JP4659432B2 - 易剥離性に優れた樹脂被覆金属板およびその製法 - Google Patents

易剥離性に優れた樹脂被覆金属板およびその製法 Download PDF

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Description

本発明は、樹脂被覆金属板に石膏ボードやウレタンフォーム、化粧紙などの機能性被覆材を積層乃至貼り合わせて機能性を高めた機能性複合金属板において、特に、それら機能性複合金属板のうち金属板を使用済み材として回収しリサイクルする際に、機能性被覆層を簡単に剥離して金属板を容易に回収できる様に改善された樹脂被覆金属板とその製法に関するものである。
金属板への被覆用樹脂塗料については、その用途、目的に応じて多数の樹脂組成物が提案されている。例えば特許文献1には、塗装時のマスキングを目的として吸水性樹脂を配合した塗料組成物が開示されている。この塗料組成物は、塗料中に配合された吸水性樹脂の作用である程度の親水性を示すが、この塗膜は積層界面への水の浸透速度が遅いため、このままでは、機能性複合金属板を解体(剥離)し回収とリサイクルを容易にするための離型用塗膜として応用しても、本発明で意図するような剥離促進効果は得られない。
また特許文献2には、樹脂バインダーと水不溶性の吸水性樹脂粉末、および水に可溶性の有機化合物またはその塩を含む吸水性塗料が開示され、また該塗料を基材シートに塗布してなる吸水性シートが開示されている。しかしこの吸水性シートは、例えば防水ケーブルなどに使用し、吸水により膨潤することでそれ以上の水の浸入と走水(拡散)を阻止することを目的とするもので、水の浸入・拡散を促進して剥離性を高めようとする技術思想は存在しない。
更に特許文献3には、本発明とは異質の磁石固定用接着剤に関する発明ではあるが、本発明に比較的類似した技術思想を有するものとして、接着剤中に熱膨張性粒子と吸水性樹脂を配合しておき、磁石を基材シートから剥離してリサイクルする際の易剥離性を高めた接着剤が記載されている。ところが、この様な接着剤を本発明が意図する様なプレコート用金属板に適用した場合、塗工ラインで熱膨張性粒子が膨張してしまうため、リサイクルの際には、もはや意図する様な剥離促進効果は発揮されない。
特公昭61−17553号公報 特開平5−214268号公報 特開2003−176459号公報
本発明は上記の様な状況の下でなされたものであって、その目的は、前述した如く樹脂被覆金属板に石膏ボードやウレタンフォーム、化粧紙などの機能性被覆材を積層乃至貼り合わせて機能性を与えた複合金属板を製造する際に、それら機能性複合金属板のうち金属板を使用済み材として回収しリサイクルする際に、機能性被覆層を簡単に剥離して金属板を容易に回収できる様に改質された樹脂被覆金属板とその製法を提供することにある。
上記課題を解決することのできた本発明に係る易剥離性に優れた樹脂被覆金属板とは、金属板の表面に被覆樹脂層が形成された樹脂被覆金属板であって、該被覆樹脂層は、マトリクス樹脂と吸水性ポリマーおよび透水部を含むところに特徴を有している。
本発明の上記樹脂被覆金属板における上記透水部の具体的な構成としては、1)発泡剤を含む塗料を金属板に塗布し、発泡させることにより形成した発泡層、或いは2)親水性不織布層によって形成したもの、を挙げることができ、これら1)、2)を組合せたものは、更に優れた易剥離性を発揮するので好ましい。
また、前記被覆樹脂層中に他の成分として水溶性樹脂を含有させておけば、金属板からの機能性被覆層の剥離を更に促進できるので好ましい。また上記被覆樹脂層は、吸水性ポリマーを含む層と透水部が複合された単層構造のものであってもよく、或いは、それら吸水性ポリマー含有層と透水部を有する層の少なくとも2層以上からなる多層構造のものであっても構わない。
更に、本発明に係る上記被覆樹脂層を形成するための塗料としては、a)マトリクス樹脂:10〜50質量%と吸水性ポリマー:40〜80質量%、および発泡剤:3〜50質量%を含有するもの、或いは、b)マトリクス樹脂:10〜50質量%、吸水性ポリマー:40〜80質量%、発泡剤:3〜50質量%および水溶性樹脂:10〜50質量%を含有するものが好ましい。
