JP4651833B2 - 補給剤材料、補給剤の補給剤材料比率を設定する方法及び補給剤材料を補充する方法 - Google Patents

補給剤材料、補給剤の補給剤材料比率を設定する方法及び補給剤材料を補充する方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、補給剤、および特にハイブリッド非スカベンジング現像システムを用いた電子写真装置への材料補給方法に関する。特に本発明は電子写真装置への最適な補給剤材料比率を決定する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
これまで、電子写真に対してオフセット印刷と同等品質の印刷物を供給することは要求されなかった。オフセット印刷の顧客は、従来式の電子写真装置から得られる印刷品質よりもはるかに高いレベルの印刷品質をに要求していた。
【0003】
米国特許第5,545,501号に、キャリア粒子とトナー粒子を含む静電写真現像剤の構成が記載されている。このトナー粒子は、体積平均粒子サイズ(T)の分布は4μm≦T≦12μmで、前記キャリア粒子と摩擦電気接触した後の直径当たりの平均電荷(絶対値)はフェムトクーロン(fC)/10μm(CT)で表して1fC/10μm≦CT≦10fC/10μmである。この現像剤の特徴として、(1)前記キャリア粒子の飽和磁化値、Msatはテスラ(T)で表してMsat≧0.30T、(2)前記キャリア粒子の体積平均粒子サイズ(Cavg)は30μm≦Cavg≦60μm、(3)前記キャリア粒子の体積ベースの粒子サイズ分布において少なくとも90%の粒子の粒子サイズCが0.5Cavg≦C≦2Cavg、(4)前記キャリア粒子の体積ベースの粒子サイズ分布において25μmより小さい粒子はb%より少ない(b=0.35×(Msat2×Pであって、Msatはテスラ(T)で表した飽和磁化値Msat、PはkA/mで表した磁気現像極の最大磁場の強さ)、および(5)前記キャリア粒子は、0.2%w/w≦RC≦2%w/wの量の樹脂コーティング(RC)でコーティングされたコア粒子を含む、等がある。要約を参照されたい。この特許の記述によると、上記現像剤により、細い毛状磁気ブラシを用いて潜像を現像するシステムでオフセット印刷レベルの品質の画像が得られる。第4欄の7〜17行を参照されたい。
【0004】
追加のトナーおよび/またはキャリア材料を電子写真装置のハウジングに付加して、装置の複写(画像形成)過程で消費されたそれらの材料を補給することは当業者に既知の事項である。例えば、全体を本願に引用して援用する米国特許第4,614,165号を参照されたい。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
電子写真装置特にハイブリッド非スカベンジング現像方式を用いた装置による電子写真像の形成に用いる、各色の現像剤用の補給剤および補給剤材料比率(補給剤中のキャリアに対するトナーの比)の最適化が望まれている。補給剤材料比率の最適化により、前記装置は、オフセット印刷で得られる像に近似した品質を示す像を定常的かつ一貫して作製することができる。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、トナーと現像剤の特性、および補給剤が付加される装置の特性に対して最適な、トナーとキャリアとの補給剤材料比率をもつ補給剤を提供することを目的とする。
【0007】
さらに本発明は、補給剤の補給剤材料比率を最適化して、オフセット印刷相当の高品質の像を、補給剤が付加される装置から連続的に得る方法を提供することを目的とする。
【0008】
さらに本発明は、ハイブリッド非スカベンジング現像システムを用いてオフセット印刷相当の品質の像を形成する装置であって、前記装置による像形成に使用される各色の現像剤が好適な補給剤材料比率をもつ現像剤によって補給される構成の装置を提供することを目的とする。
【0009】
一般に、電子写真印刷処理は、光導電性部材を実質的に一様な電位に帯電させて、その部材表面を感応性にすることを含む。光導電性面中の帯電部は、例えば走査レーザビーム、LED光源他、または再生される元の文書からの光像の形に照射される。これにより感光体の光導電性面上に静電潜像が記録される。静電潜像が光導電性面上に記録された後、潜像は現像される。
【0010】
本発明では、二成分現像剤材料を現像工程の第一のステップに用いる。典型的な二成分現像剤は、トナー粒子が摩擦電気によって付着した磁性キャリア粒を含む。トナー粒子は潜像に引き寄せられて、光導電性表面上にトナー粉像を形成する。トナー粉像は次に複写シートに転写される。最後に、トナー粉像は加熱されて、画像の形で複写シートに永久融着される。
【0011】
前述の電子写真マーキング法を応用してカラー像を作成することができる。イメージオンイメージ(IOI)処理と呼ばれる、カラー電子写真マーキング法の一方式では、異なる色のトナーによるトナー粉像を感光体上に重ね合わせた後に、この複合トナー粉像を基材に転写する。IOI処理はコンパクトな構造が得られるという便益があるが、首尾よく遂行する上でいくつかの課題がある。例えば、IOI処理などの印刷システムの概念を具現するには、先に色付けされた像と相互作用を起こさない現像システムが必要である。従来式の磁気ブラシ現像およびジャンピング一成分現像などの、数種の既知の現像システムは受像体上の像と相互作用するため、相互作用性の現像システムが使用される場合は、先に色付けされた像は次の現像によってスカベンジング(scavenging)される。したがって、IOI処理においては、非スカベンジングすなわち非相互作用性の現像システムが必要である。
【0012】
ハイブリッド非スカベンジング現像(HSD)法では、トナーは従来式の磁気ブラシによってドナーロール表面に現像される。現像ゾーン内に複数の電極ワイヤが色付けされたドナーロールからごく短い間隔を置いて位置する。交流電圧をワイヤに加えて現像ゾーン内にトナー雲を生成させる。ドナーロールは一般に導電性のコアとコアを覆う(例えば50〜200μmの)薄い、一部が導電性の層で構成される。磁気ブラシロールをドナーコアに対してある所定の電位差を有した状態にして、トナーの現像に必要な電界を生成する。この後ドナーロール上のトナー層が一本のワイヤまたは複数のワイヤのセットからの電界によって揺乱されて、揺動するトナー粒子雲が生成および保持される。一般に、ドナーロールに対してワイヤに加わる交流電圧は、5〜15kHzの周波数で700〜900Vppである。この交流信号は多くの場合純然たる正弦波でなく方形波である。この後、潜像によって形成された電界によって、トナーがトナー雲から近傍の感光体上に現像される。
【0013】
本発明においては、あらゆる適当な静電像現像装置を使用可能であるが、ハイブリッド非スカベンジング現像システムを用いた装置の使用がもっとも好適である。このようなシステムは、例えば明細書全体を本願に引用して援用する、米国特許第5,978,633号に記載されている。
【0014】
ハイブリッド非スカベンジング現像システムの基本構成要素は前述したように当業者によって説明されており、したがって本出願明細書では詳しくは述べない。HSD現像装置は感光体表面に形成された潜像を現像するための現像剤を収容するハウジングを含むことを記載するに留める。このハウジング内に現像システムが収容される。現像システムによって現像剤材料は現像ゾーンに送給される。この現像システムは非スカベンジング性である。非スカベンジング性ということは、このシステムの現像剤またはトナーは受像体上に既に形成されている像と相互作用してはならないことを意味する。したがって、このシステムは非相互作用性現像システムとも呼ばれる。この現像システムはドナーロールの形をしたドナー機構を含む。ドナーロールは、感光体とドナーロール間の領域である現像ゾーンに、トナー層を移送する。トナー層は、好適には二成分現像剤(すなわちトナーとキャリアとを含む現像剤)を用いてドナーロール上に形成される。現像ゾーン内にACバイアスされた電極機構が収容され、この機構は、トナー層によってドナーロールから自己分離している。二成分現像剤を装填されたドナーロールにおいて、従来式の磁気ブラシが好適に使用されてドナーロール上にトナー層が被着される。磁気ブラシは、スリーブに包まれた磁気コアを含む。好適には、オーガがハウジング内に回転可能に取り付けられて現像剤材料を混合および移送する。オーガは好適にはシャフトから螺旋状に外向きに延びたブレードをもつ。このブレードは、シャフトの長軸に実質的に平行な軸方向に現像剤材料が進むように設計されている。
【0015】
静電潜像が連続的に現像されるにしたがって、現像剤材料内のトナー粒子は消耗される。ディスペンサ内に新しい現像剤の供給源が保存される。ディスペンサはハウジングに通じている。現像剤材料中のトナー粒子の濃度が低下すると、新しい現像剤がトナーディスペンサからチャンバ内の現像剤材料に供給される。ハウジングのチャンバ内のオーガが新しいトナー粒子を残りの現像剤材料と混合して、その結果得られたチャンバ内の現像剤材料が最適なトナー粒子濃度と実質的に一致するようにされる。この方法によって、現像剤ハウジングのチャンバ内のトナー粒子は実質的に一定量に保たれる。
【0016】
本発明の実施形態において、二つ以上の独立した現像剤ハウジングを含む静電写真画像形成装置が提供される。二つ以上の現像剤ハウジングを含む実施形態では、この複数の現像剤ハウジングは一つの静電写真モジュールに収容され、感光体すなわち画像形成部材によって単一もしくは複数の経路がシステムを通して形成される。この複数の現像剤ハウジングは複数の一式型静電写真モジュールの形で装置に組み込むこともできる。各々のモジュールは、帯電、露光、現像、転写、および洗浄の各ステップをそれぞれ個別に含んでいる。
【0017】
ハイブリッド非スカベンジング現像システムを用いた本発明の好適な実施形態では、二つ以上の基準色トナーのブレンドを一つの現像剤ハウジングに用いることで、特定の顧客が選択できる色の範囲を広げることができる。そのような現像剤ハウジングを一つだけ備えた印刷エンジンを用いた場合は、特定顧客が選択した色による単色の印刷または複写が行われる。しかしながら、当業者に既知のように、複数の現像剤ハウジングを印刷エンジン内に共存させることが可能なことから、カラープリンタによって、(全ての現像剤ハウジングが同色のトナー成分を含む場合は)単色の印刷物、あるいは(各現像剤ハウジングが異なる色の成分を含む場合は)多色の印刷物を作成することが可能になる。例えば、二つの現像剤ハウジングが共存する実施形態では、一方の現像剤ハウジングに何らかの色のトナー成分、他方の現像剤ハウジングに黒のトナー成分を含ませることができる。これにより、顧客が選択可能な光彩色を含む光彩二色プリンタが得られる。本発明の別の実施形態では、例えばシアン、マゼンタ、黄、および黒のトナー成分をもつ四つ以上の現像剤ハウジングがカラー印刷処理用として使用され、さらに基準色トナーのブレンドを含む追加の現像剤ハウジングが備わり、それによって顧客は光彩色またはスポットカラーなどの特質を選択できる。
【0018】
もっとも好適には、画像形成装置は少なくとも四つの現像剤ハウジングを含み、それぞれは、シアン、マゼンタ、黄、および黒のいずれか一つの現像剤色用のものである。当業者に周知のように、この装置により鮮明なフルカラー像が形成される。
【0019】
本発明の実施形態において、標準モードで現像装置を動作させる場合は、現像剤ハウジングおよびディスペンサ共同じ色の現像剤を含む。ただし、本発明の実施形態では、現像剤ハウジングにある一つの色またはブレンドを含ませ、ディスペンサに別の色またはブレンドを含ませて印刷作業を開始することができる。この方法により、エンドユーザは一回の印刷作業において複数の光彩色を作成するオプションをもつことができる。例えば、異なる色のトナー成分のブレンドをディスペンサ中に導入すれば、最終的なトナー成分の色合いを数百枚の印刷物を印刷する間に連続的に変化させることができる。このときの印刷物の枚数は、カバレッジ面積、現像性、およびその他の要因に依存する。
【0020】
現像剤材料の供給源は、最初はハウジングのチャンバ内に充填および保存されている。電子写真印刷装置の使用に伴って、現像剤中のトナー粒子は消耗するので、例えば追加トナーおよびキャリア材料を含むカートリッジなどの、ディスペンサを通じてトナー粒子を補給する必要がある。
【0021】
さらに、キャリア粒は経時劣化するので、後に詳しく述べると共に本願に引用して援用する米国特許第4,614,165号に記載されているように、現像剤材料全体すなわちキャリア粒とトナー粒子の両方を周期的に交換して、必要な複写品質を得る必要があることが判明している。
【0022】
新しいトナーをハウジング内に供給すると共に、ハウジング内の現像剤中のトナーおよびキャリアの経時劣化に対処するために、いわゆるトリクルスルー(trickle-through)が用いられる。再度、全体を本願に引用して援用する、米国特許第4,614,165号および米国特許第5,557,393号を参照されたい。トリクルスルーシステムでは、ディスペンサは、補給剤と呼ばれるトナーとキャリアとの複合粒子を供給する。一般に補給剤は、最初に帯電された現像剤よりもキャリアに対するトナーの量の割合が多い。追加用の補給剤が現像剤ハウジングに付加される一方で、微量の現像剤がドロップチューブ(drop tube)または他の機構によって絶えず現像剤ハウジングから除去され、補給剤付加の割合がトナー使用と現像剤除去とを合計した割合にほぼ等しくなるようにされる。このようなトリクルスルーシステムは、前述の米国特許第4,614,165号および米国特許第5,557,393号の両方に開示されている。
