JP4659070B2 - タイヤの走行シミュレーション方法 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば泥で覆われた路面を走行するタイヤの評価が可能なタイヤの走行シミュレーション方法に関する。
従来、タイヤの開発は、試作品を作り、それを実際に実験し、実験結果から改良品をさらに試作するという繰り返し作業で行われている。しかし、この方法では、試作品の製造や実験に多くの費用と時間を要するため、開発効率の向上には限界がある。かかる問題点を克服するために、近年では有限要素法といった数値解析手法を用いたコンピュータシミュレーションにより、タイヤを試作しなくてもある程度の性能を予測・解析する方法が提案されている。
しかしながら、従来の提案では、タイヤを乾燥路面、水膜が存在するウエット路面又は雪ないし乾燥土のように変形後の体積変化が実質的に永続するような路面又は砂漠のように砂で覆われた路面でタイヤを走行させるシミュレーションに止まる(下記特許文献参照)。従って、タイヤのトレッド表面に粘着するような泥で覆われた路面での走行性能を評価しようとする場合、現実のテストを数多く実施する必要がある。
特許第3332370号公報
本発明は、以上のような問題点に鑑み案出なされたもので、泥路面モデルを構成する各要素に、応力状態に基づいて物理特性が異なる弾塑性特性と、圧縮応力状態では破壊しない一方、引張応力状態では特定の破壊ひずみで破壊する崩壊特性とを定義することを基本として、タイヤを実際に試作することなく、泥で覆われた路面を走行するタイヤの評価を精度良く行いうるシミュレーション方法を提供することを主たる目的としている。
本発明のうち請求項1記載の発明は、数値解析が可能な要素でタイヤをモデル化したタイヤモデルを設定するステップと、数値解析が可能な要素で泥の路面をモデル化した泥路面モデルを設定するステップと、タイヤモデルと泥路面モデルとを接触させかつ前記タイヤモデルが前記泥路面モデルに対して転動する条件を与え、タイヤモデル及び泥路面モデルの変形計算をコンピュータを用いて微小な時間増分毎に行うことによりタイヤの走行シミュレーションを行うシミュレーションステップとを含み、かつ前記泥路面モデルの各要素には、応力状態及びひずみ速度に基づいて物理特性が異なる弾塑性特性、圧縮応力状態では破壊しない一方、引張応力状態では特定の破壊ひずみで破壊する崩壊特性、並びに前記タイヤモデルと前記泥路面モデルとの間の粘着力及び粘着摩擦力が定義され、前記崩壊特性は、解析対象となる前記泥を、実質的な剛性を持たない柔軟な材料から形成された中空円筒状のコンテナに封止し、該コンテナの外周面に拘束圧を作用させるとともに内部の中空部に圧力を作用させることでコンテナ内部の前記泥に周方向の引張応力を与えて破壊させる中空円筒引張り試験を少なくとも2種類の拘束圧の下で行う段階と、前記中空円筒引張り試験の結果に基づいて前記破壊ひずみを計算する段階とを含んで定義されることを特徴とする。
また請求項記載の発明は、前記弾塑性特性は、少なくとも2種類の拘束圧の下での応力−ひずみの関係が定義される請求項1記載のタイヤの走行シミュレーション方法である。
また請求項記載の発明は、前記弾塑性特性は、解析対象となる前記泥を用いて少なくとも2種類の拘束圧で三軸圧縮試験を行う段階と、前記三軸圧縮試験の結果に基づいて前記応力−ひずみの関係を設定する段階とを含んで定義される請求項1又は2記載のタイヤの走行シミュレーション方法である。
また請求項記載の発明は、前記応力−ひずみの関係は、応力の上昇に伴いひずみが0から降伏点まで滑らかに上昇する第1の変形領域と、この第1の変形領域に続くとともに応力のゆるやかな上昇を伴いながら前記ひずみが前記降伏点から増加する第2の変形領域とを少なくとも含む請求項2又は3記載のタイヤの走行シミュレーション方法である。
また請求項記載の発明は、前記シミュレーションステップは、前記泥路面モデルの要素の応力状態を計算する段階と、要素に作用する圧力に基づいて応力−塑性ひずみ曲線を求める段階と、前記泥モデルの要素の応力状態が前記応力−塑性ひずみ曲線を超えているか否かを判定する段階と、前記泥モデルの要素の応力状態が前記応力−塑性ひずみ曲線を超えている場合、前記要素の応力を応力−塑性ひずみ曲線上の値に修正する段階とを含む請求項1乃至のいずれかに記載のタイヤの走行シミュレーション方法である。
泥が十分な厚さで堆積した泥路面でタイヤを走行させる場合、泥の物理特性は、タイヤから受ける圧力の状態に基づいて変わる。本発明のシミュレーション方法では、泥路面モデルを構成する各要素に、応力状態に基づいて物理特性が異なる弾塑性特性と、圧縮応力状態では破壊しない一方、引張応力状態では特定の破壊ひずみで破壊する崩壊特性が定義される。これにより、泥路面の影響を精度良く再現したシミューション結果を得ることができる。
また、請求項2記載の発明では、シミュレーションステップにおいて、タイヤモデルと泥路面モデルとの間に粘着力と粘着摩擦力とが計算され、それが走行抵抗として考慮されるので、より精度の高いシミュレーション結果を得ることができる。
