JP4649368B2 - 内燃機関の冷却装置 - Google Patents

内燃機関の冷却装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4649368B2
JP4649368B2 JP2006137786A JP2006137786A JP4649368B2 JP 4649368 B2 JP4649368 B2 JP 4649368B2 JP 2006137786 A JP2006137786 A JP 2006137786A JP 2006137786 A JP2006137786 A JP 2006137786A JP 4649368 B2 JP4649368 B2 JP 4649368B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
temperature
temperature side
low
cooling water
passage
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2006137786A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007309171A (ja
Inventor
和治 竹村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yanmar Co Ltd
Original Assignee
Yanmar Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yanmar Co Ltd filed Critical Yanmar Co Ltd
Priority to JP2006137786A priority Critical patent/JP4649368B2/ja
Publication of JP2007309171A publication Critical patent/JP2007309171A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4649368B2 publication Critical patent/JP4649368B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)

Description

本発明は内燃機関の冷却装置に関し、主としてシリンダ周りの部材温度を高負荷時に部材許容限界温度未満にし、低負荷時に低温腐食発生温度以上に設定するようにした内燃機関の冷却装置に関する。
近年、内燃機関の高出力化が進み、それに応じて最大負荷時のシリンダ周りの部材温度が高温になるため、これらの部材の冷却性能の向上が課題になっている。しかし、内燃機関のシリンダ周りの部材冷却に関して、最大負荷時の部材冷却を優先すると、低負荷時には過冷却となり、シリンダ周りの部材温度が低下し、燃料中の硫黄分が硫酸に変質して起こる低温腐食を誘発するという問題がある。
一方、下記特許文献1には、シリンダ周りのジャケットに高温系冷却水回路を設けて冷却水を循環させ、この循環水を所定の設定温度(例えば、75℃)に調整する温度調整弁を設けた内燃機関の冷却装置が提案されている。
具体的には、温度調整弁は、循環水の温度が温度調整弁の設定温度になるまでは弁を閉鎖させて循環水を高温系冷却水回路に循環させ、シリンダ周りの部材温度を所定の設定温度に保つ一方、内燃機関の負荷の上昇に応じて循環水の温度が温度調整弁の設定温度を超えると、温度調整弁を作動させて循環水の一部を高温系冷却水回路から排出し、排出された循環水と同量の低温冷却水を温度調整弁下流側の高温系冷却水回路内に導入することで、高温系冷却水回路の循環水の機関入口温度を低下させて部材温度の上昇を抑えるように構成されている。
したがって、温度調整弁の設定温度を、低負荷時に部材温度が低温腐食発生温度以上に保たれるような温度とすることで、低負荷時には、部材温度を低温腐食発生温度以上に保ち、高負荷時には、部材温度が許容温度を超えないように循環水温度を制御し、上記問題を解決することが可能である。
ところが、特許文献1記載の技術では、機関の高出力化が必要となった場合に、部材温度の上昇を抑制するため高温系冷却水回路の循環水温度を低下させる必要が生じたとしても、低負荷時の部材温度を低温腐食発生温度以上に維持することを考慮すると、温度調整弁の設定温度を低く変更することができないという不都合がある。
そのため、本願出願人は、機関の高出力化が必要な場合であっても、高負荷時における部材温度の上昇を抑制し、且つ、低負荷時に低温腐食発生温度以上に循環水温度を調整する技術を従前に提案した(下記特許文献2)。
この技術は、図3に示すように、シリンダ115周りの部材を冷却する高温側冷却水循環回路116に、各々設定温度が異なる低温側及び高温側温度調整弁119,121を並列に設け、各温度調整弁119,121の上流側に、エンジンの負荷に応じて各温度調整弁119,121に対する冷却水の循環経路を切り換える切換弁120を設けている。切換弁120を切り換えるエンジンの負荷は、高温側温度調整弁121により温度調整された冷却水によって冷却されるシリンダ115周りの部材温度が許容限界温度に達するような負荷よりも低い負荷で、切換弁120により低温側温度調整弁119側へ循環経路を切り換えるように設定する。低温側温度調整弁119は、循環経路の切換によって低下する部材温度が低温腐食発生温度よりも高い温度となるように調整温度が設定される。
