JP4663607B2 - デジタルカメラおよびその制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、被写体に含まれる顔の情報を利用してフラッシュの発光量を制御する機能を備えたデジタルカメラと、その発光量の制御方法に関する。
デジタルカメラは、通常、シャッタレリーズボタンが押される以前から画像の撮影を行っており、その段階で撮影された画像は、露出調整や焦点調節のほか、フラッシュの適正発光量を求める調光にも利用されている。フラッシュの発光量の求め方としては、撮影された画像全体の明るさに基づいて適正発光量を求める方法が一般的であったが、近年、撮影された画像から人物の顔を検出し、顔の有無や顔が占める割合によってフラッシュの発光量を異ならせる方法が提案されている。
例えば特許文献1には、人物の顔が検出され、画像中の顔が占める割合が所定値以上のときに、発光量を弱めにする方法が示されている。また、特許文献2には、顔に相当する領域のデータのみを利用して発光量を求める形態や、顔に相当する領域の重み付けを他の領域よりも高く設定した画像データを利用して発光量を求める方法が示されている。
特開2003−107567号公報 特開2006−074164号公報
特許文献1、2が示す方法では、顔を含む被写体をフラッシュ撮影した場合に、顔部分が白とびすることなく、また顔部分が暗くなることもなく、適切な明るさの画像を得ることができる。これは、人物を対象とした撮影では好ましいことであるが、人物以外のものが撮影対象である場合には必ずしも好ましいこととは言えない。例えば、動物や建造物を撮影しようとしていたのに、たまたまその付近に人物がいたために、その人物の顔の明るさに合わせてフラッシュの発光量が調整されてしまい、本来の撮影対象が白とびしたり、暗く写ってしまうといった不都合が生じることがあるからである。
本発明は、この問題に鑑みて、意図せずして人物が撮影範囲に入ってしまった場合でも、本来の撮影対象(人物以外)にとって適正な発光量でフラッシュ撮影を行うことができるデジタルカメラを提供することを課題とする。
本発明のデジタルカメラは、被写体を表す画像データを生成する撮像手段と、フラッシュを発光する発光手段と、撮像手段により生成された画像データに含まれる顔を検出し、その顔に相当する領域を示す領域情報を出力する顔領域抽出手段とを備え、顔領域抽出手段が出力する領域情報を利用してフラッシュの発光量を制御するデジタルカメラである。このデジタルカメラは、撮像手段により生成された画像データを対象として顔領域抽出手段が出力する領域情報を利用する演算を行うことにより、発光量の仮適正値Cfを求める第1演算手段と、撮像手段により生成された画像データを対象として、その画像データの所定領域と、その所定領域以外の領域とを区別する演算を行うことにより発光量の仮適正値Ccを求める第2演算手段とを備える。第2演算手段は、例えば、画像の中央部と画像の周辺部とを区別する演算を行うことにより前記発光量の仮適正値Ccを求めるものとすることが好ましい。
また、このデジタルカメラは、第2演算手段から供給される仮適正値Ccに基づいて適正発光量Chの取り得る値の範囲を制限する範囲制限手段と、範囲制限手段により制限された範囲で、第1演算手段から供給される仮適正値Cfを基準値とする調整を行って、フラッシュの適正発光量Chを決定する発光量決定手段とを備える。例えば、範囲制限手段は、適正発光量Chの上限値および/または下限値を決定する。
フラッシュの適正発光量は、被写体が必要とする量の光を被写体に照射できる発光量に決定することが望ましいが、被写体が必要とする光の量は、被写体の反射率、被写体の明るさ、デジタルカメラから被写体までの距離に応じて変動する。一般には、距離が遠いほど、また被写体の反射率が低いほど、被写体からの反射光は少なく、多くの光を照射することが求められる。また被写体の明るさが暗い場合も、適正な露出との差分を埋めるべく、多くの光が求められる。よって、同じ範囲を撮影する場合であっても、何を主要な被写体とみなして演算を行うかによって、演算により求められる適正発光量は異なる値となる。
上記構成では、顔領域抽出手段が出力する領域情報を利用して顔を考慮した演算が行われるものの、他方で中央の被写体など本来の撮影対象である可能性が高いものを考慮した演算も行われ、顔を考慮した演算の結果に対し、他のものを考慮した演算の結果に基づいて一定の制限がかかる。このため、検出された顔が主要な被写体であった場合でも、顔は偶然撮影範囲に含まれていたに過ぎず主要な被写体が別に存在していた場合でも、大きな不都合がない値にフラッシュの発光量が決定される。
また、上記デジタルカメラに、撮像手段により生成された画像データを対象として特定の領域を区別することなく発光量の仮適正値Cnを求める第3演算手段をさらに設け、範囲制限手段が、適正発光量Chの上限値および/または下限値を、第3演算手段から供給される仮適正値Cnの値に基づいて制約された範囲内の値に決定するようにしてもよい。
これにより、適正発光量Chの上限値や下限値が行き過ぎた値に設定されることがなくなり、中央の被写体などが実は考慮すべき対象でなかった場合でも、不都合がない値にフラッシュの発光量が決定される。
本発明の方法は、上記構成のデジタルカメラによるフラッシュ発光量の制御方法で、撮像手段により生成された画像データを対象として顔領域抽出手段が出力する領域情報を利用する演算を行うことにより、発光量の仮適正値Cfを求める第1演算ステップと、撮像手段により生成された画像データを対象として画像データの所定領域とその所定領域以外の領域とを区別する演算を行うことにより発光量の仮適正値Ccを求める第2演算ステップと、第2演算ステップにおいて求められた仮適正値Ccに基づいて適正発光量Chの取り得る値の範囲を制限する範囲制限ステップと、範囲制限ステップにおいて制限された範囲で、第1演算ステップにおいて求められた仮適正値Cfを基準値とする調整を行って、フラッシュの適正発光量Chを決定する発光量決定ステップとを有することを特徴とするものである。