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。
本発明のタイヤの走行シミュレーション方法では、十分な泥の厚さを有する路面でタイヤを走行させる泥上走行シミュレーションを例に挙げ図面に基づき説明する。
本明細書において、泥とは、少なくとも粘土(粒径:0.005未満)、シルト(粒径:0.005〜0.075mm)、細砂(粒径:0.075〜0.250mm)、中砂(粒径:0.250〜0.850mm)、粗砂(粒径:0.850〜2.00mm)、細礫(2.00mm〜4.75mm)及び中礫(4.75mm〜19.00mm)の1種又は2種以上の粒子と水分(10〜50%)とを含む混合物とする。特に限定されないが、一般的な泥走行路面に近似させるために、前記粒径は9.50mm以下が望ましく、また含水率(泥全体に占める水分の重量%)は好ましくは10〜50%、より好ましくは10〜40%が望ましい。
図1には、本発明のシミュレーション方法を実施するためのコンピュータ装置1が示されている。前記コンピュータ装置1は、本体1a、キーボード1b、マウス1c及びディスプレイ装置1dを含んで構成される。前記本体1aには、演算処理装置(CPU)、ROM、作業用メモリー、磁気ディスクのような大容量記憶装置(いずれも図示せず。)、CD−ROMなどのドライブ装置1a1、1a2が設けられる。そして、前記大容量記憶装置には後述するシミュレーション方法を実行するために必要な処理手順(プログラム)が記憶される。
図2には、本発明のシミュレーション方法の手順の一実施形態が示される。先ず、数値解析が可能な要素でタイヤをモデリングしたタイヤモデルが設定される(ステップS1)。数値解析が可能とは、例えば有限要素法、有限体積法、差分法又は境界要素法といった数値解析法にて取り扱い可能なことを意味し、本例では有限要素法及び有限体積法が採用される。
図3には、タイヤモデル2の一例が3次元上に視覚化して表されている。タイヤモデル2は、解析しようとするタイヤを有限個の小さな要素(ラグランジュ要素)2a、2b、2c…を用いて表すことによりモデリングされる。このようなタイヤモデル2の実体は、前記コンピュータ装置1で取り扱いが可能な数値データである。具体的には、各要素2a、2b、2c…の節点座標値、要素番号、節点番号及び材料特性(例えば密度、ヤング率及び/又は減衰係数等)などが定義される。特に限定されないが、各要素2a、2b、2c…には、例えば2次元平面としての四辺形要素があり、3次元要素としては、複雑な形状を表現するのに適した4面体ソリッド要素が好ましい。但し、これ以外にも5面体又は6面体ソリッド要素などが用いられても良い。
タイヤを構成しているゴム部分は、主として3次元ソリッド要素でモデリングされる。図3の例では、トレッド表面の縦溝及び横溝を含んだトレッドパターン形状が忠実に再現されている。パターン以外の箇所を重点的に検討したい場合、タイヤモデル2は、前記トレッドパターンが省略されたスムーズモデルで設定されても良い。トレッドの接地圧力やせん断力の分布を十分に表現できるように、1要素の周方向長さは接地長さの25%以下が望ましい。また、トレッドの断面方向の円弧を滑らかに表現しうるよう、1要素のタイヤ軸方向の長さは20mm以下が望ましい。
また図4に示されるように、タイヤモデル2は、トレッドパターンを忠実にモデル化した詳細パターン部分Aと、トレッドパターンを簡略化してモデル化した簡易パターン部分Bとを含むものでも良い。詳細パターン部分Aは接地長さよりも大きい範囲で定められるが、前記簡易パターン部分Bよりも小さい長さで設けられる。これにより、タイヤモデル2のトータルでの要素数が少なくなり、計算時間の短縮が図られる。
またタイヤモデル2の内部は、タイヤの内部構造に基づいてモデリングされる。即ち、図5に示されるように、タイヤ内部のベルトやカーカスのコード配列体cは、四辺形膜要素5a、5bに、またコード配列体cを被覆するトッピングゴムtは、ソリッド要素5c〜5eにそれぞれモデル化されている。そして、これらは厚さ方向に順番に積層され、複合されたシェル要素5を構成する。前記四辺形膜要素5aは、コードの直径に等しい厚さ及びコードの配列方向に基づいた異方性が定義される。また前記ソリッド要素は、体積変化が生じない超粘弾性が定義される。
次に、数値解析が可能な要素で泥の路面をモデル化した泥路面モデルが設定される(ステップS2)。
この実施形態では、泥路面モデルは、有限体積法にて取り扱い可能なオイラー要素を用いて定義される。図6は泥路面モデル6を視覚化した側面図を示す。泥路面モデル6は、平面剛要素7の上の空間に固定された格子状のメッシュ6aと、このメッシュ6aによって区切られる立方空間6bを移動可能な(メッシュ6aを通って流れることができる)泥充填物6cとを含む。
前記泥路面モデル6において、一つの要素とは、前記一つの立方空間6bと、その中に含まれる泥充填物6cとを含む概念である。
