JP4651828B2 - 脚柱 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、テーブルや椅子等に使用されて、そのテーブルの天板や椅子の座部等の高さを調整可能にする脚柱に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の脚柱には、従来、例えば、実開平5−63330号公報に記載されている。その公開公報の脚柱は、図16に要部を分解斜視図で示すように、外筒102と、その外筒102に相対的に伸縮可能に嵌入される内筒103と、外筒102と内筒103をロックするロック機構112とを備えている。
外筒102には、通孔106と係止孔107が形成されている。
また、内筒103には、通孔110と、この通孔110と直交しかつその長さ方向に所定間隔で配置された複数の調整孔111が設けられている。
また、前記ロック機構112は、ねじ杆113とロック部片118と抑止部片122とを備えている。ねじ杆113をロック部片118を通して抑止部片122にねじ合わせる。ロック部片118に形成した突片115を外筒102の係止孔107に係合する。また、ロック部片118に形成した係合片116を内筒103の調整孔111に係合する。
【0003】
前記脚柱の長さを調整するときは、抑止部片122に対しねじ杆113を緩めて、外筒102の係合片116と内筒103の調整孔111との係合を解除し、外筒102と内筒103をアンロックした状態において、外筒102と内筒103を伸縮させる。所定の長さに調整した後、ねじ杆113を抑止部片122に締付け、ロック部片118の係合片116を内筒103の調整孔111に選択的に係合することによって、外筒102に内筒103をロックすなわち固定する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来例の脚柱によると、外筒102の外側にロック部片118を配置しているため、ねじ杆113の軸方向の移動が規制されていない。このため、ねじ杆113を緩めても、内筒103内で抑止部片122のみが移動するだけで、ロック部片118が移動しない。したがって、手あるいは工具等により、ロック部片118を外方へ移動させて、調整孔111に対する係合片116の係合を解除させる必要があった。また、外筒102と内筒103をロックするときも、ロック部片118の係合片116を内筒103の調整孔111に係合させたうえで、ねじ杆113を締付けなければならかった。
したがって、ロック及びアンロックに際し、ねじ杆113の操作の他に、ロック部片118を操作するといった余計な手間が必要であるため、ロック及びアンロックにかかる操作性が悪かった。
【0005】
本発明は上記した問題点を解決するためになされたものであり、本発明が解決しようとする課題は、ロック及びアンロックにかかる操作性を向上することのできる脚柱を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題は、特許請求の範囲の欄に記載された構成を要旨とする脚柱により解決することができる。
すなわち、請求項1に記載された脚柱によると、内筒内に配置したロック部材に対し外筒及び内筒を通してロック部材にねじ合わせたロックねじを締付けることにより外筒と内筒をロックすることができ、また、そのロックねじを緩めることにより外筒と内筒をアンロックすることができる。また、アンロック状態においては、外筒と内筒を伸縮させることにより、脚柱の長さを調整することができる。
しかして、外筒に対しロックねじを軸方向の移動を規制した状態で軸回りに回動可能に支持したことにより、軸方向の移動を規制した状態でのロックねじの回動だけでロック部材がロック方向又はアンロック方向に移動される。これにより、従来必要とされたロック部材に対する余計な手間が不要になるため、そのロック及びアンロックにかかる操作性を向上することができる。
【0007】
また、請求項2に記載された脚柱によると、アンロック時には、ロック部材がロックねじの空転部に位置する。このため、ロックねじを必要以上に緩めても、ロック部材に対し空転部が空回りする。また、空転部に位置したロック部材が弾性部材によりねじ合う方向へ弾性的に押付けられているため、ロックねじを締付けるときには、ロック部材とロックねじを容易にかつ確実にねじ合わせることができる。
