JP4645067B2 - 反射ミラー製作方法 - Google Patents

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本発明は、光が入射する反射面を有する板状の反射ミラーをエッチングによって製作する技術に関するものであり、特に、その反射ミラーをウエットエッチングによって製作する技術に関するものである。
例えば、光によって画像を形成する分野においては、光が入射する反射面を有する板状の反射ミラーが使用される場合がある。この種の反射ミラーは種々の用途に使用される。例えば、この種の反射ミラーの一形式は、前記反射面に平行な揺動軸線まわりに振動させられることにより、その反射面に入射した光の反射方向を変化させてその光を走査するために使用される。
この形式の反射ミラーの一従来例が既に存在する(例えば、特許文献1参照。)。この従来の反射ミラーは、その反射ミラーから前記揺動軸線に沿って延び、少なくともねじり振動が前記揺動軸線まわりに発生させられる板状のばねと共に振動体を構成し、その振動体のうちの少なくとも一部が振動させられることにより、前記反射面に入射した光の反射方向を変化させてその光を走査するために使用される。
この従来の反射ミラーは、特許文献1に開示されているように、反射ミラーの揺動軸線を対称中心線とする四角形を成す平面形状を有するように製作されていた。さらに、この従来の反射ミラーは、エッチングによって製作されていた。エッチングの種類には、ドライエッチングとウエットエッチングとがある。
特開2003−57586号公報
この種の反射ミラーを利用する分野においては、反射ミラーを揺動軸線まわりに揺動させ得る最大揺動速度を高速化することが強く要望される場合がある。具体的には、例えば、この種の反射ミラーを用いて光の走査を行う走査部を備えた画像形成装置においては、画像の解像度を増すために光の走査速度を高速化することが強く要望され、その走査速度の高速化のために反射ミラーの揺動速度の高速化が要望される場合がある。
一方、この種の反射ミラーの最大揺動速度を高速化するためには、反射ミラーの、揺動軸線まわりの慣性モーメントを低減させることが有効である。
しかしながら、ウエットエッチングによって製作された従来の反射ミラーは、前述のように、反射ミラーの揺動軸線を対称中心線とする四角形を成す平面形状を有するように製作されていた。そのため、この従来の反射ミラーを使用せざるを得ない場合には、この従来の反射ミラーと同程度の反射領域を確保するためにそれと同じ横寸法を有する円形の反射ミラーに比較し、反射ミラーの慣性モーメントを低減させることが困難であった。
反射ミラーをドライエッチングによって製作する場合には、ウエットエッチングによって製作する場合より、マスクパターンの微細化が容易で、反射ミラーを任意の形状に高精度で製作することが容易である。しかし、ドライエッチングによる反射ミラーの製作は、多数枚の反射ミラーを製作するために使用される多数枚の被エッチング材に対してエッチングを一括して行うバッチ処理に十分には適していない。そのため、ドライエッチングによる反射ミラーの製作は、反射ミラーの生産効率を高めて生産コストを低減させることに十分には適していない。
以上説明した事情を背景として、本発明は、光が入射する反射面を有する板状の反射ミラーをエッチングによって製作する技術において、その反射ミラーをウエットエッチングによって製作する技術を提供することを課題としてなされたものである。
その課題を解決するために、本発明の第1側面によれば、光が入射する反射面を有する板状の反射ミラーをエッチングによって製作する反射ミラー製作方法であって、単結晶により構成された板状の被エッチング材の両面または片面に膜状のエッチングマスク材をコーティングするコーティング工程と、前記被エッチング材の両面に前記エッチングマスク材がコーティングされた場合には、前記被エッチングマスク材の両面のうちの少なくとも一方に、四角形より円形に近い平面形状を有するマスクパターンを形成する一方、前記被エッチング材の片面のみに前記エッチングマスク材がコーティングされた場合には、前記被エッチングマスク材の両面のうち、前記エッチングマスク材がコーティングされた面と同じ面に前記マスクパターンを形成するマスクパターン形成工程と、前記エッチングマスク材がコーティングされた前記被エッチング材を、設定温度のもとに、設定濃度を有するエッチング液に浸漬させてエッチングを実行するウエットエッチング工程とを含み、それにより、前記反射ミラーをそれの法線方向に投影して得られる投影図形が四角形より円形に近い平面形状を有するように前記反射ミラーを製作し、前記マスクパターンの平面形状は、概して凸の八角形であるか、または、凸の八角形を基本形状として、その八角形における8個の角部において突出部を有する形状であり、前記マスクパターンは、一基準線と平行な第1辺とその基準線と直交する第2辺とを有し、前記被エッチング材の(100)結晶面上において前記第1辺および第2辺が<110>結晶方向と直交するように前記被エッチング材に対して位置決めされ、そのマスクパターンの外形線は、そのマスクパターンの中心点において互いに直交する2本の対称中心線によって前記被エッチング材を4つの領域に分割した場合の各領域ごとに、前記被エッチング材の(100)結晶面に相当する第1部分と、(111)結晶面に相当する第2部分とを有する反射ミラー製作方法が提供される
発明によって下記の各態様が得られる。各態様は、項に区分し、各項には番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、本発明が採用し得る技術的特徴の一部およびそれの組合せの理解を容易にするためであり、本発明が採用し得る技術的特徴およびそれの組合せが以下の態様に限定されると解釈すべきではない。すなわち、下記の態様には記載されていないが本明細書には記載されている技術的特徴を本発明の技術的特徴として適宜抽出して採用することは妨げられないと解釈すべきなのである。
さらに、各項を他の項の番号を引用する形式で記載することが必ずしも、各項に記載の技術的特徴を他の項に記載の技術的特徴から分離させて独立させることを妨げることを意味するわけではなく、各項に記載の技術的特徴をその性質に応じて適宜独立させることが可能であると解釈すべきである。
(1) 光が入射する反射面を有する板状の反射ミラーをエッチングによって製作する反射ミラー製作方法であって、
単結晶により構成された板状の被エッチング材の両面のうちの少なくとも一方に膜状のエッチングマスク材をコーティングするコーティング工程と、
前記被エッチング材にコーティングされたエッチングマスク材のうちの少なくとも一方に、四角形より円形に近い平面形状を有するマスクパターンを形成するマスクパターン形成工程と、
前記エッチングマスク材がコーティングされた前記被エッチング材を、設定温度のもとに、設定濃度を有するエッチング液に浸漬させてエッチングを実行するウエットエッチング工程と
を含み、それにより、前記反射ミラーをそれの法線方向に投影して得られる投影図形が四角形より円形に近い平面形状を有するように前記反射ミラーを製作する反射ミラー製作方法。
この方法によれば、反射ミラーをそれの法線方向に投影して得られる投影図形が四角形より円形に近い平面形状を有するように反射ミラーが製作される。したがって、この方法によれば、必要な反射面積を有する円形状の反射領域が最低限要求される反射ミラーにおいて、四角形を投影図形とする反射ミラーより容易に、無駄な反射領域を省略可能となるため、四角形を投影図形とする反射ミラーより軽量で慣性モーメントが小さい反射ミラーが容易に製作される。
