JP4635931B2 - 波形生成装置およびプログラム - Google Patents

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本発明は、エンジン音の波形を加工・生成する技術に関する。
エンジン音は周囲の人にとっては騒音となることが多いため、エンジン音を極力発しないエンジンおよび車両の開発が行われている。しかしながら、車両の運転者にとっては多くの場合、エンジン音は運転の楽しさを高めるものであると同時に、速度が出過ぎていることを警告する等の重要な役割を果たす情報である。
従って、周囲に撒き散らされるエンジン音を低減すると同時に、運転者には心地よいエンジン音を聞かせる技術が求められている。そのような課題を解決する方法として、車内に配置したマイクにより収音したエンジン音に対し、エンジン音のエンベロープレベルや車両の走行状態に応じて変化するフィルタ処理を施した後、車内に配置されたスピーカから発音することにより、望ましいエンジン音を運転者に聞かせる技術が、例えば特許文献1および2において提案されている。
特開2005−134749号公報 特開2004−74994号公報
特許文献1や特許文献2において提案されている技術によれば、運転者は自動車の運転中、エンジン音の処理装置の再生音量を上げることにより、迫力のあるエンジン音を聞くことができる。しかしながら、音量を上げ過ぎると、エンジン音は迫力を増すが、同時に周囲の音が聞こえなくなり危険である等の不都合が生じる。
本願発明は、上記の状況に鑑み、車両の運転中において、比較的小さい音量で迫力のあるエンジン音を運転者に聞かせることを可能とする技術を提供することを目的とする。
請求項1に係る発明は、運転中のエンジンの音を示す音波形を取得する音波形入力手段と、前記エンジンの回転速度を示す回転データを取得する回転データ入力手段と、前記エンジンが搭載された車両の運転状態を示す状態データを取得する状態データ入力手段と、前記回転データに応じた周波数を基準周波数として算定する基準周波数算定手段と、前記基準周波数に基づき、フィルタ処理において透過すべき複数の周波数帯を透過周波数帯として特定する透過周波数帯特定手段と、前記エンジンの回転速度と前記透過周波数帯の帯域幅との関係、及び、前記車両の運転状態と前記透過周波数帯の帯域幅との関係を記憶する記憶手段と、前記回転データ入力手段によって取得された回転データが示す回転速度と、前記状態データ入力手段によって取得された状態データが示す運転状態と、前記記憶手段に記憶されている記憶内容とに基づいて、前記透過周波数帯の帯域幅を特定する帯域幅特定手段と、前記音波形入力手段により取得された音波形を濾波して、当該音波形の周波数成分のうち前記帯域幅特定手段によって帯域幅が特定された透過周波数帯の周波数成分のみを有する音波形を生成する透過フィルタ手段と、前記透過フィルタ手段により生成された音波形を歪ませた音波形である歪み音波形を生成する歪み音波形生成手段とを備えることを特徴とする波形生成装置を提供する。
請求項2に係る発明は、前記透過周波数帯特定手段は、前記基準周波数と音律的に調和する周波数を中心周波数とする周波数帯を前記透過周波数帯として特定することを特徴とする請求項1に記載の波形生成装置を提供する。
請求項3に係る発明は、前記透過周波数帯特定手段は、前記基準周波数に有理数を乗じた周波数を中心周波数とする周波数帯を前記透過周波数帯として特定することを特徴とする請求項1又は2に記載の波形生成装置を提供する。
請求項に係る発明は、記エンジンの回転速度と前記歪み音波形生成手段の特性との関係、及び、前記車両の運転状態と前記歪み音波形生成手段の特性との関係を記憶する特性記憶手段と、前記回転データ入力手段によって取得された回転データが示す回転速度と、前記状態データ入力手段によって取得された状態データが示す運転状態と、前記特性記憶手段に記憶されている記憶内容とに基づいて、前記歪み音波形生成手段の特性を特定する特性特定手段とを備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の波形生成装置を提供する。
請求項に係る発明は、前記歪み音波形生成手段によって生成された歪み音波形を、前記車両における前記音波形入力手段の位置に応じて決定されたパンニングの比率に従って、複数のチャンネルに配分する配分手段を備えることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の波形生成装置を提供する。
請求項に係る発明は、コンピュータに、運転中のエンジンの音を示す音波形を取得する処理と、前記エンジンの回転速度を示す回転データを取得する処理と、前記エンジンが搭載された車両の運転状態を示す状態データを取得する処理と、前記回転データに応じた周波数を基準周波数として算定する処理と、前記基準周波数に基づき、フィルタ処理において透過すべき複数の周波数帯を透過周波数帯として特定する処理と、前記エンジンの回転速度と前記透過周波数帯の帯域幅との関係、及び、前記車両の運転状態と前記透過周波数帯の帯域幅との関係を記憶手段に記憶する処理と、前記取得された回転データが示す回転速度と、前記取得された状態データが示す運転状態と、前記記憶手段に記憶されている記憶内容とに基づいて、前記透過周波数帯の帯域幅を特定する処理と、前記取得した音波形を濾波して、当該音波形の周波数成分のうち前記帯域幅が特定された透過周波数帯の周波数成分のみを有する音波形を生成する処理と、前記濾波により生成した音波形を歪ませた音波形である歪み音波形を生成する処理とを実行させるプログラムを提供する。