【0023】
補給剤と現像剤との間には相違点がある。現像剤は、装置に導入される前に装置外の機器でブレンドされて、高度に均質なトナー濃度と一定程度のトナーの摩擦帯電とが確保されている。補給剤は、キャリアとトナーとが別々にボトルに入れられており、きわめて不均質な仕方で装置内に供給された後、当該装置がトナーとキャリアとの均質化処理、および帯電処理を行う。
【0024】
電子写真エンジンにおけるオフセット印刷とほぼ同等の印刷品質という要求は、本発明による、ハイブリッド非スカベンジング現像を好適なサブシステム要素としてもつIOI電子写真によって満たされる。画像品質と特有のサブシステムとの両方への要求が、高密度充填されたトナーおよび現像剤の設計を生み、さらにそのことが高密度充填された補給剤への要求を生んで、それにより装置の動作の間を通じてトナーおよび現像剤の性質が維持される。本発明では、新規なトナー、現像剤、および特に上記限定された環境で動作して、オフセット印刷に近い品質の印刷物を作成する、補給剤の態様を説明する。
【0025】
オフセット印刷に近似した印刷品質を得ることに加えて、前述の装置のもつデジタル画像形成処理機能によれば、オフセット印刷では実現できない、各印刷物の特注化(住所あるいは特別の地域流通情報など)を行うこともできる。
【0026】
本発明の説明による補給剤によって、トナーおよび現像剤は前述の限定された装置環境で理想的に機能することができる。この補給剤を装置に適用することで、鮮明(高い色度)で信頼性の高い色表現による、顧客が満足し得る印刷物の供給が可能になる。色範囲、すなわち印刷可能な最大の色セットは四色電子写真システムのベンチマークである。ベタおよびハーフトーンの部分は一様かつ安定な濃度および色合いをもつ。また、それらの部分は一様な光沢をもつ。絵部は正確で写実的に表現することができる。文字部は、文字サイズまたは種類にかかわらず、明瞭で正確な縁取りをもつ。地色はない。色合い、ベタ部、ハーフトーン部、光沢、絵部、文字部、および地色はジョブの全作業を通じて安定である。印刷物は有害な紙カールを示さず、また、例えばビニルまたは他の文書面に接して保存される際に取り扱いまたは保存による画像の乱れは生じない。
【0027】
これらの印刷品質特性を満たすために、補給剤材料は一貫した、予測可能な方法で操作される必要があり、これによって画像形成装置の動作の間を通じて現像剤の帯電レベルおよび導電性レベルは安定する。もっとも重要な補給剤材料のパラメータは、安定した摩擦および導電性を現像剤に付与し得る、補給剤中のキャリアに対するトナーの比率(すなわち補給剤材料比率)である。
【0028】
以下に、トナーと現像剤材料のパラメータ、およびそのパラメータが(特に補給剤材料に対して)影響を及ぼす印刷品質特性を記す。
【0029】
現像剤の帯電レベルは、現像および転写(転写の効率と均一性を含む)性能との相関がある。トナーの帯電レベルが影響する印刷品質特性としては、全体的な文字部の品質(特に明快な台詞の表現能力)、ラインの膨らみ/縮み、ハロー(二つの色の境界の白色領域、文字部がベタの地色に埋もれた場合にも顕れる)、相互作用性(例えば第一の色の印刷領域からスカベンジングされて第二の色の印刷領域で再現像されることによる、ある色のトナの別の色の現像過程での感応)、地色、および光彩/陰影のコントラスト(TRC)がある。現像剤の帯電不足と判定される欠陥モードとしては、ポジラインの縮み、ネガラインの膨らみ、ハロー、相互作用性、地色、劣悪な本文/台詞品質、劣悪な光彩コントラスト、および装置の汚れがある。現像剤の帯電過多に伴う問題として、現像不足、転写効率の低下(単位面積当たりの残留量の多さ)、劣悪な陰影コントラスト、および相互作用性がある。
【0030】
加えて、現像剤の帯電レベルは、広範囲のカバレッジ面積(AC)および長時間のジョブの稼働を通じて保持される必要がある。本発明の装置は、好適にはオフセット印刷市場を目標にしたフルカラー装置であるため、ACおよびジョブの稼働期間は広い範囲で変化する。年次報告書のような印刷ジョブでは、シアン、マゼンタ、およびイエローをロゴ、チャート、およびグラフなどの「スポットカラー」用途のみに用いた、ブラックテキスト(black text)を主として含む。フルカラーの絵の場合、ジョブは、ほとんどがシアン、マゼンタ、およびイエローで黒はごくわずかのきわめて淡いパステルから、多量のシアン、マゼンタ、およびイエローを用いた濃密色まで変化する。シナリオによっては、黒を等量のシアン、マゼンタ、およびイエローの替わりに用いて、トナー層の総厚を減じたものもある。各シナリオは、シアン、マゼンタ、イエロー、および黒の各色毎に特有のACの組み合わせをもつ。現像剤の帯電レベルおよび分布の変化は、ハウジング内のトナーの対応する平均滞留時間には依存しない(すなわち、高ACはトナーの回転率の多さに伴う短いハウジング内での滞留時間、反対に低ACは長い滞留時間の場合に生じる)。
【0031】
新たに付加されたトナーは、現像剤中の既存のトナーと同レベルに急速に帯電されることが望ましい。そうでない場合は、二つの異常事態が起こり得る。新たに付加されたトナーが現像剤中の既存のトナーと同レベルに急速帯電されなかった場合は、「低速混合(slow admix)」と呼ばれる事態が生じる。分布は事実上2モードであり、つまり二つの異なる帯電レベルが現像サブシステム内に並列に存在する。極端な場合は、正味の電荷をもたない新たな付加トナーが感光体上への現像に使用されることが起こり得る。反対に、新たに付加されたトナーの帯電レベルが現像剤中の既存のトナーのレベルより高い場合は、「チャージスルー(charge-thru)」と呼ばれる現象が生じる。このときも2モード分布の特徴をもち、この場合は既存のトナー(すなわち新トナーの付加前に現像剤中に存在していたトナー)が、低帯電または逆極性のトナーになる。低速混合とチャージスルーとの両方の欠陥モードは、前述の低帯電トナーでの欠陥と同一であり、もっとも顕著なものとしえ地色と装置の汚れ、ワイヤヒストリ(wire history)、相互作用性、および劣悪な文字品質がある。
【0032】
したがって、帯電過多と帯電不足の両方のトナー帯電の欠陥モードを回避した、平均的なトナー帯電レベルをもつトナーおよび現像剤材料を設計することが望ましい。これによってベタ部、ハーフトーン部、微細ライン、および文字部の現像が確実に行えると共に、地色および画像の汚染が防止される。トナー帯電レベルの分布は、分布のテールが画像品質に悪影響を及ぼさない(すなわち、低帯電の分布度合が、低トナー帯電レベルに関連した、周知の画像品質特性の劣化を起こす程でない)ように十分に狭くする必要がある。トナーの帯電レベルおよび分布は、顧客の稼働モード(ジョブの稼働期間およびAC)の全範囲にわたって保持される必要がある。
【0033】
したがって、帯電の安定性が得られる補給剤材料比率を確立すること望まれる。これにより、帯電過多と帯電不足の両方の欠陥モードを回避した平均的な帯電レベルが得られる。またこれによって、ベタ部、ハーフトーン部、微細ライン、および文字部の現像が確実に行えると共に、地色および画像の汚染が防止される。補給剤材料比率の選択によって、現像剤とトナーの帯電レベルおよび分布が顧客の作業モード(ジョブの稼働時間およびAC)の全範囲において保持されるようにする必要がある。
【0034】
ハイブリッド非スカベンジング現像システムは、従来式の二成分システムでの磁気ブラシを、一成分システムで一般に使用されるドナーロールと共に用いて、磁気ブラシから感光体表面にトナーを転写する。したがって、ドナーロールは丁度一回転でトナーを完全に再装填する必要がある。一回転でドナーロールを完全に再装填できないと、再装填と呼ばれる印刷品質欠陥が生じる。この欠陥は印刷物上でベタ部として表れ、このベタ部はドナーロールの連続回転によって次第に白味が増す。あるいは、一回のドナーロールの回転によって得られた像のストラクチャ(structure)が、次のドナーロールの回転によって印刷される像内に見える場合は、当業者においてゴーストと呼ばれる、一成分電子写真現像に関連した現象が表れる。高導電性の現像剤はこの欠陥の減少に役立つ。現像剤の導電性を高めることによって、磁気ブラシからドナーロールへの、トナー転写量を最大にすることができる。
【0035】
現像剤が、キャリアコーティング上へのトナーの高密度充填およびトナー表面添加物のキャリアへの転写によって、経時と共に次第に絶縁性になっていく場合がある。したがって、前記現像剤の導電率の低下をし得る(好ましくはゼロにする)、新しい材料で現像剤を補給する必要がある。前述のトリクルをもつシステムによって現像剤の導電率のレベルを保持することができる。
【0036】
経時による現像剤の導電率の低下を低減し得る(好ましくはゼロにする)、補給剤材料比率の選択が望まれる。この補給剤材料比率により、一回転でドナーロールを再装填する上で十分な導電性が現像剤材料に保持される。
【0037】
動作には、トナーは、画像形成部材(例えば感光体)表面の潜像の現像に使用されると共に、ハウジングの現像チャンバ内において補給される必要がある。このため、補給モードで動作している間、追加用トナーが、補給剤を収容したディスペンサからハウジング内の現像チャンバ中に付加されて、ハウジング内のトナーが維持される。補給剤は、トナー粒子およびキャリア粒子の両方を含む。補給剤中の補給剤材料比率(トナー対キャリアの比)は、前記補給割合(すなわち補給剤がハウジング内に付加される割合)によって必然的に、追加される所定量のトナーに加えて前記補給剤材料比率で設定された量のキャリアが付加されるため、きわめて重要である。このため、前記補給割合で付加されるキャリアの量が適切であって、画像形成装置の適正動作が連続的に保持されるように、補給剤材料比率を適切に決定する必要がある。
【0038】
前述したように、補給剤材料比率の適正な選択は安定な現像剤の帯電レベルを保つために必要である。本発明により、補給剤材料比率は、もっとも好適には装置の非補給(すなわち非トリクルスルー)モードでの現像剤の摩擦安定性を用いて決定される、ことが確定した。このように、本発明は補給剤の補給剤材料比率を、現像剤(トナーおよびキャリア)の性質および画像形成装置の動作特性の要求内容に基づいて、独特に決定する。
【0039】
【発明の実施の形態】
本発明の第一の態様では、現像剤の摩擦安定性は、画像形成装置の最小AT値を満たすために必要な補給割合(R)を用いて特定化される。割合(R)は前述したように補給剤材料比率と関係がある。ATは、現像剤の帯電特性を定量化するための好便な方法であり、画像形成装置の最小AT値とは、現像剤のATがそれ以下であると装置内の現像剤を用いた画像形成ができなくなる値である(この理由は、例えばトナーの帯電が極端に低速であるため現像に必要な静電的引き寄せができないためである)。ATは、(現像剤の摩擦)×(現像剤のトナー濃度+オフセット値)で定義される。HSDシステムを用いた画像形成装置の場合は、一例として、オフセット値は約1.5で、最小AT値はμC/g×トナー割合(%)を単位として約140〜165である。これらの値は当業者に周知の方法によって導くことができる。
【0040】
前述したように、現像剤の帯電レベルは非トリクルモードにおいて経時的に減少し、そのためにAT値も減衰する。補給剤材料比率と摩擦安定性との間の関係は、先ずある所定の補給剤材料比率における非トリクルモードでの現像剤のAT減衰を測定し、次いでその減衰を数学的モデルに適合させることによって決定される。例えば、ATの減衰は図1に示すような種々の補給剤材料比率における指数的減衰としてモデル化される。図1は、後により詳細に説明する本発明の好適なシアン現像剤を用いて導いた図である。このモデルから、以下の好適な関係が定まる。
[数4]
C=MKA((A1/(A0−Amin))−1)
ここで、RCはチャンバ内に供給されるキャリアの補給割合(g/kp(グラム/キロプリント))
Mは現像剤チャンバ内の材料の量(g)
Aは非トリクルモードでの摩擦安定性A T 指数的減衰定数(/kp)
1はt=0からt=無限大までの摩擦安定性T の指数的減衰の範囲
0は時間0での摩擦安定性T の値
minハイブリッド非スカベンジング現像(HSD)システムを用いた画像形成装置で許容される最小の摩擦安定性T の値、
1キロプリントは当該装置で現像される1000枚の複写のことである。補給剤材料比率を用いてこの式を計算し直す。
[数5]
C=1/(RRY)
ここで、RRは補給剤材料比率(補給剤中のキャリア量(g)に対するトナー量(g))
Yはトナーの歩留まり(単位トナー重量当たりの複写枚数、kp/g)
したがって、
[数6]
(RRY)−1=MKA((A1/(A0−Amin))−1)
すなわち、
[数7]
R=(YMKA((A1/(A0−Amin))−1)-1
【0041】
減衰が前述のモデルに適合すると、式中の定数は、指数系の整数を解析する周知の各種方法によって決定される。より一般的には、ATが電子写真装置のハウジング内の現像剤の経時劣化に対して何らかの依存性をもつ場合、前記定数は、例えばトリクルフォーマリズムを適用することによって導かれる。トリクルフォーマリズムについては、例えばSteven C.Hart他著「二成分現像システムのトリクル連続色現像剤材料補給」(ノンインパクト印刷技術の進歩についての第6回国際会議、44〜54頁)に説明されている。補給剤材料比率は、先に例を明示したように特定モデルの定数を用いて表される。
【0042】
