JP4631757B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Description

この発明は、内燃機関の熱効率向上などのために最適な膨張比やピストン速度が得られるようにした内燃機関の制御装置に関する。
例えば、内燃機関の冷間始動後における排気触媒の早期暖機を図るために、特許文献1には、ピストンの上死点位置を変更する可変圧縮比機構と可変動弁機構とを組み合わせ、触媒暖機要求時に膨張比を下げるようにした内燃機関の制御装置が開示されている。
特開2003−328794号公報
しかしながら、上記従来の構成では、クランク角度に対するピストン位置が回転数や負荷に対してほぼ一定であるため、常に最適な膨張比とピストン速度に設定することはできず、熱効率向上に限界がある。
この発明は、往復動するピストンと、該ピストンの往復動から動力を取り出す回転軸とを備える内燃機関において、膨張行程において上記ピストンが上死点から下死点に到達するまでの上記回転軸の回転角度である膨張クランク角を変更する膨張クランク角変更手段、もしくは、膨張行程におけるピストンストロークである膨張ストロークを、吸気行程とは無関係に変更する膨張ストローク変更手段、を有し、機関の運転条件に応じて、上記膨張クランク角もしくは上記膨張ストロークを変更することを特徴としている。
この発明によれば、機関運転条件によって異なる最適な膨張ストロークおよび膨張クランク角に制御することで、内燃機関の熱効率が向上する。
以下、この発明の好ましい一実施例を説明する。なお、後述するように、以下の実施例では、膨張行程におけるピストンのストローク(膨張ストローク)ならびにこれに対応するクランク角(膨張クランク角)を可変制御し得る構成を内燃機関が具備している。
図1は、本発明に係る内燃機関の制御装置の制御ブロック図を示す。
図示するように、この制御装置は、駆動力要求とエンジン回転数とから機関運転状態(例えば目標負荷)を決定する機関運転状態判定手段(1−1)と、目標負荷とエンジン回転数とに応じて目標膨張クランク角を決定する膨張クランク角制御手段(1−2)と、決定された目標膨張クランク角に従って膨張クランク角を変更する膨張クランク角変更手段(1−3)と、目標負荷とエンジン回転数とから目標膨張ストロークを決定する膨張ストローク制御手段(1−4)と、決定された目標膨張ストロークに従って膨張ストロークを変更する膨張ストローク変更手段(1−5)と、目標負荷とエンジン回転数とから目標圧縮比を決定する圧縮比制御手段(1−6)と、決定された目標圧縮比に従って圧縮比を変更する圧縮比変更手段(1−7)と、を備えており、内燃機関(1−8)は、膨張クランク角変更手段(1−3)と膨張ストローク変更手段と圧縮比変更手段(1−7)によってピストンモーションが変化するように構成されている。
詳しくは、運転者が設定するアクセル開度(APO)から要求駆動力が決定される。そして、この要求駆動力とエンジン回転数とからエンジンに対する目標負荷が求められ、機関運転状態判定手段(1−1)から出力される。この目標負荷は、膨張クランク角制御手段(1−2)と膨張ストローク制御手段(1−4)と圧縮比制御手段(1−6)とに入力され、それぞれ目標値計算が実行される。計算された目標値は、各々の変更手段である膨張クランク角変更手段(1−3)と膨張ストローク変更手段(1−5)と圧縮比変更手段(1−7)とに出力され、目標値に沿って各変更手段が動作する。各変更手段の動作に応じて内燃機関(1−8)の特性が変化する。
図2は、図1に示した膨張ストローク制御手段(1−4)および膨張ストローク変更手段(1−5)の詳細を示すブロック図である。これは、エンジン回転数と負荷とから目標膨張ストロークを決定する膨張ストロークMAP(2−1)と、この膨張ストロークMAP(2−1)から読み出した目標膨張ストロークに補正を加える補正計算部(2−2)と、補正された目標膨張ストロークに応じて動作する可変膨張ストローク機構(2−3)と、を備える。上記の膨張ストロークMAP(2−1)と補正計算部(2−2)が図1の膨張ストローク制御手段(1−4)に相当し、可変膨張ストローク機構(2−3)が図1の膨張ストローク変更手段(1−5)に相当する。
図3は、図1に示した圧縮比制御手段(1−6)および圧縮比変更手段(1−7)の詳細を示すブロック図である。これは、エンジン回転数と負荷とから目標圧縮比を決定する目標圧縮比MAP(3−1)と、この目標圧縮比MAP(3−1)から読み出した目標圧縮比に補正を加える補正計算部(3−2)と、補正された目標圧縮比に応じて圧縮比を変更する可変圧縮比機構(3−3)と、を備える。上記の圧縮比MAP(3−1)と補正計算部(3−2)が図1の圧縮比制御手段(1−6)に相当し、可変圧縮比機構(3−3)が図1の圧縮比変更手段(1−7)に相当する。
なお、図21に膨張ストロークMAP(2−1)の特性例を示し、図20に目標圧縮比MAP(3−1)の特性例を示す。
図4は、図1に示した機関運転状態判定手段(1−1)の詳細を示すブロック図である。
これは、要求駆動力をエンジンに対する要求トルクに変換するトルク変換部(4−1)と、エンジン回転数と要求トルクとから目標負荷として目標吸気量を決定する目標負荷(吸気量)MAP(4−2)と、で構成される。
トルク変換部(4−1)では、要求駆動力から要求エンジントルクを変速機の減速比から次式で計算する。
要求エンジントルク=要求駆動力[N]×車輪半径[m]/(変速機減速比×最終減速比)
要求エンジントルクとエンジン回転数とに対する目標負荷としての吸気量を割り付けた目標負荷(吸気量)MAP(4−2)は、予め実験的に作成することが好ましい。また、目標負荷として、吸気量以外のパラメータを用いることも可能である。
図5は、図1に示した膨張クランク角制御手段(