JP4639785B2 - 位相差板、液晶パネル、投射型液晶表示装置 - Google Patents

位相差板、液晶パネル、投射型液晶表示装置 Download PDF

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Description

本発明は、例えば投射型表示装置に使用される位相差板および液晶パネル、ならびに当該液晶パネルを供えた投射型表示装置に関する。
光源から出力された光を、例えば透過型の液晶パネルによって光変調して画像光を形成し、この画像光をスクリーンなどに投射する液晶プロジェクタ装置が知られている。
一方、ノート型パーソナルコンピュータ等に用いられる直視型液晶パネルでは、複数のユーザーがある程度の角度を有した位置から同一の画面を見ることが想定されるため、例えば40度以上の広い視野角特性でのコントラストを考慮した構成を採っている。
その一例として、ディスコティック液晶や棒状液晶、その他の3次元複屈折をもつ位相差フィルムを用いて上記直視型液晶パネルの光学特性を補正して視野角特性の改善を行っている。
ところで、ランプのリフレクタの光軸方向に出射した光を変調するライトバルブとして液晶パネルを使用し、投射型光学系でスクリーンに投射する構成の液晶プロジェクタ装置では、コントラストの向上を図る場合、その液晶パネルの視野角の改善を行う必要はないものとされていた。
しかしながら、上記液晶プロジェクタ装置は以下に述べる原因により、入射側偏光板から出射した直線偏光が、映像信号を変調する液晶パネルによって楕円偏光になり、出射側偏光板で漏れが生じ、黒レベルが下がらず、コントラストが低下する。
一般的に、液晶パネルの液晶分子には、例えば2°から8°のプレチルト角がある。これは、駆動電圧を印加したときに、液晶分子が傾く方向を導くために、液晶パネル用基板表面に施された配向処理方向に対して与えられる初期分子配列の角度である。
上記プレチルト角の影響で、液晶パネル面に角度をもって、入射した光は偏光が乱れる。これは、液晶分子の有する屈折率の異方性に関するものである。すなわち、液晶の屈折率の異方性により、液晶分子の長軸方向成分の位相は遅れ、これにより直線偏光の入射光は、液晶分子で遅相軸方向成分と進相軸方向成分との間に位相差(光学歪)が生じ、結果として楕円偏光となる。
また、液晶パネルの表示面に対して、ある方位角に対して傾斜した光については、印加電圧値の上昇に伴って透過率が低下し、特定の電圧値を境界として再び透過率が上昇し、その後、徐々に低下する。また、ある方位角に対して傾斜した光については、印加電圧を上昇しても透過率が下がらず、黒が浮いたままになることもある。
上述したように、種々の方向から入射した直線偏光は、液晶分子によって変化し、入射方向に応じて、上記楕円偏光は変化する。すなわち、液晶パネルを通過した後の光の偏光状態は、多数の異なる向きの液晶分子による偏光変化を足し合わせるものとなる。
この結果、液晶パネルに垂直に入射した光は直線偏光が保たれるが、ある程度斜めから入射した光は偏光が乱されて、入射光に応じた楕円偏光となる。このため、液晶パネルの出射側にある偏光板で楕円偏光による漏れが生じることから、黒表示の透過率が上がり、液晶パネルのコントラスト特性が悪くなる。
実際に、液晶プロジェクタ装置の液晶パネルに対する照射光の角度成分は、5°から15°までの光が主である。つまり、照射光は、垂直入射する光がほとんど含まれておらず、大部分が角度を持って入射するため、この液晶分子のプレチルト角等の影響を受けて、偏光状態が変化してしまう。この問題点を解決するための手段として、液晶分子のプレチルトに伴う遅相方向と進相方向との間の位相差を打ち消す、すなわち液晶層の光学歪を補償する位相差板が開示されている(特許文献1参照)。
特開2001−42314号公報
上記特許文献1に開示されている位相差板は延伸方法を用いて作製されているため、面内の光軸はすべて同じ方向を向いている。直視型液晶デイスプレイでは、ほぼ動作温度が室温に近い。しかし、投射型液晶プロジェクタの場合は、動作温度が、例えば、60℃などの高温になってしまう。
そのため、位相差層の光軸がずれる。特に、位相差層の面内端部の光軸がずれることによって、コントラストのムラが発生する。すなわち、スクリーンに投影した画像の黒特性が、動作するにつれ変化してしまう。特に、スクリーンの四隅に、黒特性の変化が顕著に現れ、画像特性に問題が発生する。
本発明の第1の目的は、使用状態における温度において適切な光学補償を行うことができる位相差板を提供することにある。
本発明の第2の目的は、使用状態における温度において適切な光学補償を行うことができる位相差板を備えることにより、コントラストを向上させることができる液晶パネルおよび投射型表示装置を提供することにある。
上記の目的を達成するため、本発明の位相差板は、基板と、前記基板上に、液晶ポリマを使用して形成された位相差層とを有し、前記位相差層の4隅の光軸は、常温において、前記位相差層の基準光軸である中央部の光軸に対して異なる方向に形成され、前記基準光軸と前記4隅の光軸の交差角度が、右回りまたは左回りに0.5〜5°の範囲であり、前記位相差層の温度が、投影中の温度である40℃〜60℃の場合に、前記4隅の光軸の方向が前記基準光軸に揃うように規定されたものである。
