JP4647858B2 - 酸化またはアンモ酸化用酸化物触媒及びその製造方法 - Google Patents

酸化またはアンモ酸化用酸化物触媒及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プロパンまたはイソブタンの気相接触酸化または気相接触アンモ酸化反応に用いる酸化物触媒、及び該酸化物触媒を用いる不飽和酸または不飽和ニトリルの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、プロピレンまたはイソブチレンを気相接触酸化反応または気相接触アンモ酸化して、対応する不飽和カルボン酸または不飽和ニトリルを製造する方法がよく知られている。一方で、近年、プロピレンまたはイソブチレンに替えてプロパンまたはイソブタンを気相接触酸化または気相接触アンモ酸化することによって対応する不飽和カルボン酸または不飽和ニトリルを製造する方法が着目されており、種々の触媒製造方法及び反応方法が提案されている。
【0003】
例えば、Mo−V−Nb−Sbを含む酸化物触媒の製造方法が、特開平9−157241号公報、特開平10−330343号公報、特開平10−28862号公報、特開平11−42434号公報、特開平11−43314号公報、特開平11−226408号公報、特開平10−57479号公報、特開2000−70714号公報、特開2000−143244号公報、特開2001−58827号公報などに開示されている。
【0004】
また、Mo−V−Sbを含むアクリル酸触媒の製造方法が、特開2000−354765号公報、特開2000−317309号公報、特開2000−254496号公報、特開2000−256257号公報、特開2000−246108号公報、特開2000−51693号公報、特開平11−285636号公報、特開平11−285637号公報、特開平10−230164号公報、特開2001−70788号公報などに開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の公報に開示された酸化物調製法により得られた触媒を、プロパンまたはイソブタンの気相接触酸化または気相接触アンモ酸化反応に用いるとき、未だ目的物の選択率は不十分であった。特に、流動床反応に好適な担持触媒は、目的物の選択率が低下しがちである。
【0006】
また、酸化物触媒を製造するにあたって、特開2000−70714号公報、特開2000−354765号公報、特開2000−317309号公報、特開2000−254496号公報、特開2000−256257号公報、特開2000−246108号公報、特開2000−51693号公報、特開平11−285636号公報、特開平11−285637号公報、特開平10−230164号公報、特開2001−70788号公報では、モリブデン、バナジウム、アンチモンを含有する混合液を過酸化水素で酸化処理することが記載されている。
【0007】
特開平11−226408号公報においては、モリブデン化合物と金属アンチモンを含有する混合液を過酸化水素で溶液化する手法が記されているが、一般的に金属アンチモンは高価であり、工業的な大量製造には不向きである。その他の公報においては、酸化剤を用いてSb含有溶液を調製する触媒の製造方法やその溶液化の方法について詳細には言及されておらず、具体例も記載されていない。
【0008】
以上の点から、目的物の選択率が高い、気相接触酸化または気相接触アンモ酸化用酸化物触媒を製造する手法の確立が切望されていた。
本発明の第1の目的は、目的物の選択率が高い、不飽和酸または不飽和ニトリルの製造に用いる、新規な酸化物触媒及びその製造方法を提供することである。
本発明の第2の目的は、上記の製造方法により得られる酸化物触媒を用いて、プロパンまたはイソブタンを気相接触酸化または気相接触アンモ酸化させ、対応する不飽和酸または不飽和ニトリルを製造する方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、プロパンまたはイソブタンの気相接触酸化反応または気相接触アンモ酸化反応に用いる酸化物触媒について鋭意検討した結果、バナジウムとアンチモンのモル比がV/Sb<1を満たす触媒の成分組成であって、原料調合工程において、モリブデン化合物及び/またはバナジウム化合物、三酸化二アンチモンを含む原料混合液を、過酸化水素を用いて溶液化して得られる触媒を用いることにより、上記課題が解決されることを見出し、本発明をなすに至った。
