JP4651694B2 - 排気浄化触媒の劣化診断装置 - Google Patents

排気浄化触媒の劣化診断装置 Download PDF

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Description

この発明は、自動車等に用いられる排気浄化触媒の劣化診断装置に係り、特に排気浄化触媒の上流側と下流側とにそれぞれ空燃比センサを備えた装置に関するものである。
近年の自動車用ガソリンエンジンの排気系には、有害排気ガス成分の低減を図るため、酸化還元型の排気浄化触媒(以下、三元触媒と称する)が設けられている。三元触媒は、炭化水素(HC)及び一酸化炭素(CO)を酸化する一方で、窒素酸化物(NOx)を還元することにより、排気ガスの浄化を行うデバイスである。三元触媒の酸化還元反応は理論空燃比近傍の狭い領域のみで行われるため、排気マニホールド等に空燃比センサを設置し、その出力値に基づいて空燃比フィードバック制御を行っている。一方、三元触媒は、使用期間が長くなるにつれ劣化して浄化効率が低下する。
そこで、従来、三元触媒の上流と下流側とにそれぞれ空燃比センサを設け、これら空燃比センサの出力値に基づいて三元触媒の劣化を判定する劣化診断装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この従来の劣化診断装置では、フィードバック制御により空燃比が目標空燃比を境にして短い周期で変動することに着目し、これに呼応して変化する上流側の空燃比センサの反転周波数を下流側のそれと比較することにより、三元触媒の劣化を判定するようにしている。
即ち、三元触媒には、排気ガス中の残存酸素をストレージする能力があるため、三元触媒を通過した排気ガス中には僅かな酸素しか含まれない。そのため、三元触媒が正常な浄化効率を維持していく場合には、下流側空燃比センサの出力値は変動しにくくなり、振幅も小さくなると共に反転周波数も非常に低くなる。従って、下流側空燃比センサの出力値と、空燃比に伴い出力値が変動する上流側空燃比センサの出力値との反転周波数比(下流側空燃比センサの出力値の反転周波数/上流側空燃比センサの出力値の反転周波数)を算出すると、その値は極小さな値となる。
ところが、三元触媒が劣化して浄化効率が低下すると、有害排出ガス成分の浄化が行われなくなると共に、酸素をストレージする能力も低下し、排出ガス中の残存酸素がそのまま三元触媒を通過し始める。これにより、下流側空燃比センサの出力値も上流側空燃比センサの出力値と同様に変化することになり、上述した反転周波数比は徐々に「1.0」に近づいていくことになる。又、前述の従来の装置では、診断精度を上げるため下流側空燃比センサ出力値である電圧値の平均値にヒステリシス定数を加減算して反転判定値を形成し、下流側空燃比センサの出力値である電圧値がこの反転判定値を横切ることで、下流側空燃比センサの出力周波数を検出し、三元触媒の浄化効率と反転周波数比との関係から、三元触媒の劣化判定を行なうようにしている。
特開平8−218853号公報
ところで、前述の従来の装置に於いて、下流側空燃比センサの出力電圧VORの下流側反転周波数を算出するにあたり、反転基準値であるリッチリーン反転判定値、及びリーンリッチ反転判定値を出力電圧VORが横切る必要があるが、下流側空燃比センサの目標電圧値を有害排出ガスの所定成分の浄化を狙った値とした場合、リッチリーン反転判定値及びリーンリッチ反転判定値を大きく設定することによって、下流側空燃比センサの反転周波数が大きくなり、反転周波数比が小さくなる。この場合、浄化効率が低下している触媒に於いても、浄化効率が低下していないと判定することがある。
図13は、下流側空燃比センサ目標値が高電圧時の上流側空燃比センサリッチリーン判定目標値とO2フィードバック補正係数の関係を示すグラフである。例えば、有害排出ガス成分である窒素酸化物の低減では、空燃比を濃く制御するため、図13に示すように、下流側空燃比センサの出力電圧VORの目標電圧値を高く設定すると、それに応じて上流側空燃比センサリッチリーン判定目標値VTHも高電圧側で制御することで、上流側空燃比センサの出力電圧VOFのリーン判定部分が長くなることより、O2フィードバック補正係数が大きくなり空燃比は濃くなる。その結果、図14に示すように、下流側空燃比センサの出力電圧値VOR(ch1)は、高い電圧値での振幅となり、下流側空燃比センサの反転周波数算出のためのリッチリーン反転判定値VRTHL(ch2)及びリーンリッチ反転判定値VRTHR(ch3)の基準となるフィルタ後の下流側空燃比センサの基準電圧値VRBTH(ch4)が高くなってしまう。図14は、従来の装置に於ける下流側空燃比センサ出力電圧と下流側空燃比センサ反転判定値との関係を示すグラフである。
そのため、一定値のリッチリーン反転判定値VRTHL(ch2)及びリーンリッチ反転判定値VRTHR(ch3)の設定に於いては、下流側空燃比センサの出力電圧値の振幅最大値より、反転基準となるリッチリーン反転判定値VRTHL(ch2)及びリーンリッチ反転判定値VRTHR(ch3)が大きな設定となり、下流側空燃比センサの反転を得られず、下流側空燃比センサ反転回数(ch5)はカウントアップせず、排気浄化触媒の劣化が進行しても反転周波数比の値は大きくならず、劣化診断装置は三元触媒が正常であると判定することになる。
ここでの下流側空燃比センサ反転回数のカウント算出は、下流側空燃比センサの出力電圧値VOR(ch1)が、リッチリーン反転判定値VRTHL(ch2)を横切った時にカウントし、次のカウントは、下流側空燃比センサの出力電圧値VOR(ch1)が、リーンリッチ反転判定値VRTHR(ch3)を横切ったときとする。つまり、下流側空燃比センサの出力電圧値VOR(ch1)が、リッチリーン反転判定値VRTHL(ch2)とリーンリッチ反転判定値VRTHR(ch3)を交互に横切る必要がある。
