JP4641703B2 - 繊維製品用しわ除去剤組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は繊維製品用しわ除去剤組成物及び繊維製品のしわ除去方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
ワイシャツやポロシャツなどの衣料は洗濯/すすぎ/脱水/乾燥を通じて洗濯じわが形成され、特に木綿などのセルロース系繊維を主成分とする衣料はアイロンがけを省いては着用できない程度にしわが形成される。また、近年形態安定化加工が施されたワイシャツなどの普及しているが、これらも着用/洗濯を繰り返すうちに効果が低下し、アイロンがけを全く省くまでには至っていない。また、アイロンがけを行った場合においても問題があり、アイロンがけ直後はきれいにしわのない状態に処理することができるが、その後数時間置くとしわが再び形成される、いわゆる戻りじわが発生する。このような戻りじわは、木綿などのセルロース系繊維を主成分とする衣料をスチームアイロンで処理した場合に顕著に見られ、このような課題の解決が熱望されている。
【0003】
衣料からしわを除去する技術は多数開示されている。例えば特許文献1、特許文献2、及び特許文献3にはスプレー処理するアイロンを必要としないしわ取り用水性組成物が開示されている。特許文献4にはポリヒドロキシ脂肪酸アミドなどの非イオン界面活性剤を洗浄成分として用いるしわ形成を抑制する洗浄剤の技術が開示されている。また、本願発明者らは特許文献5に家庭用乾燥機を用いるしわ除去方法を開示している。さらに本発明者らは特許文献6、特許文献7、特許文献8にしわ除去に関する技術を開示している。
【0004】
また、スチームアイロン用のスチーム源としての水に関する技術も知られている。特許文献9、特許文献10、特許文献11には特定の溶剤等を含有するアイロンエイドに関する技術が開示されている。
【0005】
本発明の課題は、アイロンがけを必要としない程度にしわを除去する組成物を提供すると共に、アイロンがけを行う場合には戻りじわが発生しないしわ除去方法及び該方法に供される組成物を提供することにある。
【0006】
【特許文献1】
特開平10−25660号公報
【特許文献2】
特開平10−46471号公報
【特許文献3】
特開2000−178882号公報
【特許文献4】
特表2001−526741号公報
【特許文献5】
特開2002−115182号公報
【特許文献6】
特開2001−234474号公報
【特許文献7】
特開2001−164464号公報
【特許文献8】
特開平10−110386号公報
【特許文献9】
米国特許第5409619号明細書
【特許文献10】
国際公開第02/10503号パンフレット
【特許文献11】
国際公開第02/40760号パンフレット
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、環内に−COO−基を有する炭素数3〜10(カルボニル炭素を含む)の脂環式化合物を含有する繊維製品用しわ除去剤組成物に関する。
【0008】
また、本発明はスチームアイロンを用いて、上記本発明の繊維製品用しわ除去剤組成物の蒸気を繊維製品に接触させながら加圧・加熱処理を行う繊維製品のしわ除去方法に関する。
【0009】
また、本発明は、上記本発明の繊維製品用しわ除去剤組成物を可撓性吸収体に担持させてなるしわ除去剤付着材の存在下で、繊維製品を回転式加熱乾燥機により加熱処理する、繊維製品のしわ除去方法に関する。
【0010】
また、本発明は、上記本発明の繊維製品用しわ除去剤組成物を繊維製品に噴霧後、アイロンによる加圧・加熱処理を行う繊維製品のしわ除去方法に関する。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の組成物は環内に−COO−基を有する炭素数3〜10(カルボニル炭素を含む)の脂環式化合物(以下「本発明の化合物」という)を含有する。具体的には下記一般式(1)の化合物及び一般式(2)の化合物を挙げることができる。
【0012】
【化1】
Figure 0004641703
【0013】
