JP4639902B2 - 撮像装置、音声記録方法及びプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、デジタルカメラ等の撮像装置に係り、特に撮影中に入力された音声信号を撮影画像と共に記録可能な機能を備えた撮像装置と、この撮像装置に用いられる音声記録方法及びプログラムに関する。
従来から音声信号に重畳した雑音を除去するための手法として、スペクトルサブトラクション(spectral subtraction)法が知られている。このスペクトルサブトラクション法(以下、SS法と呼ぶ)とは、無音区間におけるスペクトルを雑音スペクトルと推定し、その雑音スペクトルに所定の係数(サブトラクト係数)を乗じた信号を入力音声スペクトルから差し引くことで雑音成分を除去する方法である。
ここで、特許文献1では、前記SS法を用いた雑音除去システムにおいて、サブトラクト係数を音声信号のフレームパワーに依存してフレーム毎に変化させることにより、推定雑音スペクトルの引き過ぎによるスペクトル歪を減少させることが開示されている。すなわち、母音のような音声パワーが確保されている区間は通常のサブトラクト係数を掛け、破裂子音のような音声パワーの少ない部分ではサブトラクト係数を小さくすることにより、推定雑音スペクトルの引き過ぎによる入力音声スペクトルの歪を抑えるようにしている。
また、特許文献2では、雑音スペクトルを無音区間のスペクトルでは無く、別途設けた参照入力部から入力されたスペクトルから雑音スペクトルを推定する方式を提案している。
特開平8−221092号公報 特開平5−165492号公報
上述したように、SS法を用いて入力音声から雑音成分を除去する方法が知られている。しかしながら、音声付きの動画撮影機能を備えたデジタルカメラでは、その撮影中に音声入力とは無関係にズーム音やフォーカス音などの機構音が発生して入力音声に入り込む問題がある。
この場合、前記特許文献1のように、無音区間の音声スペクトル信号から雑音スペクトルを推定する方法では、音声入力とは無関係に発生する機構音を雑音として除去することはできない。
また、前記特許文献2のように、参照入力部を新たに設ける構成では、以下のような問題がある。
SS法をデジタルカメラでの動画撮影時における機構音、例えばズームモータ音の低減に適用することを考える。すなわち、カメラ機器の筐体上に設置されて、音声信号を主に集音する主マイクと、機器筐体内のモータ近くに設置されて、モータ音を主に集音する参照マイクを用意する。そして、主マイクから入力された音声信号のスペクトルと、参照マイクから入力されたモータ音のスペクトルを生成後、音声スペクトル信号からモータ音スペクトル信号を減算することにより、主マイクからの音声信号に含まれるズーム音を低減することになる。
しかしながら、主マイクと参照マイクの設置場所の違いにより、モータからそれぞれのマイクヘの伝達関数がかなり違った特性になる。つまり、参照マイクは、外部音を入力しないで、機器内部のモータ音のみを主として入力するものであるため、機器筐体内部での多重反射音、電子基板や筐体を伝わる振動等を含むことになる。
したがって、主マイクを通じて入力された音声信号のスペクトルから参照マイクを通じて入力されたモータ音のスペクトルを減算すると、両者の入力特性が違うために、モータ音を正しく除去できないばかりか、スペクトルの引き過ぎなどにより入力音声そのものが歪んでしまうなどの問題がある。
本発明は前記のような点に鑑みなされたもので、音声信号から撮影時に発生する機構音を適切に除去して記録することのできる撮像装置、音声記録方法及びプログラムを提供することを目的とする。
本発明の請求項1に係る撮像装置は、音声付き動画撮影を行う場合に、音声信号から撮影動作に伴って発生する機構音を雑音として除去して記録する音声記録機能を備えた撮像装置であって、音声信号を入力する第1の入力手段と、この第1の入力手段を通じて事前に採取した機構音のスペクトルを第1の雑音スペクトルとして複数パターン記憶した第1の記憶手段と、機構音の発生源近傍に設けられた第2の入力手段と、この第2の入力手段を通じて事前に採取した機構音のスペクトルを第2の雑音スペクトルとして、前記第1の雑音スペクトルの各パターンに関連付けて複数パターン記憶した第2の記憶手段と、撮影時に前記第2の入力手段から得られる機構音のスペクトルに基づいて前記第2の記憶手段の中から当該機構音の特性に応じた第2の雑音スペクトルを選択すると共に、前記第1の記憶手段の中から当該第2の雑音スペクトルに対応した第1の雑音スペクトルを選択する選択手段と、前記第1の入力手段から得られる音声信号のスペクトルから前記選択手段によって選択された第1の雑音スペクトルに所定の係数を乗じた信号を減算することで雑音成分を除去する雑音除去手段と、この雑音除去手段によって得られた雑音除去後の音声スペクトルを元の音声信号に逆変換する逆変換手段と、この逆変換手段によって得られた音声信号を撮影画像と共に記録する記録手段とを具備したことを特徴とする。
このような構成によれば、第1の入力手段とは別に機構音の発生源近傍に設けられた第2の入力手段を通じて機構音のみの信号を入力して、その機構音の特性に対応した雑音スペクトルを入力音声のスペクトルから減算する。その際に、音声信号と同じ入力特性を有する雑音スペクトルを用いて減算することで、音声信号に含まれる機構音を雑音成分として適切に除去して記録することができる。
また、本発明の請求項2は、前記請求項1記載の撮像装置において、撮影時に前記第2の入力手段から得られる機構音のスペクトルと、前記第2の記憶手段に記憶された雑音スペクトルの各パターンとの類似度を計算する類似度計算手段を備え、前記選択手段は、前記類似度計算手段の計算結果に基づいて前記第2の記憶手段の中から最も類似度の高い第2の雑音スペクトルを選択し、前記第1の記憶手段の中から当該第2の雑音スペクトルに対応した第1の雑音スペクトルを選択することを特徴とする。
このような構成によれば、機構音の特性に最も近い雑音スペクトルを用いて、音声信号に含まれる機構音を雑音成分として適切に除去して記録することができる。
また、本発明の請求項3は、前記請求項1記載の撮像装置において、前記機構音は、撮影動作に関連した特定のモータの駆動音を含み、前記第1および第2の記憶手段には、少なくとも前記モータの駆動開始時、定常回転時、駆動停止時の3つの期間に対応した雑音スペクトルの各パターンが記憶されていることを特徴とする。
このような構成によれば、機構音として、撮影動作に関連した特定のモータの駆動音を含む場合において、このモータが駆動されたときの各期間に応じて雑音スペクトルの各パターンを選択的に使用して、音声信号に含まれる機構音を雑音成分として適切に除去して記録することができる。
また、本発明の請求項4は、前記請求項1記載の撮像装置において、前記機構音は、撮影動作に関連した特定のモータの駆動音を含み、前記第1および第2の記憶手段には、前記モータを所定方向に駆動させた場合と前記所定方向とは反対の方向に駆動させた場合の雑音スペクトルの各パターンが記憶されていることを特徴とする。
このような構成によれば、機構音として、撮影動作に関連した特定のモータの駆動音を含む場合において、このモータの駆動方向に応じて雑音スペクトルの各パターンを選択的に使用して、音声信号に含まれる機構音を雑音成分として適切に除去して記録することができる。
また、本発明の請求項5は、前記請求項1記載の撮像装置において、前記機構音は、撮影動作に関連した特定のモータの駆動音を含み、前記第1および第2の記憶手段には、前記モータを所定方向に駆動させた場合と前記所定方向とは反対の方向に駆動させた場合とで、少なくとも前記モータの駆動開始時、定常回転時、駆動停止時の3つの期間に対応した雑音スペクトルの各パターンが記憶されていることを特徴とする。
このような構成によれば、機構音として、撮影動作に関連した特定のモータの駆動音を含む場合において、このモータの回転方向と駆動期間に応じて雑音スペクトルの各パターンを選択的に使用して、音声信号に含まれる機構音を雑音成分として適切に除去して記録することができる。
