JP4661135B2 - 空気調和システム、空調制御装置、空気制御方法 - Google Patents

空気調和システム、空調制御装置、空気制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、空気調和システム、空調制御装置、空気制御方法、特に、第1エリアと第2エリアとを対象として空気調和を行うための空気調和システム、空調制御装置、空気制御方法に関する。
ビル等の建造物に設置される空気調和システムでは、家庭内において用いられるペア型の空調装置等と異なり、オフィス等の1つの対象空間に対して複数台の室内機が配備される空調装置が用いられることが多い。これらの室内機は共通の空調環境提供手段として用いられ、中央の大型空調機と協同して動作し、セントラル空調方式と称される空調方式によって一括制御される。このセントラル空調方式を採用することで、負荷形態が比較的均一な対象空間に対して、概ね均一の空調環境を提供することが可能になる。
しかし、空調対象となる空間がビル等の場合には、インテリアゾーンとペリメータゾーン等の負荷形態の異なるエリアが対象に含まれることがある。すなわち、OA機器等が配置されているインテリアゾーンでは、年間を通じて屋外の気象状態等による影響を受けにくいため空調による熱負荷の変動は比較的小さい傾向にあるのに対し、ペリメータゾーンでは、窓からの輻射熱の影響を受けるために季節・時間によって熱負荷の変動は比較的大きくなる傾向がある。このため、インテリアゾーンでは、OA機器等からの発熱に対して概ね均一の冷房が行われ、ペリメータゾーンでは、窓からの輻射熱に応じて冷暖房の調整がされた空調が行われる。
上述の負荷形態の異なるエリアが空調対象に含まれている場合には、セントラル空調方式を採用した空気調和システムと、他の空気調和システムとが併用されることがある。例えば、主として空冷ヒートポンプユニットと室外機とから構成されておりペリメータゾーンを対象として空調する空気調和システムと、上述したセントラル空調方式の空気調和システムとが併用されることがある。この場合において、セントラル空調方式の空気調和システムをインテリア系統として採用し、空冷ヒートポンプ型の空気調和システムをペリメータ系統として採用して、これらを併用した空気調和システムとすることで、負荷形態の異なるエリアを含んだ空間を対象として空調する場合であっても、それらの部分的な負荷形態に対応させた総合的な空調管理を可能としている。
このように各システムが併用された空気調和システムが採用されているビル等では、コアタイム等の一般に空調負荷が大きいとされる時間帯に、セントラル空調方式と空冷ヒートポンプ型との両空気調和システムを同時に稼働させることで、インテリアゾーンおよびペリメータゾーンの両空間を快適な状態に維持している。しかし、残業時間帯等の一般に空調負荷が少ないとされる時間帯になると、通常、一括制御側のセントラル空調方式に備わる中央熱源機器の運転は停止され、セントラル空調方式の空調対象エリアであるインテリアゾーンを対象とした空調が行われなくなる。
これに対して、以下の特許文献1および特許文献2において示すように、残業時間帯等において、セントラル空調方式に備わる中央熱源機器の運転が停止された場合であっても、他方の稼働中の空冷ヒートポンプ型の空気調和システムに備わる熱源機器によって得られる調和空気を流用できるようなシステムが考案されている。すなわち、空冷ヒートポンプ型の熱源機器によって調和された空気が通過するダクトの接続先を、空冷ヒートポンプ型の空気調和システム用のダクトからセントラル空調方式の空気調和システムのダクトに切り替えたり、セントラル空調方式による空調対象エリアであったインテリアゾーンに対して給気可能な給気ダクトを付設する等により、セントラル空調方式の空気調和システムが対象としているインテリアゾーンに対しても、調和空気を給気することができるようにしている。
特開平05−157281号公報 特開平06−42769号公報
上述した従来の空気調和システムでは、セントラル空調方式に備わる中央熱源機器の運転が停止された場合において、空冷ヒートポンプ型の熱源機器によって得られる調和空気を、インテリアゾーンとペリメータゾーンとの両空間に対して給気している。ところが、インテリアゾーンに対しては、対応する空調システムである空冷ヒートポンプ型の熱源機器によって得られる調和空気が供給されるものの、インテリアゾーンにおいてはインテリアゾーンの環境条件等に基づく空調負荷の変動が考慮されないために、インテリアゾーンにおける快適性が損なわれてしまうおそれがある。
本発明は上述した点に鑑みてなされたものであり、本発明の課題は、第1空調機能を用いて主として第1エリアを空調して第2空調機能を用いて主として第2エリアを空調する場合において、1つの空調機能が停止した場合であっても、当該空調機能を用いて空調していたエリアの快適性が損なわれにくいようにすることができる空気調和システム、空調制御装置、空気制御方法を提供することにある。
第1観点に係る空気調和システムは、第1エリアと第2エリアとを対象として空気調和を行うための空気調和システムであって、第1空調装置と、第2空調装置と、流路と、流量調整装置とを備えている。第1空調装置は、第1エリアに対して第1調和空気を給気することができる。ここでの第1調和空気には、例えば、熱交換によって温度調整された空気や湿度調整された空気や状態の異なる複数の空気を混合させて得られる空気等が含まれる。第2空調装置は、第2エリアに対して第2調和空気を給気することができる。流路は、第2エリアとは別に設けられ、第2調和空気の少なくとも一部を第1空調装置の還気の少なくとも一部となるように通過させることが可能となっている。流量調整装置は、第2調和空気のうち流路を通過する被調整空気の流量を調整可能である。第1空調装置は、第1エリアに対する第1調和空気の給気量を調整可能な第1給気量調整部を有する。流量調整装置は、第1調和空気の給気量に基づいて、被調整空気の流量を調整する。
従来の空気調和システムでは、1つの物件に対して2つの空調装置が用いられ、空調負荷の異なるエリアに対してそれぞれ空調装置を対応させることで両エリアを空調している。ところが、一方の空調装置の空調機能が停止された場合には当該停止した空調装置によって空調されていたエリアを空調することができない。この場合、他方の稼働中の空調装置によって得られる調和空気を当該停止した空調装置によって空調されていたエリアに対して給気させることで当該エリアの空調が行われている。しかし、単に他方の稼働中の空調装置によって得られる調和空気を当該エリアに対して給気するだけでは、当該エリアの環境条件等に基づく空調負荷の変動が考慮されず、快適性が損なわれてしまうおそれがある。
しかし、第1観点に係る空気調和システムでは、第2エリアとは別に設けられ、第2調和空気の少なくとも一部を第1空調装置の還気の少なくとも一部となるように通過させることが可能な流路を備えている。そして、第2調和空気のうちこの流路を通過する被調整空気の流量を、流量調整装置によって調整することができる。このため、第1空調装置の空調機能が停止した場合であっても、この流路を通過する被調整空気の流量が調整されることで、第1エリアにおいて要求されている調和空気を調製して給気することができる。このため、1つの空調機能が停止した場合であっても、当該空調機能を用いて空調していたエリアの快適性が損なわれにくいようにすることが可能になる。
また、ここでは、第1空調機能の運転が停止した場合であっても、第1空調装置の第1給気量調整部の調整機能を生かして、第1エリアに対する第1調和空気の給気量を調整することができる。このため、第1エリアの快適性が損なわれないような効果的な空調を行うことが可能になる。
また、ここでは、流量調整装置が、被調整空気の流量を、第1調和空気の給気量に基づいて調整することができる。このため、第1エリアにおいて求められる調和空気の状態を反映させて調整することができ、第1エリアのより有効な空調を行うことができるようになる。
第2観点に係る空気調和システムは、第1エリアと第2エリアとを対象として空気調和を行うための空気調和システムであって、第1空調装置と、第2空調装置と、流路と、流量調整装置とを備えている。第1空調装置は、第1エリアに対して第1調和空気を給気することができる。ここでの第1調和空気には、例えば、熱交換によって温度調整された空気や湿度調整された空気や状態の異なる複数の空気を混合させて得られる空気等が含まれる。第2空調装置は、第2エリアに対して第2調和空気を給気することができる。流路は、第2エリアとは別に設けられ、第2調和空気の少なくとも一部を第1空調装置の還気の少なくとも一部となるように通過させることが可能となっている。流量調整装置は、第2調和空気のうち流路を通過する被調整空気の流量を調整可能である。第1空調装置は、第1エリアに対する第1調和空気の給気量を調整可能な第1給気量調整部を有する。第1給気量調整部は、第1エリアに対して第1調和空気を給気する場合の所定の許容量である第1許容量がある。そして、第2空調装置は、第1許容量と第1給気量調整部による第1調和空気の給気量との関係に基づいて、第2調和空気の温度および/または流量を調整する。
従来の空気調和システムでは、1つの物件に対して2つの空調装置が用いられ、空調負荷の異なるエリアに対してそれぞれ空調装置を対応させることで両エリアを空調している。ところが、一方の空調装置の空調機能が停止された場合には当該停止した空調装置によって空調されていたエリアを空調することができない。この場合、他方の稼働中の空調装置によって得られる調和空気を当該停止した空調装置によって空調されていたエリアに対して給気させることで当該エリアの空調が行われている。しかし、単に他方の稼働中の空調装置によって得られる調和空気を当該エリアに対して給気するだけでは、当該エリアの環境条件等に基づく空調負荷の変動が考慮されず、快適性が損なわれてしまうおそれがある。
しかし、第2観点に係る空気調和システムでは、第2エリアとは別に設けられ、第2調和空気の少なくとも一部を第1空調装置の還気の少なくとも一部となるように通過させることが可能な流路を備えている。そして、第2調和空気のうちこの流路を通過する被調整空気の流量を、流量調整装置によって調整することができる。このため、第1空調装置の空調機能が停止した場合であっても、この流路を通過する被調整空気の流量が調整されることで、第1エリアにおいて要求されている調和空気を調製して給気することができる。このため、1つの空調機能が停止した場合であっても、当該空調機能を用いて空調していたエリアの快適性が損なわれにくいようにすることが可能になる。
また、ここでは、第1空調機能の運転が停止した場合であっても、第1空調装置の第1給気量調整部の調整機能を生かして、第1エリアに対する第1調和空気の給気量を調整することができる。このため、第1エリアの快適性が損なわれないような効果的な空調を行うことが可能になる。
また、ここでは、第1エリアの空調負荷の変動に伴い第1給気量調整部の風量が許容量を超え、第1エリアの快適性が損なわれるおそれがある。
これに対して、第2観点の空気調和システムでは、第1許容量と第1給気量調整部による第1調和空気の給気量との関係に基づいて、第2空調装置の能力である温度や流量が調整される。このため、第1エリアの空調の確実性を向上させることができる。
例えば、第1エリアの空調負荷の増大等に伴い第1給気量調整部の風量の許容量では空調を有効に行えなくなってきた場合に、第2空調装置が空調能力を上げる等により、第1エリアにおける空調負荷の変動に対応させることができる。また、例えば、第2空調装置が空調能力を上げることで第1給気量調整部の風量を低減させることができる場合には、第1空調装置の送風運転における省エネを図ることができる。また、逆に、第1風量調整の空調負荷が減少してきた場合には、第2空調装置が空調能力を下げることで、第2空調装置における空調負荷を低下させることにより省エネ効果を得ることもできる。
第3観点に係る空気調和システムは、第1エリアと第2エリアとを対象として空気調和を行うための空気調和システムであって、第1空調装置と、第2空調装置と、流路と、流量調整装置とを備えている。第1空調装置は、第1エリアに対して第1調和空気を給気することができる。ここでの第1調和空気には、例えば、熱交換によって温度調整された空気や湿度調整された空気や状態の異なる複数の空気を混合させて得られる空気等が含まれる。第2空調装置は、第2エリアに対して第2調和空気を給気することができる。流路は、第2エリアとは別に設けられ、第2調和空気の少なくとも一部を第1空調装置の還気の少なくとも一部となるように通過させることが可能となっている。流量調整装置は、第2調和空気のうち流路を通過する被調整空気の流量を調整可能である。流量調整装置は、被調整空気の流量についての所定の許容量である被調整空気許容量がある。そして、第2空調装置は、被調整空気許容量と被調整空気の流量との関係に基づいて、第2調和空気の温度および/または流量を調整する。
