JP4650255B2 - 鋼床版の補強構造及び既設鋼床版の補強方法 - Google Patents

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Description

本発明は、橋梁や高架道路に用いられる鋼床版の剛性及び耐久性を向上させる鋼床版の補強構造及び既設鋼床版の補強方法に関するものである。
一般的に、橋梁や高架道路の鋼床版は、デッキプレートの下面に略U字形の縦リブが溶接により固着され補強されている。長期間にわたってデッキプレートの上を車両等が走行すると、車両等の輪荷重により鋼床版の変形が繰り返され、その結果、鋼床版が損傷するという問題点があった。そこで、以下に示すように、鋼床版の剛性を向上させるための技術が多く提案されている。
例えば、特許文献1には、デッキプレート下面と縦リブとで形成される閉断面空間内に充填材を充填する方法が開示されている。これは閉断面空間内に充填材を充填することにより、縦リブの断面疲労強度を向上させるとともに、デッキプレートと縦リブとの溶接部分を補強し、デッキプレートと縦リブとの溶接部分に生じる疲労亀裂を防止するためのものである。
また、特許文献2には、縦リブの下方に主桁間に架設される新設の横桁を設け、縦リブと新設の横桁との間に縦リブを支持するための支持部材を設ける補強構造が開示されている。これは、支持部材及び新設の横桁を設けることにより、デッキプレートに作用する載荷荷重を支持部材及び新設の横桁を介して主桁に伝達し、縦リブに作用する応力を小さくして溶接部分に生じる疲労を軽減し、デッキプレートと縦リブとの溶接部分に生じる疲労亀裂を防止するためのものである。
特開2001−248114号公報 特開2002−173912号公報
しかしながら、特許文献1に記載の閉断面空間内に充填材を充填する方法では、縦リブが設置された橋軸方向の剛性は向上するものの、鋼床版自身の荷重(以下、死荷重という)が増加し、その増加した荷重はデッキプレートにかかる反面、デッキプレートに作用する載荷荷重をデッキプレートのみで支えている縦リブ間には、鋼床版の剛性を向上させるための補強の手段が講じられていないために、デッキプレートの橋軸と直交する方向の構造性能は低下してしまうという問題点があった。
そして、特許文献2に記載の縦リブを支持するための支持部材を設ける方法では、既設の鋼床版の支持点を変更(増加)しただけであり、既設部分の劣化程度・範囲が大きい場合は対策にならないという問題点があった。また、特許文献1と同様に、縦リブ間には補強の手段が講じられていないために、橋軸と直交する方向の構造性能は低いままであるという問題点があった。さらに、縦リブと横桁との間に、精度良く嵌合又は固定できるような支持部材が必要であるが、鋼床版は長期間にわたり使用されており局部的な歪み等の変形が生じているために、予め工場等にて製作した支持部材を取付けることは困難であり、現場で現状に合わせた加工を施さねばならず、手間及び時間がかかるという問題点があった。
そこで、本発明は、上記の問題点を鑑みてなされたものであり、その目的は、橋梁や高架道路等の走行路を占用することなく施工が可能であって、かつ、剛性及び耐久性を向上させる鋼床版の補強構造及び既設鋼床版の補強方法を提供することである。
前記目的を達成するため、本発明の鋼床版の補強構造は、デッキプレートを橋軸と直交する方向に並ぶように複数配設された主桁と、隣接する該主桁同士を結合するとともに、橋軸方向に所定の間隔で配設された横桁とで支持し、該デッキプレートの下面に橋軸方向に延設された縦リブを橋軸と直交する方向に複数個設置して構成された鋼床版であって、隣接する前記主桁間と隣接する前記横桁間との間の前記縦リブの下方に配設された鋼板と、前記鋼板を支持するために、隣接する主桁間に架設された新設の横桁とを備え、前記デッキプレート及び前記縦リブの下面と前記鋼板との間に充填材を充填してなることを特徴とする(第1の発明)。
