JP4637305B2 - 電池パック - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、矩形単電池セルの複数個を一の容器内に配列、収納した電池パックに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ノート型パーソナルコンピューターなど携帯用電子機器の普及に伴い、その薄型化、軽量化のため、機器の中で最大の体積と重量を占める2次電池の高エネルギー密度化が求められている。かかる要望を受け、電池活物質材料の開発が活発に行われ、電池のエネルギー密度はこの数年において飛躍的に向上している。特にリチウムイオン2次電池は、現有する電池の中で最もエネルギー密度が高く、上記要望に対して最も期待されるものである。
【0003】
しかし、リチウムイオン2次電池等を製品として携帯用電子機器に組み込むためには、正極および負極の活物質材料をパッケージ内に封入して単電池セルを作製し、さらに機器の必要電圧や必要電気容量に応じた個数の単電池セルを保護回路等と共に1つのパック容器に収めて電池パックの形態にする必要がある。
【0004】
尚、電池パックは、携帯用電子機器の形状に合わせて矩形形状とすることが要求される場合が多いが、その場合は電池パック内部に収める単電池セルも矩形に形成することが望ましい。
【0005】
かかる電池パックのエネルギー密度を高めるには、個々の矩形単電池セルのエネルギー密度を高め、また矩形単電池セルの電池パック内への充填効率を高める必要がある。
【0006】
矩形単電池セルのエネルギー密度を向上する手段として、従来の金属製パッケージに代えて、アルミニウムシートと高分子性のシートを積層したラミネートシートをパッケージとして使用することが、特開平10−172606号公報に開示されている。
【0007】
この矩形単電池セルの構造を図面を参照しながら説明する。図3(A)は、矩形単電池セルの斜視図、図3(B)はその断面図を示す。この矩形単電池セル5は、正極、負極およびセパレーターを接着剤により一体化した電池エレメント1が、電解液と共に、2枚の平面状のラミネートシート2を貼り合わせて形成したパッケージ10に封入されている。ラミネートシート2はシート内面に熱融着性が付与してあり、電池エレメント1の周囲のラミネートシート2同士を熱融着により互いに貼り合わせることにより、パッケージ10がシールされている。このシール部分3は、矩形単電池セル5の側面から張り出した形状となる。電池エレメント1をパッケージ外部に電気的に接続するためのリード端子4は、シール部分3を通して外部に引き出されている。ラミネートシートにより形成したパッケージは、金属製パッケージに比較して、軽量にできるため、より重量エネルギー密度の大きな矩形単電池セルを製造できる。
【0008】
この矩形単電池セルを、電池を組み込む電子機器の必要電圧、必要容量に応じた個数配列し、パック容器に収めて電池パックを製造する。矩形単電池セルを3セル配列した場合の例を、図4(A)及び(B)に示す。図4(A)は側面図、図4(B)は上面図である。矩形単電池セル5を並列に配列し、粘着テープなどにより電池パック容器に固定する。各々のリード端子4をリード線7により電気的に接続し、その終端を保護回路6に接続した後、電池パックを密閉して電池パックを製造する。尚、図4において電池パック容器は省略している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、かかる矩形単電池セルを用いて、電池パックを製造した場合、下記の問題があった。
(1)上記ラミネートシート2を貼り合わせたシール部分3が、矩形単電池セル5の側面より張り出したフランジ形状となる。このため、矩形単電池セルを電池パック内に配列した際、電池エレメントの面積に加えてシール部分3の面積が占有されることとなる。一方、シール部分3の幅は、矩形単電池セル5の気密性に影響し、電池としての信頼性に関連するため、できるだけ幅を広げることが望ましく、最低数mm以上の幅とする必要がある。このため、矩形単電池セルの占有面積の減少による電池パックの体積エネルギー密度の向上が図れない問題があった。
【0010】
(2)電池パックに矩形単電池セルを設置する工程において、電池パック容器内の所定の位置に個々の矩形単電池セルを位置合わせし、その位置において容器と接着等して固定をする必要があるため、工程が煩雑であった。またラミネートシートの表面の滑摩擦が小さいため接着作業時に矩形単電池セルが位置ずれを起こし易く、工程の作業性が悪い問題もあった。
【0011】
(3)また完成した電池パックにおいて、矩形単電池セルは互いに固定されていないため、振動などにより位置ずれが発生し易く、位置ずれが発生した場合にはリード線7が外れる等の不良を起こす可能性があった。
