JP4643161B2 - 定電流特性による消耗電極ガスシールドアーク溶接方法 - Google Patents

定電流特性による消耗電極ガスシールドアーク溶接方法 Download PDF

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Description

本発明は、定電流特性による消耗電極ガスシールドアーク溶接において外乱によるアーク長変動を抑制するための定電流特性による消耗電極ガスシールドアーク溶接方法に関するものである。
[従来技術1]
図7は、アルミニウムMIG溶接における溶接ワイヤの溶融特性L1と溶接電源の外部特性CP1との関係を示す図である。同図の横軸はアークに通電する溶接電流Iwを示し、縦軸は溶接ワイヤと母材との間の溶接電圧Vwを示す。溶融特性L1は、溶接ワイヤの送給速度を予め定めた一定値に設定し、溶接電圧Vwを変化させたときの溶接電流Iw及びアーク長Laの変化を測定したものである。Q1点においてアーク長La=2mm程度となり、これよりも下の溶融特性L1上の各点では溶滴移行形態が短絡移行形態になる。Q2点においてアーク長La=6mm程度となり、これよりも上の溶融特性L1上の各点では溶滴移行形態がスプレー移行形態になる。Q1〜Q2点の間の各点では溶滴移行形態はメソスプレー移行形態になる。このメソスプレー移行形態では、1ms以下の微小時間の短絡が発生しつつ溶滴はスプレー移行する。スパッタ、ビード外観、ブローホール等の溶接品質を考慮して実用上使用するアーク長Laの範囲は2〜5mm程度である。したがって実用上使用するアーク長Laの範囲では、溶滴移行形態はメソスプレー移行形態となる。
ところで、アーク長Laは溶接ワイヤの送給速度と溶融速度とのバランスによって定まる。溶融速度は溶接電流Iwに依存する。溶融特性L1は送給速度が一定の場合であるので、各アーク長において溶融速度と送給速度とが等しくなるように溶接電流Iwの値が定まる。溶融特性L1において、アーク長La=6mmのQ2点の溶接電流値がアーク長La=2mmのQ1点の溶接電流値よりも大きいので、Q2点の方が単位溶接電流値当りの溶融量(以下,比溶融量という)は小さくなる。すなわち、メソスプレー移行形態においては、アーク長Laに反比例して比溶融量が小さくなる。このために、溶接電流Iwが一定値である場合(定電流特性の溶接電源を使用した場合)、送給速度の変動、給電チップ・母材間距離の変動等の外乱によってアーク長Laが過渡的に長くなると比溶融量が小さくなり溶融速度が遅くなるために、アーク長Laは短くなる方向に制御される。逆にアーク長Laが外乱によって短くなった場合は、比溶融量が大きくなり溶融速度が速くなるために、アーク長Laは長くなる方向に制御される。このようにアーク長の変動を復元する作用をアーク固有の自己制御作用と呼んでいる。
一般的に、アルミニウムMIG溶接には定電圧特性CP1の溶接電源が使用される。この場合、送給速度が設定されると溶融特性L1が決まり、溶接電圧Vwが設定されると定電圧特性CP1が決まる。これら両特性の交点P1が動作点となる。このP1点のアーク長La=4mmとする。定常アーク状態では動作点はP1点に停止し、アーク長Laは4mmに維持される。この状態で外乱によってアーク長Laが過渡的に長くなると、動作点が定電圧特性CP1上のP2点に過渡的に移動する。この結果、溶接電流値Iwが小さくなり溶融速度が遅くなるために、アーク長Laは短くなる方向に復元される。この作用を上記のアーク固有の自己制御作用と区別して外部特性による自己制御作用と呼んでいる。通常、外乱によるアーク長Laの変動を抑制して良好な溶接品質を得るためには、アーク固有の自己制御作用では応答性に問題があるので外部特性による自己制御作用が利用される。このために、アルミニウムMIG溶接においては定電圧特性の溶接電源が使用される。
