JP4611653B2 - 燃料電池用セパレータおよびその製造方法 - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1には、金属製の中央部分と、樹脂製の外枠と、これら両者を連結する弾性部材とからなる燃料電池用セパレータが開示されている。
また、特許文献2には、射出成形によって金属板と樹脂部とを一体に形成して製造する技術が開示されている。
そして、特許文献3には、セパレータを金属材と樹脂製のフレームとで構成し、セパレータを積層した場合にガス流路の高さを維持する為に樹脂製のフレームに突起を設けることで、ガス流路の変動を防止する技術が開示されている。
すなわち、本来シールする部位とは別に、金属製のセパレータ本体と樹脂材料とを接合するシール部材をさらに設ける必要があるので、部品点数や製造工程が増大するという問題がある。
そして、これらの問題は、燃料電池の積層方向の荷重を受ける荷重受け部をセパレータ本体に一体化する場合にも生じ得る。
この発明によれば、直接的に接着することが困難な金属製の前記セパレータ本体と樹脂材料からなる前記荷重受け部とを機械的に接合することができるため、前記セパレータの耐食性や絶縁性を前記荷重受け部により強化することができる。
この発明によれば、前記荷重受け部に形成されたリブにより反応ガスの流れへの干渉を防止することができるので、反応ガスの前記電極対応部への流入や排出を滑らかに行わせることができ、発電効率の向上に寄与することができる。特に、前記リブを流線型にすることにより、反応ガスの流れを整える整流機能を持たせることが可能である。
また、前記セパレータ本体は一旦成形処理が行われたら成形型から取り出されるので、流入する前記荷重受け部の材料の影響を繰り返し受ける訳ではないため、信頼性を維持することができる。
請求項2に係る発明によれば、前記セパレータの耐食性や絶縁性を前記荷重受け部により強化することができる。
請求項4に係る発明によれば、前記荷重受け部の材料が前記成形型に直接流入することを防止できるので、前記荷重受け部の材料に補強材を配合している場合であっても、繰り返し流入される前記荷重受け部の材料から前記成形型を保護することができ、寿命低下を防ぐことができる。
図1は本発明の実施の形態における燃料電池用セパレータ10の表面を示す斜視図である。また、図2は本発明の実施の形態における燃料電池用セパレータ10の裏面を示す斜視図である。これらの図に示すように、セパレータ10は、その中央部に電極対応部12を形成したセパレータ本体11と、電極対応部12の外側を囲むように配設される荷重受け部材13とを備えている。これらの図においては、燃料電池1のアノード5(図5、図6参照)に対向するセパレータ10を示している。
図4は図1に示したセパレータを備える燃料電池の概略平面図である。図5は図4に示した燃料電池のAA断面図である。図6は図4に示した燃料電池のBB断面図である。
アノード5およびカソード6は、例えば、多孔質カーボンクロスまたは多孔質カーボンペーパーからなるガス拡散層の電解質膜4と接する一表面に、Ptを主体とする合金からなる触媒層を積層させることにより構成されている。
そして、図5に示すように、燃料ガスは、燃料ガス供給口21から流通口31を介して供給され、燃料ガス流路27を流通して、燃料ガス排出口22から排出される。
なお、冷却対媒は、冷却媒体供給口25から供給され、冷却媒体流路29を流通して、冷却媒体排出口26から排出される。
図11は本実施の形態におけるセパレータを備える燃料電池の一部断面図である。図12は本発明の実施の形態に対する比較例におけるセパレータを備える燃料電池の一部断面図である。これらの図において、本発明と同様の部材については同一の番号を付して適宜その説明を省略する。
図7(a)に示すように、射出成形型を構成する上型61と下型62とでセパレータ本体11を挟み込み、この状態で、荷重受け部材の材料である樹脂を樹脂用ランナ64を介してキャビティ63に流入させる。下型62には、キャビティ63内に突出するピン68が挿入されており、このピン68の径の大きさは、反応ガス用の貫通孔49に対応するように設定されている。
