JP4637703B2 - 装飾面の塗装仕上げ方法、及び装飾積層体 - Google Patents

装飾面の塗装仕上げ方法、及び装飾積層体 Download PDF

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Description

本発明は、建築物や土木構造物等の表面における装飾面の塗装仕上げ方法、及び装飾積層体に関する。
従来、建築物や土木構築物等の表面において、その美観性を高めるために各種装飾性塗材が塗装されている。このような装飾性塗材としては、合成樹脂エマルションに天然石の粉砕物、着色骨材等を配合した石材調仕上塗材や、液状またはゲル状の2色以上の色粒が分散媒に懸濁した多彩模様塗料、あるいはJIS A6909に規定されている薄付け仕上塗材や厚付け仕上塗材等が知られている。このうち石材調仕上塗材の例としては、特許文献1(特公平2−40702号公報)に記載の塗材等が挙げられる。また、多彩模様塗料としては、例えば特許文献2(特公平1−19705号公報)に開示された塗料等が挙げられる。このような装飾性塗材の塗装においては、耐汚染性や耐候性等の塗膜物性を確保するために、通常、装飾性塗材の塗付後にクリヤー塗料を塗付する仕上げ方法が採用されている。
具体的に、特許文献3(特開昭57-27177号公報)には、天然石模様を表現した装飾壁面仕上法として、アクリル樹脂エマルションと大理石粉、御影石粉、着色硅砂、有色陶磁器粉等の骨材を混合してなる吹付け材を塗装して凹凸模様を形成し、乾燥後凸部の頂部を平坦にカットした後、全面に対して透明アクリル系樹脂または透明アクリル−ウレタン系樹脂を塗装して仕上げる方法が記載されている。
特許文献4(特開平5−177164号公報)は、天然石調、磨き石風仕上げ面の施工法に関するものであり、該公報には、エマルション樹脂と天然石及び着色骨材からなる塗材を塗り付け、フィルムシートや左官ゴテ等を用いて塗膜面を平坦処理した後、合成樹脂クリヤー塗料を塗装して仕上げる方法が記載されている。
特許文献5(特開平8−257490号公報)は、天然石調仕上げ工法に関するものである。該公報には、アクリル樹脂エマルションと複数色の着色分散粒子と雲母からなる多彩模様塗料を塗装した後、その表面にアクリル樹脂等からなるクリヤー塗料を塗装する方法が記載されている。
特許文献6(特開2000−135471号公報)には、合成樹脂エマルションと骨材及び/または顔料を含有する塗材を塗付し、さらに合成樹脂エマルションと骨材と雲母薄片を含有する塗材を塗付して装飾面を形成させ、次いでこの装飾面に、耐候性、防汚性等の性能を付与するために、合成樹脂エマルション等からなるクリヤー塗料を塗装することが記載されている。
上記特許文献3〜6の塗装方法において、クリヤー塗料の塗装は、耐汚染性等の塗膜物性を向上させるために必要な工程である。しかし、上記特許文献に記載のクリヤー塗料は、いずれも通常の樹脂をそのままあるいは希釈して使用したものであり、汚染が進行しやすい環境下においては十分な汚染防止効果が得られない場合がある。
これに対し、特許文献7(特開平9-57186号公報)には、複数色のエナメル分散粒子を含有する多彩模様塗料を塗装した後、その上にクリヤー塗料を塗装する多彩模様塗装仕上げ方法において、耐汚染性の点から、アクリル樹脂系、ウレタン樹脂系、シリコン樹脂系、フッ素樹脂系等の樹脂にオルガノシリケート化合物を配合したクリヤー塗料を使用することが記載されている。このようなクリヤー塗料を使用すれば、オルガノシリケート化合物によって塗膜表面に親水性が付与され、塗膜に付着した汚染物質が降雨時に洗い流される、という作用によって耐汚染性が発現されるものと期待できる。
しかしながら、特許文献7の方法で得られる塗装仕上げ面では、塗膜形成初期段階において親水性が発現されず汚染物質が付着しやすい等の問題があり、実用上改善の余地がある。
本発明は、このような問題点に鑑みなされたものであり、装飾性塗材によって形成された多色模様または凹凸模様の耐汚染性、耐候性等を高めることを目的とするものである。
特公平2−40702号公報 特公平1−19705号公報 特開昭57-27177号公報 特開平5−177164号公報 特開平8−257490号公報 特開2000−135471号公報 特開平9-57186号公報
本発明者は、これらの課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、装飾塗材を塗装した後、塗料用樹脂に対し特定のシリケート化合物を含むクリヤー塗料を塗装する方法に想到し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は以下の特徴を有するものである。
1.基材に対し、装飾性塗材を塗付して多色模様または凹凸模様を形成させた後、
塗料用樹脂の固形分100重量部に対し、シリケート化合物をSiO換算で0.1〜20重量部含有し、前記シリケート化合物として、炭素数1〜2の直鎖アルキル基と炭素数3以上の分岐アルキル基が、95:5〜50:50の当量比率で混在する変性シリケート化合物を含むクリヤー塗料を塗付することを特徴とする装飾面の塗装仕上げ方法。
2.基材層、装飾層、クリヤー層を有する装飾積層体であって、
前記装飾層が、多色模様または凹凸模様を有するものであり、
