JP4663265B2 - 肌荒れ改善作用を有する皮膚外用剤 - Google Patents
肌荒れ改善作用を有する皮膚外用剤 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4663265B2 JP4663265B2 JP2004209867A JP2004209867A JP4663265B2 JP 4663265 B2 JP4663265 B2 JP 4663265B2 JP 2004209867 A JP2004209867 A JP 2004209867A JP 2004209867 A JP2004209867 A JP 2004209867A JP 4663265 B2 JP4663265 B2 JP 4663265B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- skin
- mass
- external preparation
- acid
- vinylbenzyl
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Cosmetics (AREA)
- Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
- Medicines Containing Plant Substances (AREA)
- Medicinal Preparation (AREA)
Description
ミ、ソバカスなどの原因ともなっている。さらには、炎症を引き起こすため、日焼けした肌においては、火照りや、炎症による不全角化も加わり、カサついた肌、いわゆる肌の水分保持能が低下した肌となってしまう。このような炎症反応は、それが鎮静しても、皮膚バリア機能の阻害や肌荒れなどを長期間にわたって引き起こすため、速やかに鎮静させる必要が存する。通常この様な炎症の鎮静には、化粧料や医薬部外品などの皮膚外用剤に於いては、抗炎症剤が使用され、該抗炎症剤としては、グリチルリチン酸の塩やグリチルレチン酸のアルキルエステルなどが一般的に使用されている。一方、ポリマー基体に糖類を構成単位に含む基を共有結合した、糖結合ポリマーについては、多糖類からなるものに比べてベタツキが少なく感触的に優れている。さらに、刺激物質から肌を守ることによる肌荒れ防止効果があることが知られている(例えば特許文献1,特許文献2を参照)。また、センタウレイジンが、ヤグルマギクなどのキク科の植物体に含まれていることは公知である(例えば非特許文献1,非特許文献2を参照)。これらの植物は抗炎症作用を有しており、抗炎症作用を利用するために化粧料などへ配合されていることも知られている(例えば、特許文献3、特許文献4,特許文献5を参照)。しかしながら、これらの技術では、炎症そのものを抑えても、炎症の結果生じた皮膚バリア機能の異常、肌荒れと言った、炎症に付随する諸症状の改善は為し得ない。また、植物エキスにグリチルリチン酸の塩やグリチルレチン酸エステルを組み合わせる技術は既に知られている(例えば、特許文献6、特許文献7を参照)。糖結合ポリマーについては、アスコルビン酸類と組み合わせて皮膚外用剤に含有させる技術が知られているが(例えば、特許文献8を参照)、ポリマー基体に糖類を構成単位に含む基を共有結合した、糖結合ポリマーと、センタウレイジン0.000001〜0.001質量%、さらにグリチルリチン酸塩或いはグリチルレチン酸エステル等とを含有する皮膚外用剤は知られていないし、この様な構成の皮膚外用剤が、炎症を鎮めるのみならず、炎症に伴って生じる肌荒れ、皮膚バリア機能の低下を抑制する作用を有することは全く知られていなかった。
1)ポリマー基体に糖類を構成単位に含む基を共有結合した、糖結合ポリマーと、2)センタウレイジン及び/又はその塩0.000001〜0.001質量%と、3)グリチルリチン酸、グリチルレチン酸アルキル及びそれらの塩から選択される1種又は2種以上とを含有することを特徴とする皮膚外用剤。
糖結合ポリマーがN−p−ビニルベンジル−D−セロビオンアミド、N−p−ビニルベンジル−D−ラクトンアミド、N−p−ビニルベンジル−D−マルトンアミド、N−p−ビニルベンジル−D−グルコンアミド、グルコシルオキシエチルメタクリレート、ガラクトシルオキシプロピルアクリレート、マンノシルオキシエチルメタクリレートから選ばれる1種乃至は2種以上を構成単量体として含むホモポリマー乃至はコポリマーであることを特徴とする、(1)に記載の皮膚外用剤。
(3)
前記センタウレイジン及び/又はその塩が、キク科植物のアルコール抽出物を、酢酸エチルと水で液−液抽出し、酢酸エチル層を濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで分画精製した分画物に由来するものであることを特徴とする(1)又は(2)に記載の皮膚外用剤。
(4)
前記キク科植物が、ヤロー、ヤグルマソウ、タンジー、ロシアヤグルマギク、ヤーコン、マカ及びステビアから選択される1種又は2種以上であることを特徴とする、(3)に記載の皮膚外用剤。
