JP4639429B2 - インバータ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般家庭や工場、店舗、事務所などの産業用として使用される、空調機器、家事機器、回転調理器などに使用される電動機、またはエンジンや風車などの動力から電気パワーを得るための発電機等の電気機械と、この電気機械に電力を供給するまたは電力を引き出して直流の電気パワーに変換するインバータ回路と、前記電気機械とインバータ回路とを組み合わせたインバータ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のインバータ装置は、図13に示している構成となっている。すなわち、直流電源1とインバータ回路2と電動機3の巻線を有しているものである。直流電源1は、100Vで60Hzの商用電源4と、商用電源4に接続した整流回路5と、整流回路5の出力に接続した平滑用のチョークコイル6と平滑用のコンデンサ7を有している。
【0003】
インバータ回路2は、直流電源1からの直流電圧を受けて動作するもので、スイッチング素子8、9、10、11、12、13と、ダイオード14、15、16、17、18、19と、各スイッチング素子のオンオフを制御する制御回路20によって構成されている。
【0004】
電動機3を構成する巻線21,22,23は、前記インバータ回路2の出力に接続されている。
【0005】
図14は、電動機3の構成を示す断面図である。電動機3は、回転子24と固定子25を有しており、回転子24は軸26を中心に回転自在となっている。
【0006】
また回転子24は、4つの歯部のある鉄心27で構成している。固定子25は、コイル29、30、31、32、33、34を巻装した6つの歯部を有している鉄心28で構成している。
【0007】
図15は、電動機3の各コイルの結線図を示したものである。コイル29とコイル30とは直列に接続して巻線21となっており、3相電動機を構成する3相巻線の内の1相を構成し、同様にコイル31とコイル32とは直列に接続して巻線22となっており他の1相を、またコイル33とコイル34とは直列に接続されて巻線23となっており、さらに他の1相を構成している。巻線21と巻線22と巻線23の両端は、端子a、b、c、d、e、fとなっている。
【0008】
このとき、回転子24と固定子25の双方に設けている歯部の重なり度合いは、回転子24の回転角度によって変化するものである。従って前記巻線21,巻線22,巻線23の自己インダクタンスの値は、回転子24の回転によって増減するものとなる。
【0009】
以上の構成で、従来のインバータ装置は、制御回路20がスイッチング素子8、9、10、11、12、13のオンオフを制御することによって回転子27を回転駆動でき、直流電源1の電気パワーを動力パワーに変換して利用することができるものとなっている。すなわち、制御回路20はスイッチング素子8、9、10、11、12、13のオンオフを正確に制御することによって、巻線21、巻線22、巻線23に順序よく電流の供給が行われ、各巻線が発生する磁界によって回転子27を駆動するトルクが発生するものである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来の構成のものは、インバータ回路2を構成する部品の点数が多く、特にスイッチング素子を6個使用するため、構成が複雑で装置のコストが高くなり、形状も大となるという課題を有している。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、第2の物体が有する(360/N)度に配置したN個の巻線の接続を1個の共通端子とN個の電気機械端子に接続し、その内の1相の巻線は、前記共通端子から電流を流した際に発生する磁束の向きが、他のN−1相の巻線に対して逆となり、前記インバータ回路は、コンデンサと、少なくとも1個の電源端子と、ダイオードとスイッチング素子の直列回路をN個有し、それぞれダイオードとスイッチング素子の接続点を前記電気機械端子に接続し、前記N個の直列回路の内少なくとも1個は高電位側をスイッチング素子とし低電位側をダイオードとし、前記N個の直列回路の内少なくとも1個は低電位側をスイッチング素子とし高電位側をダイオードとし、前記N個の直列回路の両端は並列接続され、その一方の端子を前記電源端子とし、他の端子には前記コンデンサの一方の端子を接続し、前記コンデンサの他方の端子は、前記共通端子、および前記電源端子に接続される前記直流電源の一端子に接続した構成として、スイッチング素子の使用数を従来の技術に比較して少なく、またスイッチング素子の駆動回路の数も少ない簡単な構成で、低コスト化、小形化、軽量化したインバータ装置としている。
【0012】
【発明の実施の形態】
請求項1に記載した発明は、直流電源と電気機械とインバータ回路を有し、前記電気機械は、永久磁石を有する第1の物体と、前記第1の物体と相対的に運動可能で前記永久磁石からの磁束を受けるN相の巻線を有する第2の物体と、1個の共通端子と、N個の電気機械端子を有し、前記巻線は互いにほぼ(360/N)度の電気角を隔てて設けており、前記巻線の一方の端子はいずれも前記共通端子に接続しており、かつ前記巻線の他方の端子は、前記電気機械端子であり、1相の巻線は前記共通端子から電流を流した際に発生する磁束の向きが、他の(N−1)相の巻線に対して逆となり、前記インバータ回路は、コンデンサと、少なくとも1個の電源端子と、ダイオードとスイッチング素子の直列回路をN個有し、それぞれダイオードとスイッチング素子の接続点を前記電気機械端子に接続し、前記N個の直列回路の内少なくとも1個は高電位側をスイッチング素子とし低電位側をダイオードとし、前記N個の直列回路の内少なくとも1個は低電位側をスイッチング素子とし高電位側をダイオードとし、前記N個の直列回路の両端は並列接続され、その一方の端子を前記電源端子とし、他の端子には前記コンデンサの一方の端子を接続し、前記コンデンサの他方の端子は、前記共通端子、および前記電源端子に接続される前記直流電源の一端子に接続した構成として、スイッチング素子の使用数を従来の技術に比較して少なく、またスイッチング素子の駆動回路の数も少ない簡単な構成で、低コスト化、小形化、軽量化したインバータ装置としている。
