JP4634702B2 - 建物の耐震補強構造、建物の耐震補強方法 - Google Patents

建物の耐震補強構造、建物の耐震補強方法 Download PDF

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Description

本発明は建物の耐震補強構造に係り、特に、階段を有する建物に耐震補強を行うための耐震補強構造及び耐震補強方法に関する。
従来より、建物の耐震補強を行うため、耐震壁を設けたり、既設の梁柱や壁に補強鋼板を取り付けるなど、様々な補強構造が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2等を参照)。
特開2002−322751号公報 特開2000−213177号公報
ところで、従来、建物に設けられる階段は、上下フロア間の昇降手段としての機能のみに基づいて設計されており、建物の耐震要素としては全く考慮されていなかった。このため、建物の耐震補強設計にあたり、必要以上の補強材が必要となってコスト増を招き、また、建物の使い勝手が悪くなることもあった。さらに、場合によっては、建物全体としての剛性バランスの悪い補強となることもあった。
本願発明者等は、地震による様々な建物の被害状況を調査した結果、階段踊り場などにひび割れが発生した例があることを見出した。そして、このような調査結果から、階段は地震力を負担し得るものであり、階段を耐震要素として利用できれば、建物全体の耐震補強量を低減して効果的な耐震補強設計を行えると考えた。
本発明は上記のような事情の下でなされたものであり、階段を耐震要素とすることにより、建物の効果的な耐震補強を行なうことが可能な耐震補強構造及び耐震補強方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、請求項1に記載された発明は、階段を備える建物の耐震補強構造であって、前記階段の昇降部又は踊り場の裏面の少なくとも何れかに補強部材を取り付けたことを特徴とする。
また、請求項に記載された発明は、請求項記載の耐震補強構造において、前記補強部材は、繊維強化樹脂製の板材又はシートを含むことを特徴とする。
また、請求項に記載された発明は、請求項1又は2記載の耐震補強構造において、前記補強部材は、鋼板を含むことを特徴とする。
また、請求項に記載された発明は、請求項1〜3のうち何れか1項記載の耐震補強構造において、前記補強部材は、前記階段に設けられた複数の繊維保持部の間に巻き付けられた補強用繊維を含むことを特徴とする。
また、請求項5に記載された発明は、階段を備える建物を耐震補強する方法であって、前記階段の昇降部又は踊り場の裏面の少なくとも何れかに補強部材を取り付けることを特徴とする。
本発明によれば、階段を耐震要素として利用できるので、建物の効果的な耐震補強を行うことが可能となる。
以下、図面を参照して、本発明の様々な実施形態について説明する。なお、以下に示す各実施形態において共通の構成部分には同一の符号を付してその重複する説明は省略するものとする。
図1は、本発明の第1の実施形態である耐震補強構造を示す側面図であり、図2は、この耐震補強構造を図1の下側から見た図である。なお、本実施形態及び以下に説明する各実施形態では、建物が備える階段1に耐震補強を施すものとし、また、階段1は、踊り場2と、この踊り場2と上下階との間の階段部分である昇降部3とにより構成されるものとしている。
図1に示す如く、建物が備える階段1の踊り場2及び昇降部3の裏面には、本発明の補強部材としての炭素繊維シート10が接着剤により貼り付けられている。ここで、炭素繊維シート10は、炭素繊維によって補強された樹脂(すなわちCFRP)製のシート状部材であり、本実施形態では、長手方向に延びる炭素繊維を有する帯状の炭素繊維シート10を用いている。図2に示すように、本実施形態では、階段1の両側に昇降方向(図2の左右方向)に延びるように貼り付けた炭素繊維シート10aと、この炭素繊維シート10aに直交して重なるように踊り場2の昇降部3側(図1及び図2の左側)の辺に沿って貼り付けた炭素繊維シート10bとで階段1を補強している。これら炭素繊維シート10a,10bの貼り付け位置及び貼り付け方向は、地震時に階段1に生ずる応力を数値シミュレーションによって計算し、その結果得られた階段各部での応力の大きさ及びその向きを考慮したものである。ただし、炭素繊維シート10を全面に貼り付けてもよいし、階段1の中央部に貼り付けてもよく、あるいは、炭素繊維シート10をX型に貼り付けるなど、場合に応じて様々な貼り付け方を用いることができる。なお、炭素繊維シート10は、接着材により貼り付けるだけでは緩みが生じることがあるので、貼り付けた後、その上から樹脂を塗布して固めるものとする。