〔式中、R1、R2は水素原子、ヒドロキシ基、又は炭素数1〜6の炭化水素基であって、好ましくは炭素数1〜3のアルキル基又は水素原子であり、mは2〜7の数であり、nは0又は1の数である。m個のR1、R2は同一でも異なっていてもよく、n個のOの位置は任意である。また、一般式(1)の化合物の全炭素数は3〜10である。R3、R4、R5、R6は同一でも異なっていてもよく、それぞれ炭素数1〜6の炭化水素基又は水素原子であり、好ましくは炭素数1〜3のアルキル基又は水素原子である。また、一般式(2)の化合物の全炭素数は4〜10である。〕。
【0014】
一般式(1)においてR1、R2は水素原子、ヒドロキシ基、メチル基、エチル基、又はプロピル基が好ましく、mは3〜5が好ましく、nは0が好ましい。また、一般式(2)において、R3とR5は共にメチル基、R4とR6は共に水素原子の化合物〔L−(−)ラクチド等〕が好ましい。
【0015】
本発明の化合物のより具体的な例としては、β−ブチロラクトン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、γ−カプロラクトン、ε−カプロラクトン、δ−ヘキサノラクトン、γ−ヘプタノラクトン、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、α−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトン、β−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトン、又はラクチドが好ましく、特にδ−バレロラクトン、γ−ヘプタノラクトン、γ−カプロラクトン、ラクチド〔特に一般式(2)中のR3とR5が共にメチル基でR4とR6が共に水素原子のもの〕が最も好ましい。
【0016】
本発明の組成物は、使用する方法によって任意の形態を採用することができる。具体的には▲1▼繊維製品を該組成物に浸漬させた後、脱水/乾燥を行う方法(以下、方法1という)、▲2▼該組成物を、噴霧装置を具備する容器に充填し、繊維製品に直接噴霧した後、乾燥するか又はアイロンがけをする方法(以下、方法2という)、▲3▼該組成物を不織布などの可撓性吸収体に担持させたしわ除去剤付着材の存在下で、繊維製品を回転式加熱乾燥装置により加熱処理する方法(以下、方法3という)、▲4▼スチームアイロンを用いて該組成物の蒸気を繊維製品に接触させながら加圧・加熱処理を行う方法(以下、方法4という)、を挙げることができる。本発明の組成物や方法は、繊維製品のうち、特に衣料に好適に適用される。
【0017】
方法1において、浸漬とは対象となる繊維製品が該組成物に完全に浸される状態をいう。このような方法に供させる組成物としては、本発明の化合物を水に溶解又は分散させた水溶液の形態が好ましく、本発明の化合物の含有量は、好ましくは0.001〜30質量%、より好ましく0.002〜10質量%、特に好ましくは0.005〜5質量%である。また、組成物のpHは、20℃で好ましくは2〜8、より好ましくは4〜7が好適であり、このようなpHに調整する方法としては通常の硫酸、塩酸、リン酸、クエン酸、コハク酸などの酸と水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ剤を用いることができる。
【0018】
本発明の化合物の中には水に溶解しない化合物も含まれる。このため、本発明の効果を損なわない程度に界面活性剤を併用して上記化合物を分散、可溶化、または乳化させることができる。方法1に用いることができる界面活性剤(以下「本発明の界面活性剤」という)としては、炭素数8〜15のアルキル基を有するアルキルベンゼンスルホン酸塩、炭素数8〜16のアルキル硫酸エステル塩、平均付加モル数が1〜4、炭素数8〜16のアルキル基を有するポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、炭素数12〜22のアルキル基を有するアルキルエーテルカルボン酸塩、炭素数12〜22のアルキル基を有するアルキルエーテルリン酸塩から選ばれる陰イオン界面活性剤、平均付加モル数が4〜20、アルキル基の炭素数が8〜14のポリオキシエチレン(及び/又はポリオキシプロピレン)アルキルエーテル型非イオン界面活性剤、アルキル基の炭素数が8〜16、平均縮合度が1〜5のアルキルポリグルコシド、炭素数10〜16の脂肪酸ソルビタンエステルから選ばれる非イオン界面活性剤、エステル基又はアミド基で分断されていてもよい炭素数が12〜22のアルキル基を1つまたは2つ有する4級アンモニウム型陽イオン界面活性剤、炭素数10〜18のアルキル基を有するスルホベタイン型、又はカルボベタイン型両性界面活性剤を挙げることができる。