(5)
前記グリチルリチン酸、グリチルレチン酸アルキル及びそれらの塩から選択される1種又は2種以上の含有量が、皮膚外用剤全量に対して、0.05〜0.5質量%であることを特徴とする、(1)〜(4)の何れかに記載の皮膚外用剤。
本発明の皮膚外用剤は、ポリマー基体に糖類を構成単位に含む基を共有結合した、糖結合ポリマーを含有することを特徴とする。これらの糖結合ポリマーは、ポリマーの基体に糖を含む基が共有結合した形の化合物であって、いわゆるペンダントタイプのポリマーである。この様な糖結合ポリマーは、糖の有する優れた保湿作用を皮膚上で持続する作用に優れ、しかも角層細胞間を接着させる作用を有することが既に知られている。該糖結合ポリマーのポリマー基体となるものは、通常一般的使用されているポリマーであれば特段の限定なく使用することが出来、例えば、ポリスチレン、ポリ(α−メチルスチレン)、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリアシルビニル、ポリアルキルビニル、ポリアミド、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ウレタン系樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン及びアクリル系樹脂が好ましく例示できる。この中で特に好ましいポリマーは、ポリスチレンやポリ(α−メチルスチレン)等のスチレン系樹脂とポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアルキル酸エステル、ポリメタクリル酸エステルなどのアクリル系樹脂である。更に、これらポリマーに共有結合している糖構造を含有する基の糖の部分であるが、糖としては、通常の生体の構成要素として存在するものであれば特段の限定なく用いることが出来、例えば、グルコース、アラビノース、キシロース、ガラクトース、マンノース、フルクトース、グルコサミン、シアル酸及び/又はその塩、ムラミン酸及び/又はその塩、グルクロン酸及び/又はその塩、ガラクツロン酸及び/又はその塩並びにこれらの誘導体等が例示出来る。ここで、誘導体とは、糖の水酸基をもとに容易に誘導しうる誘導体であって、例えば、アセチル化体のようなアシル化物、メチルエーテルのようなアルキル化物、スルホン酸エステル及び/又はその塩等が好ましく例示できる。これらは常法に従えば、容易に誘導できる。又、かかる糖部分は、1ポリマー中に複数の種類が存在しても、唯一種のみでも構わない。糖部分はポリマー基体に直接共有結合で結合できるし、オキシアルキル基(C1−4)等の発明の効果を損なわない媒介基を介して共有結合しても良い。この様な糖結合ポリマーの好ましい構成モノマーとしては、N−p−ビニルベンジル−D−セロビオンアミド、N−p−ビニルベンジル−D−ラクトンアミド、N−p−ビニルベンジル−D−マルトンアミド、N−p−ビニルベンジル−D−グルコンアミド、グルコシルオキシエチルメタクリレート、ガラクトシルオキシプロピルアクリレート、マンノシルオキシエチルメタクリレートが挙げられ、これらから選ばれる1種乃至は2種以上を構成モノマーとして含むポリマーが本発明の好ましいポリマーである。ここで、本発明のポリマーとしては、糖構造を有する基を有するこれらのモノマー以外に、通常ポリマーで使用されているモノマーを構成モノマーとして含み、共重合体とすることもできるし、該糖構造を有するモノマーのみの重合体や共重合体とすることもできるが、より好ましいものは、該糖構造を有するモノマーのみの重合体や共重合体である。即ち、言い換えれば、N−p−ビニルベンジル−D−セロビオンアミド、N−p−ビニルベンジル−D−ラクトンアミド、N−p−ビニルベンジル−D−マルトンアミド、N−p−ビニルベンジル−D−グルコンアミド、グルコシルオキシエチルメタクリレート、ガラクトシルオキシプロピルアクリレート、マンノシルオキシエチルメタクリレートから選ばれる1種乃至は2種以上のホモポリマー乃至はコポリマーが特に好ましい。中でも、N−p−ビニルベンジル−D−ラクトンアミドホモポリマーとグルコシルオキシエチルメタクリレートホモポリマーが特に好ましい。これらのポリマーは、前記モノマーを単独乃至は2種以上、場合によっては任意の糖構造を有さないモノマーを加えて、過硫酸アンモニウムやアゾビスイソブチロニトリル等の重合開始剤の存在下、重合を行えば容易に得ることが出来る。この様なポリマーの詳しい製法については、特許文献1,特許文献2に記載されている
。本発明の皮膚外用剤に於いては、この様にして得られた、ポリマー基体に糖類を構成単位に含む基を共有結合した、糖結合ポリマーから選ばれる1種乃至は2種以上を必須成分として含有する。これらの成分は、本発明の皮膚外用剤に於いて、皮膚に優れた保湿作用を示すと同時に、皮膚がアレルギー反応等の好ましくない反応を起こすのを抑制する作用を示す。これらの糖結合ポリマーの本発明の皮膚外用剤に於ける好ましい含有量は、0.01〜10重量%であり、更に好ましくは0.05〜1重量%である。これは少なすぎると上記作用が発現しない場合があり、多すぎてもこの様な作用は頭打ちになり、剤形的な制限が生じることがあるためである。