また、前記泥充填物6cは、現実の路面の泥に相当し、泥路面モデル6の上部を除き、底部及び周囲で閉じられている。つまり、泥充填物6cは、例えば上部が開放された箱の中に入れられた泥と等価である。前記泥充填物6cの厚さHは、現実の泥路面の泥厚さに相当するので、本実施形態では、剛要素7の影響を無視できる程度の十分な大きさが与えられる。
また、泥路面モデル6には、タイヤモデル2と接触しかつそれを転動させるのに必要かつ十分な幅及び長さが与えられる。ここで、タイヤモデルの転動は、必要な解析を得るために必要な転動であれば、1回転よりも小さい回転量であっても良い。
図7(A)及び(B)に示されるように、泥路面モデル6は、タイヤモデル2の表面との接触が考慮される。タイヤモデル2及び泥路面モデル6の変形計算(後述)では、互いの位置情報から両者の交差部分Jが計算される。両モデル2及び6は、前記交差部分Jの境界JLを介して接触するものとして取り扱われる。即ち、泥路面モデル6は境界JLを介してタイヤモデル2に圧力等を与える。逆に、タイヤモデル2は、その表面を「壁」(カップリングサーフェース)として泥路面モデル6に与える。従って、交差部分Jに存在していた泥充填物6cは圧縮される。
本実施形態の泥路面モデル6には、弾塑性特性、崩壊特性及び粘着力が定義される。
弾塑性特性とは、泥充填物6cの物理特性が、応力状態に基づいて異なること言う。発明者らは、前記した粒径の泥は、応力状態によって自らの物理特性が異なる弾塑性特性を有することを突き止めた。即ち、泥は粘性を有するため、その変形特性はひずみ速度に依存する。雪のような材料モデルでも、弾塑性特性が定義される場合があり得る。しかし、これまでの雪のモデルには、ひずみ速度の影響が考慮されていない。従って、泥路面上でのタイヤの走行をより正確にコンピュータ上で再現するために、本実施形態では、このような弾塑性特性が泥充填物6cに定義される。
また、崩壊特性とは、泥充填物6cが、圧縮応力(平均圧縮応力)の下では塑性ひずみが生じても破壊しない一方、引張応力(平均引張応力)の下では、その等価塑性ひずみが特定の値に達すると破壊する特性を言う。泥充填物6cが破壊する等価塑性ひずみは、拘束圧に拘わらずほぼ一定の値を示す。従って、泥路面モデル6の泥充填物6cに、この崩壊特性と上記弾塑性特性とを定義することにより、タイヤが泥路面を走行するときのより実際の泥路面状況をシミュレーション結果に取り込むことができる。
前記弾塑性特性及び崩壊特性は、好ましくは、解析対象となる実際の泥の物理特性に応じて設定されることが望ましい。本実施形態では、解析対象(走行対象)となる泥の物理特性が、三軸圧縮試験及び中空円筒引張試験により調べられる。そして、それに基づいて泥路面モデル6の弾塑性特性及び崩壊特性が設定される。
図8には、三軸圧縮試験機10の一例が示される。三軸圧縮試験機10は、内部に流体が貯留された圧力室11と、該圧力室11の中に置かれかつ泥Sを封止した円柱状のコンテナ12と、該コンテナ12の軸方向(垂直軸方向)に荷重を負荷しうるアクチュエータ14とを含んで構成される。
前記圧力室11は、円筒形の本体筒11aと、その上部を閉じる上蓋部11bと、前記本体筒11aの下部を閉じる下蓋部11cとを含み、内部には例えば水等の流体が封止される。圧力室11は、その中の流体の量を図示しない恒圧装置で調節することにより、内部の圧力(流体圧)が予め定めた値に保持される。前記上蓋部11bには、例えば前記アクチュエータ14を気密に支持しうるガイド部11dが設けられる。また下蓋部11cには、例えば恒圧装置(図示省略)に接続される流路11eや、コンテナ12の底部と圧力計とを結ぶ流路11fなどが設けられる。
前記コンテナ12は、例えば厚さが薄いゴムのように柔軟な材料から形成され、実質的な剛性を持たない。本実施形態のコンテナ12は、直径5cmの円柱形である。コンテナ12の中には、解析対象の泥Sが密に充填される。従って、前記泥Sは、コンテナ12を介して流体からの圧力を受ける。また、円柱形のコンテナ12は、下面が下蓋部11cにより固定され、かつ、上面がアクチュエータ14に固定されたピストン13で保持される。これにより、泥Sは、コンテナ12の側面全周に圧力室11の流体圧に等しい拘束圧を受ける。
泥Sの物理特性は応力状態によって異なる。従って、このような物理特性を特定するためには、少なくとも2種類、好ましくは3種類以上の拘束圧の下、三軸圧縮試験が行われるのが望ましい。また、前記拘束圧は、タイヤの接地圧に近似した値を考慮して定められるのが望ましい。これらに鑑み、本実施形態では、98kPa、196kPa及び294kPaの3種類の拘束圧で三軸圧縮試験が行われた。
三軸圧縮試験では、拘束圧を所定の値に設定した後、アクチュエータ14を一定の速度で押し下げ、コンテナ12の軸方向の圧縮荷重を増しながら各種の力、変位及び体積変化等が測定される。この状態では、コンテナ12の内部の泥Sは、X及びY方向に拘束圧が、Z方向に拘束圧及び圧縮荷重がそれぞれ作用する三軸圧縮応力状態となる。泥Sは、圧縮荷重の増加によって降伏して滑りが発生し、ついにはコンテナ12とともに軸方向と直角方向(円柱の半径方向)に膨らむ。