炭素繊維シート10aの、踊り場2と昇降部3との間の隅角部4の近傍部分は、フラットバーやアングル材等の例えば鋼製の定着プレート12と、この定着プレート12を貫通して打ち込まれた後施工アンカー14とにより定着されている。これにより、階段1に作用する引張荷重によって、隅角部4にて炭素繊維シート10aを剥がす向きの力が生じた場合に、炭素繊維シート10aの接着面が剥がれるのを防止できる。また、炭素繊維シート10bの端部も同様に、定着プレート12及び後施工アンカー14により定着されている。さらに、炭素繊維シート10aの踊り場2側(図1、図2中右側)の端部は、例えばアングル部材16及び後施工アンカー18により、建物躯体の大梁5に定着されている。このように、各炭素繊維シート10の端部が階段1あるいは建物躯体に定着されることで、炭素繊維シート10に引張荷重が作用した際に、その端部が剥がれることが防止される。
以上の構成によれば、地震時に階段1に引張応力が生じた場合に、この引張応力を炭素繊維シート10が負担することで、階段1の耐震強度が向上する。したがって、階段1を建物の耐震要素として考慮することが可能となるため、建物の他の部分に必要な耐震補強量を低減して効果的な耐震補強を行えると共に、建物全体として剛性のバランスの取れた耐震補強が可能となる。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
図3は、本発明の第2の実施形態である耐震補強構造を示す側面図であり、図4は、同耐震補強構造を図3の下側から見た図である。同図に示す如く、本実施形態では、補強部材として、上記第1の実施形態の炭素繊維シート10に代えて鋼板20(20a,20b)を階段1の裏面へ接着している。鋼板20の階段1への接着は、例えばエポキシ樹脂等の接着剤21を階段1の下面と鋼板20との間に圧入することにより行われる。
図3に示す如く、階段1の昇降方向に延びる鋼板20aは、隅角部4に沿って折り曲げられ、その近傍で、後施工アンカー14により階段裏面に定着されている。図4に示す如く、踊り場2の昇降部3側の辺に沿った鋼板20bは、鋼板20aの間に貼り付けられ、鋼板20bと鋼板20aとは溶接部22において現場溶接されている。また、互いに隣接して配置される鋼板20aどうしも溶接部23において現場溶接されている。さらに、鋼板20aの踊り場2(図4中右側)の端部にはアングル部材16が溶接又は接着により接合され、このアングル部材16を介して後施工アンカー18により建物躯体の大梁5に定着されている。
本実施形態でも、上記第1の実施形態と同様に、階段1に生ずる引張応力を鋼板20が負担することで、階段1の耐震強度が向上し、これにより、階段1を耐震要素として考慮することが可能となるため、建物の他の部分に必要な耐震補強量を低減して効果的な耐震補強を行えると共に、建物全体として剛性のバランスの取れた耐震補強が可能となる。また、鋼板20を接着材で貼り付けるだけでよいので、施工性にも優れている。
なお、上記の説明では、鋼板20aが踊り場2の裏面に貼り付けられるものとしたが、踊り場2の上面に鋼板を貼り付けることにより補強を行ってもよい。
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
図5は、本発明の第3の実施形態である耐震補強構造を示す側面図であり、図6は、同耐震補強構造を下側から見た図である。これらの図面に示す如く、本実施形態では、補強部材として、上記第1の実施形態の炭素繊維シート10に代えて、炭素繊維樹脂(CFRP)板30(30a,30b)を階段1の裏面へ接着している。なお、図6に示すように、本実施形態では、細長い帯状のCFRP板30を複数本並べて接着しているが、上記第1の実施形態の炭素繊維シート10や第2の実施形態の鋼板20のように幅の広い長方形状のCFRP板30を用いてもよい。