さらに、この方法によれば、反射ミラーがドライエッチングによってではなくウエットエッチングによって製作される。したがって、この方法によれば、反射ミラーをドライエッチングによって製作する場合より、高い生産効率で安価に製作することが容易となる。
ところで、反射ミラーをドライエッチングによって製作する場合には、被エッチング材の表面にコーティングされたエッチングマスク材に形成されたマスクパターンと同じ形状を有するように反射ミラーが製作される。これに対し、反射ミラーをウエットエッチングによって製作する場合には、マスクパターンとは異なる形状を有するように反射ミラーが製作される。その理由は、被エッチング材の複数の結晶面間に存在するエッチング速度差である。
したがって、本項に係る方法を実施する場合には、反射ミラーの目標形状に基づき、被エッチング材の複数の結晶面間に存在するエッチング速度差を見込んでマスクパターンが形成される。この方法においては、反射ミラーが最終的に、それの投影図形が四角形より円形に近い平面形状を有するように製作されるため、マスクパターンも、四角形より円形に近い平面形状であって、反射ミラーの目標形状とは一致しない形状を有するように形成される。
このように、反射ミラーをウエットエッチングによって製作する場合であっても、複数の結晶面間に存在するエッチング速度差を見込んでマスクパターンを決定すれば、反射ミラーを目標形状を有するように製作することが可能である。
本項に係る方法は、コーティング工程が、被エッチング材の両面にそれぞれエッチングマスクをコーティングする態様で実施したり、片面のみにコーティングする態様で実施することが可能である。前者の態様で実施する場合、マスクパターン形成工程は、被エッチング材の両面にそれぞれコーティングされた2個のエッチングマスクのそれぞれにマスクパターンを形成したり、それら2個のエッチングマスクのうちのいずれかのみにマスクパターンを形成することが可能である。要するに、本項に係る方法は、被エッチング材の両面のうちの少なくとも一方にマスクパターンが形成されるように実施すれば足りるのである。
(2) 前記反射ミラーは、前記反射面に平行な揺動軸線まわりに振動させられることにより、その反射面に入射した光の反射方向を変化させてその光を走査するために使用される(1)項に記載の反射ミラー製作方法。
この方法によれば、光を走査するために使用される反射ミラーを、四角形より円形に近い投影図形を有するように、ウエットエッチングによって製作することが可能となる。
(3) 前記反射ミラーは、その反射ミラーから前記揺動軸線に沿って延び、少なくともねじり振動が前記揺動軸線まわりに発生させられる板状のばねと共に振動体を構成し、その振動体のうちの少なくとも一部が振動させられることにより、前記反射面に入射した光の反射方向を変化させてその光を走査するために使用される(2)項に記載の反射ミラー製作方法。
(4) 前記マスクパターンの平面形状は、概して凸の八角形である(1)ないし(3)項のいずれかに記載の反射ミラー製作方法。
この方法によれば、概して凸の八角形を投影図形とする反射ミラーを、四角形を投影図形とする反射ミラーより慣性モーメントを低減させることが容易な反射ミラーとして製作することが可能となる。
(5) 前記マスクパターンの平面形状は、凸の八角形を基本形状として、その八角形における8個の角部において突出部を有する形状である(4)項に記載の反射ミラー製作方法。
この方法によれば、被エッチング材のウエットエッチング工程において、被エッチング材のうちマスクパターンの角部に対面する部分の侵食が、その角部が突出部を有しない場合より遅延される。この遅延が反映されるように反射ミラーが製作される。
本項における「突出部」は、例えば、正規の八角形における各角部から、その各角部の外角に当たる領域に向かって延びる形状を有するものとすることが可能である。
(6) 前記マスクパターンは、一基準線と平行な第1辺とその基準線と直交する第2辺とを有し、前記被エッチング材の(100)結晶面上において前記第1辺および第2辺が<110>結晶方向と直交するように前記被エッチング材に対して位置決めされ、
そのマスクパターンの外形線は、そのマスクパターンの中心点において互いに直交する2本の対称中心線によって前記被エッチング材を4つの領域に分割した場合の各領域ごとに、前記被エッチング材の(100)結晶面に相当する第1部分と、(111)結晶面に相当する第2部分とを有する(4)または(5)項に記載の反射ミラー製作方法。
本明細書においては、結晶面が(abc)というように表記されるが、この表記が意味する結晶面は、その表記中のa,b,cという各数字の符号を考慮した狭義の結晶面のみならず、それと等価な結晶面をも含んでいる。すなわち、(abc)結晶面は、該当する複数の結晶面を包含する包括的な定義に従って解釈すべきなのである。
そして、本項に係る方法を実施すれば、(100)結晶面と(111)結晶面とが露出するn角形(n:3以上の整数を4倍したもの)を投影図形とする反射ミラーを製作することが可能となる。
(7) 前記マスクパターンの外形線は、さらに、前記各領域ごとに、前記被エッチング材の(n11)結晶面(n:2以上の整数)に相当する第3部分を、前記第1部分と第2部分との間に有する(6)項に記載の反射ミラー製作方法。
この方法によれば、反射ミラーの投影図形の外形線が(100)結晶面および(111)結晶面のみで構成されると仮定した場合にその投影図形が示す八角形を、それに属する8個の角部においてそれぞれ、少なくとも1種類の別の結晶面が露出するように部分的に削り落として得られるn角形(n:8より大きい8の倍数)を投影図形とする反射ミラーを製作することが可能となる。
したがって、この方法によれば、八角形より円形に近い平面形状を投影図形とする反射ミラーを製作することが可能となる。さらに、この方法によれば、反射ミラーの投影図形を、四角形より円形に近似させることが容易となるため、必要な反射面積の確保(必要な横寸法の確保)が要求される反射ミラーにおいては、反射ミラーが四角形である場合より、無駄な反射領域が省略され、その結果、反射ミラーの軽量化および慣性モーメントの低減化が容易となる。
反射ミラーの円形度は、上述の仮想形状である八角形の各角部において露出する結晶面が複数種類存在する場合には、1種類しか存在しない場合より改善される。例えば、その露出する結晶面が1種類しか存在しない場合には、反射ミラーの投影図形は16角形であるが、その露出する結晶面が2種類存在する場合には、反射ミラーの投影図形は24角形となる。露出する結晶面の種類が多いほど反射ミラーの円形度が増すという傾向は、その露出する結晶面の種類が多いほど強調され、本項に係る方法は、その露出する結晶面の種類を増加させることに適している。
(8) 前記マスクパターンの外形線は、さらに、前記各領域ごとに、前記被エッチング材の(520)結晶面に相当する第4部分を、前記第1部分と第2部分との間に有する(6)項に記載の反射ミラー製作方法。
この方法によれば、反射ミラーの投影図形の外形線が(100)結晶面および(111)結晶面のみで構成されると仮定した場合にその投影図形が示す八角形が、それに属する8個の角部においてそれぞれ、主として(520)結晶面が露出するように部分的に削り落とされた形状を投影図形とする反射ミラーを製作することが可能となる。この方法によって製作され得る反射ミラーの投影図形は、16角形に近い形状である。
したがって、この方法によれば、八角形より円形に近い平面形状を投影図形とする反射ミラーを製作することが可能となる。さらに、この方法によれば、八角形がそれの各角部において削り落とされる際に主として露出する結晶面が必ず1種類のみであり、その結晶面の種類の数は変動しないため、製作される反射ミラーの最終形状が安定化させられる。