したがって、ロックねじの緩め過ぎによるロック部材の脱落や、ロックねじとロック部材との「くいつき」、ロックねじの締付けにかかるロック部材とロックねじとのねじ合わせ不良等の不具合を回避することができる。
【0008】
また、請求項3に記載された脚柱によると、ロック時には、ロック部材のカム部が内筒のロックねじ用開口部に進入してその開口部の開口幅を拡大することにより、内筒が外筒の内側面に堅固に押付けられる。このため、外筒と内筒の間のがたつきを防止し、外筒と内筒を堅固に固定することができる。
【0009】
また、請求項4に記載された脚柱によると、ロック時には、ロック部材の複数の押付け部が、内筒のロックねじ用開口部の各開口縁部を外筒に押付けることにより、外筒と内筒を固定することができる。また、ロック部材の押付け部を内筒の各開口縁部ごとに複数設けたものであるから、各押付け部が外筒に対し内筒の各開口縁部をその開口縁部ごとの複数箇所において集中的に押付けることによって、外筒と内筒の間のがたつきを防止し、外筒と内筒を堅固に固定することができる。
【0010】
また、請求項5に記載された脚柱によると、外筒に設けた係合部がロック部材に係合することによって、ロック部材の回動が規制される。このため、ロックねじを締付けや緩める際にロック部材が追従回転するといった不具合を回避することができる。また、外筒に設けた係合部が内筒のロックねじ用開口部を通してロック部材に係合しているため、外筒と内筒の伸縮時においてロックねじ用開口部に対し係合部が相対的に移動することにより、係合部を内筒の伸縮時のガイドとして機能させることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施の形態を図面に基づいて説明する。なお図示しないが、脚柱の下端部は例えばテーブルや椅子等のベース側の部材に結合され、その脚柱の上端部が前記テーブルの天板側や椅子の座部側の部材に結合される。また、本明細書でいう正面、側面等は、便宜上、称するものであり、テーブルや椅子等の正面、側面等に関係するものではない。
【0012】
図1に脚柱の要部の正面図、図2に図1のII−II線断面図、図3に図1のIII−III線断面図、図4に図3に準じるアンロック状態の断面図、図5に脚柱の要部の分解斜視図が示されている。
図5において、脚柱1は、ほぼ筒状をなす金属製の外筒10と、その外筒10に相対的に伸縮可能に嵌入されるほぼ筒状をなす金属製の内筒20と、外筒10と内筒20を固定するロック機構3とを備えている。以下、外筒10、内筒20、ロック機構3の順に述べる。
【0013】
まず、前記外筒10を図6〜図8を参照して説明する。図6は外筒10の上端部すなわち要部の正面図、図7は同じく平面図、図8は図6のVIII−VIII線断面図である。
図7に示すように、外筒10は、左右方向(図7において左右方向)を長くする断面ほぼ楕円形の筒状に形成されている。図6及び図8に示すように、外筒10の前側壁10aの上端部には、長手方向すなわち上下方向に延びる縦長孔状の開口孔11と、その下方に位置するほぼ四角形状の挿通孔12が形成されている(図5参照)。
【0014】
図7及び図8に示すように、前記外筒10の前側壁10aには、前面側に位置する支持部材15が溶接等によって取付けられている。支持部材15は、外筒10の前側壁10aとの間に前記外筒10の開口孔11の前側に位置する上面開口状の受け溝14を形成している。
図6に示すように、前記支持部材15の前側壁15aには、凹溝16が形成されている。凹溝16は、前記外筒10の開口孔11の下端部と連通状をなすほぼU字状に形成されている。また、凹溝16の上半部の溝幅は、上方に向かって次第に広がるテーパー状に形成されている。
【0015】
しかして、図8に示すように、前記支持部材15の前側壁15aの下端部には、後方(図8において左方)に延びる係合突片17が突出されている。係合突片17は、前記外筒10の挿通孔12を通して外筒10内にほぼ径方向に延びるように挿入されている。係合突片17は、挿通孔12の下縁上に当接されている。なお、係合突片17は、本明細書でいう「係合部」に相当する。
【0016】