図5に示す如く、階段1の昇降方向に延びるCFRP板30aは、隅角部4と同じ角度で屈曲した形状に形成されており、その屈曲部分が隅角部4に沿うように貼り付けられている。そして、隅角部4の近傍で、定着プレート12及び後施工アンカー14により階段裏面に定着されている。踊り場2の昇降部3側の辺に沿ったCFRP板30bは、CFRP板30aに重なるように貼り付けられている。また、CFRP板30aの踊り場2側の端部は、アングル部材16及び後施工アンカー18により大梁5に定着されている。
本実施形態でも、上記第1及び第2の実施形態と同様に、階段1に生ずる引張応力をCFRP板30が負担することで階段1の耐震強度が向上するため、建物の他の部分に必要な耐震補強量を低減して効果的な耐震補強を行えると共に、建物全体として剛性のバランスの取れた耐震補強が可能となる。また、CFRP板30を接着材で貼り付けるだけでよいので、施工性にも優れている。
なお、上記の説明では、CFRP板30aが隅角部4に合わせて予め屈曲して形成されているものとしたが、これに限らず、例えば、図7に示すように、炭素繊維200が一部で剥き出しとなったCFRP板202を用い、現場での施工時に、この剥き出し部分を隅角部4に屈曲して貼り付けることとしてもよい。なお、CFRP板202を貼り付けた後、炭素繊維202が剥き出した部分の上から樹脂を塗布するようにする。このようなCFRP板202を用いれば、予め隅角部4に合わせてCFRP板を形成しておくことが不要となるので、CFRP板を汎用化でき、コスト削減を図ることができる。
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。
図8は、本発明の第4の実施形態である耐震補強構造を示す側面図であり、図9は、同耐震補強構造を図8の下側から見た図である。これらの図面に示すように、本実施形態では、踊り場2の下面の周縁部及び昇降部3の下面の両側部に沿って、本発明の繊維保持部としての後施工アンカー32が施工され、それら後施工アンカー32の間に、本発明の補強部材としての炭素繊維34が巻き付けられている。耐震補強の施工手順としては、後施工アンカー32を打設して炭素繊維34を巻きつけた後、隅角部4及び補強部端部に沿ってアングル部材36を取り付け、最後に、炭素繊維34を覆うように樹脂を塗布して、炭素繊維34を階段1と一体化させる。
なお、図10及び図11には、上記第4の実施形態の補強構造において、補強対象である階段1の踊り場2と昇降部3との境界部に既設の小梁6が設けられた場合の変形例を示している。この構成では、アングル部材36を小梁6の両側に設けている。
以上の構成によれば、階段1に生ずる引張応力を炭素繊維34が負担することで、階段1の耐震強度が向上するため、建物の他の部分に必要な耐震補強量を低減して効果的な耐震補強を行えると共に、建物全体として剛性のバランスの取れた耐震補強が可能となる。
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。
図12は、本発明の第5の実施形態である耐震補強構造を示す側面図であり、図13は、同耐震補強構造を図12の下側から見た図である。これらの図面に示すように、本実施形態では、階段1の踊り場2と昇降部3との境界部に既設の小梁6が設けられているものとし、また、補強部材として鋼板40(40a,40b)を用いている。
図12及び図13に示す如く、階段1の昇降方向に延びる鋼板40aは、昇降部3の裏面に沿って貼り付けられ、小梁6の下面の高さで水平に折り曲げられて小梁6の下面に貼り付けられ、小梁6を越えた位置で斜め上方に折り曲げられ、踊り場2の下面に達した位置で再び水平に折り曲げられて踊り場2の裏面に貼り付けられている。そして、鋼板40aの各屈曲部分の近傍は、定着プレート12及び後施工アンカー14により階段裏面に定着されている。また、2枚の鋼板40aの間に設けられた鋼板40bも、鋼板40aの上記屈曲形状と同一形状に屈曲され、両端部の溶接部41において鋼板40aに現場溶接されている。また、隣接して設けられた鋼板40aどうしも溶接部42において現場溶接されている。なお、小梁6の両側の部分では、鋼板40a、40bとの間に三角形の空間43,44が生ずるが、これらの空間43,44にグラウト材を注入してもよい。