【0013】
請求項2に記載した発明は、直流電源と電気機械とインバータ回路を有し、前記電気機械は、磁性体を有する第1の物体と、前記第1の物体と相対的に運動可能で運動によりインダクタンスが変化するN相の巻線を有する第2の物体と、1個の共通端子と、N個の電気機械端子を有し、前記巻線は互いにほぼ(360/N)度の電気角を隔てて設けており、前記巻線の一方の端子はいずれも前記共通端子に接続しており、かつ前記巻線の他方の端子は、前記電気機械端子であり、1相の巻線は前記共通端子から電流を流した際に発生する磁束の向きが、他の(N−1)相の巻線に対して逆となり、前記インバータ回路は、コンデンサと、少なくとも1個の電源端子と、ダイオードとスイッチング素子の直列回路をN個有し、それぞれダイオードとスイッチング素子の接続点を前記電気機械端子に接続し、前記N個の直列回路の内少なくとも1個は高電位側をスイッチング素子とし低電位側をダイオードとし、前記N個の直列回路の内少なくとも1個は低電位側をスイッチング素子とし高電位側をダイオードとし、前記N個の直列回路の両端は並列接続され、その一方の端子を前記電源端子とし、他の端子には前記コンデンサの一方の端子を接続し、前記コンデンサの他方の端子は、前記共通端子、および前記電源端子に接続される前記直流電源の一端子に接続した構成として、スイッチング素子の使用数を従来の技術に比較して少なく、またスイッチング素子の駆動回路の数も少ないでき、かつ減磁による性能の劣化がなく、また簡単な構成のインバータ装置としている
【0014】
請求項に記載した発明は、特に、請求項1または2に記載した発明において、N=3とした構成として、簡単な構成の3相式の電気機械を有するインバータ装置を実現している
【0015】
請求項に記載した発明は、特に、請求項1〜3のいずれか1項に記載した発明において、電源端子に接続したスイッチング素子をオンさせてコンデンサを充電して起動し、直流電源からの電力を電気機械に供給するようにして、スイッチング素子がターンオフする際に各巻線のインダクタンスが蓄えたエネルギーを有効に再利用でき、スイッチング素子の使用数が少なく、また第1の物体と前記第2の物体との相対位置がいかなる条件であっても起動が容易にできる低コスト、小形、軽量のインバータ装置としている
【0016】
【実施例】
(実施例1)
以下、本発明の第1の実施例について説明する。本実施例は、電動機を駆動するあるいは制御するインバータ装置に関するものである。図1はこのインバータ装置の構成を示す回路図である。
【0017】
本実施例のインバータ装置は、直流電源41と、インバータ回路42と、電動機43によって構成している。
【0018】
直流電源41は、100Vで60Hzの商用電源44と、商用電源44に接続した整流回路45と、整流回路45の出力に接続した平滑用のチョークコイル46と平滑用のコンデンサ47を有している。
【0019】
ただし、直流電源41は必ずしもこのような構成でなければならないというものではなく、例えば電解式のコンデンサを2個使用した倍電圧整流形のものを使用してもよく、またバッテリを使用したものであってもかまわない。
【0020】
インバータ回路42は、直流電源41から供給される直流電圧を受けて動作するもので、コンデンサ48と、電源端子49と、3相の電動機43を接続する3個の電気機械端子50、51、52と、前記3相の電動機の共通端となっている共通端子68と、直列回路55,58,61と、制御回路62を備えている。
【0021】
直列回路55は、ダイオード53とスイッチング素子54で、直列回路58は、ダイオード56とスイッチング素子57で、直列回路61はダイオード59とスイッチング素子60によって構成している。また前記各直列回路のダイオードとスイッチング素子の接続点は、前記電気機械端子50、51、52に接続している。
【0022】
また本実施例では、前記3個の直列回路55、58、61の内の1個である直列回路61については、直流電源41の高電位側にスイッチング素子60を、低電位側にダイオード59を接続している。また直列回路55、58については、いずれも直流電源41の低電位側にスイッチング素子54またはスイッチング素子57を、直流電源41の高電位側にダイオード53またはダイオード56を接続している。
【0023】
また3個の直列回路55、58、61の両端は並列に接続しており、その低電位側を前記電源端子49に、直流電源41のマイナス側と共に接続している。
【0024】
また、並列接続された3個の直列回路55、58、61の高電位側の接続点には、コンデンサ48のプラス側を接続しており、コンデンサ48のマイナス側は、共通端子68に接続している直流電源41のプラス側に接続している。
【0025】
なお、前記スイッチング素子54、57、60のゲートは制御回路62に接続されていて、制御回路62は前記各スイッチング素子をオンオフ制御している。
【0026】
図2は、電動機43の構成を示す断面図である。本実施例の電動機は、一般的に回転子またはロータと称されている第1の物体63と、固定子またはステータと称されているを有している。第1の物体63は、永久磁石94、95、96、97、98、99、100、101と、バックヨークとも称されている鉄心102と、軸103を有している。軸103には、図示していない負荷を接続しており、第1の物体63の回転を外部に伝達するようになっている。前記各永久磁石94〜101と鉄心102とは磁路を構成している。軸103は第1の物体63の中心を貫通するように設けており、第1の物体63は軸103を中心に回転自在となっている。
【0027】
第2の物体64は、前記永久磁石94〜101からの磁束を受けるように配置した3相の巻線を有している。 前記永久磁石94、96、98、100は、外側、すなわち第2の物体64に対向する側がS極となるように、また永久磁石95、97、99、101は外側、すなわち第2の物体64に対向する側がN極となるように着磁がなされている。
【0028】