前記クリヤー層が、塗料用樹脂の固形分100重量部に対し、シリケート化合物をSiO換算で0.1〜20重量部含有し、前記シリケート化合物として、炭素数1〜2の直鎖アルキル基と炭素数3以上の分岐アルキル基が、95:5〜50:50の当量比率で混在する変性シリケート化合物を含むクリヤー塗料により形成されたものであることを特徴とする装飾積層体。
本発明の塗装仕上げ方法により形成された装飾面は、優れた耐汚染性を発揮するものである。特に、塗膜形成初期段階においても汚染物質が付着しにくいという特徴を有する。
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
I.塗装仕上げ方法
まず、本発明の形態のうち、基材に対して装飾性塗材、クリヤー塗料を順に塗装する方法について、以下に説明する。
[1]基材
本発明は、主に建築物や土木構造物等の表面仕上げに使用することができる。適用可能な基材としては、例えば、コンクリート、モルタル、磁器タイル、繊維混入セメント板、セメント珪酸カルシウム板、スラグセメントパーライト板、石綿セメント板、ALC板、サイディング板、押出成形板、鋼板、プラスチック板、石膏ボード、合板等が挙げられる。これら基材の表面は、何らかの表面処理(例えば、シーラー、サーフェーサー、フィラー、パテ等)等)を施した上に塗装することも可能である。
[2]装飾性塗材
本発明では、上記基材に対し、装飾性塗材を塗付して多色模様または凹凸模様を形成させる。かかる装飾性塗材としては、多色模様または凹凸模様が形成可能なものであれば、特に制限されず使用することができる。なお、ここに言う多色模様とは、少なくとも2色以上の色彩が視認可能な状態で混在する模様のことである。また、凹凸模様とは、概ね0.2〜5mm程度の高低差を有する表面模様のことである。
装飾性塗材の具体例としては、(1)石材調仕上塗材、(2)JIS K5667の多彩模様塗料、(3)JIS A6909の薄付け仕上塗材・厚付け仕上塗材等が挙げられる。
〔石材調仕上塗材〕
石材調仕上塗材は、骨材の発色によって多色模様が形成可能な塗材であり、構成成分として合成樹脂エマルション及び骨材を必須成分とする塗材である。このうち、合成樹脂エマルションとしては、例えば酢酸ビニル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、アクリルウレタン樹脂、アクリルシリコン樹脂、フッ素樹脂等、あるいはこれらの複合系等を挙げることができる。
骨材としては、通常、粒子径0.05〜5mmの骨材を使用する。かかる骨材としては、自然石、自然石の粉砕物等の天然骨材、及び着色骨材等の人工骨材から選ばれる少なくとも1種以上を好適に使用することができる。具体的には、例えば、大理石、御影石、蛇紋岩、花崗岩、蛍石、寒水石、長石、石灰石、珪石、珪砂、砕石、雲母、珪質頁岩、及びこれらの粉砕物、陶磁器粉砕物、セラミック粉砕物、ガラス粉砕物、ガラスビーズ、樹脂粉砕物、樹脂ビーズ、ゴム粒、金属粒等が挙げられる。また、貝殻、珊瑚、木材、炭、活性炭等の粉砕物を使用することもできる。さらに、これらの表面を、顔料、染料、釉薬等で表面処理を行うことにより着色コーティングしたもの等も使用できる。このような骨材の2種以上を適宜組み合せて使用することにより、種々の多色模様を表出することができる。
骨材は、合成樹脂エマルションの固形分100重量部に対し、通常100〜4000重量部、好ましくは150〜3000重量部、より好ましくは200〜2000重量部の比率で混合する。骨材の混合比率がこのような範囲内であれば、形成塗膜の意匠性、ひび割れ防止性等の点において好適である。
石材調仕上塗材には、上記以外の成分を混合することができる。このような成分としては、例えば、着色顔料、体質顔料、繊維、造膜助剤、可塑剤、凍結防止剤、防腐剤、防黴剤、抗菌剤、消泡剤、顔料分散剤、増粘剤、レベリング剤、湿潤剤、pH調整剤、艶消し剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、触媒、架橋剤等が挙げられる。
石材調仕上塗材の塗装方法としては、例えば、スプレー塗り、ローラー塗り、コテ塗り、刷毛塗り等が可能であり、1種または2種以上の塗材を重ねて塗付してもよい。このような石材調仕上塗材では、塗装器具や塗装条件等を適宜選択・調整することで、種々の凹凸模様を付与することもできる。また、塗膜乾燥後に凸部をサンダー等で切削処理することも可能である。目地棒や目地型枠等の使用によって、タイル調模様、幾何学的模様等を形成させることもできる。
石材調仕上塗材の塗付量は、通常1〜10kg/m程度である。塗付時には水等の希釈剤を混合して、塗材の粘性を適宜調製することもできる。希釈割合は、通常0〜10重量%程度である。石材調仕上塗材の乾燥は通常、常温で行えばよい。
〔多彩模様塗料〕
多彩模様塗料は、液状またはゲル状の2色以上の色粒が分散媒に懸濁したものである。これらは(1)水中油型(O/W型)、(2)油中水型(W/O型)、(3)油中油型(O/O型)、(4)水中水型(W/W型)に分類することができる。このうち、水中油型(O/W型)及び水中水型(W/W型)の多彩模様塗料については、いずれも分散媒が水性であり、環境面等において好ましいものである。
多彩模様塗料における色粒は、樹脂と着色剤、及び必要に応じ各種添加剤等を含む着色塗料が、分散媒中に粒状に分散されたものである。