本実施形態では、小梁6の位置において鋼板40を図12に示されるように比較的緩やかな角度で屈曲させることで、階段1に作用する引張応力を効果的に鋼板40に負担させることができる。これにより、階段1の耐震強度が向上し、建物の他の部分に必要な耐震補強量を低減して効果的な耐震補強を行えると共に、建物全体として剛性のバランスの取れた耐震補強が可能となる。
図14は、上記第5の実施形態の変形例を示す。同図に示すように、この変形例では、鋼板40aを小梁6の両側の鋼板40A,40Bに分断すると共に、小梁6を貫通するアンカー45を設け、鋼板40A,40Bの端部をアンカー45の両端に接合している。なお、小梁6が十分な引張荷重の伝達性能を有していれば、図15に示すように、貫通アンカーは省略して、鋼板40A,40Bの端部を後施工アンカー46等で小梁6に定着するだけでも構わない。
なお、上記第5の実施形態及びその変形例において、補強部材として鋼板40に代えてCFRP板を用いてもよい。
また、上記第1〜第5の実施形態では、階段1の裏面に炭素繊維シート10、鋼板20,40、CFRP板30、又は炭素繊維34である補強部材を設けた構成としたが、階段1の昇降部3については側面(すなわち、ささら桁)に補強部材を設けてもよい。その場合、例えば、上記図7に示すように、炭素繊維200が一部剥き出しとなった炭素繊維シート202を用いれば、その剥き出し部分にて炭素繊維シート202を捩ることにより、昇降部3のささら桁から踊り場2の裏面へ連続的に貼り付けることができる。
また、上記第1〜第5の実施形態では、炭素繊維シート10、鋼板20,40、CFRP板30、又は炭素繊維34の何れかを補強部材として用いた場合について説明したが、本発明はこれに限らず、複数種類の補強部材を組み合わせて用いてもよい。
次に、本発明の第1の参考例について説明する。
図16は、本発明の第1の参考例である耐震補強構造を示す側面図であり、図17は、同耐震補強構造を図16の下側から見た図であり、図18は、同耐震補強構造を図17の右側から見た図である。また、図19は、図16のA部拡大図であり、図20は、建物の1階、2階部分の階段1の全体を模式的に示す側面図である。これらの図面に示すように、本参考例では、下階側の昇降部3Aと、上階側の昇降部3Bとの間の、踊り場2に近接する位置に、H型鉄骨からなる補強柱50が設置されている。この補強柱50は、昇降部3A,3Bに跨るように一部を撤去して設けられた開口部52に挿通されている。
なお、本参考例でも、階段1の下面に炭素繊維シート、鋼板、又はCFRP板等の補強部材が貼り付けられるが、その構成は上記第1〜第4の実施形態と同様であるため説明を省略する(図16には、補強部材として鋼板20を貼り付けた場合を示している。)。
図20に示すように、補強柱50は、複数の鉄骨54A,54B,54C,54D,・・・を継手55で連結して構成されている。補強柱50を設ける場合には、先ず、最下段の鉄骨54aを1階地盤に立設した後、1階と2階の間の踊り場2近傍に設けた開口部52に2段目の鉄骨54Bを挿通して、継手55により鉄骨54Aに連結し、更に、3段目の鉄骨54Cを継手55により鉄骨54Bに連結して、上階の踊り場2に設けた開口部52に4段目の鉄骨54Dを挿通し、継手55により鉄骨54Cに連結するという作業を上階に向けて繰り返す。
図16〜図18に示す如く、補強柱50と階段1の両側の既設壁7との間には、H型鉄骨からなる補強梁56A,56Bが架設されている。補強梁56A,56Bのウエブの両端部には高力ボルト58によりガセットプレート60が固定されており、補強柱50側のガセットプレート60が補強柱50のフランジに溶接され、また、既設壁7側のガセットプレート60が、既設壁50に後施工アンカー64で固定されたベースプレート66に溶接されている。
図19に示すように、補強梁56Aの上面には、支持板68と、略三角形状のリブ70とを備える支持部材72が設けられている。リブ70の下面は補強梁56Aの上フランジに溶接され、また、支持板68は昇降部3Aの下面に貼り付けられた鋼板20の表面に接着されている。
なお、図16には、踊り場2側の既設壁8に鋼板又はCFRP板等からなる補強板74を貼り付けて既設壁8を補強した場合を示している。