そして、高負荷時には、切換弁120によって低温側温度調整弁119に冷却水が流れ、該低温側調整弁の設定温度(例えば、70℃)を超える冷却水は、一部が排出路151から排出され、代わりに、オイルクーラー114やインタークーラ111に供給される低温の冷却水が循環回路116に補充通路145を介して補充され、冷却水が設定温度に維持される。したがって、低温側設定温度の冷却水によってシリンダ115周りの部材を冷却することによって、当該部材の温度が許容限界温度に達さないように調整することができる。
低負荷時には、切換弁120によって高温側温度調整弁121に冷却水が流れ、該高温側温度調整弁121の設定温度(例えば、85℃)を超える冷却水は一部が排出路152から排出され、代わりに、低温の冷却水が補充通路145を介して補充され、冷却水温度が設定温度に維持される。したがって、高温側設定温度の冷却水によってシリンダ115周りの部材を冷却することによって、当該部材の温度が低温腐食発生温度まで低下しないように調整することができる。
特開平7−119463号公報 特開2005−201055号公報
図3に示したように、切換弁120によって高温側温度調整弁121に冷却水が流れているとき、設定温度(例えば、85℃)の冷却水は、循環回路116を通って冷却水ポンプ122に吸引されウォータジャケットに供給される。
しかし、高温側温度調整弁121よりも下流側の循環経路116には、低温側温度調整弁119に連通する通路150が接続されているため、当該通路150にも高温の冷却水が入り込み、低温側排出ポート132から低温側温度調整119内に流入して温度調整弁を作動させるとともに高温側排出ポート131から外部に排出されてしまい、温度制御が不安定になるという不都合があった。このような不都合を防止するため、通路150に逆流を防止する逆止弁を設けることも考えられるが、これでは部品点数が増加するとともにコストが増加するという弊害がある。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、循環回路に逆止弁等を設けることなく適切な温度調整が可能な内燃機関の冷却装置を提供することを目的とする。
本発明は、給気を冷却するためのインタークーラ(11)に対し低温の冷却水を供給して冷却する低温側冷却水循環回路(12)と、シリンダ(15)周りのジャケットに対し冷却水を供給して冷却する高温冷却水循環回路(16)と、を備えた内燃機関の冷却装置であって、前記高温側冷却水循環回路(16)のうち、前記ジャケットの出口に接続された第1循環通路(17)に、低温側温度調整弁(19)、内燃機関の負荷に応じて冷却水経路を切り換える切換弁(20)及び高温側温度調整弁(21)を、この順で上流から下流へ直列に備え、前記低温側温度調整弁(19)は、前記切換弁(20)の供給ポート(35)に接続する高温側排出ポート(31)と、第2循環通路(18)を介してポンプ(22)の入口に接続する低温側排出ポート(32)とを有し、前記切換弁(20)は、前記高温側温度調整弁(21)の供給ポート(40)に接続する第1排出ポート(36)と、前記低温側冷却水循環回路(12)の戻し通路(39)に接続する第2排出ポート(37)とを備え、前記高温側温度調整弁(21)は、前記第2の循環経路(18)に接続する低温側の排出ポート(41)と、前記戻し通路(39)に接続する高温側の排出ポート(42)とを有し、前記低温側温度調整弁(19)が、その設定温度を超える冷却水を切換弁(20)へ流し、少なくともその設定温度以下の冷却水を前記第2循環通路(18)へ流すように構成されており、前記切換弁(20)が、内燃機関の負荷が所定よりも低い場合に前記第1排出ポート(36)から前記第1循環通路(17)を介して前記高温側温度調整弁(21)へ冷却水を流し、内燃機関の負荷が所定よりも高い場合に前記第2排出ポート(37)から前記戻し通路(39)に冷却水を排出するように構成されており、前記高温側温度調整弁(21)が、その設定温度を超える冷却水を高温側の前記排出ポート(42)から前記戻し通路(39)に流し、少なくともその設定温度以下の冷却水を低温側の前記排出ポート(41)から前記第2の循環通路(18)へ流すように構成されており、前記第2循環通路(18)の前記高温側温度調整弁(21)よりも下流側には、前記低温側冷却水循環回路(12)の低温側補充用通路(45)が接続されていることを特徴とする。
前記低温側温度調整弁19の設定温度は、内燃機関10の負荷が所定よりも高い場合に、シリンダ15周りの部材の温度が許容限界温度に達さないように当該部材を冷却する温度に設定され、前記高温側温度調整弁21の設定温度は、内燃機関10の負荷が所定よりも低い場合に、シリンダ15周りの部材の温度が低温腐食発生温度にまで低下しないように当該部材を冷却する温度に設定されていることが好ましい。