着色塗料中の樹脂としては、塗料のビヒクルとして作用するものであればよく、公知の樹脂を特に制限なく使用することができる。このような樹脂としては、例えば、アクリル、ウレタン、酢酸ビニル、アクリル酢酸ビニル、アクリルウレタン、アクリルシリコン、フッ素、ポリビニルアルコール、バイオガム、ガラクトマンナン誘導体、アルギン酸誘導体、セルロース誘導体等が挙げられる。これら樹脂の形態は、溶剤可溶型樹脂、非水分散型樹脂、水溶性樹脂、水分散性樹脂等のいずれであってもよい。また、これら樹脂は、硬化剤や硬化触媒によって架橋可能な官能基を有するものであってもよい。
なお、上記樹脂が溶剤可溶型樹脂及び/または非水分散型樹脂である場合は、溶剤型着色塗料が得られ、これを水性分散媒に分散させると水中油型(O/W型)の多彩模様塗料となる。また、上記樹脂が水溶性樹脂及び/または水分散性樹脂である場合は、水性着色塗料が得られ、これを水性分散媒に分散させると水中水型(W/W型)の多彩模様塗料となる。
着色塗料中の着色剤としては、一般的に塗料に配合可能なものを使用することができる。具体的には、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、カーボンブラック、ランプブラック、ボーンブラック、黒鉛、黒色酸化鉄、銅クロムブラック、コバルトブラック、銅マンガン鉄ブラック、べんがら、モリブデートオレンジ、パーマネントレッド、パーマネントカーミン、アントラキノンレッド、ペリレンレッド、キナクリドンレッド、黄色酸化鉄、チタンイエロー、ファーストイエロー、ベンツイミダゾロンイエロー、クロムグリーン、コバルトグリーン、フタロシアニングリーン、群青、紺青、コバルトブルー、フタロシアニンブルー、キナクリドンバイオレット、ジオキサジンバイオレット、アルミニウム顔料、パール顔料等が挙げられ、これらの1種または2種以上を使用することができる。
着色塗料においては、公知の塗料用添加剤を適宜使用することができる。このような添加剤としては、例えば、粘性調整剤、架橋剤、触媒、充填剤、繊維類、顔料分散剤、造膜助剤、凍結防止剤、乾燥調整剤、可塑剤、艶消剤、消泡剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤、防黴剤、防腐剤等が挙げられる。
着色塗料を粒状に分散させる方法は特に限定されず、公知の方法を採用することができる。具体的には、分散安定剤等を含む水性分散媒に、着色塗料を分散させる方法等を採用することができる。
分散安定剤は、着色塗料を粒状に安定化せしめる成分であり、着色塗料の種類等に応じて選定することができる。分散安定剤の具体例としては、例えば、着色塗料の架橋剤として作用する成分等が挙げられる。このような成分としては、例えば、エポキシ類、イソシアネート類、アミン類、アルコシシシラン類、有機チタネート類、アルミニウムキレート類、マグネシウム塩類、カルシウム塩類、バリウム塩類、アルミニウム塩類、ナトリウム塩類、カリウム塩類、ホウ酸塩類、リン酸塩類等が挙げられる。この他、分散安定剤としては、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリエチレンオキサイド、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カゼイン、セルロースアセテートフタレート、ベントナイト、ゼラチン、アルギン酸ナトリウム、アラビアゴム、ペクチン、キサンタンガム、澱粉等を使用することもできる。
色粒の粒子径や形状は、適宜設定することができる。具体的には、製造時における攪拌羽根の形状、攪拌槽に対する攪拌羽根の大きさや位置、攪拌羽根の回転速度、着色塗料の粘性、分散安定剤の添加方法や濃度、水性分散媒の粘性等を適宜選択・調整すればよい。
色粒の粒子径は、特に限定されないが、通常0.01〜10mm(好ましくは0.1〜5mm)程度である。
多彩模様塗料の塗装方法としては、例えば、スプレー塗り、ローラー塗り、刷毛塗り等を採用することができる。多彩模様塗料を用いて凹凸模様を表出する場合には、下塗材によって所望の凹凸模様を形成させた後に、多彩模様塗料の塗装を行えばよく、例えば特開平8−173899号公報に記載の方法等を採用することができる。また、目地棒や目地型枠等を用いて、タイル調模様、幾何学的模様等を形成させることもできる。
多彩模様塗料の塗付量は、通常は0.2〜1kg/m程度である。塗付時には水等の希釈剤を混合して粘性を適宜調製することもできる。希釈割合は、通常0〜10重量%程度である。多彩模様塗料の乾燥は通常、常温で行えばよい。
〔薄付け仕上塗材・厚付け仕上塗材〕
JIS A6909に規定されている薄付け仕上塗材・厚付け仕上塗材は、合成樹脂エマルションを結合剤とし、これに着色顔料、体質顔料、骨材、及びその他混和剤(分散剤、増粘剤、消泡剤、防腐剤等)を均一に混合して得ることができるものである
このうち、合成樹脂エマルションとしては、例えば酢酸ビニル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、アクリルウレタン樹脂、アクリルシリコン樹脂、フッ素樹脂等、あるいはこれらの複合系等を使用することができる。