従来の空気調和システムでは、1つの物件に対して2つの空調装置が用いられ、空調負荷の異なるエリアに対してそれぞれ空調装置を対応させることで両エリアを空調している。ところが、一方の空調装置の空調機能が停止された場合には当該停止した空調装置によって空調されていたエリアを空調することができない。この場合、他方の稼働中の空調装置によって得られる調和空気を当該停止した空調装置によって空調されていたエリアに対して給気させることで当該エリアの空調が行われている。しかし、単に他方の稼働中の空調装置によって得られる調和空気を当該エリアに対して給気するだけでは、当該エリアの環境条件等に基づく空調負荷の変動が考慮されず、快適性が損なわれてしまうおそれがある。
しかし、第3観点に係る空気調和システムでは、第2エリアとは別に設けられ、第2調和空気の少なくとも一部を第1空調装置の還気の少なくとも一部となるように通過させることが可能な流路を備えている。そして、第2調和空気のうちこの流路を通過する被調整空気の流量を、流量調整装置によって調整することができる。このため、第1空調装置の空調機能が停止した場合であっても、この流路を通過する被調整空気の流量が調整されることで、第1エリアにおいて要求されている調和空気を調製して給気することができる。このため、1つの空調機能が停止した場合であっても、当該空調機能を用いて空調していたエリアの快適性が損なわれにくいようにすることが可能になる。
また、ここでは、第2空調装置が、被調整空気許容量と被調整空気の流量との関係に基づいて、第2調和空気の温度および/または流量を調整する。このため、第1エリアの空調負荷の増大等に伴い流量調整装置が被調整空気許容量を越えて、第1エリアの空調の実効性を確保することが困難な状況となりそうな場合であっても、第2空調装置の設定温度や流量等の空調能力を加減させて、流量調整装置における被調整空気の流量が被調整空気許容量を越えないようにすることが可能となり、第1エリアの快適性が損なわれることをより確実に抑えることができる。
第4観点に係る空気調和システムは、第1エリアと第2エリアとを対象として空気調和を行うための空気調和システムであって、第1空調装置と、第2空調装置と、流路と、流量調整装置とを備えている。第1空調装置は、第1エリアに対して第1調和空気を給気することができる。ここでの第1調和空気には、例えば、熱交換によって温度調整された空気や湿度調整された空気や状態の異なる複数の空気を混合させて得られる空気等が含まれる。第2空調装置は、第2エリアに対して第2調和空気を給気することができる。流路は、第2エリアとは別に設けられ、第2調和空気の少なくとも一部を第1空調装置の還気の少なくとも一部となるように通過させることが可能となっている。流量調整装置は、第2調和空気のうち流路を通過する被調整空気の流量を調整可能である。外気導入流路と、外気量調整装置とをさらに備えている。外気導入流路は、第1空調装置の還気の少なくとも一部となるように外気を通過させることができる。外気量調整装置は、外気導入流路を通過する外気の流量を調整することができる。外気量調整装置は、第1エリアの空気と外気との間のエンタルピおよび/または温度との関係に基づいて、外気の流量を調整する。
従来の空気調和システムでは、1つの物件に対して2つの空調装置が用いられ、空調負荷の異なるエリアに対してそれぞれ空調装置を対応させることで両エリアを空調している。ところが、一方の空調装置の空調機能が停止された場合には当該停止した空調装置によって空調されていたエリアを空調することができない。この場合、他方の稼働中の空調装置によって得られる調和空気を当該停止した空調装置によって空調されていたエリアに対して給気させることで当該エリアの空調が行われている。しかし、単に他方の稼働中の空調装置によって得られる調和空気を当該エリアに対して給気するだけでは、当該エリアの環境条件等に基づく空調負荷の変動が考慮されず、快適性が損なわれてしまうおそれがある。
しかし、第4観点に係る空気調和システムでは、第2エリアとは別に設けられ、第2調和空気の少なくとも一部を第1空調装置の還気の少なくとも一部となるように通過させることが可能な流路を備えている。そして、第2調和空気のうちこの流路を通過する被調整空気の流量を、流量調整装置によって調整することができる。このため、第1空調装置の空調機能が停止した場合であっても、この流路を通過する被調整空気の流量が調整されることで、第1エリアにおいて要求されている調和空気を調製して給気することができる。このため、1つの空調機能が停止した場合であっても、当該空調機能を用いて空調していたエリアの快適性が損なわれにくいようにすることが可能になる。
また、ここでは、外気導入流路と外気量調整装置とによって、第1空調装置の還気の少なくとも一部として利用される外気の量を調整しながら取り込むことができる。このため、外気の状態が所定の条件を満たす場合には、外気の量を調整しつつ取り込むことで、第1空調装置の空調負荷を低減させることが可能な還気を調製することができるようになる。
また、ここでは、外気量調整装置が、第1エリアの空気と外気との間のエンタルピおよび/または温度との関係に基づいて、外気の流量を調整する。このため、外気量調整装置は、外気の導入が効果的な場合に積極的に外気の導入量を増加させる等、外気の状態に応じた調整が可能となる。
第5観点に係る空気調和システムは、第1エリアと第2エリアとを対象として空気調和を行うための空気調和システムであって、第1空調装置と、第2空調装置と、流路と、流量調整装置とを備えている。第1空調装置は、第1エリアに対して第1調和空気を給気することができる。ここでの第1調和空気には、例えば、熱交換によって温度調整された空気や湿度調整された空気や状態の異なる複数の空気を混合させて得られる空気等が含まれる。第2空調装置は、第2エリアに対して第2調和空気を給気することができる。流路は、第2エリアとは別に設けられ、第2調和空気の少なくとも一部を第1空調装置の還気の少なくとも一部となるように通過させることが可能となっている。流量調整装置は、第2調和空気のうち流路を通過する被調整空気の流量を調整可能である。外気導入流路と、外気量調整装置とをさらに備えている。外気導入流路は、第1空調装置の還気の少なくとも一部となるように外気を通過させることができる。外気量調整装置は、外気導入流路を通過する外気の流量を調整することができる。流量調整装置は、外気量調整装置によって調整された外気の流量に基づいて、被調整空気の流量を調整する。
従来の空気調和システムでは、1つの物件に対して2つの空調装置が用いられ、空調負荷の異なるエリアに対してそれぞれ空調装置を対応させることで両エリアを空調している。ところが、一方の空調装置の空調機能が停止された場合には当該停止した空調装置によって空調されていたエリアを空調することができない。この場合、他方の稼働中の空調装置によって得られる調和空気を当該停止した空調装置によって空調されていたエリアに対して給気させることで当該エリアの空調が行われている。しかし、単に他方の稼働中の空調装置によって得られる調和空気を当該エリアに対して給気するだけでは、当該エリアの環境条件等に基づく空調負荷の変動が考慮されず、快適性が損なわれてしまうおそれがある。
しかし、第5観点に係る空気調和システムでは、第2エリアとは別に設けられ、第2調和空気の少なくとも一部を第1空調装置の還気の少なくとも一部となるように通過させることが可能な流路を備えている。そして、第2調和空気のうちこの流路を通過する被調整空気の流量を、流量調整装置によって調整することができる。このため、第1空調装置の空調機能が停止した場合であっても、この流路を通過する被調整空気の流量が調整されることで、第1エリアにおいて要求されている調和空気を調製して給気することができる。このため、1つの空調機能が停止した場合であっても、当該空調機能を用いて空調していたエリアの快適性が損なわれにくいようにすることが可能になる。
また、ここでは、外気導入流路と外気量調整装置とによって、第1空調装置の還気の少なくとも一部として利用される外気の量を調整しながら取り込むことができる。このため、外気の状態が所定の条件を満たす場合には、外気の量を調整しつつ取り込むことで、第1空調装置の空調負荷を低減させることが可能な還気を調製することができるようになる。
また、ここでは、外気冷房が有効となる状態の有効外気を積極的に取り込むことができるように外気導入量を優先的に定めた上で、流量調整装置において被調整空気の流量を調整することで、空調機能が停止された対象空間の快適性を損なわれにくくすることが可能となるとともに、より省エネ化を図ることができるようになる。
第6観点に係る空気調和システムは、第1エリアと第2エリアとを対象として空気調和を行うための空気調和システムであって、第1空調装置と、第2空調装置と、流路と、流量調整装置とを備えている。第1空調装置は、第1エリアに対して第1調和空気を給気することができる。ここでの第1調和空気には、例えば、熱交換によって温度調整された空気や湿度調整された空気や状態の異なる複数の空気を混合させて得られる空気等が含まれる。第2空調装置は、第2エリアに対して第2調和空気を給気することができる。流路は、第2エリアとは別に設けられ、第2調和空気の少なくとも一部を第1空調装置の還気の少なくとも一部となるように通過させることが可能となっている。流量調整装置は、第2調和空気のうち流路を通過する被調整空気の流量を調整可能である。外気導入流路と、外気量調整装置とをさらに備えている。外気導入流路は、第1空調装置の還気の少なくとも一部となるように外気を通過させることができる。外気量調整装置は、外気導入流路を通過する外気の流量を調整することができる。外気導入流路は、第2空調装置の還気側、第2空調装置の給気側の少なくともいずれか一方において外気が導入可能となるように配置される。
従来の空気調和システムでは、1つの物件に対して2つの空調装置が用いられ、空調負荷の異なるエリアに対してそれぞれ空調装置を対応させることで両エリアを空調している。ところが、一方の空調装置の空調機能が停止された場合には当該停止した空調装置によって空調されていたエリアを空調することができない。この場合、他方の稼働中の空調装置によって得られる調和空気を当該停止した空調装置によって空調されていたエリアに対して給気させることで当該エリアの空調が行われている。しかし、単に他方の稼働中の空調装置によって得られる調和空気を当該エリアに対して給気するだけでは、当該エリアの環境条件等に基づく空調負荷の変動が考慮されず、快適性が損なわれてしまうおそれがある。
しかし、第6観点に係る空気調和システムでは、第2エリアとは別に設けられ、第2調和空気の少なくとも一部を第1空調装置の還気の少なくとも一部となるように通過させることが可能な流路を備えている。そして、第2調和空気のうちこの流路を通過する被調整空気の流量を、流量調整装置によって調整することができる。このため、第1空調装置の空調機能が停止した場合であっても、この流路を通過する被調整空気の流量が調整されることで、第1エリアにおいて要求されている調和空気を調製して給気することができる。このため、1つの空調機能が停止した場合であっても、当該空調機能を用いて空調していたエリアの快適性が損なわれにくいようにすることが可能になる。
また、ここでは、外気導入流路と外気量調整装置とによって、第1空調装置の還気の少なくとも一部として利用される外気の量を調整しながら取り込むことができる。このため、外気の状態が所定の条件を満たす場合には、外気の量を調整しつつ取り込むことで、第1空調装置の空調負荷を低減させることが可能な還気を調製することができるようになる。
また、ここでは、外気導入流路が、第2空調装置の還気側、第2空調装置の給気側の少なくともいずれか一方において外気が導入可能となるように配置されるため、空気調和システムを対象物件に適用する際の配置の自由度を向上させることができる。なお、第2空調装置の還気側から導入する場合には、外気の温度や湿度は気象条件によって変化する性質があるものの、第2空調装置によって設定された温度に調整可能であるために、第1エリアに対して給気する空気を温度調整するための外気導入量の調整制御を不要にすることができる。
第7観点に係る空調制御装置は、第1エリアに対して第1空調機能によって調製される第1調和空気を給気可能な第1空調装置と、第2エリアに対して第2空調機能によって調製される第2調和空気を給気可能な第2空調装置と、第2エリアとは別に設けられ、第2調和空気の少なくとも一部を第1空調装置の還気の少なくとも一部となるように通過させることが可能な流路と、第2調和空気のうち流路を通過する被調整空気の流量を調整可能な流量調整装置と、を用いて第1エリアと第2エリアとを対象として空気制御を行うための空調制御装置であって、第1空調装置は、第1エリアに対する第1調和空気の給気量を調整可能な第1給気量調整部を有し、第1調和空気の給気量に基づいて流量調整装置を制御することで被調整空気の流量を調整する制御部を備えている。
第8観点に係る空調制御装置は、第1エリアに対して第1空調機能によって調製される第1調和空気を給気可能な第1空調装置と、第2エリアに対して第2空調機能によって調製される第2調和空気を給気可能な第2空調装置と、第2エリアとは別に設けられ、第2調和空気の少なくとも一部を第1空調装置の還気の少なくとも一部となるように通過させることが可能な流路と、第2調和空気のうち流路を通過する被調整空気の流量を調整可能な流量調整装置と、を用いて第1エリアと第2エリアとを対象として空気制御を行うための空調制御装置であって、第1空調装置は、第1エリアに対する第1調和空気の給気量を調整可能な第1給気量調整部を有し、第1給気量調整部は、第1エリアに対して第1調和空気を給気する場合の所定の許容量である第1許容量があり、第1許容量と第1給気量調整部による第1調和空気の給気量との関係に基づいて第2空調装置を制御することで第2調和空気の温度および/または流量を調整する制御部を備えている。