また第2の物体64は、珪素鋼板を積層して構成した鉄心と、前記3相の巻線を構成するコイル81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92と、3個のホールIC104,105,106を有している。すなわち、前記鉄心は等角度に設けた12カ所の歯部を有しており、この歯部に前記コイル81〜92を巻装しているものである。また、前記3個のホールIC104、105、106は、いずれも第1の物体63に対向する各永久磁石94〜101の極性を検知し、この信号を前記制御回路62に伝達している。すなわち、本実施例のホールICは、N極が対向している場合にはHIGH信号を、S極が対向している場合にはLOW信号を出力するものである。制御回路62は、この信号によって第1の物体63の回転位置を検知するものである。
【0029】
図3は、前記コイル81〜92の接続を説明する結線図である。本実施例では、外部回路に接続する端子は、共通端子68と、端子69、70、71の合計4個としている。すなわち、従来の技術が、インバータ回路と電動機の間に合計6本の配線を施す構成となっているのに対して、インバータ回路42から電動機43への配線が4本ですむ簡単な構成となっているものである。
【0030】
巻線65は、コイル81とコイル84とコイル87とコイル90とを直列に接続した構成としており、この一端は端子69に接続しており、他端は共通端子68に接続している。巻線66は、コイル82とコイル85とコイル88とコイル91とを直列に接続した構成としており、一端は端子70に他端は共通端子68に接続している。また巻線67は、コイル83とコイル86とコイル89とコイル92とを直列に接続した構成としており、一端は端子71に他端は共通端子68に接続している。
【0031】
巻線65と巻線66と巻線67は、互いに120度の電気角を隔てて配置しており、3相電動機の各巻線を構成している。
【0032】
ただし各コイルは、黒丸印を付した側から電流を通じた場合には、各コイルに面している第1の物体63側にN極が生ずる方向の磁界を発生するように構成されているものである。すなわち本実施例では、図3に明示しているように、3相巻線を構成する1相の巻線67については、黒丸印の方向を巻線65と巻線66に対して逆としているものである。つまり共通端子68から電流を流した際に発生する磁束の向きは、他の2相の巻線65、66に対して逆となるように構成しているものである。
【0033】
なお本実施例では、前記しているように、コイル81〜92を第2の物体64を構成する鉄心の突部分(ティースと呼ばれる)である歯部に集中して巻装している。このような構成は、突極集中巻などと呼ばれることもあるが、コイルエンド部分の銅線長が短くて済むことから銅損が少ない高効率の電動機を実現できるものである。また、例えば3相巻線を構成する各コイルを12個の歯部に巻装した後、後から溶接等の方法で接続することができるため、製造が容易となるものである。
【0034】
しかし、本発明は特にこのような突極集中巻の構成に限るものではなく、分布係数が1以下となる構成であってもよく、また各巻線の配置についても電気角120度に限るものでもなく、180度の3相巻線などであってもよい。
【0035】
以下、本実施例の動作について説明する。図4は、本実施例の電動機43を反時計方向に回転駆動している状態での各部の動作を示す波形図である。図4(ア)はホールIC104の出力論理波形を、図4(イ)はホールIC105の出力論理波形を、図4(ウ)はホールIC106の出力論理波形を示している。また図4(エ)、図4(オ)、図4(カ)はいずれも制御回路62のスイッチングを制御する制御信号を示す波形を示している。すなわち、図4(エ)はスイッチング素子54に対する波形を、図4(オ)はスイッチング素子57に対する波形を、図4(カ)はスイッチング素子60に対する波形を示している。
【0036】
時刻t5では、第1の物体63はちょうど図2に示している位置となっている。この状態で、スイッチング素子54がオンされると共通端子68から巻線65を経て端子69に電流が流れる。このため、第1の物体63は、反時計方向にトルクを受けるものである。
【0037】
また時刻t6で、制御回路62がスイッチング素子54をオフすると、巻線65のインダクタンスに蓄えられたエネルギーは、ダイオード53を通ってコンデンサ48に蓄えられる。時刻t4におけるスイッチング素子57のターンオフ時についても同様である。
【0038】
時刻t6〜時刻t8の期間には、コンデンサ48が前記充電した電荷を放電して、スイッチング素子60から巻線67に電流が流れる。このとき、巻線67は他の2相の巻線65、66に対して逆の極性で巻かれているものである。このため、巻線67に流れる電流の向きが、端子71から共通端子68への方向となっていても、やはり内側にS極を発生させる向きとなり、第1の物体63は、依然として反時計方向のトルクを受けるものとなる。
【0039】
時刻t8でスイッチング素子60がターンオフすると、巻線67のインダクタンスに蓄えられた電荷が、ダイオード59を通して放電されさらに若干の電流が巻線67に流れ、インダクタンスに蓄えられた電荷が直流電源41にほぼ完全に回収されたのち巻線67の電流がなくなるものとなる。
【0040】
以上の様に、本実施例では特に3相式の電動機を制御するインバータ装置として、3相で3石という極めて簡単な構成のものを実現するものである。また本実施例によれば、スイッチング素子のターンオフ時に巻線が有しているインダクタンスに電荷を蓄え、この電荷をコンデンサ48に一旦蓄えた後、再び巻線を流れて、第1の物体63を回転させる動力として利用しながら、直流電源41に回生させるようにしているものである。すなわち、効率の高いインバータ装置を実現しているものである。
【0041】
特に本実施例の接続構成とした場合には、直流電源から供給された電力は、第1の物体63を回転させるエネルギーとして使用されると共に、残りのエネルギーのコンデンサ48に一旦回生されて、3相巻線の内の1相を構成する巻線67に流れるものである。このため、使用しているスイッチング素子の数を3石とでき、非常に簡単な構成とできるものである。また、使用する各スイッチング素子の定格もほぼ近いものとする事ができる。
【0042】