着色顔料としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、カーボンブラック、ランプブラック、ボーンブラック、黒鉛、黒色酸化鉄、銅クロムブラック、コバルトブラック、銅マンガン鉄ブラック、べんがら、モリブデートオレンジ、パーマネントレッド、パーマネントカーミン、アントラキノンレッド、ペリレンレッド、キナクリドンレッド、黄色酸化鉄、チタンイエロー、ファーストイエロー、ベンツイミダゾロンイエロー、クロムグリーン、コバルトグリーン、フタロシアニングリーン、群青、紺青、コバルトブルー、フタロシアニンブルー、キナクリドンバイオレット、ジオキサジンバイオレット等を使用することができる。これらの1種または2種以上を組み合わせて使用することで、所望の色彩を表出することができる。着色顔料の混合比率は、合成樹脂エマルションの固形分100重量部に対し、通常1〜300重量部(好ましくは2〜200重量部)程度である。
体質顔料は、主に増量剤として作用するものであり、厚膜の塗膜形成に有効にはたらく成分である。体質顔料の具体例としては、重質炭酸カルシウム、軽微性炭酸カルシウム、カオリン、クレー、陶土、チャイナクレー、珪藻土、含水微粉珪酸、タルク、バライト粉、硫酸バリウム、沈降性硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、シリカ粉、水酸化アルミニウム等が挙げられる。かかる体質顔料の粒子径は、通常50μm未満(好ましくは0.5μm以上50μm未満)である。体質顔料の混合比率は、合成樹脂エマルションの固形分100重量部に対し、通常10〜1000重量部(好ましくは20〜500重量部)程度である。
骨材としては、例えば、寒水石、長石、石灰石、珪石、珪砂、砕石、雲母、珪質頁岩、及びこれらの粉砕物、ガラスビーズ、樹脂ビーズ、ゴム粒、金属粒等が使用できる。かかる骨材の粒子径は、通常0.05〜5mmである。骨材の混合比率は、合成樹脂エマルションの固形分100重量部に対し、通常10〜2000重量部(好ましくは30〜1500重量部)程度である。
このような塗材の塗装においては、塗装器具の種類とその使用方法を適宜選定することで、種々の凹凸模様、例えば砂壁状、ゆず肌状、繊維壁状、さざ波状、スタッコ状、凹凸状、月面状、櫛引状、虫喰状等の模様を形成することができる。塗装器具としては、例えば、スプレー、ローラー、コテ等が使用できる。この際、塗材が乾燥するまでに塗面をデザインローラー、コテ、刷毛、櫛、へら等で処理することで、種々の凹凸模様を形成させることもできる。目地棒や目地型枠等の使用によって、タイル調模様、幾何学的模様等を形成させることもできる。また、色彩の異なる2種以上の塗材を組み合わせて多色模様を形成することも可能である。
塗付量は、形成される模様の種類等にもよるが、通常は0.3〜10kg/m程度である。塗付時には水等の希釈剤を混合して、塗材の粘性を適宜調製することもできる。希釈割合は、通常0〜10重量%程度である。乾燥は通常、常温で行えばよい。
[3]クリヤー塗料
本発明では、上述の装飾性塗材が乾燥した後、クリヤー塗料を塗装する。本発明におけるクリヤー塗料は、塗料用樹脂及びシリケート化合物を含み、前記シリケート化合物として、炭素数1〜2の直鎖アルキル基と炭素数3以上の分岐アルキル基が、95:5〜50:50の当量比率で混在する変性シリケート化合物を必須成分とするものである。
本発明では、このような特定の変性シリケートの作用によって塗膜表面の親水性が高まり、耐汚染性において優れた性能を発揮することができる。さらに、このような変性シリケートがクリヤー塗料に含まれることにより、下地への追従性、耐割れ性等においても有利となる。
変性シリケート化合物における直鎖アルキル基としては、メチル基、エチル基から選ばれる1種以上が使用できる。この中でも本発明ではメチル基が好適である。
一方、分岐アルキル基としては、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、イソヘプチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、t−ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、1,2−ジメチルプロピル基、1−エチルプロピル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、1,1,2−トリメチルプロピル基、1,2,2−トリメチルプロピル基、1−エチル−1−メチルプロピル基、1−エチル−2−メチルプロピル基、イソオクチル基等が挙げられる。本発明では、この中でも炭素数3〜6の分岐アルキル基が好適であり、とりわけ炭素数4の分岐ブチル基が好適である。
具体的に、直鎖アルキル基と分岐アルキル基を有する変性シリケートは、以下に例示する方法により製造することができる。
(1)一般式Si(OR)(OR)(OR)(OR
(式中、R〜Rは、炭素数1〜2の直鎖アルキル基と、炭素数3以上の分岐アルキル基が混在しているものとする)で表されるテトラアルコキシシランを加水分解縮合させる。縮合方法としては公知の方法が採用でき、縮合後の平均縮合度は2〜100(好ましくは4〜20)程度とすればよい。この場合、縮合の際に他のテトラアルコキシシランを混合して縮合することもできる。上記一般式で表される化合物の具体例としては、例えば、モノイソプロポキシトリメトキシシラン、モノイソプロポキシトリエトキシシラン、モノイソブトキシトリメトキシシラン、モノイソブトキシトリエトキシシラン、ジイソブトキシジメトキシシラン等が挙げられる。