本発明の皮膚外用剤は必須成分として、センタウレイジン及び/またはその塩を0.000001〜0.001質量%含有することを特徴としている。さらに言えば、センタウレイジン及び/またはその塩を0.000005〜0.0005質量%含有することが好ましい。センタウレイジンは、キク科の植物全般にわたって、その植物体に微量に含有されるフラボノイドであるが、ヤロー(Achilea millefolium)、ヤグルマソウ(Centaurea
cyanus)、タンジー(Tanacetum parthenium)、ロシアヤグルマギク(Acroptilon repens)、ヤーコン(Smallanthus sonchifolius)、マカ(Lepidium meyenii)及びステビア(Eupatorium rebaudianum)に比較的多く含有される。その含有量は、本発明者らの検討によれば、植物体1Kg中に2mg〜5mgである。これらの植物体より、本発明の皮膚外用剤に好適な量のセンタウレイジンを含有する分画を得るためには、キク科植物の植物体をエタノールやイソプロパノールなどのアルコールを溶媒として抽出し、溶媒を除去した後、残渣を酢酸エチルと水で液−液抽出し、この酢酸エチル層を濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて分画精製することが好ましく例示できる。前記アルコール抽出物は、植物体を細かく裁断したもの1質量部に、溶媒1〜20質量部を加え、室温なら数日間、沸点付近なら数時間浸漬し、濾過などにより、不溶物を除去した後、減圧濃縮等により溶媒を留去する。この濃縮物を酢酸エチルと水とで液−液抽出を行い、酢酸エチル層を採取し、溶媒を留去することにより粗抽出物を得ることができる。この粗抽出物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;クロロホルム/メタノール=100/0→70/30)で分画し、溶媒を留去することにより、センタウレイジンを0.7〜1.2質量%含有する分画が得られる。センタウレイジンの量は、HPLC(ODSカラム、溶出溶媒:40%アセトニトリル水溶液、検出:UV220nm)により、標準物質による絶対検量線法にて定量できる。
以下に、この製造例を示す。
ヤローの地上部の乾燥物10Kgを細かく裁断し、これに20Lのエタノールを加え、室温で1週間抽出し、濾過して不溶物を濾別した。これを濃縮し、酢酸エチル1L、水1Lに分散し、液−液抽出し、酢酸エチル層を濃縮した。この濃縮物をシリカゲルカラムクトマトグラフィーにて分画精製(クロロホルム/メタノール=9/1にて溶出)し、7.7gのアモルファスを得た。このアモルファスは、HPLC分析の結果、1.19質量%のセンタウレイジンを含有していた。
製造例1のヤローをヤグルマソウに変え、製造例1と同様に処理し、1.04質量%のセンタウレイジンを含有するアモルファス6.3gを得た。
製造例1のヤローをタンジーに変え、製造例1と同様に処理し、0.89質量%のセンタウレイジンを含有するアモルファス2.8gを得た。
製造例1のヤローをロシアヤグルマギクに変え、製造例1と同様に処理し、1.15質量%のセンタウレイジンを含有するアモルファス2.3gを得た。
製造例1のヤローをヤーコンに変え、製造例1と同様に処理し、0.93質量%のセンタウレイジンを含有するアモルファス3.3gを得た。
製造例1のヤローをステビアに変え、製造例1と同様に処理し、0.74質量%のセンタウレイジンを含有するアモルファス4.0gを得た。
本発明の皮膚外用剤は、前記必須成分を含有し、抗炎症作用のみならず、炎症に伴って現れる肌荒れや、皮膚バリア機能の低下を抑制する作用を有する。この様な作用は、肌荒れの改善であれば、経皮的水分蒸散量の亢進抑制として評価でき、皮膚バリア機能の低下抑制であれば、角層細胞の形状、特に面積を計測することにより、その面積値の増大とし
て評価できる。本発明の皮膚外用剤に於いては、本発明の効果をより明確にさせることが出来ることから、グリチルリチン酸、グリチルレチン酸アルキル及びそれらの塩から選択される1種乃至は2種以上を含有させることが好ましい。かかる成分は、医薬部外品の有効成分として知られている成分であり、グリチルリチン酸及び/又はその塩としては、グリチルリチン酸ジカリウムが好ましく、グリチルレチン酸アルキル及び/又はその塩としては、グリチルレチン酸ステアリルが好ましい。かかる成分の好ましい含有量は、皮膚外用剤全量に対して、0.05〜0.5質量%である。このものを含有させることにより、炎症を抑制できるのみならず、炎症に伴って生じる、肌荒れ、皮膚バリア機能の低下などを著しく抑制することが出来る。