本発明による鋼床版の補強構造によれば、鋼板及び新設の横桁を設け、デッキプレート及び縦リブの下面と鋼板との間に充填材を充填することにより、デッキプレートに作用する載荷荷重を充填材を介して鋼板及び新設の横桁に伝達することが可能である。したがって、デッキプレートに作用する載荷荷重を既設鋼床版に作用させることなく、新設した鋼板及び新設の横桁にて支持するために、耐力及び耐久性の高い構造とすることが可能となる。
また、デッキプレート及び縦リブの下面と鋼板との間に充填された充填材により、鋼床版の橋軸と直交する方向の変形が抑制されるために、剛性が向上し、デッキプレートと縦リブとの溶接接合部に作用する応力が低減される。さらに、橋軸方向にも充填材が充填されているために、橋軸方向の剛性も向上し、鋼床版全体の剛性が向上する。
そして、本発明による鋼床版の補強構造によれば、長期間にわたり使用されて変形が生じた既設の鋼床版を補強する場合においても、デッキプレート及び縦リブの下面を変形自在な充填材で覆うために、設計通りの補強構造を構築することが可能となる。
第2の発明は、第1の発明において、前記縦リブの両側に、下縁が前記鋼板の上面に接合されて橋軸方向に延設された縦補強部材により構成されてなることを特徴とする。
本発明による縦補強部材によれば、縦補強材が橋軸方向に伸びているために、橋軸方向の剛性を向上させることが可能となる。
第3の発明は、第2の発明において、前記縦補強部材は、逆T字形の断面形状を有することを特徴とする。
本発明による逆T字形の断面形状を有する縦補強部材によれば、市販されているTバー等の形鋼を用いることが可能であり、入手性がよい。また、水平なフランジ部分を有するために鋼板に固着することが容易であり、取付け作業性に優れる。
第4の発明は、第2の発明において、前記縦補強部材は、略逆U字形の断面形状を有することを特徴とする。
本発明による略逆U字形の断面形状を有する縦補強部材によれば、縦補強部材が橋軸方向に設置されることにより鋼床版の橋軸方向の剛性が向上するために、縦補強部材と鋼板との間に形成される閉断面空間内への充填材の充填を省略することが可能となる。したがって、デッキプレート及び縦リブの下方と鋼板との間の空間内すべてに充填材を充填する方法よりも死荷重を減少させることが可能となる。
第5の発明は、第2又は4の発明において、前記鋼板の上面と前記略逆U字形の断面形状を有する縦補強部材とで形成される閉断面空間内に、橋軸と直交する方向に横補強部材が設置されてなることを特徴とする。
本発明による横補強部材によれば、横補強材が橋軸と直交する方向に設置されるために、橋軸と直交する方向の剛性を向上させることが可能となる。
第6の発明は、第1の発明において、前記縦リブの下面と前記鋼板の上面との隙間にスペーサーを設けたことを特徴とする。
本発明によるスペーサーによれば、縦リブの下面と鋼板の上面との間に常に隙間が確保されるために、縦リブの下面と鋼板の上面との間に確実に充填材を充填することが可能となる。
第7の発明は、第4又は5の発明において、前記デッキプレートの下面と前記縦補強部材の上面との隙間にスペーサーを設けたことを特徴とする。
本発明によるスペーサーによれば、デッキプレートの下面と縦補強部材の上面との間に常に隙間が確保されるために、デッキプレートの下面と縦補強部材の上面との間に確実に充填材を充填することが可能となる。
第8の発明は、第1の発明において、前記充填材として無収縮モルタルを用いることを特徴とする。
本発明による充填材として無収縮モルタルを用いることによれば、デッキプレートに輪荷重が作用しても充填材は収縮しないために、鋼床版の変形が抑制される。したがって、鋼床版の剛性が向上し、デッキプレートと縦リブとの溶接接合部に作用する応力が低減される。また、隙間無く充填されるために、デッキプレートに作用した荷重を確実に鋼板及び新設の横桁に伝達することが可能となる。