また、本発明の請求項6は、前記請求項1乃至5のいずれか1つに記載の撮像装置において、前記第2の入力手段から得られる機構音のパワーを算出するパワー算出手段と、このパワー算出手段によって算出された機構音のパワーに基づいて前記雑音除去手段による雑音除去動作を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする。
このような構成によれば、撮影時に機構音が実際に発生している場合にのみ、雑音スペクトルを用いて雑音除去を行うことができる。
また、本発明の請求項7は、前記請求項6記載の撮像装置において、前記制御手段は、前記パワー算出手段によって算出された機構音のパワーが所定値より小さい場合に前記雑音除去手段による雑音除去動作を禁止し、前記機構音のパワーが所定値以上の場合に前記雑音除去手段による雑音除去動作を許可することを特徴とする。
このような構成によれば、機構音のパワーが所定値より小さい場合に雑音除去動作を禁止することで、撮影時に機構音が発生していないときに雑音除去を行ってしまい、スペクトルの引き過ぎなどにより音声信号が歪むことを防止することができる。
また、本発明の請求項8は、前記請求項1乃至5のいずれか1つに記載の撮像装置において、前記第1の入力手段から得られる音声信号を増幅する増幅手段と、前記音声信号のパワーを算出し、そのパワー値に基づいて前記増幅手段の増幅率を調整する増幅率調整手段と、この増幅率調整手段によって調整された前記増幅手段の増幅率に合わせて前記第1の雑音スペクトルに乗じる係数の値を変更する係数可変手段とを備えたことを特徴とする。
このような構成によれば、入力音声の増幅率を調整して録音レベルを制御する場合において、その増幅率に応じて第1の雑音スペクトルに乗じる係数の値を変更することで、スペクトルの引き過ぎや引き残しを防ぐことができる。
本発明の請求項9に係る音声記録方法は、音声信号を入力する第1の入力部とは別に、機構音の発生源近傍に第2の入力部が設けられた撮像装置に用いられる音声記録方法であって、前記第1の入力部を通じて事前に採取した機構音のスペクトルを第1の雑音スペクトルとして第1の記憶部に複数パターン記憶するステップと、前記第2の入力部を通じて事前に採取した機構音のスペクトルを第2の雑音スペクトルとして、前記第1の雑音スペクトルの各パターンに関連付けて第2の記憶部に複数パターン記憶するステップと、撮影時に前記第2の入力部から得られる機構音のスペクトルに基づいて前記第2の記憶部の中から当該機構音の特性に応じた第2の雑音スペクトルを選択すると共に、前記第1の記憶部の中から当該第2の雑音スペクトルに対応した第1の雑音スペクトルを選択するステップと、前記第1の入力部から得られる音声信号のスペクトルから前記選択された第1の雑音スペクトルに所定の係数を乗じた信号を減算することで雑音成分を除去するステップと、この雑音除去後の音声スペクトルを元の音声信号に逆変換するステップと、この逆変換手段によって得られた音声信号を撮影画像と共に所定のメモリに記録するステップとを備えたことを特徴とする。
このような音声記録方法によれば、前記各ステップに従った処理を実行することにより、前記請求項1記載の発明と同様の作用効果が奏せられる。
本発明の請求項10に係るプログラムは、音声信号を入力する第1の入力部とは別に、機構音の発生源近傍に第2の入力部が設けられた撮像装置に搭載されたコンピュータによって実行されるプログラムであって、前記コンピュータに、前記第1の入力部を通じて事前に採取した機構音のスペクトルを第1の雑音スペクトルとして第1の記憶部に複数パターン記憶する機能と、前記第2の入力部を通じて事前に採取した機構音のスペクトルを第2の雑音スペクトルとして、前記第1の雑音スペクトルの各パターンに関連付けて第2の記憶部に複数パターン記憶する機能と、撮影時に前記第2の入力部から得られる機構音のスペクトルに基づいて前記第2の記憶部の中から当該機構音の特性に応じた第2の雑音スペクトルを選択すると共に、前記第1の記憶部の中から当該第2の雑音スペクトルに対応した第1の雑音スペクトルを選択する機能と、前記第1の入力部から得られる音声信号のスペクトルから前記選択された第1の雑音スペクトルに所定の係数を乗じた信号を減算することで雑音成分を除去する機能と、この雑音除去後の音声スペクトルを元の音声信号に逆変換する機能と、この逆変換手段によって得られた音声信号を撮影画像と共に所定のメモリに記録する機能とを実現させることを特徴とする。
したがって、コンピュータが前記各機能を実現するためのプログラムを実行することにより、前記請求項1記載の発明と同様の作用効果が奏せられる。
本発明によれば、音声付き動画撮影を行う場合において、音声信号のスペクトルから同じ入力特性を有する雑音スペクトルを減算することができる。これにより、撮影時に音声信号に含まれる機構音を雑音成分として適切に除去して、撮影画像と共に高品質に記録することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
(第1の実施形態)
図1は本発明の撮像装置としてデジタルカメラを例にした場合の外観構成を示す図であり、図1(a)は主に前面の構成、同図(b)は主に背面の構成を示す斜視図である。
このデジタルカメラ1は、略矩形の薄板状ボディ2の前面に、撮影レンズ3、セルフタイマランプ4、光学ファインダ窓5、ストロボ発光部6、マイクロホン部7などを有し、上面の(ユーザにとって)右端側には電源キー8及びシャッタキー9などが設けられている。
電源キー8は、電源のオン/オフ毎に操作するキーであり、シャッタキー9は、撮影時に撮影タイミングを指示するキーである。
また、デジタルカメラ1の背面には、撮影モード(R)キー10、再生モード(P)キー11、光学ファインダ12、スピーカ部13、マクロキー14、ストロボキー15、メニュー(MENU)キー16、リングキー17、セット(SET)キー18、表示部19などが設けられている。
撮影モードキー10は、電源オフの状態から操作することで自動的に電源オンとして静止画の撮影モードに移行する一方で、電源オンの状態から繰返し操作することで、静止画モード、動画モードを循環的に設定する。静止画モードは、静止画を撮影するためのモードである。また、動画モードは、動画を撮影するためのモードであり、特に本実施形態では音声付き動画撮影が可能であるとする。
前記シャッタキー9は、これらの撮影モードに共通に使用される。すなわち、静止画モードでは、シャッタキー9が押下されたときのタイミングで静止画の撮影が行われる。動画モードでは、シャッタキー9が押下されたときのタイミングで動画の撮影が開始され、シャッタキー9が再度押下されたときにその動画の撮影が終了する。
再生モードキー11は、電源オフの状態から操作することで自動的に電源オンとして再生モードに移行する。
マクロキー14は、静止画の撮影モードで通常撮影とマクロ撮影とを切換える際に操作する。ストロボキー15は、ストロボ発光部6の発光モードを切換える際に操作する。メニューキー16は、各種メニュー項目等を選択する際に操作する。リングキー17は、上下左右各方向への項目選択用のキーが一体に形成されたものであり、このリングキー17の中央に位置するセットキー18は、その時点で選択されている項目を設定する際に操作する。
表示部19は、バックライト付きのカラー液晶パネルで構成されるもので、撮影モード時には電子ファインダとしてスルー画像のモニタ表示を行う一方で、再生モード時には選択した画像等を再生表示する。
また、このデジタルカメラ1には、光学ズーム機能が備えられており、ズームキー20a,20bの操作により焦点距離を物理的に変化させて画像の拡大率を変更することができる。ズームキー20a,20bのうち、一方のズームキー20aはテレ端用であり、望遠側へズーム倍率を変更する場合に用いられる。他方のズームキー20bはワイド端用であり、広角側へズーム倍率を変更する場合に用いられる。