以上の構成によれば、踊り場2は昇降部3側の位置において、補強梁56A,56Bを介して補強柱50により支持される。このため、踊り場2の上下方向の変位が拘束されることで、階段1全体の耐震強度が向上する。これにより、建物の他の部分に必要な耐震補強量を低減して効果的な耐震補強を行えると共に、建物全体として剛性のバランスの取れた耐震補強が可能となる。
図21は、本参考例の変形例を示す図であり、上記図17に対応する図面である。同図に示すように、この変形例では、H型鋼からなる補強柱50に代えて角型鋼管からなる補強柱80を設けたものであり、それ以外の構成は上記第5の実施形態と同様である。
次に、本発明の第2の参考例について説明する。
参考例の補強構造は、上記第1の参考例の補強構造を、補強対象である階段1の踊り場2と昇降部3との境界部に既設の小梁6が設けられている場合に対応して変形したものであり、補強梁56A,56Bを設ける代わりに、既設の小梁6を利用し、補強柱50により小梁6を介して踊り場2を支持する。
図22は、本参考例の耐震補強構造を示す側面図であり、図23は、同耐震補強構造を図22の下側から見た図であり、図24は、耐震補強構造を図23の右側から見た図であり、図25は小梁6の補強部をより詳細に示す図である。これらの図面に示すように、補強柱50には、踊り場2側へ水平方向に突出する支持鉄骨90が設けられている。支持鉄骨90は、例えばH型鉄骨からなり、補強柱50のフランジに溶接されている。なお、図23に示すように、補強柱50を挿通させるための開口部52は、支持鉄骨90が通過できるように同図中左右に拡張した形状とされている。
また、図25に詳細に示すように、小梁6の下面及び踊り場2側の側面には、鋼板あるいはCFRP板からなる小梁補強板92が貼り付けられており、その両端部は、昇降部3及び踊り場2の下面に夫々貼り付けられた、鋼板あるいはCFRP板からなる補強部材94,96と重ね合わされて後施工アンカー98により階段裏面に定着されている。さらに、小梁補強板92の小梁6の側面から踊り場2の裏面へ至る部位はリブプレート99により補強されている。
そして、図22に示すように、上記した支持鉄骨90の上フランジは、後施工アンカー100により、小梁補強板92の上から小梁6の下面に定着されている。
以上の構成によれば、踊り場2は昇降部3側の位置において、既設の小梁6を介して補強柱50により支持される。このため、上記第5の実施形態の場合と同様に、踊り場2の上下方向の変位が拘束されることで、階段1の耐震強度が向上する。これにより、建物の他の部分に必要な耐震補強量を低減して効果的な耐震補強を行えると共に、建物全体として剛性のバランスの取れた耐震補強が可能となる。
なお、上記の第1及び第2の参考例では、階段1に開口部52を形成して、この開口部52に補強柱50を貫通させる構成としたが、階段1の上下の昇降部3A,3Bの間に隙間があってその隙間に補強柱50を貫通させることができるのであれば、開口部52を設けることは不要である
次に、本発明の第3の参考例について説明する。
図26は、本発明の第3の参考例である耐震補強構造を示す側面図であり、図27は、同耐震補強構造を図26の下側から見た図である。これらの図面に示すように、本参考例では、補強柱50が設けられていると共に、昇降部3の裏面に、例えばH型鋼、アングル鋼材、チャンネル鋼材からなる補強鋼材101が取り付けられている。補強鋼材101の端部は補強柱50に溶接されている。また、補強柱50と大梁5との間には例えばH型鋼からなる境界梁102が架設されている。境界梁102の一端は補強柱50に溶接され、他端はアングル材等の適宜な継手部材103を介して大梁5の側面に接合されている。また、境界梁102の上フランジには定着プレート104が溶接されており、この定着プレート104が小梁6の下面に後施工アンカー106により定着されている。なお、境界梁102は必須ではなく、例えば、下階の天井高に支障が生じてしまう場合には省略するものとする。
以上の構成によれば、階段1の昇降部3が補強鋼材101を介して補強中50により支持されるので、階段1の耐震強度が向上する。これにより、建物の他の部分に必要な耐震補強量を低減して効果的な耐震補強を行えると共に、建物全体として剛性のバランスの取れた耐震補強が可能となる。