第9観点に係る空調制御装置は、第1エリアに対して第1空調機能によって調製される第1調和空気を給気可能な第1空調装置と、第2エリアに対して第2空調機能によって調製される第2調和空気を給気可能な第2空調装置と、第2エリアとは別に設けられ、第2調和空気の少なくとも一部を第1空調装置の還気の少なくとも一部となるように通過させることが可能な流路と、第2調和空気のうち流路を通過する被調整空気の流量を調整可能な流量調整装置と、を用いて第1エリアと第2エリアとを対象として空気制御を行うための空調制御装置であって、流量調整装置は、被調整空気の流量についての所定の許容量である被調整空気許容量があり、被調整空気許容量と被調整空気の流量との関係に基づいて第2空調装置を制御することで第2調和空気の温度および/または流量を調整する制御部を備えている。
第10観点に係る空調制御装置は、第1エリアに対して第1空調機能によって調製される第1調和空気を給気可能な第1空調装置と、第2エリアに対して第2空調機能によって調製される第2調和空気を給気可能な第2空調装置と、第2エリアとは別に設けられ、第2調和空気の少なくとも一部を第1空調装置の還気の少なくとも一部となるように通過させることが可能な流路と、第2調和空気のうち流路を通過する被調整空気の流量を調整可能な流量調整装置と、第1空調装置の還気の少なくとも一部となるように外気を通過させることが可能な外気導入流路と、外気導入流路を通過する外気の流量を調整可能な外気量調整装置と、を用いて第1エリアと第2エリアとを対象として空気制御を行うための空調制御装置であって、第1エリアの空気と外気との間のエンタルピおよび/または温度との関係に基づいて外気量調整装置を制御することで外気の流量を調整する制御部を備えている。
第11観点に係る空調制御装置は、第1エリアに対して第1空調機能によって調製される第1調和空気を給気可能な第1空調装置と、第2エリアに対して第2空調機能によって調製される第2調和空気を給気可能な第2空調装置と、第2エリアとは別に設けられ、第2調和空気の少なくとも一部を第1空調装置の還気の少なくとも一部となるように通過させることが可能な流路と、第2調和空気のうち流路を通過する被調整空気の流量を調整可能な流量調整装置と、第1空調装置の還気の少なくとも一部となるように外気を通過させることが可能な外気導入流路と、外気導入流路を通過する外気の流量を調整可能な外気量調整装置と、を用いて第1エリアと第2エリアとを対象として空気制御を行うための空調制御装置であって、外気量調整装置によって調整された外気の流量に基づいて流量調整装置を制御することで被調整空気の流量を調整する制御部を備えている。
第12観点に係る空気調和方法は、第1エリアと第2エリアとを対象として空気調和を行うための空気調和方法であって、第1エリアに対する第1調和空気の給気量を調整可能な第1給気量調整部を有する第1空調装置と、第2エリアに対して第2調和空気を給気可能な第2空調装置と、第2エリアとは別に設けられ、第2調和空気の少なくとも一部を第1空調装置の還気の少なくとも一部となるように通過させることが可能な流路と、第2調和空気のうち流路を通過する被調整空気の流量を調整可能な流量調整装置と、を用いて、第1調和空気の給気量に基づいて流量調整装置によって被調整空気の流量を調整する。
第13観点に係る空気調和方法は、第1エリアと第2エリアとを対象として空気調和を行うための空気調和方法であって、第1エリアに対して第1調和空気を給気する場合の所定の許容量である第1許容量が定められており第1エリアに対する第1調和空気の給気量を調整可能な第1給気量調整部を有する第1空調装置と、第2エリアに対して第2調和空気を給気可能な第2空調装置と、第2エリアとは別に設けられ、第2調和空気の少なくとも一部を第1空調装置の還気の少なくとも一部となるように通過させることが可能な流路と、第2調和空気のうち流路を通過する被調整空気の流量を調整可能な流量調整装置と、
を用いて、第1許容量と第1給気量調整部による第1調和空気の給気量との関係に基づいて第2空調装置によって第2調和空気の温度および/または流量を調整する。
第14観点に係る空気調和方法は、第1エリアと第2エリアとを対象として空気調和を行うための空気調和方法であって、第1エリアに対して第1調和空気を給気可能な第1空調装置と、第2エリアに対して第2調和空気を給気可能な第2空調装置と、第2エリアとは別に設けられ、第2調和空気の少なくとも一部を第1空調装置の還気の少なくとも一部となるように通過させることが可能な流路と、第2調和空気のうち流路を通過する被調整空気の流量についての所定の許容量である被調整空気許容量が定められており被調整空気の流量を調整可能な流量調整装置と、を用いて、被調整空気許容量と被調整空気の流量との関係に基づいて第2空調装置によって第2調和空気の温度および/または流量を調整する。
第15観点に係る空気調和方法は、第1エリアと第2エリアとを対象として空気調和を行うための空気調和方法であって、第1エリアに対して第1調和空気を給気可能な第1空調装置と、第2エリアに対して第2調和空気を給気可能な第2空調装置と、第2エリアとは別に設けられ、第2調和空気の少なくとも一部を第1空調装置の還気の少なくとも一部となるように通過させることが可能な流路と、第2調和空気のうち流路を通過する被調整空気の流量を調整可能な流量調整装置と、第1空調装置の還気の少なくとも一部となるように外気を通過させることが可能な外気導入流路と、外気導入流路を通過する外気の流量を調整可能な外気量調整装置と、を用いて、第1エリアの空気と外気との間のエンタルピおよび/または温度との関係に基づいて外気量調整装置によって外気の流量を調整する。
第16観点に係る空気調和方法は、第1エリアと第2エリアとを対象として空気調和を行うための空気調和方法であって、第1エリアに対して第1調和空気を給気可能な第1空調装置と、第2エリアに対して第2調和空気を給気可能な第2空調装置と、第2エリアとは別に設けられ、第2調和空気の少なくとも一部を第1空調装置の還気の少なくとも一部となるように通過させることが可能な流路と、第2調和空気のうち流路を通過する被調整空気の流量を調整可能な流量調整装置と、第1空調装置の還気の少なくとも一部となるように外気を通過させることが可能な外気導入流路と、外気導入流路を通過する外気の流量を調整可能な外気量調整装置と、を用いて、外気量調整装置によって調整された外気の流量に基づいて流量調整装置によって被調整空気の流量を調整する。
第1観点に係る空気調和システム、第7観点に係る空気制御装置、および、第12観点に係る空気調和方法では、1つの空調機能が停止した場合であっても、当該空調機能を用いて空調していたエリアの快適性が損なわれにくいような効果的な空調を行うことが可能になり、第1エリアにおいて求められる調和空気の状態を反映させることができ、第1エリアのより有効な空調を行うことができるようになる。
第2観点に係る空気調和システム、第8観点に係る空気制御装置、および、第13観点に係る空気調和方法では、1つの空調機能が停止した場合であっても、当該空調機能を用いて空調していたエリアの快適性が損なわれにくいような効果的な空調を行うことが可能になり、第1エリアの空調の確実性を向上させることができる。
第3観点に係る空気調和システム、第9観点に係る空気制御装置、および、第14観点に係る空気調和方法では、1つの空調機能が停止した場合であっても、当該空調機能を用いて空調していたエリアの快適性が損なわれにくいようにすることが可能になり、第1エリアの快適性が損なわれることをより確実に抑えることができる。
第4観点に係る空気調和システム、第10観点に係る空気制御装置、および、第15観点に係る空気調和方法では、1つの空調機能が停止した場合であっても、当該空調機能を用いて空調していたエリアの快適性が損なわれにくいようにすることが可能になり、外気の状態が所定の条件を満たす場合には、外気の量を調整しつつ取り込むことで、第1空調装置の空調負荷を低減させることが可能な還気を調製することができるようになり、外気量調整装置は、外気の導入が効果的な場合に積極的に外気の導入量を増加させる等、外気の状態に応じた調整が可能となる。
第5観点に係る空気調和システム、第11観点に係る空気制御装置、および、第16観点に係る空気調和方法では、1つの空調機能が停止した場合であっても、当該空調機能を用いて空調していたエリアの快適性が損なわれにくいようにすることが可能になり、外気の状態が所定の条件を満たす場合には、外気の量を調整しつつ取り込むことで、第1空調装置の空調負荷を低減させることが可能な還気を調製することができるようになり、空調機能が停止された対象空間の快適性を損なわれにくくすることが可能となるとともに、より省エネ化を図ることができるようになる。
第6観点に係る空気調和システムでは、1つの空調機能が停止した場合であっても、当該空調機能を用いて空調していたエリアの快適性が損なわれにくいようにすることが可能になり、外気の状態が所定の条件を満たす場合には、外気の量を調整しつつ取り込むことで、第1空調装置の空調負荷を低減させることが可能な還気を調製することができるようになり、空気調和システムを対象物件に適用する際の配置の自由度を向上させることができる。
[協調空調システムの構成]
本発明の一実施形態に係る協調空調システムを、図1に示す。協調空調システムは、インテリジェント化されたビル等を対象として空調設備の運転・管理を行うシステムであって、セントラル空調システム100とビル用マルチ空調システム200とが、上位のシステムである設備管理装置12によって協調制御されることにより運用されるシステムである。
<設備管理装置による協調制御>
設備管理装置12は、図1に示すように、セントラル空調システム100とビル用マルチ空調システム200とから各種データを取得する取得部12aと、取得部12aで取得したデータに基づいてこれらの各システムの制御を行う制御部12bとを備えている。設備管理装置12は、セントラル空調システム100とビル用マルチ空調システム200とを協働させて、空調対象エリアの快適化を図る協調制御を行う。
<セントラル空調システムの詳細構成>
セントラル空調システム100は、本協調空調システムが採用される複数の部屋等から構成される1つのビルに対して、1つの中央熱源機器110を運転することにより、複数の部屋等の全てを対象として空調を行う構成となっている。したがって、セントラル空調システム100の中央熱源機器110の運転が停止されると、全てのエリアにおける熱交換ができなくなり、空調が行われなくなる。
セントラル空調システム100の構成について、セントラル空調システム100を主に示した図2を用いて説明する。このセントラル空調システム100は、主に、エアハン14、VAVユニット16、および排気ファン51を1パック化したパッケージシステムであり、エアハン14内のエアハンコントローラ31や調製装置コントローラ32によってパック内の制御を完結させることが可能である。また、セントラル空調システム100のエアハンコントローラ31および調製装置コントローラ32は、ネットワークによって上位システムであるBAS(ビル・オートメーション・システム)と接続される。
エアハン14は、中央熱源機器110から冷水や温水を得て熱交換を行いVAVユニット16に供給する空気を冷却したり暖めたりする主機能を有するとともに、加湿機能も有する空調機ユニットである。エアハン14は、フィルタ53、冷却部41、加熱部42、および加湿部43を備えている。フィルタ53は、エアハン14に取り込まれる還気や外気の空気を通過させて、空気を清浄化させる。冷却部41には、冷水バルブ44により調整された流量の冷水が流される。加熱部42には、温水バルブ45により調整された流量の温水が流される。加湿部43は、複数のノズルを有しており、加湿バルブ46により調整された蒸気を噴霧する。これらの冷却部41、加熱部42、および加湿部43は、図2において示すように、上述したセントラル空調システム100の中央熱源機器110と協働されることで、各機能が発揮される。
また、エアハン14内には、エアハン14の各バルブ44,45,46や給気ファン47,排気ファン51,外気導入ダンパ77,還気ダンパ49,排気ダンパ52等を制御するエアハンコントローラ31が配置されている。
このエアハンコントローラ31は、さらに、後述するVAVユニット16のVAVコントローラ61を介してVAVダンパ62を制御したり、VAVユニット16やインテリア温湿度センサ18から部屋80のインテリアゾーンIZの温度データ等を受信したりする。
冷却部41、加熱部42、および加湿部43により調和された空気をVAVユニット16へと送り出すための給気ファン47や、部屋80や廊下・トイレ等から排気を行うための排気ファン51は、エアハンコントローラ31によってインバータ制御される。また、排気ファン51の上流側で排気量を調整する排気ダンパ52は、エアハンコントローラ31によってその開度が調整される。
