JP4660457B2 - L−アラビノース含有組成物の製造方法 - Google Patents

L−アラビノース含有組成物の製造方法 Download PDF

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Description

本発明はトウモロコシのウェットミリング(湿式製粉)の製造に際して、細目篩を用いて行う外皮/乳液分離工程で副産物として産出されるトウモロコシ外皮(コーンファイバー:ウェットファイバー)から、生理機能面で有用なL−アラビノース含有組成物を安価に、しかも大量に生産できる商業的な製造方法に関する。
L−アラビノースは、スクラ−ゼ阻害作用によりスクロ−ス負荷時における血糖上昇抑制作用や体脂肪蓄積抑制作用が確認され、肥満、糖尿病、高血圧、高脂血症等の健康障害を予防することができるなど生理機能面での有用性が報告されている。また、天然のヘミセルロースなどに含まれているので安全性も保障されている。
このため、安価に大量に供給することが望まれているが、製造方法に難点があり未だに高価であり、大量供給が阻害されているのが現状である。
なお、L−アラビノースのフィッシャー構造式は下記で示されるものである。
Figure 0004660457
L−アラビノースを含有する天然の原料としては、オレンジファイバーやみかんジュース粕(約3〜10%のL−アラビノースをアラビナンなどの形で含んでいる。)、アップルファイバー(同約4〜7重量%)、ビートパルプ(同約12〜18%)、落花生粕(同約5%)等がある。
そして、特許文献1〜4などに、ビートパルプなど原料としてL−アラビノースを製造する方法が提案されている。
しかし、アルカリ処理のため精製が困難で、更には、そのまま酵素分解をするものでは多くの収量が望み難い。
一方、トウモロコシ外皮は約30〜35質量%と高含量のL−アラビノースをアラビノキシランなどの形で含んでおり、有利な原料である。
このため、特許文献5〜7などで、トウモロコシ外皮を原料としてL−アラビノースを製造する方法が提案されている。
しかし、トウモロコシ外皮を分解してL−アラビノースを遊離させる場合、分解が進むにつれ、非常に精製しにくい着色成分が混入してくるため、精製が困難でコストがかかるという難点があった。
特開平9−299093号公報 特表2001−514018号公報 特開2001−286294号公報 特開2002−95491号公報 特開平1−312997号公報 特開平11−113600号公報 特開平11−313700号公報
本発明の課題は、上記にかんがみて、L−アラビノースが高含量で有利な原料である、トウモロコシ外皮(コーンファイバー)から高収量でL−アラビノースを得る場合、非常に精製しにくい着色成分が混入してくるため、精製が困難でコストがかかるという問題点を解決することにある。
すなわち、本発明の課題は、トウモロコシ外皮から効率よく高収量でL−アラビノースが得られ、かつ、着色成分が少なく精製が容易で安価な製造方法を提供することにある。
本発明者らは、トウモロコシのウェットミリング(湿式製粉)の製造に際して外皮/乳液分離工程で副産物として産出されるトウモロコシ外皮(コーンファイバー)のうち所定大きさ以上の粗粒外皮を除去したファインファイバー区分を原料として、該原料を酸及び/又は酵素により加水分解し精製してL−アラビノース含有組成物を製造することで上記課題を解決できることを見出し、下記各構成の本発明に想到した。
1)トウモロコシのウェットミリング(湿式製粉)の製造に際して、所定の細目篩を用いて行う外皮/乳液分離工程で副産物として産出されるトウモロコシ外皮(コーンファイバー)を原料としてL−アラビノース含有組成物を製造する方法であって、
前記外皮のうち、外皮/乳液分離工程の前工程として又は後工程として所定の粗目篩を用いて粗粒外皮を除去する粗粒外皮除去工程を経て得られるファインファイバー区分を原料とし、
該原料を、酸及び酵素の一方又は双方を用いて加水分解し、精製することを特徴とする。
粗粒ファイバー中には、ファイバー間を固着させて存在する着色成分が相対的に多く含まれており、加水分解に伴い、種々の着色物質を生成する。これに対して所定大きさ以上の粗粒外皮を除いて得られるファインファイバー区分には着色成分が少ないため、工程中の着色物質の生成が少なくなり、脱色工程が容易になる。
