においてN×M個の圧縮演算器が利用され、上述したパルス圧縮演算が実行される。
【0046】
図7に示す構成例によれば、更にフレームレートを向上することができる。ちなみに、図7に示す方式は、電子セクタ走査及び電子リニア走査のいずれの方式についても適用できる。
【0047】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、フレームレートを向上することができ、またパルス圧縮技術を利用して特に生体内の深部の画質を向上することができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る超音波診断装置を示すブロック図である。
【図2】 圧縮演算器の構成例を示す図である。
【図3】 圧縮演算器の他の構成例を示す図である。
【図4】 電子リニア走査が適用される場合における送信時の動作を示す説明図である。
【図5】 電子セクタ走査が適用される場合における送信時の動作を示す説明図である。
【図6】 パルス波形の例を示す図である。
【図7】 他の実施形態に係る送受信方式の概念を示す図である。
【符号の説明】
10 アレイ振動子、12 振動素子、16 マルチ送信ビームフォーマ、30 受信信号処理部、40 整相加算部、48 相関演算部、56 検波部、64 スキャン変換部(デジタルスキャンコンバータ)、66 表示部。

Claims (4)

  1. 複数の振動素子からなるアレイ振動子と、
    1回のマルチ送信当たりN個の送信ビームを同時的に形成するために、前記アレイ振動子に対して、1回のマルチ送信当たりN個の送信パルスセットを出力する送信部と、
    前記アレイ振動子から出力される受信信号を入力し、前記N個の送信パルスセットに対応した複数の受信信号成分を抽出する受信部と、
    前記複数の受信信号成分に基づいて超音波画像を形成する画像形成部と、
    を含み、
    前記各送信パルスセットは送信ビームを形成するための遅延関係をもって並列出力された複数の送信パルスで構成され、
    前記各送信パルスセットごとにそれぞれ異なるパルス波形が定められ、それを利用して前記複数の受信信号成分が抽出され、
    前記N個の送信パルスセットは、それらの相互間において振動素子単位でのパルス波形の重なりが生じず、かつ、マルチ送信繰り返し周期の1/Nよりも短い間隔で出力されることを特徴とする超音波診断装置。
  2. 複数の振動素子からなるアレイ振動子と、
    1回のマルチ送信当たりN個の送信ビームを同時的に形成するために、前記アレイ振動子に対して、1回のマルチ送信当たりN個の送信パルスセットを出力する送信部と、
    前記アレイ振動子から出力される受信信号を入力し、前記N個の送信パルスセットに対応した複数の受信信号成分を抽出する受信部と、
    前記複数の受信信号成分に基づいて超音波画像を形成する画像形成部と、
    を含み、
    前記各送信パルスセットは送信ビームを形成するための遅延関係をもって並列出力された複数の送信パルスで構成され、
    前記各送信パルスセットごとにそれぞれ異なるパルス波形が定められ、それを利用して前記複数の受信信号成分が抽出され、
    前記複数の振動素子に対して開口位置がシフトしたN個の送信開口が設定され、各送信開口を構成する複数の振動子に対して、それに対応する送信パルスセットが供給されることを特徴とする超音波診断装置。
  3. 複数の振動素子からなるアレイ振動子と、
    1回のマルチ送信当たりN個の送信ビームを同時的に形成するために、前記アレイ振動子に対して、1回のマルチ送信当たりN個の送信パルスセットを出力する送信部と、
    前記アレイ振動子から出力される受信信号を入力し、前記N個の送信パルスセットに対応した複数の受信信号成分を抽出する受信部と、
    前記複数の受信信号成分に基づいて超音波画像を形成する画像形成部と、
    を含み、
    前記各送信パルスセットは送信ビームを形成するための遅延関係をもって並列出力された複数の送信パルスで構成され、
    前記各送信パルスセットごとにそれぞれ異なるパルス波形が定められ、それを利用して前記複数の受信信号成分が抽出され、
    前記受信部は、
    前記N個の送信ビームに合致したN個の受信ビームを同時的に形成するために並列配置されたN個の整相加算部と、
    前記N個の整相加算部から出力されるN個の整相加算信号からN個の受信信号成分を抽出する並列配置されたN個の抽出部と、
    を含むことを特徴とする超音波診断装置。
  4. 請求項1又は2記載の装置において、
    前記1回のマルチ送信当たり前記N個の送信ビームの形成開始時点が時間的にずれていることを特徴とする超音波診断装置。
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