JP4663406B2 - 試料ホルダとそれを用いた検査装置及び検査方法 - Google Patents

試料ホルダとそれを用いた検査装置及び検査方法 Download PDF

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Description

本発明は、電子ビームやイオンビーム等を利用して半導体ウエハやマスク等の各種試料を検査または観察する際に用いる走査型電子顕微鏡、走査型イオン顕微鏡等の検査装置に用いられる試料ホルダに関し、特に、装置内部に浮遊する塵や埃が試料に飛散することを防止する構造を有する試料ホルダと、それを用いた検査装置及び検査方法に関する。
従来より、走査型電子顕微鏡(以下、SEMと称す。)を用いて半導体ウエハやマスク等の試料表面を検査、観察するには、試料に電子ビームを照射し、照射された電子が試料から2次電子や反射電子を放出させ電子検出器で検出し、電子検出器からの信号を光電変換等により画像に表す仕組みである。その際、上記試料は真空環境下にある試料室内で超音波モータ等を駆動源とするXYステージ等の移動手段上に搭載された試料ホルダにより保持されている。
近年、半導体素子の高集積化に伴い、半導体ウエハに形成される回路パターンの線幅は90nm以下と細くなり、それに伴ってSEMの分解能向上が強く要求されるようになっている。
この要求に応える手段として、電子ビームの加速電圧を高くした高速度の電子ビームを用いるとともにビーム径を小さくして分解能を向上させる方法が用いられている。
ここで、図6を用いて従来の試料ホルダの構造を説明する。図6(a)は、SEM内の試料室内に設置され、XYステージに搭載される試料ホルダ30の斜視図、同図(b)は、そのB−B線における断面図である。
従来の試料ホルダ30は、半導体ウエハ等の試料31を載置する載置部32と、試料31を固定し、同時に試料31に電圧印加可能な第1電極33とを備え、試料31には電子銃(不図示)から放出された電子ビーム40を照射して、試料31を検査できるようになっている。試料31には第1電極33を介して負の電圧が印加され、電子ビーム40は試料31に照射する直前に減速するため、試料に照射した高速度の電子ビームにより2次電子の放出効率の低下や回路パターン損傷も防止する構造となっている。さらに、図7を用いて第1電極33の構造を説明すると、上記第1電極33は、コイルバネ等よりなる弾性部41と、試料31に接触して電圧を印加する先端部42と、弾性部41にて発生した力を先端部42に伝達する電極本体43と、ベース34に固定され弾性部41と電極本体42を囲い保持する枠44とからなり、電極本体43は、ツバ43aと枠44の上蓋44a間に挟まれた弾性部41により、試料31を押さえる方向の力を受け、先端部42により試料31を押さえることができる。そして、電極本体43に電圧を印加すると先端部42より試料31に電圧が印加できる。また、試料31を取り外す際は、電極本体43を上方へ持ち上げるとともに、電極本体43の支柱43b外径と枠44の上蓋44aの内径部を回転/摺動させることができ、試料31の脱着を可能とする(特許文献1参照)。
しかしながら、負の電圧を試料31に印加すると、SEM内部で浮遊している塵や埃等のダストが静電吸着力により試料31に引き寄せられるという問題が新たに発生する。ダストが試料31に付着した場合、回路パターン間の短絡等、完成した電気回路に致命的なダメージを与えることとなる。特に、正に帯電したダストは試料31に引き寄せられ易く大量のダストが試料31に吸着されることとなり、試料31に電圧を印加しない場合に比較し歩留まりが大幅に悪化するという問題を有していた。
そこで、この問題を解決する方法として、それぞれ特許文献1〜3では静電吸着を利用したダスト除去方法が提案されている。
特許文献2では、帯電したダストが浮遊する試料室内に静電吸着部材を取付け、直流電圧を印加することによりダストを静電吸着することにより、ダストが試料に吸着することを防止する方法が提案されている。