この方法は、最小の補給剤材料比率すなわちある所定のトナー量に対して供給される最小のキャリア量を、材料(トナーおよびキャリア)特性および電子写真現像ハードウェア特性の両方の陰関数として、独特に特定する。すなわち、前述の式から、当該補給剤の適当な補給剤材料比率が装置の最小ATに対する要求に基づいて計算され、適切な定数が、経時劣化した現像剤のモデル化から決定する場合と同様に、導かれる。補給剤材料比率は材料特性の陰関数であるため、この比率は、ある一定の電子写真現像ハウジング内の各色またはトナーの設計毎に個別に最適化される。
【0043】
本実施形態の第二の態様では、補給剤材料比率は、現像剤の摩擦安定性だけでなく、現像剤の導電率にも基づいて導かれれる。現像剤の導電率は本質的にキャリアの導電率に依存する。可能なもっとも導電性の高いキャリアを得るために、後に詳しく述べるように部分コーティングされたポリマーを用いてキャリアのコアを露出させる。さらに、不規則形状のキャリアコアではポリマーコーティングが流れ込む谷間が与えられ、より導電性の高い現像剤を得るための表面凹凸が露出した状態で残る。また、ステアリン酸亜鉛をトナー添加物容器に付与する事によってキャリアおよびトナーの潤滑は助長され、それによりキャリアとトナー粒子との接触回数が増加する。しかしながら時間が経つにつれ、トナーと表面添加物とはキャリアコーティング中で衝突し合い、その結果現像剤の導電率が低下する。したがって、現像剤の導電率の経時劣化を低減する(好適にはゼロにする)ような補給剤材料比率を選択することが望ましい。このような補給剤材料比率によって、現像剤材料に十分な導電性を保たせて、一回転でドナーロールを再装填することができる。
【0044】
このように、非補給(すなわち非トリクル)モードにおける導電率の安定性を用いることによっても補給剤材料比率は特定されることが提示される。最低のATレベルの決定と同様の関係が、最低の導電率レベルに関しても導かれる。つまり、現像剤の導電率は、例えば(当該装置で数千枚の印刷を行った場合の)経過時間に対してプロットされた導電率についての図である、図2に示すような指数関係でモデル化される。図2は、後に詳細に述べる、本発明の好適な黒およびイエローの現像剤を用いて導かれたものである。このモデルから、以下の好適な関係が前述の式と同じ形で定まる。
【数5】
R=(YMKσ((σ0/(σ0−σmin))−1)-1
式中、 RR、M、およびYは前述の定義と同様で、
Kσは非トリクルモードでのσの指数的減衰定数(1/kp)、
σ0は時間0でのσレベル、
σminはシステムで許容される最低σレベル
である。
【0045】
減衰が前記モデルに適合すると、この式の定数は、先に述べた指数系の整数を解析する周知の各種方法によって決定される。
【0046】
本実施形態では、補給剤材料比率は、最低ATレベルの関数として決定される比率と最低導電率レベルの関数として決定される比率の大きい方の比率、すなわち、所定量のトナーに対して供給される二つのキャリア量の内の多い方の量、として決定される。つまり、例えば、最低ATレベルが3:1の補給剤材料比率を示し、最低導電率レベルが4:1の補給剤材料比率を示す場合は、前記比率は3:1に設定される。これは、この比率が、両方の決定条件での欠陥の回避に必要な比率であることによる。
【0047】
本発明のもっとも好適な実施形態では、補給剤材料比率(キャリア重量部に対するトナー重量部)は2:1〜8:1である。もっとも好適には、補給剤材料比率は約3:1である。
【0048】
好適な現像剤中のトナーおよびキャリア材料の性質、特徴、および原料については、本出願と同時出願された、同時係属中の米国特許出願第09/520,437(ドケット(Docket)第104835号)に詳細に記載されている。この同時係属中の出願の全明細内容は、全体を本願に引用して援用し、特許庁の便宜のために以下で繰り返す。
【0049】
これらの印刷品質特性を満たすために、トナー材料は、一貫した、予測可能な方法で機能する必要がある。特にハイブリッド非スカベンジング現像システム環境において、そのようなトナー機能を得るためのもっとも重要なトナー材料パラメータは、トナーサイズ分布、溶融トナーの流動性とレオロジー、トナーのブロッキング温度、ビニルおよびその他の文書面への裏写り耐性、トナー色、トナー流動、およびトナー帯電分布である。
【0050】
以下にトナー材料パラメータおよびそのパラメータが影響を及ぼす印刷品質特性を記す。また、種々の特性についての好適な値を記す。
【0051】
トナーサイズを小さくすることによってTMA(単位面積当たりの転写量)を減少させることができる。このことは、特にカラートナーが積層されるイメージオンイメージ処理でのカラーシステムにおいて重要である。紙に転写されるトナー量が多いと、文書の感触が不快(平板印刷に似ていない)になると共に、融着の自由度を狭め、紙のカールが増加する。さらに、第二または第三のトナー層が第一のトナー層上で現像される際に、現像電圧の不均一さによる現像性能の低下が生じる。平均トナー粒子径はできるだけ小さいことが望ましいが、一方では極度に微小な粒子として識別される欠陥モードも存在する。極度に微細なトナー粒子は、キャリアビーズ、ドナーロール、および感光体に対してより高いトナー付着性を示すので、電子写真の自由度の圧迫要因になる。トナーの微粉化は、きわめて小さい粒子でドナーロールを現像すると効率が低下するために、現像の不安定さにも関わってくる。微細なトナー粒子は感光体に対してより高い付着性を示し、転写の効率と均一性を低下させる。HSDワイヤのストロボ性および相互作用性に関わる、粗なトナー粒子を存在させることによって、それらストロボ性等ときわめて細密なラインおよびきわめて細密に形成された像の表現との妥協を図る。
【0052】
したがって、トナー粒子サイズを制御して細粉と粗粉の両方のトナー粒子の量を制限することが望ましい。小さいサイズのトナーは、高画質および少ない紙カールを得るために本発明で用いる必要がある。また、微粉および粗粉のトナー粒子数が相当に少ない、狭いトナーサイズ分布が望まれる。本発明の好適な実施形態では、出来上がったトナー粒子の平均粒子サイズ(体積平均直径)は、周知のコールタカウンタ法で測定して約6.9〜7.9μmで、もっとも好適には約7.1〜7.7μmである。トナー分布の微粉側はよく制御されていて、トナー粒子の数量分布(すなわちトナー粒子の総数)の約30%だけが5μmより小さいサイズをもち、もっとも好適にはトナー粒子の数量分布の約15%だけが5μmより小さいサイズをもつようにされている。分布の粗粉側も非常によく制御されていて、トナー粒子の体積分布の約0.7%だけが12.7μmより大きいサイズをもつようにされている。このことは、下部の体積比換算標準偏差(GSD)が約1.23で、上部の体積GSDが約1.21のきわめて狭い粒子サイズ分布ということに言い換えることができる。つまり、トナーは、小さい平均粒子サイズと狭い粒子サイズ分布とを併せもつことが要求される。
【0053】
処理速度が早くなると、溶融器内での滞留時間は減少し、トナーと紙との界面の温度は低下する。溶融の間に、トナー粒子は、当該装置の処理速度に合致した温度で、凝集、流動、および基材(例えば紙、OHPシート他)に付着する必要がある。また、当該装置の溶融条件での溶融粘度は、要求される光沢レベルが得られ、一方で溶融器ロールの高温オフセット(すなわち溶融器ロールへのトナー転写)を防止し得る高い弾性を保持する。オフセットの発生は、印刷欠陥および溶融器ロール寿命の低下の原因となる。
【0054】
したがって、適当なトナーバインダ樹脂を選択して、その溶融レオロジーを制御し、装置の動作条件の下で低い最低溶融温度、広い溶融自由度、および所望の光沢を得ることが望ましい。さらに、長い溶融器ロール寿命が得られるようなトナーであるように、適当なバインダ樹脂を用いることが望ましい。
【0055】
本発明のトナーに要求される機能的性質は、制御された溶融レオロジーであって、低い最低溶融温度、広い溶融自由度、および所望の光沢が装置の動作条件において得られるような溶融レオロジーである。最低溶融温度は、一般に溶融サブシステムの最低定着温度(MFT)(すなわちトナーが基材紙に十分に定着する最低の溶融温度、この温度は、着色像が形成された紙の断面に折り目を付けて折り目部のトナーが紙から離れる度合を計量することによって決定される)で評価される。溶融自由度は一般に高温オフセット温度(HOT)(すなわちトナーが溶融ロールに裏写りすることなく実施できる最高の溶融温度、この温度は、現印刷像の上に先の印刷像が存在すること、または溶融ロールからの紙剥離の不具合に基づいて決定される)とMFTとの間の温度差として定められている。溶融トナー層の光沢レベル(すなわち工業規格による光反射測定法を用いて決定される、所定の溶融温度での溶融トナー層の輝度)もトナーの溶融温度に依存するので、溶融自由度をさらに圧迫することになる、すなわち、トナーの光沢レベルが、HOTより低い温度で極度に高くなる、あるいはMFTより高い温度で極度に低くなる場合は、そのように限定された温度範囲によって溶融自由度は画定される。
【0056】
トナーの溶融レオロジープロフィールを最適化して、もっとも低い最低溶融温度ともっとも広い溶融自由度を得る必要がある。本発明で得られるトナーの溶融レオロジープロフィールでは、温度97℃での粘度が3.9×104〜6.7×104ポイズ、温度116℃での粘度が4.0×103〜1.6×104ポイズ、および温度136℃での粘度が6.1×102〜5.9×103ポイズである。さらに本発明で得られるトナーの溶融レオロジープロフィールでは、温度97℃での弾性率が6.6×105〜2.4×106dyn/cm2、温度116℃での弾性率が2.6×104〜5.9×105dyn/cm2、および温度136℃での弾性率が2.7×103〜3.0×105dyn/cm2である。粘度と弾性率の両方共、一秒間に40ラジアン回転の標準の機械式分光計を用いた測定によって決定される。トナーのレオロジーを評価する別の方法として、溶融流動指数(MFI)の測定による方法があり、この指数は、長さLで直径Dのオリフィスを介して特定の負荷の下で10分の間に通過するトナーの重量(グラム単位)として定義される。本発明で得られるトナーの溶融レオロジープロフィールでのMFIは、L/Dの金型比が3.8で2.16kgの負荷の下で、10分間当たり1〜25gであり、もっとも好適には117℃の温度において10分間当たり6〜14gである。この狭い範囲の溶融レオロジープロフィールは、要求される最低定着温度、適当な光沢、および所望の高温オフセット挙動をもたらすと共に、溶融ロールの寿命を延長させる。
【0057】
トナーブロッキングを起こすことなく種々の環境条件の下で保存および出荷できることが、電子写真トナーに対して常に要求される。トナーブロッキングは主としてトナーバインダ樹脂のガラス転移温度(Tg)による影響を受けることは周知である。バインダ樹脂のTgは、その化学組成と分子量分布に直接的に関係している。また、通常の保存温度(この温度でTgの下限が規定される)ではブロッキングが起こらないような樹脂を選択する必要がある。前述したように、最低溶融温度および光沢についても要求を満たす必要があり、それによって、溶融レオロジーに影響する範囲で、Tgの上限が規定される。さらに表面添加物の付与によって、トナーブロッキング温度は、トナーバインダ樹脂のガラス転移温度によって規定される温度より高い温度に高められる。
【0058】
文書作成後、多くの場合文書は、ファイルホルダおよび3リングバインダなどに使用されるビニル表面または他の文書の表面に接触した状態で保存される。時折、完成した文書がこれらの表面に付着して裏写りし、画質を劣化させる。この現象は、ビニル表面への裏写りの場合はビニルオフセットと呼ばれ、他の文書への裏写りの場合は文書オフセットと呼ばれる。トナーバインダ樹脂の中には他のバインダ樹脂よりもこの現象が生じやすいものがある。トナーバインダ樹脂の化学組成の調整およびある種の成分の添加によってビニルおよび文書オフセットを激減または防止することができる。
【0059】
したがって、ビニルおよび文書オフセットを防止し得る化学組成をもち、かつ適当な範囲のガラス転移温度を有するトナーバインダ樹脂を選択して、溶融特性に悪影響を及ぼすことなく保存時のトナーブロッキングを防止することが望ましい。
【0060】
通常の保存温度でのブロッキングを防止して、なおかつ要求される最低溶融温度を満たすために、たとえば52℃〜64℃の範囲のTgをもつ樹脂を選択する必要がある。
【0061】
トナーは広い色範囲が実現できるような、適当なカラー特性をもつ必要がある。色材の選択によって、通常の4色電子写真から得られる場合より高い割合の標準Pantone(商標)カラーの表現が可能になる。色範囲の測定法は、一般にCIELabと呼ばれる、CIE(国際照明委員会)仕様によって規定されている。このとき、L*,a*およびb*は三次元空間を形成するように修正された反対の色座標であり、L*は色の明るさの尺度となり、a*は色の赤味の近似的な尺度を表し、b*は色の黄味の近似的な尺度を表す。さらに色度C*が色の飽和度として定義される。色度C*はa*およびb*の二乗の合計の平方根である。各トナーについて、色度(C*)を紙上のトナー量の全範囲を通じて最大にする必要がある。最大明るさ(L*)が基材上の所望のトナー量に一致するように、顔料濃度を選択する必要がある。これら全てのパラメータは、(例えばX−Rite社提供の)工業規格品の分光光度計を用いて測定される。
【0062】
したがって、所望の絵部、ベタ部、ハーフトーン部、および文字部を正確に表現できる能力をもつトナー色材であって、組み合わせによって、広範囲の色セットを印刷物上に供給する、すなわちCIELAB座標系で画定される可能なもっとも広い色空間をカバーするトナー色材を選択することが望ましい。
【0063】
トナーの凝集性がトナーの取り扱いと供給に悪影響を与えることは周知である。過度の凝集性をもつトナーは、新しいトナーの現像剤混合システムへの付加を妨げる「ブリッジング」現象を起こすことがある。反対に、きわめて凝集性の低いトナーは、トナー供給速度およびトナー濃度の制御を困難にすると共に、装置内を極度に汚す原因になる。加えて、HSDシステムでは、トナー粒子は最初に磁気ブラシから二つのドナーロールに現像されるため、トナーの流動性は、HSDワイヤと現像用電場との作用がドナーロールへのトナー付着に打ち勝って、感光体への適切な像の現像が行えるようなものである必要がある。感光体への現像後、トナー粒子は感光体から基材に転写できることが必要である。
【0064】
したがって、トナーの流動特性を調整して、粒子相互の凝集とドナーロールおよび感光体等の表面への粒子付着の両方を最小にすることが望ましい。これによって、高品質かつ安定な現像および高品質かつ均一な転写を行うことができ、それにより信頼性の高い像が得られる。
【0065】
このように、トナーの流動特性によって、粒子相互の凝集とドナーロールおよび感光体等の表面への粒子の付着の両方を最小にする必要がある。トナーの流動特性はトナー凝集の測定によってもっとも好便に定量化される。例えば、この測定は、例えば2gの既知の量のトナーを、例えば頂部から底部にかけて順に53μm、45μm、および38μmのスクリーンメッシュをもつ三つのスクリーンセットの頂部に置いて、スクリーンおよびトナーを、例えば1mmの一定の震動振幅で例えば90秒間の一定時間震動させることにより行われる。この測定を行う装置は、Micron Powders Systems提供の、ホソカワパウダテスタである。トナー凝集値は、終了時に各スクリーン上に残留したトナー量との相関がある。凝集値100%は震動工程の終了時に全部のトナーがスクリーン頂部に残留していることに対応し、凝集値ゼロは全部のトナーが三つのスクリーン全てを通過すること、すなわち震動工程の終了時に三つのスクリーンのいずれにもトナーが残留していないことに対応する。凝集値が高いほど、トナーの流動性は低下する。トナーの凝集性と付着性を最小にすることによって、高品質で安定な現像および高品質で均一な転写が行える。多くの添加物の組み合わせによって、HSDシステムでの現像と転写を容易にする適切な初期流動が得られる。しかしながら特に、高濃度の比較的大きい外表面をもつ添加物によって、広い範囲のカバレッジ面積およびジョブ稼働期間にわたって安定な現像および転写が容易に行えることが明らかになっている。
【0066】
トナーの帯電分布は現像および転写(転写の効率と均一性を含む)性能との相関がある。トナーの帯電レベルによって影響される印刷品質特性には、全体的な文字品質(特に細かい台詞を表現する能力)、ラインの膨張/収縮、ハロー(二つの色の境界の白色領域、文字がベタの地色に埋もれた場合にも顕れる)、相互作用性(ある色のトナーが別の色の現像時に出現すること、例えば第一の色の印刷領域からスカベンジングされて第二の色の印刷領域中で再現像されることなど)、地色、および光彩/陰影のコントラスト(TRC)がある。低トナー帯電に関わる欠陥モードとして、ポジラインの収縮、ネガラインの膨張、ハロー、相互作用性、地色、劣悪な文字/台詞品質、劣悪な光彩コントラスト、および装置の汚れがある。高トナー帯電に伴う問題には、現像不足、低転写効率(単位面積当たりの残留量が多いこと)、劣悪な陰影コントラスト、および相互作用性がある。
【0067】
平均トナー帯電レベルの調整に加えて、帯電分布は、(特に逆極性の)過剰の高または低トナー帯電を含まないことが必要である。HSDは、感光体(像と地色の両方)に到達する全てのトナーはこの工程の間に再帯電されるため、低い帯電のトナーに対してきわめて敏感である。低い帯電の(および確実には逆極性の)トナーは地色領域に現像されやすい、また再帯電後に印刷物に転写されることがあり得る。また低帯電トナーは、HSD現像システムにおいてドナーロールと感光体との間に位置するワイヤ表面へのトナー堆積の原因ともなる。このトナー堆積は、(ワイヤヒストリと呼ばれる状況の)顕著な画質欠陥を招く(空間的および時間的に)差のある現像(differential development)の因となる。また、過剰な高帯電トナーは、現像性および転写性を低下させるため、帯電分布中に含まれないようにする必要がある。
【0068】
さらに、トナー帯電レベルおよびトナー帯電分布は、広範囲のカバレッジ面積(AC)およびジョブ稼働期間にわたって保持される必要がある。本発明の装置は好適にはオフセット印刷市場を目標にしたフルカラー装置であるため、ACおよびジョブの稼働期間は広範囲に変化する。年次報告書などの印刷ジョブは、シアン、マゼンタ、およびイエローをロゴ、チャート、およびグラフなどの「スポットカラー」用途のみに用いた、ブラックテキストを主に含む。フルカラーの絵の場合、ジョブは、大半がシアン、マゼンタ、およびイエローで黒はごくわずかのきわめて淡いパステルから、大量のシアン、マゼンタ、およびイエローを用いた濃密色まで変化する。シナリオによっては、黒を等量のシアン、マゼンタ、およびイエローの替わりに用いて、トナー層の総厚を減じたものもある。各シナリオは、シアン、マゼンタ、イエロー、および黒の各色毎に特有のACの組み合わせをもつ。トナーの帯電レベルおよび分布の変化は、ハウジング内のトナーの対応する平均滞留時間には依存しない(すなわち高ACはハウジング内でのトナーの高い回転率に伴う短い滞留時間の場合、反対に低ACは長い滞留時間の場合に生じる)。
【0069】
新たに付加されたトナーは、現像剤中の既存のトナーと同レベルに急速に帯電されることが望ましい。そうでない場合は、二つの異常事態が起こり得る。新たに付加されたトナーが現像剤中の既存のトナーと同レベルに急速帯電されなかった場合は、「低速混合」と呼ばれる事態が生じる。分布は事実上2モードであり、つまり二つの異なる帯電レベルが現像サブシステム内に並列に存在する。極端な場合は、正味の電荷をもたない新たな追加トナーが感光体上への現像に使用されることが起こり得る。反対に、新たに追加されたトナーの帯電レベルが現像剤中の既存のトナーのレベルより高い場合は、「チャージスルー」と呼ばれる現象が生じる。このときも2モード分布の特徴をもち、この場合は既存のトナー(すなわち新トナーの付加前に現像剤中に存在していたトナー)が、低帯電または逆極性のトナーになる。低速混合とチャージスルーとの両方の欠陥モードは、前述の低帯電トナーでの欠陥と同一であり、もっとも顕著なものとして地色と装置の汚れ、ワイヤヒストリ、相互作用性、および劣悪な文字品質がある。
【0070】
したがって、帯電過多と帯電不足の両方のトナー帯電の欠陥モードを回避した、平均的なトナー帯電レベルをもつトナーおよび現像剤材料を設計することが望ましい。これによってベタ部、ハーフトーン部、微細ライン、および文字部の現像が確実に行えると共に、地色および画像の汚染が防止される。トナー帯電レベルの分布は、分布のテールが画像品質に悪影響を及ぼさない(すなわち、低帯電の分布度合が、低トナー帯電レベルに関連した、周知の画像品質特性の劣化を起こす程でない)ように十分に狭くする必要がある。トナーの帯電レベルおよび分布は、顧客の稼働モード(ジョブの稼働期間およびAC)の全範囲にわたって保持される必要がある。
【0071】
本発明の全稼働条件(エリアカバレッジおよびジョブ稼働期間)の下で、高い平均トナー帯電および狭い帯電分布が要求される。本発明では、後述する適当な添加物の選択により優れたトナー帯電性および帯電安定性を得ている。
【0072】
トナーの帯電は、トナーがキャリア粒子と摩擦接触した後の、μC/gで表される粒子重量当たりの帯電量、Q/M、またはfC/μmで表される粒子径当たりの帯電量、Q/Dのいずれかによって記述される。Q/Mの測定は周知のファラデーケージ法によって行われる。トナー粒子の平均Q/Dの測定は、当業者に周知の帯電分光(charge spectrograph)装置を用いて行われる。この分光装置を用いて、測定されたトナー径(μmで表されるD)に対するトナー粒子の帯電量(fCで表されるQ)の分布が測定される。測定結果は、fC/10μmで表されるQ/D比と同じQ/D比(横座標)についての粒子割合の周波数(縦座標)で表される。Q/D値に対する周波数の分布は、多くの場合ピーク位置(もっとも確率の高いQ/D値)と(例えばピーク値の半分の周波数値におけるfC/μmで表したピークの幅によって特定される)ピーク幅をもつ、ガウスまたはローレンツ分布の形をとる。この全体分布から平均のQ/D値が計算される。状況によっては、この周波数分布は、前述の低速混合およびチャージスルーの挙動と同様に、二つ以上の異なるピークを含む。
【0073】
本発明の好適な実施形態のHSD現像剤装置に用いた場合に、前述の印刷品質を得るために、トナー粒子のQ/Dは、例えば−0.1〜−1.0fC/μmで、好適には約−0.5〜−1.0fC/μmの平均値をもつ必要がある。この帯電は、当該トナーを用いて得られる像の鮮明さに適合するように、現像処理の間ずっと安定に維持される必要がある。したがって、トナー帯電の示す平均Q/D値の変化は、多くとも例えば0〜0.25fC/μmの範囲にする必要がある。帯電分光計で測定した、トナーの帯電分布は、狭小すなわち0.5fC/μmより小さいピーク幅で好適には0.3fC/μmより小さいピーク幅をもつこと、および単一モードすなわち周波数分布内のピークは一つだけであることが必要である。これらは、きわめて低帯電(十分に強いクーロン引力に対して極端に小さい帯電)のトナーおよび誤表示のトナーはほとんどまたは全く存在しないことを示している。低帯電トナーの含量は、例えば全トナーの6%以下で好適には2%以下にする必要がある。一方、誤表示のトナーの含量は、例えば全トナーの3%以下で好適には1%以下にする必要がある。
【0074】
相補的な周知のファラデー箱測定を用いた場合、本発明の好適な実施形態のHSD現像剤装置に用いた場合に、前述の印刷品質を得るために、トナーは、例えば−25〜−70μC/gで、より好適には−30〜−60μC/gの摩擦電気の値を示す必要がある。摩擦帯電は安定で、変化の範囲は多くとも例えば0〜15μC/gで、好適には0以下から8μC/gまでにする必要がある。
【0075】
前述したように、HSD産品に対する印刷品質の要求内容はトナーの機能的性質に転換することができる。本発明によれば、機能的性質は、多くの印刷品質の要求を満たすという目的をもつトナーに合わせて設計される。一般に、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、および黒(K)の、四つの異なる色のトナーがフルカラー像の現像に使用される(ただし他の色のトナーも使用可能である)。本発明においては、これらの各カラートナーは、好適には樹脂バインダ、適当な色材、および一つ以上の添加物を含む添加物容器を含む。適当かつ前述の性質をもつ本発明のトナーの作製用として好適な材料について述べる。ただし、前述の機能的性質を得るために使用される特定の方式は本発明の範囲を制限するものではない。
【0076】
本発明のトナーおよび現像剤成分用に選択される適当なトナー樹脂の代表例として、スチレンポリマー、アクリロニトリルポリマー、ビニルエーテルポリマー、アクリレートおよびメタクリレートポリマーなどのビニルポリマー、エポキシポリマー、ジオレフィン、ポリウレタン、ポリアミドおよびポリイミド、ジカルボン酸およびジフェノールを含むジオールの重合エステル化物、および架橋ポリエステルなどのポリエステル、等がある。本発明のトナー成分用に選択されるポリマー樹脂は、ホモポリマーまたは二つ以上のモノマーからなるコポリマーを含む。さらに、上記各ポリマー樹脂を架橋させたものも使用できる。
【0077】
ポリエステル樹脂は、ビニルまたは文書オフセット(前記性質C)による影響をもっとも受けにくい好適なバインダ樹脂の一つである。
【0078】
ビニルポリマー中の代表的なビニルモノマー成分として、スチレン、メチルスチレン、クロロスチレン、スチレンアクリレートおよびスチレンメタクリレートなどの置換形スチレン、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、プロピルアクリレート、ペンチルアクリレート、ドデシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、2−クロロエチルアクリレート、フェニルアクリレート、メチル−α−クロロアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、およびペンチルメタクリレートを含むモノカルボン酸のエステルなどのビニルエステル、スチレンブタジエン、塩化ビニル、アクリロニトリル、アクリルアミド、アルキルビニルエーテル等がある。さらに別の例として、p−クロロスチレンビニルナフタレン、エチレン、プロピレン、ブチレンおよびイソブチレンなどの不飽和モノオレフィン、塩化ビニル、臭化ビニル、弗化ビニル、酢酸ビニル、ビニルプロピオネート、ビニルベンゾアート、およびビニルブチラートなどのビニルハライド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル、およびビニルエチルエーテルを含むビニルエーテル、ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、およびメチルイソプロペニルケトンを含むビニルケトン、ビニリデンクロライドおよびビニリデンクロロフロライドなどのビニリデンハライド、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドン等がある。