[1.実施形態]
[1.1.構成]
図1は、本発明の実施形態にかかる波形生成装置10を含む波形生成システム1の構成を示したブロック図である。波形生成システム1は、エンジンで駆動される車両のエンジンルーム内および車内に配置される。以下の説明においては、例として、4気筒4ストロークエンジンを搭載した自動車に波形生成システム1が配置されるものとする。
波形生成システム1は、エンジン音を加工し歪んだエンジン音の生成を行う波形生成装置10と、波形生成装置10に対しエンジンの爆発に伴う音の波形信号を出力する気筒音ピックアップ群11と、気筒音ピックアップ群11に含まれるピックアップから出力される波形信号をピックアップの種別毎にミキシングするミキサ12A〜Cと、波形生成装置10に対しエンジンの運転に伴うメカノイズの波形を出力するメカノイズピックアップ群13と、エンジンのクランクシャフトの回転速度を計測しその結果を示す信号(以下、「回転速度信号」と呼ぶ)を波形生成装置10に出力する回転速度センサ14と、波形生成装置10に対しアクセルペダルの踏み込みの程度を示す信号(以下、「アクセル開度信号」)を出力するアクセル開度センサ15とを備えている。
さらに、波形生成システム1は、波形生成装置10により合成された音波形を増幅するアンプ16と、アンプ16から出力される音波形を音に変換するスピーカ17と、波形生成装置10に対しユーザの操作に応じた信号を出力する入力デバイス18と、波形生成装置10から出力される描画データに応じてユーザに対しメッセージ画面を表示するディスプレイ19を備えている。
気筒音ピックアップ群11には、エンジンの第1〜第4気筒の各々に燃料ガスを供給する第1〜第4吸気管の表面に各々配置された圧電センサである吸気音ピックアップ111−1〜4と、第1〜第4気筒のシリンダの表面に各々配置された圧電センサである爆発音ピックアップ112−1〜4と、第1〜第4気筒の各々のシリンダから排気ガスを排出する第1〜第4排気管の表面に各々配置された圧電センサである排気音ピックアップ113−1〜4が含まれている。
吸気音ピックアップ111−1〜4から出力される信号は、各々、第1〜第4吸気管の振動を示す波形信号であり、主として第1〜第4気筒の運転に伴う吸気音を示す。同様に、爆発音ピックアップ112−1〜4から出力される信号は、各々、第1〜第4気筒の振動を示す波形信号であり、主として第1〜第4気筒の運転に伴う爆発音を示す。また、排気音ピックアップ113−1〜4から出力される信号は、各々、第1〜第4排気管の振動を示す波形信号であり、主として第1〜第4気筒の運転に伴う排気音を示す。
ミキサ12Aは、吸気音ピックアップ111−1〜4の各々から出力される波形信号をミキシングするミキサである。ミキサ12Bは、爆発音ピックアップ112−1〜4の各々から出力される波形信号をミキシングするミキサである。また、ミキサ12Cは、排気音ピックアップ113−1〜4の各々から出力される波形信号をミキシングするミキサである。
メカノイズピックアップ群13には、カムチェーンを駆動するギアの表面に配置された圧電センサであるカムチェーン音ピックアップ131と、ファンベルトのテンショナの表面に配置された圧電センサであるファンベルト音ピックアップ132が含まれている。
カムチェーン音ピックアップ131から出力される信号は、主としてカムチェーンの回転に伴うメカノイズを示す。ファンベルト音ピックアップ132から出力される信号は、主としてファンベルトの回転に伴うメカノイズを示す。なお、カムチェーン音ピックアップ131およびファンベルト音ピックアップ132はメカノイズピックアップ群13に含まれるピックアップの例であり、エンジンの運転に伴い発せられるメカノイズを拾うピックアップであれば、他の部位に配置されたピックアップがメカノイズピックアップ群13に含まれてもよい。
回転速度センサ14は、クランクシャフト付近に配置された発光体、光センサ、カウンタおよびタイマにより構成され、クランクシャフトに発光体から照射された光がクランクシャフトの所定位置に添付された反射マークにおいて反射し、その反射光が光センサにより受光された回数をカウンタがカウントし、タイマにより1秒間が計時されたタイミングでカウンタに記憶されている回数を示す信号を出力するとともに、カウンタ値をゼロにセットし、タイマをリセットする。そのように出力される信号は、毎秒の回転数によりクランクシャフトの回転速度を示す回転速度信号である。
アクセル開度センサ15は、例えば複数の発光体と光センサの組み合わせにより構成され、アクセルペダルにより発光体から発せられた光がアクセルペダルにより遮られることを利用し、いずれの光センサが反射光を受光したかに応じてアクセルペダルの踏み込みの程度を計測するしくみとなっている。以下の説明において、アクセル開度センサ15はアクセルペダルの踏み込みの程度が大きくなるに従い大きい数値を示すアクセル開度信号を出力するものとし、その範囲は0〜100であるものとする。
なお、アクセル開度センサ15は、自動車の運転状態を計測するセンサの一例であって、波形生成システム1が他の種類のセンサを備え、それらのセンサを、アクセル開度センサ15に加え、もしくはアクセル開度センサ15に代えて利用するようにしてもよい。そのようなセンサとしては、例えば車速センサ、クランクシャフトのトルクを計測するトルクセンサ等が考えられる。
スピーカ17は、例えば車内フロント部の左右に各々配置されたスピーカ17Rおよびスピーカ17Lの組み合わせである。なお、スピーカ17の配置位置はこれに限られず、例えば車内の前後位置の2カ所や、前後左右の4カ所に配置するようにしてもよい。アンプ16は、スピーカ17Rおよびスピーカ17Lの各々に音信号を出力するアンプ16Rおよびアンプ16Lの組み合わせである。
