JP4663211B2 - 安全タイヤ用空気のう - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、タイヤのパンク等によってタイヤ内圧が低下もしくは消失しても、所定の距離にわたって安全な走行を継続できる安全タイヤに用いられ、タイヤ内圧の低下等に基づいて拡張変形して荷重の支持をタイヤから肩代わりする安全タイヤ用空気のうに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
タイヤのパンク、エアバルブの損傷等が生じて、タイヤ内圧が減少もしくは消失しても、タイヤの交換、補修等が可能な設備を備える場所まで、そのまま継続して安全に走行できる安全タイヤとして、従来から各種のものが提案されている。
なかでも、トレッド部と、一対のサイドウォール部およびビード部とを具えるタイヤと、そのタイヤに収納されて内圧を充填され、タイヤ内圧の低下に基づいて拡張変形して荷重の支持をタイヤから肩代わりする、全体として中空円環状をなす空気のうとの組合わせになる安全タイヤとしては、たとえば、国際公開パンフレット WO98/23457号および国際公開パンフレット WO99/32308号等に開示されたものがある。
【0003】
前者の安全タイヤは、空気のうの外周部に、タイヤのベルトと同様の二層のコード交差層を拘束用補強材として設け、タイヤに収納したこの空気のうに、タイヤの内圧より50〜500kPa高い圧力を充填して使用に供し、タイヤがパンクした場合の空気のうの膨張力によって拘束用補強材のコードを破断させ、膨張したその空気のうにより、荷重の支持をタイヤから肩代わりするものであり、また、後者は、外側のタイヤと、それに収納する、ラジアルタイヤ構造に類似のトーラス膜(空気のう)とを一緒にリムに組付ける二重タイヤ形式の安全タイヤであって、折り返し補強プライを具えるその空気のうが、外周部に、幅方向に間隔をおく複数の補強用環状要素(コード)を具えるものであり、タイヤがパンクすると、空気のうの膨張力により、折り返し補強プライおよび補強用環状要素のコードが破断し、その空気のうがタイヤの荷重負担を肩代わりするというものである。
【0004】
ところで、これらの安全タイヤにあって、コードが空気のうの内部で破断するタイプのものは、破断コード端が空気のう自体を傷付け、それを破壊して安全タイヤの機能を喪失させるおそれを抱えており、また、コードが空気のうの外部で破断するタイプのものでは、破断したコードが、空気のうの外面部および、タイヤの、カーカスを含む内面部を損傷するおそれが高く、従って、いずれのタイプにあっても、この種の安全タイヤに要求される、タイヤのパンク後の安全走行可能距離を十分に確保することが難しかった。
【0005】
これに対し、国際公開パンフレット WO00/30877号には、空気のうに配設した折返し補強プライを、心線と、この心線の周りに螺旋状に巻付けた巻線とからなるコードにより形成し、このコードを、通常走行時の圧力差および遠心力に耐える一方で、パンク等によるエアロス時に、心線は破断するも、巻線は破断せずに延びる構造とし、また、その巻線に、空気のうの拡張変形に十分なペリフェリを付与することによって、コードが全体として破断する場合の、上述したような問題の発生を回避できる安全タイヤが開示されている。
【0006】
しかるに、この安全タイヤでは、空気のうの拡張変形に当って、耐張部材としてのコード心線が空気のうの全周および全幅にわたって、タイミングを合わせて破断することの保証がなく、しかも、コード心線が破断した後、コード巻線が空気のうの拡張力を支持するに至るまでの間、空気のうは、そこへの小さな引張力の作用下で、いいかえれば、小さな引張応力の作用下で急激に拡張変形することになるため、空気のうをタイヤ内面の全体にわたって均等に接触させることが難しいという問題があった。
【0007】
この発明は、従来技術が抱えるこのような問題点を解決することを課題とするものであり、それの目的とするところは、タイヤ内圧の低下等に伴う空気のうの拡張変形に当り、コード自体を破断させることに起因する耐久性等の問題を生じることなく、しかも、その空気のうを、タイヤの内面の全体にわたって十分均等に接触させることができる安全タイヤ用空気のうを提供するにある。
【0008】
【発明の開示】
この発明に係る安全タイヤ用空気のうは、タイヤに収納されて内圧を充填され、タイヤ内圧の低下に基づいて拡張変形して荷重の支持をタイヤから肩代わりするものであって、全体として中空円環状をなす空気のうの、少なくとも拡張変形部分を、不織布とゴムとの複合体の一層以上からなる張力支持部材により構成し、その拡張変形部分を、それの拡張変形による伸びの増加につれて、単位幅当りの引張力が、局部的に減少することはあっても、全体としては漸増する伸長率−引張力特性を示す物性を付与したものである。
【0009】
このような各空気のうと、それを収納するタイヤとからなる安全タイヤは、それを規格リムにリム組みして安全タイヤとリムとの組立体とするとともに、タイヤ内に、所定の空気圧もしくは、空気以外のガス圧を充填し、また、空気のう内に、タイヤ内圧以上の内圧を充填することにより使用に供される。
【0010】
なおここで、規格リムとは、JATMA YEAR BOOK(2000)、ETRTO STANDARD MANUAL 2000、TRA(THE TIRE and RIM ASSOCIATION INC.)2000 YEAR BOOK等で規格が定められたリムをいい、JATMA YEAR BOOKで代表すれば、規格リムは、一般情報に記載された適用リムをいうものとし、所定の空気圧とは、同じく、JATMA YEAR BOOK、ETRTO STANDARD MANUAL、TRA YEAR BOOK等に規定され、負荷能力に応じて特定される最高空気圧をいうものとする。
リムとの組立体とされたこのような安全タイヤでは、タイヤ内への所定の空気圧の存在下でのそれの負荷転動に当っては、空気のうの、径成長抑制部材として機能する張力支持部材、ひいては、複合体の作用により、トレッド接地域内で、その空気のうの拡張変形部分が、遠心力その他の作用によってトレッド部の内周面等に擦れるのを有効に防止することができる。
【0011】
一方、タイヤ内圧の減少、消失等によって空気のうの内外圧力差が所定値を越えた場合には、複合体の伸長変形下で空気のうの拡張変形部分が拡張変形を行って、タイヤの内面にそれの全体にわたってほぼ均等に密着し、内圧を保持してタイヤの撓み変形の増大を抑制しつつ、空気のうをもって荷重の支持をタイヤから肩代わりするので、タイヤのパンク時等においても継続的な安全走行を実現することができる。
【0012】
ところで、ここにおける、張力支持部材としての複合体からなる、空気のうの拡張変形部分は、タイヤのパンク等に起因する拡張変形を行うに当って、その拡張変形部分の伸びの増加につれて、単位幅当りの引張力が漸増する伸長率−引張力特性を有し、しかも、拡張変形部分、ひいては、空気のうは、局部的な変形の集中なしに、それの全周および全幅の双方向に拡張変形することになるので、その空気のうは、タイヤ内面に対して、徐々にして均等な拡張変形を行って、タイヤ内面の全体にわたってそれに確実に密着することになる。