上記の本発明の位相差板では、位相差層は面内における中央部の光軸を基準光軸として、4隅を含む周辺部における光軸が常温において異なる方向に形成されている。ここで、位相差板に光が照射されると、使用状態において位相差板の温度が上昇し、位相差層の材料と基板の材料との線膨張係数の相違から、位相差層の光軸の向きが変化する。本発明では、使用状態における温度において位相差層の4隅の光軸の方向が基準光軸に揃うように規定されている。
上記の目的を達成するため、本発明の位相差板は、基板と、前記基板上に、各々液晶ポリマを使用して形成された第1の位相差層および第2の位相差層とを有し、前記第1の位相差層の4隅の光軸は、常温において、前記第1の位相差層の基準光軸である中央部の光軸に対して異なる方向に形成され、前記第1の位相差層の基準光軸と前記第1の位相差層の4隅の光軸の交差角度が、右回りまたは左回りに0.5〜5°の範囲であり、前記第2の位相差層の4隅の光軸は、常温において、前記第2の位相差層の基準光軸である中央部の光軸に対して異なる方向に形成され、前記第2の位相差層の基準光軸と前記第2の位相差層の4隅の光軸の交差角度が、右回りまたは左回りに0.5〜5°の範囲であり、前記第1の位相差層の基準光軸と、前記第2の位相差層の基準光軸とは直交する交差角度を有し、前記第1および第2の位相差層の温度が、投影中の温度である40℃〜60℃の場合に、前記第1の位相差層の4隅の光軸の方向が前記第1の位相差層の基準光軸に、前記第2の位相差層の4隅の光軸の方向が前記第2の位相差層の基準光軸に揃うように規定されたものである。
上記の本発明の位相差板では、上記構成のため、第1および第2の位相差層は面内における中央部の互いの光軸の交差角度を基準交差角度として、4隅を含む周辺部における交差角度が常温において異なって形成されている。ここで、位相差板に光が照射されると、使用状態において位相差板の温度が上昇し、位相差層の材料と基板の材料との線膨張係数の相違から、第1および第2の位相差層の光軸の向きが変化する。本発明では、使用状態における温度において、第1および第2の位相差層の4隅における互いの光軸の交差角度が基準交差角度に略一致するように規定されている。
上記の目的を達成するため、本発明の液晶パネルは、液晶層と、前記液晶層の外側に対向して配置された第1の基板および第2の基板と、前記第1の基板の前記液晶層と接する側とは反対側の上に、液晶ポリマを使用して形成された第1の位相差層と、前記第2の基板の前記液晶層と接する側とは反対側の上に、液晶ポリマを使用して形成された第2の位相差層とを有し、前記第1の位相差層の4隅の光軸は、常温において、前記第1の位相差層の基準光軸である中央部の光軸に対して異なる方向に形成され、前記第1の位相差層の基準光軸と前記第1の位相差層の4隅の光軸の交差角度が、右回りまたは左回りに0.5〜5°の範囲であり、前記第2の位相差層の4隅の光軸は、常温において、前記第2の位相差層の基準光軸である中央部の光軸に対して異なる方向に形成され、前記第2の位相差層の基準光軸と前記第2の位相差層の4隅の光軸の交差角度が、右回りまたは左回りに0.5〜5°の範囲であり、前記第1の位相差層の基準光軸と、前記第2の位相差層の基準光軸とは直交する交差角度を有し、前記第1および第2の位相差層の温度が、投影中の温度である40℃〜60℃の場合に、前記第1の位相差層の4隅の光軸の方向が前記第1の位相差層の基準光軸に、前記第2の位相差層の4隅の光軸の方向が前記第2の位相差層の基準光軸に揃うように規定されたものである。あるいは、前記第1の位相差層および前記第2の位相差層は、いずれもが、前記第1の基板または前記第2の基板のいずれかの側に配置されているものである。
上記の本発明の液晶パネルでは、上記構成のため、第1および第2の位相差層は、面内における中央部の互いの光軸の交差角度を基準交差角度として、4隅を含む周辺部における交差角度が常温において異なって形成され、所定の温度にまで上昇した際に4隅における互いの光軸の交差角度が基準交差角度に略一致するように規定されている。
このため、使用状態においては第1および第2の位相差層の面内における位相差むらが抑制され、液晶層の面内において均一な光学補償がなされる。
上記の目的を達成するため、本発明の投射型液晶表示装置は、光源と、前記光源からの光を変調する液晶パネルと、前記液晶パネルにより変調された光を投射する投射手段とを有し、前記液晶パネルは、液晶層、前記液晶層の外側に対向して配置された第1の基板および第2の基板、前記第1の基板の前記液晶層と接する側とは反対側の上に液晶ポリマを使用して形成された第1の位相差層、ならびに前記第2の基板の前記液晶層と接する側とは反対側の上に液晶ポリマを使用して形成された第2の位相差層、を備え、前記第1の位相差層の4隅の光軸は、常温において、前記第1の位相差層の基準光軸である中央部の光軸に対して異なる方向に形成され、前記第1の位相差層の基準光軸と前記第1の位相差層の4隅の光軸の交差角度が、右回りまたは左回りに0.5〜5°の範囲であり、前記第2の位相差層の4隅の光軸は、常温において、前記第2の位相差層の基準光軸である中央部の光軸に対して異なる方向に形成され、前記第2の位相差層の基準光軸と前記第2の位相差層の4隅の光軸の交差角度が、右回りまたは左回りに0.5〜5°の範囲であり、前記第1の位相差層の基準光軸と、前記第2の位相差層の基準光軸とは直交する交差角度を有し、前記第1および第2の位相差層の温度が、投影中の温度である40℃〜60℃の場合に、前記第1の位相差層の4隅の光軸の方向が前記第1の位相差層の基準光軸に、前記第2の位相差層の4隅の光軸の方向が前記第2の位相差層の基準光軸に揃うように規定されたものである。