なお、外皮のうち粗粒外皮を除いて得られるファインファイバー区分には、種皮成分に対する糊粉層成分の割合が多い。
2)上記構成において、前記粗粒外皮除去工程及び前記外皮/乳液分離工程の順に経て調製したファインファイバー区分を原料とすることが好ましい。粗粒外皮を除去しておくことにより、外皮/乳液分離工程における、外皮/乳液の分離効率が良好となり、相対的に従来に比して目開きの小さい細目篩を使用できる。この結果、ファインファイバー区分の外皮全体量に対する収率を高めることができるとともに、乳液の夾雑物となるファインファイバーの混入も少なくなる。
3)上記構成において、外皮/乳液分離工程の細目篩を、目開き40〜120μmの範囲から選定するとともに、前記粗粒外皮除去工程の粗目篩を、目開き0.5〜4mmの範囲から選定することが好ましい。この数値範囲は、絶対的なものではなく、要求される外皮/乳液分離効率やL−アラビノースの収率・純度により変動し、さらには、篩装置の種類により当該数値範囲から若干外れても、本発明の目的を達成できる限り、本発明の範囲に含まれるものである。すなわち、粗目篩の目開きの範囲は、ファインファイバー区分が所定収率で得られる範囲であればよい。細目篩の目開きの範囲は、乳液分離が効率良くでき、かつ、回収乳液に夾雑物が余り混入しない範囲であればよい。
4)上記各構成において、外皮/乳液分離工程及び粗粒外皮除去工程を経たファインファイバーから、さらに、澱粉を分解除去して原料とすることが好ましい。
夾雑物となる澱粉残留率がより低下してさらに純度の高い良質なアラビノースが得られる。なお、ファインファイバーに物理的に付着した糊層中の澱粉成分(澱粉粒)は、水洗で簡単に除去できない。
5)前記加水分解を酸で行うに際して、酸濃度:pH0.3〜2.3で、かつ、温度:60〜180℃の条件下で行うことが好ましい。この数値範囲から若干外れても、本発明の目的を達成する限り本発明の実施形態に含まれる。すなわち、加水分解を効率良く行え、目的物であるアラビノースの変質をきたさない範囲であればよい。
6)上記各構成においいて、前記加水分解を酵素で行うに際して、加水分解酵素として、通常、アラバナーゼ活性を有する酵素を使用する。
本発明の製造方法により、L−アラビノースが高含量で有利な原料であるトウモロコシ外皮からファインファイバー区分を篩別して用いることにより、生理機能面で有用なL−アラビノースを、従来の方法では考えられなかった着色成分が少なく、精製が容易で安価に且つ高収量で生産できる。
以下に本発明について詳細に説明する。含量、濃度等を示す「%」は、特に断らない限り「質量%」を意味する。以下の説明で「L−アラビノース」は、単に「アラビノース」という。
本発明のアラビノース含有組成物の製造方法は、トウモロコシのウェットミリング(湿式製粉)の製造工程で製造に際して、所定の細目篩を用いて行う外皮/乳液分離工程で副産物として産出されるトウモロコシ外皮(コーンファイバー)を原料としてアラビノース含有組成物を製造することを基本とする。
トウモロコシのウェットミリング(湿式製粉)の製造は、通常、トウモロコシ粒を、浸漬、粗砕、胚芽/乳液分離、磨砕の各工程を経て生成したスラリーを、外皮/乳液分離工程で細目篩を用いて外皮と乳液に分離する。ここで乳液区分は、澱粉と蛋白質とに遠心分離され、澱粉と蛋白質は各々洗浄・脱水乾燥されコーンスターチとコーングルテン(グルテンミール)となる。一方、外皮区分は、洗浄、脱水乾燥されコーンファイバー(コーン由来の飼料という意味で「コーンフィード」とも称されている。)となる。
ここでウェットミリングの対象トウモロコシの種類は特に限定されず、例えば、普通種、ワキシー種、ハイアミロース種、白色種、黄色種、デント種、フリント種など、種々のものを使用可能である。
上記トウモロコシのウェットミリング(湿式製粉)の製造工程における、澱粉蛋白乳液回収のための外皮/乳液分離工程は、従来は、例えば、目開き50〜75μmの間隔をもつ一連のベンドシーブ、又は、150メッシュ(目開き104μm)程度のスクリーンを張った回転振動篩を用いて行っていた(二國二郎監「澱粉科学ハンドブック」(1977)朝倉書店 、p307)。
本発明では、アラビノース組成物の原料として、この外皮/乳液分離工程の前工程として又は後工程として、所定の粗目篩を用いて粗粒外皮を除去する粗粒外皮除去工程を経て得られるファインファイバー区分を用いる(図1参照)。