また本発明に係る製法は、上述した如く発泡剤を含む塗料を用いて被覆樹脂層を形成する際の好ましい方法として位置付けられるもので、前掲の塗料を金属板の片面もしくは両面に塗布し、塗膜中の発泡剤を発泡させてから乾燥することにより、被覆樹脂層内に透水部を形成するところに特徴を有している。
本発明の樹脂被覆金属板は、上記の様にマトリックス樹脂層内に吸水性ポリマーと透水部を有しており、この部分で水の浸入と拡散が著しく加速されるので、該樹脂被覆金属板に、例えば石膏ボードやウレタンフォーム、化粧紙などの機能性被覆材を積層乃至貼り合わせて機能性を高めた複合金属板であって使用済みのものを回収し、機能性被覆層を剥離し金属板としてリサイクルする際に、機能性被覆層と金属板との剥離作業を著しく簡素化することができる。
上述した如く各種の機能性被覆を金属板上に形成した機能性複合金属板から機能性被覆層を剥離して金属板を回収するには、両者の接着力を低下させる必要がある。そのための最も簡単な方法は、塗膜を構成するマトリクス樹脂中に吸水性ポリマー含有させておき、剥離処理すべき前記機能性複合金属板の接合界面を水に接触させることによって、該接合界面の塗膜を膨潤させて接合力を低下させる方法である。しかしながら、接合界面の端縁のみが吸水して膨潤したとしても、この吸水・膨潤が接合界面の中央部方向にまで速やかに進行しなければ易剥離性(剥離速度の向上)を高めることはできない。
そこで本発明では、樹脂被覆層中にマトリクス樹脂と共に吸水・膨潤のための吸水性ポリマーを含有させる他、接合界面の中央部方向にまで水の吸水・膨潤が速やかに進行できるよう、透水部を形成する。
この透水部は、機能性複合金属板の端縁から侵入してくる水分を、中央部方向にまで速やかに誘導する作用を発揮するもので、その具体的な構成として本発明では、塗料を構成するマトリクス樹脂中に吸水性ポリマーと発泡剤を配合し、これを金属板に塗布してから発泡させることにより発泡層を形成し、これを透水部として利用する。即ち、マトリクス樹脂中に吸水性ポリマーと発泡剤を配合した塗料を塗布してから発泡させると、マトリクス樹脂層内に吸水性ポリマーを壁面に含む無数の気泡が形成される。そして、この気泡含有層に水が接触すると、まず吸水性ポリマーが吸水し溶解することによって気泡の壁面が壊れ、該気泡内を水が次の壁面に向けて流れて次の壁面に到達すると共に該壁面を破壊し、これが順次繰り返されることにより、該気泡が透水部となって全ての気泡の壁面が水分によって破壊される。その結果、該塗料塗布層を境にして、その上に形成された機能性被覆と金属板は容易に剥離されることになる。
また上記以外の例として、親水性の不織布層で透水部を形成することも有効である。すなわち本例の場合は、親水性不織布にマトリクス樹脂と吸水性ポリマーの混合物を含浸し、もしくは積層して配置することにより透水部と構成する。この例であれば、マトリクス樹脂中に親水性の不織布が吸水性ポリマーと接触した状態で存在することになり、機能性被覆と金属板との接合端縁に露出した前記塗料中の親水性ポリマーが水に接触すると、該ポリマーに接触した親水性の不織布に水が付着し、該親水性不織布を伝って水は側端縁から順次中央部方向へ透過・侵入して行くと共に、該親水性不織布に接触した吸水性ポリマーを膨潤・溶解させ、この部分で積層方向の接合力が激減する。その結果、基材を構成する金属板と機能性被覆とを該不織布層の部分から容易に剥離することが可能となる。
本発明では、上記の如く被覆樹脂層内に透水部を構成する気泡または親水性の不織布と吸水性ポリマーを含み、これらの作用で水の浸入と拡散が速やかに行なわれる様にしたところに特徴を有しており、吸水性ポリマーは接合界面への水の浸入を加速する作用を発揮するばかりでなく、水を吸収して膨潤することで金属板との接合界面に剥離方向の力を生じさせるので、金属板の剥離をより一層容易にする。このとき、該被覆の構成成分として吸水性ポリマーに加えて水溶性樹脂を含有させておけば、吸水性ポリマーの吸水・膨潤に加えて水溶性樹脂の吸水溶解によって接合界面への拡散速度が一段と加速されるので好ましい。