以下、本発明の実施形態として、フラッシュ撮影機能を備えた一眼レフのデジタルカメラと、そのデジタルカメラのフラッシュの発光量の制御方法を示す。
[ 実施形態1 ]
図1A、図1Bおよび図1Cは、本発明の一実施形態におけるデジタルカメラ1の外観を示す図である。図1Aに示すように、このデジタルカメラ1の上部には、シャッタレリーズボタン2、撮影モードの設定に利用されるモードダイヤル3、内蔵フラッシュ4および付属品の取付口であるホットシュー5が備えられている。
シャッタレリーズボタン2は、2段階の押下により2種類の動作を指示できる構造となっている。例えば、自動露出調整機能(AE:Auto Exposure)、自動焦点調節機能(AF:Auto Focus)を利用した撮影では、デジタルカメラ1は、シャッタレリーズボタン2が軽く押下(半押しともいう)されたときに、露出調整、焦点合わせなどの撮影準備を行う。その状態で、シャッタレリーズボタン2が強く押下(全押しともいう)されると、デジタルカメラ1は露光を開始し、露光により得られた1画面分の画像データをメモリカードに記録する。
内蔵フラッシュ4は、脇にあるフラッシュポップアップボタン6を押すことにより、図1Bに示すようにカメラ上部方向に開く(以下、ポップアップと称する)。また、一部の撮影モードでは、自動的にポップアップすることもある。ポップアップ状態の内蔵フラッシュ4は、シャッタレリーズボタン2の2段階目の押下操作と連動して2回発光する。1回目の発光は被写体からの反射光量を測定するための予備発光であり、通常の発光に比べれば発光量は微小である。予備発光には反射光量の測定のほか、赤目を予防する目的もある。2回目の発光は十分な露光量を得るための本発光であり、本発光の発光量が適正であれば、適当な明るさの画像を得ることができる。
内蔵フラッシュ4の動作は、シャッタレリーズボタン2の操作のみならず、モードダイヤル3により設定された撮影モードにも依存する。撮影モードとしては、撮影に係る全設定をカメラが自動で行う「AUTO」、撮影に係る全設定をユーザが手動で行う「マニュアル」のほか、「プログラムオート」、「シャッタ優先オート」、「絞り優先オート」、「ブレ軽減」、「ナチュラルフォト」、「人物」、「風景」、「夜景」など、撮影シーンごとのモードが用意されている。「AUTO」モードに設定されたデジタルカメラ1は、フラッシュ撮影が必要と判断すれば、自動的に内蔵フラッシュ4をポップアップし、シャッタレリーズボタン2の操作と連動してフラッシュを発光させる。一方、「ナチュラルフォト」はフラッシュレス撮影を行うモードであるため、このモードに設定されたデジタルカメラ1では、シャッタレリーズボタン2を操作しても内蔵フラッシュ4は動作しない。他のモードについても、それぞれ、そのモードの目的に適う内蔵フラッシュ4の動作が定められている。
なお、このデジタルカメラ1は、図1Cに示すようにホットシュー5に外付フラッシュ6を取り付けて使用することもできる。外付フラッシュ7は、ホットシュー5に取付けられることで機械的・電気的にデジタルカメラ1に接続され、これにより、内蔵フラッシュ4と同様、モードダイヤル3によるモード設定に応じて、シャッタレリーズボタン2の2段階目の押下操作と連動した発光動作を行うようになる。以下、図1Aおよび図1Bに例示した形態を中心に説明するが、本発明はフラッシュが内蔵か外付けかによらず適用可能な発明である。
続いて、図2を参照して、デジタルカメラ1の内部構成について、概要を説明する。図2に示すように、デジタルカメラ1は、レンズ12、レンズ駆動部16、絞り13、絞り駆動部17、CCD14およびタイミングジェネレータ(TG)18からなる撮像系を備える。レンズ12は、被写体にピントを合わせるためのフォーカスレンズ、ズーム機能を実現するためのズームレンズなど複数の機能別レンズにより構成される。レンズ駆動部16はステッピングモータなど小型のモータで、CCD14から各機能別レンズのまでの距離が目的に適った距離となるように各機能別レンズの位置を調整する。絞り13は複数の絞り羽根からなる。絞り駆動部17は、ステッピングモータなど小型のモータで、絞りの開口サイズが目的に適ったサイズになるように絞り羽根の位置を調整する。CCD14は原色カラーフィルタを伴う500〜1200万画素のCCDで、タイミングジェネレータ18からの指示信号に応じて蓄積された電荷を放出する。タイミングジェネレータ18は、CCD14に所望の時間のみ電荷が蓄積されるようにCCD14に対して信号を送り、これによりシャッタ速度を調整する。
また、デジタルカメラ1は、CCD14の出力信号をデジタル信号に変換するA/D変換部15と、A/D変換部15が出力した画像データをシステムバス34を介して他の処理部に転送する画像入力制御部23と、画像入力制御部23から転送された画像データを一時記憶するSDRAM22を備える。SDRAM22に記憶される画像データはRAWデータである。