なお図1〜図4に示すように、前記外筒10の上端部には、エンドキャップ30が取付けられている。エンドキャップ30は、樹脂成形品によって形成されており、図3に示すように、外筒10の前側壁10aを除く内側面に嵌合する断面ほぼC字状(図2参照)の筒状部31と、その筒状部31の上縁部から外筒10の上縁部の外側面に嵌合する縁取り部32と、前記筒状部31の開口部分における縁取り部32の端部を相互に連結しかつ前記支持部材15の上半部を覆うカバー部33と、カバー部33の上端部から下方に突出されかつ弾性いわゆる撓み変形可能な係合爪片34とを一体に有している(図5参照)。
【0017】
前記カバー部33の下端部には、ロックねじ5(後述する)とほぼ同心状に位置する工具挿通孔36が形成されている。
また、前記係合爪片34の下端部には、後方(図3において左方)に突出する爪部35が形成されている。爪部35の先端部の下側には、先上がり状の斜面35aが形成されている。
【0018】
前記エンドキャップ30は、図5に示す状態から図3に示すように、前記外筒10の上端部に嵌合されることによってワンタッチで取付けられる。すなわち、外筒10の上端部内にエンドキャップ30の筒状部31を嵌合していくと、その嵌合の終わり付近において外筒10の上端縁10bに係合爪片34の爪部35の斜面35aが当接する。これより、更にエンドキャップ30が押込まれると、外筒10の上端縁10bに対し係合爪片34の爪部35の斜面35aが相対的に摺動することによって、係合爪片34が撓み変形していく(図4中、二点鎖線34参照)。
【0019】
その後、外筒10の前側面を係合爪片34の爪部35が摺動していき、その爪部35が外筒10の開口孔11と合致することによって、係合爪片34が弾性復元する。これによって、係合爪片34の爪部35が外筒10の開口孔11に係合するため、外筒10に対するエンドキャップ30の抜け外れが防止される。これと同時に、縁取り部32が外筒10の上端部に嵌合する。
このようにして、エンドキャップ30の取付けが完了する。なお、エンドキャップ30は、外筒10に対しロック機構3(後述する)が組込まれた後において、外筒10に取付けられる。
【0020】
次に、内筒20を説明する。図2に示すように、内筒20は、前記外筒10内に嵌入可能な断面ほぼ楕円形の筒状に形成されている。図5に示すように、内筒20の前側部には、長手方向いわゆる高さ方向に延びる縦長状の開口溝21が形成されている。なお、開口溝21は、前記外筒10の支持部材15の係合突片17及びロックねじ5(後述する)が挿通されるもので、本明細書でいう「ロックねじ用開口部」を形成している。
【0021】
しかして、図2に示すように、内筒20の開口溝21の左右の各開口縁部22は、内側を凹状にして外側を凸状に形成する断面ほぼU字状に折り曲げられている。これにより、各開口縁部22の強度を向上することができる。
さらに、図5に示すように、前記内筒20には、前記開口溝21に交差しかつ両開口縁部22に跨る複数の係合溝23が上下方向に所定の間隔を隔てて形成されている。
【0022】
図2に示すように、前記内筒20の左右の側部には、内側を凹状にして外側を凸状に形成する断面ほぼ円弧状をなすリブ部24が形成されている。これにより、内筒20の強度の強度を向上することができる。
上記内筒20は、前記ロック機構3(後述する)及び前記エンドキャップ30を前記外筒10に組付けた後において、その外筒10に組付けられるものである。このため、内筒20の組付け手順については、ロック機構3を説明した後で述べる。
【0023】
次に、ロック機構3を説明する。図5に示すように、ロック機構3は、ロック部材4とロックねじ5とばね部材6とを備えている。説明の都合上、各部材4,5,6について説明し、その後、組付け手順を説明する。
【0024】
前記ロック部材4は、図9に正面図、図10に側面図で示されている。また、図11に図9のXI−XI線断面図が示されている。
ロック部材4は、金属製であり、図9及び図10に示すように、縦長のほぼ帯状をなす主板部41と、その主板部41の両側縁部を前方へ向けて折り曲げて形成した左右の側板部42と、主板部41の上端部から前方へ向けて折り曲げられた係合片44と、主板部41の上部及び下部との2箇所から切起こし状にして前方へ向けて折り曲げられた上下のカム片45とを有している。
【0025】
図9に示すように、前記主板部41の中央部には、めねじ孔41aが形成されている。めねじ孔41aは、ロックねじ5(後述する)をねじ合わ可能に形成されている。
前記主板部41の下端部には、前記カム片45の切起こしによって下面に開口する係合凹部43が形成されている。係合凹部43は、前記外筒10の支持部材15の係合突片17に係合可能に形成されている(図3参照)。