また、上述した様な透水部と吸水性ポリマーは1つの被覆層内に共存させることも可能であるが、その他、透水部を有する層と吸水性ポリマーを含む層を別々の層として形成し、2層以上の多層構造の被覆樹脂層とすることも可能である。
なお、上記の様に透水部を発泡剤の発泡により形成される気泡によって構成する場合、該気泡含有層を形成するための塗料成分としては、マトリクス樹脂10〜50質量%と吸水性ポリマー40〜80質量%、および発泡剤3〜50質量%を含み、これらを溶剤に希釈した塗料を使用することが望ましい。ちなみに、マトリクス樹脂の量が相対的に不足する場合は塗膜形成自体が困難となり、逆にマトリクス樹脂の含有比率が多過ぎると、他の成分、すなわち吸水性ポリマーや発泡剤の量が相対的に不足気味となって易剥離性を十分に高めることができなくなる。
また吸水性ポリマーおよび発泡剤の配合量が多過ぎると、易剥離性は向上するものの被覆用塗膜を形成し難くなり、逆にこれらの配合比率が少な過ぎると、剥離性を十分に高めることができなくなる。
被覆用塗膜としての密着性と易剥離性の双方を考慮してより好ましい各成分の配合比率は、マトリクス樹脂20〜50質量%と吸水性ポリマー50〜70質量%、および発泡剤10〜50質量%の範囲である。
また、他の成分として水溶性樹脂を含む塗料の場合は、同様の理由で、マトリクス樹脂10〜50質量%、吸水性ポリマー:40〜80質量%、発泡剤:3〜50質量%および水溶性樹脂:10〜50質量%の比率で使用し、これらを溶剤に分散乃至溶解して使用すればよい。より好ましい配合比率はマトリクス樹脂:20〜40質量%、吸水性ポリマー:50〜65質量%、発泡剤:10〜40質量%および水溶性樹脂:10〜30質量%の範囲である。なお、水溶性樹脂の配合量が不足する場合は、易剥離性向上効果がやや不足気味になる傾向があり、逆に多過ぎると塗膜密着性不足になる恐れが生じてくる。
尚、塗料構成成分の含有量を規定する上記「質量%」とは、塗料中の発泡剤が発泡する前の全固形成分中に占める比率を意味する。従って、塗料としての使用に当たっては、上記成分を水あるいは後述する様な溶剤に例えば5〜70質量%程度の濃度に希釈して使用される。
上記の様に、発泡剤を用いた発泡によって透水部を形成する具体的な手法としては、上述した様な成分組成の塗料を使用し、これを金属板の片面もしくは両面に塗布し、これを加熱発泡させてから乾燥する方法が最も簡便な方法として推奨される。なお、これらの塗料を塗布するに先立って、該塗料と同種もしくは異種の樹脂液を親水性不織布に含浸付着させてから、その上に更に上記塗料を塗布して多層構造の被覆層を形成することも可能である。
本発明において塗料組成物を作製する際の溶剤としては、様々の有機溶剤を使用することができる。使用できる有機溶剤としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノールなどのアルコール類;メチルセロソルブ、エチルセロソルブなどのエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類;エチレングリコール、プロピレングリコールなどのグリコール類やそのエステル類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類、キシレン、トルエン等の炭化水素類などが挙げられるが、勿論これらに限定される訳ではない。
マトリクス樹脂は、被覆形成成分として造膜性と塗膜密着性を有するものであれば特に制限されず、例えば、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリアミド系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ビニル系樹脂など、或いはそれらの各種変性樹脂を任意に選択して使用できる。
また吸水性ポリマーも、水を吸収して膨潤する種々の高分子を使用できるが、中でも好ましいのはアクリル酸やアクリロニトリルなどで変性した澱粉やPVA(ポリビニルアルコール)系、カルボキシメチルセルロース系、ポリアクリル酸塩系などの高吸水性ポリマーであり、とりわけ好ましいのはポリアクリル酸ナトリウムの如く微粒子化の可能な吸水性ポリマーである。