【0012】
本発明は、上記従来の技術の問題点に鑑みてなされたものであり、体積エネルギー密度が高く、製造容易で、高信頼性の電池パックを提供することを目的としている。
【0013】
上記目的を達成するために、本発明の第1の電池パックは、外周部より張り出したシールフランジを有する矩形単電池セルの複数個を一の容器内に配列、収納して成る電池パックであって、隣接する矩形単電池セルにおいて、そのシールフランジが互いに上下反転するように並列し、上記矩形単電池セルが1軸鏡面対称形状であり、隣接する矩形単電池セルが互いに側面を当接して成ることを特徴とする。この構成により、側面に張り出したシールフランジが隣り合う矩形単電池セルの背後に隠れるため、電池パック内における矩形単電池セルの占有面積が減少する。また、矩形単電池セルが互いに接合されているため、電池パック容器内への設置が容易で、完成後の位置ずれ発生を抑制できる。
【0014】
また、矩形単電池セル同士が嵌め合い的に接するため、矩形単電池セルの占有面積を最小とし、矩形単電池セル同士の接合面積を拡大することができる。
【0015】
また、上記矩形単電池セルのシールフランジ部を除く断面形状が台形であり、これにより上記隣接する矩形単電池セルにおいて当接した側面が擦り合わせ面として互いの接合に寄与することが好ましい。これにより、矩形単電池セル同士の接合をより堅固なものにすることができる。
【0016】
上記矩形単電池セルは具体的には、電解液を保持するセパレーターを挟んで正極および負極が対向して成る電池エレメントと、該電池エレメントを内部に封入するパッケージとを備えたものであるが、該パッケージを、上面開放で、開放縁部に外方に張り出す外周フランジ部を有する容器と、該容器の開放部を封鑞し、外周フランジ部と接合する蓋シートとから形成することが好ましい。この構成のパッケージは、シート状物のプレス成形により簡単に製造できる利点がある。
【0017】
また、本発明の第2の電池パックは、矩形単電池セルの複数個を一の容器内に配列、収納して成る電池パックであって、
上記矩形単電池セルが、隣接する矩形単電池セルと互いに接し、かつ該矩形単電池セルの互いに接する領域を含む外表面が熱融着性を有し、該熱融着により矩形単電池セルが互いに接合していることを特徴とする。この構成により、矩形単電池セル同士を配列した状態で簡便に接合することができるため、電池パック内への矩形単電池セルの設置が容易となる。また、電池パック内において矩形単電池セルの位置ずれ発生を抑制できる。
【0018】
上記矩形単電池セルのパッケージが、パッケージ外面を形成する外側高分子層と、パッケージ内面を形成する内側高分子層と、これら高分子層間に形成された金属層とを有し、該外側高分子層及び該内側高分子層が、いずれも熱融着性であることが好ましい。これにより、矩形単電池自身のパッケージのシールと、電池パック内における単電池同士の接合の両方を熱融着により簡便に行うことができ、電池パックの製造工程を短縮できる。
【0019】
またさらに、本発明の第1の電池パックと第2の電池パックの特徴を併せ持つ電池パックは、矩形単電池セルの占有面積が小さく、また矩形単電池セルの接合及び電池パック容器内への設置を簡便に行うことができ、矩形単電池セルの位置ずれ発生を抑制できる。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。図1(A)及び(B)は、本発明の電池パックに収納する矩形単電池セルの単体の斜視図(図1(A))及び断面図(図1(B))である。図2は、図1に示す矩形単電池セルを電池パック容器に3セル配列、収納して本発明の電池パックを製造する場合についての、電池パック容器内部の側面図(図2(A))及び上面図(図2(B))である。
【0021】
図1(A)、(B)に示す矩形単電池セルは、外周部より張り出したシールフランジを有する矩形単電池セルの一例であり、矩形単電池セル15のパッケージ16は、上面開放で、開放縁部に外方に張り出す外周フランジを有する容器13と、該容器13の開放部を封鑞し、外周フランジ部と接合する蓋シート14とより成る。ここで、外周フランジと蓋シート14とが貼り合わされた部分が、上記外周部より張り出したシールフランジ12を構成する。容器13は、例えばシート状の材料をプレス成形することにより簡単に製造することができる。
【0022】
パッケージ16の内部にはあらかじめ、電解液を保持するセパレーターを挟んで正極と負極を対向し、これらを接着一体化して成るシート状物を何重かに巻きまわして形成した電池エレメント1を収納しておく。電池エレメント1をパッケージ16の外部に電気的に接続するためのリード端子4は、容器13と蓋シート14の間にシールして外部に引き出す。