【0079】
本発明のトナー成分用として適当なポリエステル樹脂中のジカルボン酸成分の代表例として、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマル酸、ジメチルグルタル酸、ブロモアジピン酸、ジクロログルタル酸等がある。また、ポリエステル樹脂中のジオール成分の代表例として、エチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ピナコール、シクロペンタンジオール、ヒドロベンゾイン、ビス(ヒドロキシフェニル)アルカン、ジヒドロキシビフェニル、置換形ジヒドロキシビフェニル等がある。
【0080】
トナー樹脂の一つとして、ジカルボキシル酸とジフェノールから誘導されるポリエステル樹脂が選択される。これらの樹脂は、明細書全体を本願に引用して援用する米国特許第3,590,000号に開示されている。また、ビスフェノールAとプロピレンオキサイドとの相互作用から得られるポリエステル樹脂であって、特に前記得られた生成物をさらにフマル酸と相互作用させたポリエステルを含むポリエステル樹脂、およびジメチルテレフタレートと1,3−ブタンジオール、1,2−プロパンジオール、およびペンタエリトリトールとの相互作用から得られる分枝ポリエステル樹脂も好適に使用される。さらに、低融点ポリエステル、特に相互作用性押し出しによって作製された低融点ポリエステルをトナー樹脂として選択することができる(明細書全体を本願に引用して援用する米国特許第5,227,460号参照)。他の特定のトナー樹脂として、スチレン−メタクリレートコポリマー、スチレンブタジエンコポリマー、PLIOLITES(商標)、および懸濁重合スチレンブタジエンがある(明細書全体を本願に引用して援用する、米国特許第4,558,108号参照)。
【0081】
本発明に使用されるより好適な樹脂バインダは、米国特許第5,227,460号(前述の本願に引用して援用する特許)に記載された種類の鎖状部と架橋部の両方を含むポリエステル樹脂を含む。
【0082】
前記バインダの架橋部の基本構成は、平均体積粒子径が0.1μmより小さく、好適には約0.005〜約0.1μmのミクロゲル粒子からなる。この粒子径は、走査型電子顕微鏡および透過型電子顕微鏡を用いて決定される。このミクロゲル粒子は、鎖状部中を実質的に均一に分散している。この樹脂は、当業者に既知の相互作用性溶融混合法によって作製される。この、鎖状部中に分散した高架橋密度のミクロゲル粒子は樹脂に弾性を与え、それにより樹脂の最低定着温度に実質的に影響を与えることなく、樹脂のオフセット性質が向上する。
【0083】
したがって、トナー樹脂は好適には、鎖状不飽和ポリエステル樹脂などの鎖状不飽和樹脂(以下ベース樹脂と呼ぶ)を架橋することによって作製される不飽和ポリエステルなどの、部分架橋不飽和樹脂である。前記架橋は、好適には相互作用開始剤を用いて、例えば押し出し機などの溶融混合装置内で高温(例えば樹脂の溶融温度より高くて、好適にはその溶融温度より約150℃高い温度までの温度)で高いせん断力を加えて行われる。
【0084】
このトナー樹脂は、樹脂混合物中に、通常約0.001〜約50重量%で、好適には約1〜約20重量%、より好適には約1〜約10重量%で、もっとも好適には約2〜9重量%の範囲のミクロゲルの重量分(ゲル含量)をもつ。鎖状部は、前記トナー樹脂に対する重量割合で約50〜約99.999%、好適には約80〜約98%の範囲の(好適には不飽和ポリエステルの)ベース樹脂を含む。好適にはこの樹脂の鎖状部は、架橋相互作用時に未架橋で残った、低分子量の相互作用性ベース樹脂で、好適には不飽和ポリエステル樹脂を含む。
【0085】
したがってこの樹脂の分子量分布は2モードであって、異なる範囲のバインダの鎖状部と架橋部とをもつ。ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)で測定した、鎖状部の数平均分子量(Mn)は、例えば約1000〜約20,000で、好適には約3000〜約8000の範囲にある。鎖状部の重量平均分子量(Mw)は、例えば約2000〜約40,000で、好適には約5000〜約20,000の範囲にある。これに対し、ゲル部の重量平均分子量は一般に1,000,000より大きい。鎖状部の分子量分布(Mw/Mn)は、例えば約1.5〜約6で、好適には約1.8〜約4の範囲にある。示差走査熱分析(DSC)で測定した鎖状部のオンセット(onset)ガラス転移温度(Tg)は、例えば約50℃〜約70℃の範囲にある。
【0086】
このバインダ樹脂によって、最低定着温度が約100℃〜約200℃で、好適には約100℃〜約160℃、より好適には約110℃〜約140℃の低融点トナーが得られると共に、溶融器ロールへのトナーの裏写りが激減または防止される広い溶融自由度をもつ低融点トナーが得られ、さらに高いトナー微粉化効率が維持される。このトナー樹脂およびそれを用いたトナーは、極端に少ないもしくは実質的にゼロの、ビニルまたは文書オフセット性を示す。
【0087】
好適な一実施形態では、架橋部の基本構成は、(ゲル含量で測定して)高い架橋密度の、きわめて高い分子量のミクロゲル粒子からなる。これら粒子は、例えばテトラヒドロフラン、トルエン等の、あらゆる溶剤に実質的に溶解しない。ミクロゲル粒子は、(あるとしても)きわめて微小な架橋間隔をもつ、高架橋度のポリマーからなる。この種の架橋ポリマーは、相互作用開始剤を、鎖状不飽和ポリマーでより好適には鎖状不飽和ポリエステルと、高温かつ高せん断力の下で相互作用させることによって形成される。開始剤の分子はラジカルへと分解し、ポリマーラジカルを形成するポリマー鎖内の一つ以上の二重結合または他の相互作用サイトと相互作用する。このポリマーラジカルは別のポリマー鎖またはポリマーラジカルと何回も相互作用して、高度かつ直線状に架橋したミクロゲルを形成する。これによってミクロゲルはきわめて高濃度になり、溶剤に膨潤されにくいミクロゲルとなる。また、この高濃度ミクロゲルによって樹脂に弾性が付与され、最低定着温度に影響を与えることなく、高温オフセット温度が高まる。
【0088】
ベース樹脂として使用される鎖状不飽和ポリエステルは低分子量の縮合ポリマーであり、これらポリマーは、飽和および不飽和の両方の二塩基酸(または無水物)とジヒドロキシアルコール(グリコールまたジオール)との段階的相互作用によって形成される。得られた不飽和ポリエステルは二つの面で相互作用性(例えば架橋性)である、すなわち、(1)ポリエステル鎖に沿った不飽和サイト(二重結合)、および(2)カルボキシル、ヒドロキシ他などの官能基で酸系の相互作用に敏感な基、である。本発明に対して有用な典型的な不飽和ポリエステルベース樹脂は、二塩基酸および/または酸無水物およびジオールを用いて、溶融重縮合または他の重合処理によって作製される。適当な二塩基酸および二無水物として、限定はしないが、例えばコハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ヘキサクロロエンドメチレンテトラヒドロフタル酸、フタル酸無水物、クロレンジン酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸無水物、テトラクロロフタル酸無水物、テトラブロムフタル酸無水物等、およびこれらの混合物などの飽和二塩基酸および/または無水物、および、例えばマレイン酸、フマル酸、クロロマレイン酸、メタクリル酸、アクリル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、マレイン酸無水物等、およびこれらの混合などの不飽和二塩基酸および/または酸無水物がある。適当なジオールとして、限定はしないが、例えばプロピレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ジプロピレングリコール、ジブロモネオペンチルグリコール、プロポキシル化ビスフェノールA、2,2,4−トリメチルペンタン−1,3−ジオール、テトラブロモビスフェノールジプロポキシエーテル、1,4−ブタンジオール等、およびこれらの混合があり、これらは、例えばテトラヒドロフラン、トルエン等の強力な溶剤に溶解する。
【0089】
好適な不飽和ポリエステルベース樹脂は、例えばマレイン酸無水物、フマル酸、等およびこれらの混合などの二塩基酸および/または酸無水物、および、例えばプロポキシル化ビスフェノールA、プロピレングリコール等、およびそれらの混合などのジオールから作製される。特に好適なポリエステルはポリ(プロポキシル化ビスフェノールAフマレート)である。
【0090】
本発明のもっとも好適な実施形態では、トナーバインダ樹脂は、(a)鎖状プロポキシル化ビスフェノールAフマレート樹脂と(b)この鎖状樹脂を相互作用性押し出しによって架橋させた樹脂、との溶融押し出し品を含み、得られた押し出し品は約2〜約9重量%の総ゲル含量をもつ樹脂を含む。鎖状プロポキシル化ビスフェノールAフマレート樹脂は、例えば、Resana S/A Industrias Quimicas(ブラジル、サンパウロ)からSPARIIの商標で、あるいはDSM Polymer(オランダ、Geleen)からNeoxyl P2294またはP2297として市販されている。適当なトナー保存およびビニルおよび文書オフセットの防止を目的とした場合、ポリエステル樹脂ブレンドは、好適には例えば52〜64℃の範囲のTgをもつ。プロポキシル化ビスフェノールAフマレート樹脂中の鎖状部のみをもつ樹脂を使用すると、必要な溶融レオロジープロフィールは得られない。
【0091】
例えば有機ペルオキサイドまたはアゾ化合物などの相互作用開始剤は、本発明の架橋トナー樹脂の作製用として好適である。適当な有機ペルオキサイドとして、例えばデカノイルペルオキサイド、ラウロイルペルオキサイド、およびベンゾイルペルオキサイドなどのジアシルペルオキサイド、例えばシクロヘキサノンペルオキサイドおよびメチルエチルケトンなどのケトンペルオキサイド、例えばt−ブチルペルオキシネオデカノエート、2,5−ジメチル2,5−ジ(2−エチルヘキサノイルペルオキシ)ヘキサン、t−アミルペルオキシ2−エチルヘキサノエート、t−ブチルペルオキシ2−エチルヘキサノエート、t−ブチルペルオキシアセテート、t−アミルペルオキシアセテート、t−ブチルペルオキシベンゾアート、t−アミルペルオキシベンゾアート、oo−t−ブチルo−イソプロピルモノペルオキシカーボネート、2,5−ジメチル2,5−ジ(ベンゾイルペルオキシ)ヘキサン、oo−t−ブチルo−(2−エチルヘキシル)モノペルオキシカーボネート、およびoo−t−アミルo−(2−エチルヘキシル)モノペルオキシカーボネートなどのアルキルペルオキシエステル、例えばジクミルペルオキサイド、2,5−ジメチル2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、t−ブチルクミルペルオキサイド、ビス(t−ブチルペルオキシ)ジイソプロピルベンゼン、ジ−t−ブチルペルオキサイド、および2,5−ジメチル2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン−3などのアルキルペルオキサイド、例えば2,5−ジヒドロペルオキシ2,5−ジメチルヘキサン、クメンヒドロペルオキサイド、t−ブチルヒドロペルオキサイド、およびt−アミルヒドロペルオキサイドなどのアルキルヒドロペルオキサイド、および例えばn−ブチル4,4−ジ(t−ブチルペルオキシ)バレラート(valerate)、1,1−ジ(t−ブチルペルオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン、1,1−ジ(t−アミルペルオキシ)シクロヘキサン、2,2−ジ(t−ブチルペルオキシ)ブタン、エチル3,3−ジ(t−ブチルペルオキシ)ブチラート(butyrate)、エチル3,3−ジ(t−アミルペルオキシ)ブチラート、および1,1−ビス(t−ブチル(ペルオキシ))3,3,5−トリメチルシクロヘキサンなどのアルキルペルオキシケタールがある。適当なアゾ化合物として、アゾビス−イソブチロニトリル、2,2′−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビス(メチルブチロニトリル)、1,1′−アゾビス(シアノシクロヘキサン)、およびその他の類似の既知の化合物がある。
【0092】
通常約0.01〜約10重量%で、好適には約0.1〜約4重量%の範囲の、低濃度の相互作用開始剤を使用可能にして、その全部を架橋相互作用に用いることによって、好適な実施形態の架橋相互作用で生成される残留汚染物質を最小にすることができる。架橋は高温で進行するので、相互作用はきわめて早く(例えば10分より短くて、好適には約2秒〜約5分)、そのため未相互作用の開始剤は生成物中にほとんどまたは全く残らない。
【0093】