(9) 前記エッチング液は、KOHまたはTMAHである(1)ないし(8)項のいずれかに記載の反射ミラー製作方法。
(10) 前記設定濃度は、35wt%ないし45wt%の範囲内にある(8)項に記載の反射ミラー製作方法。
(11) 前記設定温度は、60℃ないし80℃の範囲内にある(9)または(10)項に記載の反射ミラー製作方法。
(12) 前記マスクパターン形成工程は、前記被エッチング材の両面にそれぞれコーティングされた2個のエッチングマスク材にそれぞれ前記マスクパターンを形成する工程を含む(1)ないし(11)項のいずれかに記載の反射ミラー製作方法。
前記(1)ないし(11)項のいずれかに係る方法を実施すれば、例えば、図14(b)および(c)に示すように、縦断面図において側面が傾斜面を有するように反射ミラーが製作される場合がある。
この場合、被エッチング材の片面のみからウエットエッチングを行うと、例えば、図14(c)に縦断面図で示すように、被エッチング材400’の側面に連続的な傾斜面が形成される。その傾斜面は、被エッチング材400’の厚さ方向に関する中心線に関して非対称的に形成される。
これに対し、被エッチング材の両面からウエットエッチングを行うと、例えば、図14(b)に縦断面図で示すように、被エッチング材400の側面に不連続的な傾斜面が形成される。その傾斜面は、被エッチング材400の厚さ方向に関する中心線に関して対称的に形成される。
したがって、それら2種類のウエットエッチングの結果を、最終的に製作される反射ミラーの重量に関して互いに比較すれば、後者の両面ウエットエッチングを実施する場合の方が、前者の片面ウエットエッチングを実施する場合より、反射ミラーの軽量化が容易となる。反射ミラーの軽量化が容易となれば、反射ミラーの慣性モーメントの低減化も容易となる。
以上説明した知見に基づき、本項に係る方法においては、被エッチング材の両面にそれぞれコーティングされた2個のエッチングマスク材にそれぞれマスクパターンが形成される。被エッチング材の両面にそれぞれマスクパターンが形成されるのであり、その結果、被エッチング材の両面からウエットエッチングが行われる。
(13) さらに、前記ウエットエッチングの終了後に、前記被エッチング材から前記エッチングマスク材を剥離する剥離工程を含む(1)ないし(12)項のいずれかに記載の反射ミラー製作方法。
(14) さらに、前記被エッチング材から前記エッチングマスク材が剥離された後に、その被エッチング材の両面のうちの少なくとも片面に反射膜を形成する反射膜形成工程を含む(13)項に記載の反射ミラー製作方法。
以下、本発明のさらに具体的な実施の形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明する。
図1には、本発明の第1実施形態に従う反射ミラー製作方法によって製作された反射ミラー部を光走査のために備えた網膜走査型ディスプレイが系統的に表されている。この網膜走査型ディスプレイ(以下、「RSD」と略称する。)は、レーザビームを、それの波面および強度を適宜変調しつつ、観察者の眼10の瞳孔12を経て網膜14の結像面上に入射させ、その結像面上においてレーザビームを2次元的に走査することにより、その網膜14上に画像を直接に投影する装置である。
このRSDは、光源ユニット20を備え、その光源ユニット20と観察者の眼10との間において波面変調光学系22と走査装置24とをそれらの順に備えている。
光源ユニット20は、3原色(RGB)を有する3つのレーザ光を1つのレーザ光に結合して任意色のレーザ光を生成するために、赤色のレーザ光を発するRレーザ30と、緑色のレーザ光を発するGレーザ32と、青色のレーザ光を発するBレーザ34とを備えている。各レーザ30,32,34は、例えば、半導体レーザとして構成することが可能である。
各レーザ30,32,34から出射したレーザ光は、それらを結合するために、各コリメート光学系40,42,44によって平行光化された後に、波長依存性を有する各ダイクロイックミラー50,52,54に入射させられ、それにより、各レーザ光が波長に関して選択的に反射・透過させられる。
具体的には、Rレーザ30から出射した赤色レーザ光は、コリメート光学系40によって平行光化された後に、ダイクロイックミラー50に入射させられる。Gレーザ32から出射した緑色レーザ光は、コリメート光学系42を経てダイクロイックミラー52に入射させられる。Bレーザ34から出射した青色レーザ光は、コリメート光学系44を経てダイクロイックミラー54に入射させられる。
それら3つのダイクロイックミラー50,52,54にそれぞれ入射した3原色のレーザ光は、それら3つのダイクロイックミラー50,52,54を代表する1つのダイクロイックミラー54に最終的に入射して結合され、その後、結合光学系56によって集光される。
以上、光源ユニット20のうち光学的な部分を説明したが、以下、電気的な部分を説明する。
光源ユニット20は、コンピュータを主体とする信号処理回路60を備えている。信号処理回路60は、外部から供給された映像信号に基づき、各レーザ30,32,34を駆動するための信号処理と、レーザビームの走査を行うための信号処理とを行うように設計されている。
各レーザ30,32,34を駆動するため、信号処理回路60は、外部から供給された映像信号に基づき、網膜14上に投影すべき画像上の各画素ごとに、レーザ光にとって必要な色と強度とを実現するために必要な駆動信号を、各レーザドライバ70,72,74を介して各レーザ30,32,34に供給する。レーザビームの走査を行うための信号処理については後述する。
以上説明した光源ユニット20は、結合光学系56においてレーザビームを集光し、光ファイバ82に入射させる。光ファイバ82に入射したレーザビームは、光伝送媒体としての光ファイバ82中を伝送され、その光ファイバ82の後端から放射させられるレーザビームを平行光化するコリメート光学系84を経て波面変調光学系22に入射する。
この波面変調光学系22は、光源ユニット20から出射したレーザビームの波面(波面曲率)を変調する光学系である。この波面変調光学系22は、波面曲率の変調を、網膜14上に投影すべき画像の各画素ごとに行う形式とすることが可能であるが、これは本発明を実施するために不可欠なことではなく、画像の1フレームごとに行う形式とすることが可能である。波面曲率を変調することは、表示画像の遠近感を変化させることや、表示画像のピント位置を変化させることを意味する。
いずれにしても、この波面変調光学系22においては、信号処理回路60から入力された奥行き信号に基づき、波面変調光学系22に入射するレーザビームの波面を変調する。この波面変調光学系22においては、コリメート光学系84から平行光として入射するレーザビームが収束レンズ90によって収束光に変換され、その変換された収束光が可動ミラー92によって反射されて拡散光に変換される。その変換された拡散光は、収束レンズ90を通過し、目標の波面曲率を有するレーザビームとしてこの波面変調光学系22から出射する。
図1に示すように、この波面変調光学系22は、外部から入射したレーザビームを反射または透過させるビームスプリッタ94と、そのビームスプリッタ94を経て入射したレーザビームを収束する収束レンズ90と、その収束レンズ90により収束されたレーザビームを反射する可動ミラー92とを備えている。