VAVユニット16は、エアハン14内の給気ファン47によって送られてくる調和された空気を、その量を調整して部屋80のインテリアゾーンIZに対して吹き出す風量調整機器(Variable Air Volume unit)である。ここでは、1台のエアハン14に対して、複数台のVAVユニット16が接続される。このVAVユニット16は、給気ファン47と協働して風量調整装置17を構成する。また、各VAVユニット16は、インテリアゾーンIZにおいて所定の間隔で配置される。VAVユニット16は、VAVコントローラ61、VAVダンパ62、温度センサ63、湿度センサ(図示せず)、風量センサ(図示せず)等を備えている。VAVコントローラ61は、後述するローカル通信ライン20を介してエアハンコントローラ31に接続され、エアハンコントローラ31の指令を受けてVAVダンパ62の開度を調整したり、VAVダンパ62等の状態をエアハンコントローラ31に送信したりする。
また、エアハンコントローラ31は、さらに、調製装置コントローラ32およびバイパスVAVユニット90のバイパスVAV制御部91を介してバイパスVAVダンパ92を制御したり、調製装置コントローラ32およびエアハン還気調製装置70の外気導入量制御部75を介してダンパ76を制御したりする。また、エアハンコントローラ31は、調製装置コントローラ32を介して、流用空気温湿度センサ93から流用空気SB1(図4参照)の温湿度データ等を受信したり、混合空気温湿度センサ74、エアハン還気温湿度センサ78、外気温湿度センサ79等から各温湿度データ等を受信したりする。
バイパスVAVユニット90は、ビル用マルチ空調システム200の室内機203によって得られる調和空気をエアハン14の還気側に送るための流用ダクト9(図4参照)において、通過する調和空気の風量を調整する。このバイパスVAVユニット90は、調製装置コントローラ32によってその風量が制御されることで、流用空気SB1(図4参照)の流量が調整される。
エアハン還気調製装置70には、外気導入ダンパ77が設けられており、所定の換気量を補償するためにエアハン14の還気側に外気を導入する。この外気導入ダンパ77は、調製装置コントローラ32によってその開度が制御されることで、外気の導入量が調整される。
バイパスVAV制御部91は、後述する通信線29を介して調製装置コントローラ32と接続され、外気導入量制御部75は、後述する通信線27を介して調製装置コントローラ32と接続され、この調製装置コントローラ32がローカル通信ライン22を介してエアハンコントローラ31に接続される。調製装置コントローラ32は、エアハンコントローラ31からの指令を受けて、バイパスVAVユニット90の流用空気SB1の流量を調整したり、外気導入ダンパ77の外気の導入量を調整したり、バイパスVAVユニット90や外気導入ダンパ77等の状態をエアハンコントローラ31に送信したりする。また、調製装置コントローラ32は、バイパスVAVユニット90の制御とエアハン還気調製装置70の外気導入ダンパ77の制御とを関連させた制御を行う。
(エアハンコントローラとVAVコントローラとの接続)
VAVコントローラ61は、接続ポート61aによってローカル通信ライン20に接続されている。
ローカル通信ライン20は、エアハンコントローラ31が持つ3つの接続ポート31a,31b,31cのうちローカル通信用接続ポート31bから延びるツイストペアケーブルである。
エアハンコントローラ31は、上記のローカル通信用接続ポート31bを、上位システムとの通信用である上位通信用接続ポート31aとは別に備えている。したがって、VAVユニット16は、BASのネットワークの通信ライン10を介することなくエアハン14内のエアハンコントローラ31とローカルに接続され、エアハン14とともに1パック化される。
(エアハン内のコントローラとVAVコントローラとの通信内容)
エアハン14内のエアハンコントローラ31は、VAVコントローラ61へと制御データを送信するとともに、VAVコントローラ61から送信されてくる監視データを受信する。制御データとは、発停指令、室内温度設定、冷暖房モード指令、VAV起動/停止指令などである。監視データとは、給気温度計測値、室内計測温度、室内計測湿度、VAV状態、VAV要求風量、VAV計測風量、VAV開度状態などのデータである。
また、エアハンコントローラ31には、各バルブ44,45,46や各ダンパ48,49,52、ファン47,51から状態データが送られてくる他、エアハン14に配備されている差圧スイッチ、露点温度発信器、サーミスタ、湿度センサなど(図示せず)から所定のデータが送られてくる。例えば、エアハン14の風量調整部17(図4参照)では、エアハン給気SAの給気量が、バイパスVAVユニット90における流用空気SB1の流量を越える流量となるように制御される。
(エアハンコントローラと調製装置コントローラとの接続)
調製装置コントローラ32は、VAVコントローラ61と同様に、接続ポート32aによってローカル通信ライン22と接続されている。
ローカル通信ライン22は、上述のローカル通信ライン20と同様であり、エアハンコントローラ31が持つ3つの接続ポート31a,31b,31cのうちローカル通信用接続ポート31cから延びて調製装置コントローラ32の接続ポート32aに接続されている。また、調製装置コントローラ32は、通信線27によって、エアハン還気調製装置70、混合空気温湿度センサ74、エアハン還気温湿度センサ78、外気温湿度センサ79等と接続され、制御を実行したり、データを検知することが可能となっている。また、調製装置コントローラ32は、通信線29によって、バイパスVAVユニット90、流用空気温湿度センサ93等と接続され、制御を実行したり、データを検知することが可能となっている。調製装置コントローラ32は、BASのネットワークの通信ライン10を介することなくエアハン14内のエアハンコントローラ31とローカルに接続することもできるようになっている。
また、エアハンコントローラ31は、ローカル通信用接続ポート31bと同様に、上記のローカル通信用接続ポート31cを、上位システムとの通信用である上位通信用接続ポート31aとは別に備えている。したがって、外気導入ダンパ77およびバイパスVAVユニット90は、BASのネットワークの通信ライン10を介することなくエアハン14内のエアハンコントローラ31とローカルに接続され、エアハン14とともに上位のシステムから独立した制御を行うことが可能になっている。
(エアハンコントローラと調製装置コントローラとの通信内容)
エアハン14内のエアハンコントローラ31は、調製装置コントローラ32へ後述するハイブリッド空調制御に関するデータを送信するとともに、調製装置コントローラ32から送信されてくる検知データを受信する。ここでの検知データとしては、ビル用マルチ空調システム200による調和空気の温度や湿度データ、ペリメータゾーンPZからの還気の温度や湿度データ、インテリアゾーンIZからの還気の温度や湿度データ、外気の温度や湿度等のデータ、室内温度設定データ、冷暖房モードデータ、VAV起動/停止指令データ、VAV要求風量、VAV計測風量、VAV開度状態等のデータがある。また、ハイブリッド空調制御に関するデータとしては、例えば、調製装置コントローラ32において上記検知データを基にして算出されるデータである、バイパスVAVユニット90の流量制御データ、外気導入量制御データ等がある。例えば、バイパスVAVユニット90の流量制御データの算出は、主に、エアハン14におけるエアハン給気SAの給気量や、インテリア温湿度センサ18の検知する値や、導入する外気OAの温度、室内機203の設定温度またはビルマル給気SBの温度に基づいた算出が行われる。
<ビル用マルチ空調システムの詳細構成>
本発明の協調空調システムの一部を構成するビル用マルチ空調システム200の冷媒回路の概略図を、図3に示す。ビル用マルチ空調システム200は、図1に示すように、主に、複数台の空冷式の室外機201、202・・・(なお、図3では複数のうちの1台である室外機202を例として図示する)と、それに並列に接続された複数台の室内機203,204,205・・・(なお、図3では室外機202に接続される複数の室内機203、204、205を図示する)とを備えており、上述のビル等のオフィス毎の空調に適用される。
ビル用マルチ空調システム200では、室外機201,202・・・毎に、空調対象エリアが設定され、この各室外機201,202・・・に接続される各室内機203,204,205・・・によって、各空調対象エリアの空調負荷、空調時間帯等に応じた空調が行われる。ここで、室外機201に接続される室内機が空調対象とするエリアと、室外機202に接続される各室内機203,204,205・・・が空調対象とする複数の部屋からなるエリアとがある場合に、室外機202が対象とするエリアの空調は必要であると同時に室外機201が対象とするエリアの空調が不要となる状況が起こりうる。この場合、室外機201の熱源機器のみを停止して室外機201が対象とするエリアの空調をやめるとともに、室外機202が対象とするエリアの空調は室外機202の熱源機器の運転を続行させることで引き続き空調を行うことができる。この点で、ビル用マルチ空調システム200は、セントラル空調システム100と比べてより個別的な空調を行うことが可能となっている。
ここで、上述した室内機203、204、205のうち、室内機203が設置される部屋80は、上述したインテリアゾーンIZとペリメータゾーンPZを有する室内空間である。また、図3において示すように、室内機204は部屋234に、室内機205は部屋235にそれぞれ設置される。ここでは、室内機203が設置される部屋80と、その他の部屋234、235とは、それぞれ空調負荷、空調時間帯等の特性が異なっている場合においても、室内機203,204,205は、各対象エリアの空調負荷、空調時間帯等の特性に対応するような空調制御が可能となっている。なお、各室外機201、202・・・は、図1において示すように、ネットワークによって上位システムであるBAS(ビル・オートメーション・システム)と接続され、個別的な制御が可能になっている。
室外機201,202・・・は、屋外に配置されており、主に、圧縮機211と、室外熱交換器212とを有している。圧縮機211は、冷媒ガスを所定の圧力まで圧縮するための機器である。室外熱交換器212は、冷媒ガスを外気と熱交換させる機器、いわゆる、空冷式の熱交換器である。
室内機203、204、205・・・は、主に、膨張弁213、214、215と、室内熱交換器223、224、225とを有している。膨張弁213、214、215は、室外熱交換器212において熱交換されて凝縮された冷媒液を減圧する。室内熱交換器223、224、225は、膨張弁213、214、215において減圧された冷媒によって各室内の空気と熱交換させるための機器である。
例えば、図3に示すように、室外熱交換器212と膨張弁213、214、215とは、液側冷媒配管216によって接続されている。また、室内熱交換器223、224、225と圧縮機211とは、ガス側冷媒配管217によって接続されている。
以上のように、機器および冷媒配管が接続されて、ビル用マルチ空調システム200の冷媒回路が構成されている。また、上記室内機203は、図4に示すように、送風機243や、ペリメータ温湿度センサ253等が備えられ、部屋80のうち主にペリメータゾーンPZを対象として空調を行う室内機である。
なお、上記においては、冷房時について説明したが、ビル用マルチ空調システム200では、図示しない四路切換弁を切り換えることで冷媒の流れを逆にして暖房運転を行わせることもできる。
<協調空調システムを含むBAS>
エアハンコントローラ31を備えるセントラル空調システム100と、ビル用マルチ空調システム200とは、上位のシステムであるBAS(ビル・オートメーション・システム)を構成する複数のサブシステムのうちの1つとして位置づけられる。BASは、ネットワークの技術を利用したオープンシステムであり、通信ライン10にセントラル空調システム100やビル用マルチ空調システム200等のような複数のサブシステムおよびビル管理用の設備管理装置12が接続される構成となっている。そして、セントラル空調システム100やビル用マルチ空調システム200等のサブシステムは、設備管理装置12によって制御や監視を受けることになる。また、設備管理装置12は、上述のように、セントラル空調システム100とビル用マルチ空調システム200とから各種データを取得する取得部12aと、取得部12aで取得したデータに基づいてこれらの各システムの制御を行う制御部12bとを備えている。設備管理装置12では、取得部12aで取得したデータに基づいて制御部12bによってエアハン14やVAVユニット16、調製装置コントローラ32等への制御指令が作成され、送信される。
