JP4664924B2 - 中枢神経因性疼痛の治療のためのペプチド化合物の新規使用 - Google Patents

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Description

本発明は、中枢神経因性疼痛の治療のためのペプチド化合物類の新規使用に関する。
あるペプチドが中枢神経系(CNS)活性を示すことは知られており、あるペプチドはてんかん及び他のCNS疾患の治療において有効である。米国特許第5,378,729号に記載されるこれらのペプチドは、式(Ia):
Figure 0004664924
[式中、
Rは、水素、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、アリール、アリール低級アルキル、複素環、複素環低級アルキル、低級アルキル複素環、低級シクロアルキル、低級シクロアルキル低級アルキルであり、かつRは非置換であるか又は少なくとも1つの電子吸引性基又は電子供与性基で置換されており、
は、水素又は低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、アリール低級アルキル、アリール、複素環低級アルキル、複素環、低級シクロアルキル、低級シクロアルキル低級アルキルであり、それぞれは非置換であるか又は電子吸引性基又は電子供与性基で置換されており、かつ
及びRは、無関係に、水素、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、アリール低級アルキル、アリール、複素環、複素環低級アルキル、低級アルキル複素環、低級シクロアルキル、低級シクロアルキル低級アルキル又はZ−Yであり、その際、R及びRは非置換であるか又は少なくとも1つの電子吸引性基又は電子供与性基で置換されていてよく、
Zは、O、S、S(O)、NR、PR又は化学結合であり、
Yは、水素、低級アルキル、アリール、アリール低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、ハロゲン、複素環、複素環低級アルキルであり、かつYは非置換であるか又は電子供与性基又は電子吸引性基で置換されていてよいが、但し、Yがハロゲンである場合には、Zは化学結合であるか、又は
ZYをまとめて考えて、それはNRNR、NROR、ONR、OPR、PROR、SNR、NRSR、SPR又はPRSR、NRPR又はPRNR
Figure 0004664924
であり、
、R及びRは、無関係に、水素、低級アルキル、アリール、アリール低級アルキル、低級アルケニル又は低級アルキニルであり、その際、R、R及びRは非置換であるか又は電子吸引性基又は電子供与性基で置換されていてよく、かつ
は、R又はCOOR又はCORであり、
は、水素又は低級アルキル又はアリール低級アルキルであり、かつそのアリール基又はアルキル基は非置換であるか又は電子吸引性基又は電子供与性基で置換されていてよく、かつ
nは、1〜4であり、かつ
aは、1〜3である]を有する。
米国特許第5,773,475号も、CNS疾患の治療に有効な更なる化合物を開示している。これらの化合物は、式(IIa):
Figure 0004664924
[式中、
Arはアリールであり、それは非置換であるか又はハロゲンで置換されており、Rは低級アルコキシであり、かつRはメチルである]を有するN−ベンジル−2−アミノ−3−メトキシ−プロピオンアミドである。
米国特許US5,378,729号及びUS5,773,475号は、参照をもって本願に開示されたものとする。しかしながら、これらの特許のいずれも、中枢神経因性疼痛、特に脊髄損傷疼痛の治療用の特異的な鎮痛薬としての前記化合物の使用を記載していない。
WO02/074297号は、式(IIa)で示され、その式中、Arがフェニルであり、それは少なくとも1つのハロゲンによって置換されていてよく、Rが1〜3個の炭素原子を有する低級アルコキシであり、かつRがメチルである化合物を、末梢神経因性疼痛に関連する異痛の治療に有効な医薬品組成物の製造のために用いる使用に関する。
WO02/074784号は、式(Ia)及び/又は式(IIa)で示され、抗侵害受容特性を示す化合物を、様々な型及び症状の急性疼痛及び慢性疼痛、特に非神経因性の炎症性疼痛、例えばリウマチ様関節炎疼痛及び/又は二次的炎症性骨関節炎疼痛を治療するために用いる使用に関する。
疼痛は主観的経験であり、疼痛の知覚は中枢神経系(CNS)の特定部位で行われる。通常は侵害(末梢)刺激は中枢神経系(CNS)に事前に伝達されるが、疼痛は常に痛覚と関連するわけではない。広範な様々な型の臨床的疼痛が存在し、それらは種々の根底にある病態生理学的機構から誘導されるため、異なる治療アプローチが必要となる。
疼痛の知覚は、3種の主要な型の臨床的疼痛によって特徴付けることができる:
− 急性的疼痛
− 慢性的疼痛
− 神経因性疼痛
急性的な臨床的疼痛は、例えば炎症又は軟部組織損傷から生ずることがある。この型の疼痛は適応性であり、かつ生物学的には警告に関連した機能及び既に損傷した生体部位の治癒と修復を妨害なく可能にすることに関連した機能を有する。保護機能は、損傷領域/炎症領域とその周辺組織を全ての刺激に対して過敏にすることによって達成されるので、如何なる外的刺激との接触も回避される。この型の臨床的疼痛の根底を成す神経性機構は、かなり良く理解されており、かつ急性的な臨床的疼痛の薬理学的制御は、その感覚の型と拡張とに依存して、例えば非ステロイド性抗炎症薬(NSAID類)によって有効かつ効果的である。
慢性的な臨床的疼痛は、進行中の末梢的病理、例えば癌又は慢性炎症(例えば関節炎)に由来する持続性感覚異常として見られるか、又は該疼痛は初期誘発要素とは無関係なことがある。後者の場合は不適応性であり、生存することの利益を供さず、非常に頻繁に効果的な治療も利用できない。
症状及び神経脱落症状の相当の多様性をもってヒトの神経障害には幾つかの原因がある。疼痛性の神経障害は、生体領域における疼痛の存続及び過敏性に特徴付けられる神経性疾患のうち、感覚神経支配が障害されているものとして定義されるが、感覚神経への損傷は必ずしも神経因性疼痛を引き起こさず、通常は過敏性又は疼痛よりも感覚の損失が観察される。
特定の体性感覚疾患は、異痛症(通常は無害な体性感覚刺激が異常な激痛感覚を引き起こし、その感覚は爆発的な放散特性を有し、屡々誘発要因のように刺激期間が長く続く)、痛覚過敏(侵害刺激がより強力かつ持続的な疼痛感覚を引き起こす)、感覚異常症(自発的な有害であるが、無痛の感覚であり、これらは刺痛又は“しびれ”として説明される)、異感覚症(引き起こされる自発的な異常感覚)として呼称される。
神経因性疼痛は、末梢神経因性疼痛と中枢神経因性疼痛として分類することができる。末梢神経因性疼痛は、末梢感覚神経の損傷又は感染によって引き起こされるが、一方で中枢神経因性疼痛はCNS及び/又は脊髄への損傷によって引き起こされる。末梢神経因性疼痛と中枢神経因性疼痛の両者は、明らかな初期神経損傷なく引き起こされることがある。
同様の定義が、世界疼痛学会(IASP、ワシントン州シアトル、米国)によってなされている:末梢神経因性疼痛は、末梢神経系における初感染巣又は機能不全によって発動又は惹起される疼痛である。中枢神経因性疼痛は、中枢神経系における初感染巣又は機能不全によって発動又は惹起される疼痛である。
末梢病巣は、末梢神経の病巣、例えば糖尿病性ニューロパシー、薬物誘発性ニューロパシー、例えば化学療法後の薬物誘発性ニューロパシー、神経根の病巣及び後神経節(posterior gangli)、例えばヘルペス後神経痛又は神経根摘出、末梢神経、神経叢及び神経根などの圧迫による神経因性癌疼痛であってよい。中枢病巣は、梗塞、圧迫性腫瘍又は膿腫による、例えば視床又は脳幹における病巣又はパーキンソン病による病巣であってよく又は損傷又は手術による脊髄病巣であってよい(Jain KK, Emerging Drugs, 2000, 5:241-257; McQuay, 2002, European Journal of Pain 6 (Suppl. A): 11-18)。