この波面変調光学系22は、さらに、可動ミラー92を、収束レンズ90に接近するかまたは収束レンズ90から離れる向きに変位させるアクチュエータ96を備えている。このアクチュエータ96の一例は、圧電素子である。アクチュエータ96は、信号処理回路60から入力された奥行き信号に応じて可動ミラー92の位置を移動させることにより、波面変調光学系22から出射するレーザビームの波面曲率を変調する。
以上のように構成された波面変調光学系22においては、コリメート光学系84から入射したレーザビームがビームスプリッタ94で反射して収束レンズ90を通過した後、可動ミラー92で反射する。そして、再度、収束レンズ90を通過し、その後、ビームスプリッタ94を透過して走査装置24へ向かう。
走査装置24は、水平走査系100と垂直走査系102とを備えている。
水平走査系100は、表示すべき画像の1フレームごとに、レーザビームを水平な複数の走査線に沿って水平にラスタ走査する水平走査を行う光学系である。これに対し、垂直走査系102は、表示すべき画像の1フレームごとに、レーザビームを最初の走査線から最後の走査線に向かって垂直に走査する垂直走査を行う光学系である。水平走査系100は、垂直走査系102より高速にすなわち高周波数でレーザビームを走査するように設計されている。
具体的に説明するに、水平走査系100は、本実施形態においては、機械的偏向を行うミラーを備えた弾性体の振動によってそのミラーを揺動させる光スキャナ104を備えている。光スキャナ104は、信号処理回路60から供給される水平同期信号に基づいて制御される。
図2には、光スキャナ104が分解斜視図で示されている。図2に示すように、光スキャナ104は、本体部110がベース112に装着されて構成されている。
本体部110は、シリコン等、弾性を有する材料を用いて形成されている。本体部110は、図2の上部に示すように、概略的には、光が通過し得る貫通穴114を有して薄板長方形状を成している。本体部110は、外側には固定枠116を備え、一方、内側には、反射面120が形成された反射ミラー部122を有する振動体124を備えている。
このような本体部110の構成に対応して、ベース112は、図2の下部に示すように、本体部110との装着状態において固定枠116が装着されるべき支持部130と、振動体124と対向する凹部132とを有するように構成されている。凹部132は、本体部110をベース112に装着した状態において、振動体124が振動によって変位してもベース112と干渉しない形状を有するために形成されている。
図2に示すように、反射ミラー部122の反射面120は、それの対称中心線でもある揺動軸線134を中心として揺動させられる。振動体124は、さらに、その反射ミラー部122からそれと同一面上に延びて、その反射ミラー部122を固定枠116に接合するはり部140を備えている。本実施形態においては、反射ミラー部122の両側から一対のはり部140がそれぞれ互いに逆向きに延び出している。
各はり部140は、1個のミラー側板ばね部142と、一対の枠側板ばね部144と、それらミラー側板ばね部142と一対の枠側板ばね部144とを互いに接続する接続部146とを含むように構成されている。ミラー側板ばね部142は、反射ミラー部122のうち、揺動軸線134の方向において互いに対向する一対の縁のそれぞれから、対応する接続部146まで、揺動軸線134上において、揺動軸線134に沿って延びている。一対の枠側板ばね部144は、対応する接続部146から、揺動軸線134に対して互いに逆向きにオフセットする姿勢で、揺動軸線134に沿って延びている。
はり部140においては、図2に示すように、駆動源150,152,154,156が一対の枠側板ばね部144,144のそれぞれに、固定枠116に及ぶ姿勢で取り付けられている。
図3に示すように、各枠側板ばね部144が、固定枠116に近い側において局部的に薄板化され、それにより、凹部158が形成されている。この凹部158に連続する凹部159が固定枠116に形成されている。それら凹部158および159を利用することにより、各駆動源150,152,154,156が、各枠側板ばね部144と固定枠116とにそれらを跨ぐ姿勢で設置されている。
各駆動源150,152,154,156は、図3に駆動源154が代表的に示されるように、圧電体160(「圧電振動子」または「圧電素子」ともいう。)を主体として構成されている。圧電体160は、薄板状を成して振動体124の片面に貼り付けられており、その貼付け面と直角な方向において上部電極162と下部電極164とによって挟まれている。図3に示すように、上部電極162と下部電極164とはそれぞれ、図示しない各リード線により、固定枠116に設置された一対の入力端子168に接続されている。これに対し、上部電極162と下部電極164とがそれぞれ、図示しない各リード線により、同じく図示しない外部端子に接続される態様で本発明を実施することが可能である。
それら上部電極162と下部電極164とに電圧が印加されれば、その印加方向と直交する向きの変位が圧電体160に発生する。この変位により、図4に示すように、はり部140に屈曲すなわち反りが発生する。この屈曲は、はり部140のうち固定枠116との接続部を固定端とする一方、反射ミラー部122との接続部を自由端として行われる。その結果、その屈曲の向きが上向きであるか下向きであるかにより、自由端が上向きまたは下向きに変位する。
図4から明らかなように、4個の枠側板ばね144にそれぞれ貼り付けられた4個の駆動源150,152,154,156のうち、揺動軸線134に関して一側に位置して反射ミラー部122を挟む一対の駆動源150および152と、他側に位置して反射ミラー部122を挟む一対の駆動源154および156とはそれぞれ、各対に属する2個の圧電体160の自由端が互いに同じ向きに変位するように屈曲させられる。
それに対し、反射ミラー部122に関して一側に位置して揺動軸線134を挟む一対の駆動源150および154と、他側に位置して揺動軸線134を挟む一対の駆動源152および156とはそれぞれ、各対に属する2個の圧電体160の自由端が互いに逆向きに変位するように屈曲させられる。
その結果、反射ミラー部122には、図4に示すように、その反射ミラー部122を同じ向きに回転させる変位が、揺動軸線134に関して一側に位置する一対の駆動源150および152の一方向の変位と、反対側に位置する一対の駆動源154および156の逆方向の変位との双方によって発生させられる。
以上要するに、各枠側板ばね部144は、それに貼り付けられた圧電体160の直線変位(横変位)を屈曲運動(縦変位)に変換する機能を有し、接続部146は、各枠側板ばね部144の屈曲運動をミラー側板ばね部142の回転運動に変換する機能を有しているのである。そのミラー側板ばね部142の回転運動によって反射ミラー部122が回転させられる。
したがって、本実施形態においては、4個の駆動源150,152,154,156を制御するために、揺動軸線134に関して一側に位置する2個の駆動源150,152、すなわち、図2において右上の駆動源150と左上の駆動源152とが第1対を成し、反対側に位置する2個の駆動源154,156、すなわち、同図において右下の駆動源154と左下の駆動源156とが第2対を成している。
本実施形態においては、第1対を成す2個の駆動源150,152と、第2対を成す2個の駆動源154,156とを互いに逆向きに変位させて、反射ミラー部122にそれの揺動軸線134まわりの往復回転運動すなわち揺動運動を発生させるために、第1対を成す2個の駆動源150,152に交番電圧が互いに同位相で印加されるのに対し、それとは逆位相の交番電圧が、第2対を成す2個の駆動源154,156に互いに同位相で印加される。その結果、第1対を成す2個の駆動源150,152がいずれも、図4において下向きに撓んだ場合には、第2対を成す2個の駆動源154,156はいずれも、同図において上向きに撓むこととなる。