低融点のトナーおよびトナー樹脂は、相互作用性樹脂を部分的に架橋させる、相互作用性溶融ミキシング法によって作製される。例えば、低融点のトナー樹脂は次のステップを含む相互作用性溶融ミキシング法によって作製される。すなわち、(1)溶融ミキシング装置内で相互作用性ベース樹脂を溶融して溶融ポリマーを形成、(2)好適には架橋相互作用開始剤を使用すると共に相互作用温度を上昇させて、溶融ポリマーの架橋を開始、(3)ベース樹脂の部分架橋が完了するための十分な滞留時間の間、溶融ミキシング装置内に溶融ポリマーを保持、(4)架橋相互作用の間に十分高いせん断力を与えて、せん断および混合の間中ゲル粒子を形成、破砕、および溶融ポリマー中に十分に分散、(5)状況により溶融ポリマーの揮発分除去を行って流出揮発分を全て除去、および(6)状況により架橋後に付加的な鎖状ベース樹脂を加えて、最終樹脂内に所望のレベルのゲル含量を得る、の各ステップである。高温相互作用性溶融ミキシング法によって、実質的にミクロゲル粒子のみの生成が可能な、きわめて高速の架橋が行える、またこの方法における高いせん断力はミクロゲルの過度の成長を防止し、ミクロゲル粒子の樹脂中での均一分散を可能にする。
【0094】
相互作用性溶融ミキシング法は、押し出し機などの溶融ミキシング装置内で、溶融状態のポリマーについて化学相互作用を行わせる方法である。トナー樹脂の作製においては、この相互作用を用いてポリマーの化学構造と分子量を修正し、それによってポリマーの溶融レオロジーおよび融着特性を修正する。相互作用性溶融ミキシング法は特に高粘度の材料に対して有効である。また、この方法は溶剤不要という利点があり、そのため環境上の制御を行いやすい。所望の架橋量が得られると、相互作用生成物は即座に相互作用チャンバから取り出される。
【0095】
本発明のトナー中に存在する樹脂量は、通常約70〜約98重量%で、より好適には約40〜約98重量%である。ただし、本発明の目的が達成されれば、これよりも多い、または少ない量も可能である。
【0096】
この後トナー樹脂は、色材、電荷担持用添加物、界面活性剤、乳化剤、顔料分散体、流動用添加物、脆化剤等と溶融ブレンド(すなわち混合)される。得られた生成物をミリングなどの既知の方法で微粉化してトナー粒子を形成する。所望により、ポリエチレンワックス、ポロプロピレンワックス、およびパラフィンワックスなどの、約1000〜約7000の分子量をもつワックスが、溶融剥離剤としてトナー成分の内部または表面に含まれる。
【0097】
無制限に全ての色の種々の適当な色材を本発明のトナーに使用することができる。それら色材として、Regal330カーボンブラック(Cabot製)などのカーボンブラック、アセチレンブラック、ランプブラック、アニリンブラック、クロムイエロー、ジンクイエロー、サイコファスト(Sicofast)イエロー、サンブライトイエロー、ルナイエロー、ノバパーム(Novaperm)イエロー、クロムオレンジ、ベイプラスト(Bayplast)オレンジ、カドミウムレッド、リソルスカーレット、ホスタパーム(Hostaperm)レッド、ファナル(Fanal)ピンク、ホスタパームピンク、リソルレッド、ローダミンレイクB、ブリリアントカーミン、ヘリオゲン(Heliogen)ブルー、ホスタパームブルー、ネオパン(Neopan)ブルー、PVファストブルー、シンカシ(Cinquassi)グリーン、ホスタパームグリーン、二塩基酸化チタン、コバルト、ニッケル、鉄粉、サイコパル(Sicopur)4068FF、およびMapico Black(Columbia製)、NP608およびNP604(Northern Pigment製)、Bayferrox8610(Bayer製)、MO8699(Mobay製)、TMB−100(Magnox製)などの酸化鉄、およびこれらの混合等を含む、適当な着色顔料、染料、およびそれらの混合がある。
【0098】
色材、好適には黒、シアン、マゼンタ、および/またはイエローの色材は、トナーに所望の色を付与する上で十分な量で含まれる。一般に、顔料または染料は、カラートナーの場合は約2〜約60重量%で好適には約2〜約9重量%の範囲の量で使用され、黒トナーの場合は約3〜約60重量%の範囲の量で使用される。
【0099】
本発明の黒トナーについては、黒トナーは適当な黒顔料を含んで、実際のTMAにおいて17以下の明るさ(すなわちL*)が得られるようにする必要がある。もっとも好適な実施形態では、5重量%の添加量のカーボンブラックが使用される。カーボンブラックが好適である。
【0100】
本発明のシアントナーについては、トナーは、ベンチマークリソグラフィ4色カラー印刷で得られる色範囲と同程度の広い色範囲が得られるような、適当な種類と添加量のシアン顔料を含む必要がある。もっとも好適な実施形態では、この顔料は、70%の鎖状プロポキシル化ビスフェノールAフマレート中に分散された30%のSUN製PVファストブルー(ピグメントブルー15:3)を含み、11重量%の割合でトナー中に添加される(約3.3%の顔料の添加に相当する)。
【0101】
本発明のイエロートナーについては、トナーは、ベンチマークリソグラフィ4色カラー印刷で得られる色範囲と同程度の広い色範囲が得られるような、適当な種類と添加量のイエロー顔料を含む必要がある。もっとも好適な実施形態では、この顔料は、70%の鎖状プロポキシル化ビスフェノールAフマレート中に分散された30%のSUN製サンブライトイエロー(ピグメントイエロー17)を含み、約27重量%の割合でトナー中に添加される(約8%の顔料の添加に相当する)。
【0102】
本発明のマゼンタトナーについては、トナーは、ベンチマークリソグラフィ4色カラー印刷で得られる色範囲と同程度の広い色範囲が得られるような、適当な種類と添加量のマゼンタ顔料を含む必要がある。もっとも好適な実施形態では、この顔料は、60%の鎖状プロポキシル化ビスフェノールAフマレート中に分散された40%のBASF製ファナルピンク(ピグメントレッド81:2)を含み、約12重量%の割合でトナー中に添加される(約4.7%の顔料の添加に相当する)。
【0103】
あらゆる適当な表面添加物を、本発明に適用可能である。本発明用の表面添加物としてもっとも好適であるのは、SiO2、例えばTiO2および酸化アルミニウムなどの金属酸化物、および例えば脂肪酸の金属塩(例えばステアリン酸亜鉛(ZnSt)、ステアリン酸カルシウムなど)またはUnolin700などの長鎖アルコールなどの潤滑剤、の内の一つまたは二つ以上である。通常は、トナーの流動性向上、摩擦の促進、混合の制御、現像および転写の安定性の向上、およびトナーブロッキング温度の上昇のためにシリカがトナー表面に塗布される。また、相対湿度(RH)の安定性の向上、摩擦の制御、および現像および転写の安定性の向上のためにTiO2が塗布される。
【0104】
好適にはSiO2およびTiO2は、例えば透過型電子顕微鏡(TEM)で測定、あるいはガス吸着(すなわちBET)表面積の測定から計算して(球状粒子と仮定して)、約30nmより大きくて、好適には少なくとも40nmの一次粒子サイズをもつ。TiO2は、広い範囲のカバレッジ面積およびジョブの稼働期間にわたって現像と転写を維持する上で特に有用である。好適にはSiO2およびTiO2は、例えば約140〜200%の理論上の表面カバレッジ面積(SAC)の範囲でトナー全面をカバレッジするようにトナー表面に付与される。前記理論上のSAC(以下SACと呼ぶ)は、全部のトナー粒子が球状で、かつ標準のコールタカウンタ法で測定してトナーの体積平均直径に等しい直径をもつと仮定し、さらに添加物粒子はチョウ密六方充填構造でトナー表面上に一次粒子として分散していると仮定して計算される。添加物の量とサイズに関する別の測定基準として、各シリカおよびチタニア粒子等についての「SAC×サイズ」(表面カバレッジ面積とナノメータで表される添加物の一次粒子サイズとの積)の合計がある。この測定基準において、全ての添加物の全体としてのSAC×サイズの範囲は、好適には例えば4500〜7200である。チタニア粒子に対するシリカ粒子の比は、一般に(重量%ベースで)50%シリカ/50%チタニアから85%シリカ/15%チタニアまでの範囲である。ただし、この比は、本発明の目的が達成されれば、これらの値より大または小であってもよい。SAC×サイズの値が小さいトナーは、可能性としてHSDシステムにおいて適切な初期現像および転写をもたらすことができるが、小さいカバレッジ面積(少ないトナー処理量)での長期間稼働においては安定した現像および転写特性をもたらすことができない。
【0105】
もっとも好適なSiO2およびTiO2は、DTMS(ドデシルトリメトキシシラン)またはHMDS(ヘキサメチルジシラザン)を含む化合物で表面処理されたものである。これらの添加物の例として、HMDSとアミノプロピルトリエトキシシランとの混合物でコーティングされた、DeGussa/Nippon Aerosil社提供のNA50HSシリカ、例えばDTMSでコーティングされた二塩基酸化ケイ素コアL90などのフューム状シリカを含む、Cabot社提供のDTMSシリカ、アミノ基をもつオルガノポリシロキサンでコーティングされた、Wacker Chemie提供のH2050EP、およびDTMSでコーティングされた、結晶性二塩基酸化チタンコアMT500Bを含む、Tayca社提供のSMT5103がある。
【0106】
好適にはステアリン酸亜鉛もまた本発明のトナーの表面添加物として使用され、このステアリン酸亜鉛によって潤滑性が付与される。ステアリン酸亜鉛のもつ潤滑性質によって、現像剤の導電率と摩擦性の両方が改善される。加えて、ステアリン酸亜鉛によって、トナーとキャリア粒子との接触回数が増加するために、優れたトナー帯電性および帯電安定性を得ることができる。ステアリン酸カルシウムおよびステアリン酸マグネシウムも同様の働きをする。もっとも好適であるのは、コールタカウンタ法で測定して約9μmの平均粒子径をもつ、Ferro社提供のZinc Stearate Lと呼ばれる市販のステアリン酸亜鉛である。
【0107】
もっとも好適には、トナーは、例えば約0.1〜5重量%のチタニア、約0.1〜8重量%のシリカ、および約0.1〜4重量%のステアリン酸亜鉛を含む。
【0108】
前述の添加物は、優れたトナー帯電性および帯電安定性に加えて、優れたトナー流動性が得られるように選択される。SiO2とTiO2との相対量の調整に加えて、これら二種類の添加物の表面処理が、一定範囲のトナー帯電が得られるように行われる。
【0109】
本記載の現像剤成分の正の帯電特性をさらに高めるために、任意成分として帯電強化用添加物がトナー内部またはトナー表面に付与される。これら添加物として、アルキルピリジニウムハライド(全体を本願に引用して援用する、米国特許第4,298,672号参照)、有機スルフェートまたはスルフォネート成分(全体を本願に引用して援用する、米国特許第4,338,390号参照)、ジステアリルジメチルアンモニウムスルフェート、重硫酸塩等、およびその他の類似の既知の帯電強化用添加物がある。また、BONTRON E−88などのアルミニウム複合材料等の、負の帯電強化用添加物も選択することができる。これら添加物のトナー中の含有量は、約0.1〜約20重量%で、好適には1〜約3重量%である。
【0110】
本発明のトナー成分は、複数の既知の方法によって作製される。それら方法の一つに、トナー樹脂粒子と顔料粒子または色材を溶融ブレンドした後機械的に摩砕する方法がある。その他の方法として、当業者に周知の、スプレ乾燥、溶融分散、分散重合、懸濁重合、および押し出しなどの方法がある。
【0111】
好適にはトナーは、先ず(好適には前述の鎖状樹脂と架橋樹脂の両方を含む)バインダと色材とをミキシング装置(好適には押し出し機)内で混合し、次にこの混合物を押し出すことにより作製される。好適には押し出された混合物は、表面添加物として使用される、総量が約0.3〜約0.5重量%のシリカと共にグラインダ中で微粉化される。このトナーが分級されて、前述の所望の体積平均粒子サイズおよび割合をもつ微粉を有するトナーが形成される。また、粗粒子、粗粉、および巨大粒子を制限するための方法も検討される。続いての残留表面添加物をもつトナーのブレンドは、好適にはミキサまたはブレンダ(例えばHenschelミキサ)を用いて行われ、その後スクリーン分別を行うことによって最終的なトナー産品が得られる。
【0112】
もっとも好適な実施形態では、プロセスは入念に制御およびモニタされて、前述した必要な性質をもつトナーが一貫して得られるようにされる。最初に、各原料が各ホッパから閉ループシステム内の押し出し機に送給される。各ホッパは、鎖状樹脂、架橋樹脂、予備分散された顔料(すなわち、前述の鎖状プロポキシル化ビスフェノールAフマレートなどのバインダの一部に分散された顔料)、および再生トナー微粉を個別に収容する。
【0113】
再生トナー微粉とは、分級時に過度に小さい粒子として先に作製されたトナーから除去されたトナー微粉のことである。この粒子は材料中で大きい割合を占めているため、この材料を回収して再生トナー微粉として工程内に戻すことがもっとも好適である。したがってこの材料は、樹脂および色材に加えて、押し出し、摩砕、あるいは分級の各工程でトナーに導入される全ての添加物を既に含んでいる。この材料の、押し出し機中に投入される全材料中の含有量は概ね約5〜約50重量%である。
【0114】
押し出し品は、金型中を通過する時に、一つ以上のモニタ装置でモニタされ、この装置から、押し出し機に投入される各材料の量を制御するフィードバック信号が供給される。この信号によりトナーの組成と性質が入念に制御されて、目的に合った生成物を得ることができる。このことは、前述の厳密なトナーの機能的性質が要求される、本発明においてきわめて重要である。
【0115】
もっとも好適には、押し出し品は、オンラインレオメータおよび近赤外線分光光度計の両方をモニタ装置として用いてモニタされる。オンラインレオメータは押し出し生成物の溶融レオロジーを評価して、鎖状樹脂および架橋樹脂の供給量を制御する、フィードバック信号を供給する。例えば、溶融レオロジーが過度に高い場合は、前記信号は、架橋樹脂に対して鎖状樹脂の付加量を増やす必要があることを指示する。このモニタによって、前述した、HSD装置の機能を最大にするために満たす必要のある性質の一つである、トナーの溶融レオロジーの制御が行われる。
