JP4661492B2 - 光学素子成形方法および光学素子成形装置 - Google Patents

光学素子成形方法および光学素子成形装置 Download PDF

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Description

本発明は、金型によって素材を加圧し、所定形状の光学素子を成形する光学素子成形方法および光学素子成形装置に関する。
従来から、金型の上型と下型との間にガラスの素材を収容し、素材を所定温度まで加熱した状態で、下軸によって下型を上方に移動させて素材を加圧し、所定形状のガラス素子を成形する光学素子成形方法が知られている。以下、特開2005−22879号公報の図11に基づいて、従来の成形方法の概要を説明する。
まず、上型と下型との間にガラスの素材を収容し、下型を支持する下軸を機械的な原点Z0から成形方向の所定位置Z1まで上昇させる。次に、目標温度T1に達するまで金型を加熱する。そして、加熱された下型を上方に移動させて、下型が成形終了位置Z2に達するまで素材を成形圧力P1でプレスする。下型が成形終了位置Z2に達した直後に加熱を終了する。以上の工程で光学素子の成形が終了する。
特開2005−22879号公報(〔0002〕、〔0003〕および図11)
光学素子の製造現場では、金型に大きな負担を与えることなく、加工精度の高い光学素子を効率的に製造することがなお追求されている。この点に関し、上記従来技術では以下のような問題が指摘されている。
第1に、上記従来技術では、成形時においてロードセルなどで荷重をモニタし、成形装置の出力を一定に保持する。ところが、成形開始時点では金型と素材との接触面積が小さいので、金型の一部には非常に大きな応力が集中することとなる。そのため、上記従来技術によれば成形装置の出力が大きくなるほど金型が破損し易くなり、金型の寿命が短くなる。一方、上記従来技術において成形装置の出力を小さくすると光学素子の製造効率が大きく低下する点で改善の余地があった。
第2に、成形が進むにつれて金型と素材との接触面積が増えると、金型からの伝熱で素材の反力が急激に低下する現象が発生する。このとき、上記従来技術では成形装置の出力を一定に保持するため、素材の反力低下に応じて素材の変形速度が速くなる。すなわち、素材に急激な反力低下が発生すると光学素子の成形が急激に進むこととなる。その結果、金型の隙間に溜まったガスが素材に巻き込まれる可能性が高くなり、光学素子の歩留まりが低下しうる点で改善の余地があった。
本発明は上記従来技術の少なくともいずれかの課題を解決するものであって、その目的は、金型に大きな負担を与えることなく、光学素子を効率的に製造できる光学素子成形方法および光学素子成形装置を提供することである。
また、本発明の他の目的は、空気の巻き込みが極めて少なく、加工精度の高い光学素子を効率的に製造できる光学素子成形方法および光学素子成形装置を提供することである。
第1の発明は、第1金型と第2金型との間に光学素子の素材を収容するとともに、素材を所定温度まで加熱した状態で第1金型および第2金型を相対移動させて素材を加圧し、所定形状の光学素子を成形する光学素子成形方法であって、第1金型と第2金型との間に生じる素材への成形圧力が所定値になるときの第1金型および第2金型の相対距離を成形基準距離とし、該成形基準距離からの金型の押し込み位置に応じて金型への荷重を変化させることを特徴とする。
第1の発明では、押し込み位置と金型および素材の接触面積との対応関係を予め取得し、素材への単位面積当たりの成形圧力が各押し込み位置で一定となるように荷重を変化させることが特に好ましい。
第2の発明は、第1金型と第2金型との間に光学素子の素材を収容するとともに、素材を所定温度まで加熱した状態で第1金型および第2金型を相対移動させて素材を加圧し、所定形状の光学素子を成形する光学素子成形方法であって、第1金型と第2金型との間に生じる素材への成形圧力が所定値になるときの第1金型および第2金型の相対距離を成形基準距離とし、該成形基準距離からの金型の押し込み位置に応じて金型の移動速度の上限値を減少させることを特徴とする。
なお、上記発明に関する構成を光学素子成形装置や、該光学素子成形装置の制御方法またはプログラムなどに変換して表現したものも本発明の具体的態様として有効である。
本発明の光学素子成形方法および光学素子成形装置によれば、金型に大きな負担を与えることなく、光学素子を効率的に製造できる。