また、デジタルカメラ1は、フラッシュ11と、フラッシュ11の発光タイミングや発光量を制御するフラッシュ制御部19と、レンズ駆動部16にレンズの移動を指示して焦点合わせを行う焦点調節部20と、絞り値とシャッタ速度を決定し、絞り駆動部17とタイミングジェネレータ18に指示信号を送出する露出調整部21と、SDRAM22に記憶されている画像データを対象として顔の検出処理を実行し、顔の有無を示す値、さらに顔が有る場合には検出された顔に相当する領域を示す情報(以下、領域情報)を出力する顔領域抽出部24を備える。フラッシュ制御部19、焦点調節部20および露出調整部21は、SDRAM22に記憶されている画像データのほか、顔領域抽出部24が実行した検出処理の結果を参照して処理を行うこともある。顔の検出結果を参照して露出調整を行う方法としては、例えば特開2001−215404号公報、特開2003−107555号公報などに開示されている方法を用いることができる。また、顔の検出結果を参照して焦点調節を行う方法としては、例えば特開2006−145629号公報に開示されている方法を用いることができる。フラッシュ制御部19、焦点調節部20および露出調整部21が、顔領域抽出部24から出力される検出結果を参照するか否かは、撮影モードその他の設定値によって決まる。
デジタルカメラ1は、この他、SDRAM22に記憶されている画像データに対して画像処理を施す画像処理部25を備える。画像処理部25は、画像を自然な色合い、明るさにするための色階調補正や明るさ補正、また画像データが赤目を含むものであるときに赤目を黒目に修正する処理など、画像の見栄えを良くするための各種仕上げ処理を行った後、処理済画像データを再度SDRAM22に格納する。
また、デジタルカメラ1は、SDRAM22に記憶されている画像データの液晶モニタ(LCD:Liquid Crystal Display)27への出力を制御する表示制御部26を備える。表示制御部26は、SDRAM22に記憶されている画像データの画素数を、表示に適した大きさとなるように間引きしてから液晶モニタ27に出力する。
また、デジタルカメラ1は、SDRAM22に記憶されている画像データのメモリカード29への書込み、およびメモリカード29に記録されている画像データのSDRAM22へのロードを制御する記録読出制御部28を備える。記録読出制御部28は、ユーザの設定に応じてRAWデータをそのまま、もしくは圧縮符号化によりJPEGデータに変換してからメモリカード29に記録する。JPEGデータをロードするときは、その逆の変換を行ってからデータをSDRAM22にロードする。
また、デジタルカメラ1は、ジャイロセンサなどにより構成される手ブレ検出部35を備える。手ぶれ検出部35は撮影時の手ブレを検出すると、フラッシュ制御部19、露出調整部21、画像処理部25に検出されたブレ量の情報を供給する。露出調整部21は、手ブレが検出されたときには手ブレが検出されないときよりもシャッタ速度を短く設定し、取得画像に対する手ブレの影響を軽減する。また、画像処理部25は、手ブレが検出されたとき、取得後の画像データに対しブレを補正する画像処理を施す。
デジタルカメラ1は、この他、CPU(Central Processor Unit)31、操作/制御プログラムが格納されたRAM(Random Access Memory)32、各種設定値が記憶されているEEPROM(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)33からなる全体制御部30を備える。全体制御部30は、モードダイヤルによる撮影モードの設定をはじめユーザが行う各種設定操作を検出し、設定された内容をEEPROM33に記憶せしめる。そして、その設定操作が行われたとき、もしくは撮影操作が行われたときに、EEPROMに記憶された設定値にしたがって、前述したフラッシュ制御部19、焦点調節部20、露出調整部21、画像入力制御部23、顔領域抽出部24、画像処理部25、表示制御部26、記録読出制御部29に対し、システムバス34を介して、実行すべき処理や、その処理の実行タイミングを指示する信号を送出する。
図3に、フラッシュ制御部19の構成とフラッシュ制御部19の入出力データを示す。フラッシュ制御部19は、図に示すように、第1演算手段42、第2演算手段39、第3演算手段41、パラメータ記憶手段43、範囲制限手段40および発光量決定手段44を備える。第1演算手段42、第2演算手段39、第3演算手段41、範囲制限手段40および発光量決定手段44は、後述する演算を実行する演算回路であり、パラメータ記憶手段43はEEPROMである。但し、パラメータ記憶手段43は、必ずしもフラッシュ制御部19の構成要素でなくてもよい。例えば、全体制御部30が備えるEEPROM33をパラメータ記憶手段43として利用してもよい。
第1演算手段42は、全体制御部30の制御の下、画像入力制御部23から、非発光時画像データと予備発光時画像データの供給を受ける。予備発光時画像データは、撮像部が、全体制御部30の制御の下で、フラッシュ11による予備発光と同期して撮影した画像データである。非発光時画像データは、その予備発光の直前または直後に、撮像部により撮影された画像データである。第1演算手段42は、この他、顔領域抽出部24から、顔に相当する領域を示す領域情報の供給を受ける。そして、2種類の画像と領域情報とを用いて、後述する演算処理を実行することにより、顔を考慮して調光を行った場合のフラッシュ発光量の仮適正値Cfを求め、出力する。
第2演算手段39は、第1演算手段と同様、全体制御部30の制御の下、画像入力制御部23から、非発光時画像データと予備発光時画像データの供給を受ける。第2演算手段は、これら2種類の画像を用いて、後述する演算処理を実行することにより、画像の中央付近にある被写体を考慮して調光を行った場合のフラッシュ発光量の仮適正値Ccを求め、出力する。範囲制限手段40は、その第2演算手段が出力した仮適正値Ccに基づいて、フラッシュの発光量の上限値Uと下限値Lとを定める。あるいは、上限値と下限値を定める代わりに、発光量の値として許容されるいくつかの値(離散値)を定めてもよい。