又、前述した状態を回避するため、下流側空燃比センサ反転基準のリッチリーン反転判定値VRTHL(ch2)及びリーンリッチ反転判定値VRTHR(ch3)を小さく設定することが考えられるが、図15に示すように下流側空燃比センサのノイズ成分等によって、下流側空燃比センサの出力電圧に影響を与える場合、ノイズ成分などの影響で下流側空燃比センサ反転基準のリッチリーン反転判定値VRTHL(ch2)及びリーンリッチ反転判定値VRTHR(ch3)を瞬時的に横切ることで、下流側センサ出力値の反転と判定し、下流側空燃比センサ反転回数(ch5)が多くなり、浄化効率が低下していない触媒において浄化効率が低下していると判定することになる。
この発明は、従来の排気浄化触媒の劣化診断装置に於ける前述のような課題を解決するためになされたもので、排気浄化触媒の劣化を高精度に判定することができる劣化診断装置を提供することを目的とするものである。
この発明に係る排気浄化触媒の劣化診断装置は、内燃機関の排気通路に設けられた排気浄化触媒と、前記排気浄化触媒の下流側に設けられ前記下流側の排気の空燃比を検出し前記空燃比に対応した出力値を発生する下流側空燃比センサと、前記下流側空燃比センサの前記出力値に対する目標値を算出する下流側空燃比センサ目標値算出手段と、前記目標値に基づいて前記下流側空燃比センサの出力値のリッチからリーンへの反転を判定するリッチリーン反転判定値を算出するリッチリーン反転判定値算出手段と、前記目標値に基づいて前記下流側空燃比センサの出力値のリーンからリッチへの反転を判定するリーンリッチ反転判定値を算出するリーンリッチ反転判定値算出手段と、前記下流側空燃比センサの出力値と前記リッチリーン反転判定値と前記リーンリッチ反転判定値とから前記下流側空燃比センサの出力値の所定期間の反転回数を算出する反転回数検出手段と、前記算出した反転回数に基づいて前記排気浄化触媒の劣化を診断する排気浄化触媒劣化診断手段とを備えたものである。
又、この発明に係る排気浄化触媒の劣化診断装置は、内燃機関の排気通路に設けられた排気浄化触媒と、前記排気浄化触媒の下流側に設けられ前記下流側の排気の空燃比を検出し前記空燃比に対応した出力値を発生する下流側空燃比センサと、前記下流側空燃比センサの前記出力値に対する目標値を算出する下流側空燃比センサ目標値算出手段と、前記算出した目標値に対応するフィルタ係数を算出するフィルタ係数算出手段と、前記算出したフィルタ係数に基づいて前記下流側空燃比センサの出力値のリッチからリーンへの反転を判定するリッチリーン反転判定値を算出するリッチリーン反転判定値算出手段と、前記算出したフィルタ系数に基づいて前記下流側空燃比センサの出力値のリーンからリッチへの反転を判定するリーンリッチ反転判定値を算出するリーンリッチ反転判定値算出手段と、前記下流側空燃比センサの出力値と前記リッチリーン反転判定値と前記リーンリッチ反転判定値とから前記下流側空燃比センサの出力値の所定期間の反転回数を算出する反転回数検出手段と、前記反転回数に基づいて前記排気浄化触媒の劣化を診断する排気浄化触媒劣化診断手段とを備えたものである。
この発明による排気浄化触媒の劣化診断装置によれば、内燃機関の排気通路に設けられた排気浄化触媒と、前記排気浄化触媒の下流側に設けられ前記下流側の排気の空燃比を検出し前記空燃比に対応した出力値を発生する下流側空燃比センサと、前記下流側空燃比センサの前記出力値に対する目標値を算出する下流側空燃比センサ目標値算出手段と、前記目標値に基づいて前記下流側空燃比センサの出力値のリッチからリーンへの反転を判定するリッチリーン反転判定値を算出するリッチリーン反転判定値算出手段と、前記目標値に基づいて前記下流側空燃比センサの出力値のリーンからリッチへの反転を判定するリーンリッチ反転判定値を算出するリーンリッチ反転判定値算出手段と、前記下流側空燃比センサの出力値と前記リッチリーン反転判定値と前記リーンリッチ反転判定値とから前記下流側空燃比センサの出力値の所定期間の反転回数を算出する反転回数検出手段と、前記算出した反転回数に基づいて前記排気浄化触媒の劣化を診断する排気浄化触媒劣化診断手段とを備えたので、リッチリーン反転判定値と前記リーンリッチ反転判定値とを目標値に応じて可変とすることができ、下流側空燃比センサ出力値の反転回数を正確に計測でき、排気浄化触媒の劣化判定精度を向上させることができる。
又、この発明による排気浄化触媒の劣化診断装置によれば、内燃機関の排気通路に設けられた排気浄化触媒と、前記排気浄化触媒の下流側に設けられ前記下流側の排気の空燃比を検出し前記空燃比に対応した出力値を発生する下流側空燃比センサと、前記下流側空燃比センサの前記出力値に対する目標値を算出する下流側空燃比センサ目標値算出手段と、前記算出した下流側空燃比センサの出力値に対する目標値に対応するフィルタ係数を算出するフィルタ係数算出手段と、前記算出したフィルタ係数に基づいて前記下流側空燃比センサの出力値のリッチからリーンへの反転を判定するリッチリーン反転判定値を算出するリッチリーン反転判定値算出手段と、前記算出したフィルタ係数に基づいて前記下流側空燃比センサの出力値のリーンからリッチへの反転を判定するリーンリッチ反転判定値を算出するリーンリッチ反転判定値算出手段と、前記下流側空燃比センサの出力値と前記リッチリーン反転判定値と前記リーンリッチ反転判定値とから前記下流側空燃比センサの出力値の所定期間の反転回数を算出する反転回数検出手段と、前記反転回数に基づいて前記排気浄化触媒の劣化を診断する排気浄化触媒劣化診断手段とを備えたので、リッチリーン反転判定値と前記リーンリッチ反転判定値とを目標値に応じて可変とすることができ、下流側空燃比センサ出力値の反転回数を正確に計測でき、排気浄化触媒の劣化判定精度を向上させることができる。