通常、前記粗粒外皮除去工程及び前記外皮/乳液分離工程の順に経て得られるファインファイバー区分を原料とする。
ここで、外皮/乳液分離工程の細目篩を、目開き40〜120μm(好ましくは50〜100μm)の範囲から選定するとともに、前記粗粒外皮除去工程の粗目篩を、目開き0.5〜4mm(好ましくは1〜3mm)の範囲から、適宜、篩装置に対応したものを選定する。
ここで使用する篩別装置としては、ベントシーブ、振動式篩などを一段又は多段式で用いることができる。
こうして乳液/外皮分離工程及び粗粒外皮除去工程を経て調製したファインファイバー区分には、物理的乃至化学的に澱粉蛋白乳液が付着しているため、さらに水洗浄したり、澱粉分解酵素を用いて澱粉を分解して除去したり、たんぱく質分解酵素を用いてたんぱく質を分解して篩別除去したりして精製したものを用いることもできる。
次に、上記のように調製したファインファイバー区分を原料とし、該原料を加水分解し、アラビノースを遊離させる。この加水分解としては、酸を加えて加温する酸分解又は酵素による酵素分解を用いることができ、また、これらの経時的な組み合わせも可能である。この際、酸分解、酵素分解のどちらを先にしてもよい。
本発明の酸分解としては、まずファインファイバー区分(原料)の懸濁液を固形分濃度で好ましくは2〜30%、さらに好ましくは3〜15%となるよう調整し、これに酸を加える。
酸濃度は、ファインファイバー区分の幅及び酸の種類により若干異なるが、好ましくは、pH0.3〜2.3、さらに好ましくはpH0.8〜2の範囲、規定濃度(電離度100%と仮定)では、0.005〜0.5Nの範囲、さらに好ましくは0.01〜0.15Nにとなるよう調節する。次に、これを60〜180℃×3min〜10h、好ましくは80〜180℃×5min〜2.5h保持して酸分解を行う。酸分解の加温反応装置としては、反応タンクによるバッチ方式やジェットクッカーによる連続方式など汎用装置を用いることができる。
この酸分解に用いる酸の種類は、鉱酸である硫酸、塩酸、硝酸、リン酸、亜硫酸等や有機酸であるシュウ酸、クエン酸、酢酸、ギ酸等酸類であれば限定されないが、イオン交換樹脂での精製負荷を考慮した場合、酸加水分解後の塩基による中和で酸と難溶性の塩を作るような物、例えば水酸化バリウムによる中和で硫酸バリウムを作る硫酸や、酸化カルシウムによる中和でシュウ酸カルシウムを作るシュウ酸等が好ましい。酸分解によって得られた溶液は、塩基類の必要量を添加混合することで溶液のpHを中和することが好ましい。
本発明の酵素分解は、まずファインファイバー区分(原料)の懸濁液を固形分濃度で好ましくは2〜30%、更に好ましくは、6〜8%となるよう調整し、これを酵素に好適なpHに調整し、酵素に好適な温度で反応させて分解を行う。
本発明で好適な酵素は、アラバナーゼ活性を有する酵素剤で、市販の酵素剤のうちから適宜使用することができる。例えば、各種セルラーゼ酵素製剤、ヘミセルラーゼ酵素製剤、ペクチナーゼ酵素製剤などを挙げることができる。
添加量は各酵素製剤のアラバナーゼ活性により調節し、酵素分解の時間は、通常、3〜96hとする。
次に、分解された反応懸濁物は、公知の方法、例えば篩別、遠心分離、硅藻土濾過、フィルタープレス、膜濾過等の方法によって分解残査を除き、アラビノース成分を含む液部を回収する。
さらに、アラビノース成分を含む液部は公知の方法により精製する。例えば、粉末または粒状の活性炭によりバッチまたは連続で脱色したり、イオン交換樹脂により脱塩、脱色したりする。
また、得られたアラビノース成分を含む溶液は、必要に応じて、公知の方法により固形分濃度50〜80%に濃縮する。
また、このようにして得られたアラビノース成分を含む溶液は、公知の分離法(膜分離、ゲル濾過、活性炭クロマト分離等)を用いて、アラビノース含有比率を高めることもできる。
以下に、本発明に関わる実施例と比較例を記載したが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
なお、詳細な実施データを得るために使用したトウモロコシ外皮は日本コーンスターチ株式会社における湿式澱粉製造工程で得られたものを用いた。また、篩装置は、細目篩、粗目篩ともにベントシーブを用いた。
また、全糖量は酸分解ショール法、アラビノース含有率は高速液体カラムクロマトグラフィ(HPLC)法を用いて分析測定をした。HPLCカラムは「Asahipak
NH2P−50」(昭和電工株式会社製商品名)を用い、移動相は75%アセトニトリルとした。
