JP4664611B2 - 燃料電池用セパレータおよびその製造方法 - Google Patents
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Description
図7(a)に示すように、まず、固定型111に、前記金属部材(薄板)である中央部101を載置した状態で、第1可動型112(外周部用成形型)を型締めする。そして、図7(b)に示すように、固定型111と第1可動型112で形成されるキャビティ113内に第1の液状樹脂を充填する。
ちなみに、バリは、第1の液状樹脂が凝固して成形される成形品の製品収縮などにより、この成形品の表面に第2可動型の型面が正確に密着しないことなどで生じる。つまり、成形品の表面と第2可動型の型面の間に形成される隙間に第2の液状樹脂が入り込むことで意図しない不規則な形状のバリが発生する。
図8(a)に示すように、まず、固定型131に、第1可動型132を型締めする。この第1可動型132側には、第2の液状樹脂を接合する境界線近傍に溝132aを形成している。そして、図8(b)に示すように、固定型131と第1可動型132で形成されるキャビティ133内に第1の液状樹脂を充填する。
本発明の燃料電池用セパレータの製造方法によれば、裏回りなどの変形を簡易に防止することができる。
図1に示すセパレータ1は、燃料電池を構成する部品の一つであり、固体高分子電解質膜の両側にカソード極およびアノード極が一体に形成された膜電極接合体(MEA)を積層する際に、膜電極接合体の両側に、これを挟むように配置される。
リブ41は、燃料電池を組み付けるために、セパレータ1を積層させたとき、対向して配置された膜電極接合体(MEA)に押圧されるものである。リブ41でガス通路32を一つに囲っていることで、セパレータ1の積層時、一隅のガス通路32から中央部2に供給されて、対称位置のガス通路32に排出される空気流路が確保される。また、リブ41でガス通路32および生成水通路33を区画していることで、各通路(32,33,34)のシール性を確保することができる。
なお、図1および図2に示すセパレータ1は、便宜的に空気流路を確保するものとして説明したが、このセパレータ1の積層時の向きによっては、水素流路を確保するものとして機能することもある。またその他、セパレータ1には、生成水排出通路、冷却水供給通路を確保する機能もある。
図4は、本実施の形態に係るセパレータの製造工程を説明する図である。なお、セパレータは左右対称に形成されるものであるため、図4においては、図1のセパレータの紙面左側のみを示して説明するものとする。
なお、前記したように、外周部3の突起部34は、少なくとも結合部4の表面位置4aまで突出するものであるが、表面位置4aよりもさらに突出するように形成しておくことが好ましい。こうすることで、結合部用キャビティ14を形成したとき、第2可動型13の型面13aで突起部34を弾性変形させて適度に押圧することができる。
また、第2可動型13の溝13bは、中央部2の突起部21を押圧できるように、突起部21の突出量より浅めの溝であることが好ましい。
外周部3の突起部34が、第2可動型13の型面13aによって押圧され、外周部3の内周縁部3a近傍が固定型10側に押圧されるので、結合部4の成形時に、液状樹脂が外周部3の下側に回り込むこと(裏回り)を防止することができる。
また、中央部2の突起部21が、第2可動型13の溝13bによって押圧され、中央部2は、結合部4の境界線近傍を固定型10側に押圧されるので、結合部4の成形時に、液状樹脂が中央部2の下側に回り込むこと(裏回り)を防止することができる。
従って、裏回りによるセパレータ1の変形を防止して、製品の信頼性を向上させることができる。
(変形例1)
図5は、前記実施形態の変形例に係るセパレータの積層状態を示す図である。
前記実施形態では、外周部3の突起部34や中央部2の突起部21を、少なくとも、結合部4の表面位置4aまで突出するように形成したが、図5(a)に示すように、結合部4の表面位置4aよりも突出する突起部34’、突起部21’として形成することもできる。これによれば、燃料電池が構成された際、具体的には、膜電極接合体MEAを挟持したセパレータ1を積層し、これに適度な圧力をかけて固定した際の、リブ41の押し潰れを最小限に抑えることができる。つまり、軟質樹脂製部材であるリブ41だけを押し潰すと圧縮永久歪みが大きくなり、最悪の場合ガス流路を閉塞し、燃料電池の性能を著しく悪化させることがある。しかし、図5(b)に示すように、突起部34’と突起部21’により、対向して配置される膜電極接合体MEAを支えることで、リブ41の押し潰れを最小限に抑えることができる。このため、ガス流路も確保でき、燃料電池の耐久性を向上することができる。
また、前記実施形態を以下のように変形して実施することもできる。
図6は、実施形態の変形例に係る製造工程を示す図である。図6は、図4(d)の円で囲ったB部分の変形例を示すものである。なお、変形例は、前記実施形態の構成を一部変更したものであるため、同一の構成要素については同一の符号を付し、その説明を省略する。
また、外周部3にエンジニアリングプラスチック等の熱可塑性樹脂製部材、結合部4にシリコーンゴム等の熱硬化性樹脂製部材を用いたが、これらの材料は限定されるものではなく、適宜用途に合わせて変更できる。
2 中央部
2a 外周縁部
3 外周部
3a 内周縁部
4 結合部
4a 表面位置
5 隙間
10 固定型
11 第1可動型
11a 凹部
12 外周部用キャビティ
13 第2可動型
13a 型面
13b 溝
