JP4648525B2 - 燃料油組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、錆止め性能、酸化防止性能、金属不活性化性能およびガソリンエンジンの吸気系および燃焼室内の清浄性能に優れた燃料油添加剤を含有してなる燃料油組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ガソリンや軽油などの燃料油には、一般に種々の目的で各種添加剤が添加されている。このような添加剤としては、例えば燃料配管、燃料ポンプ等の金属の腐食を防止するための錆止め剤、ガソリンや軽油の酸化による劣化を防止するための酸化防止剤、ガソリンや軽油に微量に混入する銅などの金属を不活性な状態にして燃料の酸化を防止するための金属不活性化剤などがある。また、内燃エンジンの燃料系統や燃焼室内にスラッジやデポジットなどの沈積物が生じると、エンジンの機能が低下したり、排気ガス中の一酸化炭素濃度や未燃炭化水素濃度が上昇するなどの不都合が起こる。このため、気化器または電子制御式噴射装置、吸気弁などのデポジットの除去や付着防止を主な目的として、ガソリンなどの燃料油には、ポリエーテルアミン系やポリアミン系などのガソリン清浄剤を添加する場合も多い。
【0003】
特開平9−208971号公報には、アルケニルコハク酸を5〜30重量%含有するアルケニルコハク酸系錆止め剤と少なくとも一種のアミン系添加剤、例えば、アミン系清浄剤、アミン系金属不活性剤及びアミン系酸化防止剤の添加剤とからなる燃料油添加剤が提案されている。この発明によると、錆止め剤とその他のアミン系添加剤を併用した場合でも、低含有量のアルケニルコハク酸を含む錆止め剤を用いることにより、コハク酸とアミンの塩基との反応を抑制することができ、従って、各添加剤の性能の低下を防止でき、また該反応により生成した不溶解物による沈殿の発生を防止できるとされている。そして上記公報には、アミン系清浄剤としてポリブテニルアミン、ポリエーテルアミンが、アミン系金属不活性剤としてN, N'―ジサリチリデン―1,2−ジアミノプロパンが、アミン系酸化防止剤としてN, N'―ジ―sec−ブチル―p−フェニレンジアミンがそれぞれ代表例として用いられた例が記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
自動車製造会社の新車工場において充填される燃料等の一部の特殊な用途の燃料では、使用されるまでの期間が通常の燃料に比べ長いために、特に酸化防止性能をより長く持続させる必要から酸化防止剤を他の成分に比べて多量に添加する場合がある。このような燃料油の場合、従来知られている組成物では、沈殿物を生じやすく、フィルターの目詰まりを発生させるなどの問題があった。
そこで、本発明は、このような実情に鑑みなされたものであり、その目的は、錆止め剤、金属不活性剤、酸化防止剤、そして清浄剤の四成分を含有する燃料油組成物において、個々の添加剤の性能が十分に維持され、かつ添加剤同士の反応による燃料油に不溶な沈殿物の生成も生じにくく、特に長期間の酸化劣化防止機能に優れた燃料油組成物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、特に長期間の酸化劣化防止機能に優れた燃料油組成物を開発すべく研究を重ねた結果、例えば、アルケニルコハク酸無水物とアルキレングリコールを反応させてなる錆止め剤、またはアルケニルコハク酸無水物とアルキレンオキサイドを反応させた後水を反応させてなる錆止め剤と金属不活性化剤、酸化防止剤、そして清浄剤とを併用した系においては、酸化防止剤として、アミン系の代わりにフェノール系の添加剤を使用することで上記問題が解消された燃料油組成物を製造できることを見出した。特に例えば、アルケニルコハク酸ハーフエステルを主成分とする錆止め剤を使用することで、酸化防止剤を大量に含む場合でも沈殿物の生成を更に低減できることを見出した。
【0006】
本発明は、燃料油に、一般式(1)で表される錆止め剤、サリチリデン誘導体、フェノール系酸化防止剤及びアミン系清浄分散剤を含有してなる燃料油組成物であって、一般式(1)において、aおよびcのうちいずれか一方が0で表される化合物を50質量%以上含有することを特徴とする燃料油組成物にある。
【0007】
【化2】
Figure 0004648525
(一般式(1)において、R1及びR2は、それぞれ別個に炭素数1〜30の炭化水素基を表し、R3、R4及びR5は、それぞれ別個に炭素数2〜6のアルキレン基を表し、aは0または1を表し、bは0〜5の整数を表し、そしてcは0または1を表す。)
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の燃料油組成物は、燃料油に、一般式(1)で表される錆止め剤、サリチリデン誘導体、フェノール系酸化防止剤及びアミン系清浄分散剤を含有してなるものである。
以下にこれらの成分について順に説明する。
本発明に用いる錆止め剤は、一般式(1)で表される化合物である。
【0009】
【化3】
Figure 0004648525
上記R1及びR2は、それぞれ別個に炭素数1〜30の炭化水素基を表す。R3、R4及びR5は、それぞれ別個に炭素数2〜6のアルキレン基を表す。aは0または1を表し、bは0〜5の整数を表し、そしてcは0または1を表す。
上記一般式(1)において、a、b、及びcがともに0の場合には、一般式(1)は下記一般式(2)で表される。
【0010】
【化4】
Figure 0004648525
上記R1は炭素数1〜30の炭化水素基を表す。
【0011】
上記一般式(1)(一般式(2)を含む)で表される錆止め剤について詳述する。
炭素数1〜30の炭化水素基で表されるR1及びR2の好ましい例としては、炭素数1〜24の直鎖状または分枝状のアルキル基、炭素数5〜13のシクロアルキル基又はアルキルシクロアルキル基(アルキル置換シクロアルキル基、以下同様である)、炭素数2〜24の直鎖状又は分枝状のアルケニル基、炭素数6〜18のアリール基またはアルキルアリール基(アルキル置換アリール基、以下同様である)、及び炭素数7〜19のアリールアルキル基(アリール置換アルキル基、以下同様である)を挙げることができる。
【0012】
上記アルキル基の好ましい例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、直鎖または分枝ペンチル基、直鎖または分枝ヘキシル基、直鎖または分枝ヘプチル基、直鎖または分枝オクチル基、直鎖または分枝ノニル基、直鎖または分枝デシル基、直鎖または分枝ウンデシル基、直鎖または分枝ドデシル基、直鎖または分枝トリデシル基、直鎖または分枝テトラデシル基、直鎖または分枝ペンタデシル基、直鎖または分枝ヘキサデシル基、直鎖または分枝ヘプタデシル基、直鎖または分枝オクタデシル基、直鎖または分枝ノナデシル基、直鎖または分枝イコシル基、直鎖または分枝ヘンイコシル基、直鎖または分枝ドコシル基、直鎖または分枝トリコシル基及び直鎖または分枝テトラコシル基などが挙げられる。
【0013】
上記シクロアルキル基の好ましい例としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基などが挙げられ、また同じく上記アルキルシクロアルキル基の好ましい例としては、メチルシクロペンチル基、ジメチルシクロペンチル基(すべての置換異性体を含む)、エチルシクロペンチル基(すべての置換異性体を含む)、直鎖または分枝プロピルシクロペンチル基(すべての置換異性体を含む)、エチルメチルシクロペンチル基(すべての置換異性体を含む)、トリメチルシクロペンチル基(すべての置換異性体を含む)、ジエチルシクロペンチル基(すべての置換異性体を含む)、エチルジメチルシクロペンチル基(すべての置換異性体を含む)、直鎖または分枝プロピルメチルシクロペンチル基(すべての置換異性体を含む)、直鎖または分枝プロピルエチルシクロペンチル基(すべての置換異性体を含む)、ジ−直鎖または分枝プロピルシクロペンチル基(すべての置換異性体を含む)、直鎖または分枝プロピルエチルメチルシクロペンチル基(すべての置換異性体を含む)、メチルシクロヘキシル基(すべての置換異性体を含む)、ジメチルシクロヘキシル基(すべての置換異性体を含む)、エチルシクロヘキシル基(すべての置換異性体を含む)、直鎖または分枝プロピルシクロヘキシル基(すべての置換異性体を含む)、エチルメチルシクロヘキシル基(すべての置換異性体を含む)、トリメチルシクロヘキシル基(すべての置換異性体を含む)、ジエチルシクロヘキシル基(すべての置換異性体を含む)、エチルジメチルシクロヘキシル基(すべての置換異性体を含む)、直鎖または分枝プロピルメチルシクロヘキシル基(すべての置換異性体を含む)、直鎖または分枝プロピルエチルシクロヘキシル基(すべての置換異性体を含む)、ジ−直鎖または分枝プロピルシクロヘキシル基(すべての置換異性体を含む)、直鎖または分枝プロピルエチルメチルシクロヘキシル基(すべての置換異性体を含む)、メチルシクロヘプチル基(すべての置換異性体を含む)、ジメチルシクロヘプチル基(すべての置換異性体を含む)、エチルシクロヘプチル基(すべての置換異性体を含む)、直鎖または分枝プロピルシクロヘプチル基(すべての置換異性体を含む)、エチルメチルシクロヘプチル基(すべての置換異性体を含む)、トリメチルシクロヘプチル基(すべての置換異性体を含む)、ジエチルシクロヘプチル基(すべての置換異性体を含む)、エチルジメチルシクロヘプチル基(すべての置換異性体を含む)、直鎖または分枝プロピルメチルシクロヘプチル基(すべての置換異性体を含む)、直鎖または分枝プロピルエチルシクロヘプチル基(すべての置換異性体を含む)、ジ−直鎖または分枝プロピルシクロヘプチル基(すべての置換異性体を含む)及び直鎖または分枝プロピルエチルメチルシクロヘプチル基(すべての置換異性体を含む)などが挙げられる。
【0014】
上記アルケニル基の好ましい例としては、ビニル基、プロペニル基、イソプロペニル基、直鎖または分枝ブテニル基、直鎖または分枝ペンテニル基、直鎖または分枝ヘキセニル基、直鎖または分枝ヘプテニル基、直鎖または分枝オクテニル基、直鎖または分枝ノネニル基、直鎖または分枝デセニル基、直鎖または分枝ウンデセニル基、直鎖または分枝ドデセニル基、直鎖または分枝トリデセニル基、直鎖または分枝テトラデセニル基、直鎖または分枝ペンタデセニル基、直鎖または分枝ヘキサデセニル基、直鎖または分枝ヘプタデセニル基、オレイル基などの直鎖または分枝オクタデセニル基、直鎖または分枝ノナデセニル基、直鎖または分枝イコセニル基、直鎖または分枝ヘンイコセニル基、直鎖または分枝ドコセニル基、直鎖または分枝トリコセニル基及び直鎖または分枝テトラコセニル基、ジプロペニル基、トリプロペニル基、テトラプロペニル基、ペンタプロペニル基、ヘキサプロペニル基、ヘプタプロペニル基、オクタプロペニル基、ジブテニル基、トリブテニル基、テトラブテニル基、ペンタブテニル基、ヘキサブテニル基などが挙げられる。なお、二重結合を二個有するブタジエニル基も好ましい例として挙げることができる。
【0015】
上記アリール基の好ましい例としては、フェニル基及びナフチル基などが挙げられ、また同じく上記アルキルアリール基の好ましい例としては、トリル基(すべての置換異性体を含む)、キシリル基(すべての置換異性体を含む)、エチルフェニル基(すべての置換異性体を含む)、直鎖または分枝プロピルフェニル基(すべての置換異性体を含む)、エチルメチルフェニル基(すべての置換異性体を含む)、トリメチルフェニル基(すべての置換異性体を含む)、直鎖または分枝ブチルフェニル基(すべての置換異性体を含む)、直鎖または分枝プロピルメチルフェニル基(すべての置換異性体を含む)、ジエチルフェニル基(すべての置換異性体を含む)、エチルジメチルフェニル基(すべての置換異性体を含む)、テトラメチルフェニル基(すべての置換異性体を含む)、直鎖または分枝ペンチルフェニル基(すべての置換異性体を含む)、直鎖または分枝ヘキシルフェニル基(すべての置換異性体を含む)、直鎖または分枝ヘプチルフェニル基(すべての置換異性体を含む)、直鎖または分枝オクチルフェニル基(すべての置換異性体を含む)、直鎖または分枝ノニルフェニル基(すべての置換異性体を含む)、直鎖または分枝デシルフェニル基(すべての置換異性体を含む)、直鎖または分枝ウンデシルフェニル基(すべての置換異性体を含む)、直鎖または分枝ドデシルフェニル基(すべての置換異性体を含む)などが挙げられる。
【0016】
上記アリールアルキル基の好ましい例としては、ベンジル基、メチルベンジル基(すべての置換異性体を含む)、ジメチルベンジル基(すべての置換異性体を含む)、フェネチル基、メチルフェネチル基(すべての置換異性体を含む)及びジメチルフェネチル基(すべての置換異性体を含む)などが挙げられる。
【0017】
上記R1及びR2は、それぞれ別個に炭素数1〜24の直鎖状または分枝状のアルキル基、あるいは炭素数2〜24の直鎖状又は分枝状のアルケニル基であることが好ましく、更に好ましくは、炭素数1〜18の直鎖状または分枝状のアルキル基、あるいは炭素数2〜18の直鎖状又は分枝状のアルケニル基であり、特に好ましくは、炭素数6〜18の分岐状アルケニル基であり、最も好ましくは、トリプロペニル基、テトラプロペニル基、ペンタプロペニル基である。
【0018】
上記炭素数2〜6のアルキレン基で表されるR3、R4及びR5しては、例えば、エチレン基、プロピレン基(1−メチルエチレン基、2−メチルエチレン基)、トリメチレン基、ブチレン基(1−エチルエチレン基、2−エチルエチレン基)、1,2−ジメチルエチレン基、2,2−ジメチルエチレン基、1−メチルトリメチレン基、2−メチルトリメチレン基、3−メチルトリメチレン基、テトラメチレン基、ペンチレン基(1−ブチルエチレン基、2−ブチルエチレン基)、1−エチル−1−メチルエチレン基、1−エチル−2−メチルエチレン基、1,1,2−トリメチルエチレン基、1,2,2−トリメチルエチレン基、1−エチルトリメチレン基、2−エチルトリメチレン基、3−エチルトリメチレン基、1,1−ジメチルトリメチレン基、1,2−ジメチルトリメチレン基、1,3−ジメチルトリメチレン基、2,3−ジメチルトリメチレン基、3,3−ジメチルトリメチレン基、1−メチルテトラメチレン基、2−メチルテトラメチレン基、3−メチルテトラメチレン基、4−メチルテトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキシレン基(1−ブチルエチレン基、2−ブチルエチレン基)、1−メチル−1−プロピルエチレン基、1−メチル−2−プロピルエチレン基、2−メチル−2−プロピルエチレン基、1,1−ジエチルエチレン基、1,2−ジエチルエチレン基、2,2−ジエチルエチレン基、1−エチル−1,2−ジメチルエチレン基、1−エチル−2,2−ジメチルエチレン基、2−エチル−1,1−ジメチルエチレン基、2−エチル−1,2−ジメチルエチレン基、1,1,2,2−テトラメチルエチレン基、1−プロピルトリメチレン基、2−プロピルトリメチレン基、3−プロピルトリメチレン基、1−エチル−1−メチルトリメチレン基、1−エチル−2−メチルトリメチレン基、1−エチル−3−メチルトリメチレン基、2−エチル−1−メチルトリメチレン基、2−エチル−2−メチルトリメチレン基、2−エチル−3−メチルトリメチレン基、3−エチル−1−メチルトリメチレン基、3−エチル−2−メチルトリメチレン基、3−エチル−3−メチルトリメチレン基、1,1,2−トリメチルトリメチレン基、1,1,3−トリメチルトリメチレン基、1,2,2−トリメチルトリメチレン基、1,2,3−トリメチルトリメチレン基、1,3,3−トリメチ ルトリメチレン基、2,2,3−トリメチルトリメチレン基、2,3,3−トリメチルトリメチレン基、1−エチルテトラメチレン基、2−エチルテトラメチレン基、3−エチルテトラメチレン基、4−エチルテトラメチレン基、1,1−ジメチルテトラメチレン基、1,2−ジメチルテトラメチレン基、1,3−ジメチルテトラメチレン基、1,4−ジメチルテトラメチレン基、2,2−ジメチルテトラメチレン基、2,3−ジメチルテトラメチレン基、2,4−ジメチルテトラメチレン基、3,3−ジメチルテトラメチレン基、3,4−ジメチルテトラメチレン基、4,4−ジメチルテトラメチレン基、1−メチルペンタメチレン基、2−メチルペンタメチレン基、3−メチルペンタメチレン基、4−メチルペンタメチレン基、5−メチルペンタメチレン基及びヘキサメチレン基などが挙げられる。
【0019】
上記R3、R4及びR5は、それぞれ別個に炭素数2〜4のアルキレン基であることが好ましく、具体的には例えば、エチレン基、プロピレン基(1−メチルエチレン基、2−メチルエチレン基)、ブチレン基(1−エチルエチレン基、2−エチルエチレン基)、1,2−ジメチルエチレン基、1,1−ジメチルエチレン基及び2,2−ジメチルエチレン基が挙げられる。
【0020】
上記bは、好ましくは0〜3の整数であり、より好ましくは0〜2の整数である。
【0021】
一般式(2)で表されるようなジカルボン酸は、例えば、オレフィンと無水マレイン酸とを反応させ、アルケニルコハク酸無水物を合成し、これと水を反応させることにより製造することができる。また一般式(1)で表されるようなコハク酸誘導体は、例えば、上記のようにして得たアルケニルコハク酸無水物とアルキレングリコールとを反応させるかまたはアルキレンオキサイドとを反応させ、さらに水で反応を停止させることにより製造することができる。更に一般式(1)において、a及びcのいずれか一方が0で表される化合物(ハーフエステル)は、例えば、アルケニルコハク酸無水物とアルキレングリコールあるいはアルキレンオキサイドとを等量反応させることにより製造することができる。なお、上記の例のアルケニルコハク酸無水物とアルキレングリコールやアルキレンオキサイドとの反応においては、アルケニルコハク酸とアルキレングリコール等が反応した後、グリコールの未反応水酸基とアルケニルコハク酸がさらに反応し、2量体以上の化合物が生成したり、カルボン酸が2つともエステル化されたジエステルや反応系中の水分、およびアルキレンオキサイドの付加反応における反応を終了させるために添加する水との反応によるジカルボン酸も副生成物として併せて製造される。
【0022】
一般式(2)で表されるジカルボン酸は、錆止め性能は高いものの、大量に存在するとその他の添加剤、特にアミン系の金属不活性化剤であるサリチリデン誘導体が分解して生成するジアミンとの二価の酸と二価の塩基との反応により、燃料油に不溶なポリマー状塩物質が沈殿しやすくなる。一方、カルボン酸が2つともエステル化されたジエステルは、錆止め性能が低く、この成分が多く含まれると、必要な錆止め性能を維持するために大量の錆止め剤の添加が必要になる。これらのことから良好な錆止め性能を維持し、かつ他の添加剤との反応により性能低下を起したり、燃料油に不溶な成分を生成させないためには、一般式(1)で表される錆止め剤には、aおよびcのどちらか一方が0であり、他方が1であるような例えば、アルケニルコハク酸などのハーフエステルが錆止め剤全体に対して50質量%以上含有されていることがより好ましく、70質量%以上含有されていることが特に好ましく、85質量%以上含有されていることが最も好ましい。一方、一般式(2)で表されるようなジカルボン酸は、燃料油に不溶な成分を生成させないために錆止め剤全体に対して50質量%以下であることが好ましく、30質量%以下であることがより好ましく、15質量%以下であることが特に好ましく、5質量%以下であることが最も好ましい。
【0023】
本発明に用いるサリチリデン誘導体は金属不活性化剤として機能する。金属不活性化剤は、タンクや配管等から微量に混入した燃料油中の金属微粒子が触媒の役割を果たし、燃料の酸化劣化を促進するのを抑制する。これにより、燃料の酸化劣化が抑制される。サリチリデン誘導体の好ましい例としては、N−サリチリデンエチレンアミン、N,N´−ジサリチリデン−1,2−ジアミノエタン、N,N´−ジサリチリデン−1,2−ジアミノプロパン、N,N´−ジサリチリデンヒドラジン、N,N´−ビス(α,5−ジメチルサリチリデン)エチレンジアミン、N,N´−ビス(α,5−ジメチルサリチリデン)−1,3−プロパンジアミン、N,N´−ビス(α,5−ジメチルサリチリデン)−1,6−ヘキサンジアミン、及びN,N´−ビス(α,5−ジメチルサリチリデン)−1,10−デカンジアミンを挙げることができる。これらの中では、N,N´−ジサリチリデン−1,2−ジアミノプロパンであることが最も好ましい。
【0024】
本発明で用いるフェノール系酸化防止剤は、下記一般式(3)で表される化合物である。
【0025】
【化5】
Figure 0004648525
【0026】
(上記一般式(3)において、R30は、塩素原子、炭素数1〜30の炭化水素基、炭素数1〜30のアルコキシ基、炭素数1〜30のアルカノール基、カルボキシル基(−COOH)、スルホン酸基(−SO3H)、炭素数1〜30のアミド基、炭素数1〜30のアミノアルキル基又は−SR31(R31は炭素数1〜30の炭化水素基)を表し、a1およびb1はそれぞれ0〜5の整数を表し、かつa1+b1は0〜5の整数を表す。)
【0027】
上記R30及びR31で表される炭素数1〜30の炭化水素基は、各々別個に前記一般式(1)の炭素数1〜30の炭化水素基の例示と同じ物を挙げることができる。またR30で表される炭素数1〜30のアルコキシ基、炭素数1〜30のアルカノール基、炭素数1〜30のアミド基及び炭素数1〜30のアミノアルキル基を構成するアルキル基も前記一般式(1)で説明したアルキル基の具体例と同じ物を挙げることができる。上記R30及びR31は各々別個に炭素数1〜8のアルキル基が好ましく、特に好ましくは、炭素数1〜4のアルキル基である。a1は、0〜3の整数が好ましく、特に好ましくは、0〜2の整数である。b1は1〜4の整数が好ましく、特に好ましくは、1〜3の整数である。
【0028】
上記一般式(3)で表されるフェノール系酸化防止剤の好ましい具体例としては、2,4,6−トリ−tert−ブチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2,4−ジ−tert−ブチル−6−メチルフェノール、2,4−ジ−tert−ブチルフェノール、2−tert−ブチル−4,6−ジメチルフェノール、2−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2−tert−ブチル−6−メチルフェノール、2−tert−ブチルフェノール、4−tert−ブチル−2,6−ジメチルフェノール、4−tert−ブチル−2−メチルフェノール、4−tert−ブチルフェノール、p−ノニルフェノール、4−ヒドロキシメチル−2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、4−メトキシフェノール、4−メトキシ−2−tert−ブチルフェノール、4−メトキシ−3−tert−ブチルフェノール、1,4−ジヒドロキシ−2,5−ジ−tert−ブチルベンゼン、4−エチル−2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、3−メチル−4−イソプロピルフェノール、2−tert−ブチル−5−メチルフェノール、シクロヘキシルフェノール、フェニルフェノール、1,2−ジヒドロキシベンゼン、1,4−ジヒドロキシベンゼン、1,2−ジヒドロキシ−4−tert−ブチルベンゼン、4−ドデカノイルアミドフェノール、4−オクタデカノイルアミドフェノールを挙げることができる。
【0029】
上記のフェノール系酸化防止剤の中では、2,4,6−トリ−tert−ブチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2,4−ジ−tert−ブチル−6−メチルフェノール、2,4−ジ−tert−ブチルフェノール、2−tert−ブチル−4,6−ジメチルフェノール、2−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2−tert−ブチル−6−メチルフェノール、2−tert−ブチルフェノール、4−tert−ブチル−2,6−ジメチルフェノール、4−tert−ブチル−2−メチルフェノール、又は4−tert−ブチルフェノールがより好ましく、2,4,6−トリ−tert−ブチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2−tert−ブチル−4,6−ジメチルフェノール、又は2−tert−ブチルフェノールであることが最も好ましい。これらの化合物は、1種類の化合物を単独で使用してもよいし、あるいは二種以上の化合物を組み合わせて使用してもよい。
【0030】
本発明で用いるアミン系清浄分散剤としては、具体的には、ポリエーテルアミン及び/又はポリアルケニルアミンを挙げることができる。
ポリエーテルアミンは、少なくとも1個の塩基性窒素を有し、これらがエーテル結合を介して結合した重合物である。本発明に用いるポリエーテルアミンの重量平均分子量は100〜15000の範囲にあり、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)は1.01〜1.5の範囲にあることが好ましい。更にポリエーテルアミンには、アミド基、ウレタン基、エステル基、カーボネート基等の結合基やポリエーテル骨格の側鎖にグリシジル基等が含まれていても構わない。
本発明で用いるポリエーテルアミンは、一般式(4)で表される化合物であることが好ましい。
【0031】
【化6】
Figure 0004648525
【0032】
(一般式(4)において、R41は水素原子または炭素数1〜30の炭化水素基を示し、R42、R43、R44およびR45はそれぞれ別個に水素原子、炭素数1〜16の炭化水素基または下記一般式(5)で表される基を示し、R46は炭素数1〜10のアルキレン基を示し、Zは下記A群の中から選ばれる基を示し、Xは下記B群の中から選ばれる基を示し、a2は1〜200の整数であり、b2は0または1であり、c2は0または1であり、dは1〜3の整数であり、eは0〜2の整数であり、そしてd+e=3である。)
【0033】
【化7】
Figure 0004648525
(一般式(5)において、R47およびR48はそれぞれ個別に水素原子、炭素数1〜10の炭化水素基または炭素数2〜10のアルコキシアルキル基を示し、R49は炭素数2〜6のアルキレン基、あるいはアルコキシアルキル基を置換基として有する総炭素数4〜10のアルキレン基を示し、R50は水素原子または炭素数1〜30の炭化水素基を示し、そしてfは0〜50の整数を示す。)
【0034】
A群
A1:−O−CO−
A2:−CO−
A3:−O−CO−R51
A4:−O−CO−O−R52
A5:−CO−O−R53
(上記R51、R52、及びR53はそれぞれ別個に炭素数1〜6のアルキレン基を示す。)
【0035】
B群
B1:水素原子
B2:炭素数1〜30の炭化水素基
B3:下記一般式(6)で表されるアルカノール基
−R54−OH (6)
(一般式(6)において、R54は炭素数1〜6のアルキレン基を示す。)
B4:下記一般式(7)で表される含窒素基
【0036】
【化8】
Figure 0004648525
【0037】
(一般式(7)において、R55は炭素数2〜6のアルキレン基を示し、R56は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基または上記一般式(6)で表される基を示し、R57は水素原子、炭素数1〜30の炭化水素基または上記一般式(6)で表される基を示し、そしてgは1〜5の整数を示す。)
B5:下記一般式(8)で表される基
【0038】
【化9】
Figure 0004648525
(一般式(8)において、R58は炭素数2〜6のアルキレン基を表し、R59、R60、R61及びR62は、それぞれ別個に水素原子、炭素数1〜10の炭化水素基又は水酸基を表し、Yは、メチレン基、炭素数1〜10の炭化水素基もしくは水酸基で置換されたイミノ基または酸素原子を表し、hは、e=1のとき1を表し、e=2のときは、0又は1を表す(但し、h=0のとき一般式(8)の中のN(窒素原子)は、一般式(4)の中の窒素原子に該当する。))
【0039】
一般式(4)で表されるポリエーテルアミンについて詳述する。
上記R41は、水素原子であるか、あるいは炭素数1〜24の直鎖状または分枝状のアルキル基、炭素数5〜13のシクロアルキル基またはアルキルシクロアルキル基、炭素数2〜24の直鎖状または分枝状のアルケニル基、炭素数6〜18のアリール基またはアルキルアリール基、炭素数7〜19のアリールアルキル基のいずれかであることが好ましい。
【0040】
41で表される好ましいアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、直鎖または分枝ペンチル基、直鎖または分枝ヘキシル基、直鎖または分枝ヘプチル基、直鎖または分枝オクチル基、直鎖または分枝ノニル基、直鎖または分枝デシル基、直鎖または分枝ウンデシル基、直鎖または分枝ドデシル基、直鎖または分枝トリデシル基、直鎖または分枝テトラデシル基、直鎖または分枝ペンタデシル基、直鎖または分枝ヘキサデシル基、直鎖または分枝ヘプタデシル基、直鎖または分枝オクタデシル基、直鎖または分枝ノナデシル基、直鎖または分枝イコシル基、直鎖または分枝ヘンイコシル基、直鎖または分枝ドコシル基、直鎖または分枝トリコシル基及び直鎖または分枝テトラコシル基などが挙げられる。
【0041】
41で表される好ましいシクロアルキル基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基などを挙げることができる。また同じく好ましいアルキルシクロアルキル基としては、例えば、メチルシクロペンチル基、ジメチルシクロペンチル基(すべての置換異性体を含む)、エチルシクロペンチル基(すべての置換異性体を含む)、直鎖または分枝プロピルシクロペンチル基(すべての置換異性体を含む)、エチルメチルシクロペンチル基(すべての置換異性体を含む)、トリメチルシクロペンチル基(すべての置換異性体を含む)、ジエチルシクロペンチル基(すべての置換異性体を含む)、エチルジメチルシクロペンチル基(すべての置換異性体を含む)、直鎖または分枝プロピルメチルシクロペンチル基(すべての置換異性体を含む)、直鎖または分枝プロピルエチルシクロペンチル基(すべての置換異性体を含む)、ジ−直鎖または分枝プロピルシクロペンチル基(すべての置換異性体を含む)、直鎖または分枝プロピルエチルメチルシクロペンチル基(すべての置換異性体を含む)、メチルシクロヘキシル基(すべての置換異性体を含む)、ジメチルシクロヘキシル基(すべての置換異性体を含む)、エチルシクロヘキシル基(すべての置換異性体を含む)、直鎖または分枝プロピルシクロヘキシル基(すべての置換異性体を含む)、エチルメチルシクロヘキシル基(すべての置換異性体を含む)、トリメチルシクロヘキシル基(すべての置換異性体を含む)、ジエチルシクロヘキシル基(すべての置換異性体を含む)、エチルジメチルシクロヘキシル基(すべての置換異性体を含む)、直鎖または分枝プロピルメチルシクロヘキシル基(すべての置換異性体を含む)、直鎖または分枝プロピルエチルシクロヘキシル基(すべての置換異性体を含む)、ジ−直鎖または分枝プロピルシクロヘキシル基(すべての置換異性体を含む)、直鎖または分枝プロピルエチルメチルシクロヘキシル基(すべての置換異性体を含む)、メチルシクロヘプチル基(すべての置換異性体を含む)、ジメチルシクロヘプチル基(すべての置換異性体を含む)、エチルシクロヘプチル基(すべての置換異性体を含む)、直鎖または分枝プロピルシクロヘプチル基(すべての置換異性体を含む)、エチルメチルシクロヘプチル基(すべての置換異性体を含む)、トリメチルシクロヘプチル基(すべての置換異性体を含む)、ジエチルシクロヘプチル基(すべての置換異性体を含む)、エチルジメチルシクロヘプチル基(すべての置換異性体を含む)、直鎖または分枝プロピルメチルシクロヘプチル基(すべての置換異性体を含む)、直鎖または分枝プロピルエチルシクロヘプチル基(すべての置換異性体を含む)、ジ−直鎖または分枝プロピルシクロヘプチル基(すべての置換異性体を含む)、及び直鎖または分枝プロピルエチルメチルシクロヘプチル基(すべての置換異性体を含む)などが挙げられる。
【0042】
41で表される好ましいアルケニル基としては、例えば、ビニル基、プロペニル基、イソプロペニル基、直鎖または分枝ブテニル基、直鎖または分枝ペンテニル基、直鎖または分枝ヘキセニル基、直鎖または分枝ヘプテニル基、直鎖または分枝オクテニル基、直鎖または分枝ノネニル基、直鎖または分枝デセニル基、直鎖または分枝ウンデセニル基、直鎖または分枝ドデセニル基、直鎖または分枝トリデセニル基、直鎖または分枝テトラデセニル基、直鎖または分枝ペンタデセニル基、直鎖または分枝ヘキサデセニル基、直鎖または分枝ヘプタデセニル基、オレイル基などの直鎖または分枝オクタデセニル基、直鎖または分枝ノナデセニル基、直鎖または分枝イコセニル基、直鎖または分枝ヘンイコセニル基、直鎖または分枝ドコセニル基、直鎖または分枝トリコセニル基、及び直鎖または分枝テトラコセニル基が挙げられる。なお、二重結合を二個有するブタジエニル基も好ましい例として挙げることができる。
【0043】
41で表される好ましいアリール基としては、例えば、フェニル基及びナフチル基などを挙げることができる。また同じく好ましいアルキルアリール基としては、例えば、トリル基(すべての置換異性体を含む)、キシリル基(すべての置換異性体を含む)、エチルフェニル基(すべての置換異性体を含む)、直鎖または分枝プロピルフェニル基(すべての置換異性体を含む)、エチルメチルフェニル基(すべての置換異性体を含む)、トリメチルフェニル基(すべての置換異性体を含む)、直鎖または分枝ブチルフェニル基 (すべての置換異性体を含む)、直鎖または分枝プロピルメチルフェニル基(すべての置換異性体を含む)、ジエチルフェニル基(すべての置換異性体を含む)、エチルジメチルフェニル基(すべての置換異性体を含む)、テトラメチルフェニル基(すべての置換異性体を含む)、直鎖または分枝ペンチルフェニル基(すべての置換異性体を含む)、直鎖または分枝ヘキシルフェニル基(すべての置換異性体を含む)、直鎖または分枝ヘプチルフェニル基(すべての置換異性体を含む)、直鎖または分枝オクチルフェニル基(すべての置換異性体を含む)、直鎖または分枝ノニルフェニル基(すべての置換異性体を含む)、直鎖または分枝デシルフェニル基(すべての置換異性体を含む)、直鎖または分枝ウンデシルフェニル基(すべての置換異性体を含む)、直鎖又は分枝ドデシルフェニル基(すべての置換異性体を含む)などを挙げることができる。
【0044】
41で表される好ましいアリールアルキル基としては、例えば、ベンジル基、メチルベンジル基(すべての置換異性体を含む)、ジメチルベンジル基(すべての置換異性体を含む)、フェネチル基、メチルフェネチル基(すべての置換異性体を含む)、ジメチルフェネチル基(すべての置換異性体を含む)が挙げられる。
【0045】
41が水素原子、炭素数1〜12の直鎖状もしくは分枝状のアルキル基、炭素数6〜18のアリール基またはアルキルアリール基である場合がより好ましく、水素原子、炭素数1〜6の直鎖状もしくは分枝状のアルキル基、フェニル基または炭素数7〜15の直鎖もしくは分枝アルキルアリール基である場合が特に好ましく、水素原子である場合が最も好ましい。
【0046】
上記R42、R43、R44およびR45は、それぞれ個別に水素原子、炭素数1〜16の炭化水素基または一般式(5)で表される基を示す。
ここで炭素数1〜16の炭化水素基には、例えば、炭素数1〜16の直鎖状または分枝状のアルキル基、炭素数5〜16のシクロアルキル基またはアルキルシクロアルキル基、炭素数2〜16の直鎖状または分枝状のアルケニル基、炭素数6〜16のアリール基またはアルキルアリール基、炭素数7〜16のアリールアルキル基などが包含される。
【0047】
好ましいアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、直鎖または分枝ペンチル基、直鎖または分枝ヘキシル基、直鎖または分枝ヘプチル基、直鎖または分枝オクチル基、直鎖または分枝ノニル基、直鎖または分枝デシル基、直鎖または分枝ウンデシル基、直鎖または分枝ドデシル基、直鎖または分枝トリデシル基、直鎖または分枝テトラデシル基、直鎖または分枝ペンタデシル基、及び直鎖または分枝ヘキサデシル基などが挙げられる。
【0048】
好ましいシクロアルキル基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基及びシクロヘプチル基などが挙げられる。また、好ましいアルキルシクロアルキル基としては、例えば、メチルシクロペンチル基(すべての置換異性体を含む)、ジメチルシクロペンチル基(すべての置換異性体を含む)、エチルシクロペンチル基(すべての置換異性体を含む)、直鎖または分枝プロピルシクロペンチル基(すべての置換異性体を含む)、エチルメチルシクロペンチル基(すべての置換異性体を含む)、トリメチルシクロペンチル基(すべての置換異性体を含む)、ジエチルシクロペンチル基(すべての置換異性体を含む)、エチルジメチルシクロペンチル基 (すべての置換異性体を含む)、直鎖または分枝プロピルメチルシクロペンチル基(すべての置換異性体を含む)、直鎖または分枝プロピルエチルシクロペンチル基(すべての置換異性体を含む)、メチルシクロヘキシル基(すべての置換異性体を含む)、ジメチルシクロヘキシル基(すべての置換異性体を含む)、エチルシクロヘキシル基(すべての置換異性体を含む)、直鎖または分枝プロピルシクロヘキシル基(すべての置換異性体を含む)、エチルメチルシクロヘキシル基(すべての置換異性体を含む)、トリメチルシクロヘキシル基(すべての置換異性体を含む)、ジエチルシクロヘキシル基(すべての置換異性体を含む)、エチルジメチルシクロヘキシル基(すべての置換異性体を含む)、直鎖または分枝プロピルメチルシクロヘキシル基(すべての置換異性体を含む)、メチルシクロヘプチル基(すべての置換異性体を含む)、ジメチルシクロヘプチル基(すべての置換異性体を含む)、エチルシクロヘプチル基(すべての置換異性体を含む)、直鎖または分枝プロピルシクロヘプチル基(すべての置換異性体を含む)、エチルメチルシクロヘプチル基(すべての置換異性体を含む)、及びトリメチルシクロヘプチル基(すべての置換異性体を含む)などが挙げられる。
【0049】
好ましいアルケニル基としては、例えば、ビニル基、プロペニル基、イソプロペニル基、直鎖または分枝ブテニル基、直鎖または分枝ペンテニル基、直鎖または分枝ヘキセニル基、直鎖または分枝ヘプテニル基、直鎖または分枝オクテニル基、直鎖または分枝ノネニル基、直鎖または分枝デセニル基、直鎖または分枝ウンデセニル基、直鎖または分枝ドデセニル基、直鎖または分枝トリデセニル基、直鎖または分枝テトラデセニル基、直鎖または分枝ペンタデセニル基、及び直鎖または分枝ヘキサデセニル基などが挙げられる。なお、二重結合を二個有するブタジエニル基も好ましい例として挙げることができる。
【0050】
好ましいアリール基としては、例えば、フェニル基及びナフチル基などが挙げられる。、また好ましいアルキルアリール基としては、例えば、トリル基(すべての置換異性体を含む)、キシリル基(すべての置換異性体を含む)、エチルフェニル基(すべての置換異性体を含む)、直鎖または分枝プロピルフェニル基(すべての置換異性体を含む)、エチルメチルフェニル基(すべての置換異性体を含む)、トリメチルフェニル基(すべての置換異性体を含む)、直鎖または分枝ブチルフェニル基(すべての置換異性体を含む)、直鎖または分枝プロピルメチルフェニル基(すべての置換異性体を含む)、ジエチルフェニル基(すべての置換異性体を含む)、エチルジメチルフェニル基(すべての置換異性体を含む)、テトラメチルフェニル基(すべての置換異性体を含む)などが挙げられる。
【0051】
好ましいアリールアルキル基としては、例えば、ベンジル基、メチルベンジル基(すべての置換異性体を含む)、ジメチルベンジル基(すべての置換異性体を含む)、フェネチル基、メチルフェネチル基(すべての置換異性体を含む)、及びジメチルフェネチル基(すべての置換異性体を含む)などが挙げられる。
【0052】
42、R43、R44およびR45で表される炭素数1〜16の炭化水素基は、炭素数1〜8の直鎖または分枝状のアルキル基であることが特に好ましく、炭素数1〜3の直鎖または分枝状のアルキル基であることが最も好ましい。
【0053】
42、R43、R44およびR45で表される一般式(5)について詳述する。
47およびR48はそれぞれ個別に、水素原子、炭素数1〜10の炭化水素基または炭素数2〜10のアルコキシアルキル基を示す。
ここで炭素数1〜10の炭化水素基には、炭素数1〜10の直鎖状または分枝状のアルキル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基またはアルキルシクロアルキル基、炭素数2〜10の直鎖状または分枝状のアルケニル基、炭素数6〜10のアリール基またはアルキルアリール基、及び炭素数7〜10のアリールアルキル基などが包含される。
【0054】
好ましいアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、直鎖または分枝ペンチル基、直鎖または分枝ヘキシル基、直鎖または分枝ヘプチル基、直鎖または分枝オクチル基、直鎖または分枝ノニル基、及び直鎖または分枝デシル基などが挙げられる。
【0055】
好ましいシクロアルキル基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基などが挙げられる。またアルキルシクロアルキル基としては、例えば、メチルシクロペンチル基(すべての置換異性体を含む)、ジメチルシクロペンチル基(すべての置換異性体を含む)、エチルシクロペンチル基(すべての置換異性体を含む)、直鎖または分枝プロピルシクロペンチル基(すべての置換異性体を含む)、エチルメチルシクロペンチル基(すべての置換異性体を含む)、トリメチルシクロペンチル基(すべての置換異性体を含む)、ジエチルシクロペンチル基(すべての置換異性体を含む)、エチルジメチルシクロペンチル基 (すべての置換異性体を含む)、直鎖または分枝プロピルメチルシクロペンチル基(すべての置換異性体を含む)、直鎖または分枝プロピルエチルシクロペンチル基(すべての置換異性体を含む)、メチルシクロヘキシル基(すべての置換異性体を含む)、ジメチルシクロヘキシル基(すべての置換異性体を含む)、エチルシクロヘキシル基(すべての置換異性体を含む)、直鎖または分枝プロピルシクロヘキシル基(すべての置換異性体を含む)、エチルメチルシクロヘキシル基(すべての置換異性体を含む)、トリメチルシクロヘキシル基(すべての置換異性体を含む)、ジエチルシクロヘキシル基(すべての置換異性体を含む)、エチルジメチルシクロヘキシル基(すべての置換異性体を含む)、直鎖または分枝プロピルメチルシクロヘキシル基(すべての置換異性体を含む)、メチルシクロヘプチル基(すべての置換異性体を含む)、ジメチルシクロヘプチル基(すべての置換異性体を含む)、エチルシクロヘプチル基(すべての置換異性体を含む)、直鎖または分枝プロピルシクロヘプチル基(すべての置換異性体を含む)、エチルメチルシクロヘプチル基(すべての置換異性体を含む)及びトリメチルシクロヘプチル基(すべての置換異性体を含む)などが挙げられる。
【0056】
好ましいアルケニル基としては、例えば、ビニル基、プロペニル基、イソプロペニル基、直鎖または分枝ブテニル基、直鎖または分枝ペンテニル基、直鎖または分枝ヘキセニル基、直鎖または分枝ヘプテニル基、直鎖または分枝オクテニル基、直鎖または分枝ノネニル基、及び直鎖または分枝デセニル基などが挙げられる。なお、二重結合を二個有するブタジエニル基も好ましい例として挙げることができる。
【0057】
好ましいアリール基としては、例えば、フェニル基及びナフチル基などが挙げられる。また好ましいアルキルアリール基としては、例えば、トリル基(すべての置換異性体を含む)、キシリル基(すべての置換異性体を含む)、エチルフェニル基(すべての置換異性体を含む)、直鎖または分枝プロピルフェニル基(すべての置換異性体を含む)、エチルメチルフェニル基(すべての置換異性体を含む)、トリメチルフェニル基(すべての置換異性体を含む)、直鎖または分枝ブチルフェニル基(すべての置換異性体を含む)、直鎖または分枝プロピルメチルフェニル基(すべての置換異性体を含む)、ジエチルフェニル基(すべての置換異性体を含む)、エチルジメチルフェニル基(すべての置換異性体を含む)、及びテトラメチルフェニル基(すべての置換異性体を含む)などが挙げられる。
【0058】
好ましいアリールアルキル基としては、例えば、ベンジル基、メチルベンジル基(すべての置換異性体を含む)、ジメチルベンジル基(すべての置換異性体を含む)、フェネチル基、メチルフェネチル基(すべての置換異性体を含む)、及びジメチルフェネチル基(すべての置換異性体を含む)などが挙げられる。
【0059】
上記炭素数2〜10のアルコキシアルキル基としては、例えば、メトキシメチル基、エトキシメチル基、n−プロポキシメチル基、イソプロポキシメチル基、n−ブトキシメチル基、イソブトキシメチル基、sec−ブトキシメチル基、tert−ブトキシメチル基、ペントキシメチル基(すべての異性体を含む)、ヘキソキシメチル基(すべての異性体を含む)、ヘプトキシメチル基(すべての異性体を含む)、オクトキシメチル基(すべての異性体を含む)、ノニロキシメチル基(すべての異性体を含む)、メトキシエチル基(すべての異性体を含む)、エトキシエチル基(すべての異性体を含む)、プロポキシエチル基(すべての異性体を含む)、ブトキシエチル基(すべての異性体を含む)、ペントキシエチル基(すべての異性体を含む)、ヘキソキシエチル基(すべての異性体を含む)、ヘプトキシエチル基(すべての異性体を含む)、オクトキシエチル基(すべての異性体を含む)、メトキシプロピル基(すべての異性体を含む)、エトキシプロピル基(すべての異性体を含む)、プロポキシプロピル基(すべての異性体を含む)、ブトキシプロピル基(すべての異性体を含む)、ペントキシプロピル基(すべての異性体を含む)、ヘキソキシプロピル基(すべての異性体を含む)、ヘプトキシプロピル基(すべての異性体を含む)、メトキシブチル基(すべての異性体を含む)、エトキシブチル基(すべての異性体を含む)、プロポキシブチル基(すべての異性体を含む)、ブトキシブチル基(すべての異性体を含む)、ペントキシブチル基(すべての異性体を含む)、ヘキソキシブチル基(すべての異性体を含む)、メトキシペンチル基(すべての異性体を含む)、エトキシペンチル基(すべての異性体を含む)、プロポキシペンチル基(すべての異性体を含む)、ブトキシペンチル基(すべての異性体を含む)、ペントキシペンチル基(すべての異性体を含む)、メトキシヘキシル基(すべての異性体を含む)、エトキシヘキシル基(すべての異性体を含む)、プロポキシヘキシル基(すべての異性体を含む)、ブトキシヘキシル基(すべての異性体を含む)、メトキシヘプチル基(すべての異性体を含む)、エトキシヘプチル基(すべての異性体を含む)、プロポキシヘプチル基(すべての異性体を含む)、メトキシオクチル基 (すべての異性体を含む)、エトキシオクチル基(すべての異性体を含む)、及びメトキシノニル基(すべての異性体を含む)などが挙げられる。
【0060】
一般式(5)におけるR47およびR48は共に、またはそれぞれ個別に水素原子、炭素数1〜6のアルキル基または炭素数2〜6のアルコキシアルキル基であることが好ましく、水素原子または炭素数1〜3のアルキル基であることが特に好ましい。
【0061】
49は炭素数2〜6のアルキレン基、またはアルコキシアルキル基を置換基として有する総炭素数4〜10のアルキレン基を示す。ここで炭素数2〜6のアルキレン基としては、例えば、エチレン基、プロピレン基(1−メチルエチレン基、2−メチルエチレン基)、トリメチレン基、ブチレン基(1−エチルエチレン基、2−エチルエチレン基)、1,2−ジメチルエチレン基、2,2−ジメチルエチレン基、1−メチルトリメチレン基、2−メチルトリメチレン基、3−メチルトリメチレン基、テトラメチレン基、ペンチレン基(1−ブチルエチレン基、2−ブチルエチレン基)、1−エチル−1−メチルエチレン基、1−エチル−2−メチルエチレン基、1,1,2−トリメチルエチレン基、1,2,2−トリメチルエチレン基、1−エチルトリメチレン基、2−エチルトリメチレン基、3−エチルトリメチレン基、1,1−ジメチルトリメチレン基、1,2−ジメチルトリメチレン基、1,3−ジメチルトリメチレン基、2,3−ジメチルトリメチレン基、3,3−ジメチルトリメチレン基、1−メチルテトラメチレン基、2−メチルテトラメチレン基、3−メチルテトラメチレン基、4−メチルテトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキシレン基(1−ブチルエチレン基、2−ブチルエチレン基)、1−メチル−1−プロピルエチレン基、1−メチル−2−プロピルエチレン基、2−メチル−2−プロピルエチレン基、1,1−ジエチルエチレン基、1,2−ジエチルエチレン基、2,2−ジエチルエチレン基、1−エチル−1,2−ジメチルエチレン基、1−エチル−2,2−ジメチルエチレン基、2−エチル−1,1−ジメチルエチレン基、2−エチル−1,2−ジメチルエチレン基、1,1,2,2−テトラメチルエチレン基、1−プロピルトリメチレン基、2−プロピルトリメチレン基、3−プロピルトリメチレン基、1−エチル−1−メチルトリメチレン基、1−エチル−2−メチルトリメチレン基、1−エチル−3−メチルトリメチレン基、2−エチル−1−メチルトリメチレン基、2−エチル−2−メチルトリメチレン基、2−エチル−3−メチルトリメチレン基、3−エチル−1−メチルトリメチレン基、3−エチル−2−メチルトリメチレン基、3−エチル−3−メチルトリメチレン基、1,1,2−トリメチルトリメチレン基、1,1,3−トリメチルトリメチレン基、1,2,2−トリメチルトリメチレン基、1,2,3−トリメチルトリメチレン基、1,3,3−トリメチルトリメチレン基、2,2,3−トリメチルトリメチレン基、2,3,3−トリメチルトリメチレン基、1−エチルテトラメチレン基、2−エチルテトラメチレン基、3−エチルテトラメチレン基、4−エチルテトラメチレン基、1,1−ジメチルテトラメチレン基、1,2−ジメチルテトラメチレン基、1,3−ジメチルテトラメチレン基、1,4−ジメチルテトラメチレン基、2,2−ジメチルテトラメチレン基、2,3−ジメチルテトラメチレン基、2,4−ジメチルテトラメチレン基、3,3−ジメチルテトラメチレン基、3,4−ジメチルテトラメチレン基、4,4−ジメチルテトラメチレン基、1−メチルペンタメチレン基、2−メチルペンタメチレン基、3−メチルペンタメチレン基、4−メチルペンタメチレン基、5−メチルペンタメチレン基及びヘキサメチレン基などが挙げられる。
【0062】
49のアルコキシアルキル基を置換基として有する総炭素数4〜10のアルキレン基は、総炭素数4〜8のアルコキシアルキル基置換エチレン基であることが好ましく、これらの例としては、1−(メトキシメチル)エチレン基、2−(メトキシメチル)エチレン基、1−(メトキシエチル)エチレン基、2−(メトキシエチル)エチレン基、1−(エトキシメチル)エチレン基、2−(エトキシメチル)エチレン基、1−メトキシメチル−2−メチルエチレン基、1,1−ビス(メトキシメチル)エチレン基、2,2−ビス(メトキシメチル)エチレン基、1,2−ビス(メトキシメチル)エチレン基、1,1−ビス(メトキシエチル)エチレン基、2,2−ビス(メトキシエチル)エチレン基、1,2−ビス(メトキシエチル)エチレン基、1,1−ビス(エトキシメチル)エチレン基、2,2−ビス(エトキシメチル)エチレン基、1,2−ビス(エトキシメチル)エチレン基、1−メチル−2−メトキシメチルエチレン基、1−メトキシメチル−2−メチルエチレン基、1−エチル−2−メトキシメチルエチレン基、1−メトキシメチル−2−エチルエチレン基、1−メチル−2−エトキシメチルエチレン基、1−エトキシメチル−2−メチルエチレン基、1−エチル−2−エトキシメチルエチレン基、1−エトキシメチル−2−エチルエチレン基、1−メチル−2−メトキシエチルエチレン基、1−メトキシエチル−2−メチルエチレン基、1−エチル−2−メトキシエチルエチレン基、及び1−メトキシエチル−2−エチルエチレン基を挙げられる。
一般式(5)のR49は、炭素数2〜4のアルキレン基であるか、あるいは総炭素数4〜6アルコキシアルキル基置換エチレン基であることが特に好ましい。
【0063】
一般式(5)におけるR50は、水素原子、またはR41について先に説明した炭素数1〜24の直鎖状または分枝状のアルキル基、炭素数5〜13のシクロアルキル基またはアルキルシクロアルキル基、炭素数2〜24の直鎖状または分枝状のアルケニル基、炭素数6〜18のアリール基またはアルキルアリール基、あるいは炭素数7〜19のアリールアルキル基のいずれかであることが好ましい。R50は炭素数1〜24のアルキル基であることが更に好ましく、炭素数1〜12のアルキル基であることが特に好ましい。
一般式(5)におけるfは、好ましくは0〜30の整数であり、より好ましくは0〜20の整数である。
【0064】
従って、一般式(5)で表される基は、R47およびR48がそれぞれ個別に水素原子、炭素数1〜6のアルキル基または炭素数2〜6のアルコキシアルキル基であり、R49が炭素数2〜6のアルキレン基または総炭素数4〜8のアルコキシアルキル基置換エチレン基であり、R50が炭素数1〜24のアルキル基であり、かつfが0〜30の整数であるものが好ましい。以下、このような基(一般式(5)で表される基を指す)を、便宜上、「好ましい置換基群(5a)」と称する。更にR47およびR48がそれぞれ個別に水素原子または炭素数1〜3のアルキル基であり、R49が炭素数2〜4のアルキレン基であり、R50が炭素数1〜12のアルキル基であり、かつfが0〜20の整数であるものがより一層好ましい。以下、このような基(一般式(5)で表される基を指す)を、便宜上、「より好ましい置換基群(5b)」と称する。
【0065】
一般式(4)で表されるポリエーテルアミンは、R42、R43、R44及びR45が、それぞれ別個に水素原子、炭素数1〜8のアルキル基または上記の「好ましい置換基群(5a)」であることが好ましく、さらに好ましくは、R42、R43、R44およびR45が、それぞれ別個に水素原子、炭素数1〜3のアルキル基または上記の「より好ましい置換基群(5b)」である。
【0066】
一般式(4)におけるR46は、炭素数1〜10のアルキレン基を示すが、好ましくは、炭素数1〜6のアルキレン基であり、さらに好ましくは炭素数1〜3のアルキレン基である。炭素数1〜10のアルキレン基の好ましい具体例としては、メチレン基、エチレン基、1−メチルエチレン基、2−メチルエチレン基、トリメチレン基、1−メチルトリメチレン基、2−メチルトリメチレン基、3−メチルトリメチレン基、テトラメチレン基、1−メチルテトラメチレン基、2−メチルテトラメチレン基、3−メチルテトラメチレン基、4−メチルテトラメチレン基、ペンタメチレン基、1−メチルペンタメチレン基、2−メチルペンタメチレン基、3−メチルペンタメチレン基、4−メチルペンタメチレン基、5−メチルペンタメチレン基、及びヘキサメチレン基を挙げることができる。
【0067】
一般式(4)におけるZは、下記A群の中から選ばれる基を示す。
A群
A1:−O−CO−
A2:−CO−
A3:−O−CO−R51
A4:−O−CO−O−R52
A5:−CO−O−R53
(上記R51、R52、及びR53はそれぞれ別個に炭素数1〜6のアルキレン基を示す。)
【0068】
上記R51、R52、及びR53で表される炭素数1〜6のアルキレン基としては、好ましくは上記R46の例を挙げることができる。これらの中でもR51、R52、及びR53は、それぞれ別個に炭素数1〜4のアルキレン基であることが好ましく、好ましい具体例としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基(1−メチルエチレン基、2−メチルエチレン基)、トリメチレン基、ブチレン基(1−エチルエチレン基、2−エチルエチレン基)、1,2−ジメチルエチレン基、2,2−ジメチルエチレン基、1−メチルトリメチレン基、2−メチルトリメチレン基、3−メチルトリメチレン基、及びテトラメチレン基を挙げることができる。さらに好ましいR51、R52、及びR53は、それぞれ別個に炭素数1〜3のアルキレン基であり、好ましい具体例としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基(1−メチルエチレン基、2−メチルエチレン基)及びトリメチレン基を挙げることができる。
【0069】
一般式(4)のZは、A1、A2又はA4であることが好ましい。
【0070】
本発明の一般式(4)で表されるポリエーテルアミンにおいて、a2は2〜100の整数であることが好ましい。
また、一般式(4)においてb2およびc2はそれぞれ個別に0または1である。
すなわち、b2が0、c2が0の場合は下記一般式(9)で表される化合物を表し、b2が0、c2が1の場合は下記一般式(10)で表される化合物を表し、b2が1、c2が0の場合は下記一般式(11)で表される化合物を表し、b2が1、c2が1の場合は下記一般式(12)で表される化合物を表す。
【0071】
【化10】
Figure 0004648525
(一般式(9)におけるR41、R42、R43、R44、R45およびXは、一般式(4)におけるR41、R42、R43、R44、R45およびXと同一の基を示し、a2、dおよびeも一般式(4)におけるa2、dおよびeと同一の整数である。)
【0072】
【化11】
Figure 0004648525
(一般式(10)におけるR41、R42、R43、R44、R45、X、及びZは、一般式(4)におけるR41、R42、R43、R44、R45、X、及びZと同一の基を示し、a2、dおよびeも一般式(4)におけるa2、dおよびeと同一の整数である。)
【0073】
【化12】
Figure 0004648525
(一般式(11)におけるR41、R42、R43、R44、R45、R46およびXは、一般式(4)におけるR41、R42、R43、R44、R45、R46およびXと同一の基を示し、a2、dおよびeも一般式(4)におけるa2、dおよびeと同一の整数である。)
【0074】
【化13】
Figure 0004648525
(一般式(12)におけるR41、R42、R43、R44、R45、R46、X、及びZは、一般式(4)におけるR41、R42、R43、R44、R45、R46、X、及びZと同一の基を示し、a2、dおよびeも一般式(4)におけるa2、dおよびeと同一の整数である。)
【0075】
一般式(4)におけるcは、0である場合が好ましい。
一般式(4)におけるdは好ましくは1又は2、eは、好ましくは1又は2であって、かつd+eは3であり、最も好ましくはd=1かつe=2である。
なお、一般式(4)で表されるポリエーテルアミンにおいて、dが2の場合は下記の一般式(13)で表される基を1分子中に2個有するものであるが、この場合、それらの基は同一の構造であっても良く、また異なる構造であっても良い。
【0076】
【化14】
Figure 0004648525
(一般式(13)におけるR41、R42、R43、R44、R45、R46およびZは、一般式(4)におけるR41、R42、R43、R44、R45、R46およびZと同一の基を示し、a2、b2およびc2も、一般式(4)におけるa2、b2およびc2と同一の整数である。)
【0077】
本発明の一般式(4)で表されるポリエーテルアミンにおいて、Xは下記のB群の中から選ばれる基を示す。
B群
B1:水素原子
B2:炭素数1〜30の炭化水素基
B3:下記一般式(6)で表されるアルカノール基
−R54−OH (6)
(一般式(6)において、R54は炭素数1〜6のアルキレン基を示す。)
B4:下記一般式(7)で表される含窒素基
【0078】
【化15】
Figure 0004648525
(一般式(7)において、R55は炭素数2〜6のアルキレン基を示し、R56は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基または上記一般式(6)で表される基を示し、R57は水素原子、炭素数1〜30の炭化水素基または上記一般式(6)で表される基を示し、そしてgは1〜5の整数を示す。)
B5:下記一般式(8)で表される基
【0079】
【化16】
Figure 0004648525
【0080】
(一般式(8)において、R58は炭素数2〜6のアルキレン基を表し、R59、R60、R61及びR62は、それぞれ別個に水素原子、炭素数1〜10の炭化水素基又は水酸基を表し、Yは、メチレン基、炭素数1〜10の炭化水素基もしくは水酸基で置換されたイミノ基または酸素原子を表し、hは、e=1のとき1を表し、e=2のときは、0又は1を表す(但し、h=0のとき一般式(8)の中のN(窒素原子)は、一般式(4)の中の窒素原子に該当する。))
【0081】
一般式(4)のX(B1〜B5)について詳述する。
上記B2の炭素数1〜30の炭化水素基として好ましいものには、R1について先に説明した炭素数1〜24の直鎖状または分枝状のアルキル基、炭素数5〜13のシクロアルキル基またはアルキルシクロアルキル基、炭素数2〜24の直鎖状または分枝状のアルケニル基、炭素数6〜18のアリール基またはアルキルアリール基、炭素数7〜19のアリールアルキル基などが包含される。
【0082】
上記B2は、炭素数1〜12の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、または炭素数6〜12のアリール基もしくはアリールアルキル基であることがより好ましく、炭素数1〜6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、フェニル基または炭素数7〜9のアリールアルキル基であることが特に好ましい。
【0083】
上記B3のアルカノール基を表す一般式(6)において、R54は炭素数1〜6のアルキレン基を示すが、このようなアルキレン基としては、具体的にはR51、R52、R53として先に説明した基が挙げられる。これらの中でもR54は、炭素数1〜4のアルキレン基が好ましく、具体的には、メチレン基、エチレン基、プロピレン基(1−メチルエチレン基、2−メチルエチレン基)、トリメチレン基、ブチレン基(1−エチルエチレン基、2−エチルエチレン基)、1,2−ジメチルエチレン基、2,2−ジメチルエチレン基、1−メチルトリメチレン基、2−メチルトリメチレン基、3−メチルトリメチレン基、テトラメチレン基などが好ましい例として挙げることができる。R54は、炭素数1〜3のアルキレン基、具体的にはメチレン基、エチレン基、プロピレン基(1−メチルエチレン基、2−メチルエチレン基)又はトリメチレン基であることが特に好ましい。
【0084】
上記B4の含窒素基を表す一般式(7)において、R55は、炭素数2〜6のアルキレン基を示すが、このようなアルキレン基としては、具体的にはR49として先に説明した基が挙げられる。これらの中でもR55は、炭素数2〜4のアルキレン基が好ましく、具体的には、エチレン基、プロピレン基(1−メチルエチレン基、2−メチルエチレン基)、トリメチレン基、ブチレン基(1−エチルエチレン基、2−エチルエチレン基)、1,2−ジメチルエチレン基、2,2−ジメチルエチレン基、1−メチルトリメチレン基、2−メチルトリメチレン基、3−メチルトリメチレン基、及びテトラメチレン基などが好ましい例として挙げることができる。更に好ましくは、炭素数2〜3のアルキレン基であり、具体的には、エチレン基、プロピレン基(1−メチルエチレン基、2−メチルエチレン基)及びトリメチレン基を挙げることができる。
【0085】
一般式(7)におけるR56は、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基または上記一般式(6)で表される基を示す。炭素数1〜4のアルキル基としては、具体的には例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基及びtert−ブチル基などが挙げられる。R56は、好ましくは水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基又は一般式(6)で表される基であり、水素原子、メチル基、エチル基又は一般式(6)で表される基であることが特に好ましい。
【0086】
一般式(7)におけるR57は、水素原子、炭素数1〜30の炭化水素基または上記一般式(6)で表される基を示す。ここで炭素数1〜30の炭化水素基として好ましいものには、R41について先に説明した炭素数1〜24の直鎖状または分枝状のアルキル基、炭素数5〜13のシクロアルキル基またはアルキルシクロアルキル基、炭素数2〜24の直鎖状または分枝状のアルケニル基、炭素数6〜18のアリール基またはアルキルアリール基、炭素数7〜19のアリールアルキル基などが包含される。
57は、水素原子、炭素数1〜12の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基もしくはアリールアルキル基、または一般式(6)で表される基がより好ましく、特に好ましくは、水素原子、炭素数1〜6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、フェニル基、炭素数7〜9のアリールアルキル基または一般式(6)で表される基である。
一般式(7)におけるgは、1〜5の整数を示し、好ましくは1〜4の整数であり、より好ましくは1〜3の整数である。
即ち、一般式(7)で表される基に含まれる下記の一般式(14)で表される基は、下記の一般式(15)で表される構成単位を1〜5個、好ましくは1〜4個、より好ましくは1〜3個有している。
【0087】
【化17】
Figure 0004648525
【0088】
(一般式(14)および(15)におけるR55、R56およびgは、一般式(7)におけるR55、R56およびgと同一の基、整数を示す。)
従って、一般式(14)で表される基は、一般式(15)で表される構成単位が下記のように結合にして得られた基を表す。
(1)一般式(15)で表される1種の構成単位を結合させたもの
(2)一般式(15)に含まれる2種以上の異なる構成単位を、ランダムに結合させたもの、交互に結合させたものまたはブロック結合させたもの
【0089】
B4の一般式(7)で表される含窒素基は、R55が炭素数2〜4のアルキレン基であり、R56が水素原子、炭素数1〜3のアルキル基または一般式(6)で表される基であり、R57が水素原子、炭素数1〜12の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基もしくはアルキルアリール基または一般式(6)で表される基であり、かつgが1〜4である場合が好ましく、R55がエチレン基、プロピレン基(1−メチルエチレン基、2−メチルエチレン基)またはトリメチレン基であり、R56が水素原子、メチル基、エチル基または一般式(6)で表される基であり、R57が水素原子、炭素数1〜6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、フェニル基、炭素数7〜9のアルキルアリール基または一般式(6)で表される基であり、かつgが1〜3である場合が最も好ましい。
【0090】
上記B5の一般式(8)で表される基において、R58は炭素数2〜6のアルキレン基を示す。炭素数2〜6のアルキレン基としては、具体的にはR55として先に説明した基と同一の基が挙げられる。これらの中でもR58は、炭素数2〜4のアルキレン基が好ましく、具体的には、エチレン基、プロピレン基(1−メチルエチレン基、2−メチルエチレン基)、トリメチレン基、ブチレン基(1−エチルエチレン基、2−エチルエチレン基)、1,2−ジメチルエチレン基、2,2−ジメチルエチレン基、1−メチルトリメチレン基、2−メチルトリメチレン基、3−メチルトリメチレン基及びテトラメチレン基などを好ましい例として挙げることができる。更に好ましくは炭素数2〜3のアルキレン基であり、具体的には、エチレン基、プロピレン基(1−メチルエチレン基、2−メチルエチレン基)またはトリメチレン基を挙げることができる。
【0091】
一般式(8)におけるR59、R60、R61およびR62は、それぞれ個別に水素原子、炭素数1〜10の炭化水素基または水酸基を示す。炭素数1〜10の炭化水素基としては、R7およびR8について先に説明した炭素数1〜10の直鎖状または分枝状のアルキル基、炭素数2〜10の直鎖状または分枝状のアルケニル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基またはアルキルシクロアルキル基、炭素数6〜10のアリール基またはアルキルアリール基、炭素数7〜10のアリールアルキル基などが挙げられる。
これらの中でも、R59、R60、R61およびR62がそれぞれ個別に水素原子、炭素数1〜6のアルキル基または水酸基である場合が好ましく、それぞれ個別に水素原子、炭素数1〜3のアルキル基または水酸基である場合がより好ましい。
【0092】
一般式(8)におけるYは、メチレン基、炭素数1〜10の炭化水素基もしくは水酸基で置換されたメチレン基、無置換のイミノ基、炭素数1〜10の炭化水素基もしくは水酸基で置換されたイミノ基または酸素を示す。炭素数1〜10の炭化水素基としては、R7およびR8について先に説明した炭素数1〜10の直鎖状または分枝状のアルキル基、炭素数2〜10の直鎖状または分枝状のアルケニル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基またはアルキルシクロアルキル基、炭素数6〜10のアリール基またはアルキルアリール基、炭素数7〜10のアリールアルキル基などが挙げられるが、これらの中でも炭素数1〜6のアルキル基が好ましく、炭素数1〜3のアルキル基がより好ましい。
Yは、メチレン基、炭素数1〜6のアルキル基もしくは水酸基で置換されたメチレン基、無置換のイミノ基、炭素数1〜6のアルキル基もしくは水酸基で置換されたイミノ基または酸素原子である場合が好ましく、無置換のイミノ基、炭素数1〜3のアルキル基もしくは水酸基で置換されたイミノ基または酸素原子である場合が最も好ましい。
【0093】
一般式(8)におけるhは、一般式(4)においてe=1の場合はh=1であり、一般式(4)においてe=2の場合はh=0またはh=1である。ただし、e=2かつh=0の場合、一般式(8)中のN(窒素原子)は一般式(4)中のN(窒素原子)に相当する。すなわち、e=2かつh=0の場合には、下記の一般式(16)で表されるように、当該化合物に含まれるN(窒素原子)は一般式(8)の複素環を構成するN(窒素原子)に一致する。
【0094】
【化18】
Figure 0004648525
(一般式(16)におけるR41、R42、R43、R44、R45、R46及びZは、それぞれ一般式(4)におけるR41、R42、R43、R44、R45、R46及びZと同一の基を示し、一般式(16)におけるa2、b2及びc2は、それぞれ一般式(4)におけるa2、b2及びc2と同一の整数であり、一般式(16)におけるR59、R60、R61、R62およびYは、それぞれ一般式(8)におけるR59、R60、R61、R62およびYと同一の基を表す。)
【0095】
B5の一般式(8)で表される基は、好ましくは、R58が炭素数2〜4のアルキレン基であり、R59、R60、R61およびR62がそれぞれ個別に水素原子、炭素数1〜6のアルキル基または水酸基であり、Yがメチレン基、炭素数1〜6のアルキル基もしくは水酸基で置換されたメチレン基、無置換のイミノ基、炭素数1〜6のアルキル基もしくは水酸基で置換されたイミノ基または酸素原子であり、hがe=1の場合はh=1であり、e=2の場合はh=0またはh=1(ただしh=0の場合、一般式(8)中のN(窒素原子)は一般式(4)中のN(窒素原子)でもある)である。より好ましくは、R58がエチレン基、プロピレン基(1−メチルエチレン基、2−メチルエチレン基)またはトリメチレン基であり、R59、R60、R61およびR62がそれぞれ個別に水素原子、炭素数1〜3のアルキル基または水酸基であり、Yが無置換のイミノ基、炭素数1〜3のアルキル基もしくは水酸基で置換されたイミノ基または酸素原子であり、hがe=1の場合はh=1であり、e=2の場合はh=0またはh=1(ただしh=0の場合、一般式(8)中のN(窒素原子)は一般式(4)中のN(窒素原子)でもある)である。
【0096】
一般式(4)のポリエーテルアミンにおいて、XはB1、B3またはB4であることが好ましい。なお、e=2の場合、すなわち、2個のXが選ばれる場合、その二つは同種であっても異種であっても差し支えない。
【0097】
本発明の一般式(4)で表されるポリエーテルアミンは、下記の構成であることが好ましい。
41が、水素原子、炭素数1〜12の直鎖状もしくは分枝状のアルキル基、又は炭素数6〜18のアリール基もしくはアルキルアリール基であり、
42、R43、R44およびR45が、それぞれ別個に水素原子、炭素数1〜8のアルキル基または一般式(5)で表される基であり、
一般式(5)では、R47及びR48がそれぞれ個別に水素原子、炭素数1〜6のアルキル基または炭素数2〜6のアルコキシアルキル基であり、R49が炭素数1〜6のアルキレン基又は総炭素数4〜8のアルコキシアルキル基置換エチレン基であり、R50が炭素数1〜24のアルキル基であり、かつfが0〜30の整数であり、
46が炭素数1〜6のアルキレン基であり、
a2が1〜200の整数であり、b2およびc2が各々個別に0または1であり、dが1又は2であり、eが1又は2であって、かつd+e=3であり、
ZがA群の中から選ばれる基であり、
51、R52、及びR53がそれぞれ別個に炭素数1〜4のアルキレン基であり、
XがB群の中から選ばれる基であり、
B2は、炭素数1〜12の直鎖状もしくは分枝状のアルキル基または炭素数6〜12のアリール基もしくはアリールアルキル基であり、
B3の一般式(6)では、R54が炭素数1〜4のアルキレン基であり、
B4の一般式(7)では、R55が炭素数2〜4のアルキレン基であり、R56が水素原子、炭素数1〜3のアルキル基または一般式(6)で表される基であり、R57が水素原子、炭素数1〜12の直鎖状または分岐状のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基もしくはアリールアルキル基、または一般式(6)で表される基であり、
そしてgが1〜4の整数であり、
B5の一般式(8)では、R58が炭素数2〜4のアルキレン基であり、R59、R60、R61及びR62がそれぞれ別個に水素原子、炭素数1〜6のアルキル基もしくは水酸基で置換されたイミノ基または酸素原子であり、e=1の場合は、h=1であり、e=2の場合は、h=0又はh=1である(但し、h=0の場合、一般式(8)のN(窒素原子)と一般式(4)のN(窒素原子)は一致する)。
【0098】
本発明の一般式(4)で表されるポリエーテルアミンは、下記の構成であることがさらに好ましい。
41が、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基または炭素数7〜15のアルキルアリール基であり、
42、R43、R44およびR45が、それぞれ別個に水素原子、炭素数1〜3のアルキル基または一般式(5)で表される基であり、
一般式(5)では、R47およびR48がそれぞれ個別に水素原子または炭素数1〜3のアルキル基であり、R49が炭素数2〜4のアルキレン基であり、R50が炭素数1〜12のアルキル基であり、かつfが0〜20の整数であり、
46が炭素数1〜6のアルキレン基であり、
a2が2〜100の整数であり、b2およびc2が各々個別に0または1であり、dが1、eが2であり、
ZがA1、A2及びA4の中から選ばれる基であり、
52が炭素数1〜3のアルキレン基であり、
XがB1、B3及びB4の中から選ばれる基であり、
B3の一般式(6)では、R54が炭素数1〜3のアルキレン基であり、
B4の一般式(7)では、R55が炭素数2〜3のアルキレン基であり、R56が水素原子、メチル基、エチル基または一般式(6)で表される基であり、R57が水素原子、炭素数1〜6の直鎖状または分岐状のアルキル基、フェニル基、炭素数7〜9のアリールアルキル基、または一般式(6)で表される基であり、
そしてgが1〜3の整数である。
【0099】
次に、ポリアルケニルアミンについて説明する。
ポリアルケニルアミンとは、1種類以上のアルキレン化合物を重合させたポリアルキレン化合物の末端をアミンで修飾した化合物である。
本発明のポリアルケニルアミン化合物を構成するポリアルキレン部分は、エチレン、プロピレン、n−ブテン、2−ブテンおよびイソブテン、ペンテン(全ての異性体を含む)、ヘキセン(全ての異性体を含む)、ヘプテン(全ての異性体を含む)、オクテン(全ての異性体を含む)、デセン(全ての異性体を含む)、ドデセン(全ての異性体を含む)、テトラデセン(全ての異性体を含む)、及びヘキサデセン(全ての異性体を含む)の中から選ばれた1種のみを用いた単独重合体でもよく、2種以上を用いた共重合体であっても良い。共重合体は、ランダム共重合体、交互重合体、あるいはブロック共重合体であっても良い。
本発明においては、何れのアルキレンも使用可能であるが、より優れた清浄性を得ることができることから、ブテン(n−ブテン、2−ブテンおよびイソブテン)を用いることが好ましい。
また、ポリアルケニルアミン化合物を構成するアミン部分の窒素原子には、水素原子の他、炭化水素基、アルカノール基等の含酸素基、アミノアルキル基等の含窒素基などが結合していてもよい。
【0100】
本発明のポリアルケニルアミン化合物は、下記一般式(17)で表されるポリブテニルアミン化合物であることが好ましい。
【0101】
【化19】
Figure 0004648525
【0102】
(一般式(17)において、Aは、n−ブチル基、sec−ブチル基またはtert−ブチル基を示し、R70、R71、R72およびR73はそれぞれ別個に、水素原子、メチル基またはエチル基を示し、かつR70、R71、R72およびR73の合計炭素数が2であり、Bは下記式(18)〜(23)の何れかで表される基を示し、R74およびR75はそれぞれ別個に水素原子、炭素数1〜10の炭化水素基、炭素数1〜8のアルカノール基または下記一般式(24)で表される基を示し、そしてmは1〜100の整数を示す。)
【0103】
【化20】
Figure 0004648525
【0104】
【化21】
Figure 0004648525
(一般式(24)において、R76は、炭素数2〜6のアルキレン基を示し、R77は水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を示し、R78は水素原子または炭素数1〜30の炭化水素基を示し、そしてnは1〜5の整数を示す。)
【0105】
以下に一般式(17)で表されるポリブテニルアミン化合物を詳述する。
Aは、より優れた清浄性を得るために、tert−ブチル基であることが好ましい。
また、より優れた清浄性を得るために、R70およびR72が水素原子であり、かつR71およびR73がメチル基である場合、またはR70およびR72がメチル基であり、かつR71およびR73が水素原子である場合が好ましい。
なお、下記式(25)で表される基は、下記式(26)で表される基を構成単位とする、一般式(17)で表されるポリブテニルアミン化合物の重合骨格を示すものである。
【0106】
【化22】
Figure 0004648525
(上記式(25)および(26)におけるR70、R71、R72、R73およびmは、一般式(17)におけるR70、R71、R72、R73およびmと同一の基、整数を示す。)
【0107】
上記式(17)および(25)において、上記式(26)で表されるm個の基は同一分子中で同じでも異なっていてもよい。つまり、上記式(17)で表される化合物および上記式(25)で表される基は、単独重合体であっても、共重合体であっても良い。共重合体は、ランダム共重合体であっても、交互重合体であっても、ブロック共重合体であっても良い。
【0108】
Bは、より優れた清浄性を得るために、式(18)または式(22)で表される基であることが好ましく、式(22)で表される基であることがより好ましい。
【0109】
74およびR75は、それぞれ別個に水素原子、炭素数1〜10の炭化水素基、炭素数1〜8のアルカノール基または上記一般式(24)で表される基を示す。
74およびR75で表される炭素数1〜10の炭化水素基としては、例えば、炭素数1〜10の直鎖状または分枝状のアルキル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基またはアルキルシクロアルキル基、炭素数2〜10の直鎖状または分枝状のアルケニル基、炭素数6〜10のアリール基またはアルキルアリール基、炭素数7〜10のアリールアルキル基が挙げられる。
【0110】
炭素数1〜10のアルキル基としては、具体的には例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、直鎖または分枝ペンチル基、直鎖または分枝ヘキシル基、直鎖または分枝ヘプチル基、直鎖または分枝オクチル基、直鎖または分枝ノニル基、及び直鎖または分枝デシル基などが挙げられる。
【0111】
炭素数5〜10のシクロアルキル基またはアルキルシクロアルキル基としては、具体的には例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、メチルシクロペンチル基、ジメチルシクロペンチル基(すべての置換異性体を含む)、エチルシクロペンチル基(すべての置換異性体を含む)、直鎖または分枝プロピルシクロペンチル基(すべての置換異性体を含む)、エチルメチルシクロペンチル基(すべての置換異性体を含む)、トリメチルシクロペンチル基(すべての置換異性体を含む)、ジエチルシクロペンチル基(すべての置換異性体を含む)、エチルジメチルシクロペンチル基(すべての置換異性体を含む)、直鎖または分枝プロピルメチルシクロペンチル基(すべての置換異性体を含む)、直鎖または分枝プロピルエチルシクロペンチル基(すべての置換異性体を含む)、メチルシクロヘキシル基(すべての置換異性体を含む)、ジメチルシクロヘキシル基(すべての置換異性体を含む)、エチルシクロヘキシル基(すべての置換異性体を含む)、直鎖または分枝プロピルシクロヘキシル基(すべての置換異性体を含む)、エチルメチルシクロヘキシル基(すべての置換異性体を含む)、トリメチルシクロヘキシル基(すべての置換異性体を含む)、ジエチルシクロヘキシル基(すべての置換異性体を含む)、エチルジメチルシクロヘキシル基(すべての置換異性体を含む)、直鎖または分枝プロピルメチルシクロヘキシル基(すべての置換異性体を含む)、メチルシクロヘプチル基(すべての置換異性体を含む)、ジメチルシクロヘプチル基(すべての置換異性体を含む)、エチルシクロヘプチル基(すべての置換異性体を含む)、直鎖または分枝プロピルシクロヘプチル基(すべての置換異性体を含む)、エチルメチルシクロヘプチル基(すべての置換異性体を含む)、及びトリメチルシクロヘプチル基(すべての置換異性体を含む)などが挙げられる。
【0112】
炭素数2〜10のアルケニル基としては、具体的には例えば、エテニル基、n−プロペニル基、イソプロペニル基、n−ブテニル基、イソブテニル基、sec−ブテニル基、tert−ブテニル基、直鎖または分枝ペンテニル基、直鎖または分枝ヘキセニル基、直鎖または分枝ヘプテニル基、直鎖または分枝オクテニル基、直鎖または分枝ノネニル基、及び直鎖または分枝デセニル基などが挙げられる。
【0113】
炭素数6〜10のアリール基またはアルキルアリール基としては、例えば、フェニル基、トリル基(すべての置換異性体を含む)、キシリル基(すべての置換異性体を含む)、エチルフェニル基(すべての置換異性体を含む)、直鎖または分枝プロピルフェニル基(すべての置換異性体を含む)、エチルメチルフェニル基(すべての置換異性体を含む)、トリメチルフェニル基(すべての置換異性体を含む)、直鎖または分枝ブチルフェニル基 (すべての置換異性体を含む)、直鎖または分枝プロピルメチルフェニル基(すべての置換異性体を含む)、ジエチルフェニル基(すべての置換異性体を含む)、エチルジメチルフェニル基(すべての置換異性体を含む)、及びテトラメチルフェニル基(すべての置換異性体を含む)などが挙げられる。
【0114】
炭素数7〜10のアルキルアリール基としては、具体的には例えば、ベンジル基、メチルベンジル基(すべての置換異性体を含む)、ジメチルベンジル基(すべての置換異性体を含む)、フェネチル基、メチルフェネチル基(すべての置換異性体を含む)、及びジメチルフェネチル基(すべての置換異性体を含む)などが挙げられる。
【0115】
74およびR75で表される炭素数1〜8のアルカノール基としては、具体的には例えば、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、直鎖または分枝ヒドロキシプロピル基、直鎖または分枝ヒドロキシブチル基、直鎖または分枝ヒドロキシペンチル基、直鎖または分枝ヒドロキシヘキシル基、直鎖または分枝ヒドロキシヘプチル基、直鎖または分枝ヒドロキシオクチル基、直鎖または分枝ヒドロキシノニル基、及び直鎖または分枝ヒドロキシデシル基等が挙げられる。
【0116】
一般式(24)で表される基を説明する。
76で表される炭素数2〜6のアルキレン基は、前記一般式(7)のR55で表される基と同じ基を挙げることができる。即ち、R76は、R49として先に説明した基が挙げられ、好ましくは、炭素数2〜4のアルキレン基である。
具体的には、エチレン基、プロピレン基(1−メチルエチレン基、2−メチルエチレン基)、トリメチレン基、ブチレン基(1−エチルエチレン基、2−エチルエチレン基)、1,2−ジメチルエチレン基、2,2−ジメチルエチレン基、1−メチルトリメチレン基、2−メチルトリメチレン基、3−メチルトリメチレン基およびテトラメチレン基などが好ましい例として挙げることができる。さらに好ましくは、炭素数2〜3のアルキレン基であり、具体的には、エチレン基、プロピレン基(1−メチルエチレン基、2−メチルエチレン基)およびトリメチレン基を挙げることができる。
【0117】
77で表される炭素数1〜4のアルキレン基は、前記一般式(7)のR56で表される炭素数1〜4のアルキル基と同じ基を挙げることができる。即ち、R77で表される炭素数1〜4のアルキル基としては、具体的には例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、およびtert−ブチル基などが挙げられる。R77は、好ましくは水素原子または炭素数1〜3のアルキル基であり、水素原子、メチル基またはエチル基であることが特に好ましい。
【0118】
78で表される炭素数1〜30の炭化水素基は、前記一般式(7)のR57で表される炭素数1〜30の炭化水素基と同じ基を挙げることができる。すなわち、R78で表される炭素数1〜30の炭化水素基として好ましいものには、R41について先に説明した炭素数1〜24の直鎖状または分枝状のアルキル基、炭素数5〜13のシクロアルキル基またはアルキルシクロアルキル基、炭素数2〜24の直鎖状または分枝状のアルケニル基、炭素数6〜18のアリール基またはアルキルアリール基、炭素数7〜19のアリールアルキル基などが包含される。
78は、水素原子、炭素数1〜12の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、または炭素数6〜12のアリール基もしくはアリールアルキル基がより好ましく、特に好ましくは、水素原子、炭素数1〜6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、フェニル基、炭素数7〜9のアリールアルキル基である。
【0119】
一般式(24)におけるnは、1〜5の整数を示し、好ましくは1〜4の整数であり、より好ましくは1〜3の整数である。
なお、一般式(24)で表される基は、構成単位(−R76N(R77)−)が、一種からなるものであってもよいし、あるいは二種以上からなるものであってもよい。そして、二種以上の構成単位からなる場合には、それらの構成単位はランダム結合、交互結合、あるいはブロック結合のいずれの結合形態もとることができる。
【0120】
74およびR75は、より優れた清浄性を得るために、それぞれ別個に水素原子または一般式(24)で表される基であることが好ましい。
【0121】
一般式(17)において、mはガソリン中への分散性保持、清浄性保持の点から、1以上であることが必要であり、5以上であることが好ましく、10以上であることがより好ましい。また粘度上昇によるバルブスティックや熱分解性悪化による燃焼室デポジットへの影響の点から、100以下であることが必要であり、50以下であることが好ましく、40以下であることがより好ましい。
ポリアルケニルアミンは、一般式(17)で表される1種のみの化合物を単独で用いてもよく、構造の異なる2種以上の化合物の混合物を用いてもよい。
また、ポリアルケニルアミンの数平均分子量は何ら制限はないが、ガソリン中への分散性保持、清浄性保持の点から、200以上であることが好ましく、400以上であることがより好ましく、700以上であることが特に好ましい。また、粘度上昇によるバルブスティックや熱分解性悪化による燃焼室デポジットへの影響の点から、6000以下であることが好ましく、3000以下であることがより好ましく、2400以下であることが特に好ましい。
【0122】
本発明の錆止め剤、金属不活性化剤、酸化防止剤、アミン系清浄分散剤を含有してなる燃料油組成物において、各添加剤の添加量(含有量)は、特に限定されないが、通常は燃料油組成物全量基準で、各々0.0001質量%〜1質量%の範囲である。
【0123】
錆止め剤、金属不活性化剤及び酸化防止剤の含有量は各々燃料油組成物全量基準で下記の通りであることが好ましい。
錆止め剤は、タンクや配管、ポンプ等の金属部材の酸化劣化を長期間防ぐために0.0005質量%以上の含有量で添加することが好ましく、更に好ましくは、0.001質量%以上であり、特に好ましくは0.0015質量%以上であり、最も好ましくは、0.002質量%以上である。一方、燃料油(特にガソリン)の諸性能に悪影響を及ぼさない、添加剤同士が反応し、不溶分が沈殿しない、それ以上添加しても効果の向上が期待できないなどの点から0.5質量%以下の含有量で添加することが好ましく、更に好ましくは0.1質量%以下であり、特に好ましくは0.05質量%以下である。
【0124】
金属不活性化剤は、燃料油(特にガソリン)の酸化劣化を長期間防ぐために0.0005質量%以上の含有量で添加することが好ましく、更に好ましくは、0.001質量%以上であり、特に好ましくは、0.0015質量%以上であり、最も好ましくは0.002質量%以上である。一方、上記と同様な理由から、0.5質量%以下の含有量で添加することが好ましく、更に好ましくは0.1質量%以下であり、特に好ましくは0.05質量%以下である。
【0125】
酸化防止剤は、燃料油(特にガソリン)の酸化劣化を長期間防ぐために0.005質量%以上の含有量で添加することが好ましく、更に好ましくは、0.008質量%以上であり、特に好ましくは0.01質量%以上であり、最も好ましくは0.012質量%以上である。一方、上記と同様な理由から、0.5質量%以下の含有量で添加することが好ましく、更に好ましくは0.3質量%以下であり、特に好ましくは0.1質量%以下である。
【0126】
