JP4644909B2 - モータのフィン構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、フィンの共振を防止し且つ熱交換率の高いモータにおける放熱用のフィン構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
モータや内燃機関のエンジン等では、本体からの放熱を促して空気冷却するためのフィンが本体の表面に形成される。図5に従来のフィン構造を備えるモータの縦断面図を示す。
【0003】
図5において、回転軸101を一体に固定した回転子102と回転軸101を支持する第一軸受103及び第二軸受104を配置し、回転子102を磁気的作用により回転させる固定子105が回転子102の周りに配置されている。また、固定子105は縦に並列に形成された放熱用のフィン106を形成したモータケーシング107に圧入されたもので、モータケーシング107は第二軸受104が圧入される軸受ハウジング108を一体に備えている。第一軸受103はモータケーシング107に一体連結されるモータカバー109に圧入されている。フィン106どうしの間には障害物はなく、フィン106どうしの間の空気流れを妨げないように構成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
フィン106による放熱冷却では、放熱量を多くして冷却能を上げるには、フィン106を薄くするとともに長くして表面積を大きくする必要がある。ところが、このように薄くて長いフィン106とした場合では、回転子102の回転による起振力の作用によってフィン106が共振することがある。このようなのフィン106の共振が発生すると、大振動と大騒音を起こすことになり、静寂な運転ができず部材の強度低下を招く。
【0005】
また、フィン106は一様な滑らかな表面となっているので、フィン106の表面に沿って空気は層流で流れる。このため、熱伝達率が低い層流熱伝達となり、放熱による冷却効果にも上限がある。
【0006】
本発明は、フィンの共振を防止して静寂な運転ができるとともに乱流熱伝達によって熱交換率を上げることができるモータのフィン構造を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、外郭を形成するモータフレーム及びモータカバーでモータ内部が密閉され且つ外郭面に縦または横に間隔を開けて放熱用のフィンを配列したモータのフィン構造であって、前記フィンどうしの間に乱流化のためのリブを形成して、前記フィンどうしを連結すると共に、前記リブの高さを前記放熱用のフィンの高さの1/4〜1/2としたことを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、フィンの共振を防止して静寂な運転ができるとともに乱流熱伝達によって熱交換率を上げることができるモータのフィン構造が得られる。
【0010】
【発明の実施の形態】
請求項1に記載の発明は、外郭を形成するモータフレーム及びモータカバーでモータ内部が密閉され且つ外郭面に縦または横に間隔を開けて放熱用のフィンを配列したモータにおけるフィン構造であって、前記フィンどうしの間に乱流化のためのリブを形成して、前記フィンどうしを連結すると共に、前記リブの高さを前記放熱用のフィンの高さの1/4〜1/2としたことを特徴とするモータのフィン構造であり、リブにより放熱用のフィンの剛性を高め、回転軸の回転に起因する起振力による放熱用のフィンの振動及び騒音を防止でき、リブによって乱流が形成されるので乱流熱伝達により熱伝達率を向上させると共に、振動及び騒音の抑制と熱伝達率の向上の両面で最適化できるという作用を有する。
【0012】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0013】
図1(a)は本発明のフィン構造を持つモータの正面図、(b)は本発明のフィン構造を持つモータの縦断面図である。
【0014】
図1において、モータフレーム7の軸受ハウジング8とモータカバー9のそれぞれに軸受3,軸受4が固定され、これらの軸受3,軸受4によって回転軸1が支持されている。この回転軸1にはロータ2が一体に固定され、このロータ2の周りにはステータ5が固定され、このステータ5のコイルに通電することにより、磁気的引力及び斥力の作用によってロータ2が回転し、このロータ2に一体固定した回転軸1が回転する。
【0015】
モータフレーム7の表面には、同図(a)に示すように一定の間隔を持って配置されたフィン6が縦方向に走るように形成されている。そして、隣接するフィン6どうしの間には、互いを連結するリブ10を形成している。
【0016】
次に放熱実験及び振動実験の実施例を図2〜図4を用いて説明する。
【0017】
図2は本発明の実施の形態におけるリブ高さと熱伝達率との関係を示すグラフ、図3(a)はフィンどうしの間の空気流れを示すリブを設けた場合の乱流熱伝達を示す図、(b)はフィンどうしの間の空気流れを示すリブがない場合の層流熱伝達を示す図、図4は本発明の実施の形態におけるリブ高さと振動の振幅との関係を示すグラフである。
【0018】
先ず、放熱実験において、温度条件として外気温度25℃、モータフレーム7の表面温度90℃、つまり温度差65℃を与え、風速3m/sで強制対流を発生させた。数時間後、温度平衡状態に達した時点での熱伝達率をh、放熱量をQ、温度差をΔT、フィン部の表面積をSとすると、熱伝達率hは下記式(1)で与えられる。
【0019】
h=Q÷(S×ΔT)‐‐‐式(1)
このとき、実験変数としてリブ10の高さHとフィン6の高さDの比をA=H/Dとし、この変数を用い実験を実施し、その結果として得られた変数Aと熱伝達率hの関係のグラフを図2に示す。
【0020】
この実験結果から分かるように、A=1/2の時が最も熱伝達率hは高くそれ以上では低下している。A=1/2以上のところではリブ10付近で空気の滞留が起こり、逆にフィン6の有効面積を小さくしているため、A=0のリブがない状態よりも熱伝達率が悪くなっている。結果的に、Aの値が1/8〜1/2の範囲内で空気の流れが図3のように層流から乱流に遷移することによって、リブがない場合より放熱効率が向上しているといえる。すなわち、図3の(a)ではリブ10をフィン6間に配置しているので、下から上に流れる空気はリブ10が邪魔板となって乱流状態となる。一方、図3の(b)のようにリブ10がないものでは、下から上に流れる空気はフィン6どうしの間は層流状態となる。したがって、リブ10を設けることでフィン6及びモータフレーム7の表面との間での乱流熱伝達が可能となり、リブ10を設けない場合よりも熱伝達効率を向上させることができる。
【0021】
また、振動実験においては変数Aを変化させて、フィン6の振動の振幅を測定した結果を図4に示す。図示のように、A=1/4を超えた付近から振幅が振幅許容値以下に減少し、かつAが増加するほど振幅は減少する。
【0022】
以上の熱伝達率及び振動についての実験結果から、放熱効率が良くしかも振動を効果的に防止できるAの値の範囲はA=1/4〜1/2の範囲である。
【0023】
以上のことから、フィン6に交差するリブ10を数箇所設け、且つリブ10の高さがフィン6の高さの1/2〜1/4倍とすることによって、回転軸1の回転斑に起因する起振力による大振動及び大騒音の発生を防止できる。また、図3で説明したように、フィン6の間の空気の流れがリブ10によって乱流を形成して流れるため、乱流領域での熱伝達が主となって熱伝達率が向上し、その結果熱交換効率の改善が実現される。
【0024】
【発明の効果】
本発明によれば、放熱用のフィンどうしの間にリブを設けるので、フィンの剛性を高めることができ、フィンの振動や騒音の発生を抑えることができる。また、リブによってフィンどうしの間を流れる空気流を乱流化できるので、フィンの間を流れる空気の流れが自然対流または強制対流に関わらず、乱流熱伝達を促して熱交換効率を向上させることができ、冷却性能が改善される。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本発明のフィン構造を持つモータの正面図
(b)本発明のフィン構造を持つモータの縦断面図
【図2】本発明の実施の形態におけるリブ高さと熱伝達率との関係を示すグラフ
【図3】(a)フィンどうしの間の空気流れを示すリブを設けた場合の乱流熱伝達を示す図
(b)フィンどうしの間の空気流れを示すリブがない場合の層流熱伝達を示す図
【図4】本発明の実施の形態におけるリブ高さと振動の振幅との関係を示すグラフ
【図5】従来のフィン構造を備えるモータの縦断面図
【符号の説明】
1 回転軸
2 ロータ
3 軸受
4 軸受
5 ステータ
6 フィン
7 モータフレーム
8 軸受ハウジング
9 モータカバー
10 リブ
101 回転軸
102 回転子
103 第一軸受
104 第二軸受
105 固定子
106 フィン
107 モータケーシング
108 軸受ハウジング
109 モータカバー
Claims (1)
- 外郭を形成するモータフレーム及びモータカバーでモータ内部が密閉され且つ外郭面に縦または横に間隔を開けて放熱用のフィンを配列したモータにおけるフィン構造であって、前記フィンどうしの間に乱流化のためのリブを形成して、前記フィンどうしを連結すると共に、前記リブの高さを前記放熱用のフィンの高さの1/4〜1/2としたことを特徴とするモータのフィン構造。
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