セントラル空調システム100のエアハンコントローラ31は、上位システムとの通信用である上位通信用接続ポート31aによって、ネットワークの通信ライン10に接続される。上位通信用接続ポート31aは、上述のローカル通信用接続ポート31b、32cやVAVコントローラ61の接続ポート61aや調製装置コントローラ32の接続ポート32aと同じく、ネットワークに対応した通信用ICのネットワーク機能を利用する接続ポートである。この上位通信用接続ポート31aにより通信ライン10を介して設備管理装置12と接続されたエアハンコントローラ31は、設備管理装置12との間で次のような情報のやりとりを行う。
まず、エアハンコントローラ31は、設備管理装置12から送られてくるエアハン14やVAVユニット16、調製装置コントローラ32等への指令を受信する。具体的には、エアハン14の発停指令、ウォーミングアップ指令、給気温度設定指令、給気露点温度設定指令、外気冷房指令、室内温度設定指令、調製装置コントローラ32に対するバイパスVAVユニット90の流量制御データ、外気導入ダンパ77の外気導入量制御データ等が挙げられる。このような指令を受け、エアハンコントローラ31は、エアハン14やVAVユニット16を制御したり必要な監視データの収集を行い、調製装置コントローラ32は、バイパスVAVユニット90の流量制御や、外気導入ダンパ77の外気導入量制御等を行ったり、これらから必要な監視データの収集を行う。
また、エアハンコントローラ31は、エアハン14やVAVユニット16、バイパスVAVユニット90や外気導入ダンパ77の状態や設定などに関する監視データを、設備管理装置12に対して送信する。具体的には、運転モード状態、給気ファン運転状態、給気ファン警報状態、給気インバータ出力、フィルタ警報状態、給気温度計測値、還気ダンパ開度、冷水バルブ開度、室内計測温度、室内計測湿度、VAV起動/停止指令データ、VAV要求風量、VAV計測風量、VAV開度状態、ビル用マルチ空調システム200による調和空気の温度や湿度データ、ペリメータゾーンPZからの還気の温度や湿度データ、インテリアゾーンIZからの還気の温度や湿度データ、外気の温度や湿度等のデータ、室内温度設定データ、冷暖房モードデータ等のデータといった監視データが挙げられる。
[協調空調システムのコアタイム中の空調制御]
<セントラル空調システムによるインテリアゾーンを対象とした空調制御>
エアハンコントローラ31および調製装置コントローラ32は、セントラル空調システム100において、給気温度制御、給気露点温度制御、ウォーミングアップ制御、給気風量制御、給気温度ロードリセット制御および外気冷房制御等を行う。これによって、図4において示すように、セントラル空調システム100によって、部屋80のうち、主としてインテリアゾーンIZを対象とした空調を行うことができる。ここでのセントラル空調システム100による空調は、インテリア温湿度センサ18が検知する温湿度に基づいて行われる。ネットワークの通信ライン10を介して上位の設備管理装置12と接続された後には、設備管理装置12からの指令によってエアハンコントローラ31が各種制御を行うことになるが、エアハンコントローラ31が上位のシステムと接続されていない状態であっても、エアハンコントローラ31が主体的に各種制御を実行することが可能である。この場合には、図示しないリモコンや本体操作スイッチからのエアハンコントローラ31への操作入力に従って各種制御が実行される。
<ビル用マルチ空調システムによるペリメータゾーンを対象とした空調制御>
室外機202は、ネットワークの通信ライン10を介して上位の設備管理装置12と接続され、設備管理装置12からの指令を受けることによって、ビル用マルチ空調システム200において、室内機204、205とともに室内機203を稼働させる。これにより、図4において示すように、室内機203が、部屋80のうち、主としてペリメータゾーンPZを対象とした空調を行うことができる。ここでのビル用マルチ空調システム200による空調は、ペリメータ温湿度センサ253が検知する温湿度に基づいて行われる。
上述したように、セントラル空調システム100が主としてインテリアゾーンIZを対象とし、ビル用マルチ空調システム200が主としてペリメータゾーンPZを対象として、両システムが協調することで、部屋80の空調を行うことができる。これにより、OA機器等からの発熱が空調負荷に影響を及ぼすインテリアゾーンIZと、窓11からの輻射冷気が空調負荷に影響を及ぼすペリメータゾーンPZとで空調負荷の異なるエリアを含む部屋80を対象とする場合であっても、それぞれのエリアの負荷に対応した空調を行うことができる。
ここで、セントラル空調システム100とビル用マルチ空調システム200との両システムが協調して、部屋80を対象に空調する場合の空気流れについて、図4を参照しながら、以下説明する。
<セントラル空調システムとビル用マルチ空調システムによる協調制御>
空調負荷が大きくなるコアタイム中では、セントラル空調システム100の中央熱源機器110を稼働させた空調が行われる。このセントラル空調システム100では、図4および図5において示すように、室内機203によって調和されたビルマル給気SBの一部である流用空気SB1と、インテリアゾーンIZからの還気であるインテリア還気RA1と、ペリメータゾーンPZからの還気であるペリメータ還気RA2と、外気OAとが混合されて、エアハン14のエアハン還気RAを構成する。このエアハン還気RAは、エアハン14のフィルタ53、冷却部41,加熱部42,加湿部43等によって調和・清浄されてインテリアゾーンIZに対して給気され、部屋80のうちのインテリアゾーンIZが空調される。具体的には、インテリア還気RA1はダクト1を介することで、流用空気SB1はバイパスVAVユニット90によって流量を調整されて流用ダクト9およびダクト2を介することで、ペリメータ還気RA2はダクト8およびダクト2を介することで、各空気が混合されて還気混合空気RA3となる。この還気混合空気RA3の温度は、流用空気SB1がバイパスVAVユニット90によって流量を調整されることで調整される。ここで、バイパスVAVユニット90は、上述した調製装置コントローラ32によって、インテリア温湿度センサ18の検知する値、室内機203の設定温度またはビルマル給気SBの温度、導入する外気OAの温度、エアハン14におけるエアハン給気SAの給気量に基づいて、流用空気SB1の流量の調整制御が行われる。ここでは、調製装置コントローラ32がバイパスVAV制御部91に対して制御信号を送信することで、バイパスVAV制御部91がバイパスVAVダンパ92の開度を調整して風量増減制御されることで、流用空気SB1の流量が制御される(図2参照)。また、還気混合空気RA3の温度が、還気混合空気RAに対してさらに所定量の外気OAが混合された後にエアハン還気RAとして求められる温度になるように、流用空気SB1の流量が調整される。温度調整された還気混合空気RA3はダクト3を介して、外気導入ダンパ77において、外気導入ダクト4を介して導入量が調整された外気OAと混合される。ここでは、還気混合空気RA3に対してさらに所定量の外気OAが混合されることで、エアハン還気RAが調製されてエアハン14の還気側に供給される。このエアハン還気調製装置70の外気導入ダンパ77では、上述のように、外気導入量制御部75によってダンパ76の開度が制御され、外気OAの導入量が一定の量に維持されるように調整される。なお、ここでは、外気OAの導入量は、最低外気補償量を越える所定の量とされる。エアハン還気RAは、エアハン14の冷却部41,加熱部42,加湿部43等によって調和され、エアハン給気SAとなる。この調和されたエアハン給気SAは、給気ファン47によってダクト5を介して各VAVユニット16まで供給され、各VAVユニット16において風量が調整されることによりインテリアゾーンIZに対して給気される。
ビル用マルチ空調システム200では、コアタイム中は、図4および図5において示すように、インテリアゾーンIZからの還気であるビルマル還気RBを、室内機203の室内熱交換器223によって熱交換する等によって調和して、ビルマル給気SBが調製される。このビルマル給気SBは、その一部がペリメータゾーンPZに対して給気されることによりペリメータゾーンPZを対象とした空調を行い、残りの一部が上述の流用空気SB1としてエアハン還気RAに供給される。具体的には、ビルマル還気RBは、ダクト6を介して室内機203に取り込まれ、室内熱交換器223と熱交換を行うこと等により調和されて、ビルマル給気SBとなる。このビルマル給気SBの流量は、送風機243によって、バイパスVAVユニット90における流用空気SB1の流量を越える流量となるように制御される。このようにビルマル給気SBは、送風機243によって室内機203外に吹き出されるが、バイパスVAVユニット90の風量に応じて、流用ダクト9およびダクト2を介して流用空気SB1としてエアハン還気RAに供給され、残りの一部がダクト7を介してペリメータ給気SB2としてペリメータゾーンPZに対して給気される。ここでのバイパスVAVユニット90における風量は、上述のように調製装置コントローラ32からの制御信号を受けるバイパスVAV制御部91によって制御される。
[協調空調システムのコアタイム外のハイブリッド空調制御]
<協調空調システムによるハイブリッド空調制御>
コアタイム外においては、協調空調システムの空調対象となるビル等の物件における各階毎の空調負荷は異なるが、ほとんどの対象空間において残業時間帯となることで、インテリアゾーンIZの空調負荷が全体的に低下する。これに伴って、ハイブリッド空調制御が開始される。
ハイブリッド空調制御では、対象物件を一括空調しているセントラル空調システム100の中央熱源機器110の運転が停止され、空調が必要となるエリアにおいては、ビル用マルチ空調システム200を主として調製装置コントローラ32によってバイパスVAVユニット90やエアハン還気調製装置70の調整を開始して、室内機203を稼働し続け、エアハン14は送風運転とする。すなわち、セントラル空調システム100の中央熱源機器110の運転が停止して冷却部41、加熱部42等が機能しなくなっても、セントラル空調システム100のエアハン14の給気ファン47を個別的に稼動させることで、セントラル空調システム100の送風機能のみを利用する。なお、コアタイム外の残業時間帯において、外気冷房が有効となる状況では、後述する外気冷房を利用したハイブリッド空調制御が行われる。なお、セントラル空調システム100の中央熱源機器110の運転に要するエネルギーは、ビル用マルチ空調システム200の熱交換器の運転に要するエネルギーよりも多く、残業時間帯に中央熱源機器110を停止することで、効果的な省エネ効果が得られる。
まず、ハイブリッド空調制御の運転開始時においては、図6において示すように、バイパスVAVユニット90のバイパスVAVダンパ92が開けられてその開度が調製装置コントローラ32によって制御され(図3参照)、流用ダクト9を通過する流用空気SB1の流量が調整されることになる。この際、室内機203の送風機243は、コアタイム中におけるビルマル給気SBの風量よりもさらに流用空気SB1の分だけ風量を増大させる。すなわち、流用空気SB1とペリメータ給気SB2の合計がビルマル給気SBとなるように、室内機203が送風機243を制御する。この制御によると、ハイブリッド空調制御が開始された場合でも、ペリメータゾーンPZに対するペリメータ給気SB2の流量は変わらないため、ペリメータゾーンPZの快適性を維持するように空調することができる。
なお、ハイブリッド空調制御が開始されると、バイパスVAVユニット90における流用空気SB1の流量は、調製装置コントローラ32によって制御される。調製装置コントローラ32では、インテリア温湿度センサ18によって検知される値およびエアハン給気SAの給気量、さらにはビルマル給気SBの温度に基づいて、流用空気SB1の流量を制御する。これにより、インテリアゾーンIZにおける空調負荷およびバイパスVAVユニット90において得られる空気の温度に基づいて、インテリアゾーンIZにおいて必要とされる流用空気SB1の量をより確実に推定することができる。そして、温度調整されたエアハン還気RAが、インテリアゾーンIZの空調負荷や、エアハン還気RAの温度およびインテリア温湿度センサ18によって検知される温度に応じて、風量調整部17(給気ファン47および各VAVユニット16)によって風量調整され、インテリアゾーンIZの空調負荷の変動に対応した空調を行うことで、インテリアゾーンIZの快適性を維持できるようになる。