OE−グリセリンモノイソステアレート等)、POE脂肪酸エステル類(ポリエチレングリコールモノオレート、POEジステアレート等)、POEアルキルエーテル類(POE2−オクチルドデシルエーテル等)、POEアルキルフェニルエーテル類(POEノニルフェニルエーテル等)、プルロニック型類、POE・POPアルキルエーテル類(POE・POP2−デシルテトラデシルエーテル等)、テトロニック類、POEヒマシ油・硬化ヒマシ油誘導体(POEヒマシ油、POE硬化ヒマシ油等)、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグルコシド等の非イオン界面活性剤類、ポリエチレングリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、エリスリトール、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ジグリセリン、イソプレングリコール、1,2−ペンタンジオール、2,4−ヘキシレングリコール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール等の多価アルコール類、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウム等の保湿成分類、グアガム、クインスシード、カラギーナン、ガラクタン、アラビアガム、ペクチン、マンナン、デンプン、キサンタンガム、カードラン、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、グリコーゲン、ヘパラン硫酸、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム、トラガントガム、ケラタン硫酸、コンドロイチン、ムコイチン硫酸、ヒドロキシエチルグアガム、カルボキシメチルグアガム、デキストラン、ケラト硫酸,ローカストビーンガム,サクシノグルカン,カロニン酸,キチン,キトサン、カルボキシメチルキチン、寒天、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチレングリコール、ベントナイト等の増粘剤、表面を処理されていても良い、マイカ、タルク、カオリン、合成雲母、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、無水ケイ酸(シリカ)、酸化アルミニウム、硫酸バリウム等の粉体類、表面を処理されていても良い、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化コバルト、群青、紺青、酸化チタン、酸化亜鉛の無機顔料類、表面を処理されていても良い、雲母チタン、魚燐箔、オキシ塩化ビスマス等のパール剤類、レーキ化されていても良い赤色202号、赤色228号、赤色226号、黄色4号、青色404号、黄色5号、赤色505号、赤色230号、赤色223号、橙色201号、赤色213号、黄色204号、黄色203号、青色1号、緑色201号、紫色201号、赤色204号等の有機色素類、ポリエチレン末、ポリメタクリル酸メチル、ナイロン粉末、オルガノポリシロキサンエラストマー等の有機粉体類、パラアミノ安息香酸系紫外線吸収剤、アントラニル酸系紫外線吸収剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、桂皮酸系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、糖系紫外線吸収剤、2−(2'−ヒドロキシ−5'−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、4−メトキシ−4'−t−ブチルジベンゾイルメタン等の紫外線吸収剤類、エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール類、ビタミンA又はその誘導体、ビタミンB6塩酸塩,ビタミンB6トリパルミテート,ビタミンB6ジオクタノエート,ビタミンB2又はその誘導体,ビタミンB12,ビタミンB15又はその誘導体等のビタミンB類、α−トコフェロール,β−トコフェロール,γ−トコフェロール,ビタミンEアセテート等のビタミンE類、ビタミンD類、ビタミンH、パントテン酸、パンテチン、ピロロキノリンキノン等のビタミン類などが好ましく例示できる。また、これらの中では、イソプレングリコール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオールなどの抗菌性多価アルコールを1〜5質量%含有させる形態も好ましい。この様な形態を取ることにより、パラベンなどの炎症に刺激感を誘起する可能性のある成分の配合量を低下、乃至は、無配合とすることが出来るためである。これらの抗菌性多価アルコールを1〜5質量%含有し、パラベンを実質的に含有しない形態は特に好ましい。これらを常法に従って処理することにより、本発明の皮膚外用剤は製造することが出来る。