<実施例1>
トウモロコシのウェットミリング(湿式製粉)の製造工程で、トウモロコシ粒を浸漬、粗砕、胚芽分離、磨砕の各工程を経て得られるスラリーを、外皮分離工程で目開き1.5mmの粗目篩を用いて、大きな外皮(粗粒外皮)を篩別除去して外皮(ファインファイバー区分)/乳液混合物のスラリーを得た。該スラリーを目開き63μmの細目篩を用いて、外皮/乳液分離を行ってファインファイバー区分を得た。こうして得られたファインファイバー区分を水洗浄、脱水して原料とした。このもののアラビノースの含有率は澱粉を除いた固形分あたり37%であった。
この原料に水を加え固形分7%となるように調整し、この1kgに0.02Nとなるようシュウ酸を加えた。これを加圧加温容器に入れ、130℃×30minの条件で加熱処理(加水分解処理)をした。これを冷却させ、シュウ酸を中和するのに必要な水酸化カルシウムを加えた。
これを珪藻土でプレコートをしたろ過装置を用いて分解されなかった残渣とシュウ酸カルシウムを取り除いた。このろ液の着色程度は、420nm、1cmセルでの吸光度が0.155であった。また、このろ液の全糖含量とアラビノース含量を測定し、原料からのアラビノース回収率を求めたところ53%であった。
このろ液に粉末活性炭50gを加え、攪拌しながら75℃で2時間処理して脱色し、珪藻土をプレコートしたろ過装置で精密ろ過して粉末活性炭を取り除いた。この脱色液の着色程度は、420nm、1cmセルでの吸光度が0.025であった。200mlのミックスベッドイオン交換樹脂カラム(等量のアニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂を混合したもの)に通液して、脱塩、脱色をした。さらにロータリーエバポレータで濃縮して、固形分濃度70%のアラビノース含有組成物(シロップ)22gが得られた。このアラビノース含有シロップは、着色度(固形分濃度30%の溶液の420nm、1cmセルでの吸光度)は0.001以下であった。また、このシロップ固形分中のアラビノース含有率を測定した結果、21%であった。
<実施例2>
実施例1と同様の区分のファインファイバー区分に水を加え固形分4%となるように調整した。
この1kgを加温容器にとり、炭酸ナトリウムを加えてpH5.0となるように調整した。これにセルラーゼ製剤(エイチビィアイ株式会社製、セルロシンAC40)5gを加え、攪拌しながら60℃、15h反応した。これを珪藻土でプレコートしたろ過装置を用いて分解されなかった残渣を取り除いた。このろ液の着色程度は、420nm、1cmセルでの吸光度が0.105であった。また、このろ液の全糖含量とアラビノース含量を測定し、原料からのアラビノース回収率を求めたところ75%であった。
このろ液に粉末活性炭30gを加え、攪拌しながら75℃で2h処理して脱色し、珪藻土をプレコートしたろ過装置で精密ろ過して粉末活性炭を取り除いた。この脱色液の着色程度は、420nm、1cmセルでの吸光度が0.015であった。100mlのミックスベッドイオン交換樹脂カラム(等量のアニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂を混合したもの)に流速300ml/hで通液して、脱塩、脱色をした。さらにロータリーエバポレータで濃縮して、固形分濃度70%のアラビノース含有組成物(シロップ)25gが得られた。このアラビノース含有シロップは、着色度(固形分濃度30%の溶液の420nm、1cmセルでの吸光度)は0.001以下であった。また、このシロップ固形分中のアラビノース含有率を測定した結果、29%であった。
<実施例3>
実施例1のファインファイバー区分をさらに水を加え固形分5%となるように調整し、炭酸ナトリウムを加えてpH5.0となるように調整した。これにα−アミラーゼ剤「リクィファーゼ L45」エイチビィアイ株式会社製商品名)を固形分あたり0.5%加え、攪拌しながら75℃で2hの条件で澱粉の液化処理をし、これを250メッシュ(目開き0.061mm)の目開きの篩を用いて篩別、回収し、水洗浄、脱水して澱粉除去の外皮細粒物を得た。
これに水を加え固形分4%となるように調整して1kgを加温容器にとり、炭酸ナトリウムを加えてpH5.0となるように調整した。これにペクチナーゼ製剤(新日本化学工業株式会社製、スミチームPX)5gを加え、攪拌しながら60℃、15h反応した。これを珪藻土でプレコートしたろ過装置を用いて分解されなかった残渣を取り除いた。