なお、図示はしないがデジタルカメラ1の底面には、記録媒体として用いられるメモリカードを着脱するためのメモリカードスロットや、外部のパーソナルコンピュータ等と接続するためのシリアルインタフェースコネクタとして、例えばUSB(Universal Serial Bus)コネクタ等が設けられている。
図2はデジタルカメラ1の電子回路構成を示すブロック図である。
このデジタルカメラ1には、前記撮影レンズ3を構成する図示せぬフォーカスレンズおよびズームレンズなどを含むレンズ光学系22が光軸方向に所定の範囲内で移動可能に設けられている。このレンズ光学系22は、モータ駆動部21aによって回転駆動されるモータ21により移動する。
なお、前記モータ21として、ズーム倍率調整用のモータ(ズームモータ)、フォーカス調整用のモータ(フォーカスモータ)などの複数の異なるモータを含み、それぞれに対応したモータ駆動部21aが設けられているものとする。
このモータ21の光軸後方に撮像素子であるCCD(charge coupled device)23が配設されている。このCCD23は、撮影レンズ3を通して入力される被写体の各部位からの光を受光し、その光の強度に応じた電気信号を出力する。
基本モードである記録モード時において、CCD23がタイミング発生器(TG)24、ドライバ25によって走査駆動され、一定周期毎に結像した光像に対応する光電変換出力を1画面分出力する。このCCD23の光電変換出力は、アナログ値の信号の状態でRGBの各原色成分毎に適宜ゲイン調整された後に、サンプルホールド回路26でサンプルホールドされ、A/D変換器27でデジタルデータに変換される。
そして、画像処理回路28において、画素補間処理及びγ補正処理を含む画像処理が行われて、デジタル値の輝度信号Y及び色差信号U,V(Cb,Cr)が生成され、DMA(Direct Memory Access)コントローラ29に出力される。
DMAコントローラ29は、画像処理回路28の出力する輝度信号Y及び色差信号U,Vを、同じく画像処理回路28からの複合同期信号、メモリ書込みイネーブル信号、及びクロック信号を用いて一度DMAコントローラ29内部のバッファに書き込み、DRAMインタフェース(I/F)30を介してバッファメモリとして使用されるDRAM31にDMA転送を行う。
制御部32は、デジタルカメラ1全体の制御を行うものであり、CPUと、このCPUで実行される動作プログラムを記憶したROM、及びワークメモリとして使用されるRAMなどを含むマイクロコンピュータにより構成される。この制御部32は、前記輝度及び色差信号のDRAM31へのDMA転送終了後に、この輝度及び色差信号をDRAMインタフェース30を介してDRAM31より読み出し、VRAMコントローラ33を介してVRAM34に書き込む。
デジタルビデオエンコーダ35は、前記輝度及び色差信号をVRAMコントローラ33を介してVRAM34より定期的に読み出し、これらのデータを元にビデオ信号を発生して表示部19に出力する。
この表示部19は、上述した如く撮影時にはモニタ表示部(電子ファインダ)として機能するもので、デジタルビデオエンコーダ35からのビデオ信号に基づいた表示を行うことで、その時点でVRAMコントローラ33から取込んでいる画像情報に基づく画像をリアルタイムに表示することとなる。
このように、表示部19にその時点での画像がモニタ画像としてリアルタイムに表示されている状態で、例えば静止画撮影を行いたいタイミングでシャッタキー9を押下操作すると、トリガ信号が発生する。
制御部32は、このトリガ信号に応じて、その時点でCCD23から取込んでいる1画面分の輝度及び色差信号のDRAM31へのDMA転送の終了後、直ちにCCD23からのDRAM31への経路を停止し、記録保存の状態に遷移する。
この記録保存の状態では、制御部32がDRAM31に書き込まれている1フレーム分の輝度及び色差信号をDRAMインタフェース30を介してY,Cb,Crの各コンポーネント毎に縦8画素×横8画素の基本ブロックと呼称される単位で読み出して、JPEG(Joint Photograph coding Experts Group)回路37に書き込み、このJPEG回路37でADCT(Adaptive Discrete Cosine Transform:適応離散コサイン変換)、エントロピ符号化方式であるハフマン符号化等の処理によりデータ圧縮する。
そして得た符号データを1画像のデータファイルとして該JPEG回路37から読み出して記録用のメモリ38に書き込む。このメモリ38としては、予め本体に内蔵されたフラッシュメモリ等の内部メモリの他に、記録媒体として着脱自在に装着されるメモリカードなどを含む。1フレーム分の輝度及び色差信号の圧縮処理及びメモリ38への全圧縮データの書込み終了に伴って、制御部32はCCD23からDRAM31への経路を再び起動する。
制御部32には、さらに音声処理部39、USBインタフェース(I/F)40、ストロボ駆動部41が接続される。
音声処理部39は、PCM音源等の音源回路を備え、音声の録音時には前記マイクロホン部(MIC)7より入力された音声信号をデジタル化し、所定のデータファイル形式、例えばMP3(MPEG−1 audio layer 3)規格に従ってデータ圧縮して音声データファイルを作成してメモリ38へ送出する一方、音声の再生時にはメモリ38から読み出された音声データファイルの圧縮を解いてアナログ化し、上述したデジタルカメラ1の背面側に設けられるスピーカ部(SP)13を通じて出力する。
なお、この音声処理部39には、後述するように、マイクロホン部(MIC)7とは別にモータ21の近くに設置された参照マイク7aが接続されている。この参照マイク7aは、雑音除去用として主にモータ音を入力するための入力手段として用いられるものである。
USBインタフェース40は、USBコネクタを介して有線接続されるパーソナルコンピュータ等の他の情報端末装置との間で画像データ、その他の送受を行う場合の通信制御を行う。ストロボ駆動部41は、撮影時に図示せぬストロボ用の大容量コンデンサを充電した上で、制御部32からの制御に基づいてストロボ発光部6を閃光駆動する。
なお、前記キー入力部36は、上述したシャッタキー9の他に、電源キー8、撮影モードキー10、再生モードキー11、マクロキー14、ストロボキー15、メニューキー16、リングキー17、セットキー18、ズームキー20a,20bなどから構成され、それらのキー操作に伴う信号は直接制御部32へ送出される。
また、静止画像ではなく動画像の撮影時においては、シャッタキー9が押下操作されたときに、上述したJPEG回路37によりmotion−JPEG(Joint Photographic Experts Group)などの手法により撮影動画をデータ圧縮してメモリ38へ記録する。この場合、音声付き動画撮影であれば、その撮影中にマイクロホン部(MIC)7より入力された音声信号が動画データと共に前記メモリ38に記録されることになる。再度シャッタキー9が操作されると、動画データの記録を終了する。
一方、基本モードである再生モード時には、制御部32がメモリ38に記録されている画像データを選択的に読み出し、JPEG回路37で記録モード時にデータ圧縮した手順と全く逆の手順で、圧縮されている画像データを伸長する。そして、この伸長した画像データをDRAMインタフェース30を介してDRAM31に保持させた上で、このDRAM31の保持内容をVRAMコントローラ33を介してVRAM34に記憶させ、このVRAM34より定期的に画像データを読み出してビデオ信号を発生し、表示部19で再生出力させる。
選択した画像データが静止画像ではなく動画像であった場合には、その動画データを構成する複数フレームの静止画データを時系列の順で順次再生して表示し、すべての静止画データの再生を終了した時点で、例えば、次に再生の指示がなされるまで先頭に位置する静止画データを表示するなどを行う。その際、当該動画データに音声データが含まれていれば、その音声データがスピーカ部(SP)13を通じて出力されることになる。