また、特許文献3では、接地した基板処理装置の処理室内にダストを静電吸着する絶縁部材を基板の上方に設置し、基板処理中に発生したダストを上記絶縁部材に静電吸着させて除去する方法が提案されている。
また、特許文献4では、大気側と処理室との間に設けられ、内部の気圧を大気圧と真空とに切り替えるエアロック室が設けられた半導体製造装置において、エアロック室内で半導体ウエハを載置したステージと対向するように正負の電極を備えたダスト吸着部を設け、静電気力によってダストを静電吸着する方法が提案されている。
特開2004−319840号公報 特開平2−258048号公報 特許第3348223号公報 特開平9−167725号公報
特許文献1〜4で提案されている方法はいずれも静電吸着力を利用したダスト除去方法である。このように静電吸着力を用いてダスト除去する場合の構造を図7に示す。例えば、試料31の載置部32の周囲に吸着電極36を載置部32及び試料31、第1電極33と離間して配置する。この吸着電極36は、絶縁体35と、絶縁体35の底面から電圧を印加する吸着電極36a,36bとから構成され、SEM内を浮遊する帯電したダストを静電吸着力により絶縁体35で吸着する仕組みである。
このようなダストは、XYステージを駆動させるための摺動部や案内部での摩擦摩耗やケーブル被覆の擦れ等より発生するものであり、結果、発生そのものを抑制することは困難で、正負どちらに帯電するかは各部材の材質などに左右されるため帯電する符号を制御することは難しい。そのため、図7に示すように、吸着電極36を配置することでダスト飛散を防止する場合には、絶縁体35の表面電位とその正負符号を考慮する必要がある。
しかしながら、引用文献1〜4で提案されている上述の方法では、電位や符号を考慮していないため、例えば、試料31が負の電位に保持され、正に帯電したダストが試料31に吸引されることになった場合、絶縁体35の表面電位は負の電位にする必要がある。その際、絶縁体35の表面電位が試料31の印加電圧より低ければ、ダストは絶縁体35の表面より試料31に多く吸着されることになる。逆に、絶縁体35の表面電位を試料31の印加電圧より高くすると、絶縁体35にダストを多く吸着させることができるものの、絶縁体35の電位により加速され、大きなエネルギーが与えられたダストは、絶縁体35を越えて吸着電極36の内側に侵入し試料31に吸着される。結果、回路パターン間の短絡等、電気回路に致命的なダメージを与えることとなる。この様に、静電吸着を利用したダスト除去方法では、効率的なダストの除去という課題を解決することはできなかった。
本発明は、試料の観察または検査装置内部に配置され、ダストの除去性能を上げられる試料ホルダ及びそれを用いた検査装置を提供することを目的とする。
本発明の試料ホルダは、以下のような構成を有する。
本発明の試料ホルダは、検査又は観察用の試料が載置される載置領域を有する載置部と、正または負の電圧を上記試料に印加する第1電極と、該第1電極による印加電圧と正負が逆で且つ絶対値が同等又はそれ以上の電圧が印加され、上記第1電極より離間するとともに、上記載置領域の外側であって該載置領域の周囲に配置された第2電極とを有することを特徴とする。
さらに、好ましくは、上記第2電極と載置部との間に、両者と離間して配置され、上記第1電極による印加電圧と同符号の電圧が印加される第3電極を配置したことを特徴とする。
またさらに、上記第3電極は絶縁体を備えたことを特徴とする。
さらにまた、本発明の検査装置は、上記試料ホルダを備えたことを特徴とする。
また、本発明の検査方法は、載置された試料にビームを照射し、上記試料から放出された2次電子や反射電子を電子検出器で検出することにより電子検出器からの信号を光電変換等により画像に表す上記検査装置を用い、検査中、上記試料ホルダにおける第1電極により試料に正または負の電圧が印加されるとともに、上記第2電極試料への印加電圧と正負が逆で且つ絶対値が同等又はそれ以上の電圧が印加されることを特徴とする