あるいは、前記第1の位相差層および前記第2の位相差層は、いずれもが、前記第1の基板または前記第2の基板のいずれかの側に配置されているものである。
上記の本発明の投射型表示装置では、上記構成のため、第1および第2の位相差層は、面内における中央部の互いの光軸の交差角度を基準交差角度として、4隅を含む周辺部における交差角度が常温において異なって形成され、所定の温度、すなわち投射時の温度にまで上昇した際に4隅における互いの光軸の交差角度が基準交差角度に略一致するように規定されている。
このため、投射時においては第1および第2の位相差層の面内における位相差むらが抑制され、液晶層の面内において均一な光学補償がなされる。
本発明の位相差板によれば、使用状態における温度において適切な光学補償を行うことができる。
本発明の液晶パネルおよび投射型表示装置によれば、使用状態における温度において適切な光学補償を行うことができる位相差板を備えることにより、コントラストを向上させることができる。
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。下記内容は、主に、TN(Twisted Nematic)−LCDモードを用いた液晶プロジェクタを例に挙げて、説明する。しかし、本発明は、TN−LCDモードに限定されず、VA(Vertical Alignment)−LCDモードやSTN(Super Twisted Nematic)−LCDモードにも使用することができる。
<位相差板の光軸について>
まず、従来の高コントラスト投射型液晶プロジェクタの問題点について、説明する。
従来の位相差板を設置した高コントラスト液晶プロジェクタで投射された黒表示は、図1(a)と図1(b)に示すように、対角線上に明るい部分と暗い部分ができてしまうことがある。この品質不良の一因は、位相差板にあると考えられる。
位相差板は、2層以上の位相差層から形成されていることが多い。通常、長波長側へ向かってリタデーション(位相差値;複屈折と厚みの積で表される位相差板の特性)が高くなる波長分散(逆分散)が位相差板に要求されるが、単一の層のみでは位相差層を構成する高分子材料の波長分散は長波長側へ向かってリタデーションが低下する傾向があるため、2つの位相差層(あるいは位相差板)を用いることにより逆分散を得るためである。例えば、TN−LCDモードにおいて、2層の位相差層の光軸は、積層されたとき、室温(常温)で約90°の交差角度を有することが多い。
図2に示すように、室温(常温:25℃)において、各位相差板の光軸の交差角度は、中央部(A1)と四隅(B1,C1,D1,E1)で、ほぼ同じに構成されている。しかし、プロジェクタに位相差板を設置し投影していると、位相差板の温度は、投射光の影響により、40℃〜60℃くらいに上昇する。この温度の上昇によって、図3(a)または図3(b)に示すように、位相差板の光軸がずれる。すなわち、四隅の角度は、室温のときの角度より、小さくなったり、大きくなったりする。
例えば、図3(a)に示すように、中央部での光軸の交差角度A2が、90°のとき、光軸の交差角度B2及びD2が90°より小さくなった場合は、光軸角度C2及びE2の角度は、大きくなる。また、図3(b)に示すように、中央部での光軸の角度A2’が、90°のとき、光軸の角度B2’及びD2’が90°より大きくなった場合は、光軸角度C2’及びE2’の角度は、小さくなる。
上述した現象は、位相差層を形成している物質と位相差層を支持する基板の線膨張率が異なるために発生すると考えられる。すなわち、位相差層を構成する材料と基板の線膨張率の違いにより、位相差層の光軸がずれるのである。
したがって、位相差層を構成する材料と基板の線膨張率の違いにより、従来の技術では、対角線上に明るい部分と暗い部分を有する黒表示となる現象が発生していた。
上記線膨張率の違いにより、位相差層の面内端部の光軸がずれ、コントラストのムラが発生する。すなわち、温度が上昇するにつれ位相差板の光軸が変化するので、スクリーンの四隅における黒特性の変化が顕著に現れ、画像特性に問題が発生してしまう。
<位相差板の構成>
上記問題点を解決するために、本実施形態では、例として、以下に示すような位相差板の構成について説明する。位相差板の構成としては、大別して図4〜図6に示す3つの種類がある。
1つは、図4(a)および図4(b)に示すように、位相差板1aと位相差板1bとを組み合わせて用いる方法である。