第9の発明の既設鋼床版の補強方法は、デッキプレートを橋軸と直交する方向に並ぶように複数配設された主桁と、隣接する該主桁同士を結合するとともに、橋軸方向に所定の間隔で配設された横桁とで支持し、該デッキプレートの下面に橋軸方向に延設された縦リブを橋軸と直交する方向に複数個設置して構成された鋼床版を補強する既設鋼床版の補強方法において、橋軸方向に延設される縦補強部材が隣接する前記縦リブ間に配設されるように鋼板の上面に該縦補強部材を接合する工程と、隣接する前記主桁間と隣接する前記横桁間との間の前記縦リブの下方に前記鋼板を設置する工程と、前記鋼板を支持するための新設の横桁を隣接する主桁間に架設する工程と、前記デッキプレート及び前記縦リブの下面と前記鋼板との間に充填材を充填する工程とを備えることを特徴とする。
本発明による既設鋼床版の補強方法によれば、鋼床版の下側から工事可能なために、橋梁、高架道路等の走行路を占用する必要はなく、日中に安全、かつ短期間で既設の鋼床版を補強することが可能となる。
本発明の鋼床版の補強構造及び既設鋼床版の補強方法を用いることにより、橋梁や高架道路等の走行路を占用することなく施工が可能であって、かつ、剛性及び耐久性を向上させることが可能となる。
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を用いて詳細に説明する。図1は、本発明の第一実施形態に係る鋼床版の補強構造を適用した高架道路の横断面図、図2は、図1のA−A’矢視図である。図1及び図2に示すように、高架道路2は、鋼床版10と、橋軸と直交する方向(以下、橋軸直交方向という)に並ぶように複数配設され、鋼床版10を支持する主桁18と、隣接する主桁18同士を結合するとともに、橋軸方向に所定の間隔で配設され、鋼床版10を支持する横桁17と、鋼床版10の上側に施工されたアスファルト等の舗装20とから構成される。
また、鋼床版10は、デッキプレート12と、デッキプレート12の下面に設置された縦リブ14と、縦リブ14の下方に設置された鋼板16と、鋼板16を支持するために、隣接する主桁18間に架設された新設の横桁22と、各縦リブ14の両側に設置された縦補強部材4とから構成される。
縦リブ14は略U字形の断面形状を有する形鋼であり、この両端部がデッキプレート12の下面に溶接にて固着され、橋軸方向に延設される。また、縦リブ14は、橋軸直交方向に複数個設置される。
鋼板16は、隣接する主桁18間と隣接する横桁17間との間の縦リブ14の下方に所定の隙間を隔てて、主桁18間の幅、新設の横桁22間の長さにて配設される。
この新設の横桁22は、鋼板16の橋軸方向の両縁部を支持するために、橋軸方向に所定の間隔にて設置される。
また、主桁18は上下端縁にそれぞれフランジを有するI形断面形状の形鋼であり、その両側には橋軸方向に所定の間隔で新設の横桁22を取付けるための主桁用リブ19が溶接等にて固着されている。
縦補強部材4は、下端縁にフランジを有する逆T字形断面形状の形鋼であり、隣接する縦リブ14間に配設されるように、下面のフランジが鋼板16の上面に溶接等にて固着され、橋軸方向に延設される。本実施形態においては、縦補強部材4として、例えば、Tバーを用い、各縦リブ14の両側にそれぞれ1個ずつ、つまり、隣接する縦リブ14間には2個ずつ設置し、橋軸直交方向の両側端部の縦リブ14の外方にはそれぞれ1個ずつ設置する。ただし、これに限定されるものではなく、例えば、隣接する縦リブ14間に1個ずつ設置してもよい。
そして、縦補強部材4が取付けられた鋼板16を、隣接する主桁18間と隣接する横桁17間との間の縦リブ14の下方に配設し、仮受けする。