【0019】
本発明では特に非イオン界面活性剤が好ましく、特に平均付加モル数が6〜15、アルキル基の炭素数が10〜14のポリオキシエチレン(及び/又はポリオキシプロピレン)アルキルエーテル型非イオン界面活性剤、アルキル基の炭素数が8〜14、平均縮合度が1〜2のアルキルポリグルコシドが好適である。また、界面活性剤の含有量は、好ましくは0.01〜50質量%、より好ましくは0.1〜20質量%、特に好ましくは0.5〜10質量%が好適である。
【0020】
方法1に供される組成物には貯蔵安定性改善する目的から、本発明の化合物以外の水溶性の溶剤(以下「本発明の溶剤」という)を用いることが好ましい。具体的に好ましい溶剤としてはエタノール、プロパノール、イソプロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、及びグリセリンが好適であり、特にエタノール及び/又はプロピレングリコールが好ましい。このような溶剤は組成物中に好ましくは0.1〜40質量%、より好ましくは1〜20質量%、特に好ましくは1〜5質量%である。
【0021】
方法1に供される組成物には、しわ除去効果を向上させる目的、及び繊維製品に好ましい風合いを付与する目的から水不溶性シリコーン化合物(以下「本発明のシリコーン化合物」という)を併用することが好ましい。より具体的にはジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、アミノ変性ポリシロキサン、アミド変性ポリシロキサン、カルボキシ変性ポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、を挙げることができ、特にジメチルポリシロキサン、アミノ変性ポリシロキサン、カルボキシ変性ポリシロキサンから選ばれる1種以上が好適である。また、本発明の水不溶性シリコーン化合物の平均分子量は200〜1,000,000、好ましくは400〜100,000が好適である。なお、該シリコーンの分子量は、ポリスチレンを標準とし、クロロホルムを展開溶媒とした時のゲル浸透型液体クロマトグラフィーによって求められる重量平均分子量である。また、本発明では揮発性のシリコーン化合物は本発明の効果を妨げるおそれがあるため含有しないことが好ましい。
【0022】
本発明ではこのようなシリコーン化合物を組成物中に分散させて配合するが、分散粒子の平均粒径は0.01〜10μm、好ましくは0.01〜0.5μmが貯蔵安定性の点から好適である。また、含有量は組成物中に0.01〜10質量%、好ましくは0.03〜1質量%である。
【0023】
方法1において繊維製品を浸漬した後は、脱水し自然乾燥することによりアイロンかげを行わなくとも着用できる程度にしわの形成を抑制することができる。また、やや細かいしわが存在する場合には、アイロンがけすることができ、その場合においては戻りじわの形成を抑制することが可能である。
【0024】
方法2に供させる組成物としては、本発明の化合物を好ましくは0.1〜30質量%、より好ましくは0.2〜10質量%、特に好ましくは0.5〜5質量%含有する水溶液の形態が好適である。また、組成物のpHは、20℃で好ましくは2〜8、より好ましくは4〜7が好適であり、このようなpHに調整する方法は、上記方法1と同様である。また、本発明の化合物を分散、可溶化、または乳化させる目的から本発明の界面活性剤を併用することができるが、このような界面活性剤を多量に用いると噴霧した組成物の大部分は繊維製品に残るため、繊維製品の感触を変化させたり、アイロンがけを行う場合にはアイロンすべりが悪くなるなどの問題が生じるため好ましくない。このため、方法2に供される組成物では、本発明の界面活性剤の含有量を好ましくは0.01〜5質量%、より好ましくは0.01〜3質量%、特に好ましくは0.01〜1質量%とすることが好適である。
【0025】
方法2に供される組成物には方法1と同様に貯蔵安定性を改善する目的、及びしわ除去効果を向上させる目的から、本発明の溶剤を用いることが好ましく、特にエタノール及び/又はプロピレングリコールが好ましい。このような溶剤は組成物中に好ましくは0.1〜30質量%、より好ましくは0.2〜10質量%、特に好ましくは0.5〜5質量%含有される。