また、本発明の光学素子成形方法および光学素子成形装置によれば、空気の巻き込みが極めて少なく、加工精度の高い光学素子を効率的に製造できる。
(光学素子成形装置の構成)
以下、本発明の実施形態を図面を参照しつつ詳細に説明する。図1は本発明の光学素子成形方法に適用される光学素子成形装置の一例を示している。光学素子成形装置は、装置本体11と、制御装置12とを備えている。
装置本体11の上部には円筒状の石英管13が配置されている。この石英管13の上端は装置本体11の上板11aで密閉されている。この石英管13の内部空間が成形室14を構成する。そして、この成形室14には成形型集合体15が配置される。
図2に成形型集合体15の詳細を示す。成形型集合体15は、上成形型16と、下成形型17と、円筒状のスリーブ18とを備えている。上成形型16の下端面および下成形型17の上端面には、成形すべきレンズに対応する形状の凹部(あるいは凸部)が形成されている。レンズ成形時には、上成形型16と下成形型17との間にガラス母材からなる素材19が収容される。そして、スリーブ18には、上成形型16および下成形型17が上下方向に摺動自在に嵌合される。また、上成形型16の上側には熱電対挿入孔16aが形成されている。なお、下成形型17に熱電対挿入孔を形成するようにしてもよい。
成形室14の上方には上軸20が配置されている。この上軸20は装置本体11の上板11aに固定されている。そして、上軸20の下面は、成形型集合体15の上成形型16の上面と当接可能に構成されている。また、上板11aおよび上軸20には熱電対挿入孔が垂直に貫設されている。この装置本体11側の熱電対挿入孔の位置は、成形型集合体15を配置したときに上成形型16の熱電対挿入孔16aと合致するように設定されている。したがって、装置本体側の外側から熱電対21を挿入すると、熱電対21の先端は成形型集合体15まで到達するようになっている。
また、成形室14の外周には、成形型集合体15を加熱するための加熱ユニット22が配置される。加熱ユニット22は、例えば、石英管13を円筒状に取り囲んで配置された抵抗加熱ヒータ線などで構成される。
成形室14の下方には下軸23が配置されている。下軸23は仕切板24および支持板11bを貫通して下方に垂下するように配置されている。下軸の中心軸は上軸の中心軸と一致するように設定されており、また、下軸23の上面は成形型集合体15の下成形型17の下面と当接可能に構成されている。仕切板24の下面には、下軸を冷却する冷却ユニット25が配置されている。支持板11bには下軸23を案内する下軸ガイド26が配置されている。この下軸ガイド26は、例えばボールブッシュからなる。
なお、成形室14の下側(石英管13の下端の一部)は成形時において仕切板24で密閉される。そして、光学素子の成形時には、成形室14内に窒素等の不活性ガスを充填して成形型集合体15の酸化を防止できるようになっている。
下軸ガイド26の下方には、下軸23に加圧検出器27が介在されている。この加圧検出器27は、例えばロードセルからなる。なお、制御装置12は、加圧検出器27の検出する下軸23の荷重に基づいて素材19の成形圧力の情報を取得する。
下軸23の下端には、モータおよび駆動機構を備えた下軸加圧ユニット28が配置されている(モータ、駆動機構の図示は省略する)。この下軸加圧ユニット28は、モータで駆動機構を作動させることで下軸23を上下方向に移動させる。なお、下軸加圧ユニット28のモータには、例えばサーボモータなどが使用される。
下軸加圧ユニット28の下部には、下軸23の位置を検出する下軸位置検出部29が配置されている。この下軸位置検出部29は、上記のモータの回転軸に配置されたエンコーダ(不図示)のパルスを検出し、回転軸の回転数および回転位置から下軸23の位置を検出する。なお、本実施形態では、制御装置12は下軸23の位置をモニタすることで下成形型17の位置を把握する。
一方、制御装置12は、熱電対21、加熱ユニット22、加圧検出器27、下軸加圧ユニット28および下軸位置検出部29と接続されている。この制御装置12には、熱電対21からの温度信号、加圧検出器27からの荷重信号、下軸位置検出部29からの下軸位置信号がそれぞれ入力される。
また、制御装置12はシーケンスプログラムを記録したメモリ30を備える。そして、制御装置12は、上記の温度信号、荷重信号、下軸位置信号の入力に応じて、加熱ユニット22および下軸加圧ユニット29をシーケンスプログラムによって制御し、光学素子の成形を実行する。
(本実施形態の光学素子成形方法の説明)