入力デバイス18およびディスプレイ19は、例えばタッチセンサ機能付き液晶ディスプレイとして一体化され、車内のインストルメント・パネルに配置されている。
波形生成装置10は、気筒音ピックアップ群11に含まれるピックアップおよびミキサ12A〜Cから出力される音波形信号を受け取るためのバスである音波形入力バス101と、回転速度センサ14およびアクセル開度センサ15の各々から出力されるセンサ信号を受け取るためのバスであるセンサ信号入力バス102と、気筒音ピックアップ群11に含まれるピックアップおよびミキサ12A〜Cから出力される音波形信号を各々用いて歪んだ音波形信号を生成するフィルタである歪みフィルタ103A〜Eと、歪みフィルタ103A〜Eの各々から出力される音波形信号を左右2チャンネルにパンニングしてミキシングするミキサ104を備えている。
また、波形生成装置10は、ミキサ104から出力される左右2チャンネルの音波形信号を各々用いて歪んだ音波形信号を生成するフィルタである歪みフィルタ103R〜Lと、歪みフィルタ103R〜Lから出力される音波形信号にエンジンルームから車内への音の伝達に伴う周波数特性の変化を反映させるフィルタである伝達特性模擬フィルタ105R〜Lと、アクセル開度センサ15から出力されるアクセル開度信号に応じてパラメータが連続的に変化するフィルタ処理を伝達特性模擬フィルタ105R〜Lから出力される音波形信号に各々施す動的フィルタ106R〜Lを備えている。
また、波形生成装置10は、伝達特性模擬フィルタ105および動的フィルタ106の行うフィルタ処理のパラメータやユーザインタフェース画面を定義する画面定義データ等を予め記憶するとともに、波形生成装置10の各構成部が利用する各種データを一時的に記憶する記憶部107と、記憶部107に記憶されている画面定義データに基づきユーザインタフェース画面等を示す描画データを生成しディスプレイ19に出力する画面生成部108と、入力デバイス18から受け取った信号に基づきユーザの入力した各種パラメータを特定するパラメータ入力部109を備えている。
歪みフィルタ103A〜EおよびR〜Lはいずれも同じ構成および機能を有している。従って、以下それらを区別する必要がない場合には、単に歪みフィルタ103と呼ぶ。図2は、歪みフィルタ103の構成を示したブロック図である。
歪みフィルタ103は、回転速度センサ14から出力される回転速度信号に基づきエンジン音の基音の周波数を基準周波数として算定する基準周波数算定部1031と、基準周波数算定部1031により算定される基準周波数に基づき透過させるべき周波数帯を透過周波数帯として特定する透過周波数帯特定部1032と、他の構成部(例えば、歪みフィルタ103Aの場合、ミキサ12A)から受け取った音波形信号の周波数成分のうち透過周波数帯特定部1032により特定された周波数帯の周波数成分のみを有する音波形信号を生成する透過フィルタ部1033と、透過フィルタ部1033により生成された音波形信号を歪ませて歪んだ音波形を示す歪み音波形信号を生成する歪み音波形生成部1034を備えている。
歪み音波形生成部1034により生成された歪み音波形信号は、順次、他の構成部(例えば、歪みフィルタ103Aの場合、ミキサ104)に出力される。
[1.2.動作]
続いて、波形生成システム1の動作を説明する。ユーザにより波形生成装置10の起動操作が行われると、波形生成装置10の画面生成部108は、記憶部107からユーザインタフェースの画面定義データを読み出して画面の描画データを生成し、ディスプレイ19に出力する。その結果、ディスプレイ19にユーザインタフェース画面が表示される。
図3は、ディスプレイ19に表示されるユーザインタフェース画面を例示した図である。ユーザインタフェース画面は、歪みフィルタ103A〜EおよびR〜Lの処理に関する各種パラメータを入力するための画面である。ユーザインタフェース画面に含まれるリストボックス181において、ユーザは「吸気音」、「爆発音」、「排気音」、「カムチェーン音」、「ファンベルト音」、「右の音」、「左の音」の選択肢からいずれかを選択することにより、いずれの音に関するパラメータを入力するかを選択する。これらの選択肢は、各々、歪みフィルタ103A〜EおよびR〜Lに対応する。
続いて、ユーザはユーザインタフェース画面に含まれるリストボックス182において、「ディストーション」、「オーバードライブ」、「ファズ」、「クランチ」等の選択肢からいずれかを選択することにより、リストボックス181において選択した音に対し、いわゆる歪み系と呼ばれるエフェクタのいずれを用いて歪み音波形信号を生成するかを選択する。
また、ユーザは仮想的な鍵盤を示すオブジェクト群183において、1つ以上の鍵を選択することにより、歪み音波形信号の生成に用いたい倍音構成となる周波数成分の周波数帯の中心周波数を指定する。ここで、オブジェクト群183における左端のCの鍵はエンジン音の基音の周波数に対応する。以下、この鍵を「C」の鍵とし、1オクターブ高くなるに従い「C」、「C」のように添え字を増やすものとする。「C」以外の鍵についても同様とする。例えば「C」の2つ右隣りのEの鍵は「E」の鍵であり、エンジン音の基音の(5/4)倍の周波数に対応する。
また、ユーザはリストボックス184において、「回転速度」および「アクセル開度」の選択肢からいずれかを選択することにより、回転速度信号およびアクセル開度信号のいずれに応じたパラメータの変化を入力するかを指定する。