図5は、本実施例のインバータ回路42の起動時の動作を示す波形図である。図5(ア)はスイッチング素子54のゲート信号、図5(イ)はスイッチング素子57のゲート信号、図5(ウ)はスイッチング素子60のゲート信号を示している。
【0043】
制御回路62は、電源端子49に接続しているスイッチング素子54とスイッチング素子57を共に、時刻t1から時刻t2の期間内に、断続的に12回オンオフして、コンデンサ48を充電してから起動し、直流電源41からの電力を電動機43に供給している。
【0044】
このとき、ホールIC104,105,106の出力信号は、図示していないが、時刻t1の時点では図4の時刻t7〜時刻t8に示す条件となっている。
【0045】
すなわち、第1の物体63と第2の物体64の相対位置がこの位置である場合に、第1の物体63を反時計方向に起動する場合には、巻線67に端子71から共通端子68に向けて電流を流す必要がある。
【0046】
しかしながら、図5の時刻t1の時点でスイッチング素子60をオンさせても、コンデンサ48には電荷が蓄えられてないため、巻線67には電流が供給されないものである。
【0047】
この点本実施例では、制御回路62は、時刻t1から時刻t2にかけて、スイッチング素子54とスイッチング素子57に対して1msオンの信号を、間に1msのオフ期間を挟んで12回連続的に加えている。このため、スイッチング素子54とスイッチング素子57のターンオフの期間に、巻線65と巻線66のインダクタンスに蓄えられたエネルギーが、コンデンサ48に蓄えられるものである。このため、時刻t2でスイッチング素子60がオンされた際に、前記コンデンサ48が蓄積した充電電流が巻線67に供給されるものである。この結果、第1の物体63は起動トルクが得て、反時計方向に回転するものである。
【0048】
したがって本実施例によれば、いずれの位置に第1の物体63が停止していても、容易に起動できる起動性能の良いインバータ装置を実現できるものである。
【0049】
(実施例2)
続いて本発明の第2の実施例について説明する。図6は、本実施例で使用している電動機の構成を示す断面図である。
【0050】
本実施例では、第1の物体110は磁性体111によって構成している。磁性体111は例えば珪素鋼板の薄板を積層した構成の鉄心としている。また、磁性体111は十字型に形成した歯部を有しており、軸120を中心に回転自在となっている。第2の物体112は、実施例1と同様に珪素鋼板の薄板を積層して構成した鉄心113と、コイル114〜119を有している。鉄心113は、第1の物体110側に突出している歯部を有しており、この歯部に前記コイル114〜119を巻装している。
【0051】
図7は、本実施例の電動機の各巻線の結線を示す結線図である。各コイルの片側に付した黒丸印は、コイルの極性を示している。すなわち黒丸印のある側から電流を流し込んだ場合には、コイルから発生する磁界が第2の物体112の内側、すなわち第2の物体112と対向している第1の物体110にS極を発生させることを示している。
【0052】
コイル114とコイル115は直列に接続され巻線65を構成し、コイル116とコイル117は直列に接続され巻線66を構成し、コイル118とコイル119は直列に接続され巻線67を構成している。こうして、巻線65と巻線66と巻線67とは、3相式の電動機の各巻線を構成しているものである。すなわち、巻線65と巻線66と巻線67とは、互いに電気角120度を隔てて配置した構成となっているものである。
【0053】
本実施例では、第1の物体110を構成する磁性体111の歯部と、第2の物体112を構成する鉄心113の歯部との重なりの程度が、第1の物体110の回転の角度によって変化することから、第2の物体112に設けている巻線65と巻線66と巻線67のインダクタンスの値は、回転運動に応じて変化するものとなる。
【0054】
また、図7に示しているように、本実施例においても、巻線65と巻線66と巻線67が有している端子数は合計4としている。すなわち、共通端子68と、端子69、端子70、端子71としている。すなわち、巻線65と巻線66と巻線67とは、一端を共通端子68に接続しており、他端は端子69端子70端子71に接続しているものである。
【0055】
このとき、図7に示しているように、3相巻線の一相を構成する巻線67は、共通端子68から電流を流した際に発生する磁界の向きが、他の2相の巻線65、66が発生する磁界の方向に対して逆となるように接続しているものである。
【0056】
以下、本実施例の動作について説明する。本実施例の電動機を図1に示しているインバータ回路42に接続して、図示してないスイッチをオンしたとする。制御回路62の駆動信号によって、スイッチング素子54がオンすると、共通端子68から巻線65を接続している端子69に電流が流れて、巻線65が図6に示すAの方向に磁界を発生する。またスイッチング素子57がオンすると、共通端子68から巻線66を接続している端子70に電流が流れて、巻線66が図6に示すBの方向に磁界を発生する。スイッチング素子60がオンすると、端子71から巻線67を接続している共通端子68に電流が流れて、巻線67は図6に示しているCの方向に磁界を発生する。
【0057】
前記巻線67が発生する磁界の方向は、巻線67を構成しているコイル118とコイル119の極性が、巻線65と巻線66を構成する各コイルとは逆の極性に設定しているため、結果的にCの方向となるものである。
【0058】
前記磁界の方向A、B、Cは、機械角で120度ずつ離れた形となっているものである。このため、第1の物体110は起動が容易で、起動性能の高いインバータ装置を実現できるものである。
【0059】
ただし、スイッチト・リラクタンス・モータと呼ばれるこの種の電動機は、発生するトルクの向きは、電流の極性には原理的には無関係であるので、特に巻線65、巻線66、巻線67の距離が離れていて各巻線間の相互インダクタンスの値が小さい本実施例の巻線構成とした場合には、1相の巻線のみ逆の極性にすることは必要ではなく、全相の巻線を同極性としても、良好にトルクを発生するものとなる。
【0060】