第3演算手段41は、第1演算手段と同様、全体制御部30の制御の下、画像入力制御部23から、非発光時画像データと予備発光時画像データの供給を受ける。第3演算手段は、これら2種類の画像を用いて、後述する演算処理を実行することにより、画像全体を均等に考慮して調光を行った場合のフラッシュ発光量の仮適正値Cnを求め、出力する。
パラメータ記憶手段43が記憶するパラメータαは設定により可変なパラメータであり、顔領域抽出部24や手ブレ検出部35によって設定される。あるいは全体制御部30が、顔領域抽出部24や手ブレ検出部35の出力を受けて、パラメータαを設定する。
発光量決定手段44は、第1演算手段から出力された仮適正値Cfと、第3演算手段41から出力された仮適正値Cnと、パラメータ記憶手段43から読み出したパラメータαとを利用して本発光の発光量を求める。この際、発光量決定手段44は、演算により求められた発光量が範囲限手段40により定められた上限値Uを上回る値であれば、発光量をその上限値Uに決定する。また、演算により求められた発光量が範囲限手段40により定められた下限値Lを下回る値であれば、発光量をその下限値Lに決定する。あるいは、演算により求められた発光量が範囲限手段40により定められた特定の値と異なる値となったときには、特定の値のうち演算により求められた値に最も近い値に発光量を決定する。そして、その決定に基づいて、フラッシュ11の発光量を制御する。
以下、第1演算手段42、第2演算手段39、第3演算手段41、範囲制限手段40および発光量決定手段44が行う処理について、さらに説明する。第1演算手段42、第2演算手段39および第3演算手段41は、入力された非発光時画像データおよび予備発光時画像データを、複数の領域ブロックに分割する。図4は、領域ブロックへの分割の一例を示す図であり、画像データ45(非発光時画像データまたは予備発光時画像データ)を、n×m個の領域ブロックに分割したところを示している。以下の説明では、図に例示している(1,1)、(n,m)といった符号により、位置が異なる領域ブロックを区別するものとする。
図5は、第1演算手段42の処理を示すフローチャートである。以下、図4に例示するように、顔領域抽出部24により領域46aが抽出された場合を例示しながら説明する。第1演算手段42は、顔領域抽出部24から供給された領域情報が示す領域46aに対応する領域ブロック群47aを選択する(S101)。例えば、各領域ブロックについて領域46aと重なる範囲の面積を計算し、面積の半分以上が領域46aと重なっているブロック群47aを選択する。
続いて、第1演算手段は、非発光時画像データについて、選択された領域ブロックの輝度情報Ya(p、q)を取得する(S102)。例えば、非発光時画像データをRGB−YCC変換し、各画素の輝度値を求め、その画素輝度値の領域ごとの平均値を求め、輝度情報Yaとする。さらに、予備発光時画像データについても、選択された領域ブロックの輝度情報Yb(p、q)を取得する(S103)。図4の例であれば、領域46aについて選択されたブロック群47aは2個の領域ブロックを含んでいるので、ブロック2個分の輝度情報Ya(p1、q1)〜Ya(p2、q2)とYb(p1、q1)〜Yb(p2、q2)を取得する。
続いて、選択された領域ブロックごとに、ステップS103で取得した輝度情報Yb(p,q)とステップS102で取得した輝度情報Ya(p,q)との差分Yd(p,q)を計算し(S104)、選択された領域ブロックについて求められた差分Yd(p,q)に基づいて、顔を考慮する場合のフラッシュ発光量の適正値(仮適正値Cf)を決定する(S105)。図4の例であれば、ブロック2個分の差分Yd(p1,q1)〜Yd(p2、q2)を求め、これらの差分に基づいて仮適正値Cfを決定する。例えば、差分Yd(p1,q1)〜Yd(p2、q2)の単純平均から被写体からの単位発光量あたりの反射光量を推定し、最適な露出が得られる反射光量となる発光量を求め、これを仮適正値Cfとして出力する。
図6は、第2演算手段39の処理を示すフローチャートである。第2演算手段39は、非発光時画像データの中央付近の領域ブロックの輝度情報Ya(u、v)を取得する(S201)。さらに、予備発光時画像データについても、非発光時画像データの中央付近の領域ブロックの輝度情報Yb(u、v)を取得する(S202)。図4の例であれば、中央付近の領域ブロック群38について、ブロック12個分の輝度情報Ya(u1、v1)〜Ya(u12、v12)とYb(u1、v1)〜Yb(u12、v12)を取得する。
続いて、領域ブロックごとに、ステップS202で取得した輝度情報Yb(u,v)とステップS201で取得した輝度情報Ya(u,v)との差分Yd(u,v)を計算し(S203)、求められた差分Yd(u,v)に基づいて、中央付近にある被写体を考慮して調光を行った場合のフラッシュ発光量の適正値(仮適正値Cc)を決定する(S204)。図4の例であれば、ブロック12個分の差分Yd(u1,v1)〜Yd(u12、v12)を求め、これらの差分に基づいて仮適正値Ccを決定する。例えば、中央付近の領域ブロックについて求めた差分Yd(u1,v1)〜Yd(u12、v12)の重み付けを高くした上で、差分Yd(1,1)〜Yd(n,m)の加重平均を求める。そして、その加重平均に基づいて被写体からの単位発光量あたりの反射光量を推定し、そこから最適な露出が得られる反射光量となる発光量を求め、これを仮適正値Ccとして出力する。