【0116】
透過モードで使用される、近赤外線分光光度計は、色材濃度のモニタに加えて、各色間の識別を行う。分光光度計によって、押し出し機に加えられる色材の量を適切に調整する信号が生成される。このモニタによって着色量の制御を行うことができ、それによりトナー色度の機能的性質が発現されると共に、色の相互汚染が識別される。このモニタにより、仕様外の産品は全てモニタ時点で止められてラインから取り除かれ、一方仕様内産品は下流の摩砕および分級装置へ進行する。
【0117】
摩砕においては、付加されるシリカの総量中の一部を添加することによって摩砕および分級作業が容易になる。特に、0.1〜1.0%のシリカまたは金属酸化物の流動補助剤をグラインダ中に注入することによって、摩砕作業の産品の変動レベルが減少し、摩砕工程がより適切に制御されて最適レベルでの摩砕作業が可能になる。さらに、この処理によってトナーの噴射速度は10〜20%高められる。この方法で摩砕されたトナーを分級してトナー粒子中の微粉部分を除去すれば、分級の歩留まりと処理速度が向上する。このことは、前述のトナーの諸性質を得るために、トナー粒子のサイズと分布に対するきわめて厳密な制御を保つ必要のある、分級過程でのコストの制御に役立つ。
【0118】
分級されたトナー生成物は、例えば強力ブレンダを用いて表面添加物と共にブレンドされる。このブレンドは、表面添加物の均一な分布と強固な付着が得られるような仕方で行われる。得られたブレンド後のトナーは、適切なレベルおよび安定性をもつトナー流動性および摩擦電気特性を有する。
【0119】
得られたトナー粒子は現像剤成分用として調合される。好適には、トナー粒子をキャリア粒子と共に混合して二成分現像剤成分を得る。
【0120】
前述の印刷品質特性を満たすために、現像剤材料は、前述のトナー材料と同様の、一貫した、予測可能な形で機能する必要がある。特にハイブリッド非スカベンジング現像システム環境において、トナーがそのように機能するためのもっとも重要な現像剤材料パラメータは、現像剤の帯電、現像剤の導電率、現像剤中のトナー濃度、現像剤の質量流量とバルク密度、キャリアサイズ分布、キャリアの磁気特性、および色度の変動である。
【0121】
以下に現像剤材料のパラメータおよびそのパラメータが影響する印刷品質特性を記す。また、各特性の好適な値を記す。
【0122】
現像剤の帯電は、前述したトナーのトナー帯電(特性F)の場合と同様に、現像および転写(転写効率と均一性を含む)性能との相関がある。
【0123】
したがって、帯電過多と帯電不足の両方のトナー帯電の欠陥モードを回避した、平均的なトナー帯電レベルをもつトナーおよび現像剤材料を設計することが望ましい。これによって地色および画像の汚染が防止されると共に、ベタ部、ハーフトーン部、微細ライン、および文字部の現像が確実に行うことができる。現像剤およびトナーの帯電レベルの分布は、分布のテールが画像品質に悪影響を及ぼさない(すなわち、低帯電の分布度合が、低トナー帯電レベルに関連した、周知の画像品質特性の劣化を起こす程でない)ように十分に狭くする必要がある。現像剤およびトナーの帯電レベルおよび分布は、顧客の稼働モード(ジョブの稼働期間およびAC)の全範囲にわたって保持される必要がある。
【0124】
トナー帯電(セクションF)の場合と同様に、現像剤中のトナーの帯電は、トナーがキャリア粒子と摩擦電気接触した後の、μC/gで表される粒子重量当たりの帯電量、Q/M、またはfC/μmで表される粒子径当たりの帯電量、Q/Dのいずれかによって記述される。Q/Mの測定は周知のファラデーケージ法によって行われる。Q/D値の全分布の測定に加えて、トナー粒子の平均Q/Dが、当業者に周知の帯電分光装置を用いて行われる。本発明の好適な実施形態のHSD現像剤装置に使用した場合に、前述の印刷品質を得るために、現像剤中のトナー粒子のQ/Dの平均値は、例えば−0.1〜−1.0fC/μmで、好適には約−0.5〜−1.0fC/μmにする必要がある。この帯電は、当該トナーを用いて得られる像の鮮明さに適合した状態で、現像処理の間ずっと安定に維持される必要がある。したがって、トナー帯電の示す平均Q/D値の変化は、多くとも例えば0〜0.25fC/μmにする必要がある。帯電分光計で測定した、現像剤中のトナーの帯電分布は、狭小すなわち0.5fC/μmより小さくて好適には0.3fC/μmより小さいピーク幅をもつこと、および単一モードすなわち周波数分布内にピークを一つだけもつことが必要であり。これらは、きわめて低帯電(十分に強いクーロン引力に対して極端に小さい帯電)のトナーおよび誤表示のトナーはほとんどまたは全く存在しないことを示す。低帯電トナーの含量は、例えばトナー粒子の総数の15%以下で、好適には全トナーの6%以下、より好適には2%以下にする必要がある。一方、誤表示トナーの含量は、例えばトナー粒子の総数の5%以下で、好適には全トナーの3%以下、より好適には1%以下にする必要がある。相補的な周知のファラデー箱測定を用いた場合、現像剤中のトナーは、好適には例えば−25〜−70μC/gで、より好適には−35〜−60μC/gの摩擦電気の値を示す必要がある。例えばHSDシステムでの現像時に、トナーを用いた現像の間に、摩擦電気は安定で、変化の範囲は多くとも例えば0〜15μC/gで、好適には0以下から8μC/gまでにする必要がある。
【0125】
キャリアコアおよびコーティング、および前述のトナー添加物は全て、優れた現像剤帯電性および帯電安定性が得られるように選択される。キャリアの処理条件、および選択されるトナー添加物のレベルは、現像剤の帯電レベルに影響するように操作することができる。
【0126】
ハイブリッド非スカベンジング現像システムは、従来式の二成分システムでの磁気ブラシを、一成分システムで一般に使用されるドナーロールと共に用いて、磁気ブラシから感光体表面にトナーを転写する。このため、ドナーロールは丁度一回転でトナーを完全に再装填する必要がある。一回転でドナーロールを完全に再装填できないと、再装填と呼ばれる印刷品質欠陥が生じる。この欠陥は印刷物上でベタ部として表れ、このベタ部はドナーロールの連続回転によって次第に白味が増す。あるいは、一回のドナーロールの回転によって得られた像のストラクチャが、次のドナーロールの回転によって印刷される像内に見える場合は、当業者においてゴーストと呼ばれる、一成分電子写真現像に関連した現象が表れる。高導電性の現像剤はこの欠陥の減少に役立つ。現像剤の導電性を高めることによって、磁気ブラシからドナーロールへのトナー転写量を最大にすることができる。したがって、組み合わせ時には、一回転でドナーロールを再装填する上で十分な導電性をもつ現像剤材料を選択することが望ましい。
【0127】
現像剤の導電率は本質的にキャリアの導電率に依存する。可能なもっとも導電性の高いキャリアを得るために、例えば霧状化鋼製のコアで、一部が電気的に絶縁性のポリマーでコーティングされて一定レベルのキャリアコアが露出した導電性キャリアコアが使用される。この他に、導電性ポリマーを用いてキャリアコアをコーティングする方法を使用することもできる。さらに、不規則な形状のキャリアコアの場合はポリマーコーティングが流れ込む谷間が与えられ、表面の凹凸が残ってより導電性の高い現像剤が得られる。また、不規則な形状のキャリアコアは、現像剤の全体的な導電性をもたらす未コーティングのキャリア部分の凹凸相互の接触を妨げずに、トナー粒子を前記谷間内のキャリアコア表面に接触させてトナーに電荷を付与する働きがある。また、トナー添加物容器へのステアリン酸亜鉛の付与はキャリアおよびトナーの潤滑を助長して、キャリアとトナー粒子との接触回数を増加させる。
【0128】
好適には現像剤の導電率は、例えば30Vの電圧を0.1インチ(0.25cm)の磁気ブラシに印加して測定したとき、例えば3.5〜5.5重量%のトナー濃度において10-11〜10-14(オーム・cm)-1である。0〜0.5%のトナー濃度、すなわち裸のキャリアまたは表面にごくわずかの残留トナーを担持したキャリアでは、このキャリアは、上記と同条件で測定したとき10-8〜10-12(オーム・cm)-1の導電率をもつ。
【0129】
トナーの濃度レベルに対する要求仕様は、装置構成に対する要求で定まる。したがって、要求されるトナー濃度を満たす現像剤をブレンドできること、およびトナー濃度を所望のレベルに制御できることが重要である。
【0130】
好適には、トナー濃度は、現像剤の全重量に対する重量比で、例えば1〜6%で、より好適には3.5〜5.5%である。
【0131】
トナーは、適当な色特性を有して広い色範囲が得られることが必要である。色材の選択により、一般の4色電子写真から得られる場合より高い割合の標準Pantone(商標)カラーを表現することができる。各トナーについて、色度(C*)を最大にする必要があると共に、色を要求された色に正確に合致させておくことがきわめて重要である。現像剤ハウジング内の各材料の影響により、トナーの色は、現像剤の経持劣化、印刷カバレッジ面積、または他の装置の動作条件の関数として変化する。この色の変化は、目的の色と実際の色との差を用いて、特にΔECMCとして測定される(CMCは、色素および色材協会の色測定委員会を表す)。ΔECMCは、セクションDで定義された三次元L*,a*,b*CIELAB空間での色変化を計算したものである。キャリアも色変化または色度変化の要因となるが、それにより生じる変化は単位ΔECMCの±約1/3のみである。したがって、トナーの色度が現像剤の状態の関数として変化しないようなキャリアコアおよびキャリアコアコーティングを選択することが重要である。
【0132】
キャリアコアおよびコーティングポリマーは、それらが淡い色合いもしくは無色で、かつ現像剤ハウジング内で受ける摩耗に対して機械的に強靱であるように選択する必要がある。これにより、キャリアコーティングがすり減っていく場合に、ΔECMC特性が変化することが防がれる。コーティングポリマーおよびコアは、現像剤ハウジング内で受ける機械的摩耗に対しても強靱であることが必要である。コーティングポリマーが強靱でれば、色度変化の懸念なく濃く着色された添加物をキャリアコーティング用として用いることができる。
【0133】
好適には、本発明の現像剤およびトナーを使用する、全ての顧客環境における全ての装置および現像剤の稼働条件において表れるΔECMCの範囲は、多くとも例えば0〜0.60で、より好適には多くとも例えば0〜0.30である。
【0134】
前述の小さいトナーサイズの場合は、約10:1のトナー体積平均径に対するキャリア体積平均径の比を保つために、キャリアサイズも小さくすることが望ましい。トナー体積平均径は周知のコールタカウンタ法で決定され、キャリア体積平均径は周知のレーザ回折法で決定された値である。この比によりほぼ1のTC0が得られる。TC0が1ということは、トナー濃度に対する摩擦電気の感度が高いということに置き換えられる。したがってこの状態では、装置の制御システムはトナー濃度をハウジング内の摩擦電気のチューニングノブとして用いることができる。また、キャリア中の微粉を低いレベルに保持して印刷物上のビーズ形成を防止することも重要である。一般に前記ビーズは、デブリを中心とした削除部(debiris-centered deletions)(DCDs)と呼ばれる印刷品質欠陥をもたらす。このため、キャリア粒子サイズを制御して微細なキャリア粒子の量を制限することが望ましい。
【0135】
前述の小さいトナーサイズの場合は、約10:1のトナー体積平均径に対するキャリア体積平均径の比を保つために、キャリアサイズも小さくすることが望ましい。したがってキャリア粒子は、例えば約65〜約90μmで、好適には70〜84μmの平均粒子サイズ(径)をもつ必要がある。キャリア分布の微粉側は、重量分布の約2.0%だけが38μmより小さいサイズをもつように十分に制御される。
【0136】
さらに、現像剤は、例えば感光体上に安定な単位面積当たりの現像後トナーの重量(DMA)を示す、一貫したかつ安定な現像性を示す必要がある。DMAの目標範囲は0.4〜1.0mg/cm2であり、この値は、所定面積のトナーを感光体から除去した後秤量することによって直接測定される、あるいは現像装置の動作電圧での(例えばHSD現像装置では200Vのワイヤ電圧で)、感光体からの補正された反射率測定によって間接的に決定される。目標値からのDMAの変動は、多くとも0.4mg/cm2で、もっとも好適には多くとも0.2mg/cm2である。また現像剤は、高い受像基材への転写効率を有して、転写後感光体面上に残る残留トナーはごくわずかであるようにする必要がある。
【0137】
HSDの産品に対する印刷品質要求は、前述したように、現像剤の機能的性質に置き換えられる。本発明により、機能的性質は、多くの印刷品質要求を満たすという目標をもつトナーおよび現像剤に合わせて設計される。前述の諸特性をもつ、前述の本発明のトナーを含む現像剤の作製に使用されるキャリア用の適当かつ好適な材料について以下に述べる。
【0138】
本発明によって作製されるトナー成分との混合用として選択されるキャリア粒子の代表例として、トナー粒子の帯電と逆極性の帯電を摩擦電気的に得る能力をもつキャリア粒子がある。適当なキャリア粒子の代表例として、粒状ジルコン、粒状シリコン、ガラス、鋼、ニッケル、フェライト、鉄フェライト、二塩基酸化シリコン等がある。さらに、明細書全体を本願に引用して援用する、米国特許第3,847,604号に開示されている、球状のニッケルキャリアビーズを含むニッケルベリー(berry)状のキャリアがキャリア粒子として選択される。このキャリア粒子の特徴は、窪みと突起部が繰り返し現れてその結果比較的大きい表面積をもつ粒子になっていることである。その他のキャリアについては、明細書全体を本願に引用して援用する、米国特許第4,937,166号および4,935,326号に開示されている。