末梢神経因性疼痛と中枢神経因性疼痛の前記の例は、末梢神経因性疼痛と中枢神経因性疼痛が、病巣又は機能不全の解剖学的箇所によって区別されることを説明しているだけでなく、これらの例は、末梢神経因性疼痛と中枢神経因性疼痛が、その機構によっても区別できるということを説明している(上記MacQuay)。従って、別個の疼痛条件において又は単一の薬物クラスと種々の疼痛条件については薬物作用機構と効果との間には明らかな相関はない(Sindrup SH, Jensen TS, Pain 1999, 83:389-400)。
オピオイド及び非ステロイド性炎症薬(NSAID類)のような通常の鎮痛薬は、その不十分な効力又は副作用の制限のため、末梢神経因性疼痛と中枢神経因性疼痛としての慢性的な異常疼痛症候群を不十分にのみ改善するに過ぎない。十分かつ持続的な疼痛寛解をもたらす代替的な治療計画の調査において、コルチコステロイド、伝導遮断薬、グリセロール、抗うつ薬、局所麻酔薬、ガングリオシド及び電気刺激が試みられたが、主に鎮痙薬が、種々の型の末梢神経因性疼痛症状に対して有用であることが判明した。神経因性疼痛を患う患者の部分集合はオピオイドに反応を示した。
中枢神経因性疼痛は、特に治療するのが困難な形の神経因性疼痛である(Yezierski and Burchiel, 2002)。脊髄視床皮質路における病巣のため、脊髄及び脳の様々なニューロンにおいて異所性神経細胞放電が生じうる。中枢神経系の損傷された領域における興奮性亢進は、中枢神経因性疼痛の発生に主要な役割を担う。中枢系疼痛をともなう患者は、ほぼ必ず刺激非依存性疼痛を有する。脊髄損傷の場合には、例えば、刺激依存性疼痛も存在することがあり、それは通常、病巣下部の皮膚領域又は内臓が異痛領域であるためである。このように、部分的な脊髄病巣は、完全な病巣が引き起こすより大きな規模まで疼痛を引き起こす傾向がありうる。
他にも、公認された中枢神経因性疼痛又は中枢神経因性疼痛に関連する疾病の形が存在する。その例には、炎症性CNS疾患、例えば多発性硬化症、骨髄炎又は梅毒、虚血、出血又は視床、脊髄視床路又は視床皮質投射に位置する動静脈奇形(例えば発作後神経因性疼痛)及び脊髄空洞症(syrnigomyelia)が含まれる(Koltzenburg, Pain 2002 - An Updated Review: Refresher Course Syllabus; IASP Press, Seattle, 2002)。
中枢神経因性疼痛の機構はあまり理解されていない。最近の治療は、種々の薬理学的、外科的、物理的、そして心理学的な試みを用いている。しかしながら、それらの治療の多くについては未だに証拠に乏しい。
感覚ニューロンの一般的な過活動及び非誘導性(unleaded)の低閾値活性が神経障害の主要な症候群の1つとして考慮され、かつ機械刺激性アロディニア(mechanoallodynia)を伴う神経因性疼痛感覚が最も不能な臨床的症状とされる場合に、この病態力学的事象の選択的阻害は、通常の感覚的痛覚の高い閾値の侵害刺激の一般的な阻害(例えば局所麻酔による)に代わって明らかに有利である。
中枢神経因性疼痛の治療は、末梢神経因性疼痛の治療に有用な有効物質とは異なる薬理学的プロフィールを有する有効物質を必要とし、それは中枢神経因性疼痛と末梢神経因性疼痛とでは初感染巣又は機能不全の機構及び箇所が異なるためである。一方で、末梢神経因性疼痛の治療に使用される化合物、例えばセロトニン再取り込み阻害剤は中枢神経因性疼痛に如何なる作用も示さない(上述のSindrup and Jensen)。他方で、中枢神経因性疼痛を治療する化合物は、中枢神経因性疼痛の治療に潜在的に有効な多くの化合物を制限する特性がある血液脳関門を通過する必要がある。結論として、中枢神経因性疼痛の予防、緩和及び/又は治療のために新規の方法及び新規の化合物が依然として必要とされている。
中枢神経因性疼痛と神経因性疼痛とを区別するために設計された動物モデルは、例えばTjolsen and Hole(1997, Handbook of Experimental Pharmacology, Vol. 130, The Pharmacology of Pain, A. Dickensen and J.M. Besson (eds.) Springer Verlag Berlin Heidelberg)によって詳細に調べられている。これらのモデルは、動物の中枢神経系又は末梢神経系に位置し、以下に例示する種々の疼痛症候群をもたらす特異的な試験的病巣に基づくものである。
中枢神経因性疼痛のモデルは、Xu他によって記載されたラットにおける脊髄損傷のモデルである(1992, Pain 48: 279-290)。このモデルにおいて、虚血性の脊髄損傷は5〜20分間のレーザ照射により誘導され、数日間にわたって持続するアロディニア様現象をもたらし、その現象はおそらくGABA系の機能不全に関連している。幾つかの動物において、損傷後1週間ないし1.5ヶ月にわたって慢性的なアロディニア様症状が持続し、これを慢性的な中枢系疼痛のモデルとして用いる。慢性的な脊髄損傷ラットに見られるアロディニアは、脊髄損傷又は卒中発作後の患者における疼痛性症状に類似していた。
末梢神経因性疼痛のモデルは、座骨神経及び伏在神経の切断によって神経除去されたラットの後肢の神経腫モデル(Bennett and Xie 1988, Pain 33:87-107, Bennett 1993, Muscle Nerve 16:1040-1048)であり、これは神経横断面側に後肢の自己損傷をもたらし、この挙動を“自切”と呼び、自発痛又は異感覚への応答として解釈されている。
末梢神経因性疼痛のもう一つのモデルは、Bennettモデル(Bennett and Xie 1988, Pain 33:87-107, Bennett 1993, Muscle Nerve 16:1040-1048)であり、そのモデルでは、総座骨神経周りに4箇所の緩く狭窄する結紮を配置することによってモノニューロパシーが引き起こされる。この結紮後に、痛覚過敏が、侵害熱刺激、カラシ油及び機械刺激に応じて発生する。損傷関連放電は、このモデルにおける痛覚過敏の発生における一因子として議論されている。Hovinga(Idrugs: The investigational drugs journal 2003, 6:479-485)及びEP1243263号A1は、Bennettモデルによる化合物SPM927の評価を記載している。
末梢神経因性疼痛のChungモデルは、ラットにおける脊髄神経、つまり脊髄神経L5又はL5とL6(Kim and Chung, 1992, Pain 50:355-363)のきつい結紮又は霊長目における脊髄(L7)のきつい結紮を必要とする。このモデルは、Bennettモデルの症状に類似した神経障害症状を誘導する。WO02/15922号は、Chungモデルによるペプチド性化合物の評価を記載している。
まとめると、中枢神経因性疼痛と末梢神経因性疼痛の症状と治療において根本的な相違点がある。従って、中枢神経因性疼痛の治療における有用な効果について、末梢神経因性疼痛のモデルで得られたデータから直接結論を導き出せない。
中枢神経因性疼痛の治療のための式(Ib)及び/又は式(IIb)の化合物の使用は報告されていない。従って、本発明は、全ての型の中枢神経因性疼痛の治療のための、制限されないが、特に脊髄損傷疼痛の治療のための医薬品組成物の製造のための式(Ib)及び/又は(IIb)の前記化合物の使用に関係している。