本発明によれば、内燃機関の負荷が所定よりも高い場合には、低温側温度調整弁により設定された温度に冷却水温度を維持し、シリンダ周りの部材温度が例えば許容限界温度に達さないように調整することができる。内燃機関の負荷が所定よりも低い場合には、高温側温度調整弁により設定された温度に冷却水温度を維持し、シリンダ周りの部材温度が例えば低温腐食発生温度にまで低下しないように調整することができる。
また、高温側温度調整弁から第1循環通路を流れる高温の冷却水が、該第1循環通路に接続された第2循環通路に入り込んだとしても、第2循環通路の上流端の低温側温度調整弁は切換弁側に冷却水を流すとともに第2循環通路側へ冷却水を流さないように弁体が作動しているので、冷却水が低温側温度調整弁を通って逆流するのを防止することができる。よって、安定した温度制御が可能となる。
図1は本発明の実施形態に係る冷却装置を適用した舶用発電機のエンジン10(内燃機関)の概略図である。このエンジン10には、図示しない排気ターボチャージャが設けられている。この排気ターボチャージャのコンプレッサ出口から延設されたブーストパイプ(図示せず)の下流端と、図示しないインテークマニホールドに下流端が接続されたインテークパイプ(図示せず)の上流端との間には、インタークーラ11が設けられている。
この場合、排気ターボチャージャのコンプレッサで加圧した給気は、インタークーラ11で熱交換された後にインテークマニホールドを介してエンジン10の燃焼室に送り込まれるようになっている。また、上記インタークーラ11は、冷却水としての低温の清水を循環させる低温側清水循環回路12に設けられている。この低温側清水循環回路12のインタークーラ11よりも上流側には、低温側清水ポンプ13が設けられ、この低温側清水ポンプ13によって、低温側清水循環回路12内を低温の清水が循環するようになっている。更に、上記インタークーラ11と低温側清水ポンプ13との間には、潤滑油を冷却する潤滑油用クーラ14が介設されている。
また、エンジン10のシリンダ15周りおよびエキゾーストマニホールド(図示せず)にはジャケットとしてのウォータージャケット(図示せず)が設けられている。このウォータージャケットは、冷却水としての清水を循環する高温側清水循環回路16に設けられ、ウォータージャケットに対し清水を供給してエンジン10のシリンダ15周りおよびエキゾーストマニホールドを冷却するようになっている。
なお、低温側清水循環回路12により潤滑油用クーラ14に供給される清水の温度は、約30〜38℃であり、高温側清水循環回路16を流れる清水温度よりも低温となっている。
(高温側清水循環回路16の構成)
上記高温側清水循環回路16は、第1循環通路17及び第2循環通路18を備え、第1循環通路17には、低温側温度調整弁19、切換弁20、高温側温度調整弁21、及び高温側清水ポンプ22が、この順で上流から下流へ直列に設けられている。
第1循環通路17は、高温側清水ポンプ22の吐出口とシリンダ周りのウォータージャケットとの間に設けられ且つ高温側清水ポンプ22から吐出された清水をウォータージャケットに供給するための供給通路24と、ウォータージャケットを通過した清水を低温側温度調整弁19へ流すための戻し通路25と、低温側温度調整弁19、切換弁20、高温側温度調整弁21、及び高温側清水ポンプ22の各間に設けられた中間通路26,27,28と、を有している。第1循環通路17(中間通路28)において、高温側温度調整弁21よりも下流側には、低温側清水循環回路12の供給通路46から低温の冷却水を補充するための補充通路45が接続されている。
(低温側温度調整弁19の構成)
低温側温度調整弁19は、供給ポート30と2つの排出ポート31、32とを有する方向切換弁よりなり、供給ポート30は前記戻し通路25の下流端に接続されている。一方の排出ポート31は、高温側排出ポートとされ、中間通路26の上流端に接続されている。他方の排出ポート32は、低温側排出ポートとされており、第2循環通路18の上流端に接続されている。第2循環通路18の下流端は、高温側温度調整弁21よりも下流側の第1循環通路17(中間通路28)に接続されている。
低温側温度調整弁19は、所定の設定温度を超える清水の一部又は全部を高温側排出ポート31から第1循環通路17(中間通路26)へ流し、当該清水の残り又は所定の設定温度以下の清水を低温側排出ポート32から第2循環通路18へ流すようになっている。低温側温度調整弁19の設定温度は、エンジン10の高負荷時に、低温側温度調整弁19によって温度調整された清水で冷却されるシリンダ15周りの部材が許容限界温度に達することがなく且つ低温腐食発生温度まで低下しないような温度に設定されており、具体的には、約60℃に設定されている。また、低温側温度調整弁19は、温度検知部と弁体(いずれも図示略)とを有し、温度検知部で検出された清水の温度に基づき弁体を作動するようになっている。弁体は例えばスライド式のものが用いられ、一方の排出ポートを完全に開くと他方の排出ポートを完全に閉じ、スライド途中で双方の排出ポートを同時に開くように構成されている。
(切換弁20の構成)