次に、本発明の第4の参考例について説明する。
図28は、本発明の第4の参考例である耐震補強構造を示す側面図であり、図29は、同耐震補強構造を図28の下側から見た図である。これらの図面に示すように、本参考例では、下階側の昇降部3Aと上階側の昇降部3Bとの間の空間に耐震壁120を新設すると共に、耐震壁120と既設の大梁5とを連結する補強梁122を新設している。なお、耐震壁120及び補強梁122は鉄筋コンクリート又は鉄骨鉄筋コンクリートにより構成される。
以上の構成によれば、階段1の踊り場2が補強梁122を介して耐震壁120により支持されることで、階段1の耐震強度が向上する。これにより、建物の他の部分に必要な耐震補強量を低減して効果的な耐震補強を行えると共に、建物全体として剛性のバランスの取れた耐震補強が可能となる。なお、本参考例では、昇降部3A,3Bのささら桁を耐震壁120に接合してもよい。
本発明の第1の実施形態である耐震補強構造を示す側面図である。 本実施形態の耐震補強構造を図1の下側から見た図である。 本発明の第2の実施形態である耐震補強構造を示す側面図である。 本実施形態の耐震補強構造を図3の下側から見た図である。 本発明の第3の実施形態である耐震補強構造を示す側面図である。 本実施形態の耐震補強構造を図5の下側から見た図である。 炭素繊維の一部が剥き出しとなったCFRP板を示す図である。 本発明の第4の実施形態である耐震補強構造を示す側面図である。 本実施形態の耐震補強構造を図8の下側から見た図である。 本実施形態の変形例を示す側面図である。 図10の変形例を同図中下側から見た図である。 本発明の第5の実施形態である耐震補強構造を示す側面図である。 本実施形態の耐震補強構造を図12の下側から見た図である。 第5の実施形態の変形例を示す図である。 第5の実施形態の更なる変形例を示す図である。 本発明の第1の参考例である耐震補強構造を示す側面図である。 参考例の耐震補強構造を図16の下側から見た図である。 参考例の耐震補強構造を図17の右側から見た図である。 図16のA部拡大図である。 参考例における建物の1階、2階部分の階段1の全体を模式的に示す側面図である。 第6の参考例の変形例を示す図である。 本発明の第2の参考例である耐震補強構造を示す側面図である。 参考例の耐震補強構造を図22の下側から見た図である。 参考例の耐震補強構造を図23の右側から見た図である。 本実施形態における小梁の補強部をより詳細に示す図である。 本発明の第3の参考例である耐震補強構造を示す側面図である。 参考例の耐震補強構造を図26の下側から見た図である。 本発明の第4の参考例である耐震補強構造を示す側面図である。 参考例の耐震補強構造を図28の下側から見た図である。
符号の説明
1 階段 2 踊り場
3,3A,3B 昇降部 4 隅角部
5 大梁 6 小梁
10(10a,10b) 炭素繊維シート 20(20a,20b) 鋼板
30(30a,30b) CFRP板 32 後施工アンカー
34 炭素繊維 36 アングル部材
40(40a,40b) 鋼板 50 補強柱
52 開口部 56A,56B 補強梁
58 高力ボルト 60 ガセットプレート
90 支持鉄骨 92 小梁補強板
94,96 補強部材 101 補強鋼材
120 耐震壁 122 補強梁
200 炭素繊維 202 CFRP板

Claims (5)

  1. 階段を備える建物の耐震補強構造であって、前記階段の昇降部又は踊り場の裏面の少なくとも何れかに補強部材を取り付けたことを特徴とする耐震補強構造。
  2. 前記補強部材は、繊維強化樹脂製の板材又はシートを含むことを特徴とする請求項1記載の耐震補強構造。
  3. 前記補強部材は、鋼板を含むことを特徴とする請求項1又は2記載の耐震補強構造。
  4. 前記補強部材は、前記階段に設けられた複数の繊維保持部の間に巻き付けられた補強用繊維を含むことを特徴とする請求項1〜3のうち何れか1項記載の耐震補強構造。
  5. 階段を備える建物を耐震補強する方法であって、前記階段の昇降部又は踊り場の裏面の少なくとも何れかに補強部材を取り付けることを特徴とする耐震補強方法。
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