【0026】
方法2に供される組成物にはしわ除去効果を向上させる目的、及びアイロンすべりを改善する目的から本発明のシリコーン化合物を用いることができる。含有量は組成物中に0.01〜10質量%、更に0.03〜1質量%が好ましい。
【0027】
方法2においては、該組成物を、噴霧装置を具備する容器に充填する。噴霧装置としてはトリガー式が好ましく、特に実開平4−37554号公報の第1図に示されているような液垂れや噴霧の均一性に優れる蓄圧式トリガーを用いることが良好である。
【0028】
本発明の好ましいトリガー式噴霧装置は、1回のストロークで0.2g〜1.5g、好ましくは0.25〜1.2g、特に好ましくは0.3〜1.0g噴出するものが良好であり、特に地面に垂直に置いた対象物に15cm離れた場所からスプレーしたときの液のかかる面積が100〜800cm2、好ましくは150〜600cm2になる容器が好ましい。また、本発明の化合物を繊維製品100cm2当たり好ましくは0.01〜4g、より好ましくは0.05〜3g、特に好ましくは0.1〜2gになるように均一に繊維製品にスプレーし、乾燥させることが易洗防汚効果の点から好適である。
【0029】
本発明の方法2は、洗濯工程の脱水が終了した濡れた状態の繊維製品に噴霧した後、自然乾燥又は回転式加熱乾燥機による乾燥を行うことができ、いずれの場合においてもアイロンがけをしなくても着用できる程度にしわを除去することができる。また、やや細かいしわが存在する場合には、アイロンがけすることができ、その場合においては戻りじわの形成を抑制することが可能である。また、特開2002−115182号公報に記載のように乾燥した繊維製品に噴霧した後、加熱乾燥機により熱処理することも良好な結果を得ることができる。
【0030】
本発明の方法3は、本発明の化合物を含有する組成物を不織布などの可撓性吸収体に担持させたしわ除去剤付着材の存在下、繊維製品を回転式加熱乾燥装置により加熱処理する方法である。このような方法に供される組成物としては本発明の化合物を好ましくは0.1〜70質量%、より好ましくは1〜60質量%、特に好ましくは2〜50質量%、及び融点が30〜100℃の有機結合剤を好ましくは30〜99質量%、より好ましくは40〜90質量%、特に好ましくは50〜80質量%含有する組成物が好ましい。
【0031】
方法3において、好ましい有機結合剤としては(1)炭素数12〜28の脂肪酸又は脂肪アルコール、(2)植物油、動物油から選ばれる油脂を水素化触媒を用いて水素化又は部分水素化した硬化油脂、または半硬化油脂、もしくはこれらのアルキレンオキシド付加物、(3)アルキレン基の炭素数が2又は3の平均分子量(ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによりポリエチレングリコールを標準として求める)が1000〜15,000のポリアルキレングリコール、(4)アルキル基の炭素数が10〜18であり、平均付加モル数が20〜200のポリオキシエチレンアルキルエーテル、又は炭素数12〜18の脂肪酸と平均付加モル数20〜200のポリオキシアルキレンとのエステル化合物、(5)炭素数3〜8のヒドロキシ基が3〜6個有する多価アルコールと炭素数12〜20の脂肪酸とのエステル化合物(但し(2)の化合物は除く)、またはこれらのアルキレンオキシド付加物、(6)分子中に炭素数12〜36の炭化水素基を1又は2個、と残りが炭素数1〜3のアルキル基及び/又はヒドロキシアルキル基である第3級アミン化合物を挙げることができる。本発明では特に(4)の化合物、及び(5)の化合物が好適であり、特に(5)の化合物が最も好ましい。
【0032】
可撓性吸収体としては紙、織物、不織布、スポンジを挙げることができ、特に空隙率が70〜90%のものが好ましい。ここで、空隙率は下式で求めることができる。
空隙率=[1−W/(T×ε)]×100
〔式中、Wは可撓性吸収体の質量であり、Tは可撓性吸収体の体積であり、εは可撓性吸収体を構成する材料の比重を示す。〕。
【0033】