14 結合部用キャビティ
15 第1可動型
15a 溝
16 外周部用キャビティ
17 第2可動型
17a 型面
18 結合部用キャビティ
21 突起部
31 ガス通路
32 ガス通路
33 生成水通路
34 突起部
35 リブ
41 リブ
Claims (7)
- 金属製部材からなる中央部と、
第1の樹脂製部材からなり、前記中央部の外周に設けられる外周部と、
前記第1の樹脂製部材と異なる第2の樹脂製部材からなり、前記外周部と前記中央部の間に介在し、かつ、前記外周部の内周縁部近傍および前記中央部の外周縁部近傍を少なくとも覆う結合部と
を有する燃料電池用セパレータであって、
前記外周部は、その内周縁部近傍に、少なくとも前記結合部の表面位置まで突出する不連続な複数の突起部を有することを特徴とする燃料電池用セパレータ。 - 金属性部材からなる中央部と、
第1の樹脂製部材からなり、前記中央部の外周に設けられる外周部と、
前記第1の樹脂製部材と異なる第2の樹脂製部材からなり、前記外周部と前記中央部の間に介在し、かつ、前記外周部の内周縁部近傍および前記中央部の外周縁部近傍を少なくとも覆う結合部と
を有する燃料電池用セパレータであって、
前記中央部は、前記結合部との境界線近傍に、少なくとも前記結合部の表面位置まで突出する不連続な複数の突起部を複数有することを特徴とする燃料電池用セパレータ。 - 金属製部材からなる中央部と、
第1の樹脂製部材からなり、前記中央部の外周に設けられる外周部と、
前記第1の樹脂製部材と異なる第2の樹脂製部材からなり、前記外周部と前記中央部の間に介在し、かつ、前記外周部の内周縁部近傍および前記中央部の外周縁部近傍を少なくとも覆う結合部と
を有する燃料電池用セパレータであって、
前記外周部は、その内周縁部近傍に、少なくとも前記結合部の表面位置まで突出する不連続な複数の突起部を有し、前記中央部は、前記結合部との境界線近傍に、少なくとも前記結合部の表面位置まで突出する不連続な複数の突起部を有することを特徴とする燃料電池用セパレータ。 - 前記外周部は、前記結合部との境界線近傍に、前記結合部の表面位置よりも突出するリブを有することを特徴とする請求項1から請求項3のうちいずれか一項に記載の燃料電池用セパレータ。
- 金属製部材からなる中央部と、
第1の樹脂製部材からなり、前記中央部の外周に設けられる外周部と、
前記第1の樹脂製部材と異なる第2の樹脂製部材からなり、前記外周部と前記中央部の間に介在し、かつ、前記外周部の内周縁部近傍および前記中央部の外周縁部近傍を少なくとも覆う結合部と
を有する燃料電池用セパレータの製造方法であって、
少なくとも前記結合部の表面位置まで突出する突起部が前記外周部の内周縁部近傍に形成されるような凹部が複数形成される第1の型を、第2の型に型締めして外周部用キャビティを形成する工程と、
前記外周部用キャビティに第1の液状樹脂を充填して凝固させる工程と、
前記第1の型を第3の型に取り替える工程と、
前記第3の型を、前記中央部が載置された前記第2の型に型締めして結合部用キャビティを形成する工程と、
前記第3の型の型面で前記外周部の突起部を前記第2の型側に押圧しながら、前記結合部用キャビティに第2の液状樹脂を充填して凝固させる工程と
を有することを特徴とする燃料電池用セパレータの製造方法。 - 金属製部材からなる中央部と、
第1の樹脂製部材からなり、前記中央部の外周に設けられる外周部と、
前記第1の樹脂製部材と異なる第2の樹脂製部材からなり、前記外周部と前記中央部の間に介在し、かつ、前記外周部の内周縁部近傍および前記中央部の外周縁部近傍を少なくとも覆う結合部と
を有する燃料電池用セパレータの製造方法であって、
第1の型を、第2の型に型締めして外周部用キャビティを形成する工程と、
前記外周部用キャビティに第1の液状樹脂を充填して凝固させる工程と、
前記第1の型を第3の型に取り替える工程と、
前記第3の型を、前記結合部との境界線近傍に、少なくとも前記結合部の表面位置まで突出する不連続な複数の突起部を設けた前記中央部が載置された前記第2の型に型締めして結合部用キャビティを形成する工程と、
前記第3の型の型面で前記中央部の突起部を前記第2の型側に押圧しながら、前記結合部用キャビティに第2の液状樹脂を充填して凝固させる工程と
を有することを特徴とする燃料電池用セパレータの製造方法。 - 金属製部材からなる中央部と、
第1の樹脂製部材からなり、前記中央部の外周に設けられる外周部と、
前記第1の樹脂製部材と異なる第2の樹脂製部材からなり、前記外周部と前記中央部の間に介在し、かつ、前記外周部の内周縁部近傍および前記中央部の外周縁部近傍を少なくとも覆う結合部と
を有する燃料電池用セパレータの製造方法であって、
少なくとも前記結合部の表面位置まで突出する突起部が前記外周部の内周縁部近傍に形成されるような凹部が複数形成される第1の型を、第2の型に型締めして外周部用キャビティを形成する工程と、
前記外周部用キャビティに第1の液状樹脂を充填して凝固させる工程と、
前記第1の型を第3の型に取り替える工程と、
前記第3の型を、前記結合部との境界線近傍に、前記結合部の表面位置まで突出する不連続な突起部を複数設けた前記中央部が載置された前記第2の型に型締めして結合部用キャビティを形成する工程と、
前記第3の型の型面で前記外周部の突起部及び前記中央部の突起部を前記第2の型側に押圧しながら、前記結合部用キャビティに第2の液状樹脂を充填して凝固させる工程と
を有することを特徴とする燃料電池用セパレータの製造方法。
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