【0010】
即ち、本発明の態様は、以下の[1]〜[9]である。
[1]プロパンまたはイソブタンの気相接触酸化反応または気相接触アンモ酸化反応に用いる下記の一般組成式(1)で表される成分組成の酸化物触媒であって、原料を調合する工程中に、モリブデン化合物及び/またはバナジウム化合物、三酸化二アンチモン及び水性溶媒から成る原料混合液を過酸化水素を用いて溶液化する工程を含む製造方法によって得られたことを特徴とする酸化物触媒;
Mo1aNbbSbcn (1)
(a、b、c及びnはモリブデン1原子当たりの原子比を表し、aは0.01≦a≦1、bは0.01≦b≦1、cは0.01≦c≦1、aとcの比は0.01≦a/c<1、そしてnは構成金属の原子価及び組成比によって決まる数である。)
【0011】
[2]上記原料混合液に用いる過酸化水素とアンチモンのモル比が、0<H22/Sb≦20であることを特徴とする上記[1]に記載の酸化物触媒。
【0012】
[3]上記原料混合液に用いる過酸化水素とアンチモンのモル比が、2<H22/Sb≦10であることを特徴とする上記[1]又は[2]のいずれかに記載の酸化物触媒。
【0013】
[4]上記溶液化する工程が、液温を70℃以上とした上記原料混合液に過酸化水素を添加する工程であることを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに記載の酸化物触媒。
【0014】
[5]上記モリブデン化合物がヘプタモリブデン酸アンモニウムであり、上記バナジウム化合物がメタバナジン酸アンモニウムであることを特徴とする[1]〜[4]のいずれかに記載の酸化物触媒。
【0015】
[6]上記酸化物触媒を構成するニオブの原料が、ジカルボン酸とニオブの化合物を含み、かつ、ジカルボン酸/ニオブのモル比が1〜4のニオブ含有液であることを特徴とする上記[1]〜[5]のいずれかに記載の酸化物触媒。
【0016】
[7]上記酸化物触媒が、触媒構成元素の酸化物とシリカの全重量に対し、SiO2換算で20〜60重量%のシリカに担持されたシリカ担持触媒であることを特徴とする上記[1]〜[6]のいずれかに記載の酸化物触媒。
【0017】
[8]プロパンまたはイソブタンを気相接触酸化反応または気相接触アンモ酸化反応させて、対応する不飽和酸または不飽和ニトリルを製造するにあたり、上記[1]〜[7]のいずれかに記載の酸化物触媒を用いることを特徴とする不飽和酸または不飽和ニトリルの製造方法。
[9]上記[1]〜[7]のいずれかに記載の酸化物触媒の製造方法であって、原料を調合する工程中に、モリブデン化合物及び/またはバナジウム化合物、三酸化二アンチモン及び水性溶媒からなる原料混合液を過酸化水素を用いて溶液化することを特徴とする酸化物触媒の製造方法。
【0018】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の触媒は下記の一般組成式(1)で示される酸化物触媒である。
Mo1aNbbSbcn (1)
(a、b、c及びnはモリブデン1原子当たりの原子比を表し、aは0.01≦a≦1、bは0.01≦b≦1、cは0.01≦c≦1、aとcの比は0.01≦a/c<1、そしてnは構成金属の原子価及び原子比によって決まる数である。)
また、モリブデン1原子当たりの原子比a〜cは、それぞれ、0.1〜0.4、0.01〜0.2、0.1〜0.5が好ましい。
【0019】
本発明の酸化またはアンモ酸化用の酸化物触媒は、シリカ担持触媒であることが好ましい。酸化物触媒がシリカ担持触媒の場合、高い機械的強度を有するので、流動床反応器を用いた気相接触酸化反応または気相接触アンモ酸化反応に好適である。シリカ担体の含有量は、触媒構成元素の酸化物とシリカ担体から成るシリカ担持酸化物触媒の全重量に対して、SiO2換算で20〜60重量%であることが好ましく、より好ましくは25〜55重量%である。
【0020】
本発明の酸化またはアンモ酸化用の酸化物触媒は、一般的な製造方法で調製することができ、例えば、(I)原料を調合する工程、(II)工程(I)で得られた原料調合液を乾燥し、触媒前駆体を得る工程、(III)工程(II)で得られた触媒前駆体を焼成する工程の3つの工程を経て製造することができる。