本発明による皮膚外用剤中のセンタウレイジンの定量に関しては、比較的低濃度であるので、一定量の製剤を減圧下で加熱して、水分、揮発成分を留去せしめた後、水−酢酸エチルを添加し、アルカリ条件下で液−液抽出を行い酢酸エチル層を捨てる。残った水層に再度酢酸エチルを添加して、酸性条件にして液−液抽出を行なうことにより、センタウレイジンを酢酸エチル層に移動させ、酢酸エチル層を濃縮して、HPLCにより分析することによって可能である。また、このように処理したものに対して、ダンシルクロライド、フルオレセインイソチオシアネートなどの蛍光標識化試薬を用いて蛍光標識化し、HPLC(ODSカラム、溶出溶媒:60%アセトニトリル水溶液)−蛍光検出器にて分析することによりさらに感度良い分析が可能となる。
下記に示す処方に従って、本発明の皮膚外用剤である乳液(1)を作成した。すなわち、(A)の各成分を混合し、80℃に加熱した。一方、(B)の各成分を80℃に加熱した。(A)の混合物に(B)の混合物を加えて撹拌して乳化させ、更に(C)を加えて中和し、その後35℃にまで撹拌、冷却した。
ベヘニルアルコール 0.5 質量%
セチルイソオクタネート 2 質量%
スクワラン 8 質量%
ジメチコン 2 質量%
ソルビタンセスクステアレート 1.5 質量%
POE(45)ステアリン酸 1 質量%
セチルステアレート 0.5 質量%
ベヘン酸 0.5 質量%
(B)
1,3−ブタンジオール 5 質量%
グリセリン 5 質量%
1,2−ブタンジオール 5 質量%
純水 50 質量%
ポリグルコシルオキシエチルメタクリレート 0.3 質量%
(商品名「p−GEMA」;日本精化株式会社製)
製造例1のアモルファス 0.05質量%
(センタウレイジン 0.000595質量%)
グリチルリチン酸ジカリウム 0.1 質量%
(C)
純水 17.95質量%
水酸化カリウム 0.6 質量%
乳液(1)について、5名のパネラーを用い、炎症に対する効果を調べた。即ち、背部に2cm×3cmの部位を6つ作成し、予め求めておいたMED(最少紅斑形成照射量)の2倍の紫外線(光源:SEランプ)を照射し、照射後5分に検体を塗布した。照射後24時間に測色し、その後、1日1回、全14回塗布を行った。検体としては、乳液(1)、乳液(1)の製造例の「製造例1のアモルファス」を水に置換した比較例1、乳液(1)のポリグルコシルオキシエチルメタクリレートを水に置換した比較例2、乳液(1)の「製造例1のアモルファス」とポリグルコシルオキシエチルメタクリレートとを水に置換した比較例3を用いた。その他に照射のみを行う照射コントロールと、照射も検体投与も行わない無処置コントロールも設けた。最終処置の7日後に経皮的水分蒸散量(TEWL)と、ストリッピング法により採取した角層細胞の平均面積とを測定した。結果を表1に示す。この表より、本発明の皮膚外用剤では、製造例1のアモルファス(センタウレイジン1.19質量%含有)とポリグルコシルオキシエチルメタクリレートの併用効果により、経皮的水分蒸散量が減少し、肌荒れが抑制され、且つ、角層細胞の面積が増大し、バリア機能が向上していることが判る。
ベヘニルアルコール 0.5 質量%
セチルイソオクタネート 2 質量%
スクワラン 8 質量%
ジメチコン 2 質量%
ソルビタンセスクステアレート 1.5 質量%
POE(45)ステアリン酸 1 質量%
セチルステアレート 0.5 質量%
ベヘン酸 0.5 質量%
(B)
1,3−ブタンジオール 5 質量%
グリセリン 5 質量%
1,2−ブタンジオール 5 質量%
純水 50 質量%
ポリグルコシルオキシエチルメタクリレート 0.3 質量%
製造例1のアモルファス 0.0001質量%
(センタウレイジン 0.00000119質量%)
グリチルレチン酸ステアリル 0.1 質量%
(C)
純水 17.9999質量%
水酸化カリウム 0.6 質量%
ベヘニルアルコール 0.5 質量%
セチルイソオクタネート 2 質量%
スクワラン 8 質量%
ジメチコン 2 質量%
ソルビタンセスクステアレート 1.5 質量%
POE(45)ステアリン酸 1 質量%
セチルステアレート 0.5 質量%
ベヘン酸 0.5 質量%
(B)
1,3−ブタンジオール 5 質量%
グリセリン 5 質量%
1,2−ブタンジオール 5 質量%
純水 50 質量%
表3に記載の糖結合ポリマー 0.3 質量%
製造例1のアモルファス 0.01質量%
(センタウレイジン 0.000119質量%)
グリチルリチン酸ジカリウム 0.05質量%
(C)
純水 18.04質量%
水酸化カリウム 0.6 質量%
ベヘニルアルコール 0.5質量%
セチルイソオクタネート 2 質量%
スクワラン 8 質量%
ジメチコン 2 質量%
ソルビタンセスクステアレート 1.5質量%
POE(45)ステアリン酸 1 質量%
セチルステアレート 0.5質量%
ベヘン酸 0.5質量%
(B)
1,3−ブタンジオール 5 質量%
グリセリン 5 質量%
1,2−ブタンジオール 5 質量%
純水 50 質量%
ポリグルコシルオキシエチルメタクリレート 0.3質量%