(2)テトラメトキシシラン縮合物及び/またはテトラエトキシシラン縮合物に、炭素数3以上の分岐アルキル基を有するアルコールを反応(エステル交換反応)させる。この方法におけるアルコールとしては、例えば、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、イソアミルアルコール、2−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、2−エチル−1−ブタノール等が挙げられる。テトラメトキシシラン縮合物及び/またはテトラエトキシシラン縮合物としては、平均縮合度2〜100(好ましくは4〜20)程度のものを使用すればよい。
(3)テトラメトキシシラン及び/またはテトラエトキシシランに、水、及び炭素数3以上の分岐アルキル基を有するアルコールを反応させる。この方法では、加水分解縮合反応とエステル交換反応を並行して行うことができる。加水分解縮合反応による平均縮合度は2〜100(好ましくは4〜20)程度とすればよい。アルコールとしては、上記(2)と同様の化合物が使用できる。
本発明における変性シリケート化合物は、炭素数1〜2の直鎖アルキル基と炭素数3以上の分岐アルキル基が、通常95:5〜50:50、好ましくは90:10〜55:45、より好ましくは85:15〜60:40の当量比率で混在するものである。直鎖アルキル基と分岐アルキル基の混在比率がかかる範囲内であれば、本発明の効果を十分に発揮することができる。直鎖アルキル基と分岐アルキル基の比率が上記範囲から外れる場合は、塗膜表面の親水性発現が不十分となり、耐汚染性において顕著な効果を得ることができない。また、下地への追従性、耐割れ性等が不十分となりやすい。
上記(1)〜(3)に例示した変性シリケート化合物の製造方法では、直鎖アルキル基と分岐アルキル基との当量比率が上記範囲内となるように、原料化合物の種類や量を適宜調整すればよい。
本発明におけるクリヤー塗料は、上述の変性シリケート化合物を塗料用樹脂と混合することにより得られるものである。
塗料用樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリルシリコン樹脂、フッ素樹脂、酢酸ビニル樹脂、エポキシ樹脂等、あるいはこれらの複合系等を挙げることができる。これらは1種または2種以上で使用することができる。このような塗料用樹脂の形態としては、溶剤可溶性樹脂、非水分散性樹脂、水溶性樹脂、水分散性樹脂、無溶剤型樹脂等が挙げられる。
このうち、溶剤可溶性樹脂及び/または非水分散性樹脂としては、非水系溶剤を媒体とするものであって、当該全溶剤のうち50重量%以上(好ましくは60重量%以上)が脂肪族炭化水素である所謂弱溶剤形樹脂が好適である。かかる弱溶剤形樹脂は、芳香族炭化水素系溶剤を主溶剤とする強溶剤形樹脂に比べ、低毒性であり、作業上の安全性が高く、さらには既存塗膜上に塗装を行った際のリフティング発生を抑制できる等の特徴を有するものである。脂肪族炭化水素としては、例えば、n−ヘキサン、n−ペンタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン、n−ウンデカン、n−ドデカン等が挙げられ、この他、テルピン油やミネラルスピリット等の脂肪族炭化水素系溶剤を使用することもできる。特に、トルエン、キシレンを含まず、引火点21℃以上の第2石油類に該当するものが、安全衛生上好ましい。本発明では、塗料用樹脂としてかかる弱溶剤形樹脂を使用した場合において、特に優れた効果を得ることができる。
本発明における塗料用樹脂は架橋反応性を有するものであってもよい。塗料用樹脂が架橋反応型樹脂である場合は、塗膜の強度、耐水性、耐候性、密着性等を高めることができる。架橋反応型樹脂は、それ自体で架橋反応を生じるもの、あるいは別途混合する架橋剤によって架橋反応を生じるもののいずれであってもよい。このような架橋反応性は、例えば、水酸基とイソシアネート基、カルボニル基とヒドラジド基、エポキシ基とアミノ基、アルド基とセミカルバジド基、ケト基とセミカルバジド基、アルコキシル基どうし、カルボキシル基と金属イオン、カルボキシル基とカルボジイミド基、カルボキシル基とエポキシ基、カルボキシル基とアジリジン基、カルボキシル基とオキサゾリン基等の反応性官能基を組み合わせることによって付与することができる。この中でも水酸基−イソシアート基架橋反応型樹脂が好適である。
本発明における塗料用樹脂のガラス転移温度は、通常−20〜80℃(好ましくは−10〜60℃)程度である。
本発明では、塗料用樹脂に変性シリケート化合物を混合する際、上記変性シリケート化合物以外のシリケート化合物を併用することもできるが、シリケート化合物全体の80重量%以上(好ましくは95重量%以上)が上記変性シリケート化合物で構成されるようにすることが望ましい。
クリヤー塗料においては、上述の如き特定の変性シリケートを使用することにより、従来技術に比べシリケート化合物が少量であっても十分な親水化機能ひいては耐汚染性効果を得ることができ、形成塗膜の下地への追従性、耐割れ性等の点においても有利である。すなわち、本発明によれば、クリヤー塗料におけるシリケート化合物を相対的に減量することが可能となり、実用上極めて有用な塗料設計を行うことができる。