【0021】
本明細書における「調合」とは、水性溶媒に、触媒構成元素の原料を溶解または分散させることである。また、本明細書における「原料」とは、工程(I)で用いるものである。本発明の触媒を調製する際に用いる原料は特に限定されないが、例えば、下記の化合物を用いることができる。
【0022】
モリブデンの原料としては、ヘプタモリブデン酸アンモニウム〔(NH46Mo724・4H2O〕を好適に用いることができる。
バナジウムの原料としては、メタバナジン酸アンモニウム[NH4VO3]を好適に用いることができる。
【0023】
ニオブの原料としては、ニオブ酸、ニオブの無機酸塩及びニオブの有機酸塩を用いることができるが、特にニオブ酸がよい。ニオブ酸はNb25・nH2Oで表され、ニオブ水酸化物または酸化ニオブ水和物とも称される。更にジカルボン酸/ニオブのモル比が1〜4のニオブ原料液として用いることが好ましい。ジカルボン酸としてはシュウ酸を用いることが好ましい。シリカの原料としてはシリカゾルを用いることが好ましい。
【0024】
以下に、上記工程(I)〜(III)からなる本発明の触媒の好ましい調製例を説明する。
【0025】
<工程I:原料を調合する工程>
先に述べた原料を用い、原料調合液を得る。以下に一例を示す。
ヘプタモリブデン酸アンモニウム、三酸化二アンチモンを水に添加し、80℃以上に加熱攪拌して混合液を得る。次いで、攪拌しながらこの混合液に過酸化水素を少量ずつ添加し、所定量の過酸化水素を添加後、約30分以内に透明な溶液を得る。この時、H22/Sb(モル比)は0〜20がよく、特に、2〜10が好ましい。更に、得られた溶液にメタバナジン酸アンモニウムを添加し、Mo−V−Sb含有混合液(A)を得る。
【0026】
一方で、ニオブ酸とシュウ酸を水中で加熱撹拌して混合液(B0)を調製する。混合液(B0)は特開平11−253801号公報に教示されている方法で得られるニオブ含有液を用いることができる。場合によっては、更に、混合液(B0)に、過酸化水素を添加し、混合液(B)を調製する。この時、H22/Nb(モル比)は0.5〜10が好ましく、特に、1〜5が好ましい。
【0027】
目的とする組成に合わせて、混合液(A)、混合液(B)、混合液(B0)を好適に混合して、原料調合液を得る。本発明の酸化物触媒がシリカ担持触媒の場合、シリカゾルを含むように原料調合液が調製される。シリカゾルは適宜添加することができる。
【0028】
混合液(A)を調製する時には、メタバナジン酸アンモニウムと三酸化二アンチモンを出発原料とすることもできる。その場合、過酸化水素による反応後にヘプタモリブデン酸アンモニウムを添加し、混合液(A)を得る。また、ヘプタモリブデン酸アンモニウム、メタバナジン酸アンモニウム、三酸化二アンチモンを同時に使用することも可能であり、過酸化水素添加後の透明な溶液を混合液(A)とする。
【0029】
(工程II:乾燥工程)
上記の工程(I)で得られた原料調合液を噴霧乾燥法によって乾燥させ、乾燥粉体を得る。噴霧乾燥法における噴霧手段としては遠心方式、二流体ノズル方式または高圧ノズル方式を採用することができる。乾燥熱源としては、スチーム、電気ヒーターなどによって加熱された空気を用いることができる。熱風の乾燥機入口温度は150〜300℃が好ましい。
【0030】
(工程III:焼成工程)
上記工程(II)の乾燥工程で得られた乾燥粉体を焼成することによって、本発明の酸化またはアンモ酸化用の酸化物触媒を得る。焼成は窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガスなどの実質的に酸素を含まない不活性ガス雰囲気下、好ましくは、不活性ガスを流通させながら、500〜800℃、好ましくは600〜700℃で実施する。焼成時間は0.5〜20時間、好ましくは1〜8時間である。焼成は、回転炉、トンネル炉、管状炉、流動焼成炉等を用いて行うことができ、焼成は反復して行うことができる。また、焼成工程の前に、乾燥粉体を大気雰囲気下または空気流通下で200〜400℃、1〜5時間で前焼成することも好ましい。
【0031】