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係る排気浄化触媒の劣化診断装置を備えた内燃機関を示す概略構成図である。図1に於いて、エンジン1の吸気ポート2には、各気筒毎にインジェクタ3が取付けられた吸気マニホールド4を介して、エアクリーナー5、エアフロセンサ6、スロットルバルブ7、アイドルスピードコントローラ(以下、ISCと称する)8等を備えた吸気管9が接続されている。又、排気ポート10には、排気マニホールド11を介して排気管12が接続されており、この排気管12には、三元触媒13及び図示しないマフラが取付けられている。排気管12の管路には、三元触媒13の上流側と下流側に、それぞれ上流側空燃比センサ14と下流側空燃比センサ15が装着されている。上流側空燃比センサ14、及び下流側空燃比センサ15は、三元触媒13を通過する前後の排気ガス中の酸素に反応し、その濃度に応じた電圧を発生する。
エンジン1には、エンジン回転速度等を検出するためのクランク角センサ20、冷却水温を検出する水温センサ21等が取付けられ、吸気系には、スロットルバルブ7の開度を検出するスロットル開度センサ22、大気圧を検出する大気圧センサ23、吸気温を検出する吸気温センサ24等の各種センサが接続されている。又、エンジン1には、燃焼室31の上部に配置された点火プラグ30と、点火プラグ30に高電圧を出力する点火コイル32が設けられている。
一方、車室内には、図示しない入出力装置、多数の制御プログラムを内蔵した記憶装置(ROM、RAM、不揮発性RAM等)、中央処理装置(以下、CPUと称する)、タイマカウンタ等を備えたエンジンコントロールユニット(以下、ECUと称する)40が設置されている。ECU40の入力側には、上流側空燃比センサ14、及び下流側空燃比センサ15等の他にも各種センサ類が接続されており、これらからの検出情報が入力される。又、ECU40の出力側には、インジェクタ3やISC8、点火コイル32等が接続されており、これらに向けて各種センサ類からの入力情報に基づいて演算された最適値が出力される。そして、ECU40は、燃料噴射、点火時期、ISC等の制御等を行うほか、上流側空燃比センサ14、及び下流側空燃比センサ15の出力値に基づき三元触媒13の触媒劣化判定を実行する。触媒劣化判定の結果、三元触媒13の劣化時には、車室内に設置された警告灯41を点灯し、運転者に注意を促す。
次に、内燃機関の燃料噴射制御について説明する。運転者が、エンジン1を始動すると同時に、ECU40による燃料噴射制御が実行される。この制御を開始すると、ECU40は、エアフロセンサ6とクランク角センサ20との出力値に基づき一吸気行程当りの空気量情報を求め、その値と目標空燃比(通常、理論空燃比)とから基本燃料噴射時間を算出する。次に、ECU40は、基本燃料噴射時間に対して、大気圧センサ23や吸気温センサ24の出力値に基づく補正を行うと共に、水温センサ21やスロットル開度センサ22等の出力値に基づき、更に、暖機補正や加速増量補正等を行って燃料噴射時間を算出する。そして、ECU40は、このようにして得た燃料噴射時間に対し、インジェクタ3の開弁遅れを補完する無効噴射時間を加算した後に、図示しないインジェクタドライバを介して、インジェクタ3を駆動する。
さて、上流側空燃比センサ14の活性完了やエンジン1が高回転・高負荷運転状態にないこと等、所定の運転条件が成立すると、ECU40は、空燃比フィードバック制御を開始する。この制御を開始すると、ECU40は、上流側空燃比センサ14の出力電圧VOFと上流側空燃比センサ目標値VTHとの大小を比較し、空燃比のフィードバック補正を行う。即ち、上流側空燃比センサ14は、混合気の空燃比が理論空燃比「14.7」となる前後で出力電圧VOFが最低電圧(例えば、0V)から最高電圧(例えば、1.0V)に急変するため、出力電圧VOFが目標値VTHを下回れば、燃料噴射時間を徐々に長くして、リッチ側に移行させ、逆に出力電圧VOFが目標値VTHを上回れば、燃料噴射時間を徐々に短くして、リーン側に移行させる。この結果、混合気の空燃比が常に理論空燃比の近傍に保持され、三元触媒13による排気ガスの浄化は高い効率で行われることになる。
この発明の実施の形態1に於ける空燃比フィードバック制御では、フィードバック補正係数の中心値が「1.0」となるように学習補正を行い、学習補正量を不揮発性RAMに格納する。そして、その学習補正量を用いることで、前述したオープンループ制御の精度を向上させると共に、フィードバック制御の立ち上り時のズレ量を小さくしている。又、下流側空燃比センサ15の出力電圧が目標電圧値付近で制御できるように、上流側空燃比センサの目標値を制御するデュアル空燃比制御を行うことで、触媒の浄化効率を最大限に発揮できるようにフィードバック制御する。このフィードバック制御の向上により理論空燃比近傍で燃焼させることで安定したフィードバック周期となり、安定した上流側空燃比センサ14の出力電圧の反転回数及び、下流側空燃比センサ15の出力電圧の反転回数を得ることができる。この上流側空燃比センサ14の出力電圧の所定時間の反転回数と下流側空燃比センサ15の出力電圧の所定時間の反転回数の比率を用いて、三元触媒13の劣化診断を実施する。