本発明の試料ホルダによれば、検査又は観察用の試料が載置される載置領域を有する載置部と、正または負の電圧を上記試料に印加する第1電極と、該第1電極による印加電圧と正負が逆で且つ絶対値が同等又はそれ以上の電圧が印加され、上記第1電極より離間するとともに、上記載置領域外側であって該載置領域の周囲に配置された第2電極とを有することから、第2電極の内側に向かおうとする、第2電極と同符号に帯電したダストは、静電反発力を受け、第2電極の外側に戻されるので、試料上へのダストの吸着は、低減させられる。

また、上記第2電極と試料との間にそれぞれと離間して配置され、試料に印加された電圧と同符号の電圧が印加される第3電極を備えることにより、第2電極で反発しきれず、試料側に近づいた上記ダストを静電吸着により除去することができるため、ダストの除去
性能をさらに上げられるとともに、正または負の電圧が印加された第2電極がそれぞれ電子ビーム、イオンビームに与える影響を低減し、電子ビーム、イオンビームの直進性を確保することができる。
さらに、上記第3電極に絶縁体を装着したことで、誘電率が大きくなり、静電吸着力もこの誘電率に比例して大きくなるので、上記第3電極に吸着されたダストが振動等により再度浮遊し、試料への吸着を防止することができる。
またさらに、電子線やイオン線を利用して半導体ウエハやマスク等の試料を検査/観察する、走査型電子顕微鏡あるいは走査型イオン顕微鏡等の検査装置において使用される装置内部に浮遊するダストが試料に飛散することを防止する試料ホルダとそれを用いた検査装置とすることで、回路パターン間の短絡等、電気回路に致命的なダメージを与えることを防ぐことができる。
さらに、試料の検査中に、上記試料ホルダにおける第1電極により試料に基準電位に対して正または負の電圧を印加するとともに、上記第2電極により試料への印加電圧に対して正負が逆で且つ絶対値が同等又はそれ以上の電圧を印加させることにより、検査に起因した試料へのダストの吸着が低減され、回路パターン間の短絡等、電気回路に致命的なダメージを与えることを防ぐことができる。
図面を用いて本発明の試料ホルダ及び検査装置の最良の実施形態について説明する。
半導体ウエハやマスク等の試料表面をSEMや走査型イオンビーム顕微鏡(以下、SIMと称す。)を用いて検査、観察するには、試料にビームを照射し、試料から放出させた2次電子や反射電子を電子検出器で検出し、この電子検出器からの信号を光電変換等により画像に表す仕組みである。
図1は、上記SEM等の検査装置の構造を模式的に示す分解斜視図であり、電子銃またはイオン銃からそれぞれ放出された電子ビームまたはイオンビームからなるビーム20がビーム銃21から放出され、ビーム20の照射方向と略同心円上に配置された加速電圧制御用電源(不図示)より、ビーム20が電子ビームや負のイオンビームの場合、正の電圧、ビーム20が正のイオンビームの場合、負の電圧が印加された加速電極22により加速される。加速されたビーム20は、加速電極22の下側でビーム20の照射方向と略同心円上に配置され、モリブデンやタングステン等の高融点金属から形成されたアパーチャ23によりビーム径が縮小(いわゆる「ビーム絞り」)される。
次に、ビーム絞りを受けたビーム20は、アパーチャ23の下側でビーム20の照射方向と略同心円上に配置され、ビーム20に電気的な作用を与える偏向電極24により照射方向を変化(いわゆる「電子線走査」)させられる。
そして、照射方向が変化したビーム20は、偏光電極24の下側でビーム20の照射方向と略同心円上に配置される対物レンズ25により、電磁気的な作用を受けるとともにビーム径はさらに縮小され、ビーム20の照射方向に対し、垂直に配置、保持された試料11に照射され、ビーム20の照射により試料11から2次電子や反射電子あるいはイオン粒子が放出された後、これら2次電子、イオン粒子を検出器26で検出し、得られた電気信号を処理し画像に表し、試料11の表面画像が得られる。
ここで、上記試料11は、真空環境下にある試料室内で超音波モータ等を駆動源とするXYステージ等の移動手段上に搭載された試料ホルダ10により保持されている。
以下、本発明に係る試料ホルダの実施形態を図2を用いて説明する。
図2(a)は、上記検査装置内部に配置される試料ホルダ10の斜視図、図2(b)はそのA−A線断面図を示す。
本発明の試料ホルダ10は、半導体ウエハやマスク等の検査/観察用の試料11が載置される載置部12と、試料11に基準電位に対し所定の電圧が印加される第1電極13と、該第1電極13の印加電圧と異なる電圧が印加され、上記第1電極13より離間して上記載置部12の周囲に配置された第2電極18とを有するものである。また、第2電極18には第1電極13による印加電圧と正負が逆で且つ絶対値が同等又はそれ以上の電圧を印加させることが好ましい。
上記載置部12、第1電極13、第2電極18は、アルミニウム、銅、チタン及びそれらを主体とした合金やアルミナ、コージライト、窒化珪素、炭化珪素等のセラミックスからなるベース14上にネジ締結や接着により配置されている。
先ず、第1電極13の構造を図2(c)を用いて説明する。
上記第1電極13は、コイルバネ等よりなる弾性部41と、試料11に接触して電圧を印加する先端部42と、弾性部41にて発生した力を先端部42に伝達する電極本体43と、ベース14に固定され弾性部11と電極本体43を囲い保持する枠44とからなり、電極本体43は、ツバ43aと枠44の上蓋44a間に挟まれた弾性部41により、試料11を押さえる方向の力を受け、先端部42により試料11を押さえることができる。そして、電極本体43に電圧を印加すると先端部42より試料11に電圧が印加できる。また、試料11を取り外す際は、電極本体43を上方へ持ち上げるとともに、電極本体43の支柱43b外径と枠44の上蓋44aの内径部を回転/摺動させることができ、試料11の脱着を可能とする。弾性部41及び電極本体43は、リン青銅等のバネ性が高い導電性材料から、先端部42は超硬等の硬質導電体から形成することが好適である。
第1電極13は、試料11に照射するビーム20である電子やイオンが、第1電極13により印加された電圧によって試料11に照射する直前に減速させる作用を成し、例えば
試料11が半導体ウエハの場合等は、試料11に形成された回路パターン等の損傷を防止するものである。
また、第1電極13により試料11に印加する電圧は、試料11に照射されるビーム20が電子ビームや負のイオンビームの場合は負の電圧を、ビーム20が正のイオンビームの場合は正の電圧を印加するようにする。
なお、ここでいう基準電位とは、装置に使用されている電圧昇圧の基準となる電位のことであり、接地された電位(グランド)を示す。
また、第2電極18は、第1電極13によって試料11に印加された電圧と正負が逆で且つ絶対値が同等又はそれ以上の電圧を印加させるものであり、上記第1電極13より離間して載置部12の周囲に配置する。これにより、第2電極18の内側に向かおうとするビーム20と正負が逆に帯電したダストは、静電反発力を受け、第2電極18の外側に戻されるため、試料11へのダストの吸着を低減することができる。
具体的には、電子ビームや負のイオンビームが試料11に照射される際は、例えば、第1電極13により試料11に印加される負の電圧が−2.5kVとすると第2電極18の電圧を+2.5kV以上に設定し、また、正のイオンビームが試料11に照射される際は、試料11に印加される正の電圧が+2.5kVとすると第2電極18の電圧を−2.5kV以上に設定することとなる。なお、試料11に印加される電圧の絶対値と、第2電極18の電圧の絶対値の差は、ダストの量、ダストの電荷、及び移動速度により適宜設定される。
さらに、第2電極18は、試料11を囲繞できるものであればどのように配置してもよいが、試料11が半導体ウエハ等円板形状である場合、省スペースという観点から円環体であることが好適である。また、材質にアルミニウム、銅、チタン及びそれらを主体とした合金等、磁性の低いものを使用することにより電子ビームやイオンビームが受ける磁場変動の影響を低減できるため好適である。
また、載置部12としては、アルミナや窒化アルミにて作製される静電チャック等が一般的に用いられている。
なお、ダストの正負帯電極性は帯電列によって決定される。例えば、ダストが、ガラス、セラミックス、ナイロン、レーヨン、アルミニウム等の微粉である場合、正に帯電しやすく、ダストがアクリル、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエステル、アクリル、塩化ビニル、ステンレス等の微粉である場合、負に帯電しやすい。
また、SEM内部で負に帯電したダストは、電子ビーム20や負に印加された試料11の電気的な反発力の影響が大きく、試料11に向かって遊動し、試料11に吸着することはなく、SIM内部で正に帯電したダストは、イオンビーム20や正に印加された試料11の電気的な反発力の影響が大きく、試料11に向かって遊動し、試料11に吸着することはない。
さらに、本発明の試料ホルダ10は、図3に示すように第3電極16を備えることがより好ましい。
図3(a)はその場合の試料ホルダ10の斜視図であり、図3(b)はそのC−C線断面図である。
この試料ホルダ10は、上述した図2に示すような試料ホルダ10に、第2電極18と載置部12との間にそれぞれと離間して配置され、第1電極13の印加電圧と正負が逆の電圧を印加する第3電極16を配置したものである。
第1電極13、第2電極18の作用は上述の図2の試料ホルダ10と同様であり、第3電極16を備えることにより、第2電極18の内側にダストが侵入することがあったとしても、このダストは試料11に印加した電圧と同符号の電圧を第3電極16に印加することで、ダストと第3電極16との間に静電吸着力が発生し吸着除去することができる。
さらに、正または負の電圧が印加された第2電極18がそれぞれ電子ビーム、イオンビームに与える影響を低減する。すなわち、試料11の移動に伴い電子ビームやイオンビームが第2電極18付近のパターン検査をする際、第2電極18と上記ビームとの距離が近くなり、ビームの直進性に影響を与えるが、試料11の電位と同等の第3電極16があれば、第3電極16の内側に第2電極18に起因する電界の影響を低減できることとなる。
また、第3電極16は、第2電極18と試料11との間にそれぞれと離間して配置された円環体状の導電体や絶縁体表面上に導電性膜を形成することで作製される。
さらに、第3電極16には図3(c)に示されるように絶縁体15を装着することが好ましい。第3電極16に絶縁体15を装着することで、誘電率が大きくなり、静電吸着力もこの誘電率に比例して大きくなるため、吸着されたダストが振動等により再度浮遊し、試料11への吸着を防止することができる。
上記絶縁体15は、比誘電率が5以上のセラミックスから形成されることが好適で、例えば、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化珪素等の各種セラミックスを用いることが好ましい。また、絶縁体15は、一対の第3電極16a,16bに装着可能な形状であれば制限されるものではなく、一対の第3電極16a,16bの上面全てを覆うことができる円環体を始め、円板体、立方体、直方体を複数個第3電極16a,16bに装着してもよく、さらには、上述のような立体形状に限らず、周知の物理的気相成膜法(PVD)や化学的気相成膜法(CVD)を用いて、絶縁性の薄膜で第3電極16a,16bを被覆したものであってもよい。
この場合、第3電極16は絶縁体15に電圧を印加するため、図3(c)に示すように一対の第3電極16a、16bに分割する必要がある。例えば、SEM内部で試料11に印加される負の電圧が、−2.5kVの場合、第2電極18の電圧を2.5kV以上、第3電極16a,16bの各電圧をそれぞれ0V,−5kV程度とし、絶縁体15の表面15aの電圧を−2.5kV程度にし、試料11の電位と略同電位になるように印加電圧を設定することが好適である。また、SIM内部で試料11に印加される正の電圧が、例えば、2.5Vの場合は、第2電極18の電圧を−2.5kV以上、第3電極16a,16bの各電圧をそれぞれ0V,5kV程度とし、絶縁体15の表面15aの電位を2.5kV程度にし、SEMの場合と同様に試料11の電位と略同電位とすることが好適である。即ち第3電極16a、16b上の絶縁体15の表面15aの電位をSEMや負のイオンビームを用いるSIMでは負の電位、正のイオンビームを用いるSIMでは正の電位にすることにより、ダストを吸着除去することが可能となる。