従って、空気のうの、タイヤ内面への偏った接触、不均等な接触等に起因する、タイヤおよび空気のうの耐久性の低下を有効に防止することができる。
【0013】
なお、かかる空気のうにおいて好ましくは、それの、ホイールリムとの接触域もしくは対向域を実質的な非拡張変形部分とする。
これによれば、その非拡張変形部分をもって、空気のうのリムフィット性を十分に確保して、空気のうの作用下での安全タイヤの負荷転動、いわゆる、ランフラット走行に際しても、その空気のうの、タイヤ内面への接触姿勢の変動を十分に防止して、耐久性を一層向上させることができる。
【0014】
また好ましくは、空気のうの拡張変形部分に、二軸方向の初期剛性を付与する。ここで「初期剛性」とは、その拡張変形部分、直接的には張力支持部材が拡張変形する以前の、5%伸長時までの傾きから求まる引張弾性率が10MPa以上であることを意味し、また、上記「二軸方向」は、任意の向きにとった相互に直交する二軸方向を意味するものとする。
【0015】
このような二軸方向の初期剛性は、タイヤ内圧の低下に伴って空気のうが拡張変形するより前の、その空気のうの保形性を高め、また、空気のうの拡張変形に当っての、一方向のみへの伸長を有効に拘束して、それぞれの方向の伸度を十分均等なものとするべく機能する。
なお上記引張弾性率が10MPa未満では、空気のうの保形性が不足して外径等が大きくなり、タイヤ内面との接触によってその空気のうに損傷が生じるおそれがある。
【0016】
また好ましくは、空気のうの拡張変形部分の、100%伸長率に至るまでの伸長範囲内に、伸長率に対する引張力曲線がほぼ鉤状に変化する部分を設ける。
より具体的には、空気のうの拡張変形部分が、空気のうへの内圧の供給に基づいて膨張する、0〜5%の間のそれの伸長率に対する引張力の平均勾配を、その拡張変形部分が、タイヤの内圧低下に伴って拡張変形する、5〜100%の範囲のそれの伸長率に対する引張力の平均勾配より大きくする。
【0017】
この構成によれば、タイヤが正常時の安全タイヤの負荷転動に当っては、空気のうの拡張変形部分の、伸長率に対する引張力の増加割合が大きいことにより、その拡張変形部分に、遠心力等に対抗する大きな力を付与することができる一方、拡張変形部分が5%を越えて伸長する、タイヤのパンク時等の拡張変形に当っては、空気のうの拡張変形部分を、伸長率に対する、引張力の小さな増加割合の下で、滑らかにかつ緩やかに変形させることで、その拡張変形部分、ひいては、空気のうを、タイヤ内面の全体にわたって十分均等に接触させることができる。
これに対し、空気のうの拡張変形部分を急速に変形させた場合には、空気のうの拡張変形部分に、タイヤ内面に局部的に早期に当接する部分が生じて、空気のうの、タイヤ内面への偏心接触、空気のうの一部の折れ曲がり等が生じ易く、これらのことが一旦発生すると、空気のうとタイヤとの摩擦力、空気のうの曲がりぐせ等によって、適正な接触状態をもたらし得なくなる。
【0018】
そして、空気のうの、先に述べたような適正な拡張変形の実現のためには、空気のうの拡張変形部分の、5〜100%の範囲の伸長率に対する引張力の、0〜5%の範囲の伸長率に対する引張力の最大値からの低下度合を、25℃の雰囲気温度で、その最大値の50%以下、好ましくは40%以下、より好ましくは30%以下とする。
いいかえれば、空気のうの拡張変形部分の、その拡張変形に際する引張力が、最大値の50%を越えて低下する場合には、空気のう拡張変形部分の急激なる変形が否めず、空気のうがタイヤ内面に局部的に早期接触するおそれが高くなる。
【0019】
ちなみに、繊維部材として不織布を用いる場合には、不織布の伸長形態として、はじめに、最も耐張力の低い部分が変形を開始し、その部分が変形限界に達する前に、次に耐張力の低い部分が変形を開始し、以後、全体にわたる伸長が終るまで、同様のことを繰り返すことから、空気のうの拡張変形の過程で、引張力が局部的に幾分低下することもあるも、全体としてみたときは、拡張変形の増加につれて引張力もまた漸増することになって、空気のうの、タイヤ内面への十分均等な接触を実現することができ、空気のうそれ自体の張力分布をもまた十分均一なものとすることができる。
【0020】
ここで、前記複合体、なかでも、不織布とゴムとの複合体にあっては、その不織布の単位厚さを0.05〜2.0mmの範囲とすることが、ゴムの、不織布の厚みの全体にわたる均質なる浸透ないしは、ゴムに対する不織布の均一分布をもたらして、複合体に、それ本来の耐張機能、すなわち、タイヤが正常時の空気のうの形状で保持機能、および伸長機能を適正に発揮させる上で好ましい。
【0021】
ところで、複合体に繊維部材を用いる場合には、その繊維部材は、無配向繊維材料にて構成することが好ましい。
短繊維をランダムに配設した不織布等の非配向材料で繊維部材を構成した場合には、先に述べた二軸方向の剛性をより好適に発揮させることができる。またこの場合には、タイヤが比較的大きく欠損等したときに、拡張変形した空気のうが、その欠損部分からタイヤの外部へ突出するのを防止して、その空気のうを外傷から有効に保護することができる。
【0022】
いいかえれば、空気のうの拡張変形部分が、繊維部材を複合しないゴムのみからなる場合や、複合繊維部材が一軸方向の剛性だけを有する場合には、拡張変形した空気のうの拡張変形部分が、タイヤの欠損部分から外部へ大きく突出して、空気のうそれ自体が外傷を受けるおそれが高くなる。
【0023】
また、繊維部材は、不織布のように、繊維端を分散配置させたものであることが好ましい。すなわち、繊維端が揃った繊維部材では、空気のうの拡張変形に当って、繊維端が位置する個所への応力集中に起因する故障が発生し易くなる。
ここで、不織布に用いられる繊維素材としては、ポリエステル、ポリアミド、ポリビニルアルコールに代表される合成素材や、レーヨン、セルロース等の天然繊維の単独又は二種類以上混合したものを挙げることができるが、前記以外の繊維素材であっても良い。また、繊維自身は、内層、外層を異なる素材とする二層構造の繊維も不織布の材料として使用することができる。
【0024】
ところで、不織布複合体におけるゴムは、加硫工程での熱および圧力によりフィラメント間に浸透又は進入するため、一般的には、不織布への特別の接着剤の塗布等の処理の必要はないが、より一層の接着力が必要な場合には、接着剤の塗布等の処理をすることもできる。
【0025】
そしてまた、不織布の、ゴムに対する繊維量は4〜50質量%の範囲とすることが、ゴム中での繊維の均一な分散を担保する上で好ましく、さらに、不織布の目付は、100〜3000mN/m2(10〜300g/m2)の範囲とすることが好ましい。