図2は、この発明の実施の形態1に於ける排気浄化触媒の劣化診断装置の触媒の劣化診断の動作を示すフローチャートである。図2に於いて、先ず、ECU40は、ステップS10にて触媒の劣化診断を実行するための条件が成立しているか否かを判定する。ここでは、空燃比フィードバック制御が実行されていること、エンジン回転速度やエンジン負荷が所定範囲内であること、三元触媒13の上流側に設けられた上流側空燃比センサ14、三元触媒13の下流側に設けられた下流側空燃比センサ15が正常に動作しているなど順次確認し、全ての条件が成立した時に判定結果がYesとなる。尚、ここでエンジン回転速度やエンジン負荷が所定の範囲内であることを確認する理由は、これらが安定していないときには、排気ガス中のO2濃度も安定せず、正常な空燃比フィードバック制御が実施されないためである。
ステップS10での判定結果がYesとなると、次のステップS12に進み、上流側空燃比センサ14からの出力値に基づいて、上流側空燃比センサ反転回数fFを算出する。この算出は、上流側空燃比センサ14の出力電圧VOFが上流側空燃比センサのリッチリーン判定目標値VTHを横切った回数を所定時間計測することで、上流側空燃比センサの反転回数fFを算出することにより行う。
次に、ECU40は、ステップS14にて上流側空燃比センサ反転回数fFが所定値THfより小さいか否かを判定する。ステップS14での判定結果がYesとなると、上流側空燃比センサ14が劣化し、空燃比センサとしての機能が低下することで、触媒の劣化判定を誤診断することがあるため、触媒の劣化診断を中止する。
ECU40は、ステップS14での判定結果がNoとなると、次のステップS16に進み、エンジン回転速度を検出し、更にステップS18に進んでエンジン負荷状態を検出する。
次に、ステップS20では、ステップS16で検出したエンジン回転速度とステップS18で検出したエンジン負荷に基づいて、図3に示す運転領域Z1〜Z9の何れかを算出し、この算出した運転領域Z1〜Z9の何れかに対応する下流側空燃比センサ15の出力電圧値に対する目標値(以下、単に、下流側空燃比センサの目標値と称する)を算出する。この算出された目標値は、運転領域Z1〜Z9の各々に対応して排気ガスの浄化効率が高くなる制御をするための下流側空燃比センサ15の目標値である。尚、図3は、エンジン回転速度とエンジン負荷とにより算出する運転領域と下流側空燃比センサの目標値との関係を示す説明図である。
次に、ステップS22では、ステップS20で算出した下流側空燃比センサ15の目標値が所定の範囲内か否かを判定する。ステップS22での判定結果がNoの場合は、触媒の劣化診断を中止する。これは、例えば下流側空燃比センサ15の目標値が高すぎる場合、下流側空燃比センサ15の制御領域が高電圧側で制御され、短周期での制御となることで、下流側空燃比センサ15の反転回数が増大し、正常な触媒にも関わらず劣化と誤診断することがあるためであり、又、同様に、下流側空燃比センサの目標値が低い場合に於いても、下流側空燃比センサ15の制御領域が低電圧側で制御され、短周期での制御となることで、下流側空燃比センサの反転回数が増大し、正常な触媒にも関わらず劣化と誤診断することがあるためである。
次に、ステップS22での判定結果がYesの場合は、ステップS24に進み、ステップS16、ステップS18で検出したエンジン回転速度とエンジン負荷に基づいて、図4に示すように運転領域に応じた運転領域補正係数を算出する。これは、運転状態によって排気温度等の下流側空燃比センサ15近傍の雰囲気温度を推定するためである。尚、図4は、運転領域運転領域補正係数の関係を示す説明図である。
図5は、雰囲気温度である排気ガス温度毎の、空燃比センサ出力電圧であるセンサ起電力と酸素余剰率λとの関係を示すグラフである。図5に示すように、空燃比センサの出力電圧である起電力は、空燃比センサ近傍の雰囲気温度によって変化することは周知の事実であり、又、空燃比センサの出力電圧である起電力は、リッチ側とリーン側で特性が異なるため、前述のステップS24で算出する運転領域補正係数は、リッチ側補正係数CORとリーン側補正係数COLとが夫々設定されるものである。
次にステップS26では、下流側空燃比センサ15の出力電圧VORに所定フィルタ定数を用いて、下流側空燃比センサ15の反転を判定するための基準値である下流側空燃比センサ反転判定基準値VRBTH(ch4)を算出する。図6は、下流側空燃比センサ目標値と反転判定補正値との関係を示すグラフである。下流側空燃比センサ15の出力電圧VORがリーンからリッチへ変化する場合に於いて、空燃比センサの出力電圧の反転を判定するために、図6に示す下流側空燃比センサ15の目標値に応じた下流側リーンリッチ反転判定補正値VCRをステップS24で算出した運転領域補正係数のリッチ側補正係数CORを用いて補正した値を、下流側リーンリッチ反転判定補正値VCRNew(=VCR×COR)として算出する。更に、算出した下流側リーンリッチ反転判定補正値VCRNewと下流側空燃比センサ反転判定基準値VRBTHを用いて、下流側空燃比センサリーンリッチ反転判定値VRTHR(=VRBTH+VCRNew)を算出する。
又、同様に、下流側空燃比センサ15の出力電圧VORがリッチからリーンへ変化する場合に於いて、空燃比センサの出力電圧の反転を判定するために、図6に示す下流側空燃比センサ15の目標値に応じた下流側リッチリーン反転判定値VCLをステップS24で算出した運転領域補正係数のリーン側補正係数COLを用いて補正した値を、下流側リッチリーン反転判定補正値VCLNew(=VCL×COL)として算出する。更に、この算出した下流側リッチリーン反転判定補正値VCLNewと下流側空燃比センサ反転判定基準値VRBTHを用いて、下流側空燃比センサリッチリーン反転判定値VRTHL(=VRBTH−VCLNew)を算出する。尚、図2のステップS26では、上記の夫々の算出のうち、リーンリッチ反転判定値とリッチリーン反転判定値の算出のみを記載している。