ユーザによりリストボックス181〜リストボックス184およびオブジェクト群183における入力が行われると、ユーザインタフェース画面には入力された情報に応じたエンベロープ群が表示される。ユーザはそれらのエンベロープ群の形状を変更することにより、回転速度もしくはアクセル開度に応じて変化する各種パラメータを入力することができる。以下、リストボックス181〜リストボックス184において、ユーザにより「吸気音」、「オーバードライブ」および「アクセル開度」が選択され、オブジェクト群183において「C」「F」および「G」が選択されているものとする。
オブジェクト群185は、オブジェクト群183において選択された「C」「F」および「G」に対応する周波数を中心周波数とする周波数帯の帯域幅を、アクセル開度に応じてどの程度広げるかを指定するためのエンベロープ群である。オブジェクト群186は、オブジェクト群183において選択された「C」「F」および「G」に対応する周波数を中心周波数とする周波数帯の音を、アクセル開度に応じてどの程度増幅するかを指定するためのエンベロープ群である。
オブジェクト群187は、歪みフィルタ103に対し入力される音波形信号(以下、「入力音波形信号」と呼ぶ)を、アクセル開度に応じてどの程度増幅するかを指定するためのエンベロープ群である。オブジェクト群188は、入力音波形信号の低周波数帯の成分をアクセル開度に応じてどの程度増幅するかを指定するためのエンベロープ群である。同様に、オブジェクト群189およびオブジェクト群190は、入力音波形信号の中周波数帯および高周波数帯の成分をアクセル開度に応じてどの程度増幅するかを指定するためのエンベロープ群である。
オブジェクト群191は、入力音波形信号から生成される歪み音波形信号の歪みの程度をアクセル開度に応じてどの様に変化させるかを指定するためのエンベロープ群である。また、オブジェクト群192は、歪みフィルタ103から出力される前の音波形信号(以下、「出力音波形信号」と呼ぶ)を、アクセル開度に応じてどの程度増幅するかを指定するためのエンベロープ群である。
ユーザは、リストボックス181〜リストボックス184における選択肢を順次変更しては、オブジェクト群183における音程の選択およびオブジェクト群186〜オブジェクト群192におけるエンベロープの変更を繰り返すことにより、吸気音、爆発音、・・・のそれぞれに関し、いずれのエフェクタを用いるか、どの周波数帯の音を透過させるか、回転速度およびアクセル開度の各々に関しそれらの変化に応じてエフェクタへの入出力レベルやエフェクタの各種パラメータをどの様に変化させるか、を入力する。
ユーザにより、上記のように各種パラメータの入力が行われると、波形生成装置10はユーザの操作に応じた信号を入力デバイス18から受け取り、パラメータ入力部109において受け取ったそれらの信号を各種パラメータを示すパラメータデータに変換し、ユーザインタフェース画面の画面定義データの対応するオブジェクトの属性値として、記憶部107に記憶する。
ユーザは、上記の各種パラメータの入力を完了すると、コマンドボタン193を操作して、波形生成装置10に対しエンジン音の生成および再生を指示する。このユーザの指示に応じて、歪みフィルタ103A〜EおよびR〜Lは、各々、順次入力される入力音波形信号を用いて歪み音波形信号を生成し、生成した歪み音波形信号を出力音波形信号として順次出力する処理を開始する。歪みフィルタ103A〜EおよびR〜Lの動作は同じであるため、以下、歪みフィルタ103Aを例として歪みフィルタ103が行う処理を説明する。
歪みフィルタ103Aの基準周波数算定部1031は、回転速度センサ14からクランクシャフトが1回転するごとに回転速度信号を受け取っている。基準周波数算定部1031は回転速度信号を受け取ると、回転速度信号により示される回転速度r(回転/秒)を用いて、f=r/2で表されるf(Hz)を基準周波数として算定する。このように算定されるfは、エンジン音の基音の周波数である。ここで、r(回転/秒)を2で除すことにより周波数f(Hz)を算定する理由は、4ストロークエンジンにおいては、1回の爆発に伴う「吸気」「圧縮」「爆発」「排気」の4工程1サイクルにおいてクランクシャフトが2回転するためである。
従って、波形生成システム1が2ストロークエンジンの搭載された車両において利用される場合には、基準周波数算定部1031はf(Hz)=r(回転/秒)で表されるf(Hz)をエンジン音の基音の周波数として算定する。2ストロークエンジンにおいては、1サイクルにおいてクランクシャフトが1回転するためである。
基準周波数算定部1031は、上記のようにして算定した基準周波数f(Hz)を示す信号を透過周波数帯特定部1032に出力する。透過周波数帯特定部1032は、基準周波数算定部1031から信号を受け取ると、その信号により示される基準周波数f(Hz)をC音の音程とする場合における、ユーザによりオブジェクト群183において入力された音程に対応する周波数を特定する。より具体的には、透過周波数帯特定部1032は記憶部107にオブジェクト群183の属性値として記憶されているデータにより「C」「F」および「G」がユーザにより選択されていることを特定し、「C」に対応する周波数としてf(Hz)、「F」に対応する周波数としてf×(4/3)(Hz)、「G」に対応する周波数としてf×3(Hz)を算定する。
なお、透過周波数帯特定部1032が上記のように「F」および「G」に対応する周波数を算定するにあたり、「4/3」や「3」といった有理数をfに乗じるのは、「C」と「F」の周波数の比が約3:4であり、「C」と「G」の周波数の比が約1:3であるためである。このように、音階上の2つの音の周波数の関係は簡単な整数比となるものが多く、それらの比が1:2(1オクターブ)や2:3(完全5度)のように単純であるものは、音律的な調和もよい。
透過周波数帯特定部1032は、上記のように周波数の算定を行う一方で、回転速度センサ14からクランクシャフトが1回転するごとに回転速度信号を受け取っている。また、透過周波数帯特定部1032は、アクセル開度センサ15から例えば十分に短い所定時間間隔でアクセル開度信号を受け取っている。透過周波数帯特定部1032は、上記のように「C」「F」および「G」に対応する周波数を算定すると、最後に受け取った回転速度信号およびアクセル開度信号と、ユーザがリストボックス184において「回転速度」および「アクセル開度」の各々を選択した後にオブジェクト群185において入力したエンベロープに基づき、透過フィルタ部1033において透過すべき周波数帯(透過周波数帯)を特定する。
そのため、まず透過周波数帯特定部1032は透過周波数帯の帯域幅を特定する。より具体的には、例えば透過周波数帯特定部1032が最後に受け取ったアクセル開度信号が「35」であり、ユーザがリストボックス184において「アクセル開度」を選択してオブジェクト群185において指定した「C」に対応するエンベロープのアクセル開度「35」に対応する帯域幅の大小が「7」であり、透過周波数帯特定部1032が最後に受け取った回転速度信号が「50」であり、ユーザがリストボックス184において「回転速度」を選択してオブジェクト群185において指定した「C」に対応するエンベロープの回転速度「50」に対応する帯域幅の大小が「4」である場合、透過周波数帯特定部1032は「7」と「4」の平均値として「5.5」を算出する。
続いて、透過周波数帯特定部1032は「C」に対応する周波数f(Hz)および算出した平均値「5.5」を用いて、周波数f(Hz)を中心周波数とするf^(1−5.5/1000)(Hz)〜f^(1+5.5/1000)(Hz)の周波数帯を特定する。ただし、「^」はべき乗を表す。同様に、透過周波数帯特定部1032は「F」および「G」に対応する周波数帯を特定する。
上記のように透過周波数帯特定部1032により特定される周波数帯は、基準周波数算定部1031により算定された周波数を中心周波数とし、ユーザによりオブジェクト群186において指定されたエンベロープに従い回転速度およびアクセル開度に応じて決定される帯域幅を有する周波数帯である。透過周波数帯特定部1032は、上記のようにして特定した周波数帯を、それぞれ「C」、「F」および「G」に対応する透過周波数帯として特定し、それらの音程(「C」等)と透過周波数帯との対応を示す信号(以下、「透過周波数帯信号」と呼ぶ)を透過フィルタ部1033に出力する。
透過フィルタ部1033は透過周波数帯特定部1032と同様に、回転速度センサ14およびアクセル開度センサ15から継続的に回転速度信号およびアクセル開度信号を受け取っている。透過フィルタ部1033は、透過周波数帯特定部1032から透過周波数帯信号を受け取ると、ユーザがリストボックス184において「回転速度」および「アクセル開度」の各々を選択した後にオブジェクト群186において入力したエンベロープに基づき、透過周波数帯信号により示される周波数帯の成分を透過させるにあたり、どの程度の増幅率で透過させるかを特定する。
より具体的には、例えば透過フィルタ部1033が最後に受け取ったアクセル開度信号が「35」であり、ユーザがリストボックス184において「アクセル開度」を選択してオブジェクト群186において指定した「C」に対応するエンベロープのアクセル開度「35」に対応する増幅率が「0.5」であり、透過フィルタ部1033が最後に受け取った回転速度信号が「50」であり、ユーザがリストボックス184において「回転速度」を選択してオブジェクト群186において指定した「C」に対応するエンベロープの回転速度「50」に対応する増幅率が「0.3」である場合、透過フィルタ部1033は「0.5」と「0.3」の平均値として「0.4」を算出する。このように算出される値は、「C」に対応する透過周波数帯において透過する周波数成分の増幅率(以下、「透過増幅率」と呼ぶ)である。同様に、透過フィルタ部1033は「F」および「G」に対応する透過増幅率を特定する。
透過フィルタ部1033は上記のように透過増幅率を特定する一方で、ミキサ12Aから音波形入力バス101を介して、第1〜第4気筒の各々に対応する吸気音がミキシングされた音を示す入力音波形信号を常時受け取っている。透過フィルタ部1033は透過増幅率を特定すると、入力音波形信号の周波数成分のうち、透過周波数帯信号により示される透過周波数帯の成分のみを取り出し、取り出した成分をそれぞれの透過周波数帯に応じた透過増幅率で増幅する。
図4は透過フィルタ部1033が行う処理を模式的に示した図である。図4(a)は入力音波形信号の周波数特性を示したグラフである。図4(b)は透過フィルタ部1033のフィルタ特性を示したグラフである。透過フィルタ部1033は、図4(a)に示される入力音波形信号の各々の周波数の振幅に、図4(b)に示される各々の周波数の増幅率を乗じることにより、図4(c)に示される音波形信号を生成する。透過フィルタ部1033はそのようにして生成した音波形信号(以下、「透過音波形信号」と呼ぶ)を、順次歪み音波形生成部1034に出力する。
歪み音波形生成部1034は透過周波数帯特定部1032および透過フィルタ部1033と同様に、回転速度センサ14およびアクセル開度センサ15から継続的に回転速度信号およびアクセル開度信号を受け取っている。歪み音波形生成部1034はそれらの信号を受け取ると、ユーザがリストボックス184において「回転速度」および「アクセル開度」の各々を選択した後にオブジェクト群187〜オブジェクト群191において入力したエンベロープに基づき、ユーザがリストボックス182において選択した歪み系エフェクタのパラメータを特定する。
より具体的には、例えば歪み音波形生成部1034が最後に受け取ったアクセル開度信号が「35」であり、ユーザがリストボックス184において「アクセル開度」を選択してオブジェクト群187において指定したエンベロープのアクセル開度「35」に対応するゲインが「+10」であり、歪み音波形生成部1034が最後に受け取った回転速度信号が「50」であり、ユーザがリストボックス184において「回転速度」を選択してオブジェクト群187において指定したエンベロープの回転速度「50」に対応するゲインが「+8」である場合、歪み音波形生成部1034はそれらの平均値「+9」を、ユーザがリストボックス182において選択したエフェクタ「オーバードライブ」の入力レベルのパラメータとして特定する。
同様に、歪み音波形生成部1034はエフェクタの低周波数帯のゲイン、中周波数帯のゲイン、高周波数帯のゲイン、歪みの程度、および出力レベルに関するパラメータを特定する。歪み音波形生成部1034は特定したそれらのパラメータに従い、透過フィルタ部1033から受け取った透過音波形信号を歪ませた信号である歪み音波形信号を生成する。歪み音波形生成部1034は生成した歪み音波形信号を、出力音波形信号としてミキサ104に出力する。
以上のようにして、歪みフィルタ103Aはミキサ12Aから受け取った音波形信号を歪ませて吸気音の歪み音波形信号を生成し、ミキサ104に出力する。歪みフィルタ103B〜Eはそれぞれ、ミキサ12B〜C、カムチェーン音ピックアップ131およびファンベルト音ピックアップ132から受け取った音波形信号に関し歪みフィルタ103Aと同様の処理を行い、爆発音、排気音、カムチェーン音およびファンベルト音の歪み音波形信号を生成し、ミキサ104に出力する。
ミキサ104は、歪みフィルタ103A〜Eの各々から受け取る歪み音波形信号を、所定のパンニング処理をした後、左右の各チャンネルに配分し、それらをミキシングする。パンニングの比率は、例えば吸気音ピックアップ111〜ファンベルト音ピックアップ132の各々が自動車の左右方向のセンタ位置からどの程度左右にずれた位置に配置されているかにより決定される。
ミキサ104はミキシングにより生成した右チャンネルの音波形信号および左チャンネルの音波形信号をそれぞれ、歪みフィルタ103RおよびLに順次出力する。歪みフィルタ103RおよびLはミキサ104から音波形信号を受け取ると、それらに関し歪みフィルタ103Aと同様の処理を行い、右の音および左の音に関する歪み音波形信号を生成し、伝達特性模擬フィルタ105RおよびLに引き渡す。
伝達特性模擬フィルタ105RおよびLは、歪みフィルタ103RおよびLから受け取る音波形信号を所定の伝達関数に入力することにより、エンジンルームにおいて発生した音が車内の運転者の耳に到達するまでに生じる周波数特性の変化を、歪みフィルタ103RおよびLから受け取った音信号波形に反映させる。
より具体的には、エンジンルームの例えば中央位置において発したインパルス信号に対する、車内の運転者の頭位置におけるインパルス応答に基づき算出された伝達関数の係数列が、予め記憶部107に記憶されている。伝達特性模擬フィルタ105は、例えば、歪みフィルタ103RおよびLから受け取った音信号波形をフーリエ変換して得られる係数列の各々に、記憶されている伝達関数の係数列の各々を乗じて得られる係数列を逆フーリエ変換する。伝達特性模擬フィルタ105RおよびLは、そのようにして生成した音信号波形を動的フィルタ106RおよびLに各々出力する。
動的フィルタ106RおよびLは、アクセル開度センサ15から常時、アクセル開度信号を受け取り、受け取ったアクセル開度信号に応じたフィルタ処理を伝達特性模擬フィルタ105RおよびLから受け取る音信号波形に対し行う。動的フィルタ106RおよびLが行うフィルタ処理は、例えばグラフィックイコライザ処理である。動的フィルタ106の処理のため、記憶部107には予め、グラフィックイコライザの各周波数帯に関し、アクセル開度と増幅率との対応データが記憶されている。
図5は、記憶部107に記憶されている対応データを示したグラフである。図5のデータ例に従う場合、アクセル開度信号が「90」を示す時、動的フィルタ106は中心周波数63Hz、125Hz、・・・の周波数帯の振幅を、それぞれ1.2倍、1.4倍、・・・に増幅する。動的フィルタ106RおよびLは、そのようなフィルタ処理を行った音波形信号を、それぞれアンプ16RおよびLに出力する。
アンプ16RおよびLは、上記のようにして波形生成装置10の動的フィルタ106RおよびLから音信号波形を受け取ると、受け取った音波形信号をスピーカレベルに増幅し、それぞれスピーカ17RおよびLに出力する。スピーカ17RおよびLは、アンプ16RおよびLから受け取った音波形信号を音に変換して発音する。その結果、運転者には波形生成装置10により生成されたエンジン音が聞こえる。
上記のように運転者に聞こえるエンジン音は、実際のエンジン音に含まれる周波数成分のうち、ユーザがユーザインタフェース画面(図3参照)において入力した各種パラメータに応じて選択的に透過された周波数帯の成分に歪みが加えられたものである。また、そのように選択的に透過された周波数帯は、エンジン音の基音の周波数と音律的な関係を有する周波数を中心周波数としている。従って、運転者に聞こえるエンジン音は、騒々しいノイズとはならず、音律的に調和の取れた心地よい響きの歪み音となる。
特に、ユーザがオブジェクト群183において2〜3程度の少ない数の音程を選択し、さらにそれらの音程のインターバルが完全5度等の音律的に調和するものである場合、波形生成システム1から発せられる歪み音は好ましいものとなる。
さらに、波形生成システム1により生成されるエンジン音は、エンジンの回転速度やアクセル開度といった運転状態に応じて変化する。その変化の質や程度は、ユーザが様々に変更することが可能である。
また、本実施形態においては、エンジンの各部位から発せられる音を示す波形信号を個別に取得し、それらの各々に関し異なるパラメータに従い歪みフィルタ103の処理を行っているため、ユーザは波形生成システム1により生成されるエンジン音をきめ細かく調整することができる。
[2.変形例]
上述した実施形態は、本願発明の技術的思想の範囲で様々に変形することができる。以下にそのような変形例を示す。
[2.1.第1変形例]
上述した実施形態においては、ミキサ12Aにおいて、エンジンの気筒毎に配置された吸気音ピックアップ111−1〜4により生成される波形信号がミキシングされた後に歪みフィルタ103Aに入力されるものとしたが、吸気音ピックアップ111−1〜4の各々により生成される波形信号に関し個別に歪みフィルタ103の処理を行うようにしてもよい。爆発音ピックアップ112および排気音ピックアップ113に関しても同様である。
[2.2.第2変形例]
上述した実施形態においては、音波形信号の流れにおいて、ミキサ104の上流および下流の両方に歪みフィルタ103を配置するものとしたが、それらのいずれか一方にのみ、歪みフィルタ103を配置するようにしてもよい。すなわち、波形生成装置10は、歪みフィルタ103A〜Eと、歪みフィルタ103R〜Lのいずれかのみを有してもよい。
[2.3.第3変形例]
上述した実施形態においては、ユーザはオブジェクト群183の仮想的な鍵を指定することにより、透過周波数帯の中心周波数を指定するものとしたが、例えば音程を示す「F4」等の記号を入力したり、「3/2」といった基準周波数に対する倍率を数値で入力したりすることにより、透過周波数帯の中心周波数を指定するようにしてもよい。
なお、上述したように、音階上の2つの音の周波数の関係は簡単な整数比となるものが多く、それらの比が1:2(1オクターブ)や2:3(完全5度)のように単純であるものは、音律的な調和もよい。従って、例えば基準周波数をfとするときに、比が1:2や2:3となる有理数を各々fに乗じることにより、互いに1オクターブや完全5度といった音律的に調和する中心周波数を算出することができる。特に、比が1:2や2:3となる整数を各々fに乗じることにより、互いに音律敵に調和し、かつfの倍音である中心周波数を算出することができる。従って、ユーザは例えば、「5/4」と「3/2」(5:6となる有理数の組)や、「6」と「9」(2:3となる整数の組)といった数値を基準周波数に対する倍率として指定することにより、容易に音律的な調和のとれた歪み音を得ることができる。
上記の数値の組み合わせをユーザが入力する代わりに、ユーザは倍率を1つのみ入力し、透過周波数帯特定部1032はユーザにより入力された倍率をfに乗じた周波数と、その倍率を所定倍、例えば(3/2)倍した倍率をfに乗じた周波数とを、透過周波数帯の中心周波数として算出するようにしてもよい。この場合、ユーザは倍率を1つ入力するだけで、完全5度のインターバルを持つ2つの中心周波数を指定することができる。
さらに、ユーザによる倍率の指定を要求することなく、透過周波数帯特定部1032が所定の倍率をfに乗じることにより、互いに音律的な調和のとれる中心周波数を算出するようにしてもよい。例えば、透過周波数帯特定部1032はユーザの入力によらず、f×2およびf×3を算出しそれらを透過周波数帯の中心周波数とする。その結果、互いに完全5度のインターバルを持つ2つの中心周波数が特定される。
また、上述した実施形態においては、例えばユーザにより「G」が指定された場合に、透過周波数帯特定部1032は基準周波数に対し「C」−「G」のインターバルを示す「3/2」を乗じるものとしたが、より正確な数値である「1.4983」等を基準周波数に乗じることにより、透過周波数帯の中心周波数を算定するようにしてもよい。
さらに、音階上の2音間のインターバルにとらわれることなく、ユーザが任意の倍率を指定し、透過周波数帯特定部1032はそのように指定された倍率を基準周波数に乗じて透過周波数帯の中心周波数を算定するようにしてもよい。その場合、歪み音波形生成部1034により生成される歪み音波形信号にはエンジン音の基音の非整数倍音が多く含まれることとなる。
[2.4.第4変形例]
上述した実施形態においては、波形生成装置10は各構成部に対応する専用のハードウェア回路の組み合わせにより実現されることが想定されているが、汎用コンピュータにアプリケーションプログラムに従った処理を実行させることにより、波形生成装置10を実現してもよい。
[3.備考]
上述した実施形態およびその変形例において示した数値や、それらの数値の算出方法は、本発明を説明するための例示であって、本発明の技術範囲はそれらの数値や算出方法に限らない。
また、上述した実施形態において示した波形生成システム1における処理の順序は、本発明の技術的思想の範囲において変更可能である。
また、吸気音ピックアップ111等として圧電センサ以外のセンサを用いたり、音を収音するマイクを用いたりしてもよい。その配置位置も実施形態に記載のものに限られず、例えば車内であってもよい。
本発明の実施形態にかかる波形生成システムの構成を示したブロック図である。 本発明の実施形態にかかる歪みフィルタの構成を示したブロック図である。 本発明の実施形態にかかるユーザインタフェース画面を示した図である。 本発明の実施形態にかかる透過フィルタ部の処理を示した図である。 本発明の実施形態にかかる動的フィルタが利用する対応データを示したグラフである。
符号の説明
1…波形生成システム、10…波形生成装置、11…気筒音ピックアップ群、12…ミキサ、13…メカノイズピックアップ群、14…回転速度センサ、15…アクセル開度センサ、16…アンプ、17…スピーカ、18…入力デバイス、19…ディスプレイ、101…音波形入力バス、102…センサ信号入力バス、103…歪みフィルタ、104…ミキサ、105…伝達特性模擬フィルタ、106…動的フィルタ、107…記憶部、108…画面生成部、109…パラメータ入力部、111…吸気音ピックアップ、112…爆発音ピックアップ、113…排気音ピックアップ、131…カムチェーン音ピックアップ、132…ファンベルト音ピックアップ、1031…基準周波数算定部、1032…透過周波数帯特定部、1033…透過フィルタ部、1034…歪み音波形生成部。

Claims (6)

  1. 運転中のエンジンの音を示す音波形を取得する音波形入力手段と、
    前記エンジンの回転速度を示す回転データを取得する回転データ入力手段と、
    前記エンジンが搭載された車両の運転状態を示す状態データを取得する状態データ入力手段と、
    前記回転データに応じた周波数を基準周波数として算定する基準周波数算定手段と、
    前記基準周波数に基づき、フィルタ処理において透過すべき複数の周波数帯を透過周波数帯として特定する透過周波数帯特定手段と、
    前記エンジンの回転速度と前記透過周波数帯の帯域幅との関係、及び、前記車両の運転状態と前記透過周波数帯の帯域幅との関係を記憶する記憶手段と、
    前記回転データ入力手段によって取得された回転データが示す回転速度と、前記状態データ入力手段によって取得された状態データが示す運転状態と、前記記憶手段に記憶されている記憶内容とに基づいて、前記透過周波数帯の帯域幅を特定する帯域幅特定手段と、
    前記音波形入力手段により取得された音波形を濾波して、当該音波形の周波数成分のうち前記帯域幅特定手段によって帯域幅が特定された透過周波数帯の周波数成分のみを有する音波形を生成する透過フィルタ手段と、
    前記透過フィルタ手段により生成された音波形を歪ませた音波形である歪み音波形を生成する歪み音波形生成手段と
    を備えることを特徴とする波形生成装置。
  2. 前記透過周波数帯特定手段は、前記基準周波数と音律的に調和する周波数を中心周波数とする周波数帯を前記透過周波数帯として特定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の波形生成装置。
  3. 前記透過周波数帯特定手段は、前記基準周波数に有理数を乗じた周波数を中心周波数とする周波数帯を前記透過周波数帯として特定する
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の波形生成装置。
  4. 記エンジンの回転速度と前記歪み音波形生成手段の特性との関係、及び、前記車両の運転状態と前記歪み音波形生成手段の特性との関係を記憶する特性記憶手段と、
    前記回転データ入力手段によって取得された回転データが示す回転速度と、前記状態データ入力手段によって取得された状態データが示す運転状態と、前記特性記憶手段に記憶されている記憶内容とに基づいて、前記歪み音波形生成手段の特性を特定する特性特定手段と
    を備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の波形生成装置。
  5. 前記歪み音波形生成手段によって生成された歪み音波形を、前記車両における前記音波形入力手段の位置に応じて決定されたパンニングの比率に従って、複数のチャンネルに配分する配分手段を備えることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の波形生成装置。
  6. コンピュータに、
    運転中のエンジンの音を示す音波形を取得する処理と、
    前記エンジンの回転速度を示す回転データを取得する処理と、
    前記エンジンが搭載された車両の運転状態を示す状態データを取得する処理と、
    前記回転データに応じた周波数を基準周波数として算定する処理と、
    前記基準周波数に基づき、フィルタ処理において透過すべき複数の周波数帯を透過周波数帯として特定する処理と、
    前記エンジンの回転速度と前記透過周波数帯の帯域幅との関係、及び、前記車両の運転状態と前記透過周波数帯の帯域幅との関係を記憶手段に記憶する処理と、
    前記取得された回転データが示す回転速度と、前記取得された状態データが示す運転状態と、前記記憶手段に記憶されている記憶内容とに基づいて、前記透過周波数帯の帯域幅を特定する処理と、
    前記取得した音波形を濾波して、当該音波形の周波数成分のうち前記帯域幅が特定された透過周波数帯の周波数成分のみを有する音波形を生成する処理と、
    前記濾波により生成した音波形を歪ませた音波形である歪み音波形を生成する処理と
    を実行させるプログラム。
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