アミン系清浄分散剤は、特にガソリン組成物においては、ガソリンエンジンにおける吸気系および燃焼室内の清浄性を向上させるために該組成物全量基準で0.005質量%以上の含有量で添加することが好ましく、更に好ましくは0.008質量%以上であり、特に好ましくは0.01質量%以上であり、最も好ましくは0.012質量%以上である。一方、ガソリンの諸性能に悪影響を及ぼさない、添加剤同士が反応し、不溶分が沈殿しない、それ以上添加しても効果の向上が期待できないなどの点から0.5質量%以下の含有量で添加することが好ましく、更に好ましくは0.3質量%以下であり、特に好ましくは0.1質量%以下である。
【0127】
本発明の燃料油組成物においては、特に酸化防止剤が比較的他の成分より多く含まれる系において特に有効である。酸化防止剤は、錆止め剤に対して好ましくは、2〜30質量倍、更に好ましくは2.5〜20質量倍、特に好ましくは3〜15質量倍の量を添加することが好ましい。また酸化防止剤は、金属不活性化剤に対して好ましくは、1.5〜25質量倍、更に好ましくは2〜20質量倍、特に好ましくは2.5〜15質量倍の量を添加することが好ましい。酸化防止剤は、清浄分散剤に対して好ましくは、1.0〜5質量倍、更に好ましくは1.1〜4質量倍、特に好ましくは1.2〜3質量倍の量を添加することが好ましい。更に酸化防止剤は、全添加剤の添加量のうち、30〜70質量%となる量を添加することが好ましく、更に好ましくは、35〜60質量%、特に好ましくは40〜55質量%となる量を添加することが好ましい。
【0128】
本発明の燃料油組成物を構成する燃料油は、ガソリン、軽油のいずれでもよいが、特にガソリンを用いる場合に有利であり、以下ではガソリン組成物について説明する。
ベースガソリンは、従来周知の任意の方法で製造することができる。ガソリン基材としては、具体的には例えば、原油を常圧蒸留して得られる軽質ナフサ;接触分解法、水素化分解法等で得られる分解ガソリン;接触改質法で得られる改質ガソリン;オレフィンの重合によって得られる重合ガソリン;イソブタン等の炭化水素に低級オレフィンを付加(アルキル化)することによって得られるアルキレート;軽質ナフサを異性化装置でイソパラフィンに転化して得られる異性化ガソリン;脱n−パラフィン油;ブタン;芳香族炭化水素化合物;及びプロピレンを二量化し、続いてこれを水素化して得られるパラフィン留分等が挙げられる。
【0129】
典型的な配合例を示すと、無鉛ガソリンは、例えば、
(1)改質ガソリン:0〜70容量%
(2)改質ガソリンの軽質留分(沸点範囲:25〜120℃程度):0〜35容量%
(3)改質ガソリンの重質留分(沸点範囲:110℃〜200℃程度):0〜45容量%
(4)分解ガソリン:0〜50容量%
(5)分解ガソリンの軽質留分(沸点範囲:25〜90℃程度):0〜45容量%
(6)分解ガソリンの重質留分(沸点範囲:90〜200℃程度):0〜40容量%
(7)アルキレート:0〜40容量%
(8)プロピレンを二量化し、続いてこれを水素化して得られるパラフィン留分:0〜30容量%
(9)異性化ガソリン:0〜30容量%
(10)MTBE:0〜15容量%
(11)軽質ナフサ:0〜20容量%
(12)ブタン:0〜10容量%
を調合することによって得ることができる。
【0130】
また、ベースガソリンを製造するにあたっては、ベンゼンの含有量を低減させる必要がある場合がある。その際のベンゼンの低減方法は特に限定されず任意であるが、特にベンゼンは改質ガソリン中に多く含まれていることから、改質ガソリンの配合割合を少なくすること、及び
(1)改質ガソリンを蒸留してベンゼン留分を除去する、
(2)改質ガソリン中のベンゼンをスルホラン等の溶剤を用いて抽出する、
(3)改質ガソリン中のベンゼンを他の化合物に転化する、
(A)ベンゼンを水素化しシクロヘキサン、メチルシクロペンタン等に転化する、
(B)ベンゼン及び炭素数9以上の芳香族炭化水素化合物とを反応させ、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等に転化する、
(C)ベンゼンを低級オレフィン(エチレン、プロピレン等)又は低級アルコール(メタノール、エタノール等)を用いてアルキル化する、
(4)接触改質装置の原料として、炭素数6の炭化水素化合物を蒸留して除去した脱硫重質ナフサを用いる、
(5)接触改質装置の運転条件を変更する、
等の方法によって、改質ガソリン中のベンゼン濃度を低下させる処理を行なった改質ガソリンを用いることが好ましい。
【0131】
また、本発明のガソリン組成物においては、本発明で用いる添加剤以外の添加剤を併用することができる。
その他(本発明で用いる添加剤以外)のガソリン添加剤としては、具体的には例えば、有機リン系化合物等の表面着火防止剤;多価アルコール及びそのエーテル等の氷結防止剤;有機酸のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩、高級アルコール硫酸エステル等の助燃剤;アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤等の帯電防止剤;アゾ染料等の着色剤;キリザニン、クマリン等の識別剤;及びエステルなどの天然精油合成香料等の着臭剤等が挙げられる。これらの添加剤は、1種又は2種以上を添加することができ、その合計添加量はガソリン組成物全量基準で0.1質量%以下とすることが好ましい。
【0132】
また、ベースガソリン、本発明で用いる添加剤及び必要に応じてその他のガソリン添加剤からなるガソリン組成物の性状、組成については、特に制限されない。しかしながら、JIS K 2254「石油製品−蒸留試験方法」によって測定される蒸留性状は、下記の通りであることが望ましい。
蒸留初留点 :20〜45℃
10容量%留出温度(T10):35〜55℃
30容量%留出温度(T30):55〜75℃
50容量%留出温度(T50):75〜100℃
70容量%留出温度(T70):100〜130℃
90容量%留出温度(T90):110〜160℃
蒸留終点 :130〜210℃
【0133】
初留点の下限値は好ましくは20℃、より好ましくは25℃である。20℃に満たない場合には高温条件下で始動性が悪化する可能性がある。一方、初留点の上限値は好ましくは45℃、より好ましくは40℃、さらにより好ましくは35℃である。45℃を超える場合には低温始動性に不具合を生じる可能性がある。
10の下限値は好ましくは35℃、より好ましくは40℃である。35℃に満たない場合には高温条件下で始動性が悪化する可能性がある。一方、T10の上限値は好ましくは55℃、より好ましくは50℃、さらにより好ましくは48℃である。55℃を超える場合には低温始動性に不具合を生じる可能性がある。
30の下限値は好ましくは55℃、より好ましくは60℃である。55℃に満たない場合には高温運転性に不具合を生じたりインジェクタ内でガソリンのコーキングを生じたりする可能性がある。一方、T30の上限値は好ましくは75℃、より好ましくは70℃、さらにより好ましくは68℃である。75℃を超える場合には低温運転性に不具合を生じる可能性がある。
50の下限値は好ましくは75℃、より好ましくは80℃である。75℃に満たない場合には高温運転性に不具合を生じる可能性がある。一方、T50の上限値は好ましくは100℃、より好ましくは95℃、更により好ましくは93℃である。100℃を超える場合には低温及び常温運転性に不具合を生じる可能性がある。
70の下限値は100℃であることが好ましい。一方、T70の上限値は好ましくは130℃、より好ましくは125℃、更により好ましくは123℃、最も好ましくは120℃である。130℃を越える場合には低温及び常温運転性に不具合を生じる可能性がある。
90の下限値は好ましくは110℃、より好ましくは120℃である。110℃に満たない場合は燃費が低下する可能性がある。一方、T90の上限値は、低温及び常温運転性の悪化、排出ガスの増加、エンジンオイルの劣化およびスラッジの発生を抑制することができるなどの点から、好ましくは160℃、より好ましくは150℃、更により好ましくは140℃である。
蒸留終点の下限値は130℃であることが好ましい。一方、蒸留終点の上限値は、好ましくは210℃、より好ましくは200℃、更により好ましくは195℃、最も好ましくは190℃である。終点が210℃を越える場合には常温運転性に不具合を生じる可能性がある。
【0134】
また、上記ガソリン組成物の蒸気圧には特に制限はないが、インジェクタ内でのガソリンコーキングの不具合が生じることがなく、またエバポエミッションの量が抑えられることから、蒸気圧は70kPa以下が好ましく、より好ましくは65kPa以下、さらにより好ましくは60kPa以下、最も好ましくは55kPa以下である。ここで蒸気圧とは、JIS K 2258「原油及び燃料油蒸気圧試験方法(リ−ド法)」により測定される蒸気圧(リード蒸気圧(RVP)を意味する。
上記ガソリン組成物の密度(15℃)には特に制限はないが、0.73〜0.77g/cm3であることが望ましい。密度の下限値は燃費の点からより好ましくは0.735g/cm3である。一方、密度の上限値は加速性及びプラグのくすぶりの観点からより好ましくは0.76g/cm3である。ここで密度とは、JIS K 2249「原油及び石油製品の密度試験方法並びに密度・質量・容量換算表」により測定される密度を意味する。
上記ガソリン組成物は、四エチル鉛等のアルキル鉛化合物を実質的に含有しないガソリンであり、たとえ極微量の鉛化合物を含有する場合であっても、その含有量はJIS K 2255「ガソリン中の鉛分試験方法」の適用区分下限値以下である。
【0135】
上記ガソリン組成物のオクタン価には特に制限はないが、よりアンチノッキング性を高めるため、リサーチ法オクタン価(RON)は89以上であることが好ましく、より好ましくは90以上、さらにより好ましくは90.5以上、最も好ましくは91以上である。また、より高速走行中のアンチノック性を高めるために、モーター法オクタン価(MON)は80以上であることが好ましく、より好ましくは80.5以上、最も好ましくは81以上である。ここでリサーチ法オクタン価及びモーター法オクタン価とは、それぞれ、JIS K 2280「オクタン価及びセタン価試験方法」により測定されるリサーチ法オクタン価及びモーター法オクタン価をそれぞれ意味する。
上記ガソリン組成物において、飽和分、オレフィン分及び芳香族分の各含有量については特に制限はないが、下記の割合であることが望ましい。
飽和分(V(P)) :50〜100容量%
オレフィン分(V(O)):0〜15容量%
芳香族分(V(Ar)) :0〜35容量%
V(P)は、インジェクタ内でのガソリンのコーキング防止、及びプラグのくすぶりを低減させる、排出ガスのオゾン生成能を低く抑える、排出ガス中のベンゼン濃度を低減させる、すすを発生させない等の観点から、その値は、より好ましくは60〜100容量%、さらにより好ましくは70〜100容量%であり、最も好ましくは75〜100質量%である。
また、V(O)は、インジェクタ内でのガソリンのコーキング防止の観点からより好ましくは0〜10容量%、さらにより好ましくは0〜7容量%、最も好ましくは0〜5容量%である。
さらに、V(Ar)は、プラグのくすぶりを低減させる、排出ガスのオゾン生成能を低く抑える、排出ガス中のベンゼン濃度を低減させる、すすを発生させない等の観点からより好ましくは0〜30容量%、さらにより好ましくは0〜25容量%、最も好ましくは0〜20容量%である。
上記のV(P)、V(O)及びV(Ar)は、全てJIS K 2536「石油製品−炭化水素タイプ試験方法」の蛍光指示薬吸着法により測定される値である。
【0136】
また、上記ガソリン組成物の各成分の含有量には特に制限はないが、以下のような条件を満たすことが望ましい。
(1) V(Bz):0〜1容量%
(2) V(Tol):0〜30容量%
(3) V(C8A):0〜20容量%
(4) V(C9A):0〜5容量%
(5) V(C10+A):0〜3容量%
(6) V(PA)=0
又は
V(PA)≠0の際にV(MA)/V(PA):1以上
(7) V(C4):0〜10容量%
(8) V(C5):10〜35容量%
(9) V(C6):10〜30容量%
(10)V(C7+p):10〜50容量%
(11)V(C9+):0〜10容量%
上記のV(Bz)は、ガソリン組成物全量基準のベンゼン含有量を示し、上記の範囲とすることで、排出ガス中のベンゼン濃度を低く抑えることができる。その値は、好ましくは、0〜1容量%であり、より好ましくは0〜0.5容量%である。
上記のV(Tol)及びV(C8A)は、それぞれガソリン組成物全量基準 のトルエン含有量及び炭素数8の芳香族炭化水素化合物含有量を示し、V(Tol)の値は、好ましくは0〜30容量%であり、より好ましくは0〜20容量%、V(C8A)の値は、好ましくは0〜20容量%であり、より好ましくは0〜15容量%である。なお、炭素数8の芳香族炭化水素化合物としては、エチルベンゼン及びキシレン(全ての置換異性体を含む)等が挙げられる。
上記のV(C9A)は、ガソリン組成物全量基準の炭素数9の芳香族炭化水素化合物含有量を示し、排出ガスのオゾン生成能を低く抑えるために、その値は、好ましくは0〜5容量%であり、より好ましくは0〜3容量%である。炭素数9の芳香族炭化水素としては、例えば、n−プロピルベンゼン、イソプロピルベンゼン(クメン)、エチルメチルベンゼン(全ての置換異性体を含む)及びトリメチルベンゼン(全ての置換異性体を含む)等が挙げられる。
【0137】
上記のV(C10+A)は、ガソリン組成物全量基準の炭素数10以上の芳香族炭化水素化合物含有量を示し、排出ガスのオゾン生成能を低く抑えるために、その量が好ましくは0〜3容量%であり、より好ましくは0〜1容量%、最も好ましくは0容量%である。炭素数10以上の芳香族炭化水素化合物としては、例えば、ジエチルベンゼン(全ての置換異性体を含む)、ジメチルエチルベンゼン(全ての置換異性体を含む)、テトラメチルベンゼン(全ての置換異性体を含む)及びn−ブチルメチルベンゼン(全ての置換異性体を含む)等が挙げられる。
上記のV(MA)及びV(PA)は、それぞれガソリン組成物全量を基準としたモノアルキル置換芳香族炭化水素化合物含有量(容量%)及び2つ以上のアルキル基で置換された芳香族炭化水素化合物含有量(容量%)を示すが、本発明にあってはV(PA)が0であるか、又はV(PA)が0でない場合は、前者の含有量と後者の含有量の比、V(MA)/V(PA)の値は、好ましくは1以上、より好ましくは1.5以上、更により好ましくは2以上に維持されることである。
なお、上記したV(Bz)、V(Tol)、V(C8A)、V(C9A)、V(C10+A)、V(MA)及びV(PA)は、いずれもJIS K 2536 「石油製品−炭化水素タイプ試験方法」のガスクロマトグラフ法で定量して得られる値である。
上記のV(C4)は、ガソリン組成物全量を基準とした炭素数4の炭化水素化合物含有量を示す。エバポエミッションの量をより低く抑えられる点から、V(C4)の値は好ましくは0〜10容量%であり、より好ましくは0〜5容量%、更により好ましくは0〜3容量%である。炭素数4の炭化水素化合物としては、例えば、n−ブタン、2−メチルブタン(イソブタン)、1−ブテン、2−ブテン及び2−メチルプロペン等が挙げられる。