位相差板1aは、透明なガラス基板などからなる基板2aと、基板2a上に形成された配向膜3aと、配向膜3a上に形成された第1の位相差層4aとを有する。配向膜3aに施された配向処理に応じて、第1の位相差層4aの光軸の向きが調整される。配向膜3aは、例えば光照射により配向が可能な光配向膜により形成される。第1の位相差層4aは、例えば液晶ポリマにより形成される。
位相差板1bは、透明なガラス基板などからなる基板2bと、基板2b上に形成された配向膜3bと、配向膜3b上に形成された第2の位相差層4bとを有する。配向膜3bおよび第2の位相差層4bの材料については、配向膜3aおよび第1の位相差層4aと同様である。
図5に示す位相差板1は、1つの基板2の一方面に、配向膜3aを介して第1の位相差層4aが形成され、さらに、配向膜3bと第2の位相差層4bとが積層されて構成された例である。
図6に示す位相差板1は、1つの基板2の一方面に配向膜3aを介して第1の位相差層4aが形成され、基板2の他方面に配向膜3bを介して第2の位相差層4bが形成されて構成された例である。
上記の位相差板1a,1bは、例えば液晶パネルの外側に配置されるか、液晶パネルに貼り付けられて使用される。また、位相差板1の場合には、基板2が液晶パネルの基板であってもよい。あるいは、位相差板1を液晶パネルに貼り付けるか、液晶パネルの外側に配置して使用してもよい。
本実施形態では、各位相差層4a,4bは、面内における光軸が常温において異なる方向に形成される。ここで、位相差層4a,4bにおいて、一般に屈折率が大きくなる方向を遅相軸といい、遅相軸の直角方向を進相軸という。ここでは、遅相軸を光軸という。なお、進相軸を光軸としてもよい。
図7(a)は第1の位相差層4aの常温における光軸の向きを示す模式図であり、図7(b)は第2の位相差層4bの常温における光軸の向きを示す模式図である。
第1の位相差層4aは、中央部における垂直方向の光軸Ax1を基準光軸として、周辺部における光軸Ax2,Ax3,Ax4,Ax5が常温において基準光軸Ax1とは異なる方向に形成されている。例えば、一方の対角線方向に存在する光軸Ax2,Ax3は、基準光軸Ax1に対して回転方向(右回り)Rにずれて形成されている。また、他方の対角線方向に存在する光軸Ax4,Ax5は、基準光軸Ax1に対して回転方向(左回り)Lにずれて形成されている。
第2の位相差層4bは、中央部における水平方向の光軸Bx1を基準光軸として、周辺部における光軸Bx2,Bx3,Bx4,Bx5が常温において基準光軸Bx1とは異なる方向に形成されている。例えば、一方の対角線方向に存在する光軸Bx2,Bx3は、基準光軸Bx1に対して回転方向(左回り)Lにずれて形成されている。また、他方の対角線方向に存在する光軸Bx4,Bx5は、基準光軸Bx1に対して回転方向(右回り)Rにずれて形成されている。
この結果、第1の位相差層4aと第2の位相差層4bの互いの光軸の交差角度は、図8(a)に示されるようになる。
すなわち、常温において、中央部での光軸の交差角度A3を90°に設定した場合に、一方の対角線上にある光軸の交差角度B3及びD3が90°より小さくなるように設定され、他方の対角線上にある光軸の交差角度C3及びE3は、90°より大きくなるように設定される。
あるいは、図8(b)に示すように、中央部での光軸の交差角度A3’を90°に設定した場合に、一方の対角線上にある光軸の交差角度B3’及びD3’を90°より大きく設定するときが好ましいときは、他方の対角線上における光軸の交差角度C3’及びE3’を90°より小さくする。
室温において、図8(a)および(b)に示すように、中央部での光軸の交差角度と、対角線上にある四隅の光軸の交差角度を変えることにより、投射型プロジェクタの動作時、すなわち、位相差板の温度が上昇したとき、図9(a)および図9(b)のように、光軸の交差角度を、面内で略一致させる。
上記したように、温度上昇に伴う位相差層の光軸のずれは、対角線方向に特に顕著となっている。このため、少なくとも対角線上に位置する4隅の光軸を中央部の光軸に対して異ならせることが好ましい。対角線上に位置する部分以外の光軸の向きは、中央部と4隅の中間に規定しても、中央部と同じに設定してもよい。例えば配向膜3a,3bとして光配向膜を用いる場合には、位相差層の面内における光軸の向きを多種類に調整可能である。しかし、通常のラビング処理により配向させる場合には、スループットの観点から面内における光軸の向きを多種類に調整することは困難なため、4隅の光軸のみを異ならせることが好ましい。
いずれにしても、常温において周辺部、特に4隅の交差角度を予め基準交差角度からずらしておき、使用状態の温度において周辺部における光軸の交差角度を基準交差角度に略一致させる。
上記の本実施形態に係る位相差板を投射型液晶表示装置に使用した場合に、実際に、図10に示すように、使用状態の温度において、むらのない高品位かつ高コントラストの画像を表示させることができた。
<位相差板の作製方法>
上記の位相差板の作製方法の例について説明する。なお、本例では、一例として、図4(a)に示す位相差板1aの作製方法について説明する。