上述の制御を実現するために、水平走査系100は、図1に示す水平走査駆動回路180を備えている。この水平走査駆動回路180においては、図5に示すように、発振器182が、信号処理回路60から入力された水平同期信号に基づき、交番電圧信号を生成する。発振器182は、位相シフタ184およびアンプ186を経た第1経路を経て、第1対を成す2個の駆動源150,152に接続される一方、位相反転回路188、位相シフタ190およびアンプ192を経た第2経路を経て、第2対を成す2個の駆動源154,156に接続されている。
位相反転回路188は、発振器182から入力された交番電圧信号を、それの位相を反転させて位相シフタ190に供給する。この位相反転回路188は、第2経路のみに設けられるため、第1対を成す2個の駆動源150,152と、第2対を成す2個の駆動源154,156とでは、対応するアンプ186,192から供給される交番電圧信号の位相が互いに逆となる。
いずれの経路においても、位相シフタ184,190は、前記映像信号と反射ミラー部122の振動とが互いに同期するように、駆動源150,152,154,156に供給されるべき交番電圧信号の位相を変化させるために設けられている。
図6には、振動体124の具体的形状が斜視図で示されている。この振動体124においては、反射面120の法線方向に反射ミラー部122を投影して得られる投影図形が、概して円形を成すように、反射ミラー部122が製作される。この反射ミラー部122は前記(1)項における「反射ミラー」の一例を構成している。本実施形態においては、この反射ミラー部122の直径は1mm、その厚さは100μmであり、また、各はり部140の長さは2mmである。この反射ミラー部122の製作方法は後に詳述する。
図7には、光ファイバ82からの出射光がコリメート光学系84を経てこの光スキャナ104に入射する様子が斜視図で示されている。コリメート光学系84からの出射光は、概して円形を成す反射ミラー部122の反射面120に入射し、その反射ミラー部122が揺動軸線134まわりに揺動させられることにより、その反射面120からの反射光が水平方向に走査される。
図8には、光ファイバ82からの出射光がコリメート光学系84を経て従来の光スキャナ300に入射する様子が斜視図で示されている。この光スキャナ300においては、反射ミラー部302が四角形を成している。
この反射ミラー部302と本実施形態における反射ミラー部122とを、材質の比重、厚さおよび最大幅寸法に関して互いに共通すると仮定したうえで、重量に関して互いに比較すれば、本実施形態における反射ミラー部122の方が軽く、よって、揺動軸線134,304まわりの慣性モーメントに関して互いに比較すれば、本実施形態における反射ミラー部122の方が小さい。
したがって、本実施形態における反射ミラー部122も、従来の反射ミラー部302も、自身の共振を利用して光を走査する場合には、その共振周波数を増加させて光の走査周波数を増加させることにつき、本実施形態における反射ミラー部122の方が従来の反射ミラー部302より適している。
以上説明した光スキャナ104によって水平走査されたレーザビームは、図1に示すように、リレー光学系194によって垂直走査系102に伝送される。
このRSDは、ビームディテクタ200を定位置に備えている。ビームディテクタ200は、光スキャナ104によって偏向されたレーザビームを検出することにより、そのレーザビームの主走査方向における位置を検出するために設けられている。ビームディテクタ200の一例は、ホトダイオードである。
ビームディテクタ200は、レーザビームが所定の位置に到達したことを示す信号をBD信号として出力し、その出力されたBD信号は信号処理回路60に供給される。このビームディテクタ200から出力されたBD信号に応答し、信号処理回路60は、ビームディテクタ200がレーザビームを検出した時期から設定時間が経過するのを待って、必要な駆動信号を各レーザドライバ70,72,74に供給する。これにより、各走査線ごとに、画像表示開始タイミングが決定され、その決定された画像表示開始タイミングで画像表示が開始される。
以上、水平走査系100を説明したが、垂直走査系102は、図1に示すように、機械的偏向を行う揺動ミラーとしてのガルバノミラー210を備えている。ガルバノミラー210には、水平走査系100から出射したレーザビームがリレー光学系194によって集光されて入射するようになっている。このガルバノミラー210は、それに入射したレーザビームの光軸と交差する回転軸線まわりに揺動させられる。このガルバノミラー210の起動タイミングおよび回転速度は、信号処理回路60から供給される垂直同期信号に基づいて制御される。
以上説明した水平走査系100と垂直走査系102との共同により、レーザビームが2次元的に走査され、その走査されたレーザビームによって表現される画像が、リレー光学系214を経て観察者の眼10に照射される。
ここに、反射ミラー部122の製作方法を図9の工程図を参照して詳細に説明する。
この製作方法においては、まず、ステップS1において、シリコン単結晶により構成された板状の素材(シリコンウエーハ)が、100μmの厚さを有するように、被エッチング材400(図11参照)として使用するために準備される。
次に、ステップS2において、被エッチング材400の両面にエッチングマスク材410(図11参照)がコーティングされる。エッチングマスク材410は例えば、被エッチング材400を加熱することによってその被エッチング材400の両面に形成されたシリコン酸化膜である。すなわち、このステップS2がコーティング工程なのである。
続いて、ステップS3において、被エッチング材400の両面にそれぞれコーティングされたエッチングマスク材410に所定のマスクパターンがリソグラフィによって形成される。各エッチングマスク材410に形成されたマスクパターンの形状は、被エッチング材400が図示しないエッチング槽に浸漬された場合に、そのエッチング槽内に収容されているエッチング液が最初に接触してエッチングされる部分の形状を決める。すなわち、このステップS3がマスクパターン形成工程なのである。
図10には、マスクパターンの一例が平面図で示されている。
ところで、本実施形態においては、被エッチング材400において最終的に露出させられる結晶面を説明するために、その被エッチング材400の最終形状の対称性に着目し、図10に示すように、被エッチング材400の表面に沿ってその表面の一中心点PC(Point of Center)まわりに4等分された4つの領域が想定されている。図13には、それら4つの領域のうちの一つが代表的に示されている。
本実施形態においては、マスクパターンが、図10に示すように、揺動軸線134(これが前記(6)項における「一基準線」の一例である。)と平行な第1辺と揺動軸線134と直交する第2辺とを有している。このマスクパターンは、図11に示す被エッチング材400の(100)結晶面上において第1辺および第2辺が<110>結晶方向と直交するように被エッチング材400に対して位置決めされる。
本実施形態においては、図10に示すように、第1辺が、後述の複数の第2部分422のうち、揺動軸線134と平行な第2部分422(図10において水平に延びる第2部分422)に相当し、一方、第2辺は、それら複数の第2部分422のうち、揺動軸線134と直交する第2部分422(図10において垂直に延びる第2部分422)に相当する。このマスクパターンの形状を定義するために、便宜上、被エッチング材400が、マスクパターンの中心点PCにおいて互いに直交する2本の対称中心線(揺動軸線134と、中心点PCにおいてその揺動軸線134と直交する一直線)によって4つの領域I,II,IIIおよびIVに分割される。
本実施形態においては、さらに、マスクパターンが、図10に示すように、それの両側であって揺動軸線134の方向において互いに対向するものにおいてそれぞれ、揺動軸線134に沿って外向きに延び出す延出部431を有している。この延出部431は、図4に示すはり部140を、反射ミラー部122と一緒にウエットエッチングによって製作するためにマスクパターンに設けられている。
ここで、図13を参照しつつ、各領域の向きと、単結晶により構成された被エッチング材400の複数の結晶面を定義するためにその被エッチング材400に割り当てられるxyz座標系の向きとの関係を説明すれば、各領域の中心角(図13の例においては、当該領域が示す四角形の4つの角のうち図13において最上部に位置するもの)の二等分線と、x軸とが互いに一致するように、各領域の向きとxyz座標系の向きとが決定されている。換言すれば、各領域における(100)面に対する法線が、各領域の中心角の二等分線と一致するように、被エッチング材400が4等分されているのである。
図10には、上述のxyz座標系が、被エッチング材400と共にではなく、エッチングマスク材410と共に示されている。図10においては、マスクパターンが、それの表面に沿ってその表面の一中心点PCまわりに4等分され、それにより、4つの領域I,II,IIIおよびIVが形成されている。各領域ごとにxyz座標系が割り当てられているが、図10には、このことが領域Iについてのみ代表的に示されている。
図10に示すように、マスクパターンは、凸の八角形を成している。具体的には、マスクパターンの外形線は、各領域ごとに、被エッチング材400の(100)結晶面に相当する第1部分420と、(111)結晶面(狭義の(111)結晶面およびそれと等価な結晶面を含む。)に相当する第2部分422とを有する。第2部分422は、第1部分420の両側にそれぞれ存在する。
以上説明した形状を有するマスクパターンは、被エッチング材400の両面に互いにずれないように形成される。その後、図9に示すように、ステップS4において、被エッチング材400とエッチングマスク材410との積層体が、エッチング液を収容するエッチング槽に浸漬される。本実施形態においては、エッチング液の種類が水酸化カリウム溶液(KOH)に選定され、その濃度が40wt%に選定され、その温度が70℃に選定されている。この条件において、被エッチング材400に対してウエットエッチングが行われる。すなわち、このステップS4がウエットエッチング工程なのである。なお、エッチング液の種類を水酸化テトラメチルアンモニウム溶液(TMAH)に変更することが可能であるが、この場合には、マスクパターンの形状が図10に示すものから変更される。
図11(a)および(b)ならびに図12(c)および(d)には、被エッチング材400がウエットエッチングされる様子が段階的に示されている。ただし、それら図には、被エッチング材400が、それの対称性に着目し、前述の4つの領域I,II,IIIおよびIVのうちのいずれかのみに関して代表的に示されている。
図11(a)においては、被エッチング材400のウエットエッチングが、エッチングマスク材410によってコーティングされていない部分から開始される。この段階においては、被エッチング材400に、(100)結晶面と(111)結晶面のみが現れる。
図11(a)に示す段階からウエットエッチングが少し進行すると、同図(b)に示すように、被エッチング材400においては、最初に露出した(100)結晶面と(111)結晶面との間の部分、すなわち、図11(a)に示す段階においてエッチングマスク材410が示す八角形に属する各角部(以下、「もとの各角部」という。)に複数の別の結晶面が露出し始まり、これにより、もとの各角部が丸められる。
図11(b)に示す段階からウエットエッチングが少し進行すると、図12(c)に示すように、被エッチング材400においては、(100)結晶面と(111)結晶面との間の部分に図11(b)に示す段階において露出した複数の結晶面が成長し、さらに、別の結晶面も露出し始まり、これにより、もとの各角部がさらに丸められる。
図12(c)に示す段階からウエットエッチングが少し進行すると、同図(d)に示すように、被エッチング材400においては、(100)結晶面と(111)結晶面との間の部分に図12(c)に示す段階において露出した複数の結晶面が成長し、さらに、別の結晶面も露出し始まり、これにより、もとの各角部がさらに丸められる。図12(d)に示す段階は、ウエットエッチングの終了段階であり、被エッチング材400がエッチング液によって厚さ方向に貫通させられている。図12(d)には、被エッチング材400の最終形状が、マクスパターンと共に示されている。
図13には、図12(d)に示す被エッチング材400が拡大して示されている。被エッチング材400のウエットエッチングが終了すると、(100)結晶面と(111)結晶面との間に、(211)結晶面と(311)結晶面と(411)結晶面と(511)結晶面とを含む複数の別の結晶面が露出する。それら(211)結晶面と(311)結晶面と(411)結晶面と(511)結晶面とはそれぞれ、(111)結晶面と同様に、括弧内の数字列によって表される狭義の結晶面およびそれと等価な結晶面を含むように定義されている。
すなわち、本実施形態においては、図10に示すように、エッチングマスク材410は、第1部分420と第2部分422との間に、(n11)結晶面(:2以上の整数)に対応する第3部分424を有するのである。
以上説明したウエットエッチングによって完成した反射ミラー部122は、それを法線方向に投影すれば、概して凸の八角形を成しており、正確には、n角形(n:16より大きい整数)を成している。図14(a)には、完成した反射ミラー部122の縦断面図であって、(100)面を通過する平面で切断した場合のものが示されている。同図(b)には、完成した反射ミラー部122の縦断面図であって、(111)面を通過する平面で切断した場合のものが示されている。
図14(c)には、被エッチング材400の一比較例として、被エッチング材400’を片面のみからウエットエッチングした場合に取得される反射ミラー部122’が、(111)面を通過する平面で切断した縦断面図で示されている。同図(b)に示すように、本実施形態によれば、被エッチング材400が両面からウエットエッチングされるため、それの側面に、被エッチング材400の厚さ方向の中心線に関して対称である不連続な傾斜面が形成されている。したがって、本実施形態によれば、上述の比較例より、軽量で慣性モーメントが小さい反射ミラー部122を製作することが容易である。
本実施形態によれば、(100)結晶面と(111)結晶面との間に露出するそれらとは別の結晶面(以下、「介在結晶面」という。)の種類の数が複数個である。したがって、本実施形態によれば、その介在結晶面の種類の数が1個である場合の反射ミラー部122の形状である16角形より、反射ミラー部122の形状が円形化される。反射ミラー部122をそれの法線方向に投影して得られる投影図形の外形線を構成する直線セグメント(各結晶面に相当する。)の数が多いほど、その外形線は円に接近する傾向があるからである。
さらに、本実施形態によれば、(100)結晶面と(111)結晶面とがいずれも、ウエットエッチングによって侵食され、それぞれの長さ寸法が初期値より減少させられる。その減少分が、それら(100)結晶面と(111)結晶面との双方に対して斜めの向きを有する別の結晶面によって置換される。
したがって、本実施形態によれば、反射ミラー112の外周面を構成する複数の結晶面のそれぞれの長さが減少されて均等化させられ、このことによっても、反射ミラー部122の形状が円形化される。反射ミラー部122の投影図形の外形線を構成する複数の直線セグメント(各結晶面に相当する。)の数が同じである場合には、それら直線セグメントのうちの最長の直線セグメントの長さが短いほど、その外形線は円に接近する傾向があるからである。
なお付言するに、図15には、マスクパターンの別の例が示されている。この例においては、前述の例と同様に、マスクパターンの外形線が、(100)結晶面に対応する第1部分430と、(111)結晶面に対応する第2部分432と、(n11)結晶面(:2以上の整数)に対応する第3部分434を有している。
以上のようにしてウエットエッチング工程が終了すれば、図9に示すように、その後、ステップS5において、エッチングマスク材410が両面にそれぞれコーティングされた被エッチング材400がエッチング槽から取り出される。続いて、ステップS6において、エッチングマスク材410が被エッチング材400の両面から剥離される。その後、ステップS7において、被エッチング材400の両面のうちの少なくとも一方に、アルミニウムまたは銀を材料として、反射膜が形成される。
以上で、この反射ミラー製作方法の一連の実施が終了する。
次に、本発明の第2実施形態を説明する。ただし、本実施形態は、第1実施形態に対し、マスクパターンの形状および反射ミラーの具体的形状が異なるのみで、他の要素については共通するため、異なる要素についてのみ詳細に説明し、共通する要素については、同一の符号または名称を使用して引用することにより、詳細な説明を省略する。
図16に示すように、本実施形態においては、第1実施形態と同様に、マスクパターンが、揺動軸線134(これが前記(6)項における「一基準線」の一例である。)と平行な第1辺と揺動軸線134と直交する第2辺とを有している。このマスクパターンは、図17に示す被エッチング材480の(100)結晶面上において第1辺および第2辺が<110>結晶方向と直交するように被エッチング材480に対して位置決めされる。
本実施形態においては、第1辺が、後述の複数の第2部分472のうち、揺動軸線134と平行な第2部分472(図16において水平に延びる第2部分422)に相当し、一方、第2辺は、それら複数の第2部分472のうち、揺動軸線134と直交する第2部分472(図16において垂直に延びる第2部分472)に相当する。このマスクパターンの形状を定義するために、便宜上、被エッチング材480が、マスクパターンの中心点PCにおいて互いに直交する2本の対称中心線(揺動軸線134と、中心点PCにおいてその揺動軸線134と直交する一直線)によって4つの領域I,II,IIIおよびIVに分割される。
本実施形態においては、さらに、マスクパターンが、第1実施形態と同様に、図16に示すように、それの両側であって揺動軸線134の方向において互いに対向するものにおいてそれぞれ、揺動軸線134に沿って外向きに延び出す延出部431を有している。
本実施形態においては、第1実施形態と同様に、マスクパターンが概して凸の八角形を成しており、マスクパターンの外形線が、(100)結晶面に対応する第1部分470と、(111)結晶面に対応する第2部分472とを有している。さらに、本実施形態においては、第4部分474が、第2部分472と同様に、第1部分470の両側にそれぞれ対称的に配置されている。
以上の説明から明らかなように、本実施形態においては、マスクパターンの平面形状が、凸の八角形を基本形状として、その八角形における8個の角部において突出部として第4部分474を有する形状なのである。その第4部分474は、正規の八角形における各角部から、その各角部の外角に当たる領域に向かって延びる形状を有している。
第4部分474は、この第4部分474が介在しないことによって第1部分470と第2部分472とによって本来であれば形成されるべき角部がウエットエッチングによって侵食されるタイミングを遅延させる機能を果たす。この機能により、最終的な反射ミラー部122の外周面の面構成が、第1実施形態より単純な面構成で済むことになる。
本実施形態においては、第1実施形態と同様に、被エッチング材480の両面にエッチングマスク材490がコーティングされ、それらコーティングされた2個のエッチングマスク材490にそれぞれ、上述の形状を有するマスクパターンが形成される。そのようにしてマスクパターンが割り当てられた被エッチング材480に対してウエットエッチングが実行される。
図17(a)および(b)ならびに図18(c)および(d)には、被エッチング材480がウエットエッチングされる様子が段階的に示されている。図17(a)においては、被エッチング材480のウエットエッチングが、エッチングマスク材490によってコーティングされていない部分から開始される。
この段階においては、被エッチング材480に主に、(100)結晶面と(111)結晶面とが現れる。さらに、被エッチング材480には、それら(100)結晶面と(111)結晶面との間に、別の結晶面も現れる。被エッチング材480のうち、その別の結晶面が現れる部分は、(100)結晶面および(111)結晶面から突出する突出部492を形成している。その突出部492は、マスクパターンのうちの第4部分474により、その周辺部より侵食が遅延された結果、形成される部分である。
図17(a)に示す段階からウエットエッチングが少し進行すると、同図(b)に示すように、被エッチング材480においては、(100)結晶面と(111)結晶面との間に位置する突出部492がウエットエッチングによって侵食され、その突出部492の突出量が減少する。この段階においては、その突出部492の先端に、(520)結晶面が形成し始められる。
図17(b)に示す段階からウエットエッチングが少し進行すると、図18(c)に示すように、被エッチング材480においては、(100)結晶面と(111)結晶面との間に位置する突出部492がウエットエッチングによってさらに侵食され、その突出部492の突出量がさらに減少する。この段階においては、その突出部492の先端に形成された(520)結晶面が成長する。
図18(c)に示す段階からウエットエッチングが少し進行すると、同図(d)に示すように、被エッチング材480においては、(100)結晶面と(111)結晶面との間において(520)結晶面が成長し、この(520)結晶面により、(100)結晶面と(111)結晶面とが斜面によって互いに接続される。図18(d)に示す段階は、ウエットエッチングの終了段階であり、被エッチング材480がエッチング液によって厚さ方向に貫通させられている。図18(d)には、被エッチング材480の最終形状が、マクスパターンと共に示されている。
図19には、図18(d)に示す被エッチング材480が拡大して示されている。被エッチング材480のウエットエッチングが終了すると、(100)結晶面と(111)結晶面との間に(520)結晶面のみが露出し、その結果、本実施形態によれば、(100)結晶面と(111)結晶面とが、第1実施形態より単純な面構成によって互いに接続される。
図20(a)には、完成した反射ミラー部122が斜視図で示され、同図(b)には平面図で示されている。その反射ミラー部122は、それを法線方向に投影すれば、概して凸の八角形を成しており、正確には、16角形を成しており、より正確には、16角形に近い形状を成している。