上記のV(C5)は、ガソリン全量を基準とした炭素数5の脂肪族炭化水素化合物含有量を示し、その下限値は好ましくは10容量%、より好ましくは15容量%、上限値は好ましくは35容量%、より好ましくは30容量%である。炭素数5の脂肪族炭化水素化合物の含有量を10容量%以上にすることで、常温運転性により優れたガソリン組成物が得られる。また、これを35容量%以下にすることで高温運転性により優れたガソリン組成物が得られる。そして、インジェクタ内でのガソリンのコーキング防止の観点から、炭素数5の脂肪族炭化水素化合物の中の不飽和炭化水素化合物の含有量(V(C5o))(容量%)は0であるか、あるいは炭素数5の脂肪族炭化水素化合物の中の飽和炭化水素化合物の含有量(V(C5p))(容量%)とV(C5o)との比、すなわち、V(C5p)/V(C5o)の値は好ましくは1以上、より好ましくは1.5以上、さらにより好ましくは2以上、最も好ましくは3以上である。炭素数5の飽和脂肪族炭化水素化合物としては、例えば、n−ペンタン、2−メチルブタン(イソペンタン)、2,2−ジメチルプロパン(ネオペンタン)等が挙げられ、同じく不飽和脂肪族炭化水素化合物としては、1−ペンテン、2−ペンテン、2−メチル−1−ブテン、2−メチル−2−ブテン及び3−メチル−1−ブテン等が挙げられる。
【0138】
上記のV(C6)は、ガソリン組成物全量を基準とした炭素数6の脂肪族炭化水素化合物の含有量を示し、その下限値は好ましくは10容量%、より好ましくは15容量%であり、上限値は好ましくは30容量%であり、より好ましくは25容量%である。炭素数6の脂肪族炭化水素化合物の含有量を10容量%以上にすることで、常温運転性により優れたガソリン組成物が得られる。また、これを30容量%以下にすることで高温運転性により優れたガソリン組成物が得られる。そして、インジェクタ内でのガソリンのコーキング防止の観点から、炭素数6の脂肪族炭化水素化合物の中の飽和炭化水素化合物の含有量(V(C6o))(容量%)が0であるか、或るいは炭素数6の脂肪族炭化水素化合物の中の飽和炭化水素化合物の含有量(V(C6p))(容量%)とV(C6o)との比、すなわち、V(C6p)/V(C6o)の値は好ましくは2以上、より好ましくは3以上、さらにより好ましくは5以上、最も好ましくは10以上である。炭素数6の飽和脂肪族炭化水素化合物としては、例えば、n−ヘキサン、2−メチルペンタン、3−メチルペンタン、2,2−ジメチルブタン、2,3−ジメチルブタン等が挙げられ、同じく不飽和脂肪族炭化水素化合物としては、例えば、1−ヘキセン、2−ヘキセン、3−ヘキセン、2−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、2−メチル−2−ペンテン、3−メチル−2−ペンテン、4−メチル−2−ペンテン、2,3−ジメチル−1−ブテン、3,3−ジメチル−1−ブテン及び2,3−ジメチル−2−ブテン等が挙げられる。
【0139】
上記のV(C7+p)は、ガソリン組成物全量を基準とした炭素数7以上の飽和脂肪族炭化水素化合物の含有量を示し、その下限値は好ましくは10容量%であり、より好ましくは20容量%である。上限値は好ましくは50容量%であり、より好ましくは45容量%である。炭素数7以上の飽和脂肪族炭化水素化合物の含有量を10容量%以上にすることで、常温運転性により優れたガソリン組成物が得られ、これを50容量%以下にすることで高温運転性により優れたガソリン組成物が得られる。炭素数7以上の飽和脂肪族炭化水素化合物としては、例えば、n−ヘプタン、2−メチルヘキサン、3−メチルヘキサン、2,2−ジメチルペンタン、2,3−ジメチルペンタン、2,4−ジメチルペンタン、3,3−ジメチルペンタン、3−エチルペンタン及び2,2,3−トリメチルブタン等が挙げられる。
上記V(C9+)は、ガソリン組成物全量を基準とした炭素数9以上の炭化水素化合物の含有量を示し、低温及び常温運転性の点から、またエンジンオイルのガソリン希釈を低減させ、排出ガスの増加、エンジンオイルの劣化及びスラッジ発生を防止できること等から、この値が好ましくは0〜10容量%であり、より好ましくは0〜5容量%であり、さらにより好ましくは0容量%である。
なお、上記したV(C4)、V(C5)、V(C5p)、V(C5o)、V(C6)、V(C6p)、V(C6o)、V(C7+p)及びV(C9+)は、以下に示すガスクロマトグラフィー法により定量される値を意味する。すなわち、カラムにはメチルシリコンのキャピラリーカラム、キャリアガスにはヘリウム又は窒素を、検出器には水素イオン化検出器(FID)を用い、カラム長25〜50m、キャリアガス流量0.5〜1.5mL/分、分割比1:50〜1:250、注入口温度150〜250℃、初期カラム温度−10〜10℃、終期カラム温度150〜250℃、及び検出器温度150〜250℃の条件で測定した値である。
【0140】
上記ガソリン組成物において含酸素化合物の含有量は特に制限はないが、ガソリン組成物全量基準で酸素元素換算で好ましくは0〜2.7質量%、より好ましくは0〜2.0質量%である。含有量が2.7質量%を越える場合は、ガソリン組成物の燃費が悪化し、また排出ガス中のNOxが増加する可能性がある。
ここで含酸素化合物とは、炭素数2〜4のアルコール類、炭素数4〜8のエーテル類等を意味する。本発明に係るガソリン組成物に配合可能な含酸素化合物としては、例えば、エタノール、メチルターシャリーブチルエーテル(MTBE)、エチルターシャリーブチルエーテル、ターシャリーアミルメチルエーテル(TAME)及びターシャリーアミルエチルエーテル等が挙げられ、これらの中でもMTBE及びTAMEが好ましく、最も好ましくはMTBEである。なお、メタノールは排出ガス中のアルデヒド濃度が高くなる可能性があり、腐食性もあるので好ましくない。
上記ガソリン組成物において硫黄分含有量は特に制限はないが、ガソリン組成物全量基準で、好ましく50ppm以下、より好ましくは30ppm以下、さらにより好ましくは20ppm以下、最も好ましくは10ppm以下である。硫黄分含有量が50ppmを越える場合、排出ガス処理触媒の性能に悪影響を及ぼし、排出ガス中のNOx、CO、HCの濃度が高くなる可能性があり、またベンゼンの排出量も増加する可能性がある。ここで硫黄分とは、JIS K 2541「原油及び石油製品−硫黄分試験方法」により測定される硫黄分を意味する。
【0141】
上記ガソリン組成物は、JIS K 2261「石油製品−自動車ガソリン及び航空燃料油−実在ガム試験方法−噴射蒸発法」により測定した未洗実在ガムの含有量が、一般に20mg/100mL以下であって、洗浄実在ガムの含有量が一般に3mg/100mL以下であり、好ましくは1mg/100mL以下である。未洗実在ガム及び洗浄実在ガムが上記の値を超えた場合は、燃料導入系統において析出物が生成したり、吸入弁が膠着する心配がある。
上記ガソリン組成物の、JIS K 2279「原油及び石油製品−発熱量試験方法及び計算による推定方法」により測定した総発熱量は、一般に40000J/g以上、好ましくは45000J/g以上である。
さらに、上記ガソリン組成物は、灯油混入量は4容量%以下であることが望ましい。ここで、灯油混入量とはガソリン組成物全量基準での炭素数13〜14の炭化水素含有量(容量%)を表し、この量は以下に示すガスクロマトグラフィー法により定量して得られるものである。すなわち、カラムにはメチルシリコンのキャピラリーカラム、キャリアガスにはヘリウム又は窒素を、検出器には水素イオン化検出器(FID)を用い、カラム長25〜50m、キャリアガス流量0.5〜1.5mL/分、分割比1:50〜1:250、注入口温度150〜250℃、初期カラム温度−10〜10℃、終期カラム温度150〜250℃、検出器温度150〜250℃の条件で測定した値である。
【0142】
【実施例】
以下に本発明の実施例を説明するが、これらの実施例は本発明を限定するものではない。
【0143】
基材ガソリンの調製
接触改質ガソリン60容量部、接触分解ガソリン25容量部、アルキレート10容量部及び軽質ナフサ5容量部を混合して下記の性状を有する基材ガソリン(内燃機関用ガソリン)を調製した。
基材ガソリン性状
リード蒸気圧:63.7kPa(0.65kgf/cm2)
比 重:0.728
沸点範囲 :30〜190℃
オクタン価 :98.2
【0144】
[実施例1]
上記基材ガソリンに、錆止め剤としてテトラプロペニルコハク酸誘導体(ハーフエステル70質量%、テトラプロペニルコハク酸(一般式(2))15質量%)を50質量ppm、金属不活性化剤としてN,N´−ジサリチリデン−1,2−ジアミノプロパンを70質量ppm、酸化防止剤として2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノールを300質量ppm、アミン系清浄分散剤として下記式で表されるポリエーテルアミンを200質量ppm添加し、本発明に従うガソリン組成物(サンプル1)を調製した。
【0145】
【化23】
Figure 0004648525
【0146】
[実施例2]
実施例1において、錆止め剤としてテトラプロペニルコハク酸誘導体(ハーフエステル85質量%、テトラプロペニルコハク酸(一般式(2))3質量%)を100質量ppm、及び金属不活性化剤としてN,N´−ジサリチリデン−1,2−ジアミノプロパンを100質量ppm用いたこと以外は同様にして本発明に従うガソリン組成物(サンプル2)を調製した。
【0147】
[実施例3]
実施例1において、錆止め剤としてテトラプロペニルコハク酸誘導体(ハーフエステル50質量%、テトラプロペニルコハク酸(一般式(2))45質量%)を用いたこと以外は同様にして本発明に従うガソリン組成物(サンプル3)を調製した。
【0148】
[比較例1]
実施例3において、錆止め剤としてテトラプロペニルコハク酸誘導体(ハーフエステル50質量%、テトラプロペニルコハク酸(一般式(2))45質量%)を100質量ppm用い、金属不活性化剤を用いなかったこと以外は同様にして比較用のガソリン組成物(比較サンプル1)を調製した。
【0149】
[比較例2]
上記基材ガソリンに錆止め剤としてテトラプロペニルコハク酸(一般式(2))100質量%、ハーフエステル0質量%)を50質量ppm、金属不活性化剤としてN,N´−ジサリチリデン−1,2−ジアミノプロパンを70質量ppm、、酸化防止剤として2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノールを300質量ppm添加し、比較用のガソリン組成物(比較サンプル2)を調製した。
【0150】
[比較例3]
実施例3において、酸化防止剤としてN−イソプロピル−p−フェニレンジアミンを300質量ppm用いたこと以外は同様にして比較用のガソリン組成物(比較サンプル3)を調製した。
【0151】
[比較例4]
上記基材ガソリンに錆止め剤としてテトラプロペニルコハク酸のジエステル(100質量%、ハーフエステル0質量%、テトラプロペニルコハク酸(一般式(2)0質量%)を100質量ppm、金属不活性化剤としてN,N´−ジサリチリデン−1,2−ジアミノプロパンを70質量ppm、、酸化防止剤として2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノールを300質量ppm添加し、比較用のガソリン組成物(比較サンプル4)を調製した。
【0152】
得られ実施例及び比較例のガソリン組成物について下記の(1)〜(4)に示す試験を実施し、評価した。評価結果を表1に示す。
(1)錆止め性能試験
JIS K 2510に規定された試験装置および試験片を用意し、試験温度を50±1℃にしたこと以外は、同方法に準拠し、作業を行い、錆の有無を確認した。
【0153】
(2)酸化安定度試験
JIS K 2287に準拠し、酸化安定度試験を行った。
【0154】
(3)沈殿物生成試験
サンプル10Lおよび蒸留水2mLを耐圧容器に入れ、60℃で5時間攪拌した。これを0℃で24時間貯蔵した後、再びよく攪拌し、目開き0.2μmのメンブランフィルターを用いてろ過し、析出物をフィルターに捕集した。容器内をヘキサンで3回洗浄し、同様にろ過し、フィルターに捕集した。フィルターを乾燥後、秤量し、ガソリンに不溶な析出物量を求めた。
また、この析出物を塩酸で分解した後、質量スペクトルを測定したところ、テトラプロペニルコハク酸および1,2−プロパンジアミン(比較例3では、テトラプロペニルコハク酸、1,2−プロパンジアミン及びN―イソプロピル−p−フェニレンジアミン)に由来するフラグメントが観測された。
【0155】
(4)吸気系デポジット清浄性試験
上記の各ガソリン組成物に対して以下に示すエンジン評価試験を行った。評価は、添加剤を添加しない基材ガソリンのみを使用した場合(基材ガソリン100質量%)の評価を基準に行った。
【0156】
[エンジン評価試験]
総排気量2000mlの燃料インジェクター式エンジンを装備した乗用車を使用し、以下に示す1サイクル1時間の走行モードを200時間繰り返した後、エンジンを分解して吸気弁に付着したデポジット量を測定し、基材ガソリンのみを用いた場合のデポジット量との変化量(差)を吸気系デポジット清浄性の評価とした。なお、評価に使用したエンジンは、各試験前に分解し、燃焼室内、吸気系内のデポジットを完全に除去した後、重量を測定した新品の吸気バルブ、排気バルブ、点火プラグを装着、組み付け、新品のエンジンオイルを充填してから試験を行った。
【0157】
Figure 0004648525
【0158】
【表1】
Figure 0004648525
【0159】
表1の結果から明らかなように、本発明の燃料油組成物は、燃料や部材の酸化劣化安定性および吸気系デポジットの清浄性に優れ、また錆や腐食も生じることがなく、かつ添加剤同士の反応により生成するガソリンに不溶な沈殿物の生成が極めて少ない。
これに対して、金属不活性化剤を添加しない比較サンプル1では、酸化安定性が劣っている。錆止め剤がアルケニルコハク酸のみかなる比較サンプル2では、該コハク酸と金属不活性化剤との反応によりガソリンに不溶な沈殿物が大量に生成している。またフェノール系酸化防止剤に変えて、アミン系の酸化防止剤を使用した比較サンプル3では、沈殿物の生成が多くなることがわかる。更に錆止め剤がジエステルのみからなる比較サンプル4では錆が発生した。
【0160】
【発明の効果】
一般式(1)で表される錆止め剤、サリチリデン誘導体(金属不活性化剤)、フェノール系酸化防止剤、及びアミン系清浄剤分散剤を含有してなる本発明の燃料油組成物は、混合した個々の添加剤の性能が低下することなく、維持されており、かつ燃料油に対する不溶分も殆ど生成することがなく、長期間の酸化劣化防止機能に優れている。特に本発明の組成物は、上記の添加剤を含む系において酸化防止剤を比較的多く用いるガソリン組成物として用いる場合に有利である。

Claims (1)

  1. 燃料油に、一般式(1)で表される錆止め剤、サリチリデン誘導体、フェノール系酸化防止剤及びアミン系清浄分散剤を含有してなる燃料油組成物であって、一般式(1)において、aおよびcのうちいずれか一方が0で表される化合物を50質量%以上含有することを特徴とする燃料油組成物
    Figure 0004648525
    (一般式(1)において、R及びRは、それぞれ別個に炭素数1〜30の炭化水素基を表し、R、R及びRは、それぞれ別個に炭素数2〜6のアルキレン基を表し、aは0または1を表し、bは0〜5の整数を表し、そしてcは0または1を表す。)
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