新設の横桁22は、上下端縁にそれぞれフランジを有するコ形断面形状の溝型鋼(以下、チャンネルという)であり、上側のフランジが鋼板16の下面に当接するように配設されるとともに、主桁用リブ19にボルト等の結合手段25で取付けられて、主桁18間に架設される。そして、新設の横桁22の上側のフランジを鋼板16に溶接等にて固着し、仮受けを撤去する。本実施形態においては、新設の横桁22として、チャンネルを用いる方法について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、H形等の型鋼を用いてもよい。
さらに、デッキプレート12及び縦リブ14の下面と鋼板16との間の空間には充填材32が充填される。本実施形態においては、充填材32として、例えば、非圧縮性の無収縮モルタルを用いる。また、縦リブ14の下面と鋼板16の上面との間に、橋軸方向に所定の間隔でスペーサー24を設置し、これらの面同士の当接を防止する。鋼板16の各端部には、例えば、スポンジ等の変形性能の良い材料を用いて妻型枠が設けられて(図示しない)充填材32が漏れないにようにシールされ、充填材32は鋼板16に設けた注入孔(図示しない)から注入される。
上述した鋼板16、新設の横桁22等の補強部材の設置作業及び充填材32の充填作業は、高架道路2の走行路を利用することなく、すべて鋼床版10の下から高所作業車等を利用して行われる。
以上説明した本実施形態の鋼床版10の補強構造によれば、鋼板16及び新設の横桁22を設け、デッキプレート12及び縦リブ14の下面と鋼板16との間に充填材32を充填することにより、デッキプレート12に作用する載荷荷重を充填材32を介して鋼板16及び新設の横桁22に伝達することが可能である。したがって、デッキプレート12に作用する載荷荷重を既設の鋼床版10に負担させることなく、新たに設置した鋼板16及び新設の横桁22にて支持するために、耐力及び耐久性の高い構造とすることが可能となる。
また、デッキプレート12及び縦リブ14の下面と鋼板16との間に充填された充填材32により、鋼床版10の橋軸直交方向の変形が抑制されるために、剛性が向上し、デッキプレート12と縦リブ14との溶接接合部に作用する応力が低減される。さらに、橋軸方向にも充填材32が充填されているために、橋軸方向の剛性も向上し、鋼床版10全体の剛性が向上する。
そして、本実施形態の逆T字形の断面形状を有する縦補強部材4によれば、縦補強部材が橋軸方向に伸びているために、橋軸方向の剛性を向上させることが可能となる。また、縦補強部材4として市販されているTバー等の形鋼を用いることが可能であり、入手性が容易である。さらに、水平なフランジ部分を有するために鋼板16に固着することが容易であり、取付け作業性に優れる。
また、本実施形態ではスペーサー24が、縦リブ14の下面と鋼板16の上面との間に設置されることで、両者間の隙間を確保できるために、この隙間に確実に充填材32を充填することが可能となる。そして、この充填材32として無収縮モルタルを用いることにより、デッキプレート12に輪荷重が作用しても充填材32は収縮しないために、鋼床版10の変形が抑制される。したがって、鋼床版10の剛性が向上し、デッキプレート12と縦リブ14との溶接接合部に作用する応力が低減される。さらに、充填材32が隙間無く充填されるために、デッキプレート12に作用した荷重を確実に鋼板16及び新設の横桁22に伝達することが可能となる。
なお、本実施形態において、充填材32として無収縮モルタルを用いる方法について説明したが、これに限定されるものではなく、間隙無く充填され、かつ、充填されたデッキプレート12及び縦リブ14の下面と鋼板16との間の空間の変形を抑制するとともに、デッキプレート12に作用する載荷荷重を鋼板16に伝達可能な強度を有するものであればよい。
次に、本発明の第二の実施形態について説明する。下記に示す説明において、第一実施形態と同様の構成を用いたものと対応する部分には同一の符号を付して説明を省略し、主に相違点について説明する。
図3は、本発明の第二実施形態に係る鋼床版36の補強構造を適用した高架道路34の横断面図、図4は、B−B’矢視図である。図3及び図4に示すように、高架道路34は、第一実施形態にて説明した逆T字形断面形状の縦補強部材4の替わりに略逆U字形断面形状(後述する)の縦補強部材6を備えたものである。