次にステップS28では、所定時間の下流側空燃比センサの出力値である出力電圧の反転回数fRを算出する。この算出方法としては、下流側空燃比センサ15の出力電圧VORがリーンからリッチに変化しているときは、下流側空燃比センサ15の出力電圧VORが、ステップS26で算出した下流側空燃比センサリーンリッチ反転判定値VRTHRを横切る毎に、下流側空燃比センサ反転回数をカウントする。又、下流側空燃比センサ15の出力電圧VORがリッチからリーンに変化しているときは、下流側空燃比センサ15の出力電圧VORが、ステップS26で算出した下流側空燃比センサリッチリーン反転判定値VRTHLを横切る毎に、下流側空燃比センサ反転回数をカウントして、所定時間内の下流側空燃比センサ反転回数fRを算出する。ただし、カウントアップは、下流側空燃比センサ15の出力電圧VORがリーンリッチ反転判定値VRTHRとリッチリーン反転判定値VRTHLを交互に横切る必要がある。
次にステップS30では、前述のステップS28で算出した下流側空燃比センサ反転回数fRとステップS12で算出した上流側空燃比センサ反転回数fFとの反転回数の比率である空燃比センサ反転回数比fR/fF算出し、算出した空燃比センサ反転回数比fR/fFが触媒の劣化判定値THより大きいか否かを判定する。
ステップS30での判定結果がYesの場合には、ステップS34に進みECU40は三元触媒13が劣化していると判断し、三元触媒13は劣化していると診断する。一方、ステップS30での判定結果がNoの場合には、ステップS32に進みECU40は三元触媒13が劣化していないと判断し、三元触媒13は正常であると診断する。
以上、説明したように、この発明の実施の形態1による排気浄化触媒の劣化診断装置によれば、例えば、下流側空燃比センサ15のリーンリッチ反転判定値VRTHR(ch3)が一定値である場合、下流側空燃比センサ15の出力電圧VOR(ch1)がリッチ側へシフトした場合、下流側空燃比センサ15の出力電圧VOR(ch1)は、リーンからリッチへ変化しているが、前述の図14に示す従来の場合では下流側空燃比センサ15のリーンリッチ反転判定値VRTHR(ch3)が高く設定されており、リーンリッチの判定が出来ずに下流側空燃比センサ反転回数をカウントアップしない(ch5)ため、空燃比センサ反転回数比が小さくなり、触媒が劣化しているにも関わらず正常と診断する場合に於いても、図6に示すように下流側空燃比センサリーンリッチ反転判定補正値VCRを下流側空燃比センサの目標値に応じて算出するため、下流側空燃比センサ15の出力電圧VORがリッチ側へシフトした場合に於いても、図7に示すように下流側空燃比センサ15の出力電圧VOR(ch1)は、下流側空燃比センサリーンリッチ反転判定値VRTHR(ch3)を横切るため、下流側空燃比センサ反転回数(ch5)を精度良く得ることができる。下流側空燃比センサ反転回数を精度良く検出することより、触媒の劣化診断を精度良く行うことができる。尚、図7は、実施の形態1に於ける下流側空燃比センサ出力電圧と下流側空燃比センサ反転判定値との関係を示すグラフである。
又、図15に示す従来の装置の場合は、下流側空燃比センサ15がノイズ成分などによって、下流側空燃比センサ15の出力電圧VOR(ch1)に影響を与える場合に、ノイズ成分などの影響で下流側空燃比センサ出力電圧VOR(ch1)が下流側空燃比センサ反転判定基準のリッチリーン反転判定値VRTHL(ch2)及びリーンリッチ反転判定値VRTHR(ch3)を瞬時的に横切ることで、下流側センサ出力電圧VORが反転したと判定し、下流側空燃比センサ反転回数が多くなり(ch5)、浄化効率が低下していない触媒において浄化効率が低下していると判定することになるが、図6に示すように、下流側空燃比センサ15の目標値に応じて、下流側空燃比センサリーンリッチ反転判定値VRTHRを算出することで、図8に示すように下流側空燃比センサ15の出力電圧VOR(ch1)にノイズ成分などの影響があった場合に於いても、下流側空燃比センサ出力電圧VOR(ch1)が下流側空燃比センサリーンリッチ反転判定値VRTHR(ch2)及び下流側空燃比センサリッチリーン反転判定値VRTHL(ch3)を瞬時的に横切ることがないため、下流側空燃比センサ反転回数(ch5)を精度良く得ることができる。下流側空燃比センサ反転回数を精度良く検出することより、触媒の劣化診断を精度良く行うことができる。尚、図8は、実施の形態1における下流側空燃比センサ出力電圧と下流側空燃比センサ反転判定値との関係を示すグラフである。
又、前述では、下流側空燃比センサ15の出力電圧VORがリッチ側へシフトした場合を述べているが、リーン側へシフトした時に於いても、同様の効果が得られる。更に、下流側空燃比センサ15の出力電圧がシフトしていない運転領域に於いても、下流側空燃比センサの出力電圧VORが、リッチ側とリーン側が非対称の場合に関しても、同様の効果が得られる。
更に、エンジン回転速度とエンジン負荷から運転状態を検出することで、下流側空燃比センサ近傍の雰囲気温度を予測し、雰囲気温度に影響する空燃比センサ15の出力電圧VORを加味して、下流側空燃比センサリーンリッチ反転判定補正値VRTHR及び、リッチリーン反転判定補正値VRTHLを補正することで、下流側空燃比センサの反転回数を精度良く検出でき、触媒の劣化診断を精度良く行うことができる。
実施の形態2.