本実施形態によれば、反射ミラー部122の外周面が、(100)結晶面と(111)結晶面との間に主として(520)結晶面が介在するように構成される。介在結晶面が主として1種類存在するようにウエットエッチングが実行されるのであり、その存在する介在結晶面の種類の数は変動しない。よって、本実施形態によれば、反射ミラー部122の外周面の形状が安定化し、その結果、その反射ミラー部122の慣性モーメントも安定化する。
なお付言するに、図21には、マスクパターンの別の例が示されている。この例においては、前述の例と同様に、マスクパターンの外形線が、(100)結晶面に対応する第1部分500と、(111)結晶面に対応する第2部分502と、第4部分504とを有している。
以上、本発明の実施の形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、前記[発明の開示]の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
本発明の第1実施形態に従う反射ミラー製作方法によって製作された反射ミラー部を光走査のために備えた網膜走査型ディスプレイを示す系統図である。 図1における光スキャナ104を示す分解斜視図である。 図2における駆動源154およびその周辺を示す側面断面図と斜視図である。 図2における振動体124を示す斜視図である。 図1における水平走査駆動回路180を示すブロック図である。 図2における振動体124の具体的形状を示す斜視図である。 図2における振動体124のうちの円形状の反射ミラー部122に光が入射する様子を説明するための斜視図である。 図2における振動体124の比較例のうちの四角形状の反射ミラー部302に光が入射する様子を説明するための斜視図である。 前記反射ミラー製作方法を示す工程図である。 図9におけるステップS3において形成されるマスクパターンを示す平面図である。 図9におけるステップS4において実行されるウエットエッチングが進行する様子を段階的に説明するための斜視図である。 図9におけるステップS4において実行されるウエットエッチングが進行する様子を段階的に説明するための別の斜視図である。 図12(d)に示す被エッチング材400を拡大して示す斜視図である。 図9に示す反射ミラー製作方法によって最終的に製作された反射ミラー部122を示す縦断面図と、その反射ミラー部122の一比較例を示す縦断面図とである。 図10に示すマスクパターンの一変形例を示す平面図である。 本発明の第2実施形態に従う反射ミラー製作方法によって反射ミラー部122を製作するために形成されるマスクパターンを示す平面図である。 第2実施形態においてウエットエッチングが進行する様子を段階的に説明するための斜視図である。 第2実施形態においてウエットエッチングが進行する様子を段階的に説明するための別の斜視図である。 図18(d)に示す被エッチング材480を拡大して示す斜視図である。 第2実施形態によって最終的に製作された反射ミラー部122を示す斜視図と平面図である。 図16に示すマスクパターンの一変形例を示す平面図である。
符号の説明
120 反射面
122 反射ミラー部
124 振動体
400,480 被エッチング材
410,490 エッチングマスク材
420,430,470,500 第1部分
422,432,472,502 第2部分
424,434 第3部分
474,504 第4部分

Claims (11)

  1. 光が入射する反射面を有する板状の反射ミラーをエッチングによって製作する反射ミラー製作方法であって、
    単結晶により構成された板状の被エッチング材の両面または片面に膜状のエッチングマスク材をコーティングするコーティング工程と、
    前記被エッチング材の両面に前記エッチングマスク材がコーティングされた場合には、前記被エッチングマスク材の両面のうちの少なくとも一方に、四角形より円形に近い平面形状を有するマスクパターンを形成する一方、前記被エッチング材の片面のみに前記エッチングマスク材がコーティングされた場合には、前記被エッチングマスク材の両面のうち、前記エッチングマスク材がコーティングされた面と同じ面に前記マスクパターンを形成するマスクパターン形成工程と、
    前記エッチングマスク材がコーティングされた前記被エッチング材を、設定温度のもとに、設定濃度を有するエッチング液に浸漬させてエッチングを実行するウエットエッチング工程と
    を含み、それにより、前記反射ミラーをそれの法線方向に投影して得られる投影図形が四角形より円形に近い平面形状を有するように前記反射ミラーを製作し、
    前記マスクパターンの平面形状は、概して凸の八角形であるか、または、凸の八角形を基本形状として、その八角形における8個の角部において突出部を有する形状であり、
    前記マスクパターンは、一基準線と平行な第1辺とその基準線と直交する第2辺とを有し、前記被エッチング材の(100)結晶面上において前記第1辺および第2辺が<110>結晶方向と直交するように前記被エッチング材に対して位置決めされ、
    そのマスクパターンの外形線は、そのマスクパターンの中心点において互いに直交する2本の対称中心線によって前記被エッチング材を4つの領域に分割した場合の各領域ごとに、前記被エッチング材の(100)結晶面に相当する第1部分と、(111)結晶面に相当する第2部分とを有する反射ミラー製作方法。
  2. 前記マスクパターンの外形線は、さらに、前記各領域ごとに、前記被エッチング材の(n11)結晶面(n:2以上の整数)に相当する第3部分を、前記第1部分と第2部分との間に有する請求項1に記載の反射ミラー製作方法。
  3. 前記マスクパターンの外形線は、さらに、前記各領域ごとに、前記被エッチング材の(520)結晶面に相当する第4部分を、前記第1部分と第2部分との間に有する請求項1に記載の反射ミラー製作方法。
  4. 前記反射ミラーは、前記反射面に平行な揺動軸線まわりに振動させられることにより、その反射面に入射した光の反射方向を変化させてその光を走査するために使用される請求項1ないし3のいずれかに記載の反射ミラー製作方法。
  5. 前記反射ミラーは、その反射ミラーから前記揺動軸線に沿って延び、少なくともねじり振動が前記揺動軸線まわりに発生させられる板状のばねと共に振動体を構成し、その振動体のうちの少なくとも一部が振動させられることにより、前記反射面に入射した光の反射方向を変化させてその光を走査するために使用される請求項4に記載の反射ミラー製作方法。
  6. 前記エッチング液は、KOHまたはTMAHである請求項1ないし5のいずれかに記載の反射ミラー製作方法。
  7. 前記設定濃度は、35wt%ないし45wt%の範囲内にある請求項6に記載の反射ミラー製作方法。
  8. 前記設定温度は、60℃ないし80℃の範囲内にある請求項6または7に記載の反射ミラー製作方法。
  9. 前記マスクパターン形成工程は、前記被エッチング材の両面にそれぞれコーティングされた2個のエッチングマスク材にそれぞれ前記マスクパターンを形成する工程を含む請求項1ないし8のいずれかに記載の反射ミラー製作方法。
  10. さらに、前記ウエットエッチングの終了後に、前記被エッチング材から前記エッチングマスク材を剥離する剥離工程を含む請求項1ないし9のいずれかに記載の反射ミラー製作方法。
  11. さらに、前記被エッチング材から前記エッチングマスク材が剥離された後に、その被エッチング材の両面のうちの少なくとも片面に反射膜を形成する反射膜形成工程を含む請求項10に記載の反射ミラー製作方法
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