このようにして製造された酸化物触媒の存在下、プロパンまたはイソブタンを気相接触酸化または気相接触アンモ酸化させて、対応する不飽和酸または不飽和ニトリルを製造する。不飽和酸または不飽和ニトリルを製造する際には、プロパンまたはイソブタンとアンモニアの供給原料は必ずしも高純度である必要はなく、工業グレードのガスを使用することができる。
【0032】
供給酸素源として空気、酸素を富化した空気または純酸素を用いることができる。更に、希釈ガスとしてヘリウム、アルゴン、炭酸ガス、水蒸気、窒素などを供給してもよい。
【0033】
以下に、プロパン又はイソブタンの気相接触酸化反応及び気相アンモ酸化反応における好適な反応条件を示す。
【0034】
(プロパンまたはイソブタンの気相接触酸化反応の条件)
反応に供給する酸素のプロパンまたはイソブタンに対するモル比は0.1〜6、好ましくは0.5〜4である。
反応温度は300℃〜500℃、好ましくは350℃〜450℃である。
反応圧力は5×104〜5×105Pa、好ましくは1×105〜3×105Paである。
接触時間は0.1〜10(sec・g/cc)、好ましくは0.5〜5(sec・g/cc)である。本発明において、接触時間は次式で決定される。
接触時間(sec・g/cc)=(W/F)×273/(273+T)
ここで
W=充填触媒量(g)
F=標準状態(0℃、1.013×105Pa)での原料混合ガス 流量(Ncc/sec)
T=反応温度(℃)
である。
【0035】
(プロパンまたはイソブタンの気相接触アンモ酸化反応の条件)
反応に供給する酸素のプロパンまたはイソブタンに対するモル比は0.1〜6、好ましくは0.5〜4である。
反応に供給するアンモニアのプロパンまたはイソブタンに対するモル比は0.3〜1.5、好ましくは0.8〜1.0である。反応温度は350℃〜500℃、好ましくは380℃〜470℃である。反応圧力は5×104〜5×105Pa、好ましくは1×105〜3×105Paである。接触時間は0.1〜10(sec・g/cc)、好ましくは0.5〜5(sec・g/cc)である。反応方式は、固定床、流動床、移動床など従来の方式を採用できるが、反応熱の除去が容易な流動床反応器が好ましい。また、本発明の反応は、単流式であってもリサイクル式であってもよい。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の酸化物触媒について、触媒の調製実施例及びプロパンの気相接触アンモ酸化反応によるアクリロニトリルの製造実施例を用いて説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0037】
以下の実施例及び比較例においては、プロパンのアンモ酸化反応の成績は反応ガスを分析した結果を基に、次式で定義されるプロパン転化率及びアクリロニトリル選択率を指標として評価した。
プロパン転化率(%)
={(反応したプロパンのモル数)/(供給したプロパンのモル数)}×100
アクリロニトリル選択率(%)
={(生成したアクリロニトリルのモル数)/(反応したプロパンのモル数)×100
【0038】
(ニオブ原料液の調製)
特開平11−253801号公報記載の方法に倣って、以下の方法でニオブ原料液を調製した。水4785gに、Nb25として80.2重量%を含有するニオブ酸662.6gとシュウ酸二水和物〔H224・2H2O〕2569gを混合した。仕込みのシュウ酸/ニオブのモル比は5.2、仕込みのニオブ濃度は0.502(mol−Nb/Kg−液)である。この混合液を95℃で1時間加熱撹拌することによって、ニオブが溶解した水溶液を得た。この水溶液を静置、氷冷後、固体を吸引濾過によって濾別し、均一なニオブ含有液を得た。このニオブ含有液のシュウ酸/ニオブのモル比は下記の分析により2.39であった。
【0039】
まず、るつぼにこのニオブ含有液10gを精秤し、95℃で一夜乾燥後、600℃で1時間熱処理し、Nb250.864gを得た。この結果から、ニオブ濃度は0.65(mol−Nb/Kg−液)であった。
【0040】
一方で、300mlのガラスビーカーにこのニオブ含有液3gを精秤し、約80℃の熱水200mlを加え、続いて1:1硫酸10mlを加えた。得られた溶液をホットスターラー上で液温70℃に保ちながら、攪拌下、1/4規定KMnO4を用いて滴定した。KMnO4によるかすかな淡桃色が約30秒以上続く点を終点とした。シュウ酸の濃度は、滴定量から次式に従って計算した結果、1.488(mol−シュウ酸/Kg)であった。