【0139】
もっとも好適な実施形態では、キャリアコアは、例えばHoeganaes社市販の霧状化鋼を含む。
【0140】
選択されたキャリア粒子は、コーティングされて、またはされずに使用される。一般にコーティング材料としては、ポリビニリデンフロライド樹脂などのフルオロポリマー、スチレンのターポリマー、メチルメタクリレート、トリエトキシシランなどのシラン、テトラフルオロエチレン、および他の既知のコーティング材料等がある。
【0141】
もっとも好適な実施形態では、キャリアコアは、Soken市販の、300,000〜350,000の重量平均分子量をもつポリメチルメタクリレート(PMMA)で部分コーティングされる。通常PMMAは電気陽性ポリマー、すなわち接触したトナーに負の電荷を付与するポリマーである。
【0142】
状況により、PMMAは任意の所望のコモノマーと共重合され、この相互作用は得られたコポリマーが適当な粒子サイズを保持する限り行われる。適当なコモノマーとして、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、ジイソプロピルアミノエチルメタクリレート、またはt−ブチルアミノエチルメタクリレート等のモノアルキルまたはジアルキルアミンがある。
【0143】
キャリア粒子は、コーティングされたキャリア粒子の重量に対して、例えば約0.05〜約10重量%で、より好適には約0.05〜約3重量%のポリマーとキャリアコアとを、機械的充填および/または静電的引き寄せによってトナーがキャリアコアに付着するまで、十分に混合することによって作製される。
【0144】
ポリマーは、もっとも好適にはドライパウダ状で付加され、平均粒子サイズは1μmより小さく、好適には0.5μmより小さい。各種の適当な有効手段を用いてキャリアコア粒子の表面にポリマーが付加される。この目的のための典型的な手段の例として、カスケードロールミキシング、またはタンブリング、ミリング、シェーキング、静電パウダクラウドスプレ、流動床、および静電ディスク処理による、静電カーテンを用いた、キャリアコア材料とポリマーとの結合がある。
【0145】
キャリアコア粒子とポリマーとの混合物は、ポリマーコーティングの分解温度より低い温度に加熱される。例えば、この混合物は、例えば約10分〜約60分の間、約90℃〜約350℃の温度に加熱され、ポリマーは溶融してキャリアコア粒子に融着する。この後、コーティングされたキャリア粒子を冷却した後、所望の粒子サイズに分級する。好適にはコーティングは、キャリアの重量に対して例えば0.1〜3.0重量%で、好適には0.5〜1.3重量%のコーティング重量をもつ。
【0146】
さらに、本発明のもっとも好適な実施形態では、キャリアコアのポリマーコーティングは、PMMA(もっとも好適にはドライパウダ状で付加されるPMMA)を含む。また、このポリマーコーティングは、1μmより小さくて、好適には0.5μmより小さい平均粒子サイズをもち、220℃〜260℃程度の高温でキャリアコアに付加(溶融および融着)される。260℃より高い温度はPMMAを変質、劣化させる。本発明のキャリアおよび現像剤の摩擦電気の整調は、キャリアコーティングの付加温度によって行われ、ある所定の温度までは温度上昇により摩擦電気は増加する。前記所定の温度以上に温度が上がると、高温の作用によってポリマーコーティングが劣化し、そのため摩擦電気は減少する。
【0147】
摩擦電気の増加により、現像寿命の長寿命化およびフリンジ領域の現像性の向上が期待できる。
【0148】
前述したように、約10:1の、トナーの体積平均径に対するキャリアの体積平均径の比を保持することが望ましい。したがってキャリア粒子は、例えば約65〜約90μmで、好適には70〜89μm、もっとも好適には75〜85μmの平均粒子サイズ(体積平均径)をもつ必要がある。キャリア粒子のサイズ分布は、さらに、重量比でキャリア粒子の10%以下が50μmより小さい径をもち、重量比でキャリア粒子の10%以下が120μmより大きい径をもつ必要があるように規定される。キャリア分布の微粉側は十分に制御されて、重量分布の約2.0%だけが38μmより小さいサイズをもち、好適には重量分布の約1.0%だけが38μmより小さいサイズをもつようにされる。
【0149】
キャリア粒子は種々の適当な組み合わせでトナー粒子と混合される。しかしながら、約1重量部〜約5重量部のトナー粒子を約10重量部〜約300重量部のキャリア粒子と混合した時で、好適には3.4重量部〜5.3重量部のトナー粒子を90重量部〜110重量部のキャリア粒子と混合した時に最良の結果が得られる。したがって現像剤成分中のトナー濃度は、好適には3.0〜5.5重量%である。
【0150】
本発明のさらなる好適な実施形態において、6より大きい形状指数をもつキャリアコアの使用が好適であることが明らかにされている。本願に用いる性能指数は、前述の標準レーザ回折法によって測定された、コア粒子の体積平均径を用いて計算した等価球表面積(ESSA)に対するBET表面積の比として定義される。性能指数は、キャリアコアの表面形態の一尺度となる。
【0151】
本発明の一態様として、キャリアの導電率はコア粒子のBET表面積に強く影響され、一方摩擦電気性質はコア粒子のBET表面積による強い影響は受けない。
【0152】
キャリアコアの表面性質については、ある特定のコアのサイズおよび密度に固有の、BET表面積に加えて、平滑な球面をもつと仮定されたキャリアコアの理論表面積でBET表面積を割ることによって算出された、形状指数による表現も有用である。コア粒子の体積平均径を用いて計算される理論表面積(等価球表面積(ESSA)とも呼ばれる)は次式で与えられる。
【数6】
Figure 0004651833
式中、rはレーザ回折測定による(例えばMalvern Instruments社市販のMastersizer Xを用いた)コアの半径で、dはコアの密度である。本発明の好適な霧状化鋼の場合、密度は7g/cm3である。
【0153】
したがって、例えば77μmのサイズをもつキャリアコアの場合、ESSAは、(3/(77×10-4μm×7g/cm3)から導かれ、55.7cm2/gになる。
【0154】
コアの形状指数は、ESSAで除算されたコアのBET表面積であるため、無単位数である。コアの形状指数が増えると、コアの表面形態はより不規則になる。6.0より大きく、好適には6.8より大きくて、もっとも好適には7.0以上の形状指数をもつキャリアコアの使用がもっとも好適である。そのような形状指数をもつコアは、優れた導電率(例えば10-12モー/cm)に加えて、優れた摩擦性をもつ。Hoeganaes社市販のもっとも好適な霧状化鋼は7.9の形状指数をもつ。
以下に、本発明の他の好適な実施の形態を示す。
トナー粒子とキャリア粒子とを含む補給剤材料であって、前記補給剤中の前記キャリア粒子に対する前記トナー粒子の補給剤材料比率は、少なくとも一つの前記現像剤の性質および受像部材上に記録された静電潜像を現像する装置の少なくとも一つの動作特性の関数として決定される補給剤材料において、前記装置は、トナー粒子とキャリア粒子とを含む現像剤の供給源を有するチャンバを画定するハウジングと、
受像部材から間隔を置き、かつ前記現像剤中のトナー粒子を前記チャンバから前記受像部材に近接した現像ゾーンに移送するように取り付けられたドナー部材と、
前記受像部材と前記ドナー部材との間の前記現像ゾーンに位置した少なくとも一つのワイヤと、
電流によって現像動作の間に前記少なくとも一つのワイヤを電気的にバイアスして前記ドナー部材からトナー粒子を分離する電圧供給源であって、それにより前記現像ゾーンにトナー粒子雲が形成され、前記雲からのトナー粒子によって前記潜像が現像される構成の電圧供給源と、
および補給剤粒子を前記チャンバ中に供給する少なくとも一つのディスペンサと、を含むことを特徴とする補給剤材料である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ATに基づいて、ある特定の装置における適正な補給剤材料比率を決定するためのサンプル現像剤をモデル化したプロットを示す図である。
【図2】 現像剤の導電率に基づいて、ある特定の装置における適正な補給剤材料比率を決定するためのサンプル現像剤をモデル化したプロットを示す図である。

Claims (3)

  1. トナー粒子とキャリア粒子とを含む補給剤材料であって、現像剤を用いて受像部材上に記録された静電潜像を現像する装置のチャンバ内の現像剤供給源に添加される補給剤材料であって、
    前記補給剤材料は、決定された前記トナー粒子に対する前記キャリア粒子の補給剤材料比率 R により前記トナー粒子と前記キャリア粒子とを混合させることによって生成され、
    前記補給剤材料比率 R は、画像形成装置の非トリクルモードにおける現像剤の摩擦安定性 T の関数として決定され、
    摩擦安定性A T は、摩擦安定性A T =(現像剤の摩擦)×(現像剤のトナー濃度+オフセット値)で求められ、
    下の式により、画像形成装置の最小AT値に対する要求に基づいて求められた補給剤材料比率 R に応じて補給されることを特徴とする補給剤材料。
    [数1]
    R=(YMKA((A1/(A0−Amin))−1)-1
    (式中、RRは補給剤材料比率(補給剤中のキャリア量(g)に対するトナー量(g))、
    Yはトナーの歩留まり(単位トナー重量当たりの複写枚数、kp/g)、
    Mは現像剤チャンバ内の材料の量(g)、
    Aは非トリクルモードでの摩擦安定性A T 指数的減衰定数(/kp)、
    1はt=0からt=無限大までの摩擦安定性T の指数的減衰の範囲、
    0は時間0での摩擦安定性T の値
    minハイブリッド非スカベンジング現像(HSD)システムを用いた画像形成装置で許容される最小の摩擦安定性T の値
    kpとは1キロプリントであって、画像形成装置で現像される1000枚の複写のこと。
  2. 画像現像装置に付加される、トナー粒子とキャリア粒子とを含む補給剤の補給剤材料比率 R を設定する方法において、
    前記補給剤中の前記キャリア粒子に対する前記トナー粒子の前記補給剤材料比率 R を、画像形成装置の非トリクルモードにおける現像剤の摩擦安定性 T の関数として決定し、
    摩擦安定性A T は、摩擦安定性A T =(現像剤の摩擦)×(現像剤のトナー濃度+オフセット値)で求められ、
    下の式により、画像形成装置の最小AT値に対する要求に基づいて求められた補給剤材料比率 R を設定することを含むことを特徴とする方法。
    [数2]
    R=(YMKA((A1/(A0−Amin))−1)-1
    (式中、RRは補給剤材料比率(補給剤中のキャリア量(g)に対するトナー量(g))、
    Yはトナーの歩留まり(単位トナー重量当たりの複写枚数、kp/g)、
    Mは現像剤チャンバ内の材料の量(g)、
    Aは非トリクルモードでの摩擦安定性A T 指数的減衰定数(/kp)、
    1はt=0からt=無限大までの摩擦安定性T の指数的減衰の範囲、
    0は時間0での摩擦安定性T の値
    minハイブリッド非スカベンジング現像(HSD)システムを用いた画像形成装置で許容される最小の摩擦安定性T の値
    kpとは1キロプリントであって、画像形成装置で現像される1000枚の複写のこと。
  3. 現像剤を用いて受像部材上に記憶された静電潜像を現像する装置のチャンバ内に収容された現像剤中のトナー粒子とキャリア粒子とを補充する方法であって、
    画像形成装置の非トリクルモードにおける現像剤の摩擦安定性 T の関数として、前記トナー粒子に対する前記キャリア粒子の補給剤材料比率 R を決定する工程と、
    補給剤材料を形成するために決定された補給剤材料比率 R に応じた量で前記トナー粒子と前記キャリア粒子とを混合する工程と、
    前記装置の前記チャンバ内に補給剤材料を導入する工程と、
    を有し、
    摩擦安定性A T は、摩擦安定性A T =(現像剤の摩擦)×(現像剤のトナー濃度+オフセット値)で求められ、
    下の式により、画像形成装置の最小AT値に対する要求に基づいて求められた補給剤材料比率 R に応じて、トナー粒子とキャリア粒子とを含む補給剤材料を補充することを特徴とする方法。
    [数3]
    R=(YMKA((A1/(A0−Amin))−1)-1
    (式中、RRは補給剤材料比率(補給剤中のキャリア量(g)に対するトナー量(g))、
    Yはトナーの歩留まり(単位トナー重量当たりの複写枚数、kp/g)、
    Mは現像剤チャンバ内の材料の量(g)、
    Aは非トリクルモードでの摩擦安定性A T 指数的減衰定数(/kp)、
    1はt=0からt=無限大までの摩擦安定性T の指数的減衰の範囲、
    0は時間0での摩擦安定性T の値
    minハイブリッド非スカベンジング現像(HSD)システムを用いた画像形成装置で許容される最小の摩擦安定性T の値
    kpとは1キロプリントであって、画像形成装置で現像される1000枚の複写のこと。
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