【0023】
尚、容器13と蓋シート14のシールは減圧下で行われる場合があるが、この場合、容器13の短辺側の側面には凹み17を形成しておくことが好ましい。容器13の短辺側の側面は、リード端子4を引き出す関係上、上述の巻き回して形成したロール状電池エレメント1のロール断面に接している。ロール断面は切り立った形状をしているため、減圧下においてシールを行う際に容器13の短辺側の側面が電池エレメント1の形状に倣うことができず、皺状に変形し易い。凹み17を付けることにより容器13の側面の機械的強度を向上し、皺状に変形することを抑制できる。
【0024】
次に、図2(A)、(B)に示すように、矩形単電池セル15を隣接する矩形単電池セルにおいてシールフランジ12が互いに上下反転するように並列させる。
【0025】
この配列により、シールフランジ12が隣接する矩形単電池セル15の背後に隠れる構造となるため、シールフランジ12の幅の広狭は、組み合わせた矩形単電池セルの占有面積に直接寄与しない。従って、シールフランジ12の幅を広く取り、矩形単電池セル15の信頼性を確保しながら、矩形単電池セルの電池パックにおける占有面積を抑え、電池パックの体積エネルギー密度を向上することができる。
【0026】
次に、並列させた矩形単電池セル15をシールフランジ12を介して矩形単電池セルの上下面で互いに接合させる。接合は、熱融着により行う。本実施の形態においては、矩形単電池セル15の互いに接する領域を含む外表面、即ちシールフランジを含む外表面が熱融着性を有しており、矩形単電池セルを互いに接するように配列後、接合部に一定の圧力をかけながら加熱をすることで簡単に接合をすることができる。
【0027】
熱融着性を矩形単電池セルの外表面に付与するには、矩形単電池セル15の表面に例えばエチレンアクリル酸共重合体(以下EAAと称す)、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの熱融着性フィルムをあらかじめ貼り付けておく。中でもEAAは低温で熱融着可能であるため、外表面に貼り付ける材料として最も好ましい。
【0028】
尚、熱融着性の付与、即ちフィルムの貼り付けは、矩形単電池セル15の外表面の内、矩形単電池セル15が互いに接する面について行えば良いが、外表面の全面に行っても良い。
【0029】
また、矩形単電池セル15の外表面に熱融着性を付与する別の方法として、パッケージ外面を形成する外側高分子層を熱融着性高分子材料とすることもできる。熱融着性高分子材料としては、EAA、ポリエチレン、ポリプロピレンなどが使用できる。
【0030】
またさらにパッケージ内面を形成する内側高分子層も熱融着性高分子材料とすれば、矩形単電池セル同士の接合工程に加えて単電池セルパッケージのシール工程も熱融着により簡便に行うことができ、電池パックの生産効率を向上できる。
この場合、外側高分子層と内側高分子層の間には、水分遮断のための金属層を形成することが好ましい。金属層以外にもパッケージ機械的強度向上や各層密着性改善などの機能を持つ種々の層を形成しても良い。金属層としてはアルミニウムなどが使用できる。内側高分子層には、外側高分子層と同様の材料を使用できる。尚、矩形単電池セル15のシール後の高温加熱は好ましくないため、外側高分子層にはEAA等低温で熱融着する材料を使用することが望ましい。一方、内側高分子層は、電池信頼性の確保のためポリプロピレン等接着力の高い材料を使用することが望ましい。
【0031】
熱融着性による接着は、薬品処理を必要としないため、簡便かつ安全に製造できる点で最も好ましい接合手段であるが、これ以外にもいわゆる両面テープ等による接着を含めて種々の接着手法を用いることができる。ただし、電池パックの製造の都合上、矩形単電池セルを所定位置に配列させる時には接着性がなく、配列後に何らかの方法で接着性を発現可能な方法が望ましい。そうした接着方法としては、例えば矩形単電池セルの外表面をセルロース系コート材で覆い、電池パック容器内への配列後にアセトンや酢酸エチルなどの有機溶剤を吹き付けてセルロース系コート材を軟化させて接着する方法が考えられる。
【0032】
尚、矩形単電池セル15は、1軸鏡面対称であり、隣接する矩形単電池セルが側面18を当接していることが好ましい。1軸鏡面対称形状であることにより、隣接する矩形単電池セルが上下反転した時に嵌め合い的に側面を当接することができるため、矩形単電池セル15の電池パック容器内における占有面積を最小にできると共に、矩形単電池セル15同士の接合面積を広げて接合強度を上げることができる。
【0033】
また、矩形単電池セル15が側面18を当接している場合、矩形単電池セル15のシールフランジ12を除いた断面形状が台形であることが好ましい。これにより当接した側面18が、擦り合わせ面的に機能できるため、矩形単電池セル15の接合をより強固なものとすることができる。上述の容器13をシート状物のプレス成形により形成する場合には、プレス成形の原理上必然的に台形の断面形状となる。尚、上述の通り容器13の側面には凹み17を形成することが好ましいが、凹み17は互いに当接しない短辺側の側面にのみ形成すれば良いため、この擦り合わせ面的な機能に影響することはない。
【0034】
次に接合して組電池化した矩形単電池セル15を電池パック容器内(図示せず)に、保護回路6と共に設置して、固定する。固定には、粘着テープ、接着剤などの接着手段や、ビス止め等の機械的固定手段が使用できる。また矩形単電池セル15自身の熱融着性を利用して固定しても良い。
【0035】
矩形単電池セル15は、組電池化しているため、電池パック容器内に一度に設置でき、個々の矩形単電池セル15の位置合わせが不要である。従って、従来の電池パックに比較して矩形単電池セルの設置工程を大幅に簡略化できる。
【0036】
次に各矩形単電池セル15のリード端子4を、リード線7により互いに電気的に接続し、その終端を保護回路6に接続し、電池パック容器を密閉して電池パックを完成する。
【0037】
こうして完成した電池パックにおいては、パック内に配列した矩形単電池セル15同士が互いに接合しているため、矩形単電池セル15が振動などによる位置ずれを起こしにくく、位置ずれに起因するリード外れ等の発生を防止できる。
【0038】
尚、熱融着により矩形単電池セル同士を接合することは、上記シールフランジを有する矩形単電池セルだけでなく、あらゆる形状の単電池セルを電池パック内に配列する場合に有効である。
【0039】
【実施例】
本発明の実施例について説明する。まず、電池エレメントを以下の方法で作製した。正極として、LiCoO2を87wt%、黒鉛粉KS−68wt%、バインダ(ポリ弗化ビニリデン)5wt%より成る正極活物質を100μmの厚みで20μm厚アルミニウム箔上に形成した。負極として、メソフェーズマイクロビーズカーボン(大阪ガス製)95wt%、バインダ5wt%より成る負極活物質を100μmの厚みで20μm厚銅箔上に形成した。この正極および負極をセパレーターであるポリエチレン製多孔シート(旭化成ME9630)を挟んで、ポリ弗化ビニリデンを主成分とする接着剤により接着し、一体のシート状物とした。一体化したシート状物を一定の幅に裁断し、巻き回した後、アルミニウム製、銅製のリード端子を正極、負極に取りつけ、電池エレメントを形成した。
【0040】
次に、十分乾燥した電池エレメントを、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートを溶媒とし、六弗化リン酸リチウムを電解質とした電解液に浸漬し、1mA/cm2の電流密度で0.5〜1.0時間充電操作を行った後、電池エレメントを取りだした。
【0041】
パッケージを形成する容器および底を以下の方法で作成した。アルミニウム箔をEAAと未延伸ポリプロピレンシートとで挟んだ3層構造のアルミラミネートシートをプレス成形し、フランジ付き箱型形状に成形して容器を作製した。フランジ部分の外寸は、41.7x138.5mmとし、箱型部分は、底面31.7x128.5mm、上面28.6x125.4mm、高さ6.5mmの台形断面をもつ形状とした。また同じシートを外寸41.7x138.5mmに切り出して、蓋シートを作製した。
【0042】
電池エレメントを蓋シートに設置し、電池エレメントのリード端子をフランジ部分に挟むように容器を被せ、容器のフランジ部分と蓋シートとを、50torrの減圧下で、1kg/cm2の圧力を加えながら、150℃で1秒間加熱することによりシールした。シール幅は5mmであった。
【0043】
こうして形成した矩形単電池セルを3セル準備し、互いに上下反転させて、並列に、互いの側面を当接し、かつシール部分が容器の箱型部分の上面に重なるように配列した。その後全体を0.5kg/cm2の圧力を加えながら、80℃で約1秒間加熱することにより、矩形単電池セルを互いに接合した。
【0044】
こうして一体化した矩形単電池セルを、電池パック容器に粘着テープで固定した。各リード端子にリード線を半田付けし、各矩形単電池セル同士および隣接して設置した保護回路との間を電気的に接続した。電池パック容器を密閉して電池パックを完成した。
【0045】
こうして形成した電池パックにおいて、矩形単電池セルの合計の占有面積は14.1cm2であり、矩形単電池セル単体の面積を3倍した面積(17.3cm2)の約8割であった。即ち、従来の方法で製造した電池パックに比較して約2割体積エネルギー密度を向上できた。
【0046】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように構成されているので、以下に記載する効果を奏する。
【0047】
本発明の電池パックは、隣接する矩形単電池セルにおいて、そのシールフランジが互いに上下反転するように並列し、該シールフランジを介して隣接する矩形単電池セルを上下面で接合しているため、電池パック内における矩形単電池セルの占有面積を減少し、体積エネルギー密度の高い電池パックとすることができる。また、矩形単電池セルが組電池化しているため、電池パック容器内への設置工程を簡略化でき、製造容易な電池パックとすることができる。またさらに、完成後の矩形単電池セルの位置ずれを抑制できるためリード外れ等の起きにくい信頼性の高い電池パックとすることができる。
【0048】
また、上記矩形単電池セルが1軸鏡面対称形状であり、隣接する矩形単電池セルが互いに側面を当接する場合には、電池パックの体積エネルギー密度を最も高くでき、矩形単電池セル同士が嵌め合い的に接するため、矩形単電池セル同士の接合面積を拡大して電池パックの信頼性をさらに高めることができる。
【0049】
またさらに、上記矩形単電池セルのシールフランジ部を除く断面形状が台形である場合には、上記隣接する矩形単電池セルにおいて当接した側面が擦り合わせ面として互いの接合に寄与するため、電池パックの信頼性をさらに一層高めることができる。
【0050】
上記矩形単電池セルのパッケージを、上面開放で、開放縁部に外方に張り出す外周フランジ部を有する容器と、該容器の開放部を封鑞し、外周フランジ部と接合する蓋シートとより形成することにより、パッケージをシート状物のプレス成形により簡単に製造でき、電池パックの製造工程を簡略化することができる。
【0051】
また、本発明の電池パックは、矩形単電池セルの互いに接する領域を含む外表面が熱融着性を有し、該熱融着により矩形単電池セルが互いに接合しているため、矩形単電池セル同士を配列した状態で簡便に接合することができ、電池パックを簡便に製造することができる。また、電池パック内において矩形単電池セルの位置ずれ発生を抑制し、電池パックの信頼性を高めることができる。
【0052】
上記矩形単電池セルパッケージを、パッケージ外面を形成する外側高分子層と、パッケージ内面を形成する内側高分子層と、これら高分子層間に形成された金属層とを有する構造とし、該外側高分子層及び該内側高分子層をいずれも熱融着性とすることにより、矩形単電池自身のパッケージのシールと、電池パック内における単電池同士の接合の両方を熱融着により簡便に行うことができ、電池パックの製造工程を短縮できる。
【0053】
またさらに、本発明の電池パックは、隣り合う矩形単電池セルをシールフランジが上下反転するように並列し、互いに接する外表面に熱融着性を付与して矩形単電池セルを互いに接合することにより、電池パックの体積エネルギー密度を高くでき、矩形単電池セルを容易に接合及び設置して電池パックの製造を容易に行い、矩形単電池セルの位置ずれを防止して電池パックの信頼性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の電池パックに収納する矩形単電池セルの斜視図(A)及び断面図(B)である。
【図2】 本発明の電池パックの内部の構造を示す側面図(A)及び上面図(B)である。
【図3】 従来の電池パックに収納する矩形単電池セルの斜視図(A)及び断面図(B)である。
【図4】 従来の電池パックの内部の構造を示す側面図(A)及び上面図(B)である。
【符号の説明】
15 矩形単電池セル、12 シールフランジ、1 電池エレメント、16 パッケージ、13 容器、14 蓋シート、17 凹み、18 矩形単電池セル側面、4 リード端子、7 リード線、6 保護回路。
Claims (3)
- 外周部より張り出したシールフランジを有する矩形単電池セルの複数個を一の容器内に配列、収納して成る電池パックであって、
隣接する矩形単電池セルにおいて、そのシールフランジが互いに上下反転するように並列し、
上記矩形単電池セルが1軸鏡面対称形状であり、隣接する矩形単電池セルが互いに側面を当接して成ることを特徴とする電池パック。 - 上記矩形単電池セルのシールフランジ部を除く断面形状が台形であり、これにより上記隣接する矩形単電池セルにおいて当接した側面が擦り合わせ面として互いの接合に寄与することを特徴とする請求項1に記載の電池パック。
- 上記隣接する矩形単電池セルが、上記シールフランジを介して互いに接合されることを特徴とする請求項1又は2に記載の電池パック。
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