2KMnO4+3H2SO4+5H224→K2SO4+2MnSO4+10CO2+8H2
【0041】
上述のようにして得られたニオブ含有液は、シュウ酸/ニオブのモル比を調整することなく、下記の触媒調製のニオブ原料液(混合液B0)として用いた。
【0042】
【実施例1】
(触媒の調製)
仕込み組成式がMo10.21Nb0.11Sb0.28n/45.0wt%−SiO2で示される酸化物触媒を次のようにして製造した。
水4454gにヘプタモリブデン酸アンモニウム〔(NH46Mo724・4H2O〕を889.0g、三酸化二アンチモン〔Sb23〕を205.5g加え、攪拌しながら90℃に加熱して混合液とした。得られた混合液に、H22として30wt%を含有する過酸化水素水319.7gを攪拌しながら少量ずつ添加し、約30分後に透明な溶液を得た。更に、その溶液にメタバナジン酸アンモニウム〔NH4VO3〕を123.7g添加し、混合液A−1を得た。得られた混合液A−1を70℃に冷却した後にSiO2として30.6wt%を含有するシリカゾル2941.2を添加し、次に混合液B0(上記のニオブ原料液)を852.1g添加して原料調合液を得た。
【0043】
上記のように得られた原料調合液を、遠心式噴霧乾燥器に供給して乾燥し、微小球状の乾燥粉体を得た。乾燥機の入口温度は210℃、そして出口温度は120℃であった。次いで、得られた乾燥粉体480gを直径3インチのSUS製焼成管に充填し、5.0NL/minの窒素ガス流通下、管を回転させながら、640℃で2時間焼成して本発明のアンモ酸化用酸化物触媒を得た。
【0044】
(プロパンのアンモ酸化反応)
内径25mmのバイコールガラス流動床型反応管に、上記のように調製して得られた触媒を45g充填し、反応温度440℃、反応圧力常圧下にプロパン:アンモニア:酸素:ヘリウム=1:0.6:1.5:5.6のモル比の混合ガスを接触時間3.0(sec・g/cc)で供給した。得られた反応成績の結果を下記の表1に示す。
【0045】
【比較例1】
(触媒の調製)
仕込み組成式がMo10.21Nb0.11Sb0.18n/45.0wt%−SiO2で示される酸化物触媒を次のようにして製造した。本比較例では、実施例1で添加した三酸化二アンチモンの重量を132.1g、過酸化水素の重量を205.5gとした以外は、実施例1と同様にして触媒を製造した。
(プロパンのアンモ酸化)
得られた触媒を用いて、実施例1と同じ条件でプロパンのアンモ酸化反応を行った。得られた反応成績の結果を表1に示す。
【0046】
【比較例2】
(触媒の調製)
仕込み組成式がMo10.21Nb0.11Sb0.28n/45.0wt%−SiO2で示される酸化物触媒を次のようにして製造した。本比較例では、過酸化水素を添加しなかったこと以外は、実施例1と同様にして触媒を製造した。
(プロパンのアンモ酸化)
得られた触媒を用いて、実施例1と同じ条件でプロパンのアンモ酸化反応を行った。得られた反応成績の結果を表1に示す。
【0047】
【実施例2】
(触媒の調製)
本実施例では、仕込み組成式がMo10.21Nb0.11Sb0.28n/45.0wt%−SiO2で示される酸化物触媒を次のようにして製造した。実施例1において、混合液B0に替えて、混合液B0852.1gに、H22として30wt%を含有する過酸化水素水を125.6g添加し、室温で10分間攪拌混合することによって得た混合液Bを用いたこと以外は、実施例1と同様にして触媒を製造した。
(プロパンのアンモ酸化)
得られた触媒を用いて、実施例1と同じ条件でプロパンのアンモ酸化反応を行った。得られた反応成績の結果を表1に示す。
【0048】
【実施例3】
(触媒の調製)
本実施例では、仕込み組成式がMo10.21Nb0.11Sb0.28n/45.0wt%−SiO2で示される酸化物触媒を次のようにして製造した。水4454gにヘプタモリブデン酸アンモニウム〔(NH46Mo724・4H2O〕を889.0g、メタバナジン酸アンモニウム〔NH4VO3〕を123.7g、三酸化二アンチモン〔Sb23〕を205.5g加え、攪拌しながら90℃に加熱して混合液とした。得られた混合液に、H22として30wt%を含有する過酸化水素水319.7gを攪拌しながら少量ずつ添加し、約30分後に透明な混合液A−3を得た。
【0049】