次に、このデジタルカメラ1に用いられる雑音除去機能を備えた音声記録装置について説明する。
図3は本発明の第1の実施形態に係るデジタルカメラ1に用いられる雑音除去機能を備えた音声記録装置の構成を示すブロック図である。
この音声記録装置は、主としてデジタルカメラ1の音声付き動画撮影に用いられるものであり、その撮影中に音声信号に混入するズーム音やフォーカス音などの機構音を雑音として除去する機能を備えている。
第1の実施形態において、この音声記録装置は、モータ21、モータ駆動部21a、制御部32、キー入力部36、音声入力部51、フレーム分割部52、フーリエ変換部53、第1のスペクトル記憶部54、サブトラクト部55、スペクトル切り替え部56、逆フーリエ変換部57、波形合成部58を備える。さらに、別系統として、参照入力部61、フレーム分割部62、フーリエ変換部63、第2のスペクトル記憶部64、類似度計算部65、スペクトル選択部66を備える。
なお、前記各構成部のうち、51〜58、61〜66の部分は図2に示したデジタルカメラ1の音声処理部39に含まれる。
モータ21はズームレンズなどのレンズ光学系22を光軸方向に移動させるためのモータであり、モータ駆動部21aはそのモータ21を回転駆動させるための駆動機構である。
制御部32は、キー入力部36に含まれるズームキー20a,20bなどの操作信号を受けてモータ駆動制御信号をモータ駆動部21aに出力すると共に、ここでは、音声付き動画撮影中にモータ21の駆動タイミングに基づいてスペクトル切り換え部56を制御する機能を備える。
一方、音声入力部51は、図1に示すデジタルカメラ1の機器筐体上に設置されたマイクロホン部7を主マイクとして含み、この主マイクを通じて入力される音声信号を主信号としてフレーム分割部52に与える。この場合、音声付き動画撮影中に例えばズーム操作が行われると、そのズーム操作に伴って発生するモータ音(ズーム音)が音声入力部51を通じて音声信号と共に入り込むことになる。
フレーム分割部52は、この音声入力部51によって入力された音声信号(主信号)を所定時間分のフレーム単位で分割する。フーリエ変換部53は、このフレーム分割部52によってフレーム単位で分割された音声信号をフーリエ変換し、周波数毎のパワーを示したスペクトル信号(Ia)に変換する。
第1のスペクトル記憶部54には、音声入力部51(主マイク)を通じて事前に採取したモータ音のスペクトル信号が第1の雑音スペクトル信号として複数パターン記憶されている(図4参照)。
サブトラクト部55は、フーリエ変換部53によって得られた入力音声スペクトル信号(Ia)と、第1のスペクトル記憶部54の中から選択された雑音スペクトル信号(Xv)に基づいて、SS(spectral subtraction)法による雑音除去処理を行う。
詳しくは、入力音声スペクトル信号(Ia)から雑音スペクトル信号(Xv)に所定のサブトラクト係数αを乗じた信号を減算することで、音声信号に含まれる雑音成分を除去する処理を行う。スペクトル切り替え部56は、フーリエ変換部53によって得られた入力音声スペクトル信号(Ia)と、このサブトラクト部55によって得られる雑音除去後の音声スペクトル信号(Ib)を制御部32から出力される選択信号によって切り替えて逆フーリエ変換部57に与える。
逆フーリエ変換部57は、スペクトル切り替え部56を通じて入力された入力音声スペクトル信号(Ia)または雑音除去後の音声スペクトル信号(Ib)を逆フーリエ変換して元のフレーム単位毎の音声信号に戻す。
波形合成部58は、この逆フーリエ変換部57によって得られるフレーム単位毎の音声信号を合成することで時系的に連続した音声信号に復元する。この音声信号は、最終的な記録用の音声信号として用いられ、デジタルカメラ1の撮像系から得られる動画データと共に図2に示したメモリ38に記録される。
また、参照入力部61は、主としてモータ音を集音するための参照マイク7aを含み、この参照マイク7aを通じて入力されるモータ音のみの信号を参照信号としてフレーム分割部52に与える。参照マイク7aは、主マイクであるマイクロホン部(MIC)7とは別に機器筐体内のモータ21の近傍に設置されており、そのモータ駆動時に発生するモータ音のみを入力する。
フレーム分割部62は、この参照入力部61によって入力されたモータ音のみの信号(参照信号)を所定時間分のフレーム単位で分割する。フーリエ変換部63は、このフレーム分割部62によってフレーム単位で分割されたモータ音信号をフーリエ変換し、周波数毎のパワーを示したスペクトル信号(Rv)に変換する。
第2のスペクトル記憶部64には、参照入力部61(参照マイク)を通じて事前に採取したモータ音のスペクトル信号が第2の雑音スペクトル信号として複数パターン記憶されている(図5参照)。
前記第1のスペクトル記憶部54に記憶された第1の雑音スペクトル信号と、前記第2のスペクトル記憶部64に記憶された第2の雑音スペクトル信号との違いは、第1の雑音スペクトル信号は音声入力部51つまり主マイク(マイクロホン部7)を通じて得られるモータ音の入力特性を有し、第2の雑音スペクトルは参照入力部61つまり参照マイク7aを通じて得られるモータ音の入力特性を有することである。
類似度計算部65は、参照入力部61を通じて得られた入力モータ音スペクトル信号(Rv)と、予め第2のスペクトル記憶部64に記憶されている第2の雑音スペクトル信号の各パターンとの類似度を計算する。
スペクトル選択部66は、類似度計算部65による類似度計算結果に基づき、第2のスペクトル記憶部64の中で最も類似度の高い第2の雑音スペクトル信号を選択すると共に、第1のスペクトル記憶部54の中から当該雑音スペクトル信号に対応した第1の雑音スペクトル信号を選択する。このとき選択された雑音スペクトル信号は、音声信号と同じ入力特性を有する最適な雑音スペクトル信号(Xv)としてサブトラクト部55に与えられて、SS法による雑音除去処理に用いられる。
次に、第1の実施形態の動作について説明する。
今、音声付き動画撮影を行っている最中に、例えばユーザがキー入力部36に含まれるズームキー20a,20bを操作したとする。
デジタルカメラ全体の動作を制御する制御部32は、キー入力部36に含まれるズームキー20a,20bのズーム操作信号を入力すると、モータ駆動部21aに対して駆動開始信号を送る。モータ駆動部21aは、この駆動開始信号を受けてモータ21を回転駆動する。このモータ21の回転に伴い、図2のレンズ光学系22に含まれる図示せぬズームレンズが光軸上に移動してズーム倍率が変化する。
また、ユーザがズーム操作を終了すると、制御部32はモータ駆動部21aに対して駆動停止信号を送る。これにより、モータ21の回転駆動が停止し、ズーム動作が終了する。
ここで、音声付き動画の撮影中は、常に主マイク(マイクロホン部7)による音声入力機能がON状態にある。このため、前記ズーム操作に伴って発生するモータ音が入力音声の中に雑音として混入する問題がある。このようなモータ音を音声信号から除去して記録するべく、以下のような処理が行われる。
すなわち、まず、雑音除去対象となるモータ音(機構音)のスペクトル信号を事前に採取しておき、第1のスペクトル記憶部54および第2のスペクトル記憶部64に記憶しておく。以下では、ズーム操作時に発生するモータ音つまりズーム音を雑音除去対象として説明する。
ズーム音の採取方法は、無音状態でズーム操作を行い、そのときに発生するズーム音のみを主マイク(マイクロホン部7)である音声入力部51と、参照マイク7aである参照入力部61からそれぞれ入力することで行う。
この場合、ズーム音はモータ21の駆動タイミングにより駆動開始点、駆動中間点、駆動停止点でそれぞれ異なる特性を有する。また、モータ21を広角方向に回転駆動する場合と望遠方向に駆動する場合とでもズーム音の特性が異なってくる。
そこで、少なくとも、モータ21を広角方向に回転駆動した場合の駆動開始点でのズーム音「ZO1」、駆動中間点でのズーム音「ZO2」、駆動停止点でのズーム音「ZO3」と、モータ21を望遠方向に回転駆動した場合の駆動開始点でのズーム音「ZI1」、駆動中間点でのズーム音「ZI2」,駆動停止点でのズーム音「ZI3」の計6種類のパターンを採取するものとする。