すなわち、目付が100mN/m2未満では、繊維の分布むらが大きくなって、複合体の均一性の確保が困難となり、その複合体の強度、剛性および切断伸びのばらつきが大きくなり、目付が3000mN/m2を超えると、複合体内での繊維とゴムとの剥離が発生し易くなる。
【0026】
ところで、不織布の繊維の平均径は0.01〜0.2mmの範囲とすることが好ましい。すなわち、繊維径が0.01mm未満では、繊維の絡み合いは十分であるが、ゴムの浸透性が悪く層内剥離等を生じるおそれが高く、一方、0.2mmを越えると、逆に、ゴムの浸透性は高いも、繊維の絡み合いが少なくなって、複合体の剛性等が不足するおそれが残る。
【0027】
以上のような空気のうにあってさらに、少なくとも、タイヤトレッド部の内周面と対向する部分に二層以上の複合体を配設した場合には、遠心力の作用等に起因する、空気のうの、トレッド部内周面への近接変形を直接的に拘束することができ、このときの、複合体の幅は、前述したようにリム組みした安全タイヤにおける、サイドウォール部の内面最大幅の0.2倍以上とすることが、遠心力の作用に起因する複合体のクリープを抑制する上で好ましい。なおこの場合は、二層以上の複合体の相互間で、複合体の構成、たとえば繊維部材の種類を相違させることもできる。
【0028】
また、複合体は、空気のうの最大幅位置の相互間にわたって二層以上配設することもでき、これによれば、タイヤの正常時の安全タイヤの負荷転動に当って、複合体がより一層の遠心力対抗部材として直接的に機能することになる。
【0029】
ところで、複合体は、タイヤのビードベースと対応する部分に二層以上配設することもでき、これによれば、空気のうの所定位置への拘束力を高めて、とくには、それの拡張変形時および拡張変形後の不測の位置ずれを有効に防止することができる。
【0030】
そして、空気のうの各部にこのようにして複合体を配設する場合にあって、それの構成各部の剛性を、空気のうへの内圧の充填姿勢で、クラウン域の剛性および、タイヤのビードベースと対応する部分の剛性のそれぞれを、クラウン域に隣接するそれぞれの側部域の剛性より大きくすることが、空気のうの、上述したような位置ずれをより十分に防止し、併せて、通常の高速走行時における、空気のうの十分な偏平形状を確保するとともに、偏平度の高いタイヤに空気のうを適用する場合の、それの偏平形状の維持を確実にする上で好適である。
【0031】
さらに、複合体を配設したこのような空気のうにあっては、タイヤトレッド部の内周面と対向する部分での、周方向の3%伸び時の引張応力EPの、幅方向の3%伸び時の引張応力EWに対する比EP/EWを1以上とすることが好ましい。
【0032】
また好ましくは、複合体を配設した空気のうの、トレッド部内周面と対向する部分での、周方向の3%伸び時の引張応力ECPの、幅方向の3%伸び時の引張応力ECWに対する比ECP/ECWと、トレッド部内周面と対向する部分に隣接する側部域での、周方向の3%伸び時の引張応力ESPの、半径方向の3%伸び時の引張応力ESWに対する比ESP/ESWの相互を
ECP/ECW≧ESP/ESW
の関係とする。
【0033】
なおここにおいて、複合体を配設した空気のうの、周方向の3%伸び時における引張応力とは、空気のうの周方向に長さ200mm、幅25mmの試験片を切出し、その試験片を引張り試験機に取り付けて試験片の長さ方向に50mm/minの速度で引張り、3%の伸びを与えるのに要する力を初期断面積で除した値をいい、また、空気のうの、幅方向の3%伸び時における引張応力とは、空気のうの幅方向に長さ200mm、幅25mmとして切出した試験片を引張り試験機に取り付けて試験片の長さ方向に50mm/minの速度で引張り、3%の伸びを与えるのに要する力を、複合体の初期断面積で除した値をいう。そして、これらのことは、空気のうの他の引張応力についても同様である。
【0034】
空気のうの拡張変形部分がタイヤの内部で拡張変形する際、複合体は破壊や破断することなく、好ましくは空気のうの周方向に沿って15%以上は伸長してその拡張変形部分の拡張を許容する必要があり、そのためには、空気のうの、周方向の3%伸び時における引張応力EPと、幅方向の3%伸び時における引張応力EWとの比EP/EWが1以上であることが好ましい。
すなわち、比EP/EWが1未満では、空気のうに対する周方向の補強効果が十分ではなく、100km/h程度の通常走行時の転動により発生する遠心力および、空気のうとタイヤとの内圧差により発生する張力に抗して空気のうの伸びを十分に抑制することが難しくなる。これをいいかえれば、比EP/EWが1未満であっても、複合体の層数を増やすことで、周方向の所要強度を確保することは可能であるが、これによれば、空気のう重量、ひいては、安全タイヤ重量の増加が余儀なくされることになる。
【0035】
またここで、空気のうそれ自体の3%伸び時の引張応力の比のそれぞれを、
ECP/ECW≧ESP/ESW
とすることで、トレッド部内周面との対向部分での周方向剛性比率が高くなり、高偏平度タイヤに対応できる保形性を付与することができる。
さらにまた、少なくとも、タイヤトレッド部の内周面と対向する部分に全周にわたって二層以上配設した複合体の少なくとも一層に、タイヤ赤道面に対して対称に位置して、耐張力が他の部分に比して小さくなる、一個所以上の低剛性部分、たとえば低弾性部材を円環状に設ける。
【0036】
この空気のうによれば、タイヤとリムとの組立体において、タイヤ内へ所定の空気圧、たとえば、前記JATMA YEAR BOOK、ETRTO STANDARD MANUAL、TRA YEAR BOOK等の規格でいう最高空気圧を、また、空気のう内にその空気圧以上の空気圧をそれぞれ充填した状態の下でのタイヤの負荷転動に当り、二層以上の複合体が、遠心力等に起因する空気のうの径成長をより有効に抑制するべく機能して、とくにはトレッド接地域で、その空気のうがトレッド内周面に擦れるのを確実に防止する。
なおこの場合、タイヤおよび空気のうへの充填ガスを、空気に代えて、窒素ガスその他の不活性ガスとすることもできる。
【0037】
これに対し、タイヤ内圧の減少等によって、空気のうの内外圧力差が所定値を越えた場合には、複合体が、弾性域内で、または弾性域から塑性域にわたって15%以上伸長変形し、これに伴って空気のうの拡張変形部分が拡張することになる。
ところで、複合体のこのような伸長変形に当り、ここにおける複合体は、タイヤ赤道面に対して対称となる位置、たとえば、複合体の幅方向中央部分に低剛性部分を有していることから、その伸長変形は、低剛性部分である複合体中央部分から開始されることになり、空気のうの拡張変形部分は、はじめは、その複合体中央部分と対応する部分で、全周にわたってほぼ均一に拡径変形する。
そして、幅方向の所定の位置で始まった空気のうのこのような拡径変形は、複合体の幅方向隣接部分へ、タイヤ赤道線に対して対称に順次伝播して、ついには、複合体の全幅に及ぶので、空気のうは、複合体の幅方向の全体にわたってほぼ均等に拡径変形されることになる。
【0038】
従ってここでは、複合体のそれぞれの側部部分の剛性にたとえばらつきがあったとしても、空気のうの拡張変形部分が、複合体の幅方向の一方側に偏って拡張変形するのを十分に防止することができ、これがため、空気のうの、局部的薄肉化、タイヤ内面への局部的な接触等に起因する、荷重支持能力の低下、耐久性の低下等の問題が生じることはない。
【0039】
ここで、低剛性部分を、複合体の複数個所に設けた場合には、上記作用効果はそのままに、空気のうの全体をより迅速に拡張変形させることができる。
またここで、一の低剛性部分内で、剛性をさらに漸変させた場合には、複合体の伸長変形の開始、ひいては、空気のうの拡張変形の開始をより早期に、かつより円滑に行わせることができ、また、その拡張変形の、幅方向への伝播をもまたより円滑に行わせることができる。
【0040】
なお、低剛性部分は、複合体の幅方向のそれぞれの側部部分に設けることも可能であり、それらの側部部分の剛性を他の部分に比して十分に低減させることで、空気のうの拡張変形の伝播を、それらの両部分から開始させることもできるが、空気のうの拡張変形の伝播は、補強層のそれぞれの側部部分にとくに生じ易い剛性のばらつきの影響を大きく受けることを考慮すれば、低剛性部分は、複合体の側縁から離隔させた位置に設けることが好ましい。
【0041】
ここにおける低剛性部分は、複合体に対する環状切欠部分により構成することができる。
【0042】
他の空気のうは、少なくとも、タイヤトレッド部の内周面と対向する部分に、ほぼ波形状をなして円周方向に延びる複数本の補強素子、好ましくはゴム被覆を施した補強素子よりなる少なくとも一層の他の保護層を、多くは複合体の外周側で、その全周にわたって配設し、各補強素子の、波形のピッチおよび振幅を、空気のうの、タイヤ内面への密着姿勢でなお補強素子に波形状が残留するよう選択したものである。
ここで、それぞれの補強素子は、平面内で波形状が同位相で、または、規則的な位相ずれの下で揃って並ぶ配置とすることが好ましい。
【0043】
この空気のうによれば、それが拡張姿勢でタイヤ内面に密着して荷重を支持した状態の下で、タイヤトレッド部が、尖った石その他の異物による外傷を受け、その異物がたとえ空気のうに到達しても、空気のうのトレッド部内周面と対向する部分、すなわち、空気のうの外周面もしくはその近傍に設けた保護層の、波形状に延びるコードもしくはフィラメントからなる補強素子は、空気のうの拡張変形下でなお波形状を維持しており、そこへの引張力の作用がほとんどないことはもちろん、十分な伸長代を残しているので、その保護層、ひいては、空気のうは、異物を包み込むように柔軟に変形することができ、これがため、空気のうの、異物との衝接等に起因する損傷が効果的に防止されることになる。
【0044】
なお、ここにおける補強素子は、化学繊維コードにより形成することが、空気のうの軽量化を図る上でスチールコードより好ましく、なかでも、アラミド繊維コードにて形成した場合には、コードの強度を大きく高めることができる。
ところで、たとえば、ほぼ波形状をなして円周方向に延びるスチールコードよりなるウェィビィベルトを張力支持部材の一部とした場合には、空気のうの強度を一層高めることができ、また、それは、前記二軸方向の剛性の調整手段としても用いることもできる。
【0045】
【発明を実施するための最良の形態】
この発明に係る空気のうを、安全タイヤとリムとの組立体の状態で示す、図1の横断面図において、1は安全タイヤの全体を示し、この安全タイヤ1は、タイヤ2とそこに収納した空気のう3との組合わせになる。
ここでタイヤ2は、一般的な空気入りタイヤと同様のものであり、トレッド部4と、それの両側に連なるサイドウォール部5と、サイドウォール部5の内周側に設けたビード部6とを具える。
【0046】
また、全体として中空円環状をなす空気のう3は、そのペリフェリにおいて、タイヤ2の内圧の低下もしくは消失に伴って拡張変形して荷重の支持に寄与する拡張変形部分と、タイヤに組付けたリムに対向もしくは接触して位置して、実質的に拡張変形しない非拡張変形部分とを具える。
【0047】
このような空気のう3において、ここでは、少なくとも拡張変形部分、図では、タイヤの両ビードベース7と対応して位置してそれらに隣接する部分をも含んで、それより半径方向外方部分の全体を張力支持部材により構成し、そして、この張力支持部材を、図示の場合のように、繊維部材8なかでも不織布とゴム9との複合体10の少なくとも一層によって形成する。
従って、この空気のう3では、非拡張変形部分をも張力支持部材により構成することは可能である。
【0048】
このような安全タイヤ1は、タイヤ2を先に述べたような規格リムRに組付けるとともに、それに固定したバルブを介してタイヤ内へ所定の内圧P1、たとえばJATMA YEAR BOOK等でいう最高空気圧を充填し、併せて、空気のう3内へも所定の内圧P2を充填することにより、リム組立体として使用に供することができる。なおここにおける内圧の充填対象物は、空気以外の不活性ガスその他のガスとすることもできる。
【0049】
この場合、空気のう3の外径は、トレッド部内周面の外径より小さく設定し、また通常は、空気のう内圧P2をタイヤ内圧P1以上の値とする。
かかるリム組立体における、タイヤへの所定内圧P1の存在下でのそれの負荷転動に際し、トレッド部4の接地領域での空気のう3の、トレッド部内周面との対向部分、すなわちクラウン域は、張力支持部材である複合体10を、遠心力および内圧差により生じる力に対抗する径成長抑制部材として、トレッド部内周面との間に間隔をおいて位置する。
【0050】
この一方で、タイヤ内圧が、たとえば大気圧まで低下することで、空気のう3の内外圧力差が所定値を越えたときには、空気のう3の拡張変形部分が、複合体10、直接的には繊維部材8の伸長変形に基づいて拡張変形し、タイヤ内面に、それの全体にわたって十分均等に密着して、荷重の支持をタイヤ2から空気のう3に肩代わりする。
従って、タイヤ2がパンク等しても、空気のう3の作用の下に十分安全な走行を継続することができる。
【0051】
ところで、この空気のう3の拡張変形部分は、空気のう3の、タイヤ内圧の低下に伴う上述のような拡張変形に当り、図2に二種類の複合体を例にとって示すように、その拡張変形による伸び、図では5%を越える伸長率での伸びの増加につれて、単位幅当り、たとえば25mm幅当りの引張力が実質的に漸増する伸長率−引張力特性を有するものとする。
【0052】
なお、図2に示す複合体、すなわち、拡張変形部分における、5%までの伸長もしくはその大部分は、安全タイヤ1を前述したようなリム組立体とするための、空気のう3への内圧P2の充填によって発生するものである。
【0053】
このような伸長率−引張力特性を示す空気のう3の拡張変形部分は、タイヤ2のパンク等に起因する上述したような拡張変形に際し、その全体にわたって配設した、たとえば複合体10の作用に基づいて、拡張変形部分の周方向および幅方向の双方向へ全体的に均一に、そして徐々に伸長することになり、この結果として、タイヤ内面の全体に均等かつ確実に密着することになる。
【0054】
この場合、空気のうの拡張変形部分の、100%伸長率に至るまでの伸長範囲内で、伸長率に対する引張力曲線をほぼ鉤状に変化させることが好ましく、これがためには、上記拡張変形部分の、0〜5%の間の伸長率に対する引張力の平均勾配を、5〜100%の間の伸長率に対する引張力の平均勾配より大きくすることが好ましい。
これによれば、リム組立体におけるタイヤ2がパンク等の故障を生じる前の安全タイヤの負荷転動に対しては、大きな引張力勾配の下に、空気のう3の拡張変形に強く対抗してそれの径成長を有効に阻止することができ、また、タイヤ2のパンク等に伴う空気のう3の拡張変形に際しては、その空気のう3を、小さな引張力勾配の下で、徐々に拡張変形させて、空気のう3の拡張変形部分を、タイヤ内周面の全体により均等に密着させることができる。
【0055】
そしてこのことは、空気のうの拡張変形部分の、5〜100%の間の伸長率に対する引張力の、0〜5%の間の伸長率に対する引張力の最大値からの低下度合を、その最大値の50%以下、より好ましくは30%以下として、空気のう3の拡張変形部分の変形速度を一層抑制した場合にとくに顕著である。
【0056】
これに比し、空気のうの拡張変形部分の、伸長率に対する引張力が、図3に示すように、空気のうの拡張変形に際して急激に、しかも大きく低下し、その後の伸びの増加に対しても引張力がほとんど増加しない場合には、タイヤの内圧低下に伴う空気のうの拡張変形が急激に進行することになり、これによれば、空気のうの各部の拡張変形の進行速度を高い精度で一定に揃えない限り、空気のうの、タイヤ内面への局部的な早期の当接が生じることになって、それが、空気のうの、タイヤ内面への偏心接触、空気のうの一部の折れ曲がり等の原因になり、かかる現象の発生が、空気のうの、いわゆるランフラット耐久性の低下をもたらすという問題がある。
【0057】
なお、以上のような空気のう拡張変形部分に、二軸方向の初期剛性を付与した場合には、安全タイヤ1のリム組立体の下で空気のう3の保形性を十分に高め、また、その空気のう3の拡張変形に際する方向性を抑制して、拡張変形の均等性をより高めることができる。
【0058】
ところで、複合体10を、繊維部材8なかでも不織布とゴム9とで構成する場合には、不織布の単位厚さを0.05〜2.0mmの範囲とすることが、不織布とゴム9との相対的な均一分布を確実にして、複合体10に所期した通りの機能を十分に発揮させる上で好ましい。
【0059】
またこの場合には、不織布を非配向性材料により構成することが、空気のうの拡張変形部分の伸長率が5%以上であると以下であるとにかかわらず、伸長の方向性を取り除いて、いずれの方向に対しても十分均等に伸長させる上で好ましく、併せて、タイヤ2が比較的大きく欠損した場合等に、不織布の拘束下で、空気のう3がその欠損部分からタイヤの外側へ突出するのをより有効に阻止して、耐外傷性を高める上で好ましい。
【0060】
さらに、繊維部材8は、繊維端を分散配置させることが、空気のうの拡張変形部分の変形に際する、繊維端への歪ないしは応力の集中を防ぐ上で好ましく、これがためには、非配向性であることをも含めて、不織布を繊維部材8とすることが望ましい。
なお、繊維部材8として不織布を適用するに当っては、複合体10のゴム9に対する繊維量を4〜50質量%とすることが、また、それの目付を100〜3000mN/m2の範囲とすることが、いずれも、ゴム9と繊維との相対分布を十分均一にして、複合体10に所要の機能を十分に発揮させる上で好ましい。
【0061】
すなわち、繊維量が4%未満または目付が100mN/m2未満では、ゴムの浸透性は良いものの、繊維の絡み合いが不足して、複合体10に必要な剛性、耐張力等確保することが難しく、一方、繊維量が50%または、目付が3000mN/m2を越えると、繊維の絡みは十分であっても、ゴムの浸透性が悪く、不織布の層内剥離等が生じ易い他、ゴム9に対する繊維の分布むらが大きくなって、一の複合体内での強度、剛性等が不均一になり、性能を安定させることが困難になる。
【0062】
ここでより好ましくは、不織布の繊維の平均径を0.01〜0.2mmの範囲とし、またその長さを8mm以上とする。すなわち、繊維径が0.01mm未満では、繊維の絡み合いは十分であるも、ゴムの浸透性が悪く、層内剥離等を生じるおそれが高く、一方、0.2mmを越えると、逆に、ゴムの浸透性は高いも、繊維の絡み合いが少なくなって、複合体10の剛性等が不足するうれいが残る。そして、繊維長さを8mm未満としたときは、これも、繊維の絡み合いが少なくなって、複合体としての剛性等が不足する傾向にある。
【0063】
ここで、空気のう3の張力支持部材を二層以上の複合体により構成する場合には、繊維部材の種類が同一の複合体を積層配置することの他、繊維部材の種類が異なる複合体を積層配置することも可能である。
【0064】
また、空気のうの拡張変形部分を構成する張力支持部材は、その拡張変形部分の全体にわたって均質であることは必須ではなく、たとえば、複合体の積層数を、所要に応じて部分的に変化させることも可能である。
図4はその一例を示すものであり、クラウン域、すなわち、タイヤトレッド部4の内周面と対応する部分11に、基体となる張力支持体を含む二層以上の複合体を積層配設し、併せて、タイヤのビードベース7と対応して位置してそれらに隣接する部分12にもまた二層以上の複合体を積層配設して、それらの全てを一体化させたものである。
【0065】
ここでは、トレッド部対応部分11に、基体となる張力支持体に対して三層の複合体13を付加するとともに、ビードベース対応部分12に二層の複合体14を付加することにより、空気のう3の拡張変形部分、とくにはトレッド部対応部分11の、遠心力等による、トレッド部への接近変位をより有効に阻止し、また、空気のう3の所定位置への拘束力を一層高めている。
なおこの図において、部分11で、その最内層に配設した複合体は、基体となる張力支持体を分割構成した結果として、その張力支持体の一部をなすものであるので、基体となる張力支持体を、図1に示すように一体形成した場合には、図4に示す構造から、最内層の複合体を省くことができる。
【0066】
ここで、部分11に配設する複合体13は、安全タイヤ1のリム組立体において、サイドウォール部5の内面最大幅Wの0.2倍以上の幅wとすることが好ましく、従って、空気のうそれ自体の最大幅位置の相互間にわたって複合体13を配設することもできる。これによれば、遠心力等の作用に起因する複合体13のクリープを有効に抑制することができ、また、複合体13の遠心力対抗機能等を一層高めることができる。
そしてとくに、後者によれば、空気のう3の拡張変形に当っての、トレッド対応部分11の幅方向における不均一な変形をより効果的に抑制することができる。
【0067】
ところで、張力支持部材をこのように構成する場合は、空気のう3の、図示のような内圧充填姿勢で、トレッド部対応部分11の剛性およびビードベース対応部分12の剛性のそれぞれを、それらの間の側部域の剛性より大きくすることが、空気のうそれ自体を安定した偏平形状として、トレッド部対応部分11の、遠心力等によるトレッド部内周面への意図しない接触を防止する上で好ましく、また偏平度の高いタイヤに空気のうを適用する上で好ましい。
そしてまた、このような複合体13,14は、図示のように、空気のう3の一体化物とする他、それに対する別体化物とすることもできる。
【0068】
さらに、このような空気のう3では、複合体10,13を配設したそれのトレッド部対応部分11につき、空気のう3の周方向の3%伸び時の引張応力EPの、空気のうの幅方向の3%伸び時の引張応力EWに対する比EP/EWを1以上とすることが、空気のう3の、遠心力等による径成長を抑制する上で好ましく、また、空気のう3の拡張変形の、それの幅方向への円滑なる伝播を導く上で好ましい。
【0069】
また、複合体を配設した空気のう全体としてみたときは、トレッド部対応部分11での周方向の3%伸び時の引張応力ECPの、幅方向の3%伸び時の引張応力ECWに対する比ECP/ECWと、そのトレッド部対応部分11に隣接する側部域での、周方向の3%伸び時の引張応力ESPの、半径方向の伸び時の引張応力ESWに対する比ESP/ESWの相互を、
ECP/ECW≧ESP/ESW
の関係とすることが好ましく、これによれば、トレッド部対応部分11の周方向剛性を高めて外径抑制機能をより十分に発揮させることができるので、その外径抑制機能を確保しつつ、軽量化を図ることもできる。
【0070】
図5は、空気のうの他の例を模式的に示す図であり、これは、空気のう3の、少なくともトレッド部の対応部分11に、基体となる張力支持体を含む二層以上の複合体、図では、三層の付加複合体13と合わせて総計四層の複合体を全周にわたって配設したところにおいて、それらの複合体10,13の少なくとも一層、たとえば最外層に、タイヤ赤道面Cに対して対称に位置する一個所以上の低剛性部分、図では、タイヤ赤道面Cを跨いでその最外層を円環状に切欠いてなる一個所の低剛性部分15を設けたものである。ここでこの低剛性部分は、いずれかの複合体10,13の厚みを減じることによって形成することもできる。
【0071】
空気のう3の張力支持部材をこのように構成した場合には、タイヤ内圧の減少等に伴って空気のう3の拡張変形部分が拡張変形するに当り、複合体13が、基体となる張力支持体と一体をなすと、別体をなすとの区別なく、複合体10,13の、耐張力が最も小さい低剛性部分15が空気のう内圧P2を受けて最初に伸長変形を開始することになり、これに伴って、空気のうの拡張変形部分が、図6に示すように、その低剛性部分15から拡張変形を開始することになる。
【0072】
そして、このようにして発生した空気のう3の拡張変形は、複合体10,13の伸長変形の、低剛性部分15に隣接する部分から、複合体の幅方向外方への漸次の伝播に基づいて、その幅方向外方へ、タイヤ赤道線Cに対してほぼ対称に、次第にその領域を拡大し、ついには、その空気のう3は、図示の横断面内の全体にわたってほぼ均等に拡張変形することになる。
【0073】
これに対し、このような低剛性部分15を設けないときは、複合体10,13の、図の左右のそれぞれの側部部分での剛性が不均一になるとともに、その剛性差が大きくなった場合に、図7に示すように、空気のうが、剛性の低い一方側にだけ偏った拡張変形を開始し、そしてこの変形がその一方側でだけ進行することで、甚だしくは、複合体13が、図示のように、他方側へ大きく押し退け変位されることがある。
そして、空気のうにこのような偏った拡張変形が生じたときは、複合体13の押し退け変位にまで至ると否とにかかわらず、空気のうの一部分での局部的な伸長変形によるそれの薄肉化等を生じるおそれがあるため、空気のうの荷重支持能力、耐久性等についての不安が残ることになる。
【0074】
従ってここでは、複合体のそれぞれの側部部分の剛性にたとえ大きなばらつきがあったとしても、空気のうが、複合体の幅方向の一方側に偏って拡張変形するのを十分に防止することができ、これがため、空気のうの、局部的薄肉化、タイヤ内面への局部的な接触等に起因する、荷重支持能力の低下、耐久性の低下等の問題が生じることはない。
【0075】
ところで、低剛性部分は、図8(a)に例示するように、複合体13の幅方向のそれぞれの側部部分に設けることも可能であり、それらの側部部分の剛性を他の部分に比して十分に低減させることで、空気のうの拡張変形の伝播を、それらの両部分から開始させることもできるが、空気のうの拡径変形の伝播は、複合体のそれぞれの側部部分にとくに生じ易い剛性のばらつきの影響を大きく受けることを考慮すれば、低剛性部分は、図8(b)に示すように、複合体の側縁から離隔させた位置に設けることがより好ましい。
【0076】
そしてこれらのいずれにあっても、空気のうの拡張変形は、それぞれの低剛性部分15からほぼ同時に開始され、そして、その拡張変形領域は、タイヤ赤道線Cに対して対称に拡大され、ついては、複合体幅の全体にわたるので、ここでもまた、空気のうの偏った拡張変形の発生を十分に防止することができ、併せて、空気のう全体のより迅速な拡張変形をもたらすことができる。
【0077】
また、このようにして形成される低剛性部分15は、その内部で剛性を漸次変化させることもでき、これによれば、空気のう3の拡張変形の、たとえば低剛性部分15の中央部から側方への拡大をより円滑に、かつ確実に進行させることができる。
図9は、剛性のこの漸変例を示す図であり、これは、低剛性部分15内での複合体13の切欠き部分の幅をステップ状に変化させて、低剛性部分15の中央部位置から側方方向へ向けて剛性を次第に高めたものである。
【0078】
図10は、空気のうのさらに他の例を模式的に示す図であり、トレッド部対応部分11で、張力支持部材の外周側に空気のう保護層を設けたものである。
これは、張力支持部材の外周側に、ほぼ波形状をなして円周方向に延びるコードまたはフィラメント、好ましくは化学繊維コードからなる複数本の補強素子、好適にはゴム被覆した補強素子16により形成した一層以上の保護層17を設けたものである。
図11は、図10に示す空気のう保護層を誇張して示す平面図であり、保護層17の補強素子16は、空気のう3への所定内圧の充填状態にあっても、図示のような波形状を有しており、この場合、それぞれの補強素子16は、平面内で波形状が同位相で、または、規則的な位相ずれの下に揃って並ぶ相対配置関係を有することが好ましい。
従って、空気のう3への内圧の充填前には、それらの補強素子16は、より小さい波形ピッチで、より大きな振幅の波形状を有することになる。
【0079】
また、この空気のう3は、タイヤ内圧が低下したときは、そこへの予めの充填内圧の作用下で、図10,11に示す状態から、周長にして約15〜25%程度拡張変形して、図12に横断面図で示すようなタイヤ内面への密着姿勢で荷重の支持をタイヤ2から肩代わりする。そして、この場合の保護層17は、各補強素子16の初期の波形ピッチおよび振幅の選択によって、接地領域にあってなお、補強素子16に波形状が残留した状態にあり、それ故に、補強素子16は、未だ十分な伸長代を有しており、そこへの張力の作用はほとんどない。
【0080】
ところで、この状態においてなお、補強素子16に十分な伸長代を残すためには、空気のう3の、図10,11に示す状態から図12に示す状態に至るまでの周長増加が20%であるとすると、図10,11に示す状態の下でのその補強素子16の、図13に示すような波形ピッチλに対する、振幅Aの比A/λを0.35〜0.50の範囲とすることが好ましい。
【0081】
従って、図12に示すようないわゆるランフラット状態にあって、タイヤ2のトレッド部4に外傷を与えた異物が空気のう3に達した場合には、その空気のう3は、補強素子16がもつ伸長代の下ですぐれた可撓性を有して、異物を包み込むように変形するので、異物の到達に起因する空気のう3の損傷は十分に防止されることになる。
【0082】
【実施例】
【実施例1】
サイズが315/60 R22.5のタイヤに収納した空気のうの、拡張変形部分をなす張力支持部材の構造を変化させた各種の安全タイヤにつき、タイヤ内圧が大気圧まで低下し、空気のうが完全に拡張変形した状態の下での、安全タイヤの走行耐久性、耐外傷性および耐刺さり込み異物性を測定したところ表1に示す通りとなった。なお、表中の指数値は大きいほどすぐれた結果を示すものとした。
【0083】
ここで、走行耐久性は、安全タイヤの通常の負荷転動状態(タイヤ内圧:900kPa、空気のう内圧:950kPa)からタイヤ内圧を急速にロスさせ、その状態(ランフラット状態を確認した上で)で低内圧ドラムテストを実施し、空気のうによる荷重支持ができなくなるまでの走行距離を測定することにより求めた。
また、耐外傷性は、市場でのサイドカットによるパンクを想定して、タイヤのサイド部にカット傷(径方向に60mmのカット)を予め入れてタイヤ内圧のロス状態とし、そのタイヤに空気のうを収納し、400kPaの内圧を充填して低内圧ドラムテストを実施し、同じく、空気のうによる荷重支持ができなくなるまでの走行距離を測定することにより求めた。
【0084】
そして、耐刺さり込み異物性は、市場での悪路走行等の非常にシビアな走行条件を想定して、タイヤが路上の異物を踏み、それがタイヤを貫通してタイヤをパンクさせ、さらにその、異物が空気のうに達することで、異物先端による空気のうの損傷が懸念される状況を想定して、M10のボルトをタイヤトレッドセンターに40mm埋め込み、空気のうに400kPaの内圧を充填して低内圧ドラムテストを実施して、先の場合と同様の走行距離を測定することにより求めた。
【0085】
ここで、従来例タイヤの空気のうは、図14(a)に略線断面図で示すように、ゴムのみからなるものであり、
比較例タイヤ1は、図14(b)に示すようにクラウン域に四層の不織布複合体を配設したものであり、
比較例タイヤ2の空気のうは、図14(c)に示すように、図14(b)に示すところに加えて、両側部域からビードベース対応部分にかけて、並列配置したコードが互いに交差する二枚のコード層を対とする一層のコード複合体を配設したものであり、ここにおけるコード複合体は、図3に示す伸長率−引張力特性を有するものとした。
そして、比較タイヤ3のそれは、比較例タイヤ2の空気のうのコード複合体を、コードを一方向にだけ延在させて、空気のう子午線に対する交角を30°とした一枚のコード層のコード複合体に置き換えたものである。
【0086】
また、実施例タイヤ1の空気のうは、図15(a)に示すように、両側部域からビードベース対応部分に一層の不織布複合体を、そしてクラウン域に総計四層の不織布複合体をそれぞれ配設したものであり、
実施例タイヤ2の空気のうは、一方のビードベース対応部分から他方のビードベース対応部分の間の全体に一層の不織布複合体を配設したものであり、
実施例タイヤ3の空気のうは、図15(b)に示すように、図15(a)に示すところに加えて、ビードベース対応部分に二層の不織布複合体を配設したものであり、
実施例タイヤ4の空気のうは、図15(c)に示すように、実施例タイヤ3の場合と同様に不織布複合体を配設したところにおいて、クラウン域の複合体の外側の二層に、幅方向の中央部に位置する低剛性部分を設けたものであり、
実施例タイヤ5は、図16(a)に示すように、図15(b)に示す空気のうの、クラウン域の外周に、ほぼ波形状をなして周方向に延びるアラミド繊維コードよりなる保護層を配設したものである。
【0087】
【表1】
【0088】
この表によれば、実施例タイヤはいずれも、すぐれた走行耐久性と併せて、すぐれた耐外傷性を発揮できることが明らかであり、また、保護層を設けた実施例タイヤ5は、耐刺さり込み異物性を十分に発揮できることが解る。
【0089】
【実施例2】
図15(a)に示す、実施例タイヤ1の空気のうと同様の構造としたそれぞれの実施例タイヤ空気のうにおいて、不織布複合体の、不織布それ自体の構成を種々に変化させた場合の、ランフラット走行耐久性を表2に示す。
ここでのランフラット走行耐久性は、実施例1の走行耐久性と同様にして測定し、表中の指数値は大きいほどすぐれた結果を示すものとした。
【0090】
【表2】
【0091】
この表2によれば、比較例タイヤ11では、不織布の目付が小さすぎて繊維の絡み合いが少ない結果として、空気のうの拡張変形による伸びの増加に伴う、単位幅当りの引張力の漸増をもたらすことができないため、走行耐久性が、実施例1の比較例タイヤ3のそれより低下することが認められる。
また、比較例タイヤ12では、不織布の繊維の径が太すぎて、繊維の絡み合いが少ないため、逆に、比較例タイヤ13では、その径が細すぎてゴムの浸透性が悪いため、そして比較例タイヤ14では、不織布繊維の長さが短すぎて、これも繊維の絡み合いが少ないために、いずれも、空気のうの拡張変形に当っての、所要の伸長率−引張力特性を実現することができず、実質的なランフラット走行が不可能であった。
これに対し、実施例タイヤ11〜16はいずれも、すぐれた走行耐久性を発揮することができた。
【0092】
【実施例3】
図15(a)に示す、実施例タイヤ1の空気のうと同様の構造としたそれぞれの実施例タイヤ空気のうにおいて、トレッド部内周面と対向する部分での、空気のう周方向の3%伸び時の引張応力EPの、空気のう幅方向の3%伸び時の引張応力EWに対する比EP/EWを種々に変化させた場合、および、空気のうの、トレッド部の内周面と対向する部分での、周方向の3%伸び時の引張応力ECPの、幅方向の3%伸び時の引張応力ECWに対する比ECP/ECWと、タイヤトレッド部の内周面と対向する部分に隣接する側部域での、周方向の3%伸び時の引張応力ESPの、半径方向の3%伸び時の引張応力ESWに対する比ESP/ESWとを種々に変化させた場合のランフラット耐久性を表3に示す。
【0093】
なお、ここでは、EP=ECPとなり、EW=ECWとなるので、表3ではそれらを同一の欄に示している。
また、ランフラット耐久性は、実施例1の走行耐久性と同様にして求め、指数値は大きいほどすぐれた結果を示すものとした。
ここで、表中の複合体層数は、空気のうそれ自体の応力および応力比の調整を目的として変化させたものであり、層数の増加につれて空気のう重量も増加することになる。
【0094】
【表3】
【0095】
表3によれば、
EP/EW≧1 および
ECP/ECW≧ESP/ESW
の応力条件を満たすことで、すぐれたランフラット耐久性を発揮させ得ることが明らかであり、また、所定の応力条件を満たすべく、複合体の層数を増加させた比較例タイヤ21および22では、空気のう重量の相当の増加(指数値の増加)が余儀なくされることが解る。
【0096】
【発明の利用可能性】
以上に述べたところから明らかなように、この発明によれば、タイヤ内圧に伴う空気のうの拡張変形に際し、それを、コードの破断等なしに徐々に伸長変形させることで、空気のうをタイヤの内面の全体にわたって均等に接触させて、すぐれたランフラット耐久性を発揮させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】 図1は、発明に係る安全タイヤ用空気のうの実施形態を、安全タイヤのリム組立体の状態で示す横断面図である。
【図2】 図2は、張力支持部材を構成する複合体の、伸長率に対する引張力の変化を示すグラフである。
【図3】 図3は、先行技術による伸長率−引張力特性を示すグラフである。
【図4】 図4は、空気のうの他の実施形態を示す図1と同様の横断面図である。
【図5】 図5は、空気のうの他の実施形態を略線的に示す横断面図である。
【図6】 図6は、空気のうの拡張変形態様を例示する横断面図である。
【図7】 図7は、空気のうの好ましない拡張変形態様を例示する横断面図である。
【図8】 図8は、低剛性部分の他の形成態様を例示する横断面図である。
【図9】 図9は、低剛性部分内での剛性変化を例示する横断面図である。
【図10】 図10は、空気のうのさらに他の実施形態を示す略線横断面図である。
【図11】 図11は、空気のうの保護層を例示する平面図である。
【図12】 図12は、空気のうによる荷重支持状態を示す略線横断面図である。
【図13】 図13は、補強素子の初期延在形態を例示する図である。
【図14】 図14は、比較例タイヤの空気のうを示す略線横断面図である。
【図15】 図15は、実施例タイヤの空気のうを示す略線横断面図である。
【図16】 図16は、他の実施例タイヤの空気のうを示す略線横断面図である。
Claims (21)
- タイヤに収納されて内圧を充填され、タイヤ内圧の低下に基づいて拡張変形して荷重の支持をタイヤから肩代わりする空気のうであって、
全体として中空円環状をなす空気のうの、少なくとも拡張変形部分を張力支持部材により構成し、その拡張変形部分を、不織布とゴムとの複合体の一層以上からなるそれの拡張変形による伸びの増加につれて、単位幅当りの引張力が、局部的に減少することはあっても、全体としては漸増する伸長率−引張力特性を有するものとしてなる安全タイヤ用空気のう。 - 空気のうの拡張変形部分に二軸方向の初期剛性を付与してなる請求項1に記載の安全タイヤ用空気のう。
- 空気のうの拡張変形部分の、100%伸長率に至るまでの伸長範囲内で、伸長率に対する引張力曲線をほぼ鉤状に変化させてなる請求項1もしくは2に記載の安全タイヤ用空気のう。
- 空気のうの拡張変形部分の、0〜5%の間の伸長率に対する引張力の平均勾配を、5〜100%の間の伸長率に対する引張力の平均勾配より大きくしてなる請求項1〜3のいずれかに記載の安全タイヤ用空気のう。
- 不織布の単位厚さを0.05〜2.0mmの範囲としてなる請求項1〜4のいずれかに記載の安全タイヤ用空気のう。
- 不織布の、ゴムに対する繊維量を4〜50質量%の範囲としてなる請求項1〜5のいずれかに記載の安全タイヤ用空気のう。
- 不織布の目付を100〜3000mN/m 2 の範囲としてなる請求項10もしくは1〜6のいずれかに記載の安全タイヤ用空気のう。
- 不織布の繊維の径を0.01〜0.2mmの範囲としてなる請求項1〜7のいずれかに記載の安全タイヤ用空気のう。
- 少なくともタイヤトレッド部の内周面と対向する部分に二層以上の複合体を配設してなる請求項1〜8のいずれかに記載の安全タイヤ用空気のう。
- 内圧の充填姿勢で最大幅となる位置の相互間にわたって二層以上の複合体を配設してなる請求項1〜9のいずれかに記載の安全タイヤ用空気のう。
- タイヤのビードベースと対応する部分に、二層以上の複合体を配設してなる請求項1〜10のいずれかに記載の安全タイヤ用空気のう。
- 内圧の充填姿勢で、クラウン域の剛性およびタイヤのビードベースと対応する部分の剛性のそれぞれを、クラウン域に隣接するそれぞれの側部域の剛性より大きくしてなる請求項1〜11のいずれかに記載の安全タイヤ用空気のう。
- 複合体を配設した空気のうの、タイヤトレッド部の内周面と対向する部分での、周方向の3%伸び時の引張応力E P の、幅方向の3%伸び時の引張応力E W に対する比E P /E W を1以上としてなる請求項1〜12のいずれかに記載の安全タイヤ用空気のう。
- 複合体を配設した空気のうの、タイヤトレッド部の内周面と対向する部分での、周方向の3%伸び時の引張応力E CP の、幅方向の3%伸び時の引張応力E CW に対する比E CP /E CW と、タイヤトレッド部の内周面と対向する部分に隣接する側部域での、周方向の3%伸び時の引張応力E SP の、半径方向の3%伸び時の引張応力E SW に対する比E SP /E SW とを以下の関係としてなる請求項1〜13のいずれかに記載の安全タイヤ用空気のう。
記
E CP /E cw ≧E SP /E SW - 少なくとも、タイヤトレッド部の内周面と対向する部分に全周にわたって配設した二層以上の複合体の少なくとも一層に、タイヤ赤道面に対して対称に位置して、耐張力が他の部分に比して小さくなる、一個所以上の低剛性部分を円環状に設けてなる請求項1〜14のいずれかに記載の安全タイヤ用空気のう。
- 低剛性部分を複数個所に設けてなる請求項15に記載の安全タイヤ用空気のう。
- 低剛性部分内で剛性を漸次変化させてなる請求項15もしくは16に記載の安全タイヤ用空気のう。
- 低剛性部分を複合体の側縁から離隔させて設けてなる請求項15〜17のいずれかに記載の安全タイヤ用空気のう。
- 低剛性部分を、複合体の切欠部分により構成してなる請求項15〜18のいずれかに記載の安全タイヤ用空気のう。
- 少なくとも、タイヤトレッド部の内周面と対向する部分に、ほぼ波形状をなして円周方向に延びる複数本の補強素子よりなる少なくとも一層の保護層を全周にわたって配設し、各補強素子の、波形のピッチおよび振幅を、空気のうの、タイヤ内面への密着姿勢でなお補強素子に波形状が残留するよう選択してなる請求項1〜19のいずれかに記載の安全タイヤ用空気のう。
- 補強素子を化学繊維コードにより形成してなる請求項20に記載の安全タイヤ用空気のう。
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