図7は、第3演算手段の処理を示すフローチャートである。第3演算手段41は、非発光時画像データの領域ブロックごとの輝度情報Ya(1,1)〜Ya(n,m)を取得する(S301)。予備発光時画像データについても、同様の手順により、各領域ブロックの輝度情報Yb(1,1)〜Yb(n,m)を取得する(S302)。続いて、領域ブロック(x、y)ごとに、ステップS302で取得した輝度情報Yb(x、y)とステップS301で取得した輝度情報Ya(x、y)との差分Ydを計算する(S103)。そして、全領域ブロックの差分Yd(1,1)〜Yd(n,m)に基づいて、画像全体を均一に考慮して調光を行った場合のフラッシュ発光量の適正値(仮適正値Cn)を決定する(S304)。例えば、差分Yd(1,1)〜Yd(n,m)の単純平均から被写体からの単位発光量あたりの反射光量を推定し、そこから最適な露出が得られる反射光量となる発光量を求め、これを仮適正値Cnとして出力する。
範囲制限手段40は、発光量決定手段44が決定する適正発光量Chについて上限値と下限値とを設定することにより、発光量決定手段44が出力する適正発光量Chの値を、所定範囲の値に制限する。範囲制限手段40は、画像の中央付近にある被写体を考慮して調光を行った場合の適正発光量、すなわち第2演算手段39が出力する仮適正値Ccを基準とし、その仮適正値Ccの値から判断して妥当と思われる範囲に、適正発光量Chを制限する。つまり、適正発光量Chを、固定された範囲に制限するのではなく、図8に示すように、仮適正値Ccに応じて変動する上限値U(Cc)と下限値L(Cc)により範囲を制限する。上限値U(Cc)と下限値L(Cc)は、例えば、適正値Ccが適正値Cnよりも大きくなる場合に、適正値Ccと適正値Cnの差分の絶対値が取り得る値の最大値Aと、適正値Ccが適正値Cnよりも小さくなる場合に、適正値Ccと適正値Cnの差分の絶対値が取り得る値の最大値Bを、予め種々の被写体の調光を繰り返すことにより経験的に取得しておき、適正発光量Chの上限値U(Cc)をCc+Aに、下限値L(Cc)をCc−Bに設定する。
発光量決定手段44は、次式(1)および(2)に基づいて、適正発光量Chを決定する。ここで、Ckは仮の適正発光量である。
Ck=Cn×(1−α)+Cf×α … (1)
Figure 0004663607
(1)式および(2)式によれば、適正発光量Chは、顔が検出された場合にはその顔の影響を受けることとなるが、顔ではなく中央の被写体を考慮した場合に適正といえる発光量の範囲から大きく外れることはない。
パラメータαは前述したとおり、顔領域抽出部24、手ブレ検出部35あるいは焦点調節部20により設定される。以下、顔領域抽出部24によるパラメータαの設定処理について説明する。顔を考慮した調光は、顔の検出に用いられる画像データと調光に用いられる画像データが同じであることを前提としている。しかし実際の撮影では、顔の検出から非発光時画像データの取得までの間、あるいは非発光時画像データの取得から予備発光時画像データの取得までの間に、数十ミリ秒以上のタイムラグがあるため、この間に被写体が動いたり、手ブレが生じたりすると、各処理に用いられる画像データが互いに異なるものとなってしまうことがある。
図9A、図9B、図10Aおよび図10Bは、画像データと領域情報が示す領域と図5のステップS101において選択される領域ブロックの関係を示す図である。画像データ48は顔領域抽出部24が顔の検出処理に用いた画像データで、画像データ45はフラッシュ制御部19が調光に用いた画像データ(非発光時画像データあるいは予備発光時画像データ)である。図9Bおよび図10Bの楕円49は、調光時の顔の位置を示している。
図9Aおよび図9Bに示すように、画像に占める顔の割合が比較的大きい場合には、顔の位置が顔検出時と多少ずれていても、顔領域46bに対応するブロック群47bの大半は、ずれた後の顔(楕円49)に対応している。よって、ずれが生じてしまったとしても、選択されたブロック群47bの輝度情報は、調光を行う上で参照に値する。しかし、図10Aおよび図10Bに示すように、画像に占める顔の割合が小さく、顔領域46cに対応するブロックが1つしか無いような場合には、顔の位置がずれてしまったことにより、ブロック47cは顔領域46cと対応しなくなる。この場合、ブロック47cの輝度情報は、顔を考慮した調光処理では、もはや参照に値しない。これは、第1演算手段により求められる仮適正値Cfの信頼度が、画像に占める顔の割合が大きいほど高く、顔の割合が小さいほど低いことを意味する。
そこで、本実施形態では、顔領域抽出部24は、顔の抽出処理が完了した後、検出された顔ごとに、その顔に相当する領域として抽出された領域の、画像の横幅に対する割合を計算する。そして、顔の割合とパラメータαとの対応付けを定義したルックアップテーブル(LUT)を参照することにより、パラメータαの値を決定する。ここで、LUTの参照に代えて、LUTと同等の変換を行う回路あるいはプログラムを採用してもよいことは言うまでもない。
図11に、LUTの一例を示す。このLUTによれば、顔の割合が所定の閾値Th1を下回るときには、パラメータαは、ゼロではない所定の下限値αLに設定される。また、顔の割合が所定の閾値Th2を上回るときには、パラメータαは、1ではない所定の上限値αUに設定される。そして、顔の割合が閾値Th1以上閾値Th2以下であるときは、パラメータαは、下限値αLから上限値αUまでの範囲で、顔の割合が小さいほど小さく、大きいほど大きな値に設定される。このLUTを使って設定された値を用いて(1)の演算処理を行えば、画像に占める顔の割合が小さいときには発光量調整における仮適正値Cfの影響力が弱まり、被写体が動いたり手ブレが生じたりしても、発光量が適正範囲を大きく外れることはなくなる。