また本実施例とした場合には、第1の物体110は磁性体111によって構成しているため、例えば永久磁石を使用した構成とした場合に生ずる減磁を生ずるおそれがなく、信頼の高いインバータ装置を実現できるものである。
【0061】
(実施例3)
続いて本発明の第3の実施例について説明する。図8は本実施例のインバータ装置の構成を示す回路図である。
【0062】
本実施例では、インバータ回路42は、コンデンサ48と、電源端子49と、3相の電動機43の巻線を接続する3個の電気機械端子50、51、52を有している。前記電気機械端子50には、電動機43の三相巻線の一相である巻線65の一端を接続している端子69と、直列回路55とを接続している。直列回路55は、ダイオード53とスイッチング素子54によって構成しており、ダイオード53とスイッチング素子54の接続点を前記電気機械端子50に接続している。電気機械端子51には、電動機43の三相巻線の一相である巻線66の一端を接続している端子70と、直列回路58を接続している。直列回路58は、スイッチング素子57とダイオード56によって構成しており、スイッチング素子57とダイオード56の接続点を前記電気機械端子51に接続している。電気機械端子52には電動機43の三相巻線の一相である巻線67の一端を接続している端子71と、直列回路61を接続している。直列回路61は、スイッチング素子61とダイオード59によって構成しており、スイッチング素子60とダイオード59の接続点を前記電気機械端子52に接続している。また、巻線65と巻線66と巻線67の他端は、共通端子68に接続している。
【0063】
前記直列回路55と直列回路58は、直流電源41の高電位側をスイッチング素子54、スイッチング素子57側とし、低電位側をダイオード53、ダイオード56側としている。また、直列回路61は、直流電源41の低電位側をスイッチング素子60とし高電位側をダイオード59としている。また、3個の直列回路55、58、61の両端は並列に接続し、そのプラス側の端子を電源端子49として直流電源41のプラス側の端子に接続している。また、並列接続した3個の直列回路55、58、61のマイナス側の端子にはコンデンサ48のマイナス側の端子が接続されている。コンデンサ48のプラス側の端子は、電源端子49に接続された直流電源41のマイナス側の端子に接続している。
【0064】
また、電動機43の共通端子68は直流電源41のマイナス側の端子に接続している。
【0065】
以下、本実施例の動作について説明する。制御回路62はスイッチング素子54、57、60を、図4に示しているタイミングでオンオフ制御している。従って、スイッチング素子54とスイッチング素子57のターンオフ時には、電動機43の三相巻線を構成している巻線65と巻線66のインダクタンスに蓄えられたエネルギーによってコンデンサ48を充電するものである。制御回路62がスイッチング素子60をオンすると、前記コンデンサ48に充電された電荷が、共通端子68から、共通端子68と端子71との間に接続している巻線67に流れるものである。このため、前記実施例で説明したと同様に、電動機43を構成している第1の物体は、トルクを受けて反時計方向に回転するものである。
【0066】
このため本実施例によれば、コンデンサ48に充電した電荷を有効に利用でき、効率の高いインバータ装置を実現できるものである。
【0067】
(実施例4)
続いて、本発明の第4の実施例について説明する。図9は、本実施例の回路の構成を示す回路図である。
【0068】
3個の直列回路55、58、61の両端は並列に接続しており、そのマイナス側の端子を電源端子49とし、プラス側の端子には、コンデンサ48のプラス側の端子を接続している。コンデンサ48のマイナス側の端子は、直流電源41のマイナス側の端子、すなわち電源端子49に接続している。
【0069】
以上の構成で、本実施例は図4に示している動作波形で動作する。すなわち、制御回路62によって、スイッチング素子54、スイッチング素子57がターンオフされた時に、巻線65と巻線66のインダクタンスに蓄えられた電荷がコンデンサ48に流れてコンデンサ48を充電する。こうして、次に制御回路62がスイッチング素子60をオンすると、コンデンサ48に蓄えられていた電荷が、端子71と共通端子68の間に接続している巻線67に流れるものである。このため、前記実施例で説明したと同様、電動機43の第1の物体63はトルクを受けて反時計方向に回転するものである。 こうして、本実施例によってもコンデンサ48に充電した電荷を有効に利用でき、効率の高いインバータ装置を実現できる。
【0070】
なお本実施例によれば、コンデンサ48の容量を実施例4で説明したものよりも小さい設定とできるものである。
【0071】
(実施例5)
続いて本発明の第5の実施例について説明する。図10は、本実施例のインバータ装置の構成を示す回路図である。本実施例では、直列回路58を直流電源41の高電位側に接続したスイッチング素子57と、低電位側に接続したダイオード56によって構成しているものである。
【0072】
本実施例によれば、コンデンサ48の充電は、スイッチング素子54のターンオフの時にのみ行われるものである。このスイッチング素子48のターンオフによって、コンデンサ48に充電された電荷を、スイッチング素子57とスイッチング素子60を通じて電動機43の3相巻線を構成している巻線65と巻線66に供給できるものである。
【0073】
この構成としたときには、3相電動機の1相の巻線69に流れる電流をスイッチング素子54をターンオフしてコンデンサ48に充電する構成としているため、巻線69の巻き回数を少なくする等として、コイルのインダクタンスを小さくすることが好ましいものである。
【0074】
また、本実施例の構成としたものは、例えば電動機43を発電機として使用する場合に特に有効となるものである。
【0075】
(実施例6)