また、ひずみ速度の影響を取り込むために、上記3つの各拘束圧下において、アクチュエータ14は2種類の速度ε'1及びε'2(>ε'1)で押し下げられる。
試験の結果、図9に示されるように、泥Sの軸方向の圧縮塑性ひずみと軸方向の軸差応力との関係が得られる。図9において、横軸はコンテナ12で包まれた泥Sの軸方向の圧縮塑性ひずみを示し、縦軸は前記泥Sに作用する軸方向の軸差応力(σ−σ)である。これらは、それぞれ次の式で計算されるものとする。
<軸方向の圧縮塑性ひずみ>
ε=ΔL/L
:コンテナで包まれた円柱状の泥の初期の軸方向長さ
ΔL:その軸方向の変位量
<軸方向の軸差応力>
(σ−σ
σ:最大主応力(軸方向応力で、シリンダの押圧力をコンテナで包まれた円柱状の泥の断面積で除した値)
σ:最小主応力(拘束圧)
各曲線において、泥を圧縮し始めると、軸差応力は上昇する。これは、泥Sの各粒子間の摩擦によって引き起こされた粒子の滑りに対する抵抗によるものと考えられる。また、泥への圧縮荷重がさらに大きくなると、前記粒子間の接触圧が小さい箇所から順番に徐々に滑りが導入され応力の上昇が緩慢になる。この現象は、各曲線で表される軸方向の軸差応力のピークで完全な滑りが生じるまで続く。そして、その滑りは、軸差応力のピークの後にも継続し、該応力はほぼ一定の値に飽和するようゆっくりと上昇する。
また、図9において、拘束圧(応力状態)を変えると、前記圧縮塑性ひずみεと軸差応力(σ−σ)との関係が異なることが理解される。即ち、各拘束圧において、同一の泥路面モデル6の応力−ひずみの関係は、ひずみ速度を大きくすることにより大きくなる。つまり、同一の圧縮塑性ひずみでは、ひずみ速度が大きいほど大きな軸差応力を示すというひずみ速度依存性が明瞭に表れている。
本実施形態では、図9に示される6本の曲線、つまり3種類の拘束圧及び2種類のひずみ速度での応力−ひずみの関係(弾塑性特性)が、泥路面モデル6の弾塑性特性として定義される。言い換えると、泥路面モデル6は、コンピュータシミュレーションにおいて、図9の関係で表されるような変形挙動を見せる。これは、コンピュータ装置1に、図9に示される曲線を関数又は近似曲線等で置き換えて記憶させることで実現される。なお図9の弾塑性特性では、3種類の拘束圧と2種類のひずみ速度しか定められていないので、これらとは異なる圧力とひずみ速度とを考慮した応力−塑性ひずみの関係は、適宜、補間計算されて求められることになる。
図10には、泥の崩壊特性を調べるための中空円筒引張り試験機20の一例が示される。中空円筒引張り試験機20も、三軸圧縮試験機10と同様、内部に流体Wが貯留された圧力室21と、圧力室21の中に置かれた泥Sを封止した内部に中空部iを有する中空円筒状のコンテナ22と、コンテナ22の軸方向(垂直軸方向)に荷重を負荷しうるアクチュエータ23とを含んで構成される。前記コンテナ22も、厚さが薄いゴムのように柔軟な材料から形成され、実質的な剛性を持たないものとする。圧力室21の上蓋部21aには、圧力ポンプPからの高圧空気が送給される流路25が設けられる。これにより、流体Wを介してコンテナ22の外周面に圧力を作用させることができる。また、圧力室21の下蓋部21bには、前記中空部iに圧力ポンプPからの高圧空気を送給しうる流路26が設けられる。これにより、中空円筒体をなす泥Sの中空部iの表面に任意の圧力を作用させることができる。
この試験器20の作用について述べると、圧力室21とコンテナ22の中空部iにそれぞれ一定の圧力Pi、Poを作用させる(図11(a))。また、コンテナ22の外表面の拘束圧Poと等しい圧力がかかるようにアクチュエータ23に軸方向の力Pをかける。そして、圧力室21の圧力Poを一定に保持した状態で、図11(b)に示されるように、コンテナ22内の泥Sに亀裂(破壊)Scが生じるまでコンテナ22の中空部iの圧力Piを増大させる。中空部iの圧力上昇に伴い、アクチュエータ23の押圧力Pも補充される。また、コンテナ22の内部の圧力Pi及び体積増加量は、圧力計27及び流量計28によってそれぞれ測定される。本実施形態では、前記拘束圧Poとして、19.6kPa及び98.0kPaの2種類が採用された。
泥に対して、通常の引張試験を行うことはできない。しかし、本実施形態のように、リング状の中空円筒体のコンテナ22に泥を封止しかつその中空部iに圧力を付与することにより、泥に周方向の引張応力を与えて破壊させることにより、その崩壊特性を調べることができる。
図12には、上記中空円筒引張り試験の結果を示す。中空部iの体積は、当初は、その圧力Pの上昇ととともにゆるやかに上昇した後、圧力Pが殆ど上昇しないにも拘わらず、中空部の体積が急激に増大して降伏又は破断に至る。また、破壊ひずみは、拘束圧に依存することなく、ほぼ一定の値を示す。本実施形態では、この破壊ひずみがコンピュータ装置1に記憶される。