なお、上記処理では、画像の横幅に対する顔の横幅の割合を計算しているが、画像に占める顔の割合の指標となる値であれば、計算する値はどのような値であってもよい。例えば、抽出された領域の面積や画素数、画像全体の面積に対する顔の面積比などを計算してもよい。あるいは、顔の横幅と2つの目の間隔とは相関関係があるので、目を検出して目と目の間隔を求め、これを画像に占める顔の割合を示す指標値として演算に利用してもよい。すなわち、LUTの横軸として設定されるパラメータは、上記処理の目的に適うものであれば特に限定されない。また、上記LUTでは、閾値Th1以上閾値Th2以下の範囲においてパラメータの値が線形的に増加するが、非線形に増加する(LUTが非線形カーブを描く)ようにしてもよい。また、閾値Th1、Th2も、設計方針に応じて任意に定めることができるので、上記例のように閾値で区切られた一部の範囲においてのみαの値が単調増加するLUTのほか、閾値を設けずαの値が全範囲にわたって単調増加するようなLUTも採用し得る。
パラメータαの決定方針とパラメータの決定に使用するLUTとしては、他にも種々考えられる。例えば、人物の顔が画像の端で検出された場合には、その人物は撮影対象ではない可能性がある。よって、図12に例示するLUTは、抽出された領域の位置が、画像の左端からの距離にしてTh3以上、Th4以下であれば、パラメータαの値を上限値αUとし、抽出された領域の位置がそれ以外、すなわち画像の端に近い位置にあるときはパラメータαの値を下限値αLとするものである。このLUTを使って設定された値を用いて(1)の演算処理を行えば、検出された顔が中央付近に位置するときには発光量調整における仮適正値Cfの影響力が強まり、反対に端に位置するときには発光量調整における仮適正値Cfの影響力が弱まる。
また、検出された顔の傾き(首の傾げ具合)や顔の向き(正面顔、横顔)によって、パラメータαの値を決める方法も考えられる。顔領域抽出部24が行う顔検出処理では、学習のしかたにもよるが、首を傾げた顔や横向きの顔は、垂直な正面顔に比べれば誤検出が発生する確率が高い。すなわち、顔領域の情報を利用して求められた仮適正値Cfの信頼度は、検出された顔の傾きが垂直であるほど高く、また正面に近い向きであるほど高い。そこで、図13に示すように、横軸を顔の傾きとし、顔が垂直もしくは垂直に順ずる傾きのときには、パラメータαの値が上限値αUに設定され、顔の傾きが所定の閾値Th6あるいはTh7を超えたときは傾きが大きいほどパラメータαの値が小さく設定され、傾きが次の閾値Th5およびTh8を超えて水平もしくは水平に近くなったときには、パラメータαの値が下限値αLに設定されるようにLUTを定義する。もしくは、横軸を顔の向きとした同様のLUTを定義する。これらのLUTを使って設定された値を用いて(1)の演算処理を行えば、仮適正値Cfの信頼度が高いときには発光量調整における仮適正値Cfの影響力が強まり、反対に、仮適正値Cfの信頼度が低いときには発光量調整における仮適正値Cfの影響力が弱まることとなる。
なお、前述したとおりパラメータαの設定は手ブレ検出部35や焦点調節部20が行ってもよい。例えば、検出された手ブレのブレ量が所定の閾値を越えているときに、パラメータαの値を下限値αLに設定する。あるいは、焦点距離が長いときには手ブレの影響が強く出やすいので、焦点距離が所定の閾値以上となったときに、パラメータαの値を下限値αLに設定する。
なお、パラメータαの設定をどの処理部が行うか、あるいはどのようなLUTを利用するかは、撮影モードなどの設定に応じて切り替えてもよいが、単にパラメータを記憶するだけのパラメータ記憶手段43に代えて、複数の処理部からの設定入力を受け付けて、入力された複数の値を使って、新たに最適なパラメータ値を求める手段を設けてもよい。
以上に説明したように、本実施形態のデジタルカメラでは、第1演算手段により検出された顔の情報を利用した調光が行われるものの、他方で第2演算手段により中央の被写体など本来の撮影対象である可能性が高いものを考慮した調光も行われ、発光量決定手段44の出力は、第2演算手段が出力する仮適正値Ccに基づいて一定の範囲に制限される。このため、調光の際に、撮影対象でない人物の顔が検出され、その顔を考慮した演算処理が実行されるとしても、最終的に決定されるフラッシュ発光量は、中央の被写体に合わせて調光を行った場合の発光量を大きく外れた値となることはない。つまり、顔ではなく中央の被写体に合わせて調光を行った場合よりも少し高め、あるいは少し低めになるぐらいで、顔があったために本来の撮影対象が白とびしてしまったり、暗く写ってしまったりすることはない。
また、本実施形態では、(1)式に示したように、顔を考慮しない調光により求められた仮適正値Cnと、顔を考慮した調光により求められた仮適正値Cfとの加重平均を計算することにより、適正発光量Chを求めているので、発光量調整における仮適正値Cfの影響力を、パラメータαの設定ひとつで簡単に、強めたり弱めたりすることができる。第1演算手段41、第2演算手段39および第3演算手段41は、常時同じ演算式に基づく演算を行っていればよいので、複数の演算式を調光方針に応じて使い分けるものに比べ、各演算手段の回路構造あるいはプログラムを、シンプルなものとすることができる。
[ 実施形態2 ]
実施形態1のデジタルカメラおよび発光量の制御方法は、撮影範囲の中央にあるものが本来の撮影対象であり、その周辺にある顔は偶然撮影範囲に含まれた顔に過ぎないという場合に有効である。しかし、実際の撮影では中央にあるものが必ず主要な被写体であるとも限らず、実は脇にある顔が主要な被写体であるというケースもある。そのようなケースでは、中央にあるものが、例えば周囲に比べて極端に光をよく反射するもの、あるいは反射しないものであった場合に、仮適正値Ccに基づいて適正発光量Chの値を制限したことが却ってマイナスの結果を生むことがないともいえない。