シリケート化合物の混合比率は、塗料用樹脂の固形分100重量部に対して、SiO換算で0.1〜20重量部(好ましくは0.3〜10重量部、より好ましくは0.5〜5重量部)となる範囲内で設定すればよい。シリケート化合物の混合比率が0.1重量部未満では、塗膜に親水性が付与されないため耐汚染性が不十分となる。逆に20重量部を越える場合は、形成塗膜の下地への追従性が不十分となり、割れ等が生じやすくなる。
なお、本発明におけるSiO換算とは、アルコキシシランやシリケートなどのSi−O結合をもつ化合物を、完全に加水分解した後に、900℃で焼成した際にシリカ(SiO)となって残る重量分にて表したものである。
一般に、アルコキシシランやシリケートは、水と反応して加水分解反応が起こりシラノールとなり、さらにシラノール同士やシラノールとアルコキシにより縮合反応を起こす性質を持っている。この反応を究極まで行うと、シリカ(SiO)となる。これらの反応は
RO(Si(OR)O)R+(n+1)HO→nSiO+(2n+2)ROH
(Rはアルキル基を示す。nは整数。)
という反応式で表される。本発明におけるSiO換算は、この反応式をもとに残るシリカ成分の量を換算したものである。
クリヤー塗料では、上述の成分に加えアミン化合物を混合することができる。かかるアミン化合物を混合することにより、クリヤー塗料を塗り重ね(リコート)する際の密着性を高めることができる。さらに、かかるアミン化合物は、上記変性シリケート化合物との相互作用により、耐汚染性、硬化性等の物性向上にも寄与するものである。
アミン化合物としては、例えば、エチルアミン、ジメチルアミン、ジアミルアミン、シクロヘキシルアミン、アニリン、ヘキサメチレンジアミン、エチレンジアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリフェニルアミン、ジメチルドデシルアミン、ジメチルベンジルアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン、ピリジン、モルホリン等のほか、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、エチルフェニルエタノールアミン等のアルカノール基含有アミン化合物、トリエチレンジアミン(〔2,2,2〕ジアザビシクロオクタン)、テトラメチルエチレンジアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン等のアミノアルキル基含有アミン化合物、アミノメチルトリエトキシシラン、ジアミノメチルジエトキシシラン、γ−アミノイソブチルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン等のアルコキシシリル基含有アミン化合物等が挙げられる。
また本発明では、アミン化合物として、ビス(2,2,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−オクトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート等の光安定剤を使用することもできる。
アミン化合物としては、とりわけ、塩基解離定数pKbが3以上11以下(好ましくは4以上8以下)であるアミン化合物が好適である。このような化合物を使用することにより、リコート性、耐汚染性、硬化性等の物性をいっそう高めることができる。
アミン化合物の混合比率は、塗料用樹脂の固形分100重量部に対し、通常0.01〜20重量部、好ましくは0.02〜5重量部である。かかる範囲内であれば、リコート性、耐汚染性、硬化性等において十分な効果を得ることができ、ポットライフ確保等の点においても好適である。
この他、クリヤー塗料には、通常塗料に使用可能な各種添加剤を配合することも可能である。かかる添加剤としては、例えば、硬化剤、可塑剤、防腐剤、防黴剤、防藻剤、消泡剤、レベリング剤、分散剤、たれ防止剤、触媒、硬化促進剤、脱水剤、艶消し剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤等が挙げられる。
また、クリヤー塗料には、必要に応じて着色顔料等を混合して着色を施すこともできる。ただし、着色の度合は、装飾性塗材の意匠性が損われない程度に抑えなければならない。
クリヤー塗料は、上記塗料用樹脂及び変性シリケート化合物を構成成分とするものであれば、その形態については特に限定されないが、通常は、塗料用樹脂を含む主剤と、変性シリケート化合物を含む硬化剤からなる2液型塗料とすることが望ましい。このような形態であれば、塗料の安定性確保、耐汚染性能の発現等の点で好適である。塗料用樹脂が架橋反応基を有するものであって、当該反応基と反応可能な架橋剤を使用する場合、該架橋剤は硬化剤に混合すればよい。具体的に、塗料用樹脂が水酸基を有するものである場合には、イソシアネート化合物を硬化剤に混合することができる。
クリヤー塗料の塗装方法としては、スプレー塗り、ローラー塗り、ハケ塗り等の種々の方法を採用することができる。塗装を行う際の塗付量は、通常0.1〜0.5kg/m程度である。塗付時には溶剤等で希釈することによって、塗料の粘性を適宜調製することもできる。希釈割合は、通常0〜20重量%程度である。クリヤー塗料を塗装した後の乾燥は通常、常温で行えばよい。
II.装飾積層体
本発明は、基材層、装飾層、クリヤー層が積層された装飾積層体に適用することもできる。このような装飾積層体は、建築物や土木構造物等の表面仕上げ用板状建材として好適に使用することができる。