発泡剤としては、アゾジカルボンアミド、アゾジカルボン酸バリウム、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、4,4−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、ヒドラジカルボンアミド、ジフェニルスルホン−3,3−ジスルホニルヒドラジド、p−トルエンスルホニルセミカルバジド、トリヒドラジノトリアジン、ビウレア、炭酸水素ナトリウム、炭酸亜鉛など、あるいは更に各種の熱膨張性マイクロカプセルや各種発泡剤マスターバッチ品などが、非限定的に例示される。
水溶性樹脂の具体例としては、PVA系、澱粉系、セルロース系など各種の水溶性樹脂が例示される。
本発明の樹脂被覆金属板は、上記の様にして調製した塗料を金属板の片面または両面に塗布し、発泡剤を用いた場合は適度の温度に加熱して発泡させてから乾燥し、金属板の表面に樹脂被覆層を形成することによって製造される。
透水部として親水性の不織布を使用する場合は、親水性繊維からなるシート状の不織布を金属板の表面に添え、その上から塗料を塗布する方法、あるいは同不織布に塗料成分を含浸してから金属板の表面に貼り合わせる方法などを採用すればよく、また被覆樹脂層を多層構造とする場合は、例えば上記の様に塗料成分を含浸した不織布を金属板に貼り合わせた後、或いはその前に発泡剤含有塗料を塗布して発泡させ、被覆を層状に形成する方法などを採用すればよい。
上記不織布を構成する親水性繊維の具体例としては、セルロース系繊維、親水性ポリエステル系繊維、ビスコースレーヨンなど、或いはその他、アクリル繊維などの各種合成繊維に吸水加工などの処理を施して親水性を与えた繊維などが全て使用可能である。特に本発明では、水分と接して速やかに透水性を与えるため、例えばアクリル繊維などに親水性の高い界面活性剤などで吸水処理を施した不織布などが好ましく使用される。
金属板の種類にも一切制限がなく、任意のサイズの切板や帯状の金属板が包含され、具体例としては、熱延鋼板、冷延鋼板、溶融亜鉛めっき鋼板;合金化溶融亜鉛めっき鋼板、電気亜鉛めっき鋼板、電気Zn−Ni合金めっき鋼板などの各種めっき鋼板;ステンレス鋼板;アルミニウム、チタン、亜鉛などの非鉄金属乃至非鉄合金板などが非限定的に例示される。また、金属板の更なる耐食性や密着性の向上を期して、リン酸塩処理やクロメート処理、酸洗処理、アルカリ処理、電解還元処理、コバルトめっき処理、ニッケルめっき処理、シランカップリング処理、無機シリケート処理などを施した表面処理金属板も対象となる。
そしてこの樹脂被覆金属板を機能性複合金属板として実用化する際は、上記の様に易剥離性の被覆樹脂層を金属板の片面もしくは両面に形成した後、その上に、石膏ボードやウレタンフォーム、化粧紙など任意の機能性被覆層を形成して複合金属板とすればよい。尚本発明の樹脂被覆金属板を基材として用いた機能性複合金属板は、その特性から水と接する部位や多湿部位に適用すると、機能性被覆層と金属板が簡単に剥離するので、この様な部位への用途は極力避け、使用せざるを得ない場合は、接合端縁が直接露出しない様に端縁をシーリング材でシールしておき、回収・リサイクル時に該シーリング材を剥離除去することで周縁を開放し易剥離性が与えられる様にすることが望ましい。
以下、実施例を挙げて本発明の構成および作用効果をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも可能であり、それらは何れも本発明の技術的範囲に包含される。
実施例
(樹脂被覆金属板の製造例1)
1)ベース樹脂としてポリエステル樹脂(東洋紡績社製の商品名「バイロン」)を使用 し、吸水性ポリマーおよび各種添加剤を加えて均一に混合することにより被覆形成用 塗料を作製する。
2)得られた塗料を、アプリケーターを用いて鋼板の表面に塗布する(WET膜厚狙い で約200μm)。
3)次いで熱風炉内で加熱乾燥して樹脂被覆層を形成する。
・水溶性樹脂を併用した場合は150℃×5分間加熱して乾燥する。
・発泡剤を用いた場合
発泡剤Aの場合は、150℃×5分間加熱して乾燥する。
発泡剤Bの場合は、1日乾燥した後150℃×5分間加熱して発泡させる。