【0026】
図10に示すように、前記各側板部42は、各側板部42の上下両端部の間に浅い凹所42bが形成されることによって、各側板部42の上下両端部に凸状をなす押付け部42aが設けられている。各側板部42の押付け部42aは、図2及び図11に示すように、前記内筒20の各開口縁部22における内側の凹部分に嵌合可能に形成されている。
図5に示すように、前記係合片44は、ほぼ四角形突片状に形成されている。係合片44は、前記内筒20の係合溝23に対しほぼ貫通状に係合可能に形成されている(図3参照)。
【0027】
図9及び図10に示される前記各カム片45は、互いに同一形状をなしている。カム片45は、図12に説明図で示すように、ほぼ四角形突片状に形成されている。各カム片45の両側面45aの間の幅W2は、前記係合片44の幅W1(図9参照)よりも狭く、自由状態における前記内筒20の開口溝21の開口幅W3(図12参照)よりも大きい寸法に設定されている。また、カム片45の先端部(図12において下端部)の両側部には、ほぼ先細りのテーパー状をなすカム面45bが形成されている。これにより、カム片45の先端面45cの幅W4(図12参照)は、前記内筒20の開口溝21の開口幅W3よりも小さい寸法に設定されている。なお、カム片45は本明細書でいう「カム部」に相当する。
【0028】
前記ロックねじ5は、図13に側断面図で示すように、ほぼ円環板状をなす頭部51と、その頭部51から同心状に突出するおねじ部52aを有するねじ軸部52と、そのねじ軸部52の先端部に形成されたおねじ部の無い空転部53とを有している。
前記頭部51の端面には、例えば六角溝等の工具用係合溝部51aが形成されている。工具用係合溝部51aは、六角棒、レンチ等の工具を係合可能に形成されている。
前記空転部53の先端部の外周面には、環状溝53aが形成されている。
【0029】
前記ばね部材6は、図14に正面図で示されている。また、図15に図14のXV−XV線断面図が示されている。図14及び図15に示すように、ばね部材6は、ほぼ長四角形板状のばね板材をほぼV字状に二つ折りすることによって形成されている。
図15において左側に位置する片部が取付片部61とされ、右側に位置する片部が撓み片部62に設定されている。撓み片部62は、取付片部61に対する折り曲げ角度を小さくする方向に弾性変形いわゆる撓み変形可能に形成されている。なお、撓み片部62の上端部62aは前方に向けて曲折されている。
【0030】
図14に示すように、前記ばね部材6のほぼ中央部には、両片部61,62に跨る長細状の溝部63,64が形成されている。取付片部61における溝部63は、前記ロックねじ5の環状溝53aの溝底径d1(図13参照)より大きくかつ前記空転部53の外径D1(図13参照)よりも小さい溝幅W5で形成されている。その溝部63の底部(図14において上部)には、その溝幅を少し小さくする絞り部63aが形成されるとともにその絞り部63aより底部側にその溝部63の溝幅W5とほぼ等しい内径の取付け溝63bが形成されている。取付け溝63bの底部には、その絞り部63a周辺の弾性変形を可能にする割込み溝63cが形成されている。
【0031】
また図14に示すように、撓み片部62における溝部64は、前記ロックねじ5の空転部53の外径D1(図13参照)より大きくかつねじ軸部52のおねじ部52aを含む外径D2よりも小さい溝幅W6で形成されている。その溝部64の底部には、前記溝部63の嵌合溝63bとほぼ同心状をなしかつその溝部64の溝幅W6とほぼ等しい内径の嵌合溝64aが形成されている。
なお、ばね部材6は本明細書でいう「弾性部材」に相当する。
【0032】
次に、ロック機構3を構成する各部材4,5,6の組付け手順を説明する。図5に示される内筒20及びエンドキャップ30を取付ける前の外筒10の上端部内に、ロック部材4を入れる。このとき、ロック部材4の係合凹部43を外筒10の支持部材15の係合突片17に係合する(図3参照)。
次に、ロックねじ5(詳しくは、空転部53を有するねじ軸部52)を外筒10の外側より開口孔11に挿入する。続いて、ロックねじ5の空転部53をロック部材4のめねじ孔41aに挿入したうえで、ねじ軸部52のおねじ部52aをそのめねじ孔41aにねじ合わせる(図2及び図3参照)。
【0033】
その後、前記空転部53にその上方から前記ばね部材6の撓み片部62の溝部64を通して嵌合溝64a(図14参照)を嵌合する。これと同時に、空転部53の環状溝53a(図13参照)にばね部材6の取付片部61の溝部63を通して取付け溝63b(図14参照)を嵌合する。このとき、取付片部61の溝部63の絞り部63a(図14参照)がその弾性変形を利用して空転部53の環状溝53a(図13参照)を相対的に通過したのち弾性復元することによって、取付片部61が環状溝53a(図13参照)に抜け外れが防止された状態に取付けられる。
【0034】
その後、ロックねじ5の頭部51を、外筒10の受け溝14に嵌合する(図2及び図3参照)。これにより、ロックねじ5が前記外筒10に対し軸方向の移動を規制した状態で軸回りに回動可能に支持される。なお、ロックねじ5が外筒10の開口孔11内に挿入されていることにより、ロックねじ5が上方へ移動して脱落するのを防止することができる。
上記のようにしてロック機構3を構成する各部材4,5,6の組付けが完了する。その組付け完了後において、外筒10に対し前記エンドキャップ30が前に述べたようにして取付けられる。
【0035】
次に、前記ロック機構3を組付けた外筒10に対し内筒20を嵌入する組付け手順を説明する(図4参照)。
外筒10に対する内筒20の嵌入に際し、ロックねじ5が緩められており、ロック部材4がロックねじ5の空転部53に位置されたアンロック状態(図4参照)にする。また、ばね部材6は、ロック部材4の後退によって撓み片部62が押されることによって、取付片部61に対する撓み片部62の折り曲げ角度が小さくなるように弾性変形されるとともに、そのロック部材4をねじ軸部52にねじ合う方向に弾性的に押付けている。なお、ロックねじ5を緩めるとき又は締付けるときには、ロックねじ5の工具係合溝部51a(図13参照)に対し、工具(図示省略)をエンドキャップ30の工具挿通孔36(図5参照)、外筒10の支持部材15の凹溝16(図8参照)を通して係合した状態で、その工具を回動操作すればよい。
【0036】
前記アンロック状態(図4参照)で、外筒10の上端部(詳しくは、エンドキャップ30の筒状部31)内に内筒20の下端部を嵌入する。すると、内筒20内にロック部材4及びばね部材6等が相対的に進入していくとともに、内筒20の開口溝21に対しロックねじ5のねじ軸部52、外筒10の支持部材15の係合突片17が相対的に進入していく(図4参照)。
そして、外筒10に内筒20を嵌入したならば、ロックねじ5を締付ける。このとき、ばね部材6の押付け力によって、ロック部材4がねじ軸部52に弾性的に押付けられるため、ロック部材4がロックねじ5のねじ軸部52に容易にかつ確実にねじ合わせられる(図2及び図3参照)。
【0037】
さらに、ロックねじ5が締付けられると、ロック部材4が前進(図4において右方への移動をいう)されることによって、ロック部材4の係合片44が内筒20の係合溝23に選択的に係合されるとともに、外筒10の上端縁10b上に係合いわゆる掛け止められる(図3参照)。これによって、外筒10に対して内筒20が高さ方向にロックすなわち位置決めされる。
なお、前記ロック部材4の前進によって、ばね部材6の撓み片部62は、弾性復元しかつねじ軸部52のおねじ部52aに当接したところでその弾性復元が停止する(図3参照)。なお、撓み片部62の溝部64(図14参照)をねじ軸部52のおねじ部52aの外径D2(図13参照)より大きく設定すれば、撓み片部62をロック部材4に当接した状態のまま弾性復元させることができる。
【0038】
また、前記ロック部材4の前進にともなって、ロック部材4の上下のカム片45が内筒20の開口溝21に進入していき、そのカム片45の左右のカム面45bが内筒20の各開口縁部22に対し当接しかつ相対的に摺動していく。これによって、内筒20の開口溝21の開口幅W3(図12参照)が内筒20の弾性変形を利用して拡大される(図12中、二点鎖線22参照)。
【0039】
その後、カム片45の両側面45a(図12参照)が内筒20の各開口縁部22に対し当接しかつ相対的に摺動していく。これによって、内筒20が開口溝21の開口幅W3を拡大した状態に保持される。これにより、内筒20が外筒10の内側面に堅固に押付けられる。このことにより、外筒10と内筒20にがたつきが出るのを防ぐことができる。