切換弁20は、供給ポート35と2つの排出ポート36、37とを有する方向切換弁よりなり、供給ポート35は中間通路26の下流端に接続され、一方の排出ポート36(第1排出ポート)は中間通路27の上流端に接続されている。他方の排出ポート37(第2排出ポート)には、排出通路38の上流端が接続され、この排出通路38の下流端は低温側清水循環回路12の戻し通路39に接続されている。
切換弁20は、エンジン10の負荷に応じて、供給ポート35に流入した清水の全量を、第1排出ポート36及び第2排出ポート37の一方に流すようになっている。具体的には、エンジン10の負荷が所定よりも大きい場合(高負荷の場合)には、第2排出ポート37から排出通路38を介して高温側清水循環回路16外へ清水を排出し、エンジン10の負荷が所定よりも小さい場合(低負荷の場合)には、第1排出ポート36から中間通路27を介して高温側温度調整弁21に清水を流すようになっている。なお、切換弁20の動作基準となるエンジン10の具体的な負荷に関しては後述する。
(高温側温度調整弁21の構成)
高温側温度調整弁21は、供給ポート40と2つの排出ポート41、42とを有する方向切換弁よりなり、供給ポート40は、中間通路27の下流端に接続されている。一方の排出ポート41は、低温側排出ポートとされ、中間通路28の上流端に接続されている。他方の排出ポート42は、高温側排出ポートとされ、排出通路43の上流端に接続され、この排出通路43の下流端は、上記排出通路38とともに低温側循環回路の戻し通路39に接続されている。なお、中間通路28の下流端は、高温側清水ポンプ22の吸引口に接続されている。
高温側温度調整弁21は、所定の設定温度を超える清水の一部を高温側排出ポート42から排出通路43を介して高温側清水循環回路16の外へ排出し、当該清水の残り又は所定の設定温度以下の清水を低温側排出ポート41から中間通路28を介して高温側清水ポンプ22に流すようになっている。高温側温度調整弁21の設定温度は、エンジン10の低負荷時に、高温側温度調整弁21によって温度調整された清水で冷却されるシリンダ15周りの部材が低温腐食発生温度まで低下せず且つ許容限界温度に達することもないような温度に設定されており、具体的には、約85℃に設定されている。なお、高温側温度調整弁21は、低温側温度調整弁19と同様に、温度検知部と弁体(いずれも図示略)とを有し、温度検知部で検出された清水の温度に基づき弁体を作動するようになっている。弁体は例えばスライド式が用いられ、一方の排出ポートを完全に開くと他方の排出ポートを完全に閉じ、スライド途中で双方の排出ポートを同時に開くようになっている。
(補充通路45の構成)
低温側清水循環回路12の供給通路46から第1循環通路17(中間通路28)に接続した補充通路45は、前記切換弁20又は高温側温度調整弁21から排出通路38,43を介して排出された清水の代わりに、高温側清水循環回路16に低温の清水を補充するためのものである。
(各温度調整弁19,21及び切換弁20の具体的動作)
図1に示すように、シリンダ15周りのウォータージャケットを通過した後の清水の温度が低温側温度調整弁19の設定温度以下(約60℃以下)の場合、該清水は、低温側温度調整弁19から第2循環通路18を流れ、その後中間通路28、高温側清水ポンプ22,供給通路24を流れて循環する。したがって、切換弁20及び高温側温度調整弁21には清水は流れず、また、低温側清水循環回路12から清水が補充されることもないので、完全に閉じた回路の中で清水が循環する。そのため、エンジン10の温度上昇に応じて清水の温度も上昇していく。
ウォータージャケットを通過した清水の温度が設定温度(約60℃)を超えると、低温側温度調整弁19の高温側排出ポート31が開き、清水の一部が中間通路26を介して切換弁20に流れる。
このとき、エンジン10が高負荷である場合、切換弁20は、流入した清水の全量を排出通路38から回路16外へ排出するように切り換えられるので、排出された清水の代わりに、低温側清水循環回路12から補充通路45を介して低温の清水が補充される。これによって、ウォータージャケットに流入する前の高温側清水循環回路16を流れる清水の温度が下がり、低温側温度調整弁19の設定温度(約60℃)を維持するように清水の温度が制御される。そのため、シリンダ15周りの部材が許容限界温度に達することはない。
一方、エンジン10が低負荷である場合、切換弁20は、流入した清水の全量を中間通路27を介して高温側温度調整弁21に流すように切り換えられるので、低温側温度調整弁19の設定温度(約60℃)を超える清水は、全量が高温側温度調整弁21に流入する。そして、清水が高温側温度調整弁21の設定温度(85℃)以下の場合には、全量が中間通路28を介して高温側清水ポンプ22に吸引される。したがって、低温側清水循環回路12から清水が補充されることなく、完全に閉じた回路の中で清水が循環する。
エンジン10の温度上昇に応じて循環する清水の温度が上昇し、設定温度(約85℃)を超えると、高温側温度調整弁21を流れる清水の一部が、排出通路43から回路外へ排出される。排出された清水の代わりに、低温側清水循環回路12から補充通路45を介して低温の清水が補充され、高温側清水循環回路16を流れる清水温度が下げられる。これにより、高温側温度調整弁21の設定温度(約85℃)を維持するように清水の温度が制御される。そのため、シリンダ15周りの部材が低温腐食発生温度にまで低下することはない。