そこで、本実施形態のデジタルカメラおよび発光量の制御方法では、適正発光量Chの値を、中央の被写体に合わせて調光を行った場合の仮適正値Ccに基づいて制限しつつ、その制限が行き過ぎたものとならないように、仮適正値Ccに基づく制限を、さらに第3演算手段が出力する仮適正値Cnに基づいて制限する。
本実施形態のデジタルカメラは、外観、内部構成は実施形態1のデジタルカメラと同じであるが、フラッシュ制御部19が備える範囲制限手段が異なる。図14に、本実施形態におけるフラッシュ制御部19の構成と入出力データを示す。本実施形態では、範囲制限手段37に対し、第2演算手段39が出力する仮適正値Ccのほか、第3演算手段が出力する仮適正値Cnが供給される。
範囲設定手段37は、実施形態1の範囲設定手段40と同じく、適正発光量Chについて、仮適正値Ccに応じて変動する上限値U(Cc)と下限値L(Cc)を設定することにより、発光量決定手段44が出力する適正発光量Chの値を所定範囲の値に制限する。但し本実施形態では、範囲設定手段37は、図15に示すように、上限値の設定可能範囲を制限する。
上限値の設定可能範囲内の最小値LUおよび最大値UUは、第3演算手段が出力する仮適正値Cnから経験的に判断して妥当と思われる値を設定する。経験的に判断して妥当と思われる値は、例えば、中央にある対象も顔も考慮せず普通に調光を行った場合のフラッシュ発光量の上限値として妥当な値であり、例えば、仮適正値Cnに所定の調整値を加算した値をLUとし、仮適正値Cnに前記調整値よりも大きな他の調整値を加算した値をUUとする。仮適正値Cnに加算する調整値は、種々の被写体を対象とした調光を繰り返すことによって予め経験的に取得しておくものとする。
例えば、撮影範囲の中央に多くの光を必要としない対象(近いもの、反射の強いもの、明るい色のものなど)がある場合には、仮適正値CCに応じて定められる上限値U(Cc)は比較的低い値となる。しかし本実施形態では、演算(例えば、U(Cc)=Cc+A)により求められた上限値U(Cc)が、図16Aに示すように上限値の最小値LU以下のときには、上限値は最小値LUに設定される。この場合、適正発光量Chは、U(Cc)という値には制限されず、値L(Cc)から値LUまでの範囲の値を取り得る。また、撮影範囲の中央に、適度な光を必要とする対象(デジタルカメラから適度に離れた位置にあり、光の反射具合も普通で、色も明るくもなく暗くもないものなど)がある場合には、仮適正値Ccに応じて定められる上限値U(Cc)は、通常、上限値の最小値LUより大きく最大値UUより小さい値となる。この場合には、図16Bに示すように、求められた上限値U(Cc)が、そのまま適正発光量Chの上限値として設定され、適正発光量Chが取り得る値は、値L(Cc)から値U(Cc)までの値となる。また、撮影範囲の中央に、多くの光を必要とするもの(デジタルカメラからの距離が遠いもの、光を吸収してしまうようなもの、周囲に比べて暗い色のものなど)がある場合には、仮適正値Ccに応じて定められる上限値U(Cc)は比較的高い値となる。しかし、本実施形態では、演算により求められた上限値U(Cc)が、上限値の最大値UU以上のときには、上限値は最大値UUに設定される。この場合、適正発光量Chは、UUより大きい値は取り得ない。
本実施形態では、撮影範囲の中央にある対象が必要とする光量は、フラッシュ発光量の決定に影響を与えるものの、強く影響し過ぎることはない。よって、中央付近にある対象が本来の撮影対象であってもなくても、また周辺部に配置された顔が本来の撮影対象であってもなくても、どのようなケースでも不都合のない発光量でフラッシュ撮影が行われる。
本実施形態では、撮影範囲の中央に顔がある場合にも上限値の設定可能範囲が制限されることとなるが、中央にある被写体(すなわち顔)にとって必要な発光量Ccよりも高い値で上限値が制限されても、顔にとって必要な発光量を制限することにはならないため、問題はない。上限値U(Cc)が最大値UUに制限されても最小値LUに制限されても同様である。
なお、図15および図16A〜図16Cの例示では、上限値U(Cc)の設定可能範囲のみを制限しているが、下限値L(Cc)についても同様に設定可能範囲を制限してもよいことは言うまでもない。
以上に説明したとおり、本実施形態によれば、被写体が何であっても、また被写体がどの程度の光を必要としている場合でも、白とびなど、後から行う画像処理ではカバーしきれないような完全な失敗写真はなくなり、常に良質な画像を取得することが可能になる。また、以上の説明は、主要被写体が何であるかが全くわからない場合を想定しているが、例えば設定された撮影モードが人物モードであれば人物が主要被写体である可能性が高いなど、撮影モードから主要被写体を推定できる場合もあるので、撮影モードごとにUUやLUの値を異ならせることで効果の度合いを調整してもよい。設定値を変更するだけで簡単に効果の度合いを調整できることも、本実施形態における効果の一つである。
以上、2つの実施形態を例示しながら説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、顔を考慮した演算により求められる発光量を、撮影範囲の特定の部分(例えば中央)の状況に応じて、所定範囲の値に制限する方法およびデジタルカメラは、すべて本発明の技術的範囲に属する。