以下、図3および図4を参照しつつ、本実施形態の光学素子成形方法を説明する。
(1)まず、成形型集合体15の上成形型16と下成形型17との間に光学ガラスの素材19を収容する。具体的には、スリーブ18から上成形型16を抜き取るとともに、スリーブ18内に素材19を投入する。その後に、上成形型16をスリーブ18に嵌挿することで素材の収容が終了する。
(2)次に、素材19が収容された成形型集合体15を成形室14の内部に収容する。なお、成形型集合体15の搬入は、石英管13などに形成された不図示の搬入部を通じて行われる。
この(2)の収容状態では、下軸23の上端に下成形型17の下端が当接する一方で、上成形型16の上端と上軸20の下端とが離間した状態にある(図4(a)参照)。すなわち、成形型集合体15と上軸20との間には十分な広さの間隙Lがあって、収容作業が行い易いようになっている。
また、この(2)の段階では成形型集合体15の温度は常温(T0)となっている。さらに、この(2)の段階では下軸23の上端位置は機械的な原点(Z0)にある。そして、この段階では、加圧検出器27の検出する荷重は後述のPsの値を下回る。
(3)制御装置12は下軸加圧ユニット28を駆動させて、下軸23の上端を成形加熱位置Z1まで上昇させる。このとき、上成形型16の上端と上軸20とは、わずかな間隙L1を保って離間した状態にある(図4(b)参照)。
そして、制御装置12は、加熱ユニット22によって成形型集合体15の加熱を開始する。成形型集合体15の温度は熱電対21を介して制御装置12に入力される。制御装置12は、熱電対21からの温度が成形温度T1になるまで成形型集合体15を加熱する。制御装置12は、成形型集合体15が成形温度T1になった後は、成形温度T1を維持するように加熱ユニット22を制御する。
(4)成形型集合体15を成形温度T1に所定時間維持した後、制御装置12は下軸加圧ユニット28を駆動させて、下成形型17を成形終了位置Z2に向けて上方に移動させる。その結果、下軸23の上昇で上成形型16の上端と上軸20とが当接し、下軸23の上昇に応じて素材19が上成形型16および下成形型17の間で押圧されることとなる(図4(c)参照)。この状態では、加圧検出器27から制御装置12に入力される荷重の値は、下軸23の上昇とともに増加することとなる。
(5)制御装置12は、上記の荷重の値が所定の成形基準値Psになったときの下成形型17の位置を成形基準位置Zsに設定する。そして、制御装置12は、成形基準位置Zsから下軸加圧調整終了位置Zpceまでの所定距離(Zpce−Zs)において、下軸加圧ユニット28を以下の(a)、(b)のように制御する。
(a)下軸加圧ユニット28のトルク制御
制御装置12は、成形基準距離Zsからの金型の押し込み位置に応じて、下軸加圧ユニット28の指示トルクを変化させる。このとき、素材19への単位面積当たりの成形圧力が各押し込み位置で一定となるように、制御装置12は下軸加圧ユニット28の指示トルクを連続的に変化させる。
例えば、メニスカスガラスを素材とした場合、各押し込み位置での指示トルクTqrは以下の式(1)に基づいて演算することができる。
Figure 0004661492
ここで、上記の式(1)における各記号を説明する。「Zpo」は下軸23の現在位置(すなわち、金型の押し込み位置)を意味する。「Zs」は上記の成形基準位置を意味する。「P1」は成形圧力に対応する荷重を意味する。本実施形態ではP1は数百kgf程度に設定される。「Ps」は成形基準値Psを意味する。このPsの値は、Zsの位置での加圧検出器27の検出荷重に対応する。「Zpce」は上記の下軸加圧調整終了位置を意味する。
本実施形態でかかる制御を行うのは以下の理由による。本発明の発明者は、光学素子の成形工程における諸現象を研究して以下の知見を得た。
光学素子成形装置による光学素子の成形では、成形開始時点における金型(16,17)と素材19との接触面積は非常に小さい。そのため、下軸23に大きなトルクをかけると、素材19に接触した金型のごく一部に応力が集中して金型が破損するおそれが非常に高くなる。その一方で、成形基準距離Zsから金型を大きく押し込んだ状態では、素材19の形状は金型の成形面形状に近づくので、金型と素材19との接触面積は大きくなる。そのため、金型内の素材19に成形圧力P1を与えるためには下軸23に大きなトルクをかける必要が生じる。