このうち、基材層としては、例えば繊維混入セメント板、セメント珪酸カルシウム板、スラグセメントパーライト板、石綿セメント板、ALC板、サイディング板、押出成形板、鋼板、プラスチック板、石膏ボード、合板、織布、不織布、セラミックペーパー、合成紙、ガラスクロス、メッシュ等が使用できる。また、各種塗材からなる塗膜層を基材層として使用することもできる。本発明では、このような基材層が少なくとも1層含まれていればよく、2種以上の基材層が含まれていてもよい。基材層は、装飾層の裏面側ないし装飾層中に積層されていればよく、装飾層にサンドイッチされていてもよい。
装飾層は、多色模様または凹凸模様を有するものであればよい。このような装飾層は、例えば、上述の装飾性塗材(石材調仕上塗材、JIS K5667の多彩模様塗料、JIS A6909の薄付け仕上塗材・厚付け仕上塗材等)により形成されたものが使用できる。また、結合剤、顔料、骨材等から構成される組成物を成型加工して得たものも使用できる。
クリヤー層は、上述のクリヤー塗料により形成されたものである。このクリヤー層は、装飾層の表面に積層される。
本発明の積層体の製造方法としては、公知の方法を採用することができ、例えば以下の方法等を採用することができる。
(i)装飾性塗材を型枠に流し込み、基材層を積層して硬化させ、硬化後脱型し、装飾層表面にクリヤー塗料を塗付する。
(ii)基材層に装飾性塗材を塗付し、次いでその表面にクリヤー塗料を塗付する。
上記(i)において使用する型枠としては、例えばシリコン樹脂、ウレタン樹脂製等の型枠、あるいは離型紙を設けた型枠等が使用できる。(i)の方法では、型枠側が積層体表面となるため、型枠内側の形状を調整することで、積層体表面に所望の凹凸模様を付与することができる。上記(i)の方法では、流し込みに代えて、スプレー、こて、レシプロ、コーター等の手段を用いた方法を採用することもできる。
装飾積層体の寸法は、各層を積層した後に適宜切断することで調整することができる。上記(i)の方法では、作製した積層体を切断することなく、予め寸法を決定した型枠を用いて製造することも可能である。
装飾積層体を構成する各層の厚みは特に限定されないが、通常、基材層は0.1〜10mm程度、装飾層は0.1〜10mm程度、クリヤー層は10〜300μm程度である。
本発明の装飾積層体は、具体的には、住宅、マンション、学校、病院、店舗、事務所、工場、倉庫、食堂等における内外壁、間仕切り、扉、天井、柱等に適用できる。本発明積層体をこのような部位に施工する際には、接着剤、粘着剤、粘着テープ、釘、鋲等を用いて貼着すればよい。その他、ピン、ファスナー、レール等を用いて固定化することもできる。
また、施工時には、積層体を任意の形状に切断して用いてもよい。この場合、切断後の積層体の側面は塗料等で適宜処理することもできる。
以下に実施例を示し、本発明の特徴をより明確にする。
<装飾性塗材>
アクリル樹脂エマルション(メチルメタクリレート−スチレン−(2−エチルヘキシルアクリレート)−メタクリル酸共重合体、pH7.6、固形分50重量%、最低造膜温度0℃)200重量部に対し、造膜助剤(2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート)3重量部、ポリウレタン系増粘剤5重量部、シリコーン系消泡剤3重量部、粒子径0.1〜2mmの着色骨材混合物(白色:灰色:黒色=3:3:1)を380重量部を常法により均一に混合して、装飾性塗材Aを製造した。
<クリヤー塗料>
・変性シリケート化合物(1)
メチルシリケート縮合物(重量平均分子量1000、平均縮合度8、不揮発分100%)100重量部に対して、イソブチルアルコール52重量部と、触媒としてジブチルスズジラウレート0.03重量部を添加し、混合後、75℃で8時間脱メタノール反応を行い、変性シリケート化合物(1)を製造した。この変性シリケート化合物(1)におけるメチル基とイソブチル基との当量比率は62:38であり、900℃にて焼成して得られたシリカ残量比率は43重量%であった。
・変性シリケート化合物(2)
メチルシリケート縮合物(重量平均分子量1000、平均縮合度8、不揮発分100%)100重量部に対して、n−ブチルアルコール52重量部と、触媒としてジブチルスズジラウレート0.03重量部を添加し、混合後、75℃で8時間脱メタノール反応を行い、変性シリケート化合物(2)を製造した。この変性シリケート化合物(2)におけるメチル基とn−ブチル基との当量比率は62:38であり、900℃にて焼成して得られたシリカ残量比率は43重量%であった。
・主剤(1)
非水分散形アクリルポリオール(水酸基価50KOHmg/g、重量平均分子量80000、ガラス転移温度40℃、固形分50重量%、媒体:ミネラルスピリット、脂肪族炭化水素70重量%)200重量部に対し、ミネラルスピリット104重量部、シリコーン系消泡剤1重量部を常法にて均一に混合・撹拌することにより、主剤(1)を製造した。
・主剤(2)
非水分散形アクリルポリオール(水酸基価50KOHmg/g、重量平均分子量80000、ガラス転移温度40℃、固形分50重量%、媒体:ミネラルスピリット、脂肪族炭化水素70重量%)200重量部に対し、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート(分子量508、pKb5.5)2重量部、ミネラルスピリット102重量部、シリコーン系消泡剤1重量部を常法にて均一に混合・撹拌することにより、主剤(2)を製造した。