得られた混合液A−3を70℃に冷却した後にSiO2として30.6wt%を含有するシリカゾル2941.2を添加し、次に混合液B0を852.1g添加して原料調合液を得た。このようにして得られた原料調合液を用いて、乾燥工程、焼成工程を実施例1と同様にして行い、触媒を製造した。
【0050】
(プロパンのアンモ酸化)
得られた触媒を用いて、実施例1と同じ条件でプロパンのアンモ酸化反応を行った。得られた反応成績の結果を表1に示す。
【0051】
【実施例4】
(触媒の調製)
本実施例では、仕込み組成式がMo10.21Nb0.11Sb0.28n/45.0wt%−SiO2で示される酸化物触媒を次のようにして製造した。実施例3において、混合液B0に替えて、混合液B0852.1gに、H22として30wt%を含有する過酸化水素水を125.6g添加し、室温で10分間攪拌混合することによって得た混合液Bを用いたこと以外は、実施例3と同様にして触媒を製造した。
(プロパンのアンモ酸化)
得られた触媒を用いて、実施例1と同じ条件でプロパンのアンモ酸化反応を行った。得られた反応成績の結果を表1に示す。
【0052】
【表1】
Figure 0004647858
【0053】
【発明の効果】
本発明の酸化物触媒を用いることによって、高い選択率で不飽和カルボン酸又は不飽和ニトリルを製造することが出来る。

Claims (9)

  1. プロパンまたはイソブタンの気相接触酸化反応または気相接触アンモ酸化反応に用いる下記の一般組成式(1)で表される成分組成の酸化物触媒であって、原料を調合する工程中に、モリブデン化合物及び/またはバナジウム化合物、三酸化二アンチモン及び水性溶媒から成る原料混合液を過酸化水素を用いて溶液化する工程を含む製造方法によって得られたことを特徴とする酸化物触媒;
    Mo1aNbbSbcn (1)
    (a、b、c及びnはモリブデン1原子当たりの原子比を表し、aは0.01≦a≦1、bは0.01≦b≦1、cは0.01≦c≦1、aとcの比は0.01≦a/c<1、そしてnは構成金属の原子価及び組成によって決まる数である。
  2. 上記原料混合液に用いる過酸化水素とアンチモンのモル比が、0<H22/Sb≦20であることを特徴とする請求項1に記載の酸化物触媒。
  3. 上記原料混合液に用いる過酸化水素とアンチモンのモル比が、2<H22/Sb≦10であることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の酸化物触媒。
  4. 上記溶液化する工程が、液温を70℃以上とした上記原料混合液に過酸化水素を添加する工程であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の酸化物触媒。
  5. 上記モリブデン化合物がヘプタモリブデン酸アンモニウムであり、上記バナジウム化合物がメタバナジン酸アンモニウムであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の酸化物触媒。
  6. 上記酸化物触媒を構成するニオブの原料が、ジカルボン酸とニオブの化合物を含み、かつ、ジカルボン酸/ニオブのモル比が1〜4のニオブ含有液であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の酸化物触媒。
  7. 上記酸化物触媒が、触媒構成元素の酸化物とシリカの全重量に対し、SiO2換算で20〜60重量%のシリカに担持されたシリカ担持触媒であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の酸化物触媒。
  8. プロパンまたはイソブタンを気相接触酸化反応または気相接触アンモ酸化反応させて、対応する不飽和酸または不飽和ニトリルを製造するにあたり、請求項1〜7のいずれか1項に記載の酸化物触媒を用いることを特徴とする不飽和酸または不飽和ニトリルの製造方法。
  9. 請求項1〜7のいずれかに記載の酸化物触媒の製造方法であって、原料を調合する工程中に、モリブデン化合物及び/またはバナジウム化合物、三酸化二アンチモン及び水性溶媒からなる原料混合液を過酸化水素を用いて溶液化することを特徴とする酸化物触媒の製造方法。
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