JP4642063B2 - 柔軟性のある長繊維不織布 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリオレフィン系長繊維不織布に関し、柔軟性、肌触りが良好な吸収性物品に適した長繊維不織布に関する。
近年、衛生材料に用いられる吸収性物品は、横漏れ防止のためのサイドギャザーや、足回り、ウエスト周りなどにポリウレタン弾性糸等伸縮材料を張り合わせ用いられるようになってきた。
このようなオムツの構成の変化と共に、近年は使い捨てオムツに対する要求性能が高まり、特に皮膚に刺激を与えやすいギャザー部の刺激を軽減するため、よりソフトなシートが要求されるようになってきた。オムツのウエスト周りや足回りのギャザー部はギャザーの振幅が細かく、振幅の頂点で角が立ちにくくて圧縮されやすいことが望まれる。また、オムツや衛生材料の横漏れ防止のためにつけられているサイドギャザーは、端面が肌に接するため,肌刺激が少なくよりソフトな風合いが望まれる。
衛生材料用シートの柔らかさは、主に3つの要素に分類される。ひとつは、シートの曲げ柔らかさと表現される「剛軟度が小さいこと」、二つめはすべすべ感に代表される「摩擦係数が小さいこと」そして三つめには ふわふわ感に代表される「圧縮率が大きいこと」があげられる。これら柔らかさの要素のうち、ギャザー部の風合いに最も関係があるのがシートの曲げや柔らかさ「剛軟度が小さいこと」である。特にシートの構造上MD方向がCD方向に比べて曲げ硬くなる傾向があるので、MD方向を曲げ柔らかくすることが重要である。さらに運動による皮膚との擦れによる刺激を小さくするため、滑りやすいこと「摩擦係数が小さいこと」も重要である。
長繊維不織布においても、主としてポリプロピレン系樹脂を用いた不織布を柔軟化する検討が行われてきた。後加工による方法や熱エンボスロールでの圧着を弱める方法があるが、前者の方法では生産性や経済性に劣り、後者の方法では柔軟性は得られるが耐毛羽性が低下する。また柔軟性を得るために目付を小さくすることも考えられるが強度が低下し、オムツ等の製品設計が限定される。
長繊維不織布シートの平均単糸繊度を小さくして柔軟性を得ることも試みられてきた。平均単糸繊度を小さくすることはMD方向の曲げ柔らかさを向上させるには有効であるが、平均単糸繊度を細くしていくには限界がある。
特許文献1では、脂肪酸アミド類の滑材をポリオレフィン樹脂に含有させるスパンボンド不織布を製造する方法が開示されている。この場合、柔軟性のうちすべすべ感に代表される「摩擦係数が小さいこと」は改善するものの、シートの曲げ柔らかさは改善しない。
特許文献2では、分割型複合繊維を分割して得られた繊度1デニール以下の極細繊維の複合成分の1成分に親水性化合物としてエステル化合物の一種である脂肪酸グリセリド等の界面活性剤を練りこみ添加する方法が開示されている。この特許文献に開示されている、親水性向上効果を出すためには、親水性の高い脂肪酸グリセリドを用いる必要があり、脂肪酸の分子量が小さいか、水酸基の存在が重要である。このような、親水性の高い界面活性剤の添加は、不織布の親水性を高め、透水性能の向上には有効であるが、曲げ柔らかさを向上させる効果は得られない。
特開2002−69820号公報 特許第3550882号公報
本発明は上記の課題を解決することを目的とし、衛生材料に用いられる吸収性物品の横漏れ防止のためのサイドギャザーや、足回り、ウエスト周りなどポリウレタン弾性糸等伸縮材料を張り合わせ用いられる使い捨てオムツのギャザー部用として、曲げ柔軟性に優れ、摩擦抵抗の少ない、長繊維不織布を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決するため鋭意検討した結果、ポリオレフィン系長繊維不織布において、繊維径を特定範囲とし、特定温度の融点を有するエステル化合物を特定量含有することで、曲げ柔軟性、摩擦抵抗性に優れることを見出し、本発明を成すにいたった。即ち、本発明は下記のとおりである。
1.平均単糸繊度が0.7dtex以上3dtex以下のポリオレフィン系繊維からなる長繊維不織布であって、融点が70℃以上である3〜6価のポリオールとモノカルボン酸からなるエステル化合物を繊維重量に対し、0.3〜5wt%含有することを特徴とする長繊維不織布。
. ポリオレフィン系繊維がポリプロピレン系繊維であり、目付が10〜40g/m
であることを特徴とする上記に記載の長繊維不織布。
.前記長繊維不織布の、MD方向の曲げ柔軟度(mm)、目付(g/m)、平均単糸繊度(dtex)が下式(1)を満足することを特徴とする上記1又は2に記載の長繊
維不織布。
(1) 曲げ柔軟度−17.95×(平均単糸繊度)−2.54×(目付)<10
本発明の長繊維不織布は、ポリオレフィン系長繊維不織布であり、繊維径を0.7〜3dtexの範囲とし、70℃以上の融点を有するエステル化合物を、0.3〜5wt%含有することで、曲げ柔軟性、摩擦抵抗性に優れる事を見出した。
特に、70℃以上の融点を有するエステル化合物が親油性に優れ、ポリオレフィン繊維の結晶化を抑制し、繊維構造を柔軟にする効果を有しており、より好ましくは、融点が80〜150℃のエステル化合物である。
本発明の不織布は、曲げ柔らかさを高めた、柔軟性、風合い、肌触り性に優れるポリオレフィン系長繊維不織であり、特に吸収性物品のギャザー部や肌に触れる部分に好適に用いることができる。
以下本発明について詳述する。
衛生材料用ポリオレフィン系長繊維不織布を構成するポリオレフィン系繊維としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレンおよびそれらのモノマーと他のα−オレフィンとの共重合体などの樹脂から成る繊維があげられる。ポリプロピレンは、一般的なチーグラナッタ触媒により合成されるポリマーでも良いし、またメタロセンに代表されるシングルサイト活性触媒により合成されたポリマーであっても良い。他のα−オレフィンとしては、炭素数3〜10のものであり、具体的にはプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキサン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテンなどが挙げられる。これらは1種類単独でも2種類以上を組み合わせても良い。あるいはポリオレフィン系樹脂を表面層とする芯−鞘繊維などが挙げられるが、強度が強く使用時において破断しにくく、且つ衛生材料の生産時における寸法安定性に優れることからポリプロピレン繊維を用いることが好ましい。また、その繊維形状も通常の円形繊維のみでなく、捲縮繊維、異形繊維などの特殊形態の繊維も含まれる。
長繊維不織布を接合して不織布となす場合の接合手段としては、熱圧着点(ポイントボンディング)法、熱風法、その他、溶融成分での接合(ホットメルト剤)法、などがあるが、熱圧着されたものが好ましい。
また、本発明の不織布を構成する繊維の繊度は0.7dtex以上3dtex以下、好ましくは0.7dtex以上,1.4dtex以下である。紡糸安定性の観点から0.7dtex以上であることが重要である。
目付けが10g/m未満であれば衛生材料に使用される不織布としては強力が不足する懸念があり、40g/mを超えると本願の目的であるオムツギャザー部やサイドギャザー部の用途に用いた場合、本願の発明で柔軟性があるといえども外観的に厚ぼったい印象を与え好ましくない。
好ましくは10g/m〜25g/mである。
不織布のMD方向(機械方向、タテ方向)の曲げ柔軟度は、本発明において、重要な因子であり、不織布を構成する繊維の平均単糸繊度が細いほど柔軟化する傾向である。
一方、不織布を構成する繊維の平均単糸繊度が太くても、本発明のエステル化合物を添加すれば柔軟になるが、オムツギャザー部等に実質的に有効な柔軟性を得るには3dtex以下が好ましく、より好ましくは1.4dtex以下である。
本発明の長繊維不織布の部分熱圧着における熱圧着面積率は、強度保持、柔軟性の点から、5〜40%が好ましく、より好ましくは5〜15%である。
本発明において、70℃以上の融点を有するエステル化合物を含有したポリオレフィン系繊維の曲げ柔らかさの効果は、部分熱圧着面積率が少ないほど、その柔軟化効果が発揮されやすい。
また、該エステル化合物は長繊維不織布の圧着温度を下げる効果もあり、熱圧着に伴うフィルム化により生じる不織布の硬化現象も緩和することができる。部分熱圧着処理は、超音波法により、または加熱エンボスロール間にウェブを通すことにより行うことができ、これにより、表裏一体化され、例えばピンポイント状、楕円形状、ダイヤ形状、矩形状等の浮沈模様が不織布全面に散点する。
本発明に使用されるエステル化合物は、3〜6価のポリオールとモノカルボン酸とのエステル化合物が好ましく用いられる。
3〜6価のポリオールとは例えばグリセリン、トリメチロールプロパン等の3価のポリオール、ペンタエリスリトール、グルコース、ソルビタン、ジグリセリン、エチレングリコールジグリセリルエーテル等の4価のポリオール、トリグリセリン、トリメチロールプロパンジグリセリルエーテル等の5価のポリオール、ソルビトール、テトラグリセリン、ジペンタエリスリトール等の6価のポリオール等が挙げられる。
モノカルボン酸とは例えばオクタン酸、ドデカン酸、テトラデカン酸、オクタデカン酸、ドコサン酸、ヘキサコサン酸、オクタデセン酸、ドコセン酸、イソオクタデカン酸等のモノカルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸等の脂環式モノカルボン酸、安息香酸、メチルベンゼンカルボン酸等の芳香族モノカルボン酸、ヒドロキシプロピオン酸、ヒドロキシオクタデカン酸、ヒドロキシオクタデセン酸等のヒドロキシ脂肪族モノカルボン酸、アルキルチオプロピオン酸等の含イオウ脂肪族モノカルボン酸等が挙げられる。
本発明で使用されるエステル化合物は特に単一成分である必要は無く、2種以上の混合物でもよい。天然物由来の油脂類を使用してもよい。ただし、不飽和脂肪酸を含むエステル化合物は酸化されやすく紡糸時に酸化劣化しやすいため、好ましくは飽和の脂肪族モノカルボン酸または芳香族モノカルボン酸が好ましい。天然物由来の油脂類を使用する場合は原料油に比べて、無臭で安定なため、水素添加したエステル化合物が好ましく用いられる。
本発明に使用されるエステル化合物はモノカルボン酸の分子量が比較的大きく、親油性が高いことが重要である。親油性が高いことにより、ポリプロピレン樹脂の非晶部に入り込み結晶化を阻害して非晶領域が増加するため、曲げ柔軟度が小さくなる効果を得ることができる。
この効果を得るためには、エステル化合物の融点は70℃以上であることが必要である。更に好ましくは、80〜150℃である。エステル化合物の融点がブロードで、範囲を有する場合は、平均の融点を意味する。また、本願エステル化合物は効果を阻害しない範囲で他の組成物、たとえば融点が70℃未満のエステル化合物やその他の有機化合物が混合されていても良い。
本発明のエステル化合物の付与方法は、ポリマーブレンド法でもよく、後加工で不織布に付与しても良い。ポリマーブレンド法の方が、本発明のエステル化合物と、ポリオレフィンポリマーとの繊維構造における相互作用、即ちポリオレフィンの結晶化抑制作用が生じやすく、好ましい態様である。
一般に、本発明とは異なる、親水性が高いエステル化合物においては、繊維表面から外側にブリードアウトする傾向が強いため、繊維表面にぬめりが生じたり、曲げ柔軟度を向上させる効果が不十分となりやすい。
本発明に使用されるエステル化合物のポリオレフィン系樹脂に対する添加量は0.3wt%以上5wt%以下がよい。実施例にも示しているが比較的少量の添加でも曲げ柔軟度や滑りやすさが著しく向上し、添加量を増やしても添加量に見合った性能向上は見られない。このことから、紡糸性、発煙性を加味し、5wt%以下が適切であり、より好ましくは0.5wt%〜3.5wt%以下さらに好ましくは0.5wt%〜2.0wt%である。
本発明のエステル化合物を含有したポリプロピレン樹脂をスパンボンド法によりウェブ化して得られた実施例1〜7のMD方向の曲げ柔軟度(mm)を重回帰分析した結果、
エステル化合物を添加した場合は、
MD方向の曲げ柔軟度(mm)=17.95×(平均単糸繊度dtex)+2.54×(目付g/m)−10.62×(本願エステル化合物添加有無)+16.2 (式2)
(融点が70℃以上であるエステル化合物添加有:1、添加無:0を代入する。)
線形の式2を満足する。相関係数は、R=0.95であり、非常に高い相関をしめす。
すなわち、本発明において、融点が70℃以上であるエステル化合物を添加することにより、MD方向の曲げ柔軟度を10.6mm小さくすることができ、曲げ柔軟性が向上する効果があることを意味する。
この結果を踏まえ、 衛生材料の吸収性物品に使用されるサイドギャザーやウエスト周り、足回りのギャザー部に要求される、低応力で屈曲し、ギャザーの振幅が細かいことや角が立ちにくいこと、ギャザーの振幅が圧縮されやすいことにより、柔らかさが実感できる範囲を検討した結果、下式(1)
MD方向曲げ柔軟度(mm)−17.95×(平均単糸繊度dtex)−2.54×(目付g/m)<10 (1)
を満足すればよいことを見出したものである。
本発明のエステル化合物を添加した繊維を、ウェブ化する前に採取し、その初期引張抵抗度を測定した。その結果、エステル化合物を含有した繊維は初期引張抵抗度が小さいことが明らかになった。このことから、エステル化合物をポリオレフィン系繊維に含有することにより、配向した結晶が滑りやすくなっているものと推定される。
また、該エステル化合物を添加した長繊維不織布は、摩擦係数が低く、すべすべ感にも
優れているため、肌刺激性が少なく、風合いが優れている。このため、ギャザー部のみならず使い捨てオムツのバックシートや肌と接触する部分にも好適に使用できる。
以下、実施例および比較例により本発明を具体的に説明するが、下記の実施例に制限されるものではない。
なお、各特性の評価方法は下記のとおりである。
1.平均単糸繊度(dtex)
生産された不織布の両端10cmを除き、CD方向にほぼ5等分して1cm角の試験片をサンプリングし、顕微鏡で繊維の直径を各20点ずつ測定し、ポリプロピレンの密度を0.91g/cmとして、その平均値から繊度を算出した。
2.糸条の破断強伸度、初期引張抵抗度
紡糸時に掬い取った糸条100本を丁寧に引きそろえ JIS−L1013に従い、初荷重10gをかけ定速伸張試験型引張試験機につかみ間隔30cmで取り付け、 引張速度30cm/分の条件で伸張し破断するまでの試験片の最大荷重と伸度、初期引張抵抗度を測定した。
3.目付(g/m
JIS−L1906に規定の方法に従い、経20cm×緯5cmの試験片を5枚採取して質量を測定し、その平均値を単位面積あたりの重量に換算して求めた。
4.厚み(mm)
JIS−L1906に規定の方法に従い、接圧荷重100g/cmにて幅方向に10箇所測定し、その平均値を厚みとした。厚み計は、PEACOCK社製NO.207を用いた。
5.破断強力・伸度、5%モジュラス
生産された不織布の両端10cmを除き、幅20cm毎に5cm×30cmの試験片をMD方向、CD方向に各1枚を採取し、定速伸張試験型引張試験機に把持長10cmで取り付け、30cm/分の引張速度で試験片が破断するまで伸張し、試験片の最大荷重(破断強力N/5cm)と最大荷重に到達した伸度(%)の平均値をMD,CD方向で求めた。
伸度5%の応力を5%モジュラス(N/5cm)とした。
6.曲げ柔軟度
製品から幅10cm、長さ30cmの試験片を5枚採取し、(MD方向を測定する場合はMD方向が30cm)、図1のように平らな台の上に置き、試験片の中央部に長手方向に直交するようにステンレス製の定規をのせる。定規は幅2.5cm、測定目盛30cmのものが好ましい(1)。次いで試験片の一方の端を持ち上げてステンレス製の定規を境にした反対側の試験片の上に折り目をつけず、ループを形成させた状態でゆっくりと重ねる(2)。次にステンレス製の定規を折り重ねられて生じたループの方向へ、長手方向に直交した状態でゆっくりとスライドさせ(3)、試料の反発力でループが伸びて折り重ねが無くなったときの状態を終点とし、試験片の端と定規間の距離(L)をスケールで読む(4)。表裏n=5の平均値で表す。短いものほど柔軟であることを示す。
7.剛軟度(45°カンチレバー法)(JIS−L1096)
8.摩擦係数(MIU)
試料をタテ(MD方向)30cm×ヨコ(CD方向)3cmに切り取り、カトーテック製摩擦感テスター(KES−SE−STP)に試料を20g/cmの所定の荷重をかけて取り付け、摩擦子には共布を摩擦方向がタテになるようにセットし、標準測定条件(SENS:H,SPEED:1mm/sec,荷重:50g)でMIU(摩擦係数)を測定し
た。タテ(MD)方向を3回測定し、その平均で示す。数値が小さい方が、摩擦抵抗が少ないことを意味する。
[実施例1]
酸化チタンを含有したポリプロピレン(JIS−K7210の表1の条件で測定したMFR=40)を原料とし、これに、予め、融点が86〜90℃(平均融点88℃)のオクタデカン酸のグリセリド(水添動植物油脂)を30wt%添加したマスターバッチを5wt%混合したチップを使用し、ノズル径0.35mm、ノズル数3000個/mを有する2積層のスパンボンド製造機を用いて、吐出量1.7Kg/分・m・層で溶融紡糸し、延伸用高速気流の調整により平均単糸繊度2.0dtexに調整し、分散・開繊装置の調整によって得られたウェブを、フラットロールとエンボスロール(パターン仕様:直径0.425mm円形、千鳥配列、圧着率6.3%、横ピッチ2.1mm、縦ピッチ1.1mm)の間に通して熱と圧力を温度と線圧で調整して繊維同士を接着し、幅1.2m、目付18g/mのスパンボンド不織布を得た。得られたオクタデカン酸のグリセリドを1.5wt%含有した不織布の物性を表1に示した。
[実施例2]
実施例1と同様の方法で、延伸用高速気流を調整し、平均単糸繊度を1.2dtexに調整してスパンボンド不織布を得た。得られたオクタデカン酸のグリセリドを1.5wt%含有した目付19g/m不織布の物性を表1に示した。
[実施例3]
酸化チタンを含有したポリプロピレン(JIS−K7210の表1の条件で測定したMFR=40)を原料とし、これに、予め、融点が86〜90℃のオクタデカン酸のグリセリド(水添動植物油脂)を30wt%添加したマスターバッチを11.7wt%混合したチップを使用し、ノズル径0.35mm、ノズル数3000個/mを有する2積層のスパンボンド製造機を用いて、吐出量1.7Kg/分・m・層で溶融紡糸し、延伸用高速気流の調整により平均単糸繊度2.0dtexに調整し、分散・開繊装置の調整によって得られたウェブを、フラットロールとエンボスロール(パターン仕様:直径0.425mm円形、千鳥配列、圧着率6.3%、横ピッチ2.1mm、縦ピッチ1.1mm)の間に通して熱と圧力を温度と線圧で調整して繊維同士を接着し、幅1.2m、目付18g/mのスパンボンド不織布を得た。得られたオクタデカン酸のグリセリドを3.5wt%含有した不織布の物性を表1に示した。
[実施例4]
実施例3と同様の方法で、延伸用高速気流を調整し、平均単糸繊度を1.2dtexに調整してスパンボンド不織布を得た。得られたオクタデカン酸のグリセリドを3.5wt%含有した目付19g/m不織布の物性を表1に示した。
[実施例5]
酸化チタンを含有したポリプロピレン(JIS−K7210の表1の条件で測定したM
FR=40)を原料とし、これに、予め融点86〜90℃のオクタデカン酸のグリセリド(水添動植物油脂)を30wt%添加したマスターバッチを3.5wt%混合したチップを使用し、ノズル径0.35mm、ノズル数3000個/mを有する2積層のスパンボンド製造機を用いて、吐出量1.7Kg/分・m・層で溶融紡糸し、延伸用高速気流の調整により平均単糸繊度1.2dtexに調整し、分散・開繊装置の調整によって得られたウェブを、フラットロールとエンボスロール(パターン仕様:直径0.425mm円形、千鳥配列、圧着率6.3%、横ピッチ2.1mm、縦ピッチ1.1mm)の間に通して熱と圧力を温度と線圧で調整して繊維同士を接着し、幅1.2m、目付17g/mのスパンボンド不織布を得た。得られたオクタデカン酸のグリセリドを1.0wt%含有した不織布の物性を表1に示した。
[実施例6]
実施例5と同様の方法で、ラインスピードを調整し、目付を25g/mに調整してスパンボンド不織布を得た。得られたオクタデカン酸のグリセリドを1.0wt%含有した不織布の物性を表1に示した。
[実施例7]
酸化チタンを含有したポリプロピレン(JIS−K7210の表1の条件で測定したMFR=40)を原料とし、これに、予め融点86〜90℃のオクタデカン酸のグリセリド(水添動植物油脂)を30wt%添加したマスターバッチを3.5wt%混合したチップを使用し、ノズル径0.35mm、ノズル数3000個/mを有する2積層のスパンボンド製造機を用いて、吐出量1.7Kg/分・m・層で溶融紡糸し、延伸用高速気流の調整により平均単糸繊度0.9dtexに調整し、分散・開繊装置の調整によって得られたウェブを、フラットロールとエンボスロール(パターン仕様:直径0.425mm円形、千鳥配列、圧着率6.3%、横ピッチ2.1mm、縦ピッチ1.1mm)の間に通して熱と圧力を温度と線圧で調整して繊維同士を接着し、幅1.2m、目付18g/mのスパンボンド不織布を得た。得られたオクタデカン酸のグリセリドを1.0wt%含有した不織布の物性を表1に示した。
[比較例1]
実施例1と同様のポリプロピレンを原料とし、柔軟剤マスターバッチを添加しなかった以外は実施例1と同様の方法で、平均単糸繊度2.0dtex、目付18g/mのスパンボンド不織布を得た。得られた不織布の物性を表1に示した。
[比較例2]
実施例1と同様のポリプロピレンを原料とし、柔軟剤マスターバッチを添加しなかった以外は実施例1と同様の方法でラインスピードを調整し、目付を19g/mに調整して平均単糸繊度1.2dtexのスパンボンド不織布を得た。得られた不織布の物性を表1に示した。
[比較例3]
柔軟剤マスターバッチを添加しなかった以外は実施例1と同様の方法でラインスピードを調整し、目付を17g/mに調整して平均単糸繊度1.2dtexのスパンボンド不織布を得た。得られた不織布の物性を表1に示した。
[比較例4]
実施例1と同様のポリプロピレンを原料とし、柔軟剤マスターバッチを添加しなかった以外は実施例2と同様の方法で、平均単糸繊度1.2dtex、目付25g/mのスパンボンド不織布を得た。得られた不織布の物性を表1に示した。
[比較例5]
実施例1と同様のポリプロピレンを原料とし、柔軟剤マスターバッチを添加しなかった以外は実施例7と同様の方法で、平均単糸繊度0.9dtex、目付18g/mのスパンボンド不織布を得た。得られた不織布の物性を表1に示した。
[比較例6]
実施例1と同様のポリプロピレンを原料とし、これに、予め、融点が54〜57℃の脂肪酸グリセリド(水添動植物油脂)を30wt%添加したマスターバッチを5wt%混合したチップを使用し、実施例1と同様の方法で、平均単糸繊度2.0dtex、目付18g/mのスパンボンド不織布を得た。得られた不織布の物性を表1に示した。
Figure 0004642063
衛生材料に用いられる吸収性物品の横漏れ防止のためのサイドギャザーや、足回り、ウエスト周りなどポリウレタン弾性糸等伸縮材料を張り合わせ用いられる使い捨てオムツのギャザー部用として有用なものである。
曲げ柔軟度測定の図である。

Claims (3)

  1. 平均単糸繊度が0.7dtex以上3dtex以下のポリオレフィン系繊維からなる長繊維不織布であって、融点が70℃以上である3〜6価のポリオールとモノカルボン酸からなるエステル化合物を繊維重量に対し、0.3〜5wt%ポリオレフィン系繊維内にブレンドされて含有することを特徴とする長繊維不織布。
  2. ポリオレフィン系繊維がポリプロピレン系繊維であり、目付が10〜40g/mであることを特徴とする請求項に記載の長繊維不織布。
  3. 前記長繊維不織布の、MD方向の曲げ柔軟度(mm)、目付(g/m)、平均単糸繊度(dtex)が下式(1)を満足することを特徴とする請求項1又は2に記載の長繊維不織布。
    (1) 曲げ柔軟度−17.95×(平均単糸繊度)−2.54×(目付)<10
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