そこで、本実施形態では、成形基準距離Zsから下軸23が上昇するにつれて、下軸加圧ユニット28への指示トルクを大きくし、素材19への単位面積当たりの成形圧力が各押し込み位置で一定となるように制御している(図3参照)。なお、金型および素材19の接触面積のデータは、異なる押し込み位置で成形を終了させた素材19のサンプルを予め複数作成し、これらのサンプルから接触面積の推移を近似式で求めることで取得できる。なお、本実施形態では、制御装置12のメモリ30に金型および素材19の接触面積のデータが記録されている。
(b)素材19の成形速度の制御
制御装置12は、成形基準距離Zsからの金型の押し込み位置に応じて、下軸加圧ユニット28の下軸移動速度の上限値を調整する。具体的には、制御装置12は、金型の押し込み位置が成形基準距離Zsから離れるほど下軸移動速度(金型の移動速度)の上限値が減少するように設定し、下軸23の移動速度が上限値をオーバーしないように下軸加圧ユニット28を制御する。
例えば、メニスカスガラスを素材とした場合、各押し込み位置での下軸移動速度の上限値Vzは以下の式(2)に基づいて演算することができる。
Figure 0004661492
ここで、上記の式(2)における各記号を説明する。「Vzmax」は下軸加圧ユニット28における下軸23の最高移動速度を意味する。本実施形態ではVzmaxは50μm/sec程度に設定される。「Vzmin」は下軸加圧ユニット28における下軸23の最低移動速度を意味する。本実施形態ではVzminは10μm/sec程度に設定される。なお、他の記号は式(1)の場合と共通であるので重複説明を省略する。
本実施形態でかかる制御を行うのは以下の理由による。本発明の発明者は、光学素子の成形工程における諸現象を研究して以下の知見を得た。
光学素子の成形では、加熱で軟化した素材に金型の形状を転写する。この素材19は所定温度を超えると顕著に軟化する特性を有する。成形が進むにつれて金型と素材19との接触面積が増えると、金型からの伝熱で素材19の反力が急激に低下する。
その結果、特に光学素子の成形工程後半では、素材19の反力低下に伴って下軸23が上昇し易くなるので成形が急激に進むこととなる。このとき、素材19が外周方向に向けて波状の動きで広がるため、金型の隙間に溜まったガスが素材19に巻き込まれる可能性が高くなる。このようなガスの巻き込みを防止するためには、成形工程後半での光学素子の成形速度を適正にコントロールする必要がある。
そこで、本実施形態では、金型の押し込み位置が成形基準距離Zsから離れるほど下軸移動速度(金型の移動速度)の上限値が減少するように設定している。すなわち、本実施形態では、素材19の反力が急激に低下しても下軸移動速度は上限値で制約されるので素材19の成形は緩やかな速度で行われることとなる(図3参照)。そのため、素材19の成形が急激に進むことに起因するガスの巻き込みを防止できる。なお、上記のように成形工程後半では下軸移動速度は低速となるが、この段階では素材19と金型との接触面積が大きくなるため、結果として下軸23のトルクは上昇することとなる。
なお、下軸23を成形終了位置Z2まで移動させたときの上成形型16および下成形型17の状態を図4(d)に示す。この段階では、上成形型16および下成形型17の間に形成される最終的な成形空間の形状には殆ど誤差が生じておらず、ガラスのレンズからなる光学素子が高い精度で成形される。
(6)上記の成形後に、制御装置12は下軸加圧ユニット28を駆動させて下軸23の位置をZ0まで戻す。同時に、制御装置12は加熱ユニット22による加熱を終了するとともに、成形室14内に供給する不活性ガスによって成形型集合体15を冷却する。冷却後に成形型集合体15を成形室14から取り出すことで、光学素子の一連の成形工程が終了する。
(比較例の光学素子成形方法の説明)
なお、本実施形態の比較例として、従来の光学素子成形装置の制御方法を図5に示す。この比較例では、成形基準位置Zsから下軸加圧調整終了位置Zpceまで下軸に一定のトルクを与え続けている。そのため、成形開始時点において金型のごく一部に応力が集中することから、金型が破損しやすくなっていた。
また、この比較例では、下軸移動速度の上限値はZ1からZ2まで一定であって、成形工程後半においても下軸移動速度の上限値は大きな値となっている。そのため、成形工程後半では素材の反力低下に伴って成形が急激に進み、成形された光学素子にはガスの巻き込みが発生しやすくなっていた。
(本実施形態の効果)
本実施形態では、素材19への単位面積当たりの成形圧力が各押し込み位置で一定となるように、下軸加圧ユニット28への指示トルクを連続的に変化させる。そのため、成形時に金型の一部に応力が集中することがなくなるので、金型の破損のおそれが著しく低減する。