第1のスペクトル記憶部54への記憶は、ズーム音のみの信号を音声入力部51から入力し、フレーム分割部52により数10ms程度のフレーム区間に切り出し、これをフーリエ変換部53によりスペクトル信号に変換する。このスペクトル信号を上述した駆動開始点、駆動中間点、駆動停止点の3つの期間を対象にして、それぞれモータ21を広角方向に回転駆動した場合と、望遠方向に回転駆動した場合について算出して、各期間毎にレベルの平均値を求める。
このようにして、モータ21を広角方向に回転駆動した場合と、望遠方向に回転駆動した場合にそれぞれ得られた第1の雑音スペクトル信号の各パターンをMZO1、MZO,MZO3,MZI1,MZI2,MZI3として、図4に示すように第1のスペクトル記憶部41に記憶させておく。
同様にして、第2のスペクトル記憶部64への記憶は、ズーム音のみの信号を参照入力部61から入力し、フレーム分割部62により数10ms程度のフレーム区間に切り出し、これをフーリエ変換部53によりスペクトル信号に変換する。このスペクトル信号を上述した駆動開始点、駆動中間点、駆動停止点の3つの期間を対象にして、それぞれモータ21を広角方向に回転駆動した場合と、望遠方向に回転駆動した場合について算出して、各期間毎にレベルの平均値を求める。
このようにして、モータ21を広角方向に回転駆動した場合と、望遠方向に回転駆動した場合にそれぞれ得られた第2の雑音スペクトル信号の各パターンをRZO1,RZO2,RZO3、RZI1,RZI2,RZI3として、図5に示すように第2のスペクトル記憶部64に記憶させておく。
この場合、制御部32では、第1のスペクトル記憶部54に記憶されたMZO1〜MZO3,MZI1〜MZI3の各パターンと、第2のスペクトル記憶部64に記憶されたRZO1〜RZO3、RZI1〜RZI3の各パターンを図示せぬ管理テーブルなどを用いて関連付けて管理している。
ここで、ズーム操作が行われていない状態では、制御部32はフーリエ変換部53から得られる入力音声スペクトル信号(Ia)を選択するようにスペクトル切り替え部56を切り替え制御する。これにより、逆フーリエ変換部57および波形合成部58を通じて入力音声信号がそのまま出力されることになる。
一方、制御部32はキー入力部36からのズーム操作信号に基づいてズーム操作が開始されたことを判断すると、モータ21(ここではズームモータ)の駆動開始と同時にサブトラクト部55から得られる雑音除去後の音声スペクトル信号(Ib)を選択するようにスペクトル切り替え部56を切り替え制御する。
上述したように、ズーム操作を行っているとき、音声入力部51には音声信号に加えて、そのときに発生するモータ音が主マイク(マイクロホン部7)を通じて入力されている。このため、フーリエ変換部53からは入力音声のスペクトルとモータ音のスペクトルが混合した入力音声スペクトル信号(Ia)が出力される。
一方、参照入力部61には、機器筐体内に参照マイク7aが設置されていることから、基本的にモータ音のみが入力される。したがって、フーリエ変換部63の出力はモータ音のみのスペクトル信号(Rv)になっている。
ここで、類似度計算部65において、フーリエ変換部63によって得られたモータ音のスペクトル信号(Rv)と、第2のスペクトル記憶部64に予め記憶された第2の雑音スペクトルの各パターンRZO1〜RZO3,RZI1〜RZI3との類似度が計算される。
類似度の一例として、入力モータ音スペクトル信号(Rv)の絶対値を|RC(ω)|、第2のスペクトル記憶部64に記憶されている第2の雑音スペクトル信号の絶対値を|RM(ω)|とすると、それらの二乗平均誤差をMSEとした場合に、そのMSEの逆数が類似度となる。
MSE=Σ[{|RC(ω)|−|RM(ω)|}
*{|RC(ω)|−|RM(ω)|}] …(1)
Σは角周波数ω=0〜πまでの積算値
π=サンプリング周波数の1/2
類似度=1/MSE …(2)
前記式(1),(2)によれば、RC(ω)とRM(ω)が似ていれば、MSEの値は小さくなり、類似度は大きくなる。逆に、RC(ω)とRM(ω)が似ていなければ、MSEは大きくなり、類似度は小さくなる。
ここで、例えばRZO1〜RZO3,RZI1〜RZI3の中で最も類似度の高いパターンをRZO1とすると、スペクトル選択部66は第1のスペクトル記憶部54の中からRZO1に対応するMZO1を最適な雑音スペクトル信号(Xv)として選択する。RZO1とMZO1は、モータ21を広角方向に回転駆動した場合の駆動開始点で事前に採取したモータ特性を有する。
つまり、例えばモータ21を広角方向に回転駆動するようなズーム操作が行われた場合には、モータ21の駆動開始が定常回転に達するまでの期間ではRZO1→MZO1、定常回転期間ではRZO2→MZO2、駆動停止から実際にモータ21の回転が停止するまでの期間ではRZO3→MZO3といったように、第1のスペクトル記憶部54の中から第2の雑音スペクトル信号に対応した第1の雑音スペクトル信号が現時点でのモータ特性に応じた最適な雑音スペクトルとして順次選択されてサブトラクト部55に与えられることになる。
サブトラクト部55では、フーリエ変換部53によって得られた入力音声スペクトル信号(Ia)と第1のスペクトル記憶部54の中から選択された雑音スペクトル信号(Xv)に基づいてSS法による雑音除去処理を行う。
この雑音除去処理について、図6を参照して詳しく説明する。
図6はSS法(スペクトルサブトラクション法)を用いた雑音除去処理を説明するための図である。図6(a)は入力音声の波形データ、同図(b)はこの入力音声をフレーム単位でフーリエ変換して得られた音声スペクトル信号(Ia)である。
また、同図(c)は雑音除去用に採取したモータ音のスペクトルつまり雑音スペクトル信号(Xv)、同図(d)はその雑音スペクトル信号(Xv)に所定のサブトラクト係数αを乗じた信号である。同図(e)は入力音声スペクトル信号(Ia)から係数乗算後の雑音スペクトル信号(Xv)を減算して得られるスペクトル信号つまり雑音除去後の音声スペクトル信号(Ib)である。同図(f)はその雑音除去後の音声スペクトル信号(Ib)を逆フーリエ変換して得られた音声信号、同図(g)はフレーム単位で分割された音声信号を時系列に合成して元の音声波形に戻した状態を示している。
今、図6(a)に示すような波形を有する音声信号が音声入力部51(主マイク)に入力されたとする。この音声信号には、例えばズーム操作に伴って発生するモータ音つまりズーム音が雑音として混入されている。
まず、フレーム分割部52において、例えば10ms程度のフレーム区間で音声信号を切り出し、同図(b)に示すように、フーリエ変換部53にて周波数毎のパワーを表した入力音声スペクトル信号(Ia)を生成する。
ここで、参照入力部61(参照マイク)から入力されたモータ音のみのスペクトル信号(Rv)に基づいて、第2のスペクトル記憶部64の中から最も類似度の高い第2の雑音スペクトル信号が選択され、さらに、その選択された雑音スペクトル信号に対応した第1の雑音スペクトル信号が第1のスペクトル記憶部54の中からモータ特性に応じた最適な雑音スペクトル信号(Xv)として選択される。
そして、同図(c)〜(e)に示すように、サブトラクト部55では、入力音声スペクトル信号(Ia)から最適な雑音スペクトル信号(Xv)に所定のサブトラクト係数αを乗じた信号を減算することにより、雑音除去後の音声スペクトル信号(Ib)を得る。
なお、前記サブトラクト係数αは、第1のスペクトル記憶部54に記憶される第1の雑音スペクトル信号のレベルに応じて予め決められており、通常、“1”以上の値である。
制御部32では、ズーム操作が行われている間、つまり、ズームモータであるモータ21の駆動期間中(モータ駆動開始〜駆動停止までの期間)において、前記サブトラクト部55から得られる雑音除去後の音声スペクトル信号(Ib)を選択するようにスペクトル切り替え部56を制御する。