まず、位相差板に用いる基板2aを作製する。基板2aとして、例えば、透明絶縁性基板を用意する。なお、液晶パネルと一体に作製する場合には、TFT素子などのスイッチング素子や透明電極が付いた透明絶縁基板であってもよい。
次に、基板2aの上に配向膜3aを塗布する。上記配向膜3aは、光硬化型配向膜を用いることが好ましい。光配向膜を形成する露光工程において、複数回の露光処理を行っても良いし、一枚のフォトマスクにおいて、一枚の位相差板の四隅に対応する領域の配向方向を変更しても良い。
次に、配向膜の上に位相差層材料を塗布する。例えば、位相差層材料として液晶ポリマを使用する。液晶ポリマは、配向膜の配向方向に従って液晶分子が配向する。これにより、面内に複数の光軸を有する位相差板1aを作製することができる。位相差板1bの作製方法については、位相差板1aと同様である。なお、位相差板1aと位相差板1bを貼り合せても良い。
このときの各位相差層4a、4bの法線方向に対するリタデーションは、80nm以下であることが好ましい。また、各位相差層4a,4bの光軸(配向軸)の方向が、少なくとも液晶層の面内における中央部分の光軸に対して、周辺部分が0.5°〜5°異なることが好ましい。これは、温度の上昇に伴い、上記の角度範囲で光軸の変化が確認されたためである。
図5および図6に示す位相差板1の作製では、さらに同一の基板に、配向膜3bおよび第2の位相差層4bを形成すればよい。
上記の本実施形態に係る位相差板により、室温における面内の光軸の交差角度の値を変更し、投射温度時においては、面内の光軸を揃えることが可能となる。この結果、本実施形態に係る位相差板により、液晶層の光学歪を面内において均一に補償することができる。
<液晶パネルおよび光変調手段の構成>
次に、上記の位相差板と液晶パネルを組み合わせて構成される光変調手段について、図11および図12を参照して説明する。
図11(a)では、入射側の偏光板11と、液晶パネル12と、出射側の偏光板13とを有する光変調手段10aにおいて、本実施形態に係る位相差板1aおよび位相差板1bが、液晶パネル12の前後に設置される例である。投射型表示装置に用いられる液晶パネル12の外側には、防塵ガラス12a,12bが存在する。防塵ガラス12a,12bの内側には、図示はしないが、液晶層とこれを挟む一対の基板が存在する。液晶パネル12の画素に入射した全ての光線は、各画素において光変調されて、投射レンズ14によって、スクリーン15に拡大投影される。
また、例えば、図11(b)に示す構成も可能である。光変調手段10bでは、防塵ガラス12a、12bを備えた液晶パネル12と、出射側の偏光板13の間に、2つの位相差板1a、1bが設置されている。あるいは、液晶パネル12と入射側の偏光板11の間に、位相差板1a、1bを設置してもよい。
さらに、図12(a)に示すように、独立した部品としての位相差板を設置するのではなく、液晶パネル12内に位相差層を作り込んでもよい。例えば、光変調手段10cでは、液晶パネル12の防塵ガラス12aの内側に第1の位相差層4aが形成され、防塵ガラスの内側に第2の位相差層4bが形成されている。この場合には、各位相差層4a,4bの光軸を規制するための配向膜は防塵ガラス12a,12bとの間、あるいは図示しない内側の基板との間に形成される。
また、図12(b)に示す光変調手段10dのように、液晶パネル12において出射側の防塵ガラス12bの内側に、2つの位相差層4a,4bを作製してもよい。あるいは、液晶パネル12において入射側の防塵ガラス12aの内側に、2つの位相差層4a,4bを形成してもよい。
なお、図示された構造だけでなく、液晶パネル12の防塵ガラス12a,12bの外側に配向膜を介して2つの位相差層4a,4bを形成してもよい。この場合には、各防塵ガラス12a,12b上に1つずつの位相差層を形成しても、一方の防塵ガラス上にのみ2つの位相差層を形成してもよい。また、マイクロレンズを搭載した液晶パネルにも使用することができる。
図11および図12に示すように本発明の位相差板あるいは位相差層を用いることにより、高コントラストかつ高品質の投射画像を得ることが出来る。
<液晶プロジェクタ装置の構成>
次に、上記の光変調手段10a〜10dのいずれかを用いて構成される投射型液晶表示装置について説明する。
図13は、本実施形態の投射型液晶表示装置の全体構成の一例を示す図である。本実施形態の投射型液晶表示装置20は、3枚の透過型液晶パネルを用いて画像表示を行ういわゆる3板式の投射型液晶表示装置である。しかし、本発明は、3板式の投射型液晶表示装置だけに限らず、1枚の透過型液晶パネルを用いて画像表示を行ういわゆる単板式の投射型液晶表示装置に用いることもできる。以下に詳細について説明する。
3板式の投射型液晶表示装置では、赤(R)、緑(G)、青(B)の各色に、光変調手段10R,10G,10Bが設置される。光変調手段10R,10G,10Bの構成は、図11および図12を参照して説明した光変調手段10a〜10dのいずれかに相当する。
図13に示されている投射型液晶表示装置20において、ランプ22はリフレクタ22aの焦点位置に発光部22bを有し、ランプ22から照射する光は、リフレクタ22aの光軸に、ほぼ平行な光として、その開口部から前方に出射される。