4)得られた樹脂被覆金属板の表面に、厚さ500μmのスペーサーを挟んだ状態で、 コーティングバーを用いて接着剤(コニシ社製の変性シリコーン樹脂系接着剤、商 品名「サイレックス」)を塗布する。
5)その上に、厚さ9.5mmの石膏ボード(吉野石膏社製)を貼り合わせ、その上に 重しを置いて1週間風乾することにより、機能性複合金属板を得る。
6)該機能性複合金属板からの金属板の易剥離性を調べるべく、樹脂被覆の端縁を出す ため、供試板の中央部から15cm×7cmの試験片を切り出し、下記の易剥離性評 価試験を行なう。
(樹脂被覆金属板の製造例2)
1)鋼板上にアプリケーターを用いてポリエステル樹脂(東洋紡績社製の商品名「バイ ロン」)溶液を、乾燥膜厚が75μmとなる様に塗布する。
2)上記塗膜上に不織布(東洋紡績社製の商品名「ランシール」、厚さ約10μm)を 載せる。
3)溶剤を揮発除去した後、吸水性樹脂(三洋化成社製の商品名「サンフレッシュ」) 入りの前記ポリエステル樹脂(東洋紡績社製の商品名「バイロン」)溶液をアプリ ケーターで塗工し、150℃×5分程度で再度溶剤を揮発させる(トータル膜厚で約 40〜80μm)。
4)その上に、接着剤(コニシ社製の変性シリコーン樹脂系接着剤、商品名「サイレッ クス」)を、500μmのスペーサーを挟み込んだ状態でバーコーターにより塗布す る。
5)接着剤層上に、厚さ9.5mmの石膏ボード(吉野石膏社製)を貼り合わせ、その 上に重しを置いて1週間風乾することにより、機能性複合金属板を得る。
6)該機能性複合金属板からの金属板の易剥離性を調べるべく、樹脂被覆の端縁を出す ため、供試板の中央部から15cm×7cmの試験片を切り出し、下記の易剥離性試 験を行なう。
評価試験(易剥離性);
上記で得た各機能性複合金属板の供試片を70℃に保った温水に浸漬して約30kHzの高周波をかけ、石膏ボードが剥離するまでの時間を測定し、下記の基準で評価する。
◎:10分未満で剥離、○:10分以上30分未満で剥離、
△:30分以上で剥離、×:剥離しない。
結果を表1に一括して示す。
Figure 0004659432
表1より次の様に解析できる。
符号1〜8は本発明の規定要件を満たす実施例であり、吸水性ポリマーと共に、発泡剤による発泡層もしくは親水性不織布からなる透水部を有しているため、いずれも優れた易剥離性を有している。中でも吸水性ポリマーと透水部と水溶性樹脂の3者が含まれている符号3,4,5は特に優れた易剥離性を有している。
これらに対し、符号9〜13は本発明で規定する要件の1以上を欠く比較例であり、いずれも易剥離性が悪い。これらの結果から、たとえ吸水性ポリマーや水溶性樹脂を含むものであっても、透水部を有していない限り、本発明で意図するレベルの易剥離性を満足できないことが分かる。
また、上記方法に準じて樹脂バインダー、吸水性樹脂、発泡剤および水溶性樹脂を下記表2に示す比率で配合して塗料A〜Cを調製し、それぞれの塗料をアプリケーターで鋼板上に塗布して塗膜形成を試みたが、マトリクス樹脂の量が少な過ぎるため殆ど塗膜化できなかった。
Figure 0004659432

Claims (4)

  1. 金属板の表面に被覆樹脂層が形成された樹脂被覆金属板であって、該被覆樹脂層は、マトリクス樹脂、吸水性ポリマー、水溶性樹脂および透水部を含み、この透水部が、マトリクス樹脂:20〜40質量%、吸水性ポリマー:50〜60質量%、発泡剤:10〜40質量%および水溶性樹脂:10〜30質量%を含んでいる塗料を金属板に塗布し、発泡させることにより形成された気泡であることを特徴とする、易剥離性に優れた樹脂被覆金属板。
  2. さらに、親水性の不織布層によって形成されている透水部を含む請求項1に記載の樹脂被覆金属板。
  3. 前記被覆樹脂層は、吸水性ポリマーを含む層と透水部を有する層の2層以上で構成されている請求項1または2に記載の樹脂被覆金属板。
  4. 前記請求項に記載された塗料を金属板の片面もしくは両面に塗布し、塗膜中の発泡剤を発泡させて乾燥することを特徴とする、易剥離性に優れた樹脂被覆金属板の製法。
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