図6(f)に示すように、この雑音除去後の音声スペクトル信号(Ib)は逆フーリエ変換部57にて逆フーリエ変換される。そして、同図(g)に示すように、波形合成部58にて各フレーム毎の音声信号が時系列に合成処理されて、元のアナログ波形信号である音声信号に復元される。この音声信号は、雑音除去後の音声信号として動画撮影中に画像データと共にメモリ38に記録される。
なお、前記のような雑音除去処理において、実際にはフレーム分割部52にて入力音声をフレーム分割してフーリエ変換する前に、その音声信号に「ハニング窓」等の窓関数をかけておく。また、後段の波形合成部58で逆フーリエ変換後の音声信号をフレーム毎に合成処理する際にフレーム境界で不連続な波形になるのを防止するために、フレーム毎の音声信号を多少オーバーラップして合成していく。
例えば、フレーム長が256サンプルとして分析ポイントを128サンプルずつシフトしていく。この場合のハニング窓は式(3)のように表せる。
w(n)=0.5−cos{2*PI*n/(L−1)} …(3)
L:1フレームのサンプル数
n=0,1,…,L−1
このように、各信号を1/2フレームずらして重ね合わせると、振幅が一定で不連続点のない音声波形を得ることができる。
以上のように、本発明の第1の実施形態によれば、撮影時に参照入力部61から入力されるモータ音によって第2の雑音スペクトル信号を選択した後、それに対応する第1の雑音スペクトル信号を選択して雑音除去用に使用するので、音声信号のスペクトルから同じ入力特性を有する雑音スペクトルを減算することができる。これにより、撮影時に音声信号に含まれる機構音を雑音成分として適切に除去して、撮影画像と共に高品質に記録することができる。
なお、入力モータ音スペクトル信号(Rv)と第2のスペクトル記憶部64に記憶されている第2の雑音スペクトルの各パターンとの類似度を計算する場合に、すべてのパターン(ここでは6通りのパターン)の類似度を計算しなくとも、モータ21の回転方向によって、例えば広角方向の回転であれば、広角側スペクトルであるRZO1〜RZO3を対象として類似度計算を行うようにしても良い。このようにすることで、類似度計算の量は半分になる。
また、前記第1の実施形態では、モータ21の駆動開始点、駆動中間点、駆動停止点の3つの期間についてモータ音を事前に採取して、各期間に対応したスペクトル信号を雑音除去用に記憶しておくものとしたが、さらに細かくモータ期間を分類し、それぞれに対応したスペクトル信号を記憶しておき、これらを適宜選択的に使用して雑音除去を行うことでも良い。このようにすることで、モータ21の各駆動期間毎に適切な雑音除去処理を行うことができる。
図7は第1の実施形態における音声記録処理をソフトウェア的に実現する場合のフローチャートである。なお、このフローチャートで示される処理は、コンピュータである制御部32によって読取り可能なプログラムの形態でROM等の記録媒体に予め記録されているものとする。
音声付き動画撮影時において、制御部32は、例えばシャッタキー9の操作により動画撮影の終了が明示的に指示されるまでの間、以下のような処理を繰り返し実行する(ステップS11〜S23)。
すなわち、まず、制御部32は、主マイクであるマイクロホン部7を通じて主信号として入力された音声信号からフレームデータを生成し、このフレームデータに窓関数をかける(ステップS11)。続いて、このフレームデータをフーリエ変換することで、周波数毎のパワーを示した入力音声スペクトル信号(Ia)を生成する(ステップS12)。
ここで、制御部32は、ズーム操作によりモータ21が駆動されているか否かを判断する(ステップS13)。モータ駆動中でなければ(ステップS13のNo)、制御部32は、前記入力音声スペクトル信号(Ia)を逆フリー変換処理して元の音声波形データに戻し(ステップS20)、これを前の音声波形データと連続するようにフレーム単位で合成しながら(ステップS21)、撮影画像(動画データ)と同期させてメモリ38に記録していく(ステップS22)。
一方、モータ駆動中であった場合、つまり、ズーム操作によりモータ21が広角方向あるいは望遠方向に回転駆動されている場合には(ステップS13のYes)、制御部32は、参照マイク7aを通じて参照信号として入力されるモータ音のみの信号からフレームデータを生成し、このフレームデータに窓関数をかける(ステップS14)。続いて、このフレームデータをフーリエ変換することで、周波数毎のパワーを示した入力モータ音スペクトル信号(Rv)を生成する(ステップS15)
ここで、制御部32は、入力モータ音スペクトル信号(Rv)と第2のスペクトル記憶部64に記憶された第2の雑音スペクトル信号の各パターンとの類似度を算出する(ステップS16,S17)。そして、最も類似度の高い第2の雑音スペクトル信号を第2のスペクトル記憶部64の中から選択すると共に、その雑音スペクトル信号に対応した第1の雑音スペクトル信号を第1のスペクトル記憶部54の中から選択する(ステップS18)。
制御部32は、前記第1のスペクトル記憶部54から選択した第1の雑音スペクトル信号を音声信号と同じ入力特性を有する最適な雑音スペクトル信号(Xv)として用い、入力音声スペクトル信号(Ia)から雑音スペクトル信号(Xv)に所定のサブトラクト係数αを乗じた信号を減算することで雑音成分を除去する(ステップS19)。
そして、この雑音除去後の音声スペクトル信号(Ib)を逆フリー変換処理して元の音声波形データに戻し(ステップS20)、これを前の音声波形データと連続するようにフレーム単位で合成しながら(ステップS21)、撮影画像(動画データ)と同期させてメモリ38に記録していく(ステップS22)。
このように、本装置をソフトウェア的に実現した場合であっても前記図3に示した構成と同様の効果が得られる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
図8は本発明の第2の実施形態に係るデジタルカメラ1に用いられる雑音除去機能を備えた音声記録装置の構成を示すブロック図である。なお、図3(第1の実施形態)の構成と同じ部分には同一符号を付して、その説明は省略するものとする。
図8において、図3の構成と異なる点は、短時間パワー算出部71が設けられていることである。この短時間パワー算出部71は、参照入力部61(参照マイク)を通じて参照信号として入力されるモータ音信号のフレーム単位のパワー(短時間パワー)を算出する。この場合、フレーム内の信号をr(i)として、パワー値をPとすると、以下のような式(4)で表せる。
P=Σ{r(i)*r(i)} …(4)
制御部32では、この短時間パワー算出部71によって算出されたモータ音信号のパワーに基づいて、モータ音の発生期間を判断してスペクトル切り替え部56による切替えを制御する。
以下に、第2の実施形態としての動作を説明する。
例えばユーザがキー入力部36に含まれるズームキー20a,20bを操作したとする。デジタルカメラ全体の動作を制御する制御部32は、キー入力部36に含まれるズームキー20a,20bのズーム操作信号を入力すると、モータ駆動部21aに対して駆動開始信号を送る。モータ駆動部21aは、この駆動開始信号を受けてモータ21を回転駆動する。このモータ21の回転に伴い、図2のレンズ光学系22に含まれる図示せぬズームレンズが光軸上に移動してズーム動作が開始され、撮影画像が拡大または縮小されてメモリ38に記録される。
また、ユーザがズーム操作を終了すると、制御部32はモータ駆動部21aに対して駆動終了信号を送る。これにより、モータ21の回転駆動が停止し、ズーム動作が終了する。
ここで、制御部32がモータ21に対して駆動開始信号を出力してから実際にモータ21が回転し始めるまでには多少の遅れがある。したがって、駆動開始信号の出力と同時に雑音除去処理(サブトラクト処理)を開始してしまうと、まだモータ音(ここではズーム音)が発生していないにも関わらず、サブトラクト部55にて入力音声スペクトル信号(Ia)からモータ音分のスペクトルが減算されることになり、波形合成部58から出力される音声信号に歪みが生じる可能性がある。