また、本実施形態では、成形基準位置Zsを基準として下軸移動速度の上限値が減少するように設定される。そのため、成形工程後半での成形速度が適正にコントロールされるので、光学素子へのガスの巻き込みが著しく減少する。
さらに、本実施形態では、加熱および加圧後に成形基準位置Zsを決めることにより、装置自身の加熱による熱膨張、加圧による装置自身の歪、および、成形型集合体15のプレス方向長さの誤差を吸収することが可能になる。同時に、使用環境周囲温度、湿度、冷却水温度、冷却水流量に関しても使用条件を緩和することができる。そして、成形型集合体15を複数使用する場合も、全ての成形型集合体15の寸法を高い精度で揃える必要がなくなる。なお、制御装置12のシークエンスプログラムについても誤差を吸収するためのパラメータが不要となるので、制御が比較的に容易となる。
(実施形態の補足事項)
以上、本発明を上記の実施形態によって説明してきたが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のような形態であってもよい。
本発明の光学素子成形方法では、光学素子成形装置に上軸加圧ユニットを設けて上成形型を下方向に積極的に移動可能に構成し、上成形型および下成形型の両者を移動して成形を行うようにしてもよい。
また、上記実施形態は、ガラスからなるレンズの成形に本発明を適用した例について説明したが、本発明は、例えば樹脂等からなるレンズあるいは種々の光学素子の成形に広く適用できる。
本実施形態の光学素子成形装置の概要図 本実施形態の成形型集合体を示す図 本実施形態における光学素子成形装置の制御を説明する図 本実施形態における上成形型および下成形型の動きを示す図 比較例における光学素子成形装置の制御を説明する図
符号の説明
11…装置本体、12…制御装置、15…成形型集合体、16…上成形型、17…下成形型、19…素材、21…熱電対、22…加熱ユニット、23…下軸、27…加圧検出器、28…下軸加圧ユニット、29…下軸位置検出部、30…メモリ

Claims (4)

  1. 第1金型と第2金型との間に光学素子の素材を収容するとともに、前記素材を所定温度まで加熱した状態で前記第1金型および前記第2金型を相対移動させて前記素材を加圧し、所定形状の光学素子を成形する光学素子成形方法であって、
    前記第1金型と前記第2金型との間に生じる前記素材への成形圧力が所定値になるときの前記第1金型および前記第2金型の相対距離を成形基準距離とし、該成形基準距離からの金型の押し込み位置に応じて前記金型への荷重を変化させるとともに、前記押し込み位置と前記金型および前記素材の接触面積との対応関係を予め取得し、前記素材への単位面積当たりの成形圧力が各押し込み位置で一定となるように前記荷重を変化させることを特徴とする光学素子成形方法。
  2. 請求項1に記載の光学素子成形方法において、
    前記押し込み位置に応じて前記金型の移動速度の上限値を減少させることを特徴とする光学素子成形方法。
  3. 第1金型および第2金型と、
    前記第1金型および前記第2金型との間に収容される光学素子の素材を加熱する加熱部と、
    前記加熱部による素材の加熱状態を検出する温度検出部と、
    前記第1金型および前記第2金型の相対移動によって前記素材を加圧する金型駆動部と、
    前記第1金型と前記第2金型との間に生じる前記素材への成形圧力を検出する圧力検出部と、
    前記第1金型と前記第2金型との相対位置を検出可能な位置検出部と、
    前記素材を所定温度まで加熱した状態で前記素材を加圧するとともに、前記成形圧力が所定値になるときの前記第1金型および前記第2金型の相対距離を成形基準距離とし、該成形基準距離からの金型の押し込み位置に応じて前記金型への荷重を変化させる制御部と、
    前記押し込み位置と前記金型および前記素材の接触面積との対応関係を記録したメモリとを有し、
    前記制御部は、前記素材への単位面積当たりの成形圧力が各押し込み位置で一定となるように前記荷重を変化させることを特徴とする光学素子成形装置。
  4. 請求項3に記載の光学素子成形装置において、
    前記制御部は、前記押し込み位置に応じて前記金型の移動速度の上限値を減少させることを特徴とする光学素子成形装置。
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