このろ液の着色程度は、420nm、1cmセルでの吸光度が0.055であった。また、このろ液の全糖含量とアラビノース含量を測定し、原料からのアラビノース回収率を求めたところ85%であった。
このろ液に粉末活性炭40gを加え、攪拌しながら75℃で2h処理して脱色し、珪藻土でプレコートしたろ過装置で精密ろ過して粉末活性炭を取り除いた。この脱色液を、着色程度は、420nm、1cmセルでの吸光度が0.022であった。150mlのミックスベッドイオン交換樹脂カラム(等量のアニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂を混合したもの)に流速400ml/hで通液して、脱塩、脱色をした。さらにロータリーエバポレータで濃縮して、固形分濃度70%のアラビノース含有シロップ40gが得られた。このアラビノース含有シロップは、着色度(固形分濃度30%の溶液の420nm、1cmセルでの吸光度)は0.001以下であった。また、このシロップ固形分中のアラビノース含有率を測定した結果、38%であった。
<実施例4>
トウモロコシのウェットミリング(湿式製粉)の製造工程で、トウモロコシ粒を浸漬、粗砕工程、胚芽分離工程、磨砕工程を経たスラリー状物(外皮/乳液混合物)を、外皮/乳液分離工程で目開き2.0mmの粗目篩で粗粒外皮を篩別除去したスラリー液(ファインファイバー/乳液混合物)を、目開き95μmの細目篩を用いて、外皮(ファインファイバー)/乳液分離を行った。こうして得られたファインファイバーを、水洗浄、脱水して原料とした。このもののアラビノースの含有率は澱粉を除いた固形分あたり35%であった。
この原料に水を加え固形分3%となるように調整し、この50kgに0.005規定となるよう硫酸溶液を加えた。これをジェットクッカーで150℃、滞留時間5分で処理した。これを冷却させ、硫酸を中和するのに必要な水酸化バリウムを加えた。これを遠心分離器を用いて分解されなかった残渣と硫酸バリウムを取り除いた。この液部の着色程度は、420nm、1cmセルでの吸光度が0.115であった。また、このろ液の全糖含量とアラビノース含量を測定し、原料からのアラビノース回収率を求めたところ75%であった。
このろ液に粉末活性炭1.5kgを加え、攪拌しながら75℃で2h処理して脱色し、珪藻土をプレコートしたろ過装置で精密ろ過して粉末活性炭を取り除いた。この脱色液の着色程度は、420nm、1cmセルでの吸光度が0.015であった。さらにこの脱色液を5Lのミックスベッドイオン交換樹脂カラム(等量のアニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂を混合したもの)に流速15L/hで通液して、脱塩、脱色をし、ロータリーエバポレータで濃縮して、固形分濃度75%のアラビノース含有シロップ0.7kgが得られた。このアラビノース含有シロップは、着色度(固形分濃度30%の溶液の420nm、1cmセルでの吸光度)は0.001以下であった。また、このシロップ固形分中のアラビノース含有率を測定した結果、25%であった。
<比較例1>
トウモロコシのウェットミリング(湿式製粉)の製造に際して、トウモロコシ粒を浸漬、粗砕、胚芽分離、磨砕の各工程を経て生成したスラリー(外皮/乳液混合物)を、75μmの細目篩で、外皮/乳液分離を行った。該外皮/乳液分離で生成した外皮(コーンファイバー)を水洗浄/脱水して原料とした。このもののアラビノースの含有率は澱粉を除いた固形分あたり31%であった。これを実施例1と同様に酸分解処理をした。
このコーンファイバーに水を加え固形分7%となるように調整し、この1kgに0.02Nとなるようシュウ酸を加えた。これを加圧加温容器に入れ、130℃×30minの条件で加熱処理(加水分解処理)をした。これを冷却させ、シュウ酸を中和するのに必要な水酸化カルシウムを加えた。これを珪藻土をプレコートしたろ過装置を用いて分解されなかった残渣とシュウ酸カルシウムを取り除いた。このろ液の着色程度は、420nm、1cmセルでの吸光度が1.85であった。また、このろ液の全糖含量とアラビノース含量を測定し、原料からのアラビノース回収率を求めたところ35%であった。