なお、このとき、ロック部材4の上側のカム片45の先端部は外筒10の開口孔11内に遊嵌状に嵌入し、また、下側のカム片45の先端部は外筒10の挿通孔12内に遊嵌状に嵌入する(図3参照)。これにより、ロック部材4の両カム片45が内筒20から外筒10を貫通し、その外筒10外に出ている。
【0040】
また、前記ロック部材4の前進にともなって、ロック部材4の各側板部42の各押付け部42aが、内筒20の各開口縁部22における内側の凹状部分に対しそれぞれ嵌合しかつ面接触状に当接し、その各開口縁部22を外筒10に押付ける(図11参照)。これにより、外筒10と内筒20(詳しくは、各開口縁部22)が堅固に固定される。
上記したようにして、外筒10に内筒20がロック機構3を介してロックすなわち固定される。
【0041】
上記のように構成された脚柱1において、長さを調整したいときには、図4に示すように、ロックねじ5を緩めることによって、ロック部材4を後退(図3において左方への移動をいう)させる。これによって、ロック部材4の係合片44が外筒10の上端縁10b上から後退し、さらに内筒20の係合溝23から後退する。
前記ロック部材4の後退によって、ロック部材4がばね部材6の撓み片部62に当接しその撓み片部62が押されることによって、取付片部61に対する撓み片部62の折り曲げ角度が小さくなるように弾性変形されていく。
【0042】
また、前記ロック部材4の後退にともなって、ロック部材4の上下のカム片45が内筒20の開口溝21から後退する(図4参照)。このため、外筒10の内側面に対する内筒20の押付けが解除される。また、内筒20が弾性復元し、開口溝21の溝幅W3(図12参照)が縮小する。
また、前記ロック部材4の後退にともなって、ロック部材4の各側板部42の各押付け部42a(図11参照)が内筒20の各開口縁部22における内側の凹状部分から後退する。このため、外筒10に対する内筒20の押付けが解除される。
そして、最終的には、図4に示すように、ロック部材4がロックねじ5の空転部53に位置する。
【0043】
上記したようにして、外筒10に内筒20がロック機構3を介してアンロックすなわち固定の解除がなされる。このアンロック状態(図4参照)において、外筒10に対し内筒20を伸縮して脚柱1の長さを調整する。
そして、外筒10に対し内筒20が所望の高さまで嵌入したならば、ロックねじ5を締付ける。すると、前記ロック時と同様にして、外筒10と内筒20がロック機構3を介して固定される。
【0044】
上記した脚柱1によると、外筒10の受け溝14(図2及び図3参照)に対しロックねじ5の筒部51を軸方向の移動を規制した状態で軸回りに回動可能に支持したことにより、軸方向の移動を規制した状態でのロックねじ5の回動だけでロック部材4が進退すなわちロック方向又はアンロック方向に移動される。これにより、従来必要とされたロック部材4に対する余計な手間が不要になるため、そのロック及びアンロックにかかる操作性を向上することができる。また、これとともに、緩めたときのロックねじ5の外方への突出といった不具合も防止される。
【0045】
また、アンロック時(図4参照)には、ロック部材4がロックねじ5の空転部53に位置する。このため、ロックねじ5を必要以上に緩めても、ロック部材4に対し空転部53が空回りする。
また、空転部53に位置したロック部材4がばね部材6によりねじ合う方向へ弾性的に押付けられているため、ロックねじ5を締付けるときには、ロック部材4とロックねじ5を容易にかつ確実にねじ合わせることができる。
したがって、ロックねじ5の緩め過ぎによるロック部材4の脱落や、ロックねじ5とロック部材4との「くいつき」、ロックねじ5の締付けにかかるロック部材4とロックねじ5とのねじ合わせ不良等の不具合を回避することができる。
【0046】
また、ロック時(図2及び図3参照)には、ロック部材4のカム片45が内筒20の開口溝21に進入してその開口溝21の開口幅W3(図12参照)を拡大することにより(図12中、二点鎖線22参照)、内筒20が外筒10の内側面に堅固に押付けられる。このため、外筒10と内筒20の間のがたつきを防止し、外筒10と内筒20を堅固に固定することができる。
【0047】
また、ロック時(図2及び図3参照)には、ロック部材4の計4個の押付け部42a(図9参照)が、内筒20の開口溝21の各開口縁部22を外筒10に押付けることにより(図11参照)、外筒10と内筒20を固定することができる。