このような問題を防止するために、第2の実施形態では、参照入力部61(参照マイク)からの入力信号は略モータ音のみの信号であることに着目して、短時間パワー算出部71によって、参照入力部61から得られるモータ音信号の短時間パワーを算出する。そして、この算出されたモータ音信号のパワーと予め設定された基準値とを比較し、モータ音信号のパワーが基準値よりも小さい場合には、フーリエ変換部53から出力される入力音声スペクトル信号(Ia)を選択するようにスペクトル切り替え部56を制御する。
一方、モータ音信号のパワーが基準値以上であれば、実際にモータ音が発生しているものと判断し、サブトラクト部55から出力される雑音除去後の音声スペクトル信号(Ib)を選択するようにスペクトル切り替え部56を制御する。
また、モータ21を停止するときも同様であり、短時間パワー算出部71から得られるモータ音信号のパワーと基準値との比較により、モータ21の回転が実際に停止したことを確認してから入力音声スペクトル信号(Ia)を選択するようにスペクトル切り替え部56を制御する。
これにより、モータ駆動動作と実際にモータ音が発生するタイミングとにずれがあっても、モータ音の発生タイミングに合わせてスペクトル減算つまり雑音除去処理を行うことができ、波形合成部58から歪みのない音声信号を得ることができる。
なお、この図8の構成についても、前記同様に制御部32がプログラムに従って一連の処理を行うことで、ソフトウェア的に実現することが可能である。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
第3の実施形態では、自動録音レベル制御システム(ALS)を備えた音声記録装置を想定したものである。
図9は本発明の第3の実施形態に係るデジタルカメラ1に用いられる雑音除去機能を備えた音声記録装置の構成を示すブロック図である。なお、図3(第1の実施形態)の構成と同じ部分には同一符号を付して、その説明は省略するものとする。
図9において、図3の構成と異なる点は、録音レベル制御部72、増幅器73、乗算部74を備えていることである。録音レベル制御部72は、入力音声のレベルをほぼ一定に保つための制御を行う。すなわち、録音レベル制御部72は、音声入力部51(主マイク)から入力される音声信号のパワーを算出し、そのパワー値が所定値よりも小さい場合には増幅器73に与える録音レベル(増幅率)を上げ、逆にパワー値が所定値よりも大きい場合には増幅器73に与える録音レベル(増幅率)を下げるように制御する。
増幅器73は、録音レベル制御部72からの指示に従って入力音声を増幅調整(ゲイン調整)してフレーム分割部52に与える。また、乗算部74は、録音レベル制御部72からの指示に従って、雑音スペクトル信号(Xv)に乗じるサブトラクト係数αの値を変更する。
以下に、第3の実施形態としての動作を説明する。
前記第1の実施形態と同様に、予め第1のスペクトル記憶部54と第2のスペクトル記憶部64には、それぞれに音声入力部51(主マイク)と参照入力部61(参照マイク)を通じて無音状態で採取したモータ音(ここではズーム音)のスペクトル信号を雑音スペクトル信号として記憶しておく。この場合の録音レベルは、基準値の“1”に固定しておく。
ここで、音声付きの動画撮影時において、音声入力部51(主マイク)から主信号として入力される音声信号のパワー(音量)が録音レベル制御部72によって算出され、そのパワー値に基づく録音レベルが決定される。
このときの録音レベルを“k”とすると、音声入力部51(主マイク)から主信号として入力された音声信号は増幅器73にてk倍された後、フレーム分割部52にて数10ms程度のフレームに分割され、続いて、フーリエ変換部53にてスペクトル信号(Ia)に変換される。この入力音声スペクトル信号(Ia)に雑音として含まれるモータ音のスペクトルは、録音レベルが“1”の時のk倍になっている。
一方、第1のスペクトル記憶部54に記憶された雑音スペクトル信号(Xv)は、通常の録音レベル(k=1)で採取したモータ音のスペクトルであることから、そのままサブトラクト部55の雑音除去処理に適用すると、k=1より大きい場合には、スペクトルの引き残しが発生し、その結果、波形合成部58から出力される音声信号にはズーム音が残ってしまう。また、k=1より小さい場合には、入力音声スペクトル信号(Ia)から過大なスペクトルを減算してしまうことになる。このため、入力音声に含まれる雑音成分は除去されるが、スペクトルの引きすぎにより音声信号自体が歪んでしまう。
これを防止するために、第1のスペクトル記憶部54の中から選択された雑音スペクトル信号(Xv)をそのままサブトラクト部55に与えるのではなく、入力音声と同様にk倍して与えるようにする。具体的には、増幅器73の増幅率に合わせて、乗算部74にて雑音スペクトル信号(Xv)に乗じるサブトラクト係数αを変更する。これにより、入力音声信号と共にk倍された雑音スペクトル信号(Xv)がサブトラクト部55に与えられることになり、波形合成部58から歪みのない音声信号を得ることができる。
なお、この図6の構成についても、前記同様に制御部32がプログラムに従って一連の処理を行うことで、ソフトウェア的に実現することが可能である。
また、前記各実施形態では、ズーム音を雑音除去対象として説明したが、ズーム音に限らず、例えばフォーカス音、さらにはシャッター音などでも同様であり、要は撮影動作に伴って発生する機構音を入力音声から除去する場合に適用可能である。
また、前記各実施形態では、音声付き動画撮影可能なデジタルカメラを例にして説明したが、本発明はデジタルカメラに限らず、例えばカメラ付きの携帯電話など、音声信号と共に撮影画像を記録可能な機能を備えた電子機器であれば、そのすべてに適用可能である。
要するに、本発明は前記各実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、前記各実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
また、上述した実施形態において記載した手法は、コンピュータに実行させることのできるプログラムとして、例えば磁気ディスク(フレキシブルディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD−ROM、DVD−ROM等)、半導体メモリなどの記録媒体に書き込んで各種装置に適用したり、そのプログラム自体をネットワーク等の伝送媒体により伝送して各種装置に適用することも可能である。本装置を実現するコンピュータは、記録媒体に記録されたプログラムあるいは伝送媒体を介して提供されたプログラムを読み込み、このプログラムによって動作が制御されることにより、上述した処理を実行する。
図1は本発明の撮像装置としてデジタルカメラを例にした場合の外観構成を示す図であり、図1(a)は主に前面の構成、同図(b)は主に背面の構成を示す斜視図である。 図2はデジタルカメラの電子回路構成を示すブロック図である。 図3は本発明の第1の実施形態に係るデジタルカメラに用いられる雑音除去機能を備えた音声記録装置の構成を示すブロック図である。 図4は第1の実施形態における第1のスペクトル記憶部の構成を示す図である。 図5は第1の実施形態における第2のスペクトル記憶部の構成を示す図である。 図6はSS法(スペクトルサブトラクション法)を用いた雑音除去処理を説明するための図である。 図7は第1の実施形態における音声記録処理をソフトウェア的に実現する場合のフローチャートである。 図8は本発明の第2の実施形態に係るデジタルカメラに用いられる雑音除去機能を備えた音声記録装置の構成を示すブロック図である。 図9は本発明の第3の実施形態に係るデジタルカメラに用いられる雑音除去機能を備えた音声記録装置の構成を示すブロック図である。
符号の説明