このろ液に粉末活性炭50gを加え、攪拌しながら75℃で2h処理して脱色し、珪藻土をプレコートしたろ過装置で精密ろ過して粉末活性炭を取り除いた。この脱色液の着色程度は、420nm、1cmセルでの吸光度が0.455であった。200mlのミックスベッドイオン交換樹脂カラム(等量のアニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂を混合したもの)に通液して、脱塩、脱色をした。さらにロータリーエバポレータで濃縮して、固形分濃度70%のアラビノース含有シロップ24gが得られた。このアラビノース含有シロップは、着色度(固形分濃度30%の溶液の420nm、1cmセルでの吸光度)は0.270であった。また、このシロップ固形分中のアラビノース含有率を測定した結果、19%であった。
<比較例2>
比較例1のコーンファイバーを、実施例2と同様に酵素分解処理した。比較例1のコーンファイバーに水を加え固形分4%となるように調整し、この1kgを加温容器にとり、炭酸ナトリウムを加えてpH5.0となるように調整した。これにセルラーゼ製剤(「セルロシンAC40」エイチビィアイ株式会社製商品名)5gを加え、攪拌しながら60℃×15hの条件で反応させた。これを珪藻土をプレコートしたろ過装置を用いて分解されなかった残渣を取り除いた。このろ液の着色程度は、420nm、1cmセルでの吸光度が0.98であった。また、このろ液の全糖含量とアラビノース含量を測定し、原料からのアラビノース回収率を求めたところ62%であった。
このろ液に粉末活性炭50gを加え、攪拌しながら75℃で2時間処理して脱色し、珪藻土をプレコートしたろ過装置で精密ろ過して粉末活性炭を取り除いた。この脱色液の着色程度は、420nm、1cmセルでの吸光度が0.315であった。200mlのミックスベッドイオン交換樹脂カラム(等量のアニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂を混合したもの)に流速600ml/hで通液して、脱塩、脱色をした。さらにロータリーエバポレータで濃縮して、固形分濃度70%のアラビノース含有シロップ34gが得られた。このアラビノース含有シロップは、着色度(固形分濃度30%の溶液の420nm、1cmセルでの吸光度)は0.135であった。また、このシロップ固形分中のアラビノース含有率を測定した結果、25%であった。
本発明におけるアラビノース組成物の製造方法の一例を示すブロック図である。

Claims (6)

  1. トウモロコシのウェットミリング(湿式製粉)の製造に際して、所定の細目篩を用いて行う外皮/乳液分離工程で副産物として産出されるトウモロコシ外皮(ウェットファイバー)を原料としてL−アラビノース含有組成物を製造する方法であって、
    前記外皮のうち、外皮/乳液分離工程の前工程として又は後工程として所定の粗目篩を用いて粗粒外皮を除去する粗粒外皮除去工程を経て得られるファインファイバー区分を原料とし、
    該原料を、酸及び酵素の一方又は双方を用いて加水分解し、精製することを特徴とするL−アラビノース含有組成物の製造方法。
  2. 前記ファインファイバー区分が、粗粒外皮除去工程及び前記外皮/乳液分離工程の順に経たものであることを特徴とする請求項1記載のL−アラビノース含有組成物の製造方法。
  3. 前記外皮/乳液分離工程の細目篩を、目開き40〜120μmの範囲から選定するとともに、前記粗粒外皮除去工程の粗目篩いを、目開き0.5〜4mmの範囲から選定することを特徴とする請求項1又は2記載のL−アラビノース含有組成物の製造方法。
  4. 前記外皮/乳液分離工程及び粗粒外皮除去工程を経たファインファイバー区分を、さらに、澱粉を分解除去して原料とすることを特徴とする請求項1、2又は3記載のL−アラビノース含有組成物の製造方法。
  5. 前記加水分解を酸で行うに際して、酸濃度:pH0.3〜2.3で、かつ、温度:60〜180℃の条件下で行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のL−アラビノース含有組成物の製造方法。
  6. 前記加水分解を酵素で行うに際して、加水分解酵素としてアラバナーゼ活性を有する酵素を使用することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のL−アラビノース含有組成物の製造方法。
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