驚くべきことに、化合物(Ib)及び/又は(IIb)、特に(R)−2−アセトアミド−N−ベンジル−3−メトキシプロピオンアミド(SPM927)の適用は、脊髄損傷したラット、つまり中枢神経因性疼痛に十分に承認された動物モデルにおいて、一回量投与後に、用量依存性の抗アロディニア作用をもたらすことができる。より更に驚くべきことには、試験動物における慢性的な異痛症挙動は、耐性発生の徴候なく長期(例えば少なくとも1週間)投与後に緩和されることが判明した。慢性的なSPM927投与の間の薬物投与の休止後の異痛症の廃止は、特に関心が持たれている。それというのも、こうした異痛症の廃止はこのモデルで試験された他の鎮痛薬、例えばモルヒネ(Yu et al. 1997a, b)、ガバペンチン(Hao et al. 2000)及びアデノシン類似体のr−フェニルイソプロピルアデノシン(von Heijne et al. 1998)によっては観察されないからである。これは、おそらく反復投与による蓄積効果によるものであり、その効果は耐性の徴候なく基底感受性の標準化をもたらす。従って、本発明の化合物、特にSPM927は、特に脊髄損傷疼痛についての治療のために、一般に中枢系に媒介される神経因性疼痛についての治療のために適している。更に該化合物は、特に脊髄損傷疼痛に対する患者の罹病率を低下させるために、一般に中枢系に媒介される神経因性疼痛に対する患者の罹病率を低下させるために適している。本発明は、ヒト医学又は獣医学のために適用可能である。
従って、中枢神経因性疼痛の治療のために、有利には脊髄損傷疼痛の治療のために有効な本発明による化合物は、一般式(Ib)
Figure 0004664924
[式中、
Rは、水素、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、アリール、アリール低級アルキル、複素環、複素環低級アルキル、低級アルキル複素環、低級シクロアルキル又は低級シクロアルキル低級アルキルであり、かつRは非置換であるか又は少なくとも1つの電子吸引性基及び/又は電子供与性基で置換されており、
は、水素又は低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、アリール低級アルキル、アリール、複素環低級アルキル、低級アルキル複素環、複素環、低級シクロアルキル、低級シクロアルキル低級アルキルであり、それぞれ非置換であるか又は電子供与性基及び/又は電子吸引性基で置換されており、かつ
及びRは、無関係に、水素、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、アリール低級アルキル、アリール、ハロゲン、複素環、複素環低級アルキル、低級アルキル複素環、低級シクロアルキル、低級シクロアルキル低級アルキル又はZ−Yであり、その際、R及びRは非置換であるか又は少なくとも1つの電子吸引性基及び/又は電子供与性基で置換されており、
Zは、O、S、S(O)、NR、NR′、PR又は化学結合であり、
Yは、水素、低級アルキル、アリール、アリール低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、ハロゲン、複素環、複素環低級アルキル、低級アルキル複素環であり、かつYは非置換であるか又は電子供与性基及び/又は電子吸引性基で置換されていてよいが、但し、Yがハロゲンである場合には、Zは化学結合であるか、又は
ZYはまとめて考えて、NRNR、NROR、ONR、OPR、PROR、SNR、NRSR、SPR、PRSR、NRPR、PRNR又はN
Figure 0004664924
であり、
R′は、水素、低級アルキル、低級アルケニル又は、非置換であるか又は電子吸引性基及び/又は電子供与性基で置換されていてよい低級アルケニルであり、
、R及びRは、無関係に、水素、低級アルキル、アリール、アリール低級アルキル、低級アルケニル又は低級アルキニルであり、その際、R、R及びRは、無関係に、非置換であるか又は電子吸引性基及び/又は電子供与性基で置換されていてよく、
は、R又はCOOR又はCORであり、Rは非置換であるか又は電子吸引性基及び/又は電子供与性基で置換されていてよく、
は、水素又は低級アルキル、又はアリール低級アルキルであり、かつそのアリール基又はアルキル基は非置換であるか又は電子吸引性基及び/又は電子供与性基で置換されていてよく、かつ
nは、1〜4であり、かつ
aは、1〜3である]を有する。
更に、本発明による化合物は、一般式(IIb)
Figure 0004664924
[式中、
Arは、アリール、特にフェニルであり、前記基は非置換であるか又は少なくとも1つのハロゲンで置換されており、Rは、−CH−Qであり、その際、Qは低級アルコキシであり、かつRは低級アルキル、特にメチルである]を有する。
また本発明は、式(Ib)及び/又は式(IIb)による化合物を含有する、中枢神経因性疼痛、有利には脊髄損傷疼痛の治療に有効な医薬品組成物の製造に関連する。
更に、本発明は、式(Ib)及び/又は式(IIb)による化合物を含有する、中枢神経因性疼痛、有利には脊髄損傷疼痛の治療のための医薬品組成物に関連する。
式(Ia)の化合物は、米国特許第5,378,729号に記載されており、その内容は参照をもって開示されたものとする。
“低級アルキル”基は、単独で又は他の基と組み合わせて使用される場合に、1〜6個の炭素原子、特に1〜3個の炭素原子を有し、直鎖状又は分枝鎖状であってよい低級アルキルである。これらの基は、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、アミル、ヘキシルなどである。
“低級アルコキシ”基は、1〜6個の炭素原子、特に1〜3個の炭素原子を有し、直鎖状又は分枝鎖状であってよい低級アルコキシである。これらの基は、例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、t−ブトキシ、ペントキシ、ヘキソキシなどである。
“アリール低級アルキル”基は、例えばベンジル、フェネチル、フェンプロピル、フェンイソプロピル、フェンブチル、ジフェニルメチル、1,1−ジフェニルエチル、1,2−ジフェニルエチルなどである。
用語“アリール”は、単独で又は組み合わせて使用される場合に、6〜18個の環炭素原子を有し、合計で25個までの炭素原子を有する芳香族基を指し、そして多核芳香族化合物を含む。これらのアリール基は、単環、二環、三環又は多環であってよく、そして縮合環である。本願で使用される多核芳香族化合物は、10〜18個の環炭素原子を有し、かつ合計で25個までの炭素原子を有する二環及び三環の縮合された芳香環系を含むものとする。アリール基は、例えばフェニルであり、そして多核芳香族化合物は、例えばナフチル、アントラセニル、フェナントレニル、アズレニルなどである。またアリール基は、例えばフェロセニル(ferrocyenyl)のような基でもある。
“低級アルケニル”は、2〜6個の炭素原子を有し、かつ少なくとも1つの二重結合を有するアルケニル基である。これらの基は、直鎖状又は分枝鎖状であってよく、そしてZ形又はE形であってよい。かかる基は、例えばビニル、プロペニル、1−ブテニル、イソブテニル、2−ブテニル、1−ペンテニル、(Z)−2−ペンテニル、(E)−2−ペンテニル、(Z)−4−メチル−2−ペンテニル、(E)−4−メチル−2−ペンテニル、ペンタジエニル、例えば1,3−又は2,4−ペンタジエニルなどである。