例えば、インテリアゾーンIZに配置されているOA機器等からの発熱によって、インテリアゾーンIZの冷房負荷が増えてくると、インテリア温湿度センサ18が検知する温度がインテリアゾーンIZにおける設定温度を超える状態となる。これにより、エアハンコントローラ31から制御指令を受けるVAVコントローラ61が、VAVユニット16において要求される給気量が上昇していることを検知して、VAVユニット16の風量を上げる。これにより、風量調整部17において風量が上げられ、給気ファン47の送風量も上昇する。ここで、外気OA導入量は固定されているため、上昇した風量に対応するように、インテリア還気RA1と、ペリメータ還気RA2と、流用空気SB1との量が調整される。しかし、ここでは、バイパスVAVユニット90において流用空気SB1の流量が制御されることによって、インテリア還気RA1の還気量とペリメータ還気RA2の還気量とは自動的に定まることになる。このようにインテリア還気RA1とペリメータ還気RA2の還気量とが自動的に定まり、バイパスVAVユニット90における流用空気SB1の流量が制御されることで、エアハン還気RAの温度が所定の温度となるように調整される。なお、残業時間帯におけるハイブリッド空調制御では、エアハン14は熱交換を行わずに送風運転するだけであるため、このように温度調整されたエアハン還気RAは、調整された所定の温度のままインテリアゾーンIZに対して給気される。なお、上昇した風量に対応するようにバイパスVAVユニット90における流用空気SB1の流量が増加する場合には、相対的にペリメータ給気SB2の流量が減少することになる。このため、ペリメータゾーンPZの空調を効果的に行うことが困難となりペリメータゾーンPZの温度が上昇する。そして、ペリメータ温湿度センサ253によって検知される温度が、ペリメータゾーンPZの設定温度を超える状態になると、室内機203が空調機能を高めて、室内熱交換器223や送風機243の出力を上げることで、ペリメータゾーンPZの快適性を確保することができるような空調が行われる。なお、これによりバイパスVAVユニット90における流用空気SB1の温度も下がることになる。これにより、エアハン還気RAの温度を、目標とする温度に確実に調整できるようになる。
また、例えば、インテリアゾーンIZの冷房負荷が減少してくると、上記制御とは反対に、エアハン給気SAの流量が減少し、バイパスVAVユニット90の流用空気SB1の流量も減少し、相対的にペリメータ給気SB2の量が上昇する。これにより、ペリメータゾーンPZが冷え過ぎる状態となり、室内機203は、空調能力を下げて、ペリメータゾーンPZの快適性を保つことになる。また、これにより、流用空気SB1の温度が上がり、エアハン還気RAの温度を、目標とする温度に確実に調整できるようになる。
このように、残業時間帯等におけるハイブリッド空調制御では、インテリアゾーンIZの空調負荷の変動は、ビル用マルチ空調システム200の空調能力の加減によって対応した調整が行われ、セントラル空調システムの中央熱源機器110の運転が停止された残業時間帯であっても、空調対象であったインテリアゾーンIZの快適性を維持することができる。
<協調空調システムによる外気冷房を利用したハイブリッド空調制御>
コアタイム外の残業時間帯において、外気冷房が有効となる状況では、上述した外気OAの導入量を一定量とするのではなく積極的に外気OAの導入を行う制御である、外気冷房を利用したハイブリッド空調制御が行われる。ここで、外気冷房が有効となる状況としては、外気OAのエンタルピが、インテリアゾーンIZの空気のエンタルピよりも小さい場合や、外気OAの温度が、インテリアゾーンIZの空気の温度よりも低い場合等であり、外気温湿度センサ78の検知する値に基づいて判断される。
外気冷房を利用したハイブリッド空調制御では、図7において示すように、インテリア還気RA1と、ペリメータ還気RA2と、流用空気SB1との量が調整されることで、還気混合空気RA3(図7参照)が調製される。ここでは、バイパスVAVユニット90における流用空気SB1の流量制御によって、インテリア還気RA1の還気量とペリメータ還気RA2の還気量とに対する流量が調整され、還気混合空気RA3の温度が所定の温度となるように調整される。これにより所定の温度に調整された還気混合空気RA3は、さらに外気OAが混合されて、エアハン還気RAとして要求される温度の空気に調整される。ここでの温度調整は、外気冷房有効時における外気OAの導入量を増減させることで調整する。
例えば、インテリアゾーンIZの冷房負荷が増えた場合には、外気冷房有効時の外気OAの導入量を増加させることで、エアハン還気RAの温度が所定の温度に維持されるように調整することができる。この場合には、外気OAの導入量増加によって、相対的にインテリア還気RA1とペリメータ還気RA2の量が減少し、その減少分に応じて排気量が増えることになる(図示せず)。
また、インテリアゾーンIZの冷房負荷が減少した場合には、外気冷房有効時の外気OAの導入量を減少させることで、エアハン還気RAの温度が所定の温度に維持されるように調整することができる。この場合には、外気OAの導入量減少によって、相対的にインテリア還気RA1とペリメータ還気RA2の量が増加し、その増加分に応じて排気量が減少することになる(図示せず)。
このように、残業時間帯等における外気冷房を利用したハイブリッド空調制御では、インテリアゾーンIZの空調負荷の変動は、外気OA導入量の増減によって対応した調整が行われ、セントラル空調システムの中央熱源機器110の運転が停止された残業時間帯であっても、空調対象であったインテリアゾーンIZの快適性を維持することができ、省エネ効果も得られる。
[本実施形態の協調空調システムの特徴]
(1)
従来の空気調和システムでは、1つの物件に対して2つの空調システムが用いられ、空調負荷の異なるエリアに対してそれぞれ空調システムを対応させることで両エリアを空調している。ところが、一方の空調システムの空調機能が停止された場合には当該停止した空調システムを用いて空調されていたエリアを空調することができない。この場合、他方の稼働中の空調装置によって得られる調和空気を当該空調されていたエリアに対して給気させることで対処している。しかし、稼働中の空調装置によって得られる調和空気を単に当該空調されていたエリアに対して給気するだけでは、当該空調されていたエリアの環境条件等に基づく空調負荷の変動が考慮されず、快適性が損なわれてしまうおそれがある。
これに対して、上記協調空調システムでは、ビルマル給気SBの一部を流用空気SB1として、ペリメータゾーンPZを介さない流用ダクト9を通過させてエアハン14の還気RAの一部とすることが可能である。この流用空気SB1は、空調負荷のあるペリメータゾーンPZを介することなく流用ダクト9を通過させることで、室内機203で調和された状態をほぼ維持したままエアハン還気RAの一部として流用することができる。また、バイパスVAVユニット90によって、流用空気SB1の流量を調整することができる。このため、残業時間帯等においてセントラル空調システム100の中央熱源機器110の運転が停止された場合であっても、この流用ダクト9を通過する流用空気SB1の流量が調整されることにより、インテリアゾーンIZにおいて要求される調和空気を調製して給気することができる。このため、中央熱源機器110の運転が停止した場合であっても、エアハン14が空調していたインテリアゾーンIZの快適性が損なわれないように、インテリアゾーンIZの空調を続行することができる。なお、セントラル空調システム100の中央熱源機器110の運転が停止された場合であっても、新たな空調装置等を用いることなく、既存の空気調和システムによってインテリアゾーンIZを空調することができる。
また、セントラル空調システム100の中央熱源機器110が停止した場合であっても、エアハン14の風量調整部17を積極的に有効に利用することで送風運転することが可能であり、インテリアゾーンIZの各エリアに対して調和空気を給気でき、インテリアゾーンIZにおける全体的な空調を続行できる。また、中央熱源機器110の運転が停止されており、エアハン14自体では熱交換等が行われないことから、セントラル空調システム100側の空調負荷をなくして省エネを図ることができる。なお、セントラル空調システム100の運転を、より個別的な空調方式であるビル用マルチ空調システム200よりも優先して停止させることで、省エネを効果的なものとすることができる。
また、外気導入ダクト4を介して外気導入ダンパ77によって外気OAの導入量を調整しつつ取り込むことで、エアハン14の空調負荷を低減させ、省エネ効果が得られる。
(2)
上記協調空調システムでは、バイパスVAVユニット90が、流用空気SB1の流量を、エアハン14の風量調整部17における給気量に基づいて調整することができる。このため、インテリアゾーンIZにおいて求められる調和空気の状態を反映させて調整することができる。
また、風量調整部17において、流用空気SB1を積極的に取り込むことで、流用空気SB1がペリメータゾーンPZやインテリアゾーンIZに対して逆流してしまうことを防いで、インテリアゾーンIZに対してより確実に給気することができる。また、外気冷房有効時において、外気OAの導入が困難となるような弊害を防止することも可能となる。
また、中央熱源機器110の運転が停止されても、エアハン14の給気ファン47と複数のVAVユニット16とを協働させて、インテリアゾーンIZのゾーン毎に対応した風量に調整することで、ゾーン毎のより細やかな空調ができる。
以上の各制御によって、インテリアゾーンIZを快適にすることができる。
(3)
上記協調空調システムでは、インテリアゾーンIZの温度がインテリア温湿度センサ18によって検知され、バイパスVAVユニット90がこれに基づいて流用空気SB1の流用量を調整するため、エアハン還気RAの温度調整に反映させることができる。
また、バイパスVAVユニット90が、室内機203のビルマル給気SBの温度または室内機203の設定温度に基づいて流用空気SB1の流量を調整するため、インテリアゾーンIZの空調に必要な量の流用空気SB1に調整することができる。
なお、バイパスVAVユニット90は、インテリアゾーンIZを快適にするために必要とされる流用空気SB1の流量を、ビルマル給気SBの温度または室内機203の設定温度とインテリアゾーンIZにおける設定温度との関係で調整することで、インテリアゾーンIZの快適性が損なわれにくいようにより効果的な空調を行うことができるようになる。例えば、インテリアゾーンIZが冷房負荷の状態である場合においても、ビルマル給気SBの温度または室内機203の設定温度がインテリアゾーンIZの設定温度よりも低ければ低いだけ流用空気SB1の流量は少量で足りることになる。
(4)
上記協調空調システムでは、室内熱交換器223によって得られるビルマル給気SBのトータル流量を、流用空気SB1の流量を越える流量に調整する。このため、バイパスVAVユニット90において必要とされる流用空気SB1の流量が増加する場合であっても、ペリメータゾーンPZに対するペリメータ給気SB2を確保することができ、ペリメータゾーンPZにおける空調も確保することができる。また、室内機203は、ペリメータ温湿度センサ253が検知する値に基づいて、室内機203の設定温度とビルマル給気SBの流量を調整する。このため、ペリメータゾーンPZについての快適性も向上させることができる。
[他の実施形態]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
(A)
上記協調空調システムでは、流用ダクト9には、流用空気SB1の風量を調整するためのバイパスVAVユニット90が配置されている。
これに対して、図8、図9、図10において示すように、流用ダクト9の仕切度合いを調整することで流用空気SB1の量を調整することが可能なバイパスダンパ190を配置する構成であってもよい。この場合であっても、ビルマル給気SBのうちの必要な量を流用空気SB1として、流用ダクト9を介してエアハン14の還気側に送ることができる。このバイパスダンパ190も、上記実施形態におけるバイパスVAVユニット90と同様に、調製装置コントローラ32によって制御させることが可能である。すなわち、図9に示すように、バイパスダンパ190のダンパ192の開度を調整するバイパスダンパ制御部191を備えさせ、バイパスダンパ190を通過させる空気の温度を検知可能な温度センサ193を設けることで、上記バイパスVAVユニット90と同様の制御が可能となる。
(B)
上記協調空調システムでは、ビル用マルチ空調システム200の室内機203は、ペリメータ温湿度センサ253で検知される値に基づいて、室内機203の設定温度やビルマル給気SBの流量を調整する。
これに対して、バイパスVAVユニット90において、風量の許容量である最大流用量SB1maxが定められている場合に、ビル用マルチ空調システム200の室内機203は、バイパスVAVユニット90の最大流用量SB1maxと流用空気SB1の流量との関係に基づいて、室内機203の設定温度やビルマル給気SBの流量を調整するようにしてもよい。この場合には、インテリアゾーンIZの空調負荷の増大等に伴いバイパスVAVユニット90が最大流用量SB1maxを越えて、インテリアゾーンIZの空調の実効性を確保することが困難な状況となりそうな場合であっても、室内機203の設定温度やビルマル給気SBの流量等の空調能力を加減させて、バイパスVAVユニット90における流用空気SB1の流量が最大流用量を越えないようにすることが可能となり、インテリアゾーンIZの快適性が損なわれることをより確実に抑えた空調制御を行うことができる。この場合には、各部の風量負荷を低減させることによる省エネ効果も得られる。
また、上記協調空調システムでは、セントラル空調システム100の風量調整部17は、インテリア温湿度センサ19で検知される値に基づいて、インテリアゾーンIZに対するエアハン給気SAの流量を調整している。