本発明では特に、しわ除去効果の点から不織布が最も好適である。不織布としては、湿式不織布、ケミカルボンド、サーマルボンド、エアレイ等の乾式不織布の他にスパンレース、スパンボンド、メルトブローン、ニードルパンチ及び/又はステッチボンドを挙げることができるが、特に湿式不織布、ケミカルボンド、サーマルボンド、メルトブローン、又は、スパンレースから選ばれる1種以上がしわ除去効果の点から好ましい。また、不織布は坪量10〜150g/m2、より好ましくは10〜100g/m2、特に好ましくは15〜80g/m2のものが好ましい。
【0034】
不織布の材質としてはポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリ塩化ビニルから選ばれる疎水性繊維、ナイロン、レーヨン、アクリル、ビニロン、ポリウレタン、セルロース、から選ばれる親水性繊維を用いることができる。本発明では疎水性繊維及び親水性繊維を併用することができるが、疎水性繊維の割合が50質量%以上であることが好ましく、特にポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステルから選ばれる1種以上の繊維が50質量%以上含有する不織布が好適である。
【0035】
不織布を構成する繊維は1.0〜20dtex、好ましくは1〜10dtexが好適であり、繊維長は38 〜102mmが好適である。
【0036】
本発明の可撓性吸収体はブロック状でもよくシート状でも良いが、しわ除去効果の点からシート状のものが良好である。シートの厚さとしては好ましくは平均20μm〜1000μm、特に好ましくは50μm〜500μmであり、回転式加熱乾燥機の大きさにもよるが縦10〜30cm、横10〜50cm程度の大きさのものが適当である。
【0037】
本発明のしわ除去剤付着材は上記可撓性吸収体に上述のしわ除去剤を担持させたものである。可撓性吸収体がシート状のものを用いる場合において、しわ除去剤の担持量は、好ましくは3〜80g/m2、より好ましくは5〜60g/m2、特に好ましくは10〜45g/m2が好適である。また、可撓性吸収体の空隙率に対して10〜60%、好ましくは20〜50%の容積になるように担持させることが好ましい。担持方法としてはリバースロールコーター法、グラビアロールコーター法、オポジットナイフコーター法、インバースナイフコーター法、キスロールコーター法、スプレーコート法、エアナイフコーター法、デイィップロールコーター法、ダイレクトロールコーター法、ハケ塗り法等の湿式コーティング法を用いて担持させることができ、特にグラビアロールコーター法が製造の容易性の点から好ましい。
【0038】
方法3においては繊維製品及び上記しわ除去剤付着材を回転式加熱乾燥機に投入し加熱処理することで、アイロンがけをしなくても着用できる程度にしわを除去することができる。繊維製品に対する上記しわ除去剤付着材の比率は、上記しわ除去剤付着材の本発明の化合物の質量が繊維製品の質量に対して好ましくは0.01〜5%、より好ましくは0.03〜3%になる比率である。また、繊維製品の量は回転式加熱乾燥機の乾燥室の体積に対して少ないほど良く、30g/m3以下になるように投入することが好ましい。また、このような回転式加熱乾燥機処理において温度は30〜120℃、好ましくは50〜90℃であり、処理時間は、好ましくは5〜60分、より好ましくは10〜30分程度が好適である。
【0039】
方法4に用いられる組成物は、本発明の化合物を好ましくは0.1〜30質量%、より好ましくは0.2〜10質量%、特に好ましくは0.5〜5質量%含有する水溶液の形態が好適である。また、組成物のpHは、20℃で好ましくは2〜8、より好ましくは4〜7が好適であり、このようなpHに調整する方法は、上記方法1と同様である。
【0040】
方法4を採用する場合、本発明の界面活性剤を含有することは効果を低下させたり、繊維製品の感触を変化させたり、さらにはアイロンや繊維製品に焦げを発生させるなどの問題が生じるため、本発明の界面活性剤を1質量%以下、好ましくは0.5質量%以下、特に好ましくは含有しないことが好適である。また、スチームアイロンを用いる場合には、本発明のシリコーン化合物はスチーム噴射口を詰まらせないように組成物中に1質量%以下、更に0.1質量%以下、特に含有しないことが好適である。
【0041】