また、泥は、雪や砂のような材料と異なり、強い粘着力を持っている。即ち、タイヤが泥路面上を走行した場合、泥はタイヤ表面に粘着する。タイヤ表面に粘着した泥は、タイヤに引っ張られ、路面から離脱する。この様子がシミュレーションでも再現される。即ち、泥要素モデル6は、引張応力状態において、その等価塑性ひずみが、崩壊特性で定められた一定の値を超えると破壊(路面から離脱)する。これは、泥による走行抵抗を正しくシミュレーションに再現するのに役立つ。また、タイヤ表面と泥との間の粘着による摩擦力もこの引張応力状態で発生する。本実施形態のシミュレーションでは、タイヤモデル2と泥路面モデル6との間に、予め粘着力と粘着摩擦力とが定義され、シミュレーションの変形計算において、これらが考慮される。
例えば、図13(a)に略示されるように、タイヤモデル2と泥路面モデル6とが圧縮応力状態にある場合、垂直反力Nと、移動に伴う摩擦力μN(μ:動摩擦係数)とが発生し、これらの力がタイヤモデル2に与えられる。
他方、図13(b)に略示されるように、タイヤモデル2と泥路面モデル6とが引張応力状態にある場合、タイヤモデル2には、粘着力と、移動に伴う摩擦力(以下、このような摩擦力を「粘着摩擦力」と呼ぶ)(βF)とが与えられる。ここで、βは滑り速度に依存する変数(≦1)、Fは予め定められた最大粘着摩擦力である。粘着力は垂直力であり、粘着摩擦力は、粘着力と直角方向の力である。粘着力は、泥路面モデル6の泥充填物6cが破壊するまで継続して発生し続け増加する。また、粘着摩擦力は、最大摩擦力になるまで発生する。なお、粘着力は、泥路面モデル6の破壊強度に比べて著しく大きい値に設定される。このように、粘着力を考慮して、引張応力状態でも摩擦力を発生させるシミュレーションは、これまで全く考慮されていない。従って、本実施形態のシミュレーションは、より正確にタイヤが泥路面を走行したときの様子を再現できる。
次に本実施形態のシミュレーション方法では、境界条件等が設定される(ステップS3)。設定される条件としては、例えばタイヤモデル2が装着されるリム、内圧、泥路面モデル6とタイヤモデル2との間の摩擦係数、タイヤモデル2に負荷される軸荷重、転動時のスリップ角、キャンバー角、走行速度(本例では泥路面モデル6に接触したタイヤモデル2に所定の並進速度及び回転速度が与えられる。)、タイヤモデル2や泥路面モデル6の変形計算時の初期の時間増分及び両モデル2、6の初期位置などの条件を含む。
前記リム組みをタイヤモデル2に適用するためには、例えば図14に示されるように、タイヤモデル2のリム接触域2r、2rを変形不能に拘束してタイヤモデル2のビード部の幅Wをリム幅に等しく強制変位させるとともに、仮想のタイヤモデル2の回転軸CLと前記拘束されたリム接触域2rとのタイヤ半径方向距離rとが常にリム半径と等しくなるように条件を設定(定義)すれば良い。また内圧をタイヤモデル2に適用するためには、図14のように、タイヤモデル2のタイヤ内側面に内圧に相当する等分布荷重wを与えて変形計算を行えば良い。
次に、タイヤモデル2が泥路面モデル6と接触しかつ転動する様子(タイヤモデル2及び泥路面モデル6の変形)がコンピュータ装置1を用いて微小な時間増分毎に計算される(ステップS4〜S8)。
本実施形態において、各々のモデル2、6の変形計算は、陽解法で計算される。陽解法は、各モデル2、6に荷重等が作用した瞬間を時刻0とし、設定された時間増分ごとに時間を区切り、各時刻でのモデル2、6の変位が求められる。このため、収束計算は必要ないが、計算を安定させるために、前記時間増分がクーラン(Courant)条件を満たす必要がある。具体的には、前記タイヤモデル2及び泥路面モデル6の変形計算における時間増分△tは、下記式(1)を満たすように設定される。
△t<Lmin /C …(1)
ここで、Lmin は各モデル2、6を構成する要素の中で最も小さな要素の代表的な長さ、Cは要素中を伝播する応力波の伝達速度であり、√(E/ρ)で得られる(E:ヤング率、ρ:密度)。クーラン条件を満足するよう時間増分を定めることにより、図15に示されるように、例えば要素e1に外力Fが作用したときに、この外力Fが要素e1に隣り合う要素e2に伝達される前に要素e1の変形状態を計算できる。
また本実施形態では、前記式に基づき、全ての要素の応力波伝達時間が計算されるとともに、該応力波伝達時間の最小値に安全係数を乗じて初期の時間増分が設定される。このため、全ての要素について最適な変形計算が保証される。前記安全係数としては、例えば0.66以上かつ1.0未満とするのが望ましい。そして、タイヤモデル2及び泥路面モデル6の初期の時間増分は、それぞれ0.1〜5μsec 、より好ましくは0.3〜3μsec 、さらに好ましくは0.5〜2μsec が望ましい。