同図に示すように、射出ゲート65を下型62に対向する位置(Qの位置)に形成すると、射出ゲート65から流入する樹脂材料が下型62の対向する部位に直接噴射されてしまう。このため、樹脂の成形処理を繰り返し行うと、下型62の対向する部位が損傷してしまう。
従って、前記荷重受け部材13の材料が前記成形型に直接流入することを防止できるので、前記荷重受け部材13の材料に補強材を配合している場合であっても、繰り返し流入される前記荷重受け部材13の材料から前記成形型を保護することができ、寿命低下を防ぐことができる。
また、前記セパレータ本体11は一旦成形処理が行われたら成形型から取り出されるため、流入する樹脂の影響を繰り返し受ける訳ではなく、信頼性が維持される。
図7(c)に示すように、セパレータ本体11を、上型71と下型72とで挟み込み、シール部材14の材料であるシリコーンゴムをシール部材用ランナ66から流入させる。これにより、セパレータ本体11にシール部材14、15の上側部分を成型する。そして、図7(d)に示すように、下型72を下型75に交換して、シール部材用ランナ67からシリコーンゴムを流入させて、シール部材14、15の下側部分を成型する。そして、図7(e)に示すように、セパレータ本体11を上型71、下型75から取り出して、セパレータ本体11のバリ取りを行い、セパレータ10を製造する。
また、前記セパレータ本体11に前記荷重受け部材13を一体化させる際に他の部品を介在させる必要がないため、部品点数や製造工程を抑制することができる。
そして、図8(b)に示すように、上型61を取り外して、セパレータ本体11のバリ取りを行う。図8(c)に示すように、セパレータ本体11の上側に上型71を配置して、上型71と下型62とでセパレータ本体11を挟みこみ、シール部材用ランナ66からシリコーンゴムを流入させて、シール部材14、15の上側部分を成型する。そして、図8(d)に示すように、下型62から下型75に交換して、シール部材用ランナ67からシリコーンゴムを流入させて、シール部材14、15の下側部分を成型する。そして、図8(e)に示すように、セパレータ本体11のバリ取りを行って、セパレータ10を製造する。このようにすると、図7に示した場合に比べて必要な金型の枚数を減らすことができる。
5…アノード(電極)
6…カソード(電極)
12…電極対応部
13…荷重受け部
31、32…流通口
43、44…リブ部(リブ)
63…キャビティ
65…射出ゲート
Claims (4)
- 電解質膜の両側に電極を配設してなる膜電極構造体を挟持する燃料電池用セパレータにおいて、
前記電極に対応する電極対応部が表面側に形成され、反応ガスを裏面側と前記電極対応部との間で流通させる流通口が設けられるセパレータ本体と、
該流通口の周囲に設けられて燃料電池の積層方向の荷重を受ける荷重受け部と、を備え、
該荷重受け部は、前記セパレータ本体の前記表面側に形成される表側荷重受け部と、前記セパレータ本体の前記裏面側に形成される裏側荷重受け部と、前記流通口に沿って配設された連結部と、を有し、
前記表側荷重受け部、前記裏側荷重受け部、および前記連結部が一体形成されていることを特徴とする燃料電池用セパレータ。 - 前記セパレータ本体は金属製の板状部材により形成され、前記荷重受け部は樹脂材料からなることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池用セパレータ。
- 前記荷重受け部には前記流通口に流通する反応ガスの流路方向に延在するリブが形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の燃料電池用セパレータ。
- 請求項1から請求項3のいずれかに記載の燃料電池用セパレータの製造方法において、
前記セパレータ本体の両面に亘って前記荷重受け部を射出成形する際に、
前記荷重受け部の材料が注入される前記成形型の射出ゲートを、前記セパレータ本体と対向する位置に形成することを特徴とする燃料電池用セパレータの製造方法。
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