また、第2電極18及び第3電極16は、試料11を囲繞できるものであればどのように配置してもよいが、試料11が半導体ウエハ等円板形状である場合、省スペースという観点から図2に示すように円環体であることが好適であるが、図5に示すように断面が長方形の第2電極18をベース外周部に試料11を囲繞するように配置してもよい。この場合、断面形状は長方形に限らず、正方形、楕円等でも良い。また、試料11へのダストの吸着が防げる程度であれば、試料11を完全に囲繞する必要は無く、分割していても良い。
このような試料ホルダ10は、検査装置内にあっては図4に示されるようなXYステージ27に搭載して用いられる。このXYステージ27は、検査装置試料室内部に設置され、電子ビームやイオンビーム20が試料11の所望の被検査部位あるいは被観察部位を照射できるように、超音波モータ28を駆動源として試料11を保持した試料ホルダ10を移動させることができる。試料ホルダ10は、ばね鋼製のクロスローラガイド等からなる案内部29に沿って、X方向、Y方向に例えばそれぞれ200〜300mm移動することができる。
上述した試料ホルダ10は、SEMやSIMによる試料11の検査、観察中に生じるダストを効率的に除去するものであり、これら検査装置により好適に用いることができる。
また、本発明の試料ホルダ10を用いた検査方法によれば、試料11の検査中に、上記試料ホルダ10における第1電極13により試料11に基準電位に対して正または負の電圧を印加するとともに、上記第2電極18により試料11への印加電圧に対して正負が逆で且つ絶対値が同等又はそれ以上の電圧を印加させることにより、試料11へのダストの吸着が低減され、検査に起因した試料11へのダストの吸着が低減され、回路パターン間の短絡等、電気回路に致命的なダメージを与えることを防ぐことができる。
さらに、第3電極16により上記第1電極13の印加電圧と正負が逆の電圧を印加させることにより、電子ビームもしくはイオンビームの直進性が確保できるとともに、振動等によるダストの再浮遊も防止でき、パターンの欠陥および異物の位置を精度良く検査できると共に、パターン間の距離も正確に検査することができる。
以下、本発明の実施例を説明する。
窒化アルミニウムを主成分とする静電チャックの構造を有する外径200mm、厚み10mmからなる載置部12と、リン青銅製のコイルバネ41(長さ7mm、線径1.0mm)、電極本体43等からなる第1電極13とを備える試料ホルダ10を数個準備し、いずれの試料ホルダも直径8インチのシリコンウエハを保持した。
本発明の試料ホルダNo.1では、アルミ合金(外径260mm、内径250mm、厚み5mm)で製作した第2電極18をシリコンウエハ及び第1電極13より離間し、載置部12と同心円状に配置した。
また、本発明の試料ホルダNo.2には第2電極18に加え、第2電極18、試料11間に、アルミナ(純度:95%以上)を主成分とし、上面に銀−銅−チタンの化合物ペーストを塗装した第3電極16(外径230mm、内径215mm、厚み9mm)を載置部12と同心円状に配置した。
また、本発明の試料ホルダNo.3には、上記No.3の第3電極16を、アルミナ(純度:95%以上)を主成分とし、上面に一対の第3電極16a,16bからなる第3電極16を銀−銅−チタンの化合物ペーストにて形成し、その上に絶縁体15(外径230mm、内径215mm、厚み1mm)を導電性接着剤にて接合したものを配置した。この際、一対の第3電極16a,16b間の耐電圧は5kV以上とした。
また、比較例の試料ホルダNo.4として、アルミ合金(外径260mm、内径250mm、厚み5mm)で製作した第2電極36を試料31及び第1電極33より離間し、載置部32と同心円上に配置した。また、第1電極33は、第1電極13と同じものを用いた。
次に、上記試料ホルダNo.1〜5をそれぞれアルミニウム合金を主成分とするXYステージ27(350mm×350mm×200mm)上に搭載した後、このXYステージ27を個別に真空チャンバに収容した。