次に、この発明の実施の形態2に係る排気浄化触媒の劣化診断装置について説明する。図9は、この発明の実施の形態2に係る排気浄化触媒の劣化診断装置の触媒の劣化診断の動作を示すフローチャートである。この実施の形態による劣化診断装置は、前述の図1に示すハードウェア構成を用いて、ECU40により診断動作を実行する。
図9に於いて、実施の形態1と同様に、先ず、ECU40は、ステップS40で触媒の劣化診断を実行するための条件が成立しているか否かを判定する。ここでは、空燃比フィードバック制御が実行されていること、エンジン回転速度やエンジン負荷が所定範囲内であること、三元触媒13の上流側に設けられた上流側空燃比センサ14、三元触媒13の下流側に設けられた下流側空燃比センサ15が正常に動作しているなど順次確認し、全ての条件が成立した時に判定結果がYesとなる。尚、ここでエンジン回転速度やエンジン負荷が所定の範囲内であることを確認する理由は、これらが安定していないときには、排気ガス中のO2濃度も安定せず、正常な空燃比フィードバック制御が実施されないためである。
ステップS40での判定結果がYesとなると、次のステップS42で上流側空燃比センサ14からの出力値に基づいて、上流側空燃比センサ反転回数fFを算出する。この算出方法は、上流側空燃比センサ14の出力電圧VOFが上流側空燃比センサ14のリッチリーン判定目標値VTHを横切った回数を所定時間計測することで、上流側空燃比センサの反転回数fFを算出する。
次に、ECU40は、ステップS44で上流側空燃比センサ反転回数fFが所定値THfより小さいか否かを判定する。ステップS44での判定結果がYesとなると、上流側空燃比センサ14が劣化し空燃比センサとしての機能が低下することで、触媒の劣化判定を誤診断することがあるため、触媒の劣化診断を中止する。
ステップS44での判定結果がNoとなると、ステップS45に進み、エンジン回転速度を検出し、次のステップS46でエンジン負荷状態を検出する。次に、ステップS48では、ステップS45で検出したエンジン回転速度とステップS46で検出したエンジン負荷より、前述の図3に示すような運転領域Z1〜Z9の何れかを算出し、この算出した運転領域Z1〜Z9の何れかに対応した排気ガスの浄化効率が高くなる制御をするための下流側空燃比センサ15の目標値を算出する。
次に、ステップS50では、図10に示すグラフから、ステップS48で算出した下流側空燃比センサ15の目標値に応じたフィルタ係数CFを算出し、ステップS52では、フィルタ係数CFが所定範囲内か否かの判定を行う。尚、図10は、下流側空燃比センサ目標値とフィルタ係数の関係を示すグラフである。
ステップS52での判定結果がNoの場合、例えば、フィルタ係数CFが大きすぎると、前述の図16に示す従来の場合のように下流側空燃比センサ反転判定基準値VRBTH(ch4)の変化が緩慢となり、下流側空燃比センサ15の出力電圧が、後述する下流側空燃比センサ反転判定リーンリッチ反転判定値VRTHR(ch3)、又は、下流側空燃比センサリッチリーン反転判定値VRTHL(ch2)を横切らないため、下流側空燃比センサ反転回数をカウント(ch5)せず、触媒が劣化した状態に於いても正常と判断するので、フィルタ係数CFが所定の範囲内でない場合は、触媒の劣化診断を中止する。
一方、フィルタ係数CFが小さすぎると、下流側空燃比センサ反転判定基準値VRTHBの変化が過敏となり、後述する下流側空燃比センサ反転判定リーンリッチ反転判定値VRTHR及び下流側空燃比センサリッチリーン反転判定値VRTHLの変化も大きくなることで、下流側空燃比センサの出力電圧VORが下流側空燃比センサリーンリッチ反転判定値VRTHR、又は、下流側空燃比センサリッチリーン反転判定値VRTHLを横切らなくなり、下流側空燃比センサ反転回数をカウントせず、触媒が劣化した状態においても正常と判断するので、フィルタ係数が所定の範囲内でない場合は、触媒の劣化診断を中止する。
ここで、下流側空燃比センサ反転判定基準値VRBTHの算出は、VRBTH(今回)[=VRBTH(前回)×CF+VOR(今回)×(1−CF)]とする。また、下流側空燃比センサ反転回数の算出は、下流側空燃比センサ15の出力電圧VORがリッチリーン反転判定値とリーンリッチ反転判定値を交互に横切った場合にカウントアップする。
次にステップS54では、ステップS45、ステップS46で検出したエンジン回転速度とエンジン負荷より、前述の図4に示す運転領域に応じた運転領域補正係数を算出する。これは、運転状態によって排気温度などの下流側空燃比センサ近傍の雰囲気温度を推定するためであり、前述の図5に示すように、空燃比センサの出力電圧が空燃比センサ近傍の雰囲気温度によって変化することは、周知の事実である。また、空燃比センサの出力電圧は、リッチ側とリーン側で特性が異なるため、運転領域補正係数は、リッチ側補正係数CORとリーン側補正係数COLを設定する。
次にステップS56では、下流側空燃比センサ15の出力電圧VORがリーンからリッチへ変化する場合に於いて、下流側空燃比センサ15の出力電圧VORにステップS46で算出したフィルタ係数CFを用い下流側空燃比センサ反転判定基準値VRBTHを算出する。算出方法は前述した通りである。次に、図11で示す下流側空燃比センサ15のフィルタ係数CFに応じた下流側リーンリッチ反転判定補正値VCRをステップS54で算出した運転領域補正係数リッチ側補正係数CORを用いて補正した値を、下流側リーンリッチ反転判定補正値VCRNew(=VCR×COR)として算出する。更に、算出した下流側リーンリッチ反転判定補正値VCRNewと下流側空燃比センサ反転判定基準値VRBTHを用いて、下流側空燃比センサリーンリッチ反転判定値VRTHR(=VRBTH+VCRNew)を算出する。図11は、実施の形態2における下流側空燃比センサの目標値とフィルタ値との関係を示すグラフである。