縦補強部材6は、略逆U字形断面形状を有する形鋼であり、この両端部が鋼板16の上面に溶接にて固着され、橋軸方向に延設される。また、縦補強部材6は、橋軸直交方向に複数個設置される。そして、鋼板16の上面と縦補強部材6とで形成される閉断面空間内に横補強部材8が設置される。
横補強部材8は、上縁及び両縁が縦補強部材6の内面に溶接等にて固着され、橋軸方向に所定の間隔Lで配置される。本実施形態において、この所定の間隔Lは、例えば、縦リブ14の設置間隔aの2倍の長さとする。なお、本実施形態においては、所定の間隔を縦リブ14の設置間隔aの2倍の長さとしたが、これに限定されるものではなく、設計された長さに基づいて適宜変更することが可能である。
なお、本実施形態においては、縦補強部材6の内側に横補強部材8を設置する方法について説明したが、これに限定されるものではなく、横補強部材8を設置しなくてもよく、さらに充填材32を充填してもよい。
デッキプレート12及び縦リブ14の下面と鋼板16及び縦補強部材6の上面との間の空間には充填材32として無収縮モルタルが充填されている。縦リブ14の下面と鋼板16の上面との間、及びデッキプレート12の下面と縦補強部材6の上面との間に、橋軸方向に所定間隔でスペーサー24を設置し、これらの面同士の当接を防止する。
上述した鋼板16、新設の横桁22等の補強部材の設置作業及び充填材32の充填作業は、第一実施形態と同様に、高架道路34の走行路を利用することなく、すべて鋼床版36の下から高所作業車等を利用して行われる。
以上説明した本実施形態の鋼床版36の補強構造によれば、上記の第一実施形態と同様に、デッキプレート12及び縦リブ14の下面と鋼板16との間に充填材32を充填することにより、デッキプレート12に作用する載荷荷重を充填材32を介して鋼板16及び新設の横桁22に伝達することができ、これにより耐力及び耐久性の高い構造とすることが可能となる。また、充填材32を充填することにより鋼床版36の橋軸直交方向の変形が抑制されるために、剛性が向上し、デッキプレート12と縦リブ14と、及び鋼板16と縦補強部材6との溶接接合部に作用する応力が低減される。さらに、橋軸方向にも充填材32が充填されているために、橋軸方向の剛性も向上し、鋼床版36全体の剛性が向上する。
また、本実施形態によれば、略逆U字形断面形状を有する縦補強部材6が橋軸方向に延設されているために、橋軸方向の剛性を向上させることが可能となる。また、この縦補強部材6を取付けることにより鋼床版36の剛性が向上するために、縦補強部材6と鋼板16との間に形成される閉断面空間内への充填材32の充填を省くことが可能となる。したがって、デッキプレート12及び縦リブ14の下方と鋼板16との間のすべての空間内に充填材32を充填する方法よりも死荷重を減少させることが可能となる。
さらに、横補強部材8が橋軸直交方向に延設されているために、橋軸直交方向の剛性を向上させることが可能となる。
また、デッキプレート12の下面と縦補強部材6の上面との間、及び縦リブ14の下面と鋼板16の上面との間にスペーサー24が設置されることで、それぞれの両者間の隙間を確保できるために、これらの隙間に確実に充填材32を充填することが可能となる。そして、この充填材32として無収縮モルタルを用いることにより、鋼床版36の変形が抑制される。したがって、鋼床版36の剛性が向上し、デッキプレート12と縦リブ14との溶接接合部に作用する応力が低減される。さらに、充填材32が隙間無く充填されるために、デッキプレート12に作用した荷重を確実に鋼板16及び新設の横桁22に伝達することが可能となる。