以上のことから、エンジン10の高出力化によるシリンダ15周りの部材温度の上昇に対して、冷却装置の大幅な変更(清水流量返納、冷却装置外部への設備追加など)を伴うことなく、低負荷時の低温腐食発生を抑制することができるとともに、低負荷時の温度制御に伴う制約を受けないので高負荷時に十分な冷却性能を確保することができる。
なお、エンジン10の低負荷時、低温側温度調整弁19は、清水温度が高温側温度調整弁21の設定温度(約85℃)に達するまでに、低温側排出ポート32を完全に閉じ、高温側排出ポート31を完全に開いて、清水の全量を第1循環通路17(中間通路26)に流すようになっている。
第1循環通路17の中間通路28には第2循環通路18が接続されているので、高温側温度調整弁21から中間通路28に流れる清水は、第2循環通路18に入り込む可能性がある。しかし、清水の温度が約85℃であると、低温側温度調整弁19は、高温側排出ポート31を完全に開き、低温側排出ポート32を完全に閉じた状態となっているので、第2循環通路18から低温側温度調整弁19の低温側排出ポート32内に清水が逆流してしまうことはない。仮に、低温側温度調整弁19が、高温側排出ポート31及び低温側排出ポート32の双方を開いた状態にあったとしても、高温の清水が流入することによって、弁体が高温側排出ポート31を完全に開き且つ低温側排出ポート32を完全に閉じる方向に作用するため、逆流することはほとんどない。従って、従来技術(特許文献2)に比べて安定した温度調整が可能となる。
(切換弁20の動作基準)
本実施形態では、切換弁20の動作基準となるエンジン10の負荷は、エンジン10により駆動する発電機(図示略)の出力値Wが適用されている。図2は、発電機出力Wに対するシリンダ周りの部材温度の特性を示す特性図である。この図2において、WHは発電機の最大出力を示し、THは、シリンダ周りの部材の許容限界温度を示し、TLは、シリンダ周りの部材の低温腐食発生温度を示している。
切換弁20の動作基準となる発電機出力Wは、図2中の発電機出力Wbよりも低い発電機出力に設定されている。この発電機出力Wbは、切換弁20を第1排出ポート36側に切り換えて高温側温度調整弁21により温度調整された清水によって冷却されるシリンダ15周りの部材温度が、部材許容限界温度THに達するような出力である。
発電機出力Wは、図2中の許容範囲WX内で設定することができる。許容範囲WXは、低温側温度調整弁19により温度調整された清水によって冷却されるシリンダ15周りの部材温度が低温腐食発生温度TLにまで低下するような発電機出力Waと、高温側温度調整弁21により温度調整された清水によって冷却されるシリンダ周りの部材温度が部材許容限界温度THに達するような発電機出力Wbとの間に設定されている。
言い換えると、低温側温度調整弁19の設定温度は、切換弁20によって高温側温度調整弁21から低温側温度調整弁19に切り換えたとき(切換弁20を第1排出ポート36から第2排出ポート37に切り換えたとき)、低温側温度調整弁19で調整された冷却水によって低下するシリンダ周りの部材温度が低温腐食発生温度TLよりも高い温度となるように、設定されている。
〔その他の実施形態〕
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、適宜設計変更することができる。例えば、以下のように実施することができる。
(1)上記実施形態では、互いに設定温度が異なる2つの温度調整弁を直列に設けた例を示したが、互いに設定温度が異なる3つ以上の温度調整弁を、その設定温度が低いものから順に上流側から下流側へ直列に設け、各温度調整弁の各間に切換弁を設けたものとすることができる。
(2)補充通路45を介して高温側清水循環回路16に補充される低温の冷却水は、低温側清水循環回路12の冷却水に限定されるものではなく、他の冷却装置等で用いた冷却水とすることができる。
(3)上記実施形態では、舶用発電機のエンジン10を例示しているが、これに限定されるものではなく、陸上に設置されるエンジンはもちろんのこと、冷却装置が適用されるエンジンであればなんでもよい。
(4)上記実施形態では、切換弁20の動作基準となるエンジン10の負荷を表すものとして発電機出力を採用しているが、これに限定されるものではなく、例えば、排気ターボチャージャーのコンプレッサ給気圧力値、燃料噴射量(燃料噴射ポンプラック位置)、シリンダ周りの部材温度、エンジンのプロペラピッチ角、又は潤滑油温度などエンジンの負荷に起因する要因を採用し、これらを検出して切換弁を動作させるようにしてもよい。
本発明の実施形態に係る冷却装置を適用した舶用発電機のエンジン(内燃機関)の概略図である。 発電機出力に対するシリンダ周りの部材温度の特性を示す特性図である。 従来技術に係る冷却装置を適用した舶用発電機のエンジン(内燃機関)の概略図である。
符号の説明
10 エンジン
15 シリンダ
16 高温側清水循環回路
17 第1循環通路
18 第2循環通路
19 低温側温度調整弁
20 切換弁
21 高温側温度調整弁
38 排出通路
43 排出通路