一方、本発明の溶剤は貯蔵安定性、及びしわ除去効果の点から含有することが好ましく、組成物中に好ましくは0.1〜30質量%、より好ましくは0.2〜10質量%、特に好ましくは0.5〜5質量%が好適である。
【0042】
方法4では、上記組成物をスチームアイロンの水タンクに入れて該組成物の蒸気を繊維製品に接触させながら加圧・加熱処理を行う。アイロンの温度は、好ましくは100〜220℃、特に好ましくは120〜210℃が好適である。また、アイロンの処理時間は繊維製品100cm2当り好ましくは1〜90秒、特に5〜60秒が好適である。このような方法を用いることで、戻りじわが発生を抑制し、好ましい仕上がりに繊維製品を仕上げることが可能になる。
【0043】
なお、方法4では本発明の効果とは直接関係ないが、嗜好性の点から水溶性香料を含有することが好ましく、例えばGB2333302号公報やWO02/10503号公報に記載の水溶性香料を用いることができる。本発明の方法4に供される組成物は、水溶性香料を好ましくは0.001〜5質量%、より好ましくは0.05〜3質量%、特に好ましくは0.05〜2質量%含有することが好適である。
【0044】
本発明では上記方法1〜方法4において、方法2がアイロンがけをしなくても着用できる程度にしわを抑制する効果に最も優れており、方法4がアイロンがけ終了後の戻りじわの抑制に最も効果的である。
【0045】
【発明の効果】
本発明の化合物を含有するしわ除去剤組成物は、基本的にアイロンがけを行わなくても繊維製品のしわを除去することができ、更に、アイロンがけを行う場合でも、戻りじわが発生しない。
【0046】
【実施例】
<実施例1:方法2による処理>
木綿ブロード布(谷頭商店製)を2槽式洗濯機(東芝製2槽式洗濯機VH-360S1)を用いて市販洗剤を用いて洗浄し(花王(株)製アタック、洗剤濃度0.0667質量%、水道水使用、水温20℃、10分洗浄後、15分流水すすぎした後、5分間脱水)、自然乾燥させた。このものを15cm×25cmに裁断し、試験布とした。
【0047】
この試験布10枚を全自動洗濯機(松下電器社製NA−F50K1)で、市販洗剤を用いて再度洗浄した(花王(株)製アタック、洗剤濃度0.0667質量%、水道水使用、水温20℃、洗浄10分、ためすすぎ2回、脱水40秒)。脱水終了後の試験布5枚に噴霧器〔商品名:スプレーバイアル(マルエム社製No.6)〕を用いてδ−バレロラクトン1.0質量%水溶液を試験布に対して同質量になるように試験布全体に均一にスプレーし(試験群)、残りの試験布5枚には水のみを試験布に対して同質量になるように試験布全体に均一にスプレーした(対象群)。その後各試験布を広げ、平干しにして室内で自然乾燥させた。
【0048】
これら試験布を下記の基準で判定した結果、試験群は全て0〜1の範囲内であるのに対して、対象群は全て2〜3の範囲内であった。
【0049】
判定基準
0:ほとんどしわが形成されていない。
【0050】
1:細かいしわは見られるが気にならない程度である。
【0051】
2:しわの形成が見られる。
【0052】
3:かなりのしわが形成されている。
【0053】
本発明の方法2に供される組成物の具体例を表1に示す。
【0054】
【表1】
Figure 0004641703
【0055】
・アルキルポリグリコシド;アルキル基炭素数12、グルコシド平均付加モル数1.3
・pH調整剤;1/10規定硫酸及び1/10規定水酸化ナトリウム水溶液。
【0056】
<実施例2:方法4による処理>
木綿ブロ−ド布(谷頭商店製)を二槽式洗濯機(東芝製 型式:VH-360S1)を用いて市販洗剤で5回洗濯し(洗濯条件:花王(株)製アタック、洗剤濃度0.0667質量%、水道水使用、水温20℃、10分洗濯後15分間流水すすぎし、5分間脱水)、自然乾燥させた。この布を15cm×25cmに裁断し、試験布の中からAATCCしわレプリカ(AATCCTest Method No.124,Three-dimensional Smoothness Appearance Replicas)1級相当のものだけを選び、6枚を1組として試験布とした。1つの組成につき、1組6枚を試験に用いる。
【0057】
表2のしわ除去組成物をスチームアイロンの水タンクに入れ、上記試験布を用いたスチームアイロン試験に供した。比較は、スチームアイロンの水タンクに水道水を入れたものとした。アイロンは東芝製コードレススチームアイロン(型式:TA-F54)をスチーム高温で使用した。1枚あたりのアイロン時間は15秒間で、スチ−ムが均一にあたるようにこまめに動かし、強く押さえつけないで軽く手で持ち自重でしわを伸ばす程度とした。スチームの吐出量は、1分間に5.0gであった。