なお、本実施形態において、充填材32として無収縮モルタルを用いる方法について説明したが、これに限定されるものではなく、間隙無く充填され、かつ、充填されたデッキプレート12及び縦リブ14の下面と鋼板16及び縦補強部材6との間の空間の変形を抑制するとともに、デッキプレート12に作用する載荷荷重を鋼板16に伝達可能な強度を有するものであればよい。
なお、上述したすべての実施形態において、鋼床版36の下方全体を補強する方法について説明したが、これに限定されるものではなく、補強の必要な箇所等の部分的な補強でもよい。
また、上述したすべての実施形態において、鋼床版36を支持する主桁18が2本の場合について説明したが、これに限定されるものではなく、主桁18が3本以上であってもよい。
本発明の第一実施形態に係る鋼床版の補強構造を適用した高架道路の横断面図である。 図1のA−A’矢視図である。 本発明の第二実施形態に係る鋼床版の補強構造を適用した高架道路の横断面図である。 図3のB−B’矢視図である。
符号の説明
2、34 高架道路
4、6 縦補強部材
8 横補強部材
10、36 鋼床版
12 デッキプレート
14 縦リブ
16 鋼板
17 横桁
18 主桁
19 主桁用リブ
20 舗装
22 新設の横桁
24 スペーサー
25 結合手段
32 充填材
L 横補強部材を設置する所定の間隔

Claims (9)

  1. デッキプレートを橋軸と直交する方向に並ぶように複数配設された主桁と、隣接する該主桁同士を結合するとともに、橋軸方向に所定の間隔で配設された横桁とで支持し、該デッキプレートの下面に橋軸方向に延設された縦リブを橋軸と直交する方向に複数個設置して構成された鋼床版であって、
    隣接する前記主桁間と隣接する前記横桁間との間の前記縦リブの下方に配設された鋼板と、
    前記鋼板を支持するために、隣接する主桁間に架設された新設の横桁とを備え、
    前記デッキプレート及び前記縦リブの下面と前記鋼板との間に充填材を充填してなることを特徴とする鋼床版の補強構造。
  2. 前記縦リブの両側に、下縁が前記鋼板の上面に接合されて橋軸方向に延設された縦補強部材により構成されてなることを特徴とする請求項1に記載の鋼床版の補強構造。
  3. 前記縦補強部材は、逆T字形の断面形状を有することを特徴とする請求項2に記載の鋼床版の補強構造。
  4. 前記縦補強部材は、略逆U字形の断面形状を有することを特徴とする請求項2に記載の鋼床版の補強構造。
  5. 前記鋼板の上面と前記略逆U字形の断面形状を有する縦補強部材とで形成される閉断面空間内に、橋軸と直交する方向に横補強部材が設置されてなることを特徴とする請求項2又は4に記載の鋼床版の補強構造。
  6. 前記縦リブの下面と前記鋼板の上面との隙間にスペーサーを設けたことを特徴とする請求項1に記載の鋼床版の補強構造。
  7. 前記デッキプレートの下面と前記縦補強部材の上面との隙間にスペーサーを設けたことを特徴とする請求項4又は5に記載の鋼床版の補強構造。
  8. 前記充填材として無収縮モルタルを用いることを特徴とする請求項1に記載の鋼床版の補強構造。
  9. デッキプレートを橋軸と直交する方向に並ぶように複数配設された主桁と、隣接する該主桁同士を結合するとともに、橋軸方向に所定の間隔で配設された横桁とで支持し、該デッキプレートの下面に橋軸方向に延設された縦リブを橋軸と直交する方向に複数個設置して構成された鋼床版を補強する既設鋼床版の補強方法において、
    橋軸方向に延設される縦補強部材が隣接する前記縦リブ間に配設されるように鋼板の上面に該縦補強部材を接合する工程と、
    隣接する前記主桁間と隣接する前記横桁間との間の前記縦リブの下方に前記鋼板を設置する工程と、
    前記鋼板を支持するための新設の横桁を隣接する主桁間に架設する工程と、
    前記デッキプレート及び前記縦リブの下面と前記鋼板との間に充填材を充填する工程とを備えることを特徴とする既設鋼床版の補強方法。
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