製造例2〜6のアモルファス 0.01質量%
(センタウレイジン0.000104〜0.000074質量%)
グリチルリチン酸ジカリウム 0.2質量%
(C)
純水 17.89質量%
水酸化カリウム 0.6質量%
Claims (5)
- 1)ポリマー基体に糖類を構成単位に含む基を共有結合した、糖結合ポリマーと、2)センタウレイジン及び/又はその塩0.000001〜0.001質量%と、3)グリチルリチン酸、グリチルレチン酸アルキル及びそれらの塩から選択される1種又は2種以上とを含有することを特徴とする皮膚外用剤。
- 前記糖結合ポリマーが、N−p−ビニルベンジル−D−セロビオンアミド、N−p−ビニルベンジル−D−ラクトンアミド、N−p−ビニルベンジル−D−マルトンアミド、N−p−ビニルベンジル−D−グルコンアミド、グルコシルオキシエチルメタクリレート、ガラクトシルオキシプロピルアクリレート、マンノシルオキシエチルメタクリレートから選ばれる1種乃至は2種以上を構成単量体として含むホモポリマー乃至はコポリマーであることを特徴とする、請求項1に記載の皮膚外用剤。
- 前記センタウレイジン及び/又はその塩が、キク科植物のアルコール抽出物を、酢酸エチルと水で液−液抽出し、酢酸エチル層を濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで分画精製した分画物に由来するものであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の皮膚外用剤。
- 前記キク科植物が、ヤロー、ヤグルマソウ、タンジー、ロシアヤグルマギク、ヤーコン、マカ及びステビアから選択される1種又は2種以上であることを特徴とする、請求項3に記載の皮膚外用剤。
- 前記グリチルリチン酸、グリチルレチン酸アルキル及びそれらの塩から選択される1種又は2種以上の含有量が、皮膚外用剤全量に対して、0.05〜0.5質量%であることを特徴とする、請求項1〜4の何れか1項に記載の皮膚外用剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004209867A JP4663265B2 (ja) | 2004-07-16 | 2004-07-16 | 肌荒れ改善作用を有する皮膚外用剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004209867A JP4663265B2 (ja) | 2004-07-16 | 2004-07-16 | 肌荒れ改善作用を有する皮膚外用剤 |
Publications (3)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006028099A JP2006028099A (ja) | 2006-02-02 |
JP2006028099A5 JP2006028099A5 (ja) | 2007-05-31 |
JP4663265B2 true JP4663265B2 (ja) | 2011-04-06 |
Family
ID=35894872
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004209867A Expired - Fee Related JP4663265B2 (ja) | 2004-07-16 | 2004-07-16 | 肌荒れ改善作用を有する皮膚外用剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4663265B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4989119B2 (ja) * | 2006-06-16 | 2012-08-01 | ポーラ化成工業株式会社 | ベシクル系に好適な皮膚外用剤 |
JP5986890B2 (ja) * | 2012-11-06 | 2016-09-06 | 株式会社ファンケル | Mif分泌抑制剤 |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0543418A (ja) * | 1991-08-14 | 1993-02-23 | Pola Chem Ind Inc | 化粧料 |
JP2000273031A (ja) * | 1999-03-23 | 2000-10-03 | Pola Chem Ind Inc | 保護化粧料 |
JP2001002554A (ja) * | 1999-06-23 | 2001-01-09 | Pola Chem Ind Inc | 皮膚保護組成物 |
WO2004050054A1 (ja) * | 2002-12-03 | 2004-06-17 | Pola Chemical Industries Inc. | メラノサイトのデンドライト伸長抑制剤及びそれを含有する皮膚外用剤 |
-
2004