用語“低級アルキニル”は、2〜6個の炭素原子を有するアルキニル基であり、かつ直鎖状並びに分枝鎖状であってよい。前記基は、例えばエチニル、プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、1−ペンチニル、2−ペンチニル、3−メチル−1−ペンチニル、3−ペンチニル、1−ヘキシニル、2−ヘキシニル、3−ヘキシニルなどといった基である。
用語“低級シクロアルキル”は、単独で又は組み合わせて使用される場合に、3〜18個の環炭素原子を有し、かつ合計で25個までの炭素原子を有するシクロアルキル基である。シクロアルキル基は、単環、二環、三環又は多環であってよく、そして縮合環である。シクロアルキルは、完全に不飽和又は部分的に飽和であってよい。例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロデシル、シクロヘキセニル、シクロペンテニル、シクロオクテニル、シクロヘプテニル、デカリニル、ヒドロインダニル、インダニル、フェンキル、ピネニル、アダマンチルなどが含まれる。シクロアルキルは、例えばシス形又はトランス形である。シクロアルキル基は非置換であるか又は以下の電子吸引性基及び/又は電子供与性基で一置換又は多置換されていてよい。更に、置換基は、橋かけされた二環系においてエンド位又はエキソ位のいずれかにあってよい。
用語“電子吸引性及び/又は電子供与性”とは、置換基が電子を吸引する又は供与する能力であって、それぞれ水素が分子中の同じ位置を占有する場合にその水素の能力との相対的な能力を指す。これらの用語は当業者によく理解されいて、Advanced Organic Chemistry, by J. March, John Wiley and Sons, New York, NY, pp. 16-18 (1985)で議論されており、その議論は参照をもって本願に開示されたものとする。電子吸引性基は、例えばハロゲン、例えば臭素、フッ素、塩素、ヨウ素など;ニトロ、カルボキシ、低級アルケニル、低級アルキニル、ホルミル、カルボキシアミド、アリール、第四級アンモニウム、ハロアルキル、例えばトリフルオロメチル、アリール低級アルカノイル、カルボアルコキシなどである。電子供与性基は、例えばヒドロキシ、低級アルコキシ、例えばメトキシ、エトキシなど;低級アルキル、例えばメチル、エチルなど;アミノ、低級アルキルアミノ、ジ(低級アルキル)アミノ、アリールオキシ、例えばフェノキシ、メルカプト、低級アルキルチオ、低級アルキルメルカプト、ジスルフィド(低級アルキルジチオ)などといった基である。当業者には、前記の置換基の幾つかが、異なる化学条件下に電子供与性又は電子吸引性と見なされうることを認識しているはずである。更に、本発明は、前記で定義された基から選択される任意の置換基の組合せを考えている。
用語“ハロゲン”は、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨードなどを含む。
用語“アシル”は、例えば1〜6個の炭素原子を有する低級アルカノイルであり、かつ直鎖状又は分枝鎖状であってよい。これらの基は、例えばホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、t−ブチリル、ペンタノール及びヘキサノニルである。
本願で使用する場合に、複素環式置換基は、少なくとも1つの硫黄、窒素又は酸素の環原子を有するが、1つ又は幾つかの前記の原子を環中に含むこともできる。本発明によって考慮される複素環式置換基は、例えば複素芳香族化合物と、飽和の、そして部分的に飽和の複素環式化合物である。これら複素環は、単環、二環、三環又は多環であってよく、そして縮合環である。前記基は、18個までの環原子を有し、かつ合計で17個までの環炭素原子を有し、かつ合計で25個までの炭素原子を有してよい。またその複素環は、いわゆるベンゾ縮合複素環(benzoheterocyclics)を含むことを意図している。代表的な複素環は、例えばフリル、チエニル、ピラゾリル、ピロリル、メチルピロリル、イミダゾリル、インドリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソチアゾリル、イソキサゾリル、ピペリジル、ピロリニル、ピペラジニル、キノリル、トリアゾリル、テトラゾリル、イソキノリル、ベンゾフリル、ベンゾチエニル、モルホリニル、ベンゾキサゾリル、テトラヒドロフリル、ピラニル、インダゾリル、プリニル、インドリニル、ピラゾリンジニル(pyrazolindinyl)、イミダゾリニル、イミダゾリンジニル(imidazolindinyl)、ピロリジニル、フラザニル、N−メチルインドリル、メチルフリル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリジル、エポキシ、アジリジノ、オキセタニル、アゼチジニル、窒素含有複素環のN−オキシド、例えばピリジル、ピラジニル及びピリミジニルなどのN−オキシドである。複素環式基は非置換であるか又は電子吸引性基及び/又は電子供与基で一置換又は多置換されていてよい。
有利な複素環は、チエニル、フリル、ピロリル、ベンゾフリル、ベンゾチエニル、インドリル、メチルピロリル、モルホリニル、ピリジニル、ピラジニル、イミダゾリル、ピリミジニル又はピリダジニルである。有利な複素環は、5員又は6員の複素環式化合物である。特に有利な複素環は、フリル、ピリジル、ピラジニル、イミダゾリル、ピリミジニル又はピリダジニルである。最も有利な複素環はフリル及びピリジルである。
有利な化合物は、nが1である化合物であるが、ジペプチド(n=2)、トリペプチド(n=3)及びテトラペプチド(n=4)も、本発明の範囲内に考えられる。
Rの有利な値は、アリール低級アルキル、特にベンジルであり、殊にそのフェニル環が非置換であるか又は電子供与性基又は電子吸引性基、例えばハロゲン(例えばF)で置換されたアリール低級アルキルである。
有利なRはH又は低級アルキルである。最も有利なR基はメチルである。
有利な電子供与性置換基及び/又は電子吸引性置換基は、ハロゲン、ニトロ、アルカノイル、ホルミル、アリールアルカノイル、アリーロイル、カルボキシル、カルボアルコキシ、カルボキサミド、シアノ、スルホニル、スルホキシド、複素環、グアニジン、第四級アンモニウム、低級アルケニル、低級アルキニル、スルホニウム塩、ヒドロキシ、低級アルコキシ、低級アルキル、アミノ、低級アルキルアミノ、ジ(低級アルキル)アミノ、アミノ低級アルキル、メルカプト、メルカプトアルキル、アルキルチオ及びアルキルジチオである。用語“スルフィド”は、メルカプト、メルカプトアルキル及びアルキルチオを含むが、用語ジスルフィドはアルキルジチオを含む。特に有利な電子供与性置換基及び/又は電子吸引性基は、ハロゲン又は低級アルコキシであり、最も有利にはフルオロ又はメトキシである。これらの有利な置換基は、本願で定義されるR、R、R、R、R、R、R、R′、R、R及び/又はR50の任意の1つで置換されていてよい。
とRを表すZY基は、例えばヒドロキシ、アルコキシ、例えばメトキシ、エトキシ、アリールオキシ、例えばフェノキシ;チオアルコキシ、例えばチオメトキシ、チオエトキシ;チオアリールオキシ、例えばチオフェノキシ;アミノ;アルキルアミノ、例えばメチルアミノ、エチルアミノ;アリールアミノ、例えばアニリノ;低級ジアルキルアミノ、例えばジメチルアミノ;トリアルキルアンモニウム塩、ヒドラジノ;アルキルヒドラジノ及びアリールヒドラジノ、例えばN−メチルヒドラジノ、N−フェニルヒドラジノ、カルボアルコキシヒドラジノ、アラルコキシカルボニルヒドラジノ、アリールオキシカルボニルヒドラジノ、ヒドロキシアミノ、例えばN−ヒドロキシルアミノ(−NH−OH)、低級アルコキシアミノ[(NHOR18)、式中、R18は低級アルキルである]、N−低級アルキルヒドロキシルアミノ[(NR18OH、式中、R18は低級アルキルである]、N−低級アルキル−O−低級アルキルヒドロキシアミノ、すなわち[N(R18)OR19、式中、R18及びR19は無関係に低級アルキルである]、及びo−ヒドロキシルアミノ(−O−NH);アルキルアミド、例えばアセトアミド;トリフルオロアセトアミド;低級アルコキシアミノ(例えばNH(OCH));及び複素環式アミノ、例えばピラゾイルアミノである。
とRを表す有利な複素環式基は、式:
Figure 0004664924
の単環式の5員又は6員の複素環式部又は、その相応の部分的又は完全に飽和な形であり、その際、nは0又は1であり、かつR50はH又は電子吸引性基又は電子供与性基であり、
A、E、L、J及びGは、無関係にCH又はN、O、Sからなる群から選択される複素原子であるが、
nが0である場合に、GはCH又はNH、O及びSからなる群から選択される複素原子であるが、但し、A、E、L、J及びGの殆どはヘテロ原子である。
nが0である場合に、前記の複素芳香族部は5員環であるが、nが1である場合に、複素環式部は6員の単環式複素環式部である。有利な複素環式部は、単環式の前記の複素環である。
本願で上述の環が窒素環原子を含む場合に、Nオキシド形も本発明の範囲内として考える。
又はRが前記式の複素環である場合に、該複素環は主鎖に環炭素原子によって結合されていてよい。nが0である場合に、付加的に、R又はRは主鎖に窒素環原子によって結合されていてよい。
及びRの他の有利な部は、水素、アリール、例えばフェニル、アリールアルキル、例えばベンジル及びアルキルである。
及びRの有利な基は非置換であるか又は電子供与性基及び/又は電子吸引性基で置換されていてよいと解されるべきである。R及びRが、無関係に、水素、低級アルキル(前記基は非置換であるか又は電子吸引性基及び/又は電子供与基、例えば低級アルコキシ(例えばメトキシ、エトキシなど)、N−ヒドロキシルアミノ、N−低級アルキルヒドロキシアミノ、N−低級アルキル−O−低級アルキル及びアルキルヒドロキシアミノで置換されている)であることが好ましい。
及びRの1つが水素であることが好ましい。
nが1であることが好ましい。
n=1であり、かつR及びRの1つが水素であることが最も好ましい。この実施態様では、Rが水素であり、かつRが低級アルキル又はZYであり、ZがO、NR又はPRであり、Yが水素又は低級アルキルであり、ZYがNRNR、NROR、ONR
Figure 0004664924
であることが殊に好ましい。
もう一つの殊に有利な実施態様では、n=1であり、Rが水素であり、かつRが非置換であるか又は電子供与性基及び/又は電子吸引性基で置換されている低級アルキル、NROR又はONRである。
更に特に有利なもう一つの実施態様では、n=1であり、Rが水素であり、かつRが非置換であるか又はヒドロキシ又は低級アルコキシで置換された低級アルキル、NROR又はONRであり、その際、R、R及びRは、無関係に水素又は低級アルキルであり、Rがアリール低級アルキルであって、そのアリール基が非置換であるか又は電子吸引性基で置換されていてよく、かつRが低級アルキルである。この実施態様において、アリールがフェニルであり、それが非置換であるか又はハロゲンで置換されていることが最も有利である。
が水素であり、かつRが水素、非置換であるか又は少なくとも電子供与性基及び/又は電子吸引性基で置換されたアルキル基又はZYであることが好ましい。この有利な実施態様では、Rが水素、アルキル基、例えばメチル又はNROR又はONRであり、前記基が非置換であるか又は電子供与性基によって置換されており、その際、R、R及びRが無関係に水素又は低級アルキルであることがより好ましい。電子供与性基が低級アルコキシ、殊にメトキシ又はエトキシであることが好ましい。
とRは、無関係に、水素、低級アルキル又はZYであり、ZはO、NR又はPRであり、Yは水素又は低級アルキルであるか、又はZYはNR、NROR、ONR
Figure 0004664924
であることが好ましい。
またRがアリール低級アルキルであることが好ましい。Rについて最も有利なアリールはフェニルである。最も有利なR基はベンジルである。有利な一実施態様では、アリール基は非置換であるか又は電子供与性基又は電子吸引性基で置換されていてよい。R中のアリール環が置換されている場合に、該アリール環は電子吸引性基で、殊にアリール環上で置換されていることが最も好ましい。Rについての最も有利な電子吸引性基はハロゲン、殊にフルオロである。
有利なRは低級アルキル、殊にメチルである。
Rがアリール低級アルキルであり、かつRが低級アルキルであることが最も好ましい。
更に有利な化合物は、式(Ib)で示され、その式中、nは1であり、Rは水素であり、Rは水素、低級アルキル基、特にメチル又はZYであり、前記基は電子供与性基及び/又は電子吸引性基により置換されており、Rはアリール、アリール低級アルキル、例えばベンジルであり、その際、該アリール基は非置換であるか又は電子供与性基又は電子吸引性基で置換されており、かつRは低級アルキルである]で示される化合物である。この実施態様において、Rが水素、低級アルキル基、特にメチル、NROR又はONRであり、前記基は電子供与性基、例えば低級アルコキシ(例えばメトキシ、エトキシなど)によって置換されていてよく、その際、これらの基は前記に定義した基であることがより好ましい。
使用される最も有利な化合物は、式(IIb):
Figure 0004664924
[式中、Arはアリール、殊にフェニルであり、前記基は非置換であるか又は少なくとも1つの電子供与性基又は電子吸引性基、特にハロゲンで置換されており、
は低級アルキル、特に1〜3個の炭素原子を有する低級アルキルであり、かつ
は前記に定義したものであるが、特に水素、低級アルキル又はZYであり、前記基は非置換であるか又は少なくとも電子供与性基及び/又は電子吸引性基で置換されている]で示される化合物である。Rは、この実施態様では、水素、アルキル基、NROR又はONRであり、前記基は非置換であるか又は電子供与性基によって置換されていることが更により好ましい。RがCH−Qであり、その際、Qが低級アルコキシ、殊に1〜3個の炭素原子を有する低級アルコキシ、NROR又はONRであり、その際、Rは水素又は1〜3個の炭素原子を有するアルキルであり、Rは水素又は1〜3個の炭素原子を有するアルキルであり、かつRが水素又は1〜3個の炭素原子を有するアルキルであることが最も好ましい。
最も好ましいRはCHである。最も好ましいRはCH−Qであり、その際、Qはメトキシである。最も好ましいアリールはフェニルである。最も好ましいハロゲンはフルオロである。最も好ましい化合物は、例えば
(R)−2−アセトアミド−N−ベンジル−3−メトキシ−プロピオンアミド、
O−メチル−N−アセチル−D−セリン−m−フルオロベンジルアミド、
O−メチル−N−アセチル−D−セリン−p−フルオロベンジルアミド、
N−アセチル−D−フェニルグリシンベンジルアミド、
D−1,2−(N,O−ジメチルヒドロキシルアミノ)−2−アセトアミド酢酸ベンジルアミド、
D−1,2−(O−メチルヒドロキシルアミノ)−2−アセトアミド酢酸ベンジルアミド
である。
本願に記載されるR、R、R、R及びnのマーカッシュ群の種々の組合せ及び順列が本発明の範囲内にあると考えると解される。更にまた、本発明は、R、R、R、n及びRにおけるマーカッシュ群のそれぞれの1種以上の要素及び様々なそれらの組合せを含む化合物及び組成物をも含む。このように、例えば本発明は、それぞれのnの値に関して、任意の全てのR、R及びRの置換基と組み合わせて、Rが1種以上の前記の置換基であることを考慮している。
本発明で利用される化合物は、1つ以上の不斉炭素を有してよく、かつラセミ形及び光学活性形で存在してよい。各不斉炭素の周りの立体配置はD形又はL形のいずれであってもよい。当該技術分野において、キラル炭素原子の周りの立体配置は、カーン−プレローグ−インゴールド命名系ではR又はSとして記載することもできることはよく知られている。各不斉炭素の周りの種々の立体配置の全て、例えば種々のエナンチオマー及びジアステレオマー並びにラセミ混合物及びエナンチオマー、ジアステレオマー又はその両者の混合物は本発明によって考慮されている。
主鎖において、基R及びRが結合される炭素原子に不斉が存在する。nが1である場合に、本発明の化合物は、式
Figure 0004664924
[式中、R、R、R、R、R、R、R、R′、R、R、R50、Z及びYが前記の定義のとおりである]で示される化合物である。
本願で使用される場合に、立体配置という用語は、他のキラル中心がその分子中に存在し得ても、R及びRが結合される炭素原子の周りの立体配置を指す。従って、特定の立体配置、例えばD又はLを参照すると、その立体配置は、R及びRが結合される炭素原子でのD立体異性体又はL立体異性体を意味するものと解される。しかしながら、他のキラル中心が、仮にその化合物中に存在するのであれば、そのキラル中心での全ての可能なエナンチオマー及びジアステレオマーをも含む。
本発明の化合物は、全ての光学異性体に関連する、すなわち本発明の化合物はL−立体異性体又はD−立体異性体(R及びRが結合される炭素原子での)のいずれかである。これらの立体異性体は、L立体異性体とD立体異性体の混合物、例えばラセミ混合物でも見出すことができる。D立体異性体が好ましい。
最も好ましくは式(III)のR立体配置の化合物、有利には実質的にエナンチオ純粋な化合物であり、その際、置換基Rはベンジルであり、前記基は非置換であるか又は少なくとも1つのハロゲン基で置換されており、その際、RはCH−Qであり、その際、Qは1〜3個の炭素原子を有する低級アルコキシであり、かつRはメチルである。有利にはRは、非置換のベンジル又は少なくとも1つのハロゲン基、フルオロ基で置換されたベンジル基である。
これらの置換基に応じて、本願化合物は同様に付加塩を形成することができる。これらの全ての形は、立体異性体形の混合物を含めて本発明の範囲内に考えられている。
利用される化合物の製造は、米国特許第5,378,729号及び同第5,773,475号に記載されており、その両者の内容は参照により本願に開示されたものとする。
式(Ib)及び/又は式(IIb)に示される本発明で利用される化合物は、遊離のアミノ基の存在によってその塩基性の点で塩の形で使用することができる。このように、式(Ib)及び/又は(IIb)の化合物は、広範な酸、無機酸及び有機酸、例えば製剤学的に認容性の酸と塩を形成する。治療学的に認容性の酸との塩は、当然のように、水溶性の向上が最も好ましい製剤の製造において有用である。
これらの製剤学的に認容性の塩はまた治療学的効力をも有する。これらの塩は、無機酸、例えば塩化水素酸、ヨウ化水素酸、臭化水素酸、リン酸、メタリン酸、硝酸及び硫酸の塩並びに有機酸、例えば酒石酸、酢酸、クエン酸、リンゴ酸、安息香酸、過塩素酸、グリコール酸、グルコン酸、コハク酸、アリールスルホン酸(例えばp−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸)、リン酸、マロン酸などの有機酸の塩を含む。
更に本発明は、哺乳動物、例えばヒトにおける前記の疾患又は状態の予防、緩和及び/又は治療のための方法であって、少なくとも1種の式(Ib)及び/又は(IIb)の化合物を投与することを含む方法に関連する。
本発明で利用される化合物は、治療学的有効量で使用されることが好ましい。
医師は、本願治療剤の最も適した用量を決定するが、用量は投与形と選択された特定の化合物により変化し、更に、治療される患者、患者の年齢、治療される疾患型で変化する。患者は一般に、化合物の至適用量より実質的に少ない用量で治療を開始して、その状況で最適な効果に至るまで少ない増分で用量を増やすことを望むはずである。該組成物を経口投与する場合に、非経口で与えられる少ない量と同等の効果をもたらすためには、より多量の活性剤が必要である。該化合物は、匹敵する治療剤と同様に有用であり、かつその用量水準は、これらの他の治療剤で一般に使用されるのと同等の程度である。
有利な一実施態様では、利用される化合物は、一日当たり体重1kgあたりに約1mg〜約100mgの範囲の量で投与される。前記の投与計画は、医師によって最適な治療反応が得られるように調整することができる。
それを必要とする患者は、少なくとも50mg/日、有利には少なくとも200mg/日、より有利には少なくとも300mg/日、最も有利には少なくとも400mg/日の本発明の化合物の用量で治療されうる。一般に、それを必要とする患者は、最大6g/日、より有利には最大1g/日、最も有利には最大600mg/日の用量で治療されうる。しかしながら、幾つかの場合には、それより高い又は低い用量が必要となることもある。
もう一つの有利な実施態様では、日用量を、予定された日用量に至るまで増大させ、それを更なる治療の間に維持する。
更にもう一つの有利な実施態様では、幾つかに分割した用量を一日に投与してよく、又は用量を、窮迫した治療状況によって指示されるように比較的減らすこともできる。例えば、一日三回の用量を投与してよく、好ましくは一日二回の用量を投与してよい。より有利には、一日一回の用量が投与される。
更にもう一つの有利な実施態様では、治療された被験体の平均として計算して血漿濃度0.1〜15μg/ml(トラフ)及び5〜18.5μg/ml(ピーク)をもたらす量で本発明の化合物を投与する。
式(Ib)及び/又は(IIb)の化合物は、慣用の様式で、例えば経口、静脈内(水溶性であれば)、筋内、鞘内又は皮下の経路によって投与することができる。経口及び/又は静脈内の投与が好ましい。
本発明の医薬品組成物は、前記の治療計画のために、特に前記の用量により前記の血漿濃度を達成するために、前記の本発明の実施態様に特記した投与期間及び/又は投与形路のために製造することができる。
もう一つの有利な実施態様では、治療が必要なヒトを含む哺乳動物の治療のための前記の本発明の方法は、本発明の化合物の投与と組み合わせて、中枢神経因性疼痛の予防、緩和及び/又は治療のための更なる活性剤を投与することを含む。本発明の化合物及びその更なる活性剤は、一緒に、すなわち単独投与形で投与でき、又は別個に、すなわち別々の投与形で投与することができる。このように、本発明の医薬品組成物は、前記の本発明の化合物を含み、更に中枢神経因性疼痛の予防、緩和及び/又は治療のための更なる活性剤を含有してよい。該医薬品組成物は単独投与形を含んでよく、又は前記の本発明の化合物を含有する第一の組成物と更なる活性剤を含む第二の組成物を有する別々の投与形を含んでよい。
式(Ib)及び/又は(IIb)の化合物は、不活性希釈剤又は同化できる食用の担体と一緒に経口投与することができ、又は該化合物を硬質又は軟質のシェルゼラチンカプセル中に封入してよく、又は該化合物を錠剤に圧縮してよく、又は該化合物を食べ物のフールに直接導入することもできる。経口の治療的投与のためには、式(Ib)及び/又は(IIb)の有効化合物を賦形剤と一緒に導入して、摂取錠剤、バッカル錠剤、トローチ剤、カプセル剤、エリキシル剤、懸濁液剤、シロップ剤、ウェハースなどの形で使用することができる。かかる組成物及び調剤は、少なくとも1%の式(Ib)及び/又は(IIb)の有効化合物を含有することが望ましい。該組成物及び調剤の割合は、当然のように変化してよく、かつその割合は、適宜、単位体重の約5%〜約80%であってよい。かかる治療学的に有用な組成物中での式(Ib)及び/又は(IIb)の有効化合物の量は、好適な用量が得られる程度である。本発明による有利な組成物又は調剤は、約10mg〜6gの式(Ib)及び/又は(IIb)の有効化合物を含有する。