これに対して、風量調整部17において、風量の許容量であるエアハン最大給気量SAmaxが定められている場合に、ビル用マルチ空調システム200の室内機203は、エアハン最大給気量SAmaxとエアハン給気SAの流量との関係に基づいて、室内機203の設定温度やビルマル給気SBの流量を調整するようにしてもよい。これによると、インテリアゾーンIZの空調負荷の変動に伴い風量調整部17の風量がエアハン最大給気量SAmaxを超えるような状況になりそうな場合であっても、インテリアゾーンIZの快適性が損なわれないようにすることができ、インテリアゾーンIZの空調の確実性を向上させることができる。
例えば、インテリアゾーンIZのOA機器等からの発熱等に伴う空調負荷の増大等によって、風量調整部17のエアハン最大許容量SAmaxでは有効な空調を実行できなくなってきた場合に、ビル用マルチ空調システム200の室内熱交換器223や送風機243が出力を上げて空調能力を向上させる等により、インテリアゾーンIZにおける空調負荷の変動に対応させた有効な空調が可能となる。また、ビル用マルチ空調システム200の室内203が空調能力を上げることによってバイパスVAVユニット90や風量調整部17の風量を低減させることができる場合には、バイパスVAVユニット90や風量調整部17の送風運転に要するエネルギーを抑えた省エネ効果が得られる。また、逆に、インテリアゾーンIZの空調負荷が減少してきた場合には、ビル用マルチ空調システム200の室内機203が空調能力を下げることで、室内機203の運転に要するエネルギーを抑えた省エネ効果が得られる。
(C)
上記協調空調システムでは、インテリアゾーンIZの空調負荷の変動等により流用空気SB1の流量が増大するとペリメータゾーンPZに対するペリメータ給気SB2の流量が減少し、ペリメータゾーンPZの空調の実効性が低下する。この場合に、ペリメータ温湿度センサ253がペリメータゾーンPZの設定温度にズレが生じたことを検知することで、初めて室内機203の空調機能の出力を上げる等の制御が行われ、ペリメータゾーンPZの快適性が確保されることになる。
これに対して、ビル用マルチ空調システム200の室内機203では、バイパスVAVユニット90の流用空気SB1の流量に基づいて、室内機203の設定温度やビルマル給気SBの流量を調整するようにしてもよい。この場合には、室内機203は、ペリメータ給気SB2の流量の増減を認識しつつ調和空気の流量を調整することができ、流用空気SB1の流量増大(ペリメータ給気SB2の流量減少)を考慮した設定温度やビルマル給気SBの流量の調整が可能となる。
(D)
上記協調空調システムでは、ビル用マルチ空調システム200に対して給気側に外気導入ダンパ77を配置させ、外気OAを導入している。
これに対して、外気OAの導入箇所は、上記位置に限られず、ビル用マルチ空調システム200の還気側に外気導入ダンパ77を配置させてもよい。この場合には、外気の温度や湿度は気象条件によって変化するものの、室内機203によって直接設定温度に調整されるため、インテリア給気SAの温度を調整するための外気導入量の調整制御を不要にすることができる。
なお、協調空調システムが適用される対象となるビル等において、外気導入ダンパ77や外気導入ダクト4の配置が、室内機203の給気側と還気側とのいずれでもよい場合には、本協調空調システムを対象物件に適用する際の配置の自由度を確保することができる。
(E)
上記協調空調システムでは、エアハン還気調製装置70には、外気導入ダンパ77、外気導入量制御部75が設けられ、調製装置コントローラ32によって外気導入量を制御させている。
これに対して、図8、図9、図10において示すように、エアハン還気調製装置70と同様に外気導入ダンパ77と外気導入量制御部75と、さらにダンパ72の開度を調整して還気系の混合比率を調整して混合空気の温度を調整可能な混合比率制御部71が設けられ、調製装置コントローラ32によって制御されるエアハン還気調整装置170であってもよい。
この場合には、上記変形例(A)で示すように、バイパスダンパ190とともにエアハン還気調整装置170を用いることができ(図8、図9、図10参照)、バイパスダンパ190の流量調整における強制力が上記実施形態のバイパスVAVユニット90の強制力と比べて劣ることがあっても、エアハン還気調整装置170と協働させて制御することで、エアハン還気RAをエアハン14において要求されている温度に調整でき、上記実施形態と同様の効果が得られる。すなわち、流用空気SB1の流量と、インテリア還気RA1の流量と、ペリメータ還気RA2の流量とが混合して得られる還気混合空気RA3の温度が、還気ダンパ73において調整(混合比率制御部71によるダンパ72の調整)されることで、バイパスダンパ190において十分な流量調整ができない場合であっても、エアハン14における空調の実効性を確保することができる。
本発明に係る空気調和システム、空調制御装置および空気制御方法によれば、例えば、第1熱源機器を用いて主としてインテリアゾーンを空調して第2熱源機器を用いて主としてペリメータゾーンを空調する場合において、1つの熱源機器の運転が停止した時であっても、当該熱源機器を用いて空調していたエリアの快適性が損なわれにくいようにすることができるため、インテリアゾーンとペリメータゾーンとを対象として空気調和を行うための空気調和システム、空調制御装置および空気制御方法への適用が特に有用である。
協調空調システムの計装ブロック概略図。 セントラル空調システムを主として示した概略図。 ビル用マルチ空調システムの概略図。 協調空調システムにおける空気の流れを示す概略図。 コアタイム中における空気の流れを示す図。 ハイブリッド空調制御時における空気の流れを示す図。 外気冷房時におけるハイブリッド空調制御における空気の流れを示す図。 変形例に係る協調空調システムの計装ブロック概略図。 変形例に係るセントラル空調システムを主として示した概略図。 変形例に係る協調空調システムにおける空気の流れを示す概略図。
4 外気導入流路(外気導入ダクト)
9 流路(流用ダクト)
12 空調制御装置(設備管理装置)
12a 検知部(取得部)
12b 制御部
14 第1空調装置(エアハン)
16 第1エリア風量調整手段(VAVユニット)
17 第1給気量調整部(風量調整部)
18 第1温度検知部(インテリア温湿度センサ)
41 第1空調機能(冷却部)
42 第1空調機能(加熱部)
43 第1空調機能(加湿部)
47 第1調和空気供給手段(給気ファン)
70 外気量調整装置(エアハン還気調製装置)
80 空調対象エリア(部屋)
90 流量調整装置(バイパスVAVユニット)
110 第1空調機能(中央熱源機器)
190 流量調整装置(バイパスダンパ)
203 第2空調装置(室内機)
223 第2空調機能(室内熱交換器)
253 第2温度検知部(ペリメータ温湿度センサ)
IZ 第1エリア(インテリアゾーン)
OA 外気
PZ 第2エリア(ペリメータゾーン)
RA 還気(エアハン還気)
SA 第1調和空気(エアハン給気)
SAmax 第1許容量(エアハン最大給気量)
SB 第2調和空気(ビルマル給気)
SB1max 被調整空気許容量(最大流用量)
SB1 被調整空気(流用空気)

Claims (16)

  1. 第1エリア(IZ)と第2エリア(PZ)とを対象として空気調和を行うための空気調和システムであって、
    前記第1エリア(IZ)に対して第1調和空気(SA)を給気可能な第1空調装置(14)と、
    前記第2エリア(PZ)に対して第2調和空気(SB)を給気可能な第2空調装置(203)と、
    前記第2エリア(PZ)とは別に設けられ、前記第2調和空気(SB)の少なくとも一部を前記第1空調装置(14)の還気(RA)の少なくとも一部となるように通過させることが可能な流路(9)と、
    前記第2調和空気(SB)のうち前記流路(9)を通過する被調整空気(SB1)の流量を調整可能な流量調整装置(90)と、
    を備え、
    前記第1空調装置(14)は、前記第1エリア(IZ)に対する前記第1調和空気(SA)の給気量を調整可能な第1給気量調整部(17)を有し、
    前記流量調整装置(90)は、前記第1調和空気(SA)の給気量に基づいて、前記被調整空気(SB1)の流量を調整する、
    空気調和システム。
  2. 第1エリア(IZ)と第2エリア(PZ)とを対象として空気調和を行うための空気調和システムであって、
    前記第1エリア(IZ)に対して第1調和空気(SA)を給気可能な第1空調装置(14)と、
    前記第2エリア(PZ)に対して第2調和空気(SB)を給気可能な第2空調装置(203)と、
    前記第2エリア(PZ)とは別に設けられ、前記第2調和空気(SB)の少なくとも一部を前記第1空調装置(14)の還気(RA)の少なくとも一部となるように通過させることが可能な流路(9)と、
    前記第2調和空気(SB)のうち前記流路(9)を通過する被調整空気(SB1)の流量を調整可能な流量調整装置(90)と、
    を備え、
    前記第1空調装置(14)は、前記第1エリア(IZ)に対する前記第1調和空気(SA)の給気量を調整可能な第1給気量調整部(17)を有し、
    前記第1給気量調整部(17)は、前記第1エリア(IZ)に対して前記第1調和空気(SA)を給気する場合の所定の許容量である第1許容量(SAmax)があり、
    前記第2空調装置(203)は、前記第1許容量(SAmax)と前記第1給気量調整部(17)による前記第1調和空気(SA)の給気量との関係に基づいて、前記第2調和空気(SB)の温度および/または流量を調整する、
    空気調和システム。
  3. 第1エリア(IZ)と第2エリア(PZ)とを対象として空気調和を行うための空気調和システムであって、
    前記第1エリア(IZ)に対して第1調和空気(SA)を給気可能な第1空調装置(14)と、
    前記第2エリア(PZ)に対して第2調和空気(SB)を給気可能な第2空調装置(203)と、
    前記第2エリア(PZ)とは別に設けられ、前記第2調和空気(SB)の少なくとも一部を前記第1空調装置(14)の還気(RA)の少なくとも一部となるように通過させることが可能な流路(9)と、
    前記第2調和空気(SB)のうち前記流路(9)を通過する被調整空気(SB1)の流量を調整可能な流量調整装置(90)と、
    を備え、
    前記流量調整装置(90)は、前記被調整空気(SB1)の流量についての所定の許容量である被調整空気許容量(SB1max)があり、
    前記第2空調装置(203)は、前記被調整空気許容量(SB1max)と前記被調整空気(SB1)の流量との関係に基づいて、前記第2調和空気(SB)の温度および/または流量を調整する、
    空気調和システム。
  4. 第1エリア(IZ)と第2エリア(PZ)とを対象として空気調和を行うための空気調和システムであって、
    前記第1エリア(IZ)に対して第1調和空気(SA)を給気可能な第1空調装置(14)と、
    前記第2エリア(PZ)に対して第2調和空気(SB)を給気可能な第2空調装置(203)と、
    前記第2エリア(PZ)とは別に設けられ、前記第2調和空気(SB)の少なくとも一部を前記第1空調装置(14)の還気(RA)の少なくとも一部となるように通過させることが可能な流路(9)と、
    前記第2調和空気(SB)のうち前記流路(9)を通過する被調整空気(SB1)の流量を調整可能な流量調整装置(90)と、
    前記第1空調装置(14)の還気(RA)の少なくとも一部となるように外気(OA)を通過させることが可能な外気導入流路(4)と、
    前記外気導入流路(4)を通過する外気(OA)の流量を調整可能な外気量調整装置(70)と、
    を備え、
    前記外気量調整装置(70)は、前記第1エリア(IZ)の空気と前記外気(OA)との間のエンタルピおよび/または温度との関係に基づいて、前記外気(OA)の流量を調整する、
    空気調和システム。
  5. 第1エリア(IZ)と第2エリア(PZ)とを対象として空気調和を行うための空気調和システムであって、
    前記第1エリア(IZ)に対して第1調和空気(SA)を給気可能な第1空調装置(14)と、
    前記第2エリア(PZ)に対して第2調和空気(SB)を給気可能な第2空調装置(203)と、
    前記第2エリア(PZ)とは別に設けられ、前記第2調和空気(SB)の少なくとも一部を前記第1空調装置(14)の還気(RA)の少なくとも一部となるように通過させることが可能な流路(9)と、
    前記第2調和空気(SB)のうち前記流路(9)を通過する被調整空気(SB1)の流量を調整可能な流量調整装置(90)と、
    前記第1空調装置(14)の還気(RA)の少なくとも一部となるように外気(OA)を通過させることが可能な外気導入流路(4)と、
    前記外気導入流路(4)を通過する外気(OA)の流量を調整可能な外気量調整装置(70)と、
    を備え、
    前記流量調整装置(90)は、前記外気量調整装置(70)によって調整された前記外気(OA)の流量に基づいて、前記被調整空気(SB1)の流量を調整する、
    空気調和システム。
  6. 第1エリア(IZ)と第2エリア(PZ)とを対象として空気調和を行うための空気調和システムであって、
    前記第1エリア(IZ)に対して第1調和空気(SA)を給気可能な第1空調装置(14)と、