【0058】
処理後の試験布の状態を評価した。評価はAATCCしわレプリカを用い、目視にて級数判定を行った。アイロン後の綿ブロード布6枚のしわ級数の平均値を各組成のしわ級数とし、表2に示した。参考例として水だけの場合について調べた結果を併せて表2に示した。
【0059】
【表2】
Figure 0004641703
【0060】
<実施例3:方法3による処理>
γ−カプロラクトン、及び花王(株)製レオドールTW−S106(ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレ−ト)を10/90の質量比で約70℃で溶融混合した後、空隙率85%、坪量20g/m2、厚さ約200μmのポリエステル不織布にグラビアロールコーター法を用いて担持させた。その際、担持量は30g/m2になるよう調節した。こうして得られたシートを縦20cm、横30cmに裁断し試験用しわ除去剤付着材とした。
【0061】
一般に市販されているYシャツ(商品名:(株)チクマ製 形態安定加工ワイシャツ ECOSYS28℃ ポリエステル/綿=50%/50%)を予め全自動洗濯機(松下電器産業株式会社製 NA−F50K1 やさしい愛妻号 標準コース)を用いて60回繰り返し洗濯したものをしわ評価用Yシャツとした。
【0062】
家庭用回転式衣類乾燥機(松下電器産業株式会社製 NH−D502型)を用いて、吊り干し乾燥後のしわ評価用Yシャツを3枚と、試験用しわ除去剤付着材1枚を投入してから20分間乾燥機を運転した。この条件では、しわ除去剤付着材中のしわ除去剤組成物の質量は評価用Yシャツの質量に対して約0.3%となり、また評価用Yシャツの量は乾燥室の体積に対して8g/m3になる。
【0063】
乾燥機で処理したYシャツを乾燥機から取り出し室温で1時間放置した(試験品)。試験用しわ除去剤付着材を入れない以外は同様の方法で処理したYシャツ(対象品)3枚とを目視で比較したところ、試験品の全てのYシャツの方が対象品よりしわの形成が抑制されていた。
【0064】
また、本発明の方法3に供される好ましいしわ除去剤付着材の例を表3に示す。
【0065】
【表3】
Figure 0004641703

Claims (7)

  1. 環内に−COO−基を有する炭素数3〜10(カルボニル炭素を含む)の脂環式化合物を含有する繊維製品用しわ除去剤組成物であって、前記脂環式化合物が、下記一般式(1)の化合物及び一般式(2)の化合物から選ばれる化合物である、繊維製品用しわ除去剤組成物。
    Figure 0004641703
    〔式中、R 1 、R 2 は水素原子、ヒドロキシ基、又は炭素数1〜6の炭化水素基であって、mは2〜7の数であり、nは0の数である。m個のR 1 、R 2 は同一でも異なっていてもよい。また、一般式(1)の化合物の全炭素数は3〜10である。R 3 、R 4 、R 5 、R 6 は同一でも異なっていてもよく、それぞれ炭素数1〜6の炭化水素基又は水素原子である。また、一般式(2)の化合物の全炭素数は4〜10である。〕
  2. 繊維製品に前記組成物の蒸気を接触させて用いられる、請求項1記載の繊維製品用しわ除去剤組成物。
  3. 繊維製品に前記組成物を噴霧して用いられる、請求項1記載の繊維製品用しわ除去剤組成物。
  4. スチームアイロンを用いて、請求項1又は2記載の繊維製品用しわ除去剤組成物の蒸気を繊維製品に接触させながら加圧・加熱処理を行う繊維製品のしわ除去方法。
  5. 請求項1又は2記載の繊維製品用しわ除去剤組成物を可撓性吸収体に担持させてなるしわ除去剤付着材の存在下で、繊維製品を回転式加熱乾燥機により加熱処理する、繊維製品のしわ除去方法。
  6. 請求項1又は3記載の繊維製品用しわ除去剤組成物を繊維製品に噴霧後、アイロンによる加圧・加熱処理を行う繊維製品のしわ除去方法。
  7. 請求項1又は3記載の繊維製品用しわ除去剤組成物を繊維製品に噴霧後、自然乾燥を行う繊維製品のしわ除去方法。
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