続いて本発明の第6の実施例について説明する。図11は、本実施例で使用している電動機の構成を示す平面図である。第1の物体130は、珪素鋼板の薄板を積層した鉄心等の磁性体131によって構成している。磁性体131は、22個の小歯144を有する形状としている。前記小歯144は等角度間隔で設けている。設けている。また第2の物体132は、同じく珪素鋼板の薄板を積層した鉄心133と、コイル114〜119を有している。前記鉄心133は、本実施例では相数3の倍数である6個の歯部134、135、136、137、138、139を有している。この歯部134〜139には、それぞれコイル114、115、116、117、118、119を巻装している。また前記歯部134〜139は、それぞれ4個の小歯140,141,142,143を第1の物体130側に突出させた形で有している。なお、前記4個の小歯は、歯部135〜139のそれぞれにも設けているものであるが、図面が煩雑となりすぎることから番号は付していない。
【0076】
前記コイル114〜119の結線は、図7に示したものと同じである。すなわち、共通端子68を一端とし、端子69、端子70、端子71に巻線65、巻線66、巻線67の他端を接続した構成としている。また、巻線65、巻線66、巻線67は互いに120度の電気角を隔てて配置しているものである。
【0077】
このとき、3相の巻線65、66、67を構成している各コイルが有しているインダクタンスは、第1の物体130の回転運動に応じて変化するものである。また、巻線67については、コイルの極性を巻線65と巻線66が発生する磁界の方向に対して逆となるように設定している。
【0078】
以下、本実施例の動作について説明する。本実施例では、第2の物体132を構成している鉄心133が有している6個の歯部134〜139のそれぞれに、4個の小歯140〜143を設けた構成としている。このため、第1の物体130の回転によって、コイル114〜119のインダクタンスの変化の周期が前記各実施例の4分の1となるものである。
【0079】
このとき、発明者らによる実験によれば、コイル114〜119のインダクタンスの値の最大値と最小値の差は、コイルの巻き数を同一に設定したときには、図6で示した構成のものに比べて13%程度の低下としかならないものである。このため、機械角に対するインダクタンスの変化率dL/dθは3倍以上となるものである。リラクタンストルクの大きさは、コイルに流れる電流Iの自乗に、インダクタンスの変化率dL/dθを乗じた値となるものであるから、同一の電流を巻線に供給したと仮定した場合には、3倍以上のトルクが得られるものとなる。すなわち、本実施例の構成とした場合には、非常に大きなトルクを得ることができるものとなる。
【0080】
一方、高速時にも巻線に発生する誘導起電力の値を、印加電圧よりも低く抑える必要があるため、図11の構成では巻数を減じる必要があり、少なくとも線の太さを保ったまま巻数を減ずるか、線を太くした上で巻数を減ずるかのいずれかが可能となる。
【0081】
その場合にも銅量の削減もしくは銅損の低減のいずれかが可能となり、高性能の装置を実現することができるものとなる。
【0082】
以上のように本実施例によれば、特に第2の物体132を構成する鉄心133の形状を6個の歯部134〜139のそれぞれに4個の小歯140〜143を設けた構成としているため、コイルのインダクタンスの変化率dL/dθを非常に大きくでき、この結果非常に大きなトルクを得ることができて、性能の高いインバータ装置を実現できるものである。
【0083】
また本実施例とした場合には、実施例1で説明した巻線を切り換える度にインダクタンスに蓄えたエネルギーをコンデンサ48に一旦回収した後に、再び巻線67に放電する構成としたものに比べてもより格段に電力のムダが少ない高効率の運転が可能となるものである。
【0084】
また本実施例の構成としたときには、前記したように小歯数を多くしているため、インバータ回路42の駆動周波数、すなわち巻線の切換の周波数が高くものである。このため、コンデンサ48の充放電が短い周期で行われるものとなり、従ってコンデンサ48として静電容量の小さいものを使用できる。換言すれば、定格の低い部品を使用できるため、低コストのインバータ装置を実現できるものとなる。
【0085】
(実施例7)
続いて本発明の第7の実施例について説明する。図12は、本実施例のインバータ装置の構成を示す回路図である。
【0086】
本実施例では、インバータ回路42に電気機械端子160を設けている。電気機械端子160には、直列回路163と第2の物体64の巻線165を接続している。前記直列回路163は、直流電源41の、高電位側に接続したスイッチング素子162と、直流電源41の低電位側に接続しているダイオード161によって構成しており、前記スイッチング素子162とダイオード161の接続点を前記電気機械端子160に接続をしている。
【0087】
なお本実施例では、直列回路55、58、61については、いずれも直流電源41の低電位側にはスイッチング素子54、57、60を接続し、直流電源41の高電位側にダイオード53、56、59を接続したものとしている。
【0088】
制御回路62は、スイッチング素子54とスイッチング素子57とスイッチング素子60とスイッチング素子162とを前記した順序でオンオフするゲート信号を出力するものとなっている。
【0089】
また、本実施例では電動機43は、4相の巻線構成となっている。すなわち、電気機械端子160に接続している巻線165と、電気機械端子52に接続している巻線65と、電気機械端子51に接続している巻線66と、電気機械端子50に接続している巻線67の4相の巻線を有している。前記4相の巻線は、互いに電気角で90度ずつずらせた位置に設けている。
【0090】
以下、本実施例の動作について説明する。コンデンサ48は、スイッチング素子54、スイッチング素子57、スイッチング素子60のそれぞれがターンオフした時点で、前記各巻線のインダクタンスが蓄えたエネルギーによって充電される。また、スイッチング素子162がオンした時点で、コンデンサ48に充電されていた電荷が、スイッチング素子162を経て巻線165に供給されるものである。
【0091】
このとき本実施例では、前記4相の巻線の1つを構成している巻線165の極性を他の3相の巻線に対して反対方向の設定としている。すなわち、共通端子68から巻線に電流を供給した時に、第1の物体63側に発生する磁界の向きが逆方向となっている。
【0092】