また、ロック部材4の押付け部42aを内筒20の各開口縁部22ごとに2個ずつ設けたものであるから、各押付け部42aが外筒10に対し内筒20の各開口縁部22をその開口縁部22ごとの複数箇所において集中的に押付けることによって、外筒10と内筒20の間のがたつきを防止し、外筒10と内筒20を堅固に固定することができる。
【0048】
また、外筒10に設けた係合突片17がロック部材4に係合することによって、ロック部材4の回動が規制される(図3参照)。このため、ロックねじ5を締付けや緩める際にロック部材4が追従回転するといった不具合を回避することができる。
【0049】
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更が可能である。例えば、本発明は、テーブル、椅子の脚柱1に限らず、高さを調整可能にする物品の脚柱1として適用することができる。また、実施の形態では、内筒20と外筒10とが上下関係にあるが、逆に、外筒10を上にして内筒20を下にする関係に配置することもできる。また、係合溝23は、2個以上あればよい。また、弾性部材としてのばね部材6は、例えば、コイルばね、皿ばね、ゴム材等に代えることができる。また、ロックねじ5に対するばね部材6の取付構造は、適宜変更することができる。
【0050】
【発明の効果】
本発明の脚柱によれば、軸方向の移動が規制された状態でのロックねじの回動だけでロック部材がロック方向又はアンロック方向に移動されることにより、ロック部材に対する余計な手間が不要になるため、そのロック及びアンロックにかかる操作性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る脚柱の要部を示す正面図である。
【図2】図1のII−II線断面図である。
【図3】図1のIII−III線断面図である。
【図4】図3に準じてアンロック状態を示す断面図である。
【図5】脚柱の要部を示す分解斜視図である。
【図6】外筒の要部を示す正面図である。
【図7】外筒の要部を示す平面図である。
【図8】図6のVIII−VIII線断面図である。
【図9】ロック部材を示す正面図である。
【図10】ロック部材を示す側面図である。
【図11】図9のXI−XI線断面図である。
【図12】カム片の説明図である。
【図13】ロックねじを示す側断面図である。
【図14】ばね部材を示す正面図である。
【図15】図14のXV−XV線断面図である。
【図16】従来例にかかる脚柱の要部を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
1 脚柱
4 ロック部材
5 ロックねじ
6 ばね部材(弾性部材)
10 外筒
17 係合突片(係合部)
20 内筒
21 開口溝(ロックねじ用開口部)
22 開口縁部
42a 押付け部
45 カム片(カム部)
53 空転部
Claims (5)
- 外筒と、その外筒に相対的に伸縮可能に嵌入される内筒と、前記内筒内に配置したロック部材と、前記外筒及び前記内筒を通して前記ロック部材にねじ合わせたロックねじとを備え、
ロック部材に対しロックねじを締付けることにより外筒と内筒をロック可能でかつそのロックねじを緩めることにより外筒と内筒をアンロック可能に構成され、
前記外筒に対し前記ロックねじを軸方向の移動を規制した状態で軸回りに回動可能に支持したことを特徴とする脚柱。 - 請求項1に記載の脚柱であって、
前記ロックねじには、アンロック時において前記ロック部材に対し相対的に空転する空転部を設けるとともに、その空転部に位置した前記ロック部材をねじ合う方向へ弾性的に押付ける弾性部材を設けたことを特徴とする脚柱。 - 請求項1又は2に記載の脚柱であって、
前記ロック部材には、ロック時において前記内筒のロックねじ用開口部に進入してその開口部の開口幅を拡大可能なカム部を設けたことを特徴とする脚柱。 - 請求項1〜3のいずれかに記載の脚柱であって、
前記ロック部材には、ロック時において前記内筒のロックねじ用開口部の各開口縁部を前記外筒に押付け可能な押付け部を各開口縁部ごとに複数設けたことを特徴とする脚柱。 - 請求項1〜4のいずれかに記載の脚柱であって、
前記外筒には、前記内筒のロックねじ用開口部を通して前記ロック部材に係合してそのロック部材の回動を規制可能な係合部を設けたことを特徴とする脚柱。
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