また、図2のステップS4〜S8に示されるように、タイヤモデルの2の変形計算と泥路面モデル6の変形計算とは個別に行われる。そして、タイヤモデル2の変形計算で得られた該タイヤモデル2の位置、形状及び速度に関するデータが泥路面モデル6の変形計算時の境界条件として与えられる(ステップS8)。逆に、泥路面モデル6の変形計算で得られた圧力及び摩擦力に関するデータがタイヤモデル2の変形計算時の境界条件として与えられる(ステップS7)。
図16には、タイヤモデル2の変形計算の具体的な処理手順の一例が示される。そこでは、先ず時間増分△t後のタイヤモデル2の変形計算が行われる(ステップS41)。即ち、タイヤが泥路面モデル6に対して微小時間Δtだけ転動したときの状態が計算される。変形計算は、コンピュータ装置1によって、必要な運動方程式を解くことで行われる。
次に、本実施形態では、変形後のタイヤモデル2の各要素について、その大きさ、密度及び/又は硬さを用いて応力波伝達時間が再度計算され(ステップS42)、該応力波伝達時間に基づいて、クーラン条件を満たすように次回の変形計算に適切な時間増分が設定される(ステップS43)。応力波伝達時間は、要素の変形毎に変化する。従って、変形状況に応じた最適な時間増分を計算することは、より正確なタイヤモデル2の変形計算を行うのに役立つ。
次に、予め指定(定義)された時間が経過しているか否かが調べられる(ステップS44)。経過していない場合、ステップS41に戻り、新たに計算された時間増分後のタイヤモデルの変形計算が行われる。また、所定の時間が経過している場合(ステップS44でY)、タイヤモデル2の変形計算を終えてステップS6に移る。
次に、泥路面モデル6の変形計算の具体例を図17に基づき説明する。先ず、時間増分後の泥路面モデル6の変形計算が行われる(ステップS51)。
この変形計算では、泥路面モデル6の各要素について、現在の密度ρが計算される。泥要素モデル6の泥充填物6cにおける密度は、タイヤモデル2の位置によって変化するからである。
次に、時間増分後の圧力による体積ひずみεvが、予め求められた前記密度を用いて次式(2)で計算される。
εv=1−(ρ/ρ) …(2)
ただし、引張を正、圧縮を負とし、ρは要素の現在の密度、ρは要素の初期(圧力=0のとき)の密度である。
次に、時間増分後の各要素の圧力(ここで言う圧力とは各要素に作用する3軸の応力成分の平均値とする。)Pが、下記式(3)で計算される。
P=aμ+aμ …(3)
ここで、a、aは泥に関する材料定数、μは圧力による体積圧縮率(圧縮を正とする)で下記式(4)により得られるものとする。
μ=−εv=(ρ/ρ)−1 …(4)
次に、泥路面モデル6の各要素について時間増分後の応力計算が行われる(ステップS52)。ここでは、各要素について、偏差応力の二次不変量Jがそれぞれ計算される。先ず、X、Y及びZの各方向の偏差応力σx ’、σy ’及びσz ’は、各方向の垂直応力σx、σy及びσz それぞれから静水圧成分(これは、前記圧力Pである。)を差し引いたもので、下記式(5)〜(7)で計算される。
σx'=σx −P …(5)
σy'=σ −P …(6)
σz'=σ −P …(7)
そして、偏差応力の2次不変量J は、上記偏差応力σx'、σy ’及びσz ’等を用いて下記式(8)により求めることができる。
=σx'・σy'+σy'・σz'+σz'・σx'−τxy −τyz −τzx …(8)
ただし、τxy、τyz、τzxはそれぞれ、せん断応力である。
このステップでは、泥路面モデル6の各要素のひずみ増分は、全て弾性変形とみなされてそれらの応力が計算される。
次に、泥路面モデル6の各要素について、時間増分後の応力−塑性ひずみ曲線が計算される。泥路面モデル6の各要素についての圧力Pは既にステップS51で計算されているので、予め定義されている前記弾塑性特性(図9)から、現在の圧力P及びひずみ速度に対応した応力−塑性ひずみ曲線が求められる(ステップS53)。
次に、泥路面モデル6の各要素について、現在の応力状態が、先に求めた応力−塑性ひずみ曲線を越えているか否かが判断される(ステップS54)。ここで、図18及び図19を用いて、泥路面モデル6の任意の要素についての例を挙げる。図18は、縦軸が二次不変量Jを用いた値{√(3J)}、横軸が圧力Pであるグラフ、また、図19は、縦軸が前記{√(3J)}、横軸が塑性ひずみεpであるグラフである。
いま、前記要素の応力状態がZ及び応力−塑性ひずみ曲線がf’の場合を考える。応力状態Zは応力−塑性ひずみ曲線f’を上に超えており、塑性域に存在していることが分かる。この場合には、応力緩和処理が行われる(ステップS55)。
即ち、本実施形態の泥路面モデルの変形計算では、ステップS52において、泥路面モデル6の各要素のひずみ増分が全て弾性変形と仮定して行われる。従って、ステップS54は、前記の仮定が正確であったかどうかをチェックするために要求される。そして、もし要素の応力状態が応力−塑性ひずみ曲線を上に超えている場合には、当該要素の応力は、シミュレーション精度を維持するために、弾性・塑性変形及び圧力を再計算しながら、正確な値(応力−塑性ひずみ曲線の上の値)まで引き下げる必要がある。