・硬化剤(1)
イソシアヌレート構造含有ポリイソシアネート(不揮発分100重量%、NCO含有量21重量%)40重量部に対し、ソルベッソ100(エクソンケミカル社製)40重量部、変性シリケート化合物(1)20重量部を均一に混合することにより、硬化剤(1)を製造した。
・硬化剤(2)
イソシアヌレート構造含有ポリイソシアネート(不揮発分100重量%、NCO含有量21重量%)40重量部に対し、ソルベッソ100(エクソンケミカル社製)40重量部、変性シリケート化合物(2)20重量部を均一に混合することにより、硬化剤(2)を製造した。
・硬化剤(3)
イソシアヌレート構造含有ポリイソシアネート(不揮発分100重量%、NCO含有量21重量%)40重量部に対し、ソルベッソ100(エクソンケミカル社製)10重量部、変性シリケート化合物(2)50重量部を均一に混合することにより、硬化剤(3)を製造した。
・クリヤー塗料A
上記方法にて製造した主剤(1)と硬化剤(1)を86:14の重量比率で均一に混合してクリヤー塗料Aを得た。この塗料Aにおける変性シリケート化合物の混合比率は、樹脂固形分100重量部に対してSiO換算で4.3重量部である。
・クリヤー塗料B
上記方法にて製造した主剤(2)と硬化剤(1)を86:14の重量比率で均一に混合してクリヤー塗料Bを得た。この塗料Bにおける変性シリケート化合物の混合比率は、樹脂固形分100重量部に対してSiO換算で4.3重量部である。
・クリヤー塗料C
上記方法にて製造した主剤(1)と硬化剤(2)を86:14の重量比率で均一に混合してクリヤー塗料Cを得た。この塗料Cにおける変性シリケート化合物の混合比率は、樹脂固形分100重量部に対してSiO換算で4.3重量部である。
・クリヤー塗料D
上記方法にて製造した主剤(1)と硬化剤(3)を86:14の重量比率で均一に混合してクリヤー塗料Dを得た。この塗料Dにおける変性シリケート化合物の混合比率は、樹脂固形分100重量部に対してSiO換算で10.7重量部である。
<耐汚染性試験>
300×150×3mmのアルミニウム板を、上端から3分の1の位置で、内角度が135度になるように折り曲げたものを試験基材とした。この試験基材の凸面に、SK#1000プライマーを塗付量0.15kg/mでスプレー塗装し、標準状態で8時間乾燥した後、装飾塗材Aを塗付量4kg/mでスプレー塗装し、標準状態で24時間乾燥養生した。次いで、上記方法にて得られたクリヤー塗料をそれぞれ塗付量0.3kg/mでスプレー塗装し、標準状態で7日間乾燥養生した。
以上の方法で得られた試験体の面積の広い面を垂直にして大阪府茨木市で南面向きに設置し、3ヵ月間屋外曝露を行った。このとき垂直面における汚染状態を目視観察したところ、耐汚染性の評価はクリヤー塗料Bの試験体が最も良好であり、次いでクリヤー塗料A及びD、次いでクリヤー塗料Cの順となった。
<温冷繰返し試験>
300mm×150mm×6mmのスレート板に対し、SK#1000プライマーを塗付量0.15kg/mでスプレー塗装し、標準状態で8時間乾燥した後、装飾塗材Aを塗付量4kg/mでスプレー塗装し、標準状態で24時間乾燥養生した。次いで、上記方法にて得られたクリヤー塗料をそれぞれ塗付量0.3kg/mでスプレー塗装し、標準状態で7日間乾燥養生した。
以上の方法で得られた試験体について、水浸漬(23℃)18時間→−20℃3時間→80℃3時間を1サイクルとする温冷繰返し試験を合計10サイクル行った後、塗膜表面におけるひび割れ発生の有無を目視によって確認した。その結果、クリヤー塗料A、B、及びCを塗装した試験体では異常は認められなかったが、クリヤー塗料Dの試験体ではわずかにひび割れが生じた。
<装飾積層体>
岩石調の表面模様を有するシリコン樹脂型枠(縦150mm×横70mm×深さ5mm)に、離型剤を塗布した後、装飾性塗材Aを流し込み、その上にメッシュを載せた後、ローラーで軽く押さえて平滑にならし、常温で48時間乾燥後脱型した。次いで、その表面にクリヤー塗料Bを塗付量0.3kg/mでスプレー塗装し、標準状態で7日間乾燥養生した。
以上の方法で得られた装飾積層体について、上述の試験方法により試験を行ったところ、耐汚染性、耐割れ性に優れる結果となった。

Claims (2)

  1. 基材に対し、装飾性塗材を塗付して多色模様または凹凸模様を形成させた後、
    塗料用樹脂の固形分100重量部に対し、シリケート化合物をSiO換算で0.1〜20重量部含有し、前記シリケート化合物として、炭素数1〜2の直鎖アルキル基と炭素数3以上の分岐アルキル基が、95:5〜50:50の当量比率で混在する変性シリケート化合物を含むクリヤー塗料を塗付することを特徴とする装飾面の塗装仕上げ方法。
  2. 基材層、装飾層、クリヤー層を有する装飾積層体であって、
    前記装飾層が、多色模様または凹凸模様を有するものであり、
    前記クリヤー層が、塗料用樹脂の固形分100重量部に対し、シリケート化合物をSiO換算で0.1〜20重量部含有し、前記シリケート化合物として、炭素数1〜2の直鎖アルキル基と炭素数3以上の分岐アルキル基が、95:5〜50:50の当量比率で混在する変性シリケート化合物を含むクリヤー塗料により形成されたものであることを特徴とする装飾積層体。
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