1…デジタルカメラ、2…ボディ、3…撮影レンズ、7…マイクロホン部(主マイク)、7a…参照マイク、9…シャッタキー、20a,20b…ズームキー、21…モータ、21a…モータ駆動部、32…制御部、36…キー入力部、51…音声入力部、52…フレーム分割部、53…フーリエ変換部、54…第1のスペクトル記憶部、55…サブトラクト部、56…スペクトル切り替え部、57…逆フーリエ変換部、58…波形合成部、61…参照入力部、62…フレーム分割部、63…フーリエ変換部、64…第2のスペクトル記憶部、65…類似度計算部、66…スペクトル選択部、71…短時間パワー算出部、72…録音レベル制御部、73…増幅器、74…乗算部、Ia…入力音声スペクトル信号、Ib…雑音除去後の音声スペクトル信号、Xv…雑音スペクトル信号、Rv…入力モータ音スペクトル信号。

Claims (10)

  1. 音声付き動画撮影を行う場合に、音声信号から撮影動作に伴って発生する機構音を雑音として除去して記録する音声記録機能を備えた撮像装置であって、
    音声信号を入力する第1の入力手段と、
    この第1の入力手段を通じて事前に採取した機構音のスペクトルを第1の雑音スペクトルとして複数パターン記憶した第1の記憶手段と、
    機構音の発生源近傍に設けられた第2の入力手段と、
    この第2の入力手段を通じて事前に採取した機構音のスペクトルを第2の雑音スペクトルとして、前記第1の雑音スペクトルの各パターンと関連付けて複数パターン記憶した第2の記憶手段と、
    撮影時に前記第2の入力手段から得られる機構音のスペクトルに基づいて前記第2の記憶手段の中から当該機構音の特性に応じた第2の雑音スペクトルを選択すると共に、前記第1の記憶手段の中から当該第2の雑音スペクトルに対応した第1の雑音スペクトルを選択する選択手段と、
    前記第1の入力手段から得られる音声信号のスペクトルから前記選択手段によって選択された第1の雑音スペクトルに所定の係数を乗じた信号を減算することで雑音成分を除去する雑音除去手段と、
    この雑音除去手段によって得られた雑音除去後の音声スペクトルを元の音声信号に逆変換する逆変換手段と、
    この逆変換手段によって得られた音声信号を撮影画像と共に記録する記録手段と
    を具備したことを特徴とする撮像装置。
  2. 撮影時に前記第2の入力手段から得られる機構音のスペクトルと、前記第2の記憶手段に記憶された雑音スペクトルの各パターンとの類似度を計算する類似度計算手段を備え、
    前記選択手段は、前記類似度計算手段の計算結果に基づいて前記第2の記憶手段の中から最も類似度の高い第2の雑音スペクトルを選択し、前記第1の記憶手段の中から当該第2の雑音スペクトルに対応した第1の雑音スペクトルを選択することを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
  3. 前記機構音は、撮影動作に関連した特定のモータの駆動音を含み、
    前記第1および第2の記憶手段には、少なくとも前記モータの駆動開始時、定常回転時、駆動停止時の3つの期間に対応した雑音スペクトルの各パターンが記憶されていることを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
  4. 前記機構音は、撮影動作に関連した特定のモータの駆動音を含み、
    前記第1および第2の記憶手段には、前記モータを所定方向に駆動させた場合と前記所定方向とは反対の方向に駆動させた場合の雑音スペクトルの各パターンが記憶されていることを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
  5. 前記機構音は、撮影動作に関連した特定のモータの駆動音を含み、
    前記第1および第2の記憶手段には、前記モータを所定方向に駆動させた場合と前記所定方向とは反対の方向に駆動させた場合とで、少なくとも前記モータの駆動開始時、定常回転時、駆動停止時の3つの期間に対応した雑音スペクトルの各パターンが記憶されていることを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
  6. 前記第2の入力手段から得られる機構音のパワーを算出するパワー算出手段と、
    このパワー算出手段によって算出された機構音のパワーに基づいて前記雑音除去手段による雑音除去動作を制御する制御手段と
    を備えたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1つに記載の撮像装置。
  7. 前記制御手段は、前記パワー算出手段によって算出された機構音のパワーが所定値より小さい場合に前記雑音除去手段による雑音除去動作を禁止し、前記機構音のパワーが所定値以上の場合に前記雑音除去手段による雑音除去動作を許可することを特徴とする請求項6記載の撮像装置。
  8. 前記第1の入力手段から得られる音声信号を増幅する増幅手段と、
    前記音声信号のパワーを算出し、そのパワー値に基づいて前記増幅手段の増幅率を調整する増幅率調整手段と、
    この増幅率調整手段によって調整された前記増幅手段の増幅率に合わせて前記第1の雑音スペクトルに乗じる係数の値を変更する係数可変手段と
    を備えたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1つに記載の撮像装置。
  9. 音声信号を入力する第1の入力部とは別に、機構音の発生源近傍に第2の入力部が設けられた撮像装置に用いられる音声記録方法であって、
    前記第1の入力部を通じて事前に採取した機構音のスペクトルを第1の雑音スペクトルとして第1の記憶部に複数パターン記憶するステップと、
    前記第2の入力部を通じて事前に採取した機構音のスペクトルを第2の雑音スペクトルとして、前記第1の雑音スペクトルの各パターンと関連付けて第2の記憶部に複数パターン記憶するステップと、
    撮影時に前記第2の入力部から得られる機構音のスペクトルに基づいて前記第2の記憶部の中から当該機構音の特性に応じた第2の雑音スペクトルを選択すると共に、前記第1の記憶部の中から当該第2の雑音スペクトルに対応した第1の雑音スペクトルを選択するステップと、
    前記第1の入力部から得られる音声信号のスペクトルから前記選択された第1の雑音スペクトルに所定の係数を乗じた信号を減算することで雑音成分を除去するステップと、
    この雑音除去後の音声スペクトルを元の音声信号に逆変換するステップと、
    この逆変換手段によって得られた音声信号を撮影画像と共に所定のメモリに記録するステップと
    を備えたことを特徴とする音声記録方法。
  10. 音声信号を入力する第1の入力部とは別に、機構音の発生源近傍に第2の入力部が設けられた撮像装置に搭載されたコンピュータによって実行されるプログラムであって、
    前記コンピュータに、
    前記第1の入力部を通じて事前に採取した機構音のスペクトルを第1の雑音スペクトルとして第1の記憶部に複数パターン記憶する機能と、
    前記第2の入力部を通じて事前に採取した機構音のスペクトルを第2の雑音スペクトルとして、前記第1の雑音スペクトルの各パターンに関連付けて第2の記憶部に複数パターン記憶する機能と、
    撮影時に前記第2の入力部から得られる機構音のスペクトルに基づいて前記第2の記憶部の中から当該機構音の特性に応じた第2の雑音スペクトルを選択すると共に、前記第1の記憶部の中から当該第2の雑音スペクトルに対応した第1の雑音スペクトルを選択する機能と、
    前記第1の入力部から得られる音声信号のスペクトルから前記選択された第1の雑音スペクトルに所定の係数を乗じた信号を減算することで雑音成分を除去する機能と、
    この雑音除去後の音声スペクトルを元の音声信号に逆変換する機能と、
    この逆変換手段によって得られた音声信号を撮影画像と共に所定のメモリに記録する機能と
    を実現させることを特徴とするプログラム。
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