又、同様に下流側空燃比センサ15の出力電圧VORがリッチからリーンへ変化する場合に於いて、下流側空燃比センサ15の出力電圧VORにステップS46で算出したフィルタ係数CFを用い下流側空燃比センサ反転判定基準値VRBTHを算出する。算出方法は前述した通りである。次に、図11で示すように下流側空燃比センサのフィルタ係数CFに応じた下流側リッチリーン反転判定補正値VCLを算出し、これをステップS54で算出した運転領域補正係数リーン側補正係数COLを用いて補正し、下流側リーンリッチ反転判定補正値VCLNew(=VCL×COL)を算出する。この算出した下流側リッチリーン反転判定補正値VCLNewと下流側空燃比センサ反転判定基準値VRBTHを用いて、下流側空燃比センサリッチリーン反転判定値VRTHL(=VRBTH−VCLNew)を算出する。尚、図9のステップS56では、上記の夫々の算出のうち、リーンリッチ反転判定値とリッチリーン反転判定値の算出のみを記載している。
次にステップS58では、所定時間の下流側空燃比センサの出力電圧の反転回数fRを算出する。この算出方法としては、下流側空燃比センサ15の出力電圧VORがリーンからリッチに変化しているときは、下流側空燃比センサ出力電圧VORが、ステップS56で算出した下流側空燃比センサリーンリッチ反転判定値VRTHRを横切る毎に、下流側空燃比センサ反転回数をカウントする。又、下流側空燃比センサ15の出力電圧VORがリッチからリーンに変化しているときは、下流側空燃比センサ出力電圧VORが、ステップS56で算出した下流側空燃比センサリッチリーン反転判定値VRTHLを横切る毎に、下流側空燃比センサ反転回数をカウントして、所定時間内の下流側空燃比センサ反転回数fRを算出する。
次にステップS60では、前述のステップS58で算出した下流側空燃比センサ反転回数fRとステップS42で算出した上流側空燃比センサ反転回数fFとの反転回数の比率である空燃比センサ反転回数比fR/fFを算出し、この算出した空燃比センサ反転回数比fR/fFが触媒の劣化判定値THより大きいか否かを判定する。
ステップS60での判定結果がYesの場合には、ステップS64に進みECU40は三元触媒13が劣化していると判断し、三元触媒13は劣化していると診断する。一方、ステップS60での判定結果がNoの場合には、ステップS62に進みECU40は三元触媒13が劣化していないと判断し、三元触媒13は正常であると診断する。
以上説明したように、この発明の実施の形態2による排気浄化触媒の劣化診断装置によれば、例えば、下流側空燃比センサ15のリーンリッチ反転判定値VRTHR及びリッチリーン反転判定値VRTHLが一定値である場合、下流側空燃比センサ15の出力電圧VOR(ch1)がリッチ側へシフトした場合は、下流側空燃比センサ15の出力電圧VOR(ch1)は、リーンからリッチへ変化しているが、前述の図16に示すように従来の装置の場合は下流側空燃比センサのリーンリッチ反転判定値VRTHR(ch3)が高く設定されており、リーンリッチの判定が出来ずに下流側空燃比センサ反転回数をカウントアップしない(ch5)ため、空燃比センサ反転回数比が小さくなり、触媒が劣化しているにも関わらず正常と診断するが、前述の図12に示すように下流側空燃比センサリーンリッチ反転判定値VRTHR(ch3)を下流側空燃比センサのフィルタ係数CFに応じて算出するため、下流側空燃比センサ15の出力電圧VOR(ch1)がリッチ側へシフトした場合に於いても、下流側空燃比センサ15の出力電圧VOR(ch1)は、下流側空燃比センサリーンリッチ反転判定値VRTHR(CH3)を横切るため、下流側空燃比センサ反転回数(ch5)を精度良く得ることができる。下流側空燃比センサ反転回数を精度良く検出することより、触媒の劣化診断を精度良く行うことができる。尚、図12は、実施の形態2に於ける下流側空燃比センサ出力電圧と下流側空燃比センサ反転判定値との関係を示すグラフである。
又、前述では、下流側空燃比センサ15の出力電圧VORがリッチ側へシフトした場合を述べているが、リーン側へシフトした時においても、同様の効果が得られる。更に、下流側空燃比センサ15の出力電圧VORがシフトしていない運転領域においても、下流側空燃比センサの出力電圧が、リッチ側とリーン側が非対称ででる場合に関しても、同様の効果が得られる。
更に、エンジン回転速度とエンジン負荷から運転状態を検出することで、下流側空燃比センサ近傍の雰囲気温度を予測し、雰囲気温度に影響する空燃比センサの出力電圧VORを加味して、下流側空燃比センサリーンリッチ反転判定値VRTHR及び、リッチリーン反転判定値VRTHLを補正するもとにより、下流側空燃比センサの反転回数を精度良く検出でき、触媒の劣化診断を精度良く行うことができる。
この発明の実施の形態1に係る排気浄化触媒の劣化診断装置を備えた内燃機関を示す概略構成図である。 この発明の実施の形態1に於ける排気浄化触媒の劣化診断装置の触媒の劣化診断の動作を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態1に於ける排気浄化触媒の劣化診断装置のエンジン回転速度とエンジン負荷とにより算出する運転領域と下流側空燃比センサ目標値との関係を示す説明図である。 この発明の実施の形態1に於ける排気浄化触媒の劣化診断装置の運転領域運転領域補正係数の関係を示す説明図である。 この発明の実施の形態1に於ける排気浄化触媒の劣化診断装置の雰囲気温度である排気ガス温度毎の、空燃比センサ出力電圧であるセンサ起電力と酸素余剰率λとの関係を示すグラフである。 この発明の実施の形態1に於ける排気浄化触媒の劣化診断装置の下流側空燃比センサ目標値と反転判定補正値との関係を示すグラフである。 この発明の実施の形態1に於ける排気浄化触媒の劣化診断装置の下流側空燃比センサ出力電圧と下流側空燃比センサ反転判定値との関係を示すグラフである。 この発明の実施の形態1に於ける排気浄化触媒の劣化診断装置の下流側空燃比センサ出力電圧と下流側空燃比センサ反転判定値との関係を示すグラフである。 この発明の実施の形態2に係る排気浄化触媒の劣化診断装置の触媒の劣化診断の動作を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態2に於ける排気浄化触媒の劣化診断装置の下流側空燃比センサ目標値とフィルタ値の関係を示すグラフである。 この発明の実施の形態2に於ける排気浄化触媒の劣化診断装置の下流側空燃比センサの目標値とフィルタ値との関係を示すグラフである。 この発明の実施の形態1に於ける排気浄化触媒の劣化診断装置の下流側空燃比センサ出力電圧と下流側空燃比センサ反転判定値との関係を示すグラフである。 下流側空燃比センサ目標値が高電圧時の上流側空燃比センサリッチリーン判定目標値とO2フィードバック補正係数の関係を示すグラフである。 従来の装置に於ける下流側空燃比センサ出力電圧と下流側空燃比センサ反転判定値との関係を示すグラフである。 従来の装置に於ける下流側空燃比センサ出力電圧と下流側空燃比センサ反転判定値との関係を示すグラフである。 従来の装置に於ける下流側空燃比センサ出力電圧と下流側空燃比センサ反転判定値との関係を示すグラフである。
符号の説明
1 エンジン
2 吸気ポート
3 インジェクタ
4 吸気マニホールド
5 エアクリーナー
6 エアフロセンサ
7 スロットルバルブ
8 アイドルスピードコントローラ
9 吸気管
10 排気ポート
11 排気マニホールド
12 排気管
13 三元触媒
14 上流側空燃比センサ
15 下流側空燃比センサ
20 クランク角センサ
21 水温センサ
22 スロットル開度センサ
23 大気圧センサ
24 吸気温センサ
30 点火プラグ
31 燃焼室
32 点火コイル
40 ECU
41 警告灯

Claims (6)

  1. 内燃機関の排気通路に設けられた排気浄化触媒と、前記排気浄化触媒の下流側に設けられ前記下流側の排気の空燃比を検出し前記空燃比に対応した出力値を発生する下流側空燃比センサと、前記下流側空燃比センサの前記出力値に対する目標値を算出する下流側空燃比センサ目標値算出手段と、前記目標値に基づいて前記下流側空燃比センサの出力値のリッチからリーンへの反転を判定するリッチリーン反転判定値を算出するリッチリーン反転判定値算出手段と、前記目標値に基づいて前記下流側空燃比センサの出力値のリーンからリッチへの反転を判定するリーンリッチ反転判定値を算出するリーンリッチ反転判定値算出手段と、前記下流側空燃比センサの出力値と前記リッチリーン反転判定値と前記リーンリッチ反転判定値とから前記下流側空燃比センサの出力値の所定期間の反転回数を算出する反転回数検出手段と、前記算出した反転回数に基づいて前記排気浄化触媒の劣化を診断する排気浄化触媒劣化診断手段とを備えたことを特徴とする排気浄化触媒の劣化診断装置。
  2. 内燃機関の排気通路に設けられた排気浄化触媒と、前記排気浄化触媒の下流側に設けられ前記下流側の排気の空燃比を検出し前記空燃比に対応した出力値を発生する下流側空燃比センサと、前記下流側空燃比センサの前記出力値に対する目標値を算出する下流側空燃比センサ目標値算出手段と、前記算出した目標値に対応するフィルタ係数を算出するフィルタ係数算出手段と、前記算出したフィルタ係数に基づいて前記下流側空燃比センサの出力値のリッチからリーンへの反転を判定するリッチリーン反転判定値を算出するリッチリーン反転判定値算出手段と、前記算出したフィルタ係数に基づいて前記下流側空燃比センサの出力値のリーンからリッチへの反転を判定するリーンリッチ反転判定値を算出するリーンリッチ反転判定値算出手段と、前記下流側空燃比センサの出力値と前記リッチリーン反転判定値と前記リーンリッチ反転判定値とから前記下流側空燃比センサの出力値の所定期間の反転回数を算出する反転回数検出手段と、前記反転回数に基づいて前記排気浄化触媒の劣化を診断する排気浄化触媒劣化診断手段とを備えたことを特徴とする排気浄化触媒の劣化診断装置。
  3. 前記内燃機関の回転速度を検出する回転速度検出手段と、前記内燃機関の負荷を検出する負荷検出手段を備え、前記リッチリーン反転判定値及び前記リーンリッチ反転判定値は、前記回転速度及び前記負荷に基づいて補正されることを特徴とする請求項1又は2に記載の排気浄化触媒の劣化診断装置。
  4. 前記算出した目標値が所定の範囲外にあるときは、前記排気浄化触媒劣化診断手段による排気浄化触媒の劣化診断を禁止することを特徴とする請求項1に記載の排気浄化触媒の劣化診断装置。
  5. 前記算出したフィルタ係数が所定の範囲外にあるときは、前記排気浄化触媒劣化診断手段による排気浄化触媒の劣化診断を禁止することを特徴とする請求項1に記載の排気浄化触媒の劣化診断装置。
  6. 前記フィルタ係数は、前記目標値に応じて変更することを特徴とする請求項2に記載の排気浄化触媒の劣化診断装置。
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