ランプ22の後段には、光変調手段10R、10G、10B中の液晶パネルの被照射領域(画素形成のための光変調を行う有効開口に相当する)のアスペクト比にほぼ等しい相似型をした外形を有している複数のレンズセルが、例えば、正方配列されているマルチレンズアレイ23と、上記マルチレンズアレイ23のレンズセルに対向するように複数のレンズセルが形成されているマルチレンズアレイ24が配置されている。このマルチレンズアレイ23、24で集光された光は、偏光変換ブロック25によって、所定の偏光方向の光に偏光される。すなわち、ランプ22から出射した無偏光(P偏光波+S偏光波)の光は、偏光変換ブロック25を通過することによって、光変調手段10R、10G、10Bに対応した所定の偏光方向(例えば、P偏光波)の光に変換される。
偏光変換ブロック25によって、例えばP偏光波に変換された光は、偏光変換ブロック25の後段に配置されている平凸レンズ26に入射する。この平凸レンズ26は、偏光変換ブロック25からの光を集光して、効率良く、光変調手段10R、10G、10Bを照射する。
平凸レンズ26から出射した光、すなわち白色光は、まず赤色光Rを通過するダイクロイックミラー27に入射して、ここで赤色光Rは通過し、緑色G及び青色光Bが反射する。このダイクロイックミラー27を透過した赤色光Rはミラー28により、進行方向を例えば90°曲げられて平凸レンズ29を介して光変調手段10Rに導かれる。
一方、ダイクロイックミラー27で反射した緑色光G及び青色光Bは、青色光Bを透過するダイクロイックミラー30に入射して、緑色光Gと青色光Bに分離される。すなわち、緑色光Gは反射して、平凸レンズ31を介して光変調手段10Gに導かれる。また、青色光Bはダイクロイックミラー30を透過して直進し、リレーレンズ32、ミラー33、リレーレンズ34、ミラー35、平凸レンズ36を介して光変調手段10Bに導かれる。
光変調手段10R、10G、10Bで光変調された各色光は、それぞれクロスプリズム37に入射する。このクロスプリズム37は、例えば複数のガラスプリズムを接合して外形が形成される。各ガラスプリズムの接合面には、所定の光学特性を有している干渉フィルタ37a、37bが形成されている。例えば、干渉フィルタ37aは赤色光Rを反射して緑色光Gを透過するように構成されている。また、干渉フィルタ37bは、青色光Bを反射して緑色光Gを透過するように構成されている。したがって、赤色光Rは干渉フィルタ37aで、また青色光Bは干渉フィルタ37bで投射レンズ38の方向に反射される。そして、緑色光Gは、干渉フィルタ37a、37bを透過することにより、投射レンズ38に到達し、ここで各色光が1つの光軸に合成されるようになる。
上記の本実施形態に係る投射型液晶表示装置では、上記した本実施形態に係る位相差層あるいは位相差板を備えることにより、高コントラスト、かつ、コントラストむらのない高品質の表示を得ることができる。特に、単独の部品としての位相差板ではなく、位相差層4a,4bを備えた液晶パネルを用いることにより、投射型液晶表示装置の小型化を図ることができる。
本発明は、上記の実施形態の説明に限定されない。
本発明の位相差板あるいは位相差層は、TN−LCD型の液晶パネルやVA−LCD型の液晶パネルを用いた投射型液晶表示装置だけでなく、直視型の液晶パネルにも同様に適用することができる。
その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能である。
温度上昇に伴って発生するコントラストむらを説明するための図である。 従来の位相差層の光軸設計の一例を示す図である。 投射時の温度における位相差層の光軸の変化を説明するための図である。 本実施形態に係る位相差板の構成を説明するための図である。 位相差板の他の構成例を示す図である。 位相差板の他の構成例を示す図である。 各位相差層の常温における光軸の向きを示す図である。 常温における2つの位相差層の光軸の交差角度を示す図である。 投射温度における2つの位相差層の光軸の交差角度を示す図である。 本実施形態に係る位相差板の効果を説明するための図である。 本実施形態に係る液晶パネルの構成を示す図である。 本実施形態に係る液晶パネルの構成を示す図である。 本実施形態に係る投射型表示装置の構成を示す図である。
符号の説明
1,1a,1b…位相差板、2…基板、2a…第1の基板,2b…第2の基板、3a,3b…配向膜、4a…第1の位相差層、4b…第2の位相差層、10a,10b,10c,10d…光変調手段、11…偏光板、12…液晶パネル、12a…防塵ガラス、12b…防塵ガラス、13…偏光板、14…投射レンズ、15…スクリーン、20…投射型表示装置、22…ランプ、22a…リフレクタ、22b…発光部、23,24…マルチレンズアレイ、25…偏光変換ブロック、26…平凸レンズ、27…ダイクロイックミラー、28…ミラー、29…平凸レンズ、30…ダイクロイックミラー、31…平凸レンズ、32…リレーレンズ、33…ミラー、34…リレーレンズ、35…ミラー、36…平凸レンズ、37…クロスプリズム、37a…干渉フィルタ、37b…干渉フィルタ、38…投射レンズ

Claims (11)

  1. 基板と、