前記の錠剤、トローチ剤、丸剤、カプセル剤などは、以下のものを含有してもよい:結合剤、例えばトラガカントゴム、アラビアゴム、トウモロコシデンプン又はゼラチン;賦形剤、例えばリン酸二カルシウム、崩壊剤、例えばトウモロコシデンプン、馬鈴薯デンプン、アルギン酸など;滑沢剤、例えばステアリン酸マグネシウム;及び甘味剤、例えばスクロース、ラクトース又はサッカリン又は矯味矯臭剤、例えばペパーミント、ウインターグリーン油又はチェリーフレーバーを添加してよい。投与単位形がカプセル剤である場合に、カプセル剤は、前記の型の材料に加えて液状担体を含有してよい。
様々な他の材料はコーティングとして存在してよく、他の点では、投与単位の物理形態を改変してよい。例えば、錠剤、丸剤又はカプセル剤をシェラック、糖類又はその両者で被覆してもよい。シロップ剤又はエリキシル剤は、有効化合物、甘味剤としてのスクロース、保存剤としてのメチルパラベン及びプロピルパラベン、色素及びフレーバー、例えばチェリーフレーバー又はオレンジフレーバーを含有してよい。もちろん、任意の投与単位形を製造するのに使用される任意の材料は、製剤学的に純粋であり、かつ使用量において実質的に無毒であることが望ましい。更に、有効化合物を、遅延放出性の調剤及び製剤に導入してよい。例えば、遅延放出性の投与形が考慮され、その際、有効成分は、樹脂の放出特性を改変するために拡散バリアコーティングで場合により被覆されていてよいイオン交換樹脂に結合されている。
また該有効化合物は、非経口又は腹腔内で投与することも可能である。また分散液を、グリセロール、液体、ポリエチレングリコール及びそれらの混合物中又は油中で製造することもできる。通常の貯蔵条件及び使用条件のもとで、これらの調剤は、微生物の増殖を抑えるために保存剤を含有する。
注射用使用に適した医薬品形は、滅菌水溶液(水溶性であれば)又は分散液を含み、滅菌の注射用の溶液又は分散液の即時調合のための滅菌粉末を含む。全ての場合において、該医薬品形は滅菌でなければならず、容易な注封性がある程度に流動性でなければならない。製造条件と貯蔵条件下に安定でなければならず、かつ細菌及び菌類のような微生物の汚染作用に対して保存されねばならない。担体は、例えば水、エタノール、ポリオール(例えばグリセロール、プロピレングリコール及び液状ポリエチレングリコールなど)、好適なそれらの混合物及び植物油を含有する溶媒又は分散媒であってよい。適切な流動性は、分散液の場合には、例えばレシチンのようなコーティングを用いることによって、所望の粒度の維持によって、かつ界面活性剤の使用によって保持することができる。微生物の作用の抑制は、種々の抗細菌剤及び抗菌類剤、例えばパラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、チメロサールなどによってもたらすことができる。多くの場合において、等張剤、例えば糖類及び塩化ナトリウムを含むことが好ましい。注射可能な組成物の長期吸収は、吸収を遅延する剤、例えばモノステアリン酸アルミニウム及びゼラチンの組成物中で使用することによってもたらすことができる。
滅菌の注射可能な溶液は、有効化合物を所望の量で好適な溶剤中に種々の前述の他の成分と一緒に導入して、所望であれば引き続き濾過滅菌することによって製造される。一般に、分散液は、種々の滅菌された有効成分を、基礎分散媒を含有する滅菌ビヒクル及び前記の成分のうち必要とされる他の成分中に導入することによって製造される。滅菌の注射用溶液の製造のための滅菌粉末の場合には、有利な製造法は事前に滅菌濾過されたその溶液からの真空乾燥、凍結乾燥技術と任意の付加的な所望の成分との組合せである。
本願で使用される場合に、“製剤学的に認容性の担体”とは、任意の全ての溶媒、分散媒、コーティング、抗細菌剤及び抗菌類剤、等張剤及び医薬品有効物質についての吸収遅延剤を含み、これらは当該分野でよく知られている。任意の慣用の媒質又は剤が有効成分と不相溶性である場合を除き、治療用組成物中でのそれらの使用が考慮される。また補助的有効成分を該組成物中に導入することもできる。
非経口組成物を、投与しやすさと投与の均等性の点で投与単位形で配合することが特に好ましい。本願で用いられる投与単位形は、治療されるべき哺乳動物の被験体用の投与単位として適合された物理的に別個の単位を指し、その際、それぞれの単位は、必要とされる医薬品担体と共同して所望の治療効果をもたらすように計算された有効物質の予定量を含有する。本発明の新規の投与単位形についての詳細は、(a)有効物質の固有の特性、達成されるべき特定の治療効果、及び(b)身体衛生を害する本願に詳細に開示した疾患状態を伴う生きた被験体において疾患を治療するための有効物質を配合する当該分野に固有の制限によって、そしてそれらに直接依存して指示される。
主要な有効成分を、適切かつ効果的な投与のために有効量で好適な製剤学的に認容性の担体と一緒に配合して、前記の投与単位形とする。単位投与形は、例えば主要な有効化合物を、約10mg〜約6gの範囲の量で含有してよい。割合で表現して、有効化合物は、一般に約1〜約750mg/ml(担体)で存在する。補助的有効成分を含有する組成物の場合に、用量は、通常の用量と前記の成分の投与様式を参照することによって規定される。
本願で使用される場合に、用語“患者”又は“被験体”は、温血動物を指し、有利には、哺乳動物、例えばネコ、イヌ、ウマ、ウシ、ブタ、マウス、ラット及び霊長目、例えばヒトを指す。有利な患者はヒトである。
用語“治療”は、疾患又は状態に関連する疼痛の軽減か、患者の疾患又は状態の緩和のいずれかを指す。
本発明の化合物は、前記の型の疼痛に悩む患者に、鎮痛的有効量で投与される。これらの量は、前記の治療学的有効量に相当するものである。
以下の実施例は、中枢神経因性疼痛、特に脊髄損傷疼痛の十分に定義された動物モデルにおける特性を示している。
使用される物質はSPM927であり、これはハルコセリド(Harkoseride)と同義である。標準的な化学名は、(R)−2−アセトアミド−N−ベンジル−3−メトキシプロピオンアミドである。
図面の説明
図1は、脊髄損傷ラットにおけるフォンフレーの触毛(A)、ブラッシング(B)及び冷感(C)による刺激に対する発声閾値における、ビヒクル(白抜きの丸)、10mg/kg(白抜きの四角)、15mg/kg(黒塗りの丸)及び20mg/kg(黒塗りの四角)のSPM927の効果を示している。*は、ウィルコクソンの符号順位検定(A−C)による時間0での基準線と比較したp<0.05。
図2は、脊髄損傷ラットにおける、フォンフレー植毛(A)、ブラッシング(B)及び冷感(C)による刺激に対する発声閾値における、20mg/kgの一日二回注入されたSPM927の効果を示している。これらのラットは、朝の薬剤投与の前と後に試験した。投薬前の閾値(白抜きの丸)と薬剤投与1時間後(黒塗りの丸)を示す。破線は、SPM927投与の停止を示す。各日における投薬前の値と比較して、*はp<0.05であり、**はp<0.01である。1日目の基線値と比較して、1つの十字は、p<0.05であり、2つの十字は、p<0.01である。これらの比較は、ウィルコクソンの符号順位検定(A−C)で行った。
本発明を以下の実施例によって更に説明する。
実施例1
SPM927は、中枢神経因性疼痛についての動物モデルにおける神経因性疼痛様の挙動を緩和する。
材料と方法
試験開始時に200〜250gの体重の雄と雌のスプラグ−ダウレイラット(Moellegard、デンマーク)を用いた。
光化学的に誘導される虚血脊髄損傷