このため前記各実施例で説明したと同様、第1の物体63は、巻線に流れる電流によってトルクを受けて容易に回転するものである。なおこの構成は、第1の物体63が永久磁石を有するタイプのものであっても、同様に動作するものである。
【0093】
なお本実施例では、使用するスイッチング素子の数が4個となっているが、従来の技術で説明した構成のものに比較すると2石少ないものである。従って、依然として低コスト、小形、軽量とする効果は得られるものである。
【0094】
このとき本実施例では、相数を4としているために、使用するスイッチング素子を電流定格の低いものとできる。
【0095】
なお、本実施例よりも相数を増して、4とした場合にもおいても、高電位側にスイッチング素子を配する直列回路の個数NHは少なくとも1個あればよく、また低電位側にスイッチング素子を配する直列回路の個数NLも少なくとも1個有ればよい。
【0096】
つまり、NH=3でNL=1、NH=NL=2、NH=1でNL=3の3通りの中から自由に設計することができるものである。
【0097】
また本実施例では、第2の物体64を4相の構成としているが、相数をさらに増して5相、6相、7相などとしても良い。
【0098】
以上、実施例1から実施例7に示したように、いずれも従来の技術に対して、スイッチング素子の数が少ないインバータ回路で、低コスト、小形、軽量のインバータ装置を実現できるものとなる。
【0099】
なお前記各実施例では、直流電源41が供給する電力を、軸から機械パワーとして取り出す構成の、一般にモータ、もしくは電動機と称する構成のものとしているが、特にモータもしくは電動機に限定する必要はなく、発電機として他の電気機械を動作させるものとしても良いものである。
【0100】
すなわち、制御回路62から各スイッチング素子をオンオフさせる信号を、電流の向きが各実施例とは逆方向となるように制御することにより、発生するトルクの方向を逆向きとして、発電機43が発生した電力を直流電源41に逆流させるようにすることも可能である。
【0101】
その場合の構成と動作は、例えば実施例1において、コンデンサ48には、巻線65、66のインダクタンスに蓄えられたエネルギーと共に、動力が電気パワーに変換された電荷も一旦蓄えられ、それが巻線67を通じて直流電源41に回生され、その回生電力の大きさは、スイッチング素子54、57がオンすることにより、巻線65、66に供給される電力よりも大となることにより、平均パワーとしては、直流電源41へのエネルギー変換が行われるものとなり、さらに具体的には直流電源41に並列に接続された直流系統の負荷に対しての電力供給がなされるものとなる。
【0102】
また前記各実施例では、電動機43は、第1の物体63が第2の物体64の内側で回転自在となっている構成としているが、特にこのような構成に限る必要はなく、一般にアウターロータと称されているような、第1の物体が第2の物体の外側に回転自在に配置した構成としたもの、あるいは軸方向のギャップを隔てて、第1の物体と第2の物体が面で対向する形のもの、また第1の物体と第2の物体をいずれも直線状の形状として、直線運動を行わせるリニアモータと称される形のものであってもよいものである。また第1の物体が静止していて、第2の物体が運動する構成のもの、あるいは第1の物体と第2の物体のいずれもが運動する構成としても支障はないものである。
【0103】
【発明の効果】
請求項1に記載した発明は、直流電源と電気機械とインバータ回路を有し、前記電気機械は、永久磁石を有する第1の物体と、前記第1の物体と相対的に運動可能で前記永久磁石からの磁束を受けるN相の巻線を有する第2の物体と、1個の共通端子と、N個の電気機械端子を有し、前記巻線は互いにほぼ(360/N)度の電気角を隔てて設けており、前記巻線の一方の端子はいずれも前記共通端子に接続しており、かつ前記巻線の他方の端子は、前記電気機械端子であり、1相の巻線は前記共通端子から電流を流した際に発生する磁束の向きが、他の(N−1)相の巻線に対して逆となり、前記インバータ回路は、コンデンサと、少なくとも1個の電源端子と、ダイオードとスイッチング素子の直列回路をN個有し、それぞれダイオードとスイッチング素子の接続点を前記電気機械端子に接続し、前記N個の直列回路の内少なくとも1個は高電位側をスイッチング素子とし低電位側をダイオードとし、前記N個の直列回路の内少なくとも1個は低電位側をスイッチング素子とし高電位側をダイオードとし、前記N個の直列回路の両端は並列接続され、その一方の端子を前記電源端子とし、他の端子には前記コンデンサの一方の端子を接続し、前記コンデンサの他方の端子は、前記共通端子、および前記電源端子に接続される前記直流電源の一端子に接続した構成として、インバータ回路の構成要素として必要なスイッチング素子の数が従来の技術に比較して少なくでき、またスイッチング素子の駆動回路の数も少なくでき、構成が簡単になることから、低コスト化、小形化、軽量化したインバータ装置を実現するものである。
【0104】
請求項2に記載した発明は、直流電源と電気機械とインバータ回路を有し、前記電気機械は、磁性体を有する第1の物体と、前記第1の物体と相対的に運動可能で運動によりインダクタンスが変化するN相の巻線を有する第2の物体と、1個の共通端子と、N個の電気機械端子を有し、前記巻線は互いにほぼ(360/N)度の電気角を隔てて設けており、前記巻線の一方の端子はいずれも前記共通端子に接続しており、かつ前記巻線の他方の端子は、前記電気機械端子であり、1相の巻線は前記共通端子から電流を流した際に発生する磁束の向きが、他の(N−1)相の巻線に対して逆となり、前記インバータ回路は、コンデンサと、少なくとも1個の電源端子と、ダイオードとスイッチング素子の直列回路をN個有し、それぞれダイオードとスイッチング素子の接続点を前記電気機械端子に接続し、前記N個の直列回路の内少なくとも1個は高電位側をスイッチング素子とし低電位側をダイオードとし、前記N個の直列回路の内少なくとも1個は低電位側をスイッチング素子とし高電位側をダイオードとし、前記N個の直列回路の両端は並列接続され、その一方の端子を前記電源端子とし、他の端子には前記コンデンサの一方の端子を接続し、前記コンデンサの他方の端子は、前記共通端子、および前記電源端子に接続される前記直流電源の一端子に接続した構成として、インバータ回路の構成要素として必要なスイッチング素子の数が従来の技術に比較して少なくでき、またスイッチング素子の駆動回路の数も少なくでき、構成が簡単になることから、低コスト化、小形化、軽量化したインバータ装置を実現するものである