ここで、第1電極13、第2電極18、第3電極16、第3電極16a,16b及び第1電極33、吸着電極36a、36bの印加電圧の値を表1に示すように設定した。
Figure 0004663406
XYステージ27を真空チャンバに収容後、真空チャンバ内の真空度を1.33×10−4Paに設定し、電子ビーム20を試料10に照射した状態で、XYステージ27に搭載した試料ホルダNo.1〜5をX方向、Y方向共に連続往復移動させた。ここでX方向及びY方向の移動距離、速度、加減速加速度をそれぞれ200mm、50mm/秒、0.1Gとし、X方向及びY方向共10000回の連続往復移動を1セットとして、10,20,30セット後に、シリコンウエハに吸着する粒径0.15μm以上のダストの有無をダストカウンタにて確認した。
なお、このダストカウンタはシリコンウエハ表面にレーザを照射して、シリコンウエハ上に吸着したダストからの散乱光を検出、分析する方式のものである。
この結果を表2に示す。
Figure 0004663406
表2の結果から、比較例である試料ホルダNo.4は3セット後に粒径0.15μm以上のダストの吸着が83個確認されたのに対し、本発明の試料ホルダNo.1〜3は、それぞれ3セット後に12個、5個、3個しか確認されなかったことが判った。
また、試料ホルダNo.2,3は、それぞれ2セット後、3セット後になって始めてダストの吸着が確認され、よりダストの吸着効率が向上していることが判った。
検査装置を用いた試料の検査の概要を説明するための分解斜視図である。 (a)は、本発明の試料ホルダの一実施形態を示す斜視図、(b)は同図(a)のA−A線断面図、(c)は同図(b)の第1電極部分を示す拡大断面図である。 (a)は本発明の試料ホルダの他の実施形態を示す斜視図、(b)、(c)は同図(a)のC−C線断面図である。 本発明の試料ホルダをXYステージに搭載した斜視図である。 本発明の試料ホルダのさらに他の実施形態を示す斜視図である。 (a)従来の試料ホルダを示す斜視図、同図(a)のB−B線断面図である。 従来の試料ホルダに第1電極及び第2電極を付加した断面図である。
符号の説明
10,30:試料ホルダ
11,31:試料
12,32:載置部
13,33:第1電極
14,34:ベース
15,35:絶縁体
16 :第3電極
36 :吸着電極
18 :第2電極
20,40:ビーム(電子ビーム、イオンビーム)
21 :ビーム銃(電子銃、イオン銃)
22 :加速電極
23 :アパーチャ
24 :偏光電極
25 :対物レンズ
26 :検出器
27 :XYステージ
28 :超音波モータ
29 :案内部
41 :弾性部
42 :先端部
43 :電極本体
44 :枠

Claims (5)

  1. 検査又は観察用の試料が載置される載置領域を有する載置部と、正または負の電圧を上記試料に印加する第1電極と、該第1電極による印加電圧と正負が逆で且つ絶対値が同等又はそれ以上の電圧が印加され、上記第1電極より離間するとともに、上記載置領域の外側であって該載置領域の周囲に配置された第2電極とを有することを特徴とする試料ホルダ。
  2. 上記第2電極と載置部との間に、両者と離間して配置され、上記第1電極による印加電圧と同符号の電圧が印加される第3電極を配置したことを特徴とする請求項1に記載の試料ホルダ。
  3. 上記第3電極は絶縁体を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の試料ホルダ。
  4. 請求項1〜3の何れかに記載の試料ホルダを備えたことを特徴とする検査装置。
  5. 載置された試料にビームを照射し、上記試料から放出された2次電子や反射電子を電子検出器で検出することにより電子検出器からの信号を光電変換等により画像に表す請求項4に記載の検査装置を用いた検査方法であって、検査中、上記試料ホルダにおける第1電極により試料に正または負の電圧が印加されるとともに、上記第2電極に試料への印加電圧と正負が逆で且つ絶対値が同等又はそれ以上の電圧が印加されることを特徴とする検査方法。
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