虚血脊髄損傷を、雌のラットにおいて、前記の方法(Xu et al., 1992)に従って引き起こした。短期間で、それらのラットをクロラール水和物(300mg/kg、腹腔内)で麻酔し、そして正中線切開を、椎骨セグメントT12−L1の上にある皮膚で実施した。動物をアルゴンレーザの真下に配置し、10分間にわたり椎骨セグメントT12又はT13(脊髄分節L3−5)に向けてビームを照射した。照射開始直前とその5分後に、0.9%の生理食塩水中に溶解されたエリスロシンB(Red No 3、Aldrich-Chemie、シュタインハイム、ドイツ在)を、32.5mg/kgの用量で尾の血管を通じて静脈内注射した。514nmで作動する波長可変アルゴンイオンレーザ(Innova model 70, Coherent Laser Product Division, Palo Alto, CA)を使用した。平均ビーム出力は160mWであった。ビームは、脊椎の全幅を覆い、ビーム長は1〜2mmであった。照射後に、その創傷を成層により閉じ、ラットを回復させた。膀胱を手作業で1週間にわたり空にした。
脊髄損傷後の機械感受性と冷感感受性の評価
段階的な機械接触/圧迫刺激に対する発声閾値をフォンフレー触毛を用いて試験した。試験の間に、ラットを立位でそっと拘束し、そしてフォンフレー触毛を、そのフィラメントが曲がるまで皮膚に押しつけた。刺激の頻度は約1/秒であり、それぞれの強さで5〜10回にわたり刺激を与えた。一貫した発声(>75%の反応速度)を誘導する刺激の強さを疼痛閾値とした。
ブラッシング刺激に対するラットの反応は、先の尖っていない鉛筆で胴体の体軸方向でやさしく皮膚をなでて試験した。刺激の頻度は約1/秒であり、反応をスコアで格付けした:0=観察可能な反応なし;1=一過性の発声とプローブの回避努力が中程度;2=一貫した発声と回避反応;3=持続的な長期間の発声と攻撃的な挙動。正常なラットは、ブラシによる刺激に対して反応を示さなかった(スコア0)。
冷感に対する反応は、塩化エチルスプレーを剃毛した異痛領域に適用することで試験した。その反応をスコアで格付けした:0=観察可能な反応なし;1=局所的反応(皮膚の単収縮と収縮)、発声無し;2=一過的な発声、中程度にもがく;3=持続的な発声と攻撃性。
薬剤と統計
SPM927を生理食塩水に溶かして、腹腔内注射した。フォンフレー触毛、ブラッシング及び冷感についてのデータは、中央絶対偏差(median±median absolute deviation)(M.A.D.)として表現し、ウィルコクソンの符号順位検定又は一対t−検定で解析した。
結果
脊髄損傷ラットにおけるアロディニア様挙動に対するSPM927の一回量の効果
SPM927を10mg/kgでは効果がないが、15mg/kgでは、大多数であるが、全てではないラットにおいて機械的異痛症と冷感異痛症が部分的に緩和された(図1)。15mg/kg後のフォンフレー触毛による刺激に対する閾値の増大は顕著ではあるが、正常のレベルにまでは戻らなかった(図1a)。ブラッシングと冷感に対する顕著な効果はこの用量でも見られた(図1B、C)。SPM927は20mg/kgで、全てのラットにおいて約2時間にわたり機械的異痛症と冷感異痛症を完全に元に戻した(図1)。
脊髄損傷ラットにおけるSPM927の反復投与の効果
動物に20mg/kgのSPM927を一日二回で注射した。投薬前反応と注射1時間後の反応を朝の会合で評価した。1日目〜3日目において、SPM927は、単独注射試験と同様に、フォンフレー触毛に対する発声閾値の増大をもたらした(図2A)。興味深いことに、フォンフレー触毛刺激に対する投薬前反応は4日目で正常化された(図2A)。ブラッシング(図2B)及び冷感(図2C)に対する基線反応も、それぞれ2日目から6日目で正常化された。基線感受性の正常化は、耐性の徴候なく、少なくとも8日間持続した。SPM927の投与を7日目の後に中断すると、9日目にフォンフレー触毛と冷感による刺激に対する異痛症が再発したが、ブラシによる刺激に対する効果は11日目まで持続した(図2)。
参考文献
Figure 0004664924
図1は、脊髄損傷ラットにおけるフォンフレーの触毛(A)、ブラッシング(B)及び冷感(C)による刺激に対する発声閾値における、ビヒクル(白抜きの丸)、10mg/kg(白抜きの四角)、15mg/kg(黒塗りの丸)及び20mg/kg(黒塗りの四角)のSPM927の効果を示している 図2は、脊髄損傷ラットにおける、フォンフレー植毛(A)、ブラッシング(B)及び冷感(C)による刺激に対する発声閾値における、20mg/kgの一日二回注入されたSPM927の効果を示している

Claims (17)

  1. 式(IIb)
    Figure 0004664924
    [式中、
    Arはフェニルであり、それは非置換であるか又は少なくとも1つのハロゲン基で置換されており、
    はCH −Qであり、その際、Qは1〜6個の炭素原子を有するアルコキシであり、かつ
    は1〜6個の炭素原子を有するアルキルである]を有する化合物又はその製剤学的に認容性の塩を、哺乳動物における中枢神経因性疼痛の治療のための医薬品組成物製造のために用いる使用
  2. Arが非置換のフェニルである、請求項1記載の使用
  3. ハロゲンがフルオロである、請求項1記載の使用
  4. がCH −Qであり、その際、Qが1〜3個の炭素原子を有するアルコキシである、請求項1から3までのいずれか1項記載の使用
  5. 前記化合物が、R立体配置であり、かつ式(III)
    Figure 0004664924
    [式中、
    Rはベンジルであり、それは非置換であるか又は少なくとも1つのハロゲン基で置換されており、
    は水素であり、
    はCH −Qであり、その際、Qは、1〜6個の炭素原子を有するアルコキシであり、かつ
    は1〜6個の炭素原子を有するアルキルである]を有する、請求項1記載の使用
  6. 前記化合物が、実質的にエナンチオマー純粋である、請求項5記載の使用
  7. Rが非置換のベンジルである、請求項5又は6記載の使用
  8. ハロゲンがフルオロである、請求項5から6までのいずれか1項記載の使用
  9. がCH −Qであり、その際、Qが1〜3個の炭素原子を有するアルコキシである、請求項5から8までのいずれか1項記載の使用
  10. 式(IIb)の化合物が、(R)−2−アセトアミド−N−ベンジル−3−メトキシプロピオンアミド、O−メチル−N−アセチル−D−セリン−m−フルオロベンジルアミド、O−メチル−N−アセチル−D−セリン−p−フルオロベンジルアミド及びその製剤学的に認容性の塩から選択される、請求項1記載の使用
  11. 式(IIb)の化合物が、(R)−2−アセトアミド−N−ベンジル−3−メトキシ−プロピオンアミドである、請求項1記載の使用
  12. N−アセチル−D−フェニルグリシンベンジルアミド、D−1,2−(N,O−ジメチルヒドロキシルアミノ)−2−アセトアミド酢酸ベンジルアミド、D−1,2−(O−メチルヒドロキシルアミノ)−2−アセトアミド酢酸ベンジルアミド及びその製剤学的に認容性の塩から選択される化合物を、哺乳動物における中枢神経因性疼痛の治療のための医薬品組成物製造のために用いる使用
  13. 前記化合物が、実質的にエナンチオマー純粋である、請求項10から12までのいずれか1項記載の使用
  14. 前記疼痛が、脊髄損傷疼痛である、請求項1から13までのいずれか1項記載の使用
  15. 前記中枢神経因性疼痛の治療が、中枢系に媒介される神経因性疼痛への患者の感受性を低下させる、請求項1から14までのいずれか1項記載の使用
  16. 前記中枢神経因性疼痛の治療が、脊髄損傷疼痛への患者の感受性を低下させる、請求項1から15までのいずれか1項記載の使用
  17. 前記医薬品組成物が、ヒトの治療用に製造される、請求項1から16までのいずれか1項記載の使用
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