    前記第2エリア(PZ)に対して第2調和空気(SB)を給気可能な第2空調装置(203)と、
    前記第2エリア(PZ)とは別に設けられ、前記第2調和空気(SB)の少なくとも一部を前記第1空調装置(14)の還気(RA)の少なくとも一部となるように通過させることが可能な流路(9)と、
    前記第2調和空気(SB)のうち前記流路(9)を通過する被調整空気(SB1)の流量を調整可能な流量調整装置(90)と、
    前記第1空調装置(14)の還気(RA)の少なくとも一部となるように外気(OA)を通過させることが可能な外気導入流路(4)と、
    前記外気導入流路(4)を通過する外気(OA)の流量を調整可能な外気量調整装置(70)と、
    を備え、
    前記外気導入流路(4)は、前記第2空調装置(203)の還気側、前記第2空調装置(203)の給気側の少なくともいずれか一方において前記外気(OA)が導入可能となるように配置される、
    空気調和システム。
  7. 第1エリア(IZ)に対して第1空調機能(41,42,43,110)によって調製される第1調和空気(SA)を給気可能な第1空調装置(14)と、第2エリア(PZ)に対して第2空調機能(223)によって調製される第2調和空気(SB)を給気可能な第2空調装置(203)と、前記第2エリア(PZ)とは別に設けられ、前記第2調和空気(SB)の少なくとも一部を前記第1空調装置(14)の還気(RA)の少なくとも一部となるように通過させることが可能な流路(9)と、前記第2調和空気(SB)のうち前記流路(9)を通過する被調整空気(SB1)の流量を調整可能な流量調整装置(90)と、を用いて前記第1エリア(IZ)と前記第2エリア(PZ)とを対象として空気制御を行うための空調制御装置(12)であって、
    前記第1空調装置(14)は、前記第1エリア(IZ)に対する前記第1調和空気(SA)の給気量を調整可能な第1給気量調整部(17)を有し、
    前記第1調和空気(SA)の給気量に基づいて前記流量調整装置(90)を制御することで前記被調整空気(SB1)の流量を調整する制御部(12b)を備えた
    空調制御装置(12)。
  8. 第1エリア(IZ)に対して第1空調機能(41,42,43,110)によって調製される第1調和空気(SA)を給気可能な第1空調装置(14)と、第2エリア(PZ)に対して第2空調機能(223)によって調製される第2調和空気(SB)を給気可能な第2空調装置(203)と、前記第2エリア(PZ)とは別に設けられ、前記第2調和空気(SB)の少なくとも一部を前記第1空調装置(14)の還気(RA)の少なくとも一部となるように通過させることが可能な流路(9)と、前記第2調和空気(SB)のうち前記流路(9)を通過する被調整空気(SB1)の流量を調整可能な流量調整装置(90)と、を用いて前記第1エリア(IZ)と前記第2エリア(PZ)とを対象として空気制御を行うための空調制御装置(12)であって、
    前記第1空調装置(14)は、前記第1エリア(IZ)に対する前記第1調和空気(SA)の給気量を調整可能な第1給気量調整部(17)を有し、
    前記第1給気量調整部(17)は、前記第1エリア(IZ)に対して前記第1調和空気(SA)を給気する場合の所定の許容量である第1許容量(SAmax)があり、
    前記第1許容量(SAmax)と前記第1給気量調整部(17)による前記第1調和空気(SA)の給気量との関係に基づいて前記第2空調装置(203)を制御することで前記第2調和空気(SB)の温度および/または流量を調整する制御部(12b)を備えた
    空調制御装置(12)。
  9. 第1エリア(IZ)に対して第1空調機能(41,42,43,110)によって調製される第1調和空気(SA)を給気可能な第1空調装置(14)と、第2エリア(PZ)に対して第2空調機能(223)によって調製される第2調和空気(SB)を給気可能な第2空調装置(203)と、前記第2エリア(PZ)とは別に設けられ、前記第2調和空気(SB)の少なくとも一部を前記第1空調装置(14)の還気(RA)の少なくとも一部となるように通過させることが可能な流路(9)と、前記第2調和空気(SB)のうち前記流路(9)を通過する被調整空気(SB1)の流量を調整可能な流量調整装置(90)と、を用いて前記第1エリア(IZ)と前記第2エリア(PZ)とを対象として空気制御を行うための空調制御装置(12)であって、
    前記流量調整装置(90)は、前記被調整空気(SB1)の流量についての所定の許容量である被調整空気許容量(SB1max)があり、
    前記被調整空気許容量(SB1max)と前記被調整空気(SB1)の流量との関係に基づいて前記第2空調装置(203)を制御することで前記第2調和空気(SB)の温度および/または流量を調整する制御部(12b)を備えた
    空調制御装置(12)。
  10. 第1エリア(IZ)に対して第1空調機能(41,42,43,110)によって調製される第1調和空気(SA)を給気可能な第1空調装置(14)と、第2エリア(PZ)に対して第2空調機能(223)によって調製される第2調和空気(SB)を給気可能な第2空調装置(203)と、前記第2エリア(PZ)とは別に設けられ、前記第2調和空気(SB)の少なくとも一部を前記第1空調装置(14)の還気(RA)の少なくとも一部となるように通過させることが可能な流路(9)と、前記第2調和空気(SB)のうち前記流路(9)を通過する被調整空気(SB1)の流量を調整可能な流量調整装置(90)と、前記第1空調装置(14)の還気(RA)の少なくとも一部となるように外気(OA)を通過させることが可能な外気導入流路(4)と、前記外気導入流路(4)を通過する外気(OA)の流量を調整可能な外気量調整装置(70)と、を用いて前記第1エリア(IZ)と前記第2エリア(PZ)とを対象として空気制御を行うための空調制御装置(12)であって、
    前記第1エリア(IZ)の空気と前記外気(OA)との間のエンタルピおよび/または温度との関係に基づいて前記外気量調整装置(70)を制御することで前記外気(OA)の流量を調整する制御部(12b)を備えた
    空調制御装置(12)。
  11. 第1エリア(IZ)に対して第1空調機能(41,42,43,110)によって調製される第1調和空気(SA)を給気可能な第1空調装置(14)と、第2エリア(PZ)に対して第2空調機能(223)によって調製される第2調和空気(SB)を給気可能な第2空調装置(203)と、前記第2エリア(PZ)とは別に設けられ、前記第2調和空気(SB)の少なくとも一部を前記第1空調装置(14)の還気(RA)の少なくとも一部となるように通過させることが可能な流路(9)と、前記第2調和空気(SB)のうち前記流路(9)を通過する被調整空気(SB1)の流量を調整可能な流量調整装置(90)と、前記第1空調装置(14)の還気(RA)の少なくとも一部となるように外気(OA)を通過させることが可能な外気導入流路(4)と、前記外気導入流路(4)を通過する外気(OA)の流量を調整可能な外気量調整装置(70)と、を用いて前記第1エリア(IZ)と前記第2エリア(PZ)とを対象として空気制御を行うための空調制御装置(12)であって、
    前記外気量調整装置(70)によって調整された前記外気(OA)の流量に基づいて前記流量調整装置(90)を制御することで前記被調整空気(SB1)の流量を調整する制御部(12b)を備えた
    空調制御装置(12)。
  12. 第1エリア(IZ)と第2エリア(PZ)とを対象として空気調和を行うための空気調和方法であって、
    前記第1エリア(IZ)に対する第1調和空気(SA)の給気量を調整可能な第1給気量調整部(17)を有する第1空調装置(14)と、
    前記第2エリア(PZ)に対して第2調和空気(SB)を給気可能な第2空調装置(203)と、
    前記第2エリア(PZ)とは別に設けられ、前記第2調和空気(SB)の少なくとも一部を前記第1空調装置(14)の還気(RA)の少なくとも一部となるように通過させることが可能な流路(9)と、
    前記第2調和空気(SB)のうち前記流路(9)を通過する被調整空気(SB1)の流量を調整可能な流量調整装置(90)と、
    を用いて、
    前記第1調和空気(SA)の給気量に基づいて前記流量調整装置(90)によって前記被調整空気(SB1)の流量を調整する
    空気調和方法。
  13. 第1エリア(IZ)と第2エリア(PZ)とを対象として空気調和を行うための空気調和方法であって、
    前記第1エリア(IZ)に対して第1調和空気(SA)を給気する場合の所定の許容量である第1許容量(SAmax)が定められており前記第1エリア(IZ)に対する前記第1調和空気(SA)の給気量を調整可能な第1給気量調整部(17)を有する第1空調装置(14)と、
    前記第2エリア(PZ)に対して第2調和空気(SB)を給気可能な第2空調装置(203)と、
    前記第2エリア(PZ)とは別に設けられ、前記第2調和空気(SB)の少なくとも一部を前記第1空調装置(14)の還気(RA)の少なくとも一部となるように通過させることが可能な流路(9)と、
    前記第2調和空気(SB)のうち前記流路(9)を通過する被調整空気(SB1)の流量を調整可能な流量調整装置(90)と、
    を用いて、
    前記第1許容量(SAmax)と前記第1給気量調整部(17)による前記第1調和空気(SA)の給気量との関係に基づいて前記第2空調装置(203)によって前記第2調和空気(SB)の温度および/または流量を調整する
    空気調和方法。
  14. 第1エリア(IZ)と第2エリア(PZ)とを対象として空気調和を行うための空気調和方法であって、
    前記第1エリア(IZ)に対して第1調和空気(SA)を給気可能な第1空調装置(14)と、
    前記第2エリア(PZ)に対して第2調和空気(SB)を給気可能な第2空調装置(203)と、
    前記第2エリア(PZ)とは別に設けられ、前記第2調和空気(SB)の少なくとも一部を前記第1空調装置(14)の還気(RA)の少なくとも一部となるように通過させることが可能な流路(9)と、
    前記第2調和空気(SB)のうち前記流路(9)を通過する被調整空気(SB1)の流量についての所定の許容量である被調整空気許容量(SB1max)が定められており前記被調整空気(SB1)の流量を調整可能な流量調整装置(90)と、
    を用いて、
    前記被調整空気許容量(SB1max)と前記被調整空気(SB1)の流量との関係に基づいて前記第2空調装置(203)によって前記第2調和空気(SB)の温度および/または流量を調整する
    空気調和方法。
  15. 第1エリア(IZ)と第2エリア(PZ)とを対象として空気調和を行うための空気調和方法であって、
    前記第1エリア(IZ)に対して第1調和空気(SA)を給気可能な第1空調装置(14)と、
    前記第2エリア(PZ)に対して第2調和空気(SB)を給気可能な第2空調装置(203)と、
    前記第2エリア(PZ)とは別に設けられ、前記第2調和空気(SB)の少なくとも一部を前記第1空調装置(14)の還気(RA)の少なくとも一部となるように通過させることが可能な流路(9)と、
    前記第2調和空気(SB)のうち前記流路(9)を通過する被調整空気(SB1)の流量を調整可能な流量調整装置(90)と、
    前記第1空調装置(14)の還気(RA)の少なくとも一部となるように外気(OA)を通過させることが可能な外気導入流路(4)と、
    前記外気導入流路(4)を通過する外気(OA)の流量を調整可能な外気量調整装置(70)と、
    を用いて、
    前記第1エリア(IZ)の空気と前記外気(OA)との間のエンタルピおよび/または温度との関係に基づいて前記外気量調整装置(70)によって前記外気(OA)の流量を調整する
    空気調和方法。
  16. 第1エリア(IZ)と第2エリア(PZ)とを対象として空気調和を行うための空気調和方法であって、
    前記第1エリア(IZ)に対して第1調和空気(SA)を給気可能な第1空調装置(14)と、
    前記第2エリア(PZ)に対して第2調和空気(SB)を給気可能な第2空調装置(203)と、
    前記第2エリア(PZ)とは別に設けられ、前記第2調和空気(SB)の少なくとも一部を前記第1空調装置(14)の還気(RA)の少なくとも一部となるように通過させることが可能な流路(9)と、
    前記第2調和空気(SB)のうち前記流路(9)を通過する被調整空気(SB1)の流量を調整可能な流量調整装置(90)と、
    前記第1空調装置(14)の還気(RA)の少なくとも一部となるように外気(OA)を通過させることが可能な外気導入流路(4)と、
    前記外気導入流路(4)を通過する外気(OA)の流量を調整可能な外気量調整装置(70)と、
    を用いて、
    前記外気量調整装置(70)によって調整された前記外気(OA)の流量に基づいて前記流量調整装置(90)によって前記被調整空気(SB1)の流量を調整する
    空気調和方法。
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