前記応力緩和処理は、種々の方法で行うことができるが、本実施形態では、各要素についてその応力状態が応力−塑性ひずみ曲線上に位置するまでイタレーションを行う。具体的には、先ず応力状態zにおける塑性ひずみの値εp1を維持したまま、その応力状態が、応力−塑性ひずみ曲線f’上の状態z’まで引き戻される。
次に、当該要素について、応力状態zからz’に減少した応力に対応するひずみは塑性成分であるとみなして、新たな塑性ひずみεp2”が求められる。即ち、イタレーションにおいて、応力状態z1と、応力−塑性ひずみ曲線f'との差に対応するひずみは、要素に塑性変形をもたらした塑性ひずみ成分とみなされる。
次に、当該要素について、新たに求められた応力状態z’などを用いて新たに圧力Pが計算される。また新たに計算された圧力Pとひずみ速度とを用い、前記図9の関係に基づいて、新たな応力−塑性ひずみ曲線f”が計算される。そして、該曲線f”上で塑性ひずみがεp2”となる応力状態z”が求められる。さらにここで、塑性ひずみと圧力とが再計算され、その応力状態が応力−塑性ひずみ曲線上に一致するまで、即ち正確な応力状態まで前記処理が繰り返される。このようにして、応力状態zは最終的に応力状態を応力−塑性ひずみ曲線f上の応力状態Zまで引き戻しされる。
次に、泥路面モデル6の要素の平均応力が引張の場合、該要素の等価塑性ひずみと予め定義された崩壊条件の破壊ひずみとが比較される(ステップS56)。もし、等価塑性ひずみが前記破壊ひずみよりも大きい場合(ステップS56でY)、当該要素の応力が零にセットされる(ステップS57)。泥路面モデル6の要素に定義される粘着力は、要素の破壊強度よりも十分に大きい。従って、このステップで応力が零にセットされた要素は、路面モデル6側から離脱し、粘着力によってタイヤモデル2側に付着して移動する。これにより、泥の粘着力による走行抵抗及び泥の破壊による地面からの分離がシミュレーションの中で考慮される。なお、タイヤモデル2側に付着した泥の要素であっても、再度接地して平均ひずみ増分が再び圧縮になると、再び応力を発生させることができる。
次に、本実施形態では、タイヤモデル2の場合と同様に、変形後の泥路面モデル6の各要素について応力波伝達時間が再度計算され、例えば該応力波伝達時間の最小値に安全率を掛けた値が次回の時間増分として設定される(ステップS58)。
次に、予め指定(定義)された時間が経過しているか否かを調べ(ステップS59)、経過していない場合には、ステップS51に戻り、新たに計算された時間増分で再度泥路面モデル6の変形計算が繰り返し行われる。また、所定の時間が経過しているときには(ステップS59でY)、泥路面モデル6の変形計算を終えステップS6に移る。
ステップS7、S8では、それぞれ別々に独立させて計算されたタイヤモデル2と泥路面モデル6との変形計算結果から、お互いに必要なデータを受け渡しさせ両モデルを連成させる。先に述べたように、次回のタイヤモデル2の変形計算には、泥路面モデル6の圧力データが境界条件として与えられる。他方、泥路面モデル6の次回の変形計算には、タイヤモデル2の位置及び形状が壁としての条件として与えられるとともに、速度データ等が与えられる。
従って、泥路面モデル6には、タイヤモデル2の位置等の変化に伴って、移動ないし変形が生じるほか、圧力が変化する。また、タイヤモデル2には、泥路面モデル6から受ける反力によってその変形が再現される。そして、このような計算を繰り返すことによって、泥の圧縮特性とタイヤモデル2と泥路面モデル6との相互作用が考慮されながら、タイヤモデル2及び泥路面モデル6の時々刻々と変化する接触状態が計算される。
また、ステップS6では、計算終了となる予め指定された時間が経過したか否かが判断される。ステップS6でYと判断された場合、所定の計算結果が出力され(ステップS9)、処理を終える。ステップS6での計算を終える時間は、実行するシミュレーションに応じ、安定した計算結果が得られるように定められる。
計算結果として、種々のデータが出力される。例えば、泥路面モデルの応力分布、塑性ひずみの分布、タイヤモデル2の前後方向力及び/又はタイヤモデル2に生じる横力等を出力することにより、泥上でのタイヤの運動性能を十分に評価できる。出力されるデータは、これらの値に限定されるものではない。
図20には、走行シミュレーション中のタイヤモデル2及び路面モデル6を可視化して示す。(a)から(b)へと時間が進行している。図20(b)では、タイヤモデル2の表面に泥の要素が付着している状態が分かる。
そして、以上のシミュレーションの出力結果に基づいて、必要なタイヤの内部構造、プロファイルの変更、パターンの改良、内圧又はゴム材の改良などが行われる。さらにはトレッド部の溝やサイピングの形状、深さ及び/又は厚さなどを変えることができる。また、好適なシミュレーション結果が得られたタイヤモデルに基づいて、実際にタイヤを試作することができる。これにより、例えば泥道走行用のタイヤの開発期間を大幅に短縮できるとともに、開発コストを低減できる。そして、試作タイヤについても実車評価などを行い、良好な結果が得られたタイヤを製造できる。