- 2004-07-16 JP JP2004209867A patent/JP4663265B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0543418A (ja) * | 1991-08-14 | 1993-02-23 | Pola Chem Ind Inc | 化粧料 |
JP2000273031A (ja) * | 1999-03-23 | 2000-10-03 | Pola Chem Ind Inc | 保護化粧料 |
JP2001002554A (ja) * | 1999-06-23 | 2001-01-09 | Pola Chem Ind Inc | 皮膚保護組成物 |
WO2004050054A1 (ja) * | 2002-12-03 | 2004-06-17 | Pola Chemical Industries Inc. | メラノサイトのデンドライト伸長抑制剤及びそれを含有する皮膚外用剤 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2006028099A (ja) | 2006-02-02 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JPWO2006126675A1 (ja) | 皮膚外用剤 | |
JP2006327967A (ja) | フラボノイドを含有する皮膚外用剤 | |
EP1993507A1 (de) | Kosmetische zubereitungen mit einem zusatz aus der baobab-pflanze | |
JPH10167951A (ja) | 化粧料 | |
JP5219337B2 (ja) | 皮膚外用剤 | |
JP2010013373A (ja) | 角層細胞強化に好適な化粧料。 | |
JP5198732B2 (ja) | メラニン生成抑制剤 | |
JP5209848B2 (ja) | 皮膚外用剤 | |
JP4663265B2 (ja) | 肌荒れ改善作用を有する皮膚外用剤 | |
JP4616590B2 (ja) | 抗炎症作用を有する皮膚外用剤 | |
JP2006327965A (ja) | 皮膚外用剤とその適用 | |
JP2005126329A (ja) | 敏感肌用のメークアップ | |
JP2005126329A5 (ja) | ||
JP4471722B2 (ja) | 夏用の皮膚外用剤 | |
JP4761852B2 (ja) | 皮膚外用剤 | |
JP2006028099A5 (ja) | ||
JP2007186442A5 (ja) | ||
JP4524221B2 (ja) | 皮膚外用剤 | |
JP4136997B2 (ja) | 夏用の皮膚外用剤 | |
JP2006219450A (ja) | 皮膚外用剤 | |
JP4404352B2 (ja) | サマー用の皮膚外用剤 | |
JP2006327966A (ja) | 皮膚外用剤とその適用 | |
JP2006028100A (ja) | 抗炎症作用を有する皮膚外用剤 | |
JP2005306796A (ja) | 抗炎症作用を有する皮膚外用剤 | |
JP2005089431A (ja) | 角層機能を有するメークアップ化粧料 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20070411 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20070411 |
|
RD03 | Notification of appointment of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423 Effective date: 20070411 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20100608 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20100805 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20101005 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20101206 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20101221 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20110105 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20170114 Year of fee payment: 6 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |