JP4662459B2 - サーマル記録媒体 - Google Patents

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Description

本発明は、ダイレクトサーマル印字とリボン印字を両立することができ、また偽造防止性が高いサーマル記録媒体に関するものである。
現在、定期券は、首都圏を中心に都会では、徐々に非接触ICカード化が進んできている。首都圏や都会では乗降客が多いために、数多くの改札を設けなければ一定時間内に捌ききれず、その結果、多大な人件費を要することから、人件費を削減するために、新たにゲート機=非接触ICカードの読取機構と、従来の磁気定期券の読取機構を有する=を設置している。しかしながら、都会を離れれば乗降客は疎らで、混雑するといっても朝夕の一定時間だけで、非接触ICカードと新型ゲート機を導入しても、採算ベースに乗らないところが少なくない。
こういった非都会では、従来通りの目視で判読できるタイプや磁気定期券が使われていくものと推察される。この目視で判読できて、かつ磁気定期券であるものは、従来から様々なタイプが提案、採用されてきているが、昨今は発券機の機能向上が図られ、赤と黒2色のリボン印字がなされている。女性の場合に氏名欄を赤印字したり、通勤と通学の種別部分を赤印字にして目立たせたり、経由地を赤印字するなどの使われ方がある。これらは保存性や安定性の観点から、樹脂系リボンが使用されるようになっていた。
それは、従来のワックスリボンはその名の通り、成分が主としてワックスとして使用される低融点成分であるがゆえに保存性(特に高温下)が悪いからである。しかしながら、ここに来て、あらためてダイレクトサーマルと呼ばれるサーマル層を有する定期券が脚光を浴びつつある。ダイレクトサーマルはこれまで染料(ロイコ系がほとんど)を使用していることから、保管安定性が悪く、熱や湿度で消色したり退色したり、といった問題が避けられなかったが、保存安定性に優れる顕色剤の開発等、材料的な進歩もあり、一定の耐熱性や耐水性を有するものを提供することが可能になりつつあるからである。
また、リボン印字された定期券の場合は、最表面にリボンが露出した構造になるが故に、ゲート機との相性が良くない。ゲート機の搬送ベルトで高速にフィードされていく機構により、徐々にではあるが、リボン印字部分がかすれたり、脱落していくことになり、ついには目視不能な状態となってしまうからである。一方、ダイレクトサーマルであれば、例えば感熱発色層の上の最表面にはOP剤を塗布することが可能であるために、感熱発色層までゲート機で削られるまでには相当の搬送回数を要するようになり、最長6ヶ月の定期券の使用有効期限であれば、目視不能な状態までにはなかなか至らない、ということから比較的ゲート機との相性は良い。
特許文献1にあるように、上記のOP剤には、例えばシリコーンやPEワックス、フッ素といった剥離性成分を少量含有させている。それは、サーマルヘッドは瞬間的に200℃前後の高温となるため、表面の滑り性が悪いと、結果的にサーマルヘッドとの接触時間が長くなり、高温下に晒される時間が長くなることでスティッキングと呼ばれる現象が発生し、印字ムラに至る場合があるからである。感熱発色層は、前述したロイコ染料以外に顕色剤やバインダー成分(アクリル等の熱可塑性樹脂)が含まれているため、高温下に長時間晒されれば溶融してしまったり、分解してしまう。つまり、スティッキングを防止するためには、耐熱性の高いOP剤であることも必須(→ゆえに、UV硬化性樹脂や熱硬化性樹脂が選択される)であるが、さらに剥離性成分も必須と言える。
さて、ダイレクトサーマルで2色印字する場合は、赤発色層と黒発色層を順次積層して構成する方法が知られている。赤印字の際は印字エネルギーを低くし、黒印字の際は印字エネルギーを高く設定する方法が一般的(赤発色した上で黒発色すれば黒に見える)である。このことは、一般的に言って赤発色層の方が耐熱性が低くなることを示している。当然、赤発色層でもある程度の耐熱性を備えているが、それでも通常は赤から発色してしまうことに違いない。つまり、日常生活において、『暖房器具の近くに置いていたら、いつの間にか全面が赤発色していた』といったことがありうる。この場合、駅に出向いて事情を説明した上で再発行をしてもらうことになる。
一方、駅では期限を過ぎた回収定期券を廃券処理している。この廃券処理は誤って再利用されないようにするため、一般に期限を過ぎた回収定期券の表面にリボン印字を行っている。いくらダイレクトサーマルであっても、すでに必要事項が印字された状態の上から『無効処理』を示す印字を行っても、判読しずらく、また例えば全面を赤発色させるような方式では、前述した家庭内の事故との区別が付かないため不適であるからである。つまり、定期券で使用される場合、発券時のダイレクトサーマル印字ではスティッキングがなく、かつ廃券時のリボン印字が可能なものが求められている。そして、このとき一般の剥離成分入りOP剤では対応できないことが判明した。OP剤に剥離成分が含まれると、OP剤の上におけるリボン印字の定着性が悪く、廃券時のリボン印字が正常にできなくなってしまうのである。
それに対して、本出願人は、特許文献2において、感熱発色性材料を有するサーマルカードにおいて、サーマルヘッドと接する最表面側には剥離性成分を有する部分と、剥離性成分を有していない部分とを備え、これらが別種のUV硬化型乃至EB硬化型のインキあるいはコーティング剤にて形成されていることを特徴とする、リボン印字可能なサーマルカードを提案した。このようなサーマル記録媒体を実用する上で、さらに偽造防止性を高めることが求められている。
偽造防止対策として、例えば、特許文献3に示されているように、基材上に感熱発色層、印刷層、パール顔料を混入した光干渉性反射層を積層した記録媒体がある。この場合では、感熱発色の記録をする前から、偽造防止のための光干渉性反射層が外観上、目立ってしまい、偽造防止としては未だ満足できるものではなかった。
特許番号第2757905号公報 特願2004−142300 特開平9−169161号公報
したがって、上記のような課題を解決するために、本発明は、ダイレクトサーマル印字とリボン印字を両立することができ、またダイレクトサーマル印字の際のスティッキングがなく、偽造防止性が非常に高いサーマル記録媒体を提供することを目的とする。
以上の状況を鑑み、鋭意研究開発を進め、ダイレクトサーマル印字とリボン印字を両立でき、かつ偽造防止性が非常に高いサーマル記録媒体を見出したものである。すなわち、請求項1に記載の発明は、少なくとも一部に感熱発色性材料を有するサーマル記録媒体において、サーマルヘッドと接する最表面側には保護層、パターン層を順次設け、該パターン層はシリコーン系成分がパターン層形成用インキに対して、質量比で5%以上30%以下で添加されているUV硬化型乃至EB硬化型のインキで形成された300dpiよりも高く、500dpiを上限とする解像度のマイクロ文字であり、前記の最表面に、熱溶融転写方式でリボン印字により、前記パターン層のネガパターン形状でリボン印字が可能となることを特徴とする。
請求項2の発明は前記請求項1に記載のサーマル記録媒体が、定期券、乗車券、トランプ、入場券のいずれか一つであることを特徴とする。
本発明は、少なくとも一部に感熱発色性材料を有するサーマル記録媒体において、サーマルヘッドと接する最表面側には保護層、パターン層を順次設け、該パターン層はシリコーン系成分がパターン層形成用インキに対して、質量比で5%以上30%以下で添加されているUV硬化型乃至EB硬化型のインキで形成された300dpiよりも高く、500dpiを上限とする解像度のマイクロ文字であり、前記の最表面に、熱溶融転写方式でリボン印字により、前記パターン層のネガパターン形状でリボン印字が可能となることを特徴とするものである。これにより、上記の一定範囲でシリコーン系成分を含有するパターン層の上には、熱転写リボンからの印字が定着せず、パターン層のない保護層上に、リボン印字が定着し、結果として、パターン層のネガパターンの形状でリボン印字部が定着される。
また、上記サーマル記録媒体は、任意の箇所でダイレクトサーマル印字が可能であり、ダイレクトサーマル印字とリボン印字を両立できるものである。さらに、パターン層が、300dpiよりも高く、500dpiを上限とする解像度のマイクロ文字で形成されていることにより、サーマルプリンターで再現することが困難である解像度で、パターン層が形成されているので、そのパターン層をサーマルプリンターの印字で偽造することができない。よって、より偽造防止性が高い媒体となる。
図1は、本発明のサーマル記録媒体1の一つの実施形態を示す概略図であり、基材2上に感熱発色性材料を含有する感熱発色層3と保護層4が順次設けられ、さらに保護層4の上に、シリコーン系成分を含有するパターン層5が設けられている。図示したサーマル記録媒体1は、サーマルヘッドと接する最表面側には保護層4と、パターン層5を備えた構成である。また、図2は、本発明のサーマル記録媒体のパターン層のパターンと、リボン印字後に、該パターンが浮き出てきた状態を説明する概略図である。図2で示したパターン層は、「DNP」のマイクロ文字を多数配置したものである。このパターン層のパターンは解像度が例えば500dpiで形成されていて、そのパターン層及び保護層の上に、「DNP」のパターンでリボン印字を行なった後には、拡大図に示すように、DNPのベタ部の中に、マイクロ文字の「DNP」が多数配置されたパターン層が出現している。それは、パターン層にはシリコーン系成分が一定の範囲で含有されているので、リボン印字がなされず、隣接する保護層の上ではリボン印字がなされたものである。
本発明のサーマル記録媒体を構成する各層について、以下に詳細に説明する。
(基材)
本発明のサーマル記録媒体は、少なくとも一部に感熱発色性材料を有し、サーマルヘッドと接する最表面側には保護層、パターン層を順次設け、該パターン層はシリコーン系成分がパターン層形成用インキに対して、質量比で5%以上30%以下で添加されているインキで形成されている条件であるが、上記の部分を支持する基材2とともに使用することが好ましい。この基材はシート状、フィルム状あるいは板状の材質からなり、材料としては特に制限されるものではなく、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ナイロン、セルロースジアセテート、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリイミド、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネートなどのプラスチック、銅、アルミニウムなどの金属、紙、含浸紙などを単独あるいは組み合わせて、積層したりして用いることができる。基材の厚さは、0.005〜5mm程度が適当である。
(感熱発色層)
本発明のサーマル記録媒体は、感熱発色性材料を有する部分として、感熱発色層3を設ける。この感熱発色層は、感熱発色性材料を含有するもので、詳細には熱融解反応により発色する電子供与性染料前駆体と電子受容性化合物が含まれ、さらに必要に応じて増感剤、退色防止剤、顔料や滑剤などの充填剤、分散剤、結着剤などが含まれる。感熱発色層は、基材へのコーティング、印刷などにより層として形成する。感熱発色層の形成方法としては、グラビア、ロールコート、スプレーコート、ディッピング、その他がある。電子供与性染料前駆体としては、ロイコ染料としてこの種の感熱材料に適用されているもの、フルカラーの場合には、イエロー、シアン、マゼンタ系に発色するものが選ばれる。その電子供与性染料前駆体として、具体的にはトリフェニルメタン系、フルオラン系、フェノチアジン系、オーラミン系、スピロピラン系、インドリノフタリド系などが使用でき、発色する色相に応じて適宜選択する。
上記の電子受容性化合物としては、電子供与性染料前駆体と組み合わせて顕色剤と用いられるものとして、ビスフェノールAなどのフェノール性物質、オクチルホスホン酸、ノニルホスホン酸、デシルホスホン酸、ドデシルホスホン酸、テトラデシルホスホン酸、オクタデシルホスホン酸、エロキシテトラデカノイック酸などの有機酸、金属錯体化合物、チオジフェニル尿素、キノン類などがある。
また増感剤としては、ステアリン酸アミド、ベヘン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、シュウ酸ジベンジル、トリルビフェニルエーテル、脂肪酸アマイド類がある。退色防止剤としては、水酸基をブロックした顕色剤の類似物、亜鉛塩などの有機金属塩、ヒンダードフェノール類などがある。顔料を併用する場合、白色顔料であれば、可視光、近赤外光を周囲に散乱させる効果があり、光吸収剤への近赤外光吸収を促進および発熱効率を上昇させる。顔料としては、例えば、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、珪酸塩、ゼオライト、シリカ、カオリンクレー、尿素ホルマリン樹脂などがある。
感熱発色層の形成には、上記材料からなる層を形成するためにインキまたは塗料を調製する。インキまたは塗料の結着剤としては、主に水溶性樹脂が主成分となり、ポリビニルアルコール、デンプン、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、尿素樹脂、メラニン樹脂、アミド樹脂、ポリウレタン樹脂などがある。また、必要に応じて各種補助剤を添加できる。
本発明では、2層の感熱発色層を形成する際、上層と下層とが、それぞれ発色温度が異なるようにして形成する。好ましくは上層に相対的に発色温度が低い発色剤(赤発色する発色剤等)を、下層には相対的に発色温度が高い発色剤(黒発色する発色剤等)を使用する。発色温度の異なる発色剤は、前記発色性化合物および顕色剤の選択によって当業者が容易に決められる。2層及び単層でも感熱発色層の厚さは通常、各層で約3〜10μm程度、乾燥時の塗工量で約3〜10g/m2程度である。
(保護層)
本発明のサーマル記録媒体は、上記の感熱発色層に上に、つまりサーマルヘッドと接する最表面側に、保護層4を設ける構成である。本発明の保護層は、サーマル記録媒体の最外層となって下側の層(感熱発色層)を保護する。また保護層は、実用上、下に位置して保護されている感熱発色層の発色して記録された部分を判読しやすくするために、略無色透明な保護層用インキにて形成されていることが望ましい。その保護層を構成する材料としては、透明性、耐擦傷性、耐摩耗性、耐熱性、耐薬品性、耐汚染性などを兼ね備えた樹脂が適している。
保護層を構成する樹脂としては、一般的に使用されているポリビニルアルコール等の水溶性樹脂を使用したり、UV硬化型乃至EB硬化型の樹脂が挙げられる。耐擦傷性、耐摩耗性等の耐久性を高めるには、UV硬化型乃至EB硬化型の樹脂が好ましく用いられる。保護層の厚さは約3μm以上、好ましくは3〜20μmであり、乾燥時の塗工量で約3〜20g/m2程度である。厚さが少なすぎると、硬度、耐擦傷性、耐摩耗性などの耐久性が不十分である。また厚すぎるとサーマル記録媒体の熱感度が低下したり、感熱発色層との密着性が低下し、さらにコスト的にも不利である。
上記のUV硬化型樹脂としては、紫外線照射によって重合反応を起して硬化して樹脂となるモノマー、オリゴマー或いはプレポリマーであれば、その種類は特に限定されず、公知の種々のものが使用できる。またOP層は紫外線硬化性の樹脂成分に通常、光重合開始剤を含む。
プレポリマーの例としては、脂肪族、脂環族、芳香脂肪族2〜6価の多価アルコール及びポリアルキレングリコールのポリ(メタ)アクリレート、ポリ(メタ)アクリロイルオキシアルキルリン酸エステル、ポリエステルポリ(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリウレタンポリ(メタ)アクリレート、ポリアミド(メタ)ポリアクリレート、ポリシロキサンポリ(メタ)アクリレート側鎖及び/又は末端にメタ(アクリロイルオキシ基)を有するビニル系又はジエン系低重合体等のプレポリマーが挙げられる。またモノマーとしては、エチレン性不飽和カルボン酸のアルキルエステル、活性水素を含有する化合物のアルキレンオキシド付加重合体のモノ(メタ)アクリレート類、活性水素を有する化合物のアルキレンオキシド付加重合体と(メタ)アクリル酸とのジエステルよりなる2官能単量体N−ビニルピロリドンのようなビニルラクタム類で代表されるアミド基含有単量体、活性水素を有する化合物のアルキレンオキシド付加重合体と(メタ)アクリル酸とのポリエステルよりなる多官能単量体等が挙げられる。光重合開始剤の例としては、ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオフェノン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシルフェニルケトン、2,4−ジエチルチオキサントン等が挙げられ、プレポリマー及びモノマーに対して0.5〜10質量%の割合で添加して使用される。
EB硬化型樹脂としては、特に種類は限定されないが、具体的には、ポリウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエーテルアクリレートなどが挙げられ、これらはそれぞれのプレポリマーに粘度、あるいは架橋密度を調整するために多官能または単官能のモノマーを添加して用いてもよく、また、必要に応じて公知の光重合開始剤や増感剤を添加して用いてもよい。このほか、ポリエン/チオール系のEB硬化型樹脂なども耐摩耗性に優れており、好ましく使用できる。上記のUV硬化型樹脂またはEB硬化型の樹脂の硬化には、従来公知の紫外線硬化方法や電子線硬化方法が用いられる。
上記に挙げたUV硬化型樹脂、あるいはEB硬化型樹脂と、必要に応じて光重合開始剤等の添加剤を加えたインキを用意して、オフセット印刷、活版印刷、グラビア印刷、スクリーン印刷等の各種印刷方法や、エアーナイフ法、ブレード法、グラビア法、ロールコーター法、スプレー法、ディップ法、バー法等の各種コーティング方法により、保護層を形成することができる。
(パターン層)
本発明のサーマル記録媒体は、サーマルヘッドと接する最表面側に、保護層、パターン層を順次設けた構成で、該パターン層5はシリコーン系成分がパターン層形成用インキに対して、5%以上30%以下で添加されているインキで形成されているものである。パターン層を形成するためのインキとしては、オフセット印刷、活版印刷、グラビア印刷等の印刷方式に応じて、ビヒクルを主体に、必要に応じて顔料、添加剤を加えて作製する。本発明では、パターン層を高精細に形成することが好ましく、また印刷版を用意する場合、比較的短時間で、低価格で入手できるオフセット印刷により、パターン層を形成することが好ましい。
また、パターン層形成用インキとして、酸化重合型インキを使用できるが、速乾型で作業性が良好であるUV硬化型乃至EB硬化型インキを使用することが、好ましい。パターン層を構成するUV硬化型乃至EB硬化型の樹脂、光重合開始剤等については、前記の保護層と同様のものが使用できるが、パターン層にはシリコーン系成分がパターン層形成用インキに対して、質量比で5%以上30%以下の割合で添加されている。そのシリコーン系成分としては、各種のシリコーン系成分が挙げられるが、特にシリコーン樹脂等のシリコーン3次元架橋物やシリコーンアクリレート、反応性シリコーンオイルが適している。このようなシリコーン系成分は、パターン層形成用インキ中に、添加し、充分に分散した状態で印刷し、乾燥させる(架橋させる)ことにより、パターン層の上には、熱転写リボンからの印字が定着しにくいようにして、結果としてパターン層の上にはリボン印字がなされないものとなる。
上記のシリコーンアクリレートとしては分子量500〜10,000程度、官能基当量(分子量/官能基)が400〜8,000程度、官能基は紫外線又は電子線硬化を考慮した場合メタクリル基、アクリル基、メルカプト基が好ましい。シリコーン系成分の具体例として、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等のシリコーンオイル、アルキル、アミノ、エポキシ、フッ素、カルボキシル、アルコール、メルカプト等にって変性された変性シリコーンオイルや、分子鎖の片末端または両末端に重合性官能基を有したシリコーンマクロモノマー等を挙げることができる。好ましいオルガノポリシロキサン化合物として、アルコール変性シリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、分子鎖の片末端重合性官能基が(メタ)アクリロイル基のシリコーンマクロモノマー等を挙げることができる。これ等の公知慣用のオルガノポリシロキサン化合物を単独或は2種以上組み合わせて使用することができる。
上記シリコーン系成分は、パターン層形成用インキに対して、質量比で5%以上30%以下の割合で含有されるが、シリコーン系成分が少なすぎると、リボン印字の際に、パターン層の上にもリボン印字部が定着してしまい、パターン層のネガパターンでのリボン印字が行われない。また、シリコーン系成分が上記範囲よりも多すぎると、パターン層自体が保護層との密着性が低下してくる。また、パターン層は、上記のUV硬化型乃至EB硬化型の樹脂のようなビヒクルと、必要に応じて、酸化チタン等の白色顔料や添加剤を加える。それは、パターン層を透明あるいは白色の色相で形成すれば、感熱発色の記録前では、そのパターン層が外観上、ほとんど認識できなく、記録後に始めて、そのパターン層が出現して、偽造防止性が非常に高いものが得られるからである。
また、パターン層は、300dpiよりも高解像度で形成されていることが好ましく、サーマルプリンターで再現することが困難である解像度で、パターン層が形成されていることになり、そのパターン層をサーマルプリンターの印字で再現することができない。このような高精細なパターン層は、そのパターンとしては、例えば、マイクロ文字、地紋、彩紋等が採用できる。このようなパターン層の厚さは約1μm以上、好ましくは3〜20μmである。厚さが少なすぎると、パターン層のかすれ等が生じやすく、またその厚さが多すぎると、パターン層の画線部同士がつながったりするなど、パターン再現性が低下してくる。
本発明のサーマル記録媒体は、図1に示したような構成において、基材2の感熱発色層3が設けられている面と反対側に、従来から知られている磁気層や、ホログラム層等を設けることができ、定期券、乗車券、トランプ、入場券等の各種の用途に使用することができ
厚さ188μmの乳白色のポリエチレンテレフタレートを基材とし、該基材の一方の面に、γ−Fe23粉末が塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体とウレタン系樹脂とからなるバインダー溶液中に分散されてなる磁性コーティング剤を用いて、グラビアリバース法により全面に塗布して厚さ15μmの磁気層を形成した。この基材の他方の面に、下記組成の感熱発色層形成用インキを用いて、グラビアリバース法により全面に塗布して、乾燥時で厚さ5g/m2の感熱発色層を形成した。以下、特に断りのない限り、部又は%は質量基準である。
(感熱発色層形成用インキ)
黒染料(3−(N−エチル−Nアシルアミノ)−6−メチル−7アニリノフルオラン)
10部
顕色剤(ビスフェノールA) 85部
溶剤(ポリビニルアルコール10%水溶液) 5部
上記の感熱発色層の上に、大日本インキ化学工業(株)製のUV硬化型インキ、商品名グランディックの保護層形成用インキ(略無色透明なインキ)を用いて、バーコート法により全面に塗布し、塗布直後に紫外線を照射して、乾燥時で厚さ5g/m2の保護層を形成した。次に、保護層の上に、下記組成のパターン層用形成用インキを用いて、オフセット印刷を行い、印刷直後に紫外線を照射して、図2に示すような「DNP」のマイクロ文字が配置されたパターン層を、厚さ2μmで形成した。
(パターン層形成用インキ)
UV硬化型インキ(大日本インキ化学工業(株)製、商品名ダイキュアROPニス)
100部
シリコーンアクリレート 7部
尚、上記のシリコーン系成分を含有するUV硬化型のパターン層形成用インキにおけるシリコーン系成分の含有量は、パターン層形成用インキに対して、7%(質量比)である。また、上記の印刷形成したパターン層の解像度は500dpiであった。以上のように、実施例1のサーマル記録媒体を作製した。このサーマル記録媒体は定期券として、発券時のダイレクトサーマル印字でスティッキングがなく、鮮明な印字ができ、かつ廃券処理として定期券のサーマル印字された表面に、熱溶融転写方式のリボンを用いて、保護層及びパターン層の上に、リボン印字を行ったところ、パターン層のネガパターン形状でリボン印字がなされていた。つまり、パターン層の上には、熱転写リボンからの印字が定着せず、パターン層のない保護層上に、リボン印字が定着した。これにより、偽造防止性が高いサーマル記録媒体であることが、判明した。
上記の実施例1で作製したサーマル記録媒体において、感熱発色層の条件を以下のように変更した以外は、実施例1と同様にしてサーマル記録媒体を作製した。実施例1で使用した黒発色の感熱発色層形成用インキを、グラビアリバース法により全面に塗布して、乾燥時で厚さ5g/m2の第1感熱発色層を形成した。次に、その第1感熱発色層の上に、下記組成の赤発色の感熱発色層形成用インキを、グラビアリバース法により全面に塗布して、乾燥時で厚さ5g/m2の第2感熱発色層を形成した。
(感熱発色層形成用インキ)
赤染料(3−ジエチルアミノ−3−クロロフルオラン) 10部
顕色剤(3,3−ジクロロフェニチオ尿素) 85部
溶剤(ポリビニルアルコール10%水溶液) 5部
上記の得られたサーマル記録媒体は定期券として、発券時のダイレクトサーマル印字で、スティッキングがなく、鮮明な赤黒印字ができた。尚、赤発色の印字は約80℃の加熱により行うことができ、黒発色の印字は約100℃の加熱により行うことができた。かつ廃券処理として定期券のサーマル印字された表面に、熱溶融転写方式のリボンを用いて、リボン印字を行ったところ、パターン層のネガパターン形状でリボン印字がなされていた。つまり、パターン層の上には、熱転写リボンからの印字が定着せず、パターン層のない保護層上に、リボン印字が定着した。これにより、偽造防止性が高いサーマル記録媒体であることが、判明した。
本発明のサーマル記録媒体の一つの実施形態を示す概略図である。 本発明のサーマル記録媒体のパターン層のパターンと、リボン印字後に、該パターンが浮き出てきた状態を説明する概略図である。
符号の説明
1 サーマル記録媒体
2 基材
3 感熱発色層
4 保護層
5 パターン層

Claims (2)

  1. 少なくとも一部に感熱発色性材料を有するサーマル記録媒体において、サーマルヘッドと接する最表面側には保護層、パターン層を順次設け、該パターン層はシリコーン系成分がパターン層形成用インキに対して、質量比で5%以上30%以下で添加されているUV硬化型乃至EB硬化型のインキで形成された300dpiよりも高く、500dpiを上限とする解像度のマイクロ文字であり、前記の最表面に、熱溶融転写方式でリボン印字により、前記パターン層のネガパターン形状でリボン印字が可能となることを特徴とするサーマル記録媒体。
  2. 前記請求項1に記載のサーマル記録媒体が、定期券、乗車券、トランプ、入場券のいずれか一つであることを特徴とするサーマル記録媒体。
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