上記実施形態では、タイヤモデル2は固定された泥路面モデル6の上で走行させているが、これとは逆にタイヤモデル2の回転軸を自由回転のみ許容して固定するとともに、タイヤモデル2と接触している泥路面モデル6を移動させることもできる。この場合、泥路面モデル6について一定の長さを定めておき、その前縁から順次泥路面モデルが追加されるとともに、後縁からは泥路面モデルが削除されていくよう設定すれば良い。
本発明のシミュレーション方法を実施するためのコンピュータ装置の構成図である。 本発明のシミュレーション方法の処理手順の一例を示すフローチャートである。 タイヤモデルを視覚化して示す斜視図である。 他の形態のタイヤモデルを視覚化して示す側面図である。 コード補強材の要素モデル化を示す概念図である。 泥路面モデルを視覚化して示す側面図である。 (A)、(B)は泥路面モデルの変形を例示する線図である。 三軸圧縮試験の一例を示す断面図である。 三軸圧縮試験により得られた軸方向の軸差応力とひずみとの関係を示すグラフである。 中空円筒引張り試験の一例を示す断面図である。 (a)、(b)は、中空円筒体に形成された泥の崩壊を示す軸中心線と直角な断面図である。 中空円筒引張り試験の結果の一例を示すグラフである。 (a)、(b)は、タイヤモデルと泥路面モデルとの接触時の力の釣合を示す模式図であり、(a)は垂直力が圧縮の場合、(b)は引張力の場合を示す。 タイヤモデルにリム組み条件を与える断面図である。 要素の斜視図である。 タイヤモデルの変形計算の一例を示すフローチャートである。 泥路面モデルの変形計算の一例を示すフローチャートである。 応力緩和処理を説明する偏差応力の二次不変量と圧力との関係を示すグラフである。 応力緩和処理を説明する偏差応力の二次不変量と塑性ひずみとの関係を示すグラフである。 (a)、(b)は走行シミュレーションの状態を可視化して示す斜視図である。
符号の説明
2 タイヤモデル
6 泥路面モデル

Claims (5)

  1. 数値解析が可能な要素でタイヤをモデル化したタイヤモデルを設定するステップと、
    数値解析が可能な要素で泥の路面をモデル化した泥路面モデルを設定するステップと、
    タイヤモデルと泥路面モデルとを接触させかつ前記タイヤモデルが前記泥路面モデルに対して転動する条件を与え、タイヤモデル及び泥路面モデルの変形計算をコンピュータを用いて微小な時間増分毎に行うことによりタイヤの走行シミュレーションを行うシミュレーションステップとを含み、
    かつ前記泥路面モデルの各要素には、応力状態及びひずみ速度に基づいて物理特性が異なる弾塑性特性
    圧縮応力状態では破壊しない一方、引張応力状態では特定の破壊ひずみで破壊する崩壊特性、並びに
    前記タイヤモデルと前記泥路面モデルとの間の粘着力及び粘着摩擦力が定義され、
    前記崩壊特性は、解析対象となる前記泥を、実質的な剛性を持たない柔軟な材料から形成された中空円筒状のコンテナに封止し、該コンテナの外周面に拘束圧を作用させるとともに内部の中空部に圧力を作用させることでコンテナ内部の前記泥に周方向の引張応力を与えて破壊させる中空円筒引張り試験を少なくとも2種類の拘束圧の下で行う段階と、
    前記中空円筒引張り試験の結果に基づいて前記破壊ひずみを計算する段階とを含んで定義されることを特徴とするタイヤの走行シミュレーション方法。
  2. 前記弾塑性特性は、少なくとも2種類の拘束圧の下での応力−ひずみの関係が定義される請求項1記載のタイヤの走行シミュレーション方法。
  3. 前記弾塑性特性は、解析対象となる前記泥を用いて少なくとも2種類の拘束圧で三軸圧縮試験を行う段階と、
    前記三軸圧縮試験の結果に基づいて前記応力−ひずみの関係を設定する段階とを含んで定義される請求項1又は2記載のタイヤの走行シミュレーション方法。
  4. 前記応力−ひずみの関係は、応力の上昇に伴いひずみが0から降伏点まで滑らかに上昇する第1の変形領域と、
    この第1の変形領域に続くとともに応力のゆるやかな上昇を伴いながら前記ひずみが前記降伏点から増加する第2の変形領域とを少なくとも含む請求項2又は3記載のタイヤの走行シミュレーション方法。
  5. 前記シミュレーションステップは、前記泥路面モデルの要素の応力状態を計算する段階と、
    要素に作用する圧力に基づいて応力−塑性ひずみ曲線を求める段階と、
    前記泥モデルの要素の応力状態が前記応力−塑性ひずみ曲線を超えているか否かを判定する段階と、
    前記泥モデルの要素の応力状態が前記応力−塑性ひずみ曲線を超えている場合、前記要素の応力を応力−塑性ひずみ曲線上の値に修正する段階とを含む請求項1乃至4のいずれかに記載のタイヤの走行シミュレーション方法。
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