    前記基板上に、液晶ポリマを使用して形成された位相差層とを有し、
    前記位相差層の4隅の光軸は、常温において、前記位相差層の基準光軸である中央部の光軸に対して異なる方向に形成され、前記基準光軸と前記4隅の光軸の交差角度が、右回りまたは左回りに0.5〜5°の範囲であり、
    前記位相差層の温度が40℃〜60℃の場合に、前記4隅の光軸の方向が前記基準光軸に揃うように規定された、
    投射型液晶表示装置用の位相差板。
  2. 前記位相差層の前記4隅の光軸において、前記位相差層の第1の対角線方向の二つの隅の光軸は前記基準光軸に対して、右回りまたは左回りの第1の回転方向に前記交差角度を有し、前記第1の対角線と交差する第2の対角線方向の二つの隅の光軸は前記基準光軸に対して、前記第1の回転方向とは逆向きの第2の回転方向に前記交差角度を有する、
    請求項1記載の投射型液晶表示装置用の位相差板。
  3. 基板と、
    前記基板上に、各々液晶ポリマを使用して形成された第1の位相差層および第2の位相差層とを有し、
    前記第1の位相差層の4隅の光軸は、常温において、前記第1の位相差層の基準光軸である中央部の光軸に対して異なる方向に形成され、前記第1の位相差層の基準光軸と前記第1の位相差層の4隅の光軸の交差角度が、右回りまたは左回りに0.5〜5°の範囲であり、
    前記第2の位相差層の4隅の光軸は、常温において、前記第2の位相差層の基準光軸である中央部の光軸に対して異なる方向に形成され、前記第2の位相差層の基準光軸と前記第2の位相差層の4隅の光軸の交差角度が、右回りまたは左回りに0.5〜5°の範囲であり、
    前記第1の位相差層の基準光軸と、前記第2の位相差層の基準光軸とは直交する交差角度を有し、
    前記第1および第2の位相差層の温度が40℃〜60℃の場合に、前記第1の位相差層の4隅の光軸の方向が前記第1の位相差層の基準光軸に、前記第2の位相差層の4隅の光軸の方向が前記第2の位相差層の基準光軸に揃うように規定された、
    投射型液晶表示装置用の位相差板。
  4. 前記第1の位相差層の4隅の光軸において、前記第1の位相差層の第1の対角線方向の二つの隅の光軸は前記第1の位相差層の基準光軸に対して、右回りまたは左回りの第1の回転方向に前記交差角度を有し、前記第1の位相差層の第1の対角線と交差する第2の対角線方向の二つの隅の光軸は前記第1の位相差層の基準光軸に対して、前記第1の回転方向とは逆向きの第2の回転方向に前記交差角度を有し、
    前記第2の位相差層の4隅の光軸において、前記第2の位相差層の第1の対角線方向の二つの隅の光軸は前記第2の位相差層の基準光軸に対して、前記第2の回転方向に前記交差角度を有し、前記第2の位相差層の第1の対角線と交差する第2の対角線方向の二つの隅の光軸は前記第2の位相差層の基準光軸に対して、前記第1の回転方向に前記交差角度を有し、
    前記第1の位相差層の第1の対角線方向と、前記第2の位相差層の第1の対角線方向とは同一方向である、
    請求項3記載の投射型液晶表示装置用の位相差板。
  5. 前記第1および第2の位相差層は、法線方向におけるリタデーションが面内において10nm以上80nm以下となるように形成された、
    請求項3記載の投射型液晶表示装置用の位相差板。
  6. 液晶層と、
    前記液晶層の外側に対向して配置された第1の基板および第2の基板と、
    前記第1の基板の前記液晶層と接する側とは反対側の上に、液晶ポリマを使用して形成された第1の位相差層と、
    前記第2の基板の前記液晶層と接する側とは反対側の上に、液晶ポリマを使用して形成された第2の位相差層とを有し、
    前記第1の位相差層の4隅の光軸は、常温において、前記第1の位相差層の基準光軸である中央部の光軸に対して異なる方向に形成され、前記第1の位相差層の基準光軸と前記第1の位相差層の4隅の光軸の交差角度が、右回りまたは左回りに0.5〜5°の範囲であり、
    前記第2の位相差層の4隅の光軸は、常温において、前記第2の位相差層の基準光軸である中央部の光軸に対して異なる方向に形成され、前記第2の位相差層の基準光軸と前記第2の位相差層の4隅の光軸の交差角度が、右回りまたは左回りに0.5〜5°の範囲であり、
    前記第1の位相差層の基準光軸と、前記第2の位相差層の基準光軸とは直交する交差角度を有し、
    前記第1および第2の位相差層の温度が40℃〜60℃の場合に、前記第1の位相差層の4隅の光軸の方向が前記第1の位相差層の基準光軸に、前記第2の位相差層の4隅の光軸の方向が前記第2の位相差層の基準光軸に揃うように規定された、
    投射型液晶表示装置用の液晶パネル。
  7. 液晶層と、
    前記液晶層の外側に対向して配置された第1の基板および第2の基板と、
    前記第1の基板または前記第2の基板のいずれかの、前記液晶層と接する側とは反対側の上に、各々液晶ポリマを使用して形成された第1の位相差層および第2の位相差層とを有し、
    前記第1の位相差層の4隅の光軸は、常温において、前記第1の位相差層の基準光軸である中央部の光軸に対して異なる方向に形成され、前記第1の位相差層の基準光軸と前記第1の位相差層の4隅の光軸の交差角度が、右回りまたは左回りに0.5〜5°の範囲であり、