アルミニウムワイヤの材質、直径、シールドガスの種類等の溶接条件が決まり、送給速度が設定されると溶融特性L1が定まる。このために所望のアーク長Laになるように定電圧特性CP1を設定すればよい。しかし、アルミニウムMIG溶接においては、母材の酸化皮膜の状態によって溶融特性L1が変化するという性質がある。図8は、母材の酸化皮膜の状態が変化したときの溶融特性L1、L2を示す図である。溶融特性L1は、上述した図7の溶融特性L1と同一である。MIG溶接では、母材の酸化皮膜をアークによって除去(クリーニング作用)しながら溶接が行われる。この酸化皮膜のクリーニング状態は、母材表面の汚れ具合、母材の温度、シールドガスのシールド状態等の変動によって大きく影響される。しかも酸化皮膜のクリーニング状態は溶接中にも刻々と変化する。
酸化皮膜のクリーニング状態が変化すると、溶融特性がL1からL2へと変化する。これは酸化皮膜のクリーニング状態の変化によってアーク形状が変化し溶融速度が変化するためである。溶融特性がL1のときにアーク長La=4mmの所望値に設定するために、定電圧特性をCP1に設定して動作点がP1点になるようにしている。この状態で溶融特性がL2に変化したときにアーク長Laを5mmに維持するためには、動作点をP3点に移動させる必要がある。このために、定電圧特性をCP1からCP2に設定変更する必要がある。すなわち、アルミニウムMIG溶接においては、酸化皮膜のクリーニング状態が変化するごとにアーク長を所望値に維持するために定電圧特性の設定を修正しなければならなかった。上述したように、酸化皮膜のクリーニング状態は溶接中にも変化するために、定電圧特性も溶接中に設定変更する必要があった。このために、溶接作業者が酸化皮膜のクリーニング状態の変動によるアーク長の変動を目視で確認しながら手動で定電圧特性を調整することが現場では行われてきた。しかし、この方法では自動化が困難であり、かつ、アーク長を正確に所望値に維持することができないという問題があった。
[従来技術2]
上述した問題を解決するための従来技術2について以下説明する。図9は、図8で上述した溶融特性L1、L2について縦軸を溶接電圧Vwからアーク長Laに変更して描いた溶融特性L3である。同図の溶融特性L3は、酸化皮膜のクリーニング状態が変化しても変化しない。これは、溶接電流Iwによって溶融速度が決まり溶融速度によってアーク長が決まる原理は酸化皮膜のクリーニング状態が変化しても変化しないためである。上述した図8においては、溶接電圧Vwによってアーク長を制御しているために、酸化皮膜のクリーニング状態が変化してアーク形状が変化すると同一アーク長に対する溶接電圧Vwの値が変化して上述した問題が発生する。これに対して、同図では溶接電流Iwによってアーク長Laを制御するので、酸化皮膜のクリーニング状態の変動の影響は受けない。
同図において、アーク長La=4mmの所望値に設定するためには、溶接電源の外部特性を定電流特性CC1にして動作点をP4点にすればよい。これによって酸化皮膜のクリーニング状態が変化しても動作点P4は変化しないのでアーク長Laは所望値の4mmのままである。したがって、上述した従来技術1の問題は解決される(例えば、特許文献1参照)。
特許第2993174号公報
上述した従来技術2においては、送給速度の変動、給電チップ・母材間距離の変動等の外乱によってアーク長Laが変動したときの復元力は、上述したアーク固有の自己制御作用となる。すなわち、図9において、外乱によってアーク長Laが過渡的に長くなると動作点はP5に移動する。この動作点P5においても溶接電流値Iwは一定値であるので従来技術1のように外部特性による自己制御作用は働かない。この場合には上述したように、アーク長Laが長くなって比溶融量が小さくなるために同一溶接電流値Iwでの溶融速度が遅くなりアーク長Laは短くなる方向に制御される。しかし、このアーク固有の自己制御作用ではアーク長を復元させる過渡応答性が悪いという問題がある。従来技術1における外部特性による自己制御作用によれば、アーク長を復元させる過渡応答性は20ms程度である。これに対して、アーク固有の自己制御作用による過渡応答性は70ms程度と数倍も遅い。この結果、外乱によるアーク長Laの変動幅が大きくなり、溶接品質が悪くなるおそれがある。このために、MIG溶接に定電流特性の溶接電源を使用することは実用上ほとんどなかった。
そこで、本発明では、外乱によるアーク長の変動を小さくすることができる過渡応答性に優れた定電流特性による消耗電極ガスシールドアーク溶接方法を提供する。
上述した課題を解決するために、第1の発明は、溶接ワイヤを予め定めた速度で送給すると共に、溶接電源の定電流特性によって予め定めた溶接電流をアークに通電して溶接する定電流特性による消耗電極ガスシールドアーク溶接方法において、
母材・溶接ワイヤ間の溶接電圧を検出し、この溶接電圧検出値を移動平均して溶接電圧移動平均値を算出し、前記溶接電圧検出値が前記溶接電圧移動平均値と略等しくなるように前記定電流特性による前記溶接電流値を変化させることを特徴とする定電流特性による消耗電極ガスシールドアーク溶接方法である。
また、第2の発明は、前記消耗電極ガスシールドアーク溶接がピーク期間中のピーク電流の通電及びベース期間中のベース電流の通電をパルス周期として繰り返す消耗電極パルスアーク溶接であり、前記溶接電流値が前記パルス周期ごとの溶接電流平均値であり、前記溶接電圧値が前記パルス周期ごとの溶接電圧平均値であり、前記ピーク期間又は前記ピーク電流又は前記ベース期間又は前記ベース電流の少なくとも1つ以上を変化させて前記パルス周期ごとの溶接電流平均値を変化させることを特徴とする第1の発明記載の定電流特性による消耗電極ガスシールドアーク溶接方法である。
上記第1の発明によれば、定電流特性によって消耗電極ガスシールドアーク溶接を行い、溶接電圧Vwとその移動平均値Vraとが略等しくなるように定電流特性を変化させることによって外部特性による自己制御作用を働かせることができる。このために、外乱及び酸化皮膜のクリーニング状態の変動によるアーク長の変動を迅速に抑制することができ、良好な溶接品質を得ることができる。これにより、定電流特性による消耗電極ガスシールドアーク溶接が実用上可能となった。
上記第2の発明によれば、消耗電極パルスアーク溶接において上記と同様の効果を奏することができ、パルスアーク溶接における溶接品質を向上させることができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
[実施の形態1]
本発明の実施の形態1は、溶接電圧を検出し、この溶接電圧検出値を移動平均して溶接電圧移動平均値を算出し、上記の溶接電圧検出値が上記の溶接電圧移動平均値と略等しくなるように定電流特性による溶接電流値を変化させる定電流特性による消耗電極ガスシールドアーク溶接方法である。
図1は、本発明の実施の形態1に係る定電流特性による消耗電極ガスシールドアーク溶接方法の動作原理を説明するための溶融特性L3と定電流特性CC1、CC2との関係図である。同図の横軸は溶接電流Iwを示し、縦軸はアーク長Laを示す。同図の溶融特性L3及び定電流特性CC1は、上述した図9と同一である。以下、同図を参照して説明する。
まず、上述した外乱が発生しておらず、かつ、酸化皮膜のクリーニング状態も変化していない定常アーク状態について考える。送給速度が設定されると溶融特性はL3になる。アーク長Laが所望値の4mmになるように定電流特性をCC1に設定する。動作点は両特性の交点P4になる。定常アーク状態では動作点はP4点に固定されるので、アーク長Laは所望値に維持される。
この定常アーク状態において外乱が発生してアーク長Laが過渡的に長くなると、動作点はP4からP5へ移動する。本発明では溶接電圧Vwと溶接電圧移動平均値Vraとの電圧誤差増幅値ΔV=G・(Vra−Vw)に応じて定電流特性による溶接電流値Iwを変化させる。ここでGは増幅率である。すなわち、Iw2=Iw1+ΔVとなる。溶接電流Iw1は定電流特性CC1の電流値である。外乱によってアーク長Laが長くなると、溶接電圧Vwが溶接電圧移動平均値Vraよりも大きくなり、上記の電圧誤差増幅値ΔV<0となる。この結果、Iw2<Iw1となり定電流特性はCC2に変化する。これに応動して動作点はP5からP6へと移動する。動作点がP6になると溶接電流は減少するので、溶融速度が遅くなり、アーク長Laは短くなる方向へ制御される。すなわち、外乱によるアーク長Laの変動を上記の電圧誤差増幅値ΔVによって検出し、定電流特性を変化させて外部特性による自己制御作用を働かせている。上述したように、アーク固有の自己制御作用に比べて外部特性による自己制御作用の方がアーク長制御の過渡応答性が良く変動幅も小さくなる。
次に、定常アーク状態において酸化皮膜のクリーニング状態が変動すると溶接電圧Vwが変化する。しかし、酸化皮膜のクリーニング状態の変動速度は上記の外乱による変動速度よりも緩やかである。例えば、外乱による変動速度は数ms〜十数ms程度であり、他方酸化皮膜のクリーニング状態の変動速度は数十ms〜数百ms程度である。そこで、溶接電圧移動平均値Vraを算出するための移動平均期間を、外乱の変動速度よりも長く、かつ、酸化皮膜のクリーニング状態の変動速度よりも短く設定する。これによって、酸化皮膜のクリーニング状態の緩やかな変動が発生した場合には、Vw≒Vraとなり定電流特性はCC1のままで変化しない。このために、酸化皮膜のクリーニング状態が変動してもアーク長Laは所望値のままである。他方、外乱が発生したときは上述したようにVa≠Vraとなり定電流特性がCC1からCC2等に過渡的に変化して外部特性による自己制御作用が働く。定常アーク状態に戻ると定電流特性はCC1に戻る。
図2は、上述した実施の形態1に係る定電流特性による消耗電極ガスシールドアーク溶接方法を実施するための溶接電源のブロック図である。電源主回路MCは、商用交流電源(3相200V等)を入力として後述する電流誤差増幅信号Eiに従ってインバータ制御等によって出力制御を行い、溶接電流Iw及び溶接電圧Vwを出力する。溶接ワイヤ1は、ワイヤ送給装置の送給ロール5の回転によって溶接トーチ4内を通って送給され、母材2との間にアーク3が発生する。
溶接電圧検出回路VDは、上記の溶接電圧Vwを検出して溶接電圧検出信号Vdを出力する。溶接電圧移動平均値算出回路VRAは、上記の溶接電圧検出信号Vdを移動平均して溶接電圧移動平均値信号Vraを出力する。電圧誤差増幅回路EVは、上記の溶接電圧移動平均値信号Vraと上記の溶接電圧検出信号Vdとの誤差を増幅して電圧誤差増幅信号ΔV=G・(Vra−Vd)を出力する。Gは予め定めた増幅率である。電流設定回路ISは、予め定めた電流設定信号Isを出力する。加算回路ADは、上記の電流設定信号Isと上記の電圧誤差増幅信号ΔVとの加算を行い、電流制御設定信号Isc=Is+ΔVを出力する。電流検出回路IDは、上記の溶接電流Iwを検出して溶接電流検出信号Idを出力する。電流誤差増幅回路EIは、上記の電流制御設定信号Iscと上記の溶接電流検出信号Idとの誤差を増幅して、電流誤差増幅信号Eiを出力する。この回路によって、電流制御設定信号Iscにより定まる定電流特性が形成される。上記の電圧誤差増幅信号ΔV=0の定常アーク状態においては、Isc=Isとなるので、電流設定信号Isにより定まる定電流特性が形成される。例えば、上述した図1において、Is=Iw1に設定すると、定電流特性CC1が形成される。同様に、外乱によって電圧誤差増幅信号ΔV>0となりIsc=Iw2になると、定電流特性CC2が形成される。
[実施の形態2]
本発明の実施の形態2は、実施の形態1における消耗電極ガスシールドアーク溶接として消耗電極パルスアーク溶接を使用する場合である。図3は、パルスアーク溶接の電流・電圧波形を示す。同図(A)は溶接電流瞬時値iwの時間変化を示し、同図(B)は溶接電圧瞬時値vwの時間変化を示す。時刻t1〜t2のピーク期間Tp中は、同図(A)に示すように、溶滴を移行させるために大電流値のピーク電流Ipを通電し、同図(B)に示すように、溶接ワイヤと母材との間にピーク電圧Vpが印加する。時刻t2〜t3のベース期間Tb中は、同図(A)に示すように、溶接ワイヤを溶融させないために小電流値のベース電流Ibを通電し、同図(B)に示すように、溶接ワイヤと母材との間にベース電圧Vbが印加する。ピーク期間Tp及びベース期間Tbからパルス周期Tfが形成される。パルスアーク溶接においては、パルス周期Tfごとに1溶滴が母材に移行するいわゆる1パルス1溶滴移行となる。したがって、アーク長Laは1パルス周期Tfごとに変化する。このために、上述した実施の形態1における溶接電流Iw及び溶接電圧Vwとして、実施の形態2ではパルス周期Tfごとの溶接電流平均値Iwa及びパルス周期Tfごとの溶接電圧平均値Vwaを使用する必要がある。すなわち、実施の形態2では上記のパルス周期溶接電流平均値Iwaが一定値になるように定電流特性が形成される。また、溶接電圧移動平均値Vraは上記のパルス周期溶接電圧平均値Vwaを移動平均して算出する。したがって、電圧誤差増幅値ΔV=G・(Vra−Vwa)となる。同図(A)において、ピーク期間Tp、ピーク電流Ip、ベース期間Tb及びベース電流Ibを設定すると、パルス周期溶接電流平均値Iwaが所定値に定まる.したがって、パルス周期溶接電流平均値Iwaを変化させるためには、ピーク期間Tp、ピーク電流Ip、ベース期間Tb又はベース電流Ibの少なくとも1つ以上を変化させれば良い。上記以外は実施の形態1と同様である。
図4は、本発明の実施の形態2に係る定電流特性による消耗電極ガスシールドアーク溶接方法を実施するための溶接電源のブロック図である。同図において上述した図2と同一のブロックには同一符号を付してそれらの説明は省略する。以下、図2とは異なる点線で示すブロックについて説明する。
パルス周期溶接電圧平均値算出回路VWAは、溶接電圧瞬時値vwを検出した溶接電圧検出信号Vdをパルス周期Tfごとに平均値を算出し、パルス周期溶接電圧平均値信号Vwaを出力する。溶接電圧移動平均値算出回路VRAは、上記のパルス周期溶接電圧平均値信号Vwaを移動平均して溶接電圧移動平均値信号Vraを出力する。電圧誤差増幅回路EVは、上記の溶接電圧移動平均値信号Vraとパルス周期溶接電圧平均値信号Vwaとの誤差を増幅して、電圧誤差増幅信号ΔV=G・(Vra−Vwa)を出力する。Gは予め定めた増幅率である。
ベース期間設定回路TBSは、予め定めたベース期間設定信号Tbsを出力する。減算回路SBは、上記のベース期間設定信号Tbsから上記の電圧誤差増幅信号ΔVを減算して、ベース期間制御設定信号Tbsc=Tbs−ΔVを出力する。ピーク期間設定回路TPSは、予め定めたピーク期間設定信号Tpsを出力する。タイマ回路TMは、上記のピーク期間設定信号Tpsによって定まる期間中はHighレベルになり、続く上記のベース期間制御設定信号Tbscによって定まる期間中はLowレベルになり、以後この動作を繰り返すタイマ信号Tmを出力する。すなわち、このタイマ信号TmがHighレベルのときはピーク期間になり、Lowレベルのときはベース期間になる。ピーク電流設定回路IPSは、予め定めたピーク電流設定信号Ipsを出力する。ベース電流設定回路IBSは、予め定めたベース電流設定信号Ibsを出力する。切換回路SWは、上記のタイマ信号TmがHighレベルのときはa側に切り換わり上記のピーク電流設定信号Ipsを電流制御設定信号Iscとして出力し、Lowレベルのときはb側に切り換わり上記のベース電流設定信号Ibsを電流制御設定信号Iscとして出力する。この電流制御設定信号Iscに相当する図3で上述した溶接電流瞬時値iwが通電する。
同図において定常アーク状態にあるときは電圧誤差増幅信号ΔV=0となるので、Tbsc=Tbsとなる。したがって、ピーク期間設定信号Tpsによって定まる期間中はピーク電流設定信号Ipsによって定まる電流が通電し、ベース期間設定信号Tbsによって定まる期間中はベース電流設定信号Ibsによって定まる電流が通電する。この状態でのパルス周期溶接電流平均値Iwaが、上記した図1のIw1となる。
定常アーク状態において外乱が発生してアーク長Laが過渡的に長くなると、電圧誤差増幅信号ΔV>0となる。したがって、Tbsc<Tbsとなり、ベース期間は定常アーク状態よりも短くなる。この結果、パルス周期溶接電流平均値Iwaは小さくなり、上述した図1のIw2となる。これによって外部特性による自己制御作用を働かせてアーク長Laの変動を抑制する。
上記においてはベース期間Tbを可変してパルス周期溶接電流平均値Iwaを変化させる場合を説明した。これ以外にピーク期間Tpを可変する場合はTp=Tps+ΔVとすれば良い。同様に、ベース電流Ibを可変する場合はIb=Ibs+ΔVとすれば良い。さらにピーク電流Ipを可変する場合はIp=Ips+ΔVとすれば良い。また、上記はアルミニウムMIG溶接について説明したが、母材に酸化皮膜が形成されるマグネシウム等のMIG溶接にも適用することができる。
[効果]
図5は、本発明の効果を説明するためにアーク長変動時の過渡応答性を測定する方法を示す図である。溶接ワイヤに直径1.2mmのアルミニウム合金材を使用し、平均溶接電流100A、平均溶接電圧18V、溶接速度80cm/minでパルスMIG溶接を行った場合である。時刻t1においてアーク長を2mmに設定し、時刻t2において母材の段差により給電チップ・母材間距離が長くなりアーク長は6mmに長くなる。この状態から外部特性による自己制御作用によってアーク長が復元されて時刻t3において2mmに戻る。この時刻t2〜t3までの時間をアーク長復元時間として測定する。測定は比較のために従来技術2と本発明の両者について行った。その結果を図6に示す。同図から明らかなように、従来技術2ではアーク長復元時間は70ms程度であった。これに対して本発明では、アーク長復元時間は大幅に短縮されて20ms程度であった。このために、外乱によるアーク長の変動を迅速に復元させることができ変動幅も小さくすることができるので、溶接品質が向上する。
本発明の実施の形態1に係る定電流特性による消耗電極ガスシールドアーク溶接方法を示す溶融特性と定電流特性との関係図である。 本発明の実施の形態1に係る溶接電源のブロック図である。 パルスアーク溶接の電流・電圧波形図である。 本発明の実施の形態2に係る溶接電源のブロック図である。 本発明の効果を説明するためにアーク長変動時のアーク長復元時間の測定方法を示す図である。 図5の測定方法によって行った従来技術と本発明のアーク長復元時間の測定結果を示す図である。 従来技術1における溶融特性と定電圧特性との関係図である。 従来技術1における課題を示す溶融特性と定電圧特性との関係図である。 従来技術2における課題を示す溶融特性と定電流特性との関係図である。
符号の説明
1 溶接ワイヤ
2 母材
3 アーク
4 溶接トーチ
5 送給ロール
AD 加算回路
CC1〜2 定電流特性
CP1〜2 定電圧特性
EI 電流誤差増幅回路
Ei 電流誤差増幅信号
EV 電圧誤差増幅回路
Ib ベース電流
IBS ベース電流設定回路
Ibs ベース電流設定信号
ID 溶接電流検出回路
Id 溶接電圧検出信号
Ip ピーク電流
IPS ピーク電流設定回路
Ips ピーク電流設定信号
IS 電流設定回路
Is 電流設定信号
Isc 電流制御設定信号
Iw 溶接電流
iw 溶接電流瞬時値
Iwa パルス周期溶接電流平均値(信号)
L1〜3 溶融特性
La アーク長
MC 電源主回路
P1〜6 動作点
SB 減算回路
SW 切換回路
Tb ベース期間
TBS ベース期間設定回路
Tbs ベース期間設定信号
Tbsc ベース期間制御設定信号
Tf パルス周期
TM タイマ回路
Tm タイマ信号
Tp ピーク期間
TPS ピーク期間設定回路
Tps ピーク期間設定信号
Vb ベース電圧
VD 溶接電圧検出回路
Vd 溶接電圧検出信号
Vp ピーク電圧
VRA 溶接電圧移動平均値算出回路
Vra 溶接電圧移動平均値(信号)
Vw 溶接電圧
vw 溶接電圧瞬時値
VWA パルス周期溶接電圧平均値算出回路
Vwa パルス周期溶接電圧平均値(信号)
ΔV 電圧誤差増幅(値/信号)

Claims (2)

  1. 溶接ワイヤを予め定めた速度で送給すると共に、溶接電源の定電流特性によって予め定めた溶接電流をアークに通電して溶接する定電流特性による消耗電極ガスシールドアーク溶接方法において、
    母材・溶接ワイヤ間の溶接電圧を検出し、この溶接電圧検出値を移動平均して溶接電圧移動平均値を算出し、前記溶接電圧検出値が前記溶接電圧移動平均値と略等しくなるように前記定電流特性による前記溶接電流値を変化させることを特徴とする定電流特性による消耗電極ガスシールドアーク溶接方法。
  2. 前記消耗電極ガスシールドアーク溶接がピーク期間中のピーク電流の通電及びベース期間中のベース電流の通電をパルス周期として繰り返す消耗電極パルスアーク溶接であり、前記溶接電流値が前記パルス周期ごとの溶接電流平均値であり、前記溶接電圧値が前記パルス周期ごとの溶接電圧平均値であり、前記ピーク期間又は前記ピーク電流又は前記ベース期間又は前記ベース電流の少なくとも1つ以上を変化させて前記パルス周期ごとの溶接電流平均値を変化させることを特徴とする請求項1記載の定電流特性による消耗電極ガスシールドアーク溶接方法。

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