Claims (2)

  1. 給気を冷却するためのインタークーラ(11)に対し低温の冷却水を供給して冷却する低温側冷却水循環回路(12)と、シリンダ(15)周りのジャケットに対し冷却水を供給して冷却する高温冷却水循環回路(16)と、を備えた内燃機関の冷却装置であって、
    前記高温側冷却水循環回路(16)のうち、前記ジャケットの出口に接続された第1循環通路(17)に、低温側温度調整弁(19)、内燃機関の負荷に応じて冷却水経路を切り換える切換弁(20)及び高温側温度調整弁(21)を、この順で上流から下流へ直列に備え、
    前記低温側温度調整弁(19)は、前記切換弁(20)の供給ポート(35)に接続する高温側排出ポート(31)と、第2循環通路(18)を介してポンプ(22)の入口に接続する低温側排出ポート(32)とを有し、
    前記切換弁(20)は、前記高温側温度調整弁(21)の供給ポート(40)に接続する第1排出ポート(36)と、前記低温側冷却水循環回路(12)の戻し通路(39)に接続する第2排出ポート(37)とを備え、
    前記高温側温度調整弁(21)は、前記第2の循環経路(18)に接続する低温側の排出ポート(41)と、前記戻し通路(39)に接続する高温側の排出ポート(42)とを有し、
    前記低温側温度調整弁(19)が、その設定温度を超える冷却水を切換弁(20)へ流し、少なくともその設定温度以下の冷却水を前記第2循環通路(18)へ流すように構成されており、
    前記切換弁(20)が、内燃機関の負荷が所定よりも低い場合に前記第1排出ポート(36)から前記第1循環通路(17)を介して前記高温側温度調整弁(21)へ冷却水を流し、内燃機関の負荷が所定よりも高い場合に前記第2排出ポート(37)から前記戻し通路(39)に冷却水を排出するように構成されており、
    前記高温側温度調整弁(21)が、その設定温度を超える冷却水を高温側の前記排出ポート(42)から前記戻し通路(39)に流し、少なくともその設定温度以下の冷却水を低温側の前記排出ポート(41)から前記第2の循環通路(18)へ流すように構成されており、
    前記第2循環通路(18)の前記高温側温度調整弁(21)よりも下流側には、前記低温側冷却水循環回路(12)の低温側補充用通路(45)が接続されている、ことを特徴とする、内燃機関の冷却装置。
  2. 前記低温側温度調整弁(19)の設定温度が、内燃機関(10)の負荷が所定よりも高い場合に、シリンダ(15)周りの部材の温度が許容限界温度に達さないように当該部材を冷却する温度に設定され、
    前記高温側温度調整弁(21)の設定温度が、内燃機関(10)の負荷が所定よりも低い場合に、シリンダ(15)周りの部材の温度が低温腐食発生温度にまで低下しないように当該部材を冷却する温度に設定されていることを特徴とする、請求項1記載の内燃機関の冷却装置。
JP2006137786A 2006-05-17 2006-05-17 内燃機関の冷却装置 Expired - Fee Related JP4649368B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006137786A JP4649368B2 (ja) 2006-05-17 2006-05-17 内燃機関の冷却装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006137786A JP4649368B2 (ja) 2006-05-17 2006-05-17 内燃機関の冷却装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007309171A JP2007309171A (ja) 2007-11-29
JP4649368B2 true JP4649368B2 (ja) 2011-03-09