    前記第2の位相差層の4隅の光軸は、常温において、前記第2の位相差層の基準光軸である中央部の光軸に対して異なる方向に形成され、前記第2の位相差層の基準光軸と前記第2の位相差層の4隅の光軸の交差角度が、右回りまたは左回りに0.5〜5°の範囲であり、
    前記第1の位相差層の基準光軸と、前記第2の位相差層の基準光軸とは直交する交差角度を有し、
    前記第1および第2の位相差層の温度が40℃〜60℃の場合に、前記第1の位相差層の4隅の光軸の方向が前記第1の位相差層の基準光軸に、前記第2の位相差層の4隅の光軸の方向が前記第2の位相差層の基準光軸に揃うように規定された、
    投射型液晶表示装置用の液晶パネル。
  8. 前記第1の位相差層の4隅の光軸において、前記第1の位相差層の第1の対角線方向の二つの隅の光軸は前記第1の位相差層の基準光軸に対して、右回りまたは左回りの第1の回転方向に前記交差角度を有し、前記第1の位相差層の第1の対角線と交差する第2の対角線方向の二つの隅の光軸は前記第1の位相差層の基準光軸に対して、前記第1の回転方向とは逆向きの第2の回転方向に前記交差角度を有し、
    前記第2の位相差層の4隅の光軸において、前記第2の位相差層の第1の対角線方向の二つの隅の光軸は前記第2の位相差層の基準光軸に対して、前記第2の回転方向に前記交差角度を有し、前記第2の位相差層の第1の対角線と交差する第2の対角線方向の二つの隅の光軸は前記第2の位相差層の基準光軸に対して、前記第1の回転方向に前記交差角度を有し、
    前記第1の位相差層の第1の対角線方向と、前記第2の位相差層の第1の対角線方向とは同一方向である、
    請求項6または7記載の投射型液晶表示装置用の液晶パネル。
  9. 前記第1および第2の位相差層は、法線方向におけるリタデーションが面内において10nm以上80nm以下となるように形成された、
    請求項6または7記載の投射型液晶表示装置用の液晶パネル。
  10. 光源と、
    前記光源からの光を変調する液晶パネルと、
    前記液晶パネルにより変調された光を投射する投射手段とを有し、
    前記液晶パネルは、液晶層、前記液晶層の外側に対向して配置された第1の基板および第2の基板、前記第1の基板の前記液晶層と接する側とは反対側の上に液晶ポリマを使用して形成された第1の位相差層、ならびに前記第2の基板の前記液晶層と接する側とは反対側の上に液晶ポリマを使用して形成された第2の位相差層、を備え、
    前記第1の位相差層の4隅の光軸は、常温において、前記第1の位相差層の基準光軸である中央部の光軸に対して異なる方向に形成され、前記第1の位相差層の基準光軸と前記第1の位相差層の4隅の光軸の交差角度が、右回りまたは左回りに0.5〜5°の範囲であり、
    前記第2の位相差層の4隅の光軸は、常温において、前記第2の位相差層の基準光軸である中央部の光軸に対して異なる方向に形成され、前記第2の位相差層の基準光軸と前記第2の位相差層の4隅の光軸の交差角度が、右回りまたは左回りに0.5〜5°の範囲であり、
    前記第1の位相差層の基準光軸と、前記第2の位相差層の基準光軸とは直交する交差角度を有し、
    前記第1および第2の位相差層の温度が40℃〜60℃の場合に、前記第1の位相差層の4隅の光軸の方向が前記第1の位相差層の基準光軸に、前記第2の位相差層の4隅の光軸の方向が前記第2の位相差層の基準光軸に揃うように規定された、
    投射型液晶表示装置。
  11. 光源と、
    前記光源からの光を変調する液晶パネルと、
    前記液晶パネルにより変調された光を投射する投射手段とを有し、
    前記液晶パネルは、液晶層、前記液晶層の外側に対向して配置された第1の基板および第2の基板、ならびに前記第1の基板または前記第2の基板のいずれかの前記液晶層と接する側とは反対側の上に各々液晶ポリマを使用して形成された第1の位相差層および第2の位相差層、を備え、
    前記第1の位相差層の4隅の光軸は、常温において、前記第1の位相差層の基準光軸である中央部の光軸に対して異なる方向に形成され、前記第1の位相差層の基準光軸と前記第1の位相差層の4隅の光軸の交差角度が、右回りまたは左回りに0.5〜5°の範囲であり、
    前記第2の位相差層の4隅の光軸は、常温において、前記第2の位相差層の基準光軸である中央部の光軸に対して異なる方向に形成され、前記第2の位相差層の基準光軸と前記第2の位相差層の4隅の光軸の交差角度が、右回りまたは左回りに0.5〜5°の範囲であり、
    前記第1の位相差層の基準光軸と、前記第2の位相差層の基準光軸とは直交する交差角度を有し、
    前記第1および第2の位相差層の温度が40℃〜60℃の場合に、前記第1の位相差層の4隅の光軸の方向が前記第1の位相差層の基準光軸に、前記第2の位相差層の4隅の光軸の方向が前記第2の位相差層の基準光軸に揃うように規定された、
    投射型液晶表示装置。
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