本発明の一実施形態におけるデジタルカメラの概観図(通常状態) 本発明の一実施形態におけるデジタルカメラの概観図(内蔵フラッシュをポップアップした状態) 本発明の一実施形態におけるデジタルカメラの概観図(外付フラッシュを取り付けた状態) デジタルカメラの内部構成を示す図 フラッシュ制御部の構成と入出力データを示す図 画像データを領域ブロックに分割した例を示す図 第1演算手段の処理を示すフローチャート 第2演算手段の処理を示すフローチャート 第3演算手段の処理を示すフローチャート 発光量の制限範囲について説明するための図 画像データと顔領域と領域ブロックの関係を示す図(顔が占める割合が大きい場合:顔検出処理時) 画像データと顔領域と領域ブロックの関係を示す図(顔が占める割合が大きい場合:調光処理時) 画像データと顔領域と領域ブロックの関係を示す図(顔が占める割合が小さい場合:顔検出処理時) 画像データと顔領域と領域ブロックの関係を示す図(顔が占める割合が小さい場合:調光処理時) パラメータαの決定に用いられるLUTの一例を示す図 パラメータαの決定に用いられるLUTの他の例を示す図 パラメータαの決定に用いられるLUTのさらに他の例を示す図 本発明の他の実施形態におけるフラッシュ制御部の構成と入出力データを示す図 上限値の設定可能範囲の制限について説明するための図 範囲制限を受けて設定される上限値について説明するための図 範囲制限を受けて設定される上限値について説明するための図 範囲制限を受けて設定される上限値について説明するための図
符号の説明
1 デジタルカメラ、2 シャッタレリーズボタン、 3 モードダイヤル、
4 内蔵フラッシュ、 5 ホットシュー、 6フラッシュポップアップボタン、
7 外付フラッシュ、 34 システムバス、
45 調光用の画像データ、 46a〜46c 領域情報が示す領域、
47a〜47c 領域情報が示す領域に対応する領域ブロック、
48 顔検出用の画像データ、 49 調光時の実際の顔の位置

Claims (8)

  1. 被写体を表す画像データを生成する撮像手段と、フラッシュを発光する発光手段と、前記撮像手段により生成された画像データに含まれる顔を検出し該顔に相当する領域を示す領域情報を出力する顔領域抽出手段とを備え、前記顔領域抽出手段が出力する領域情報を利用して前記フラッシュの発光量を制御するデジタルカメラであって、
    前記撮像手段により生成された画像データを対象として前記顔領域抽出手段が出力する領域情報を利用する演算を行うことにより、前記発光量の仮適正値Cfを求める第1演算手段と、
    前記撮像手段により生成された画像データを対象として該画像データの所定領域と該所定領域以外の領域とを区別する演算を行うことにより前記発光量の仮適正値Ccを求める第2演算手段と、
    前記第2演算手段から供給される前記仮適正値Ccに基づいて適正発光量Chの取り得る値の範囲を制限する範囲制限手段と、
    前記範囲制限手段により制限された範囲で、前記第1演算手段から供給される仮適正値Cfを基準値とする調整を行って、前記フラッシュの適正発光量Chを決定する発光量決定手段とを備えることを特徴とするデジタルカメラ。
  2. 前記第2演算手段が、画像の中央部と画像の周辺部とを区別する演算を行うことにより前記発光量の仮適正値Ccを求めることを特徴とする請求項1記載のデジタルカメラ。
  3. 前記範囲制限手段が、前記適正発光量Chの上限値および/または下限値を決定することを特徴とする請求項1または2記載のデジタルカメラ。
  4. 前記撮像手段により生成された画像データを対象として特定の領域を区別することのない演算を行って前記発光量の仮適正値Cnを求める第3演算手段をさらに備え、
    前記範囲制限手段が、前記適正発光量Chの上限値および/または下限値を、前記第3演算手段から供給される前記仮適正値Cnの値に基づいて制約された範囲内の値に決定することを特徴とする請求項3記載のデジタルカメラ。
  5. 被写体を表す画像データを生成する撮像手段と、フラッシュを発光する発光手段と、前記撮像手段により生成された画像データに含まれる顔を検出し該顔に相当する領域を示す領域情報を出力する顔領域抽出手段とを備えたデジタルカメラにおいて、前記顔領域抽出手段が出力する領域情報を利用して前記フラッシュの発光量を制御する方法であって、
    前記撮像手段により生成された画像データを対象として前記顔領域抽出手段が出力する領域情報を利用する演算を行うことにより、前記発光量の仮適正値Cfを求める第1演算ステップと、
    前記撮像手段により生成された画像データを対象として該画像データの所定領域と該所定領域以外の領域とを区別する演算を行うことにより前記発光量の仮適正値Ccを求める第2演算ステップと、
    前記第2演算ステップにおいて求められた前記仮適正値Ccに基づいて適正発光量Chの取り得る値の範囲を制限する範囲制限ステップと、
    前記範囲制限ステップにおいて制限された範囲で、前記第1演算ステップにおいて求められた仮適正値Cfを基準値とする調整を行って、前記フラッシュの適正発光量Chを決定する発光量決定ステップとを有することを特徴とするデジタルカメラの制御方法。
  6. 前記第2演算ステップにおいて、画像の中央部と画像の周辺部とを区別する演算を行うことにより前記発光量の仮適正値Ccを求めることを特徴とする請求項5記載の制御方法。
  7. 前記範囲制限ステップにおいて、前記適正発光量Chの上限値および/または下限値を決定することを特徴とする請求項5または6記載の制御方法。
  8. 前記撮像手段により生成された画像データを対象として特定の領域を区別することのない演算を行って前記発光量の仮適正値Cnを求める第3演算ステップを実行し、
    前記範囲制限ステップにおいて、前記適正発光量Chの上限値および/または下限値を、前記第3演算ステップにおいて求められた前記仮適正値Cnの値に基づいて制約された範囲内の値に決定することを特徴とする請求項7記載の制御方法。
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