【0105】
請求項に記載した発明は、N=3とした構成として、インバータ回路と組み合わせる際に前記インバータ回路に必要となるスイッチング素子の数を最小限とし、スイッチング素子の駆動回路の数も最小限とでき、低コスト化、小形化、軽量化したインバータ装置を実現するものである
【0106】
請求項に記載した発明は、電源端子に接続した少なくとも1個のスイッチング素子を一回以上オンさせることによってコンデンサを充電して起動し、直流電源の電力を電気機械に供給する構成として、起動特性が良好で、低コスト化、小型化、軽量化したインバータ装置を実現するものである
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施例であるインバータ装置の構成を示す回路図
【図2】 同、電動機の構成を示す断面図
【図3】 同、電動機の巻線の構成を示す結線図
【図4】 同、インバータ回路の動作を説明する波形図
【図5】 同、インバータ回路の起動時の動作を示す波形図
【図6】 本発明の第2の実施例である電動機の構成を示す断面図
【図7】 同、電動機の巻線の構成を示す結線図
【図8】 本発明の第3の実施例であるインバータ装置の構成を示す回路図
【図9】 本発明の第4の実施例であるインバータ装置の構成を示す回路図
【図10】 本発明の第5の実施例であるインバータ装置の構成を示す回路図
【図11】 本発明の第6の実施例である電動機の構成を示す断面図
【図12】 本発明の第7の実施例であるインバータ装置の構成を示す回路図
【図13】 従来の技術におけるインバータ装置の構成を示す回路図
【図14】 同、電動機の構成を示す断面図
【図15】 同、電動機の巻線の構成を示す結線図
【符号の説明】
41 直流電源
42 インバータ回路
43 電動機
48 コンデンサ
49 電源端子
50 電気機械端子
51 電気機械端子
52 電気機械端子
53 ダイオード
54 スイッチング素子
55 直列回路
56 ダイオード
57 スイッチング素子
58 直列回路
59 ダイオード
60 スイッチング素子
61 直列回路
62 制御回路
63 第1の物体
64 第2の物体
65 巻線
66 巻線
67 巻線
68 共通端子
69 端子
70 端子
71 端子
94 永久磁石
95 永久磁石
96 永久磁石
97 永久磁石
98 永久磁石
99 永久磁石
100 永久磁石
101 永久磁石
104 ホールIC
105 ホールIC
106 ホールIC
110 第1の物体
111 磁性体
112 第2の物体
113 鉄心
114 コイル
115 コイル
116 コイル
117 コイル
118 コイル
119 コイル
130 第1の物体
131 磁性体
132 第2の物体
133 鉄心
134 歯部
135 歯部
136 歯部
137 歯部
138 歯部
139 歯部
140 小歯
141 小歯
142 小歯
143 小歯

Claims (4)

  1. 直流電源と電気機械とインバータ回路を有し、前記電気機械は、永久磁石を有する第1の物体と、前記第1の物体と相対的に運動可能で前記永久磁石からの磁束を受けるN相の巻線を有する第2の物体と、1個の共通端子と、N個の電気機械端子を有し、前記巻線は互いにほぼ(360/N)度の電気角を隔てて設けており、前記巻線の一方の端子はいずれも前記共通端子に接続しており、かつ前記巻線の他方の端子は、前記電気機械端子であり、1相の巻線は前記共通端子から電流を流した際に発生する磁束の向きが、他の(N−1)相の巻線に対して逆となり、前記インバータ回路は、コンデンサと、少なくとも1個の電源端子と、ダイオードとスイッチング素子の直列回路をN個有し、それぞれダイオードとスイッチング素子の接続点を前記電気機械端子に接続し、前記N個の直列回路の内少なくとも1個は高電位側をスイッチング素子とし低電位側をダイオードとし、前記N個の直列回路の内少なくとも1個は低電位側をスイッチング素子とし高電位側をダイオードとし、前記N個の直列回路の両端は並列接続され、その一方の端子を前記電源端子とし、他の端子には前記コンデンサの一方の端子を接続し、前記コンデンサの他方の端子は、前記共通端子、および前記電源端子に接続される前記直流電源の一端子に接続したインバータ装置
  2. 直流電源と電気機械とインバータ回路を有し、前記電気機械は、磁性体を有する第1の物体と、前記第1の物体と相対的に運動可能で運動によりインダクタンスが変化するN相の巻線を有する第2の物体と、1個の共通端子と、N個の電気機械端子を有し、前記巻線は互いにほぼ(360/N)度の電気角を隔てて設けており、前記巻線の一方の端子はいずれも前記共通端子に接続しており、かつ前記巻線の他方の端子は、前記電気機械端子であり、1相の巻線は前記共通端子から電流を流した際に発生する磁束の向きが、他の(N−1)相の巻線に対して逆となり、前記インバータ回路は、コンデンサと、少なくとも1個の電源端子と、ダイオードとスイッチング素子の直列回路をN個有し、それぞれダイオードとスイッチング素子の接続点を前記電気機械端子に接続し、前記N個の直列回路の内少なくとも1個は高電位側をスイッチング素子とし低電位側をダイオードとし、前記N個の直列回路の内少なくとも1個は低電位側をスイッチング素子とし高電位側をダイオードとし、前記N個の直列回路の両端は並列接続され、その一方の端子を前記電源端子とし、他の端子には前記コンデンサの一方の端子を接続し、前記コンデンサの他方の端子は、前記共通端子、および前記電源端子に接続される前記直流電源の一端子に接続したインバータ装置
  3. N=3とした請求項1または2に記載したインバータ装置
  4. 電源端子に接続したスイッチング素子をオンさせることによってコンデンサを充電して起動し、直流電源の電力を電気機械に供給する請求項1〜3のいずれか1項に記載したインバータ装置
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