Family

ID=38842267

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006137786A Expired - Fee Related JP4649368B2 (ja) 2006-05-17 2006-05-17 内燃機関の冷却装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4649368B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104612805A (zh) * 2015-02-12 2015-05-13 广西玉柴机器股份有限公司 可自动调节的柴油机的水泵装置

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0323310A (ja) * 1989-06-20 1991-01-31 Mazda Motor Corp エンジンの冷却装置
JPH1089071A (ja) * 1996-09-18 1998-04-07 Suzuki Motor Corp エンジンの冷却水温度制御装置

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0323310A (ja) * 1989-06-20 1991-01-31 Mazda Motor Corp エンジンの冷却装置
JPH1089071A (ja) * 1996-09-18 1998-04-07 Suzuki Motor Corp エンジンの冷却水温度制御装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104612805A (zh) * 2015-02-12 2015-05-13 广西玉柴机器股份有限公司 可自动调节的柴油机的水泵装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007309171A (ja) 2007-11-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8739745B2 (en) Cooling system and method
EP1952000B1 (en) Engine cooling medium circulation device
RU2349768C1 (ru) Система и способ охлаждения двигателя внутреннего сгорания
EP2663753B1 (en) Thermal management system and method
US8342141B2 (en) Engine cooling system
JP2007519853A (ja) 排気および給気を冷却するための装置
SE530376C2 (sv) Hög-/lågtemperaturvattenkylsystem med en vattenkyld laddluftkylare för en förbränningsmotor och en fyrvägsventil för ett sådant system
JP4288200B2 (ja) 高、低温冷却系を備えた内燃機関
CN107662696B (zh) 用于操作船舶的冷却***的方法
US10047662B2 (en) Cooling system for engine
WO2013080980A1 (ja) エンジンの冷却装置及びその冷却方法
JP4649368B2 (ja) 内燃機関の冷却装置
US10662862B2 (en) Engine cooling system with two cooling circuits
JP3692426B2 (ja) エンジンの冷却システム
JP2008095694A (ja) エンジンの冷却装置
JP6131937B2 (ja) ロータリピストンエンジンの冷却装置
WO2013011768A1 (ja) エンジンの冷却回路
JP2001342911A (ja) 内燃機関の排気再循環制御装置
JP2010096138A (ja) エンジンの冷却装置
JP2019031158A (ja) 船舶用冷却システム
JP5790038B2 (ja) エンジン冷却装置
WO2012108030A1 (ja) 冷却システム
JP5918474B2 (ja) Egr装置
JP6958196B2 (ja) 冷却システム
JP2016109081A (ja) インタークーラの温度制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080117

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100323

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100521

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20101207

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20101213

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131217

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4649368

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131217

Year of fee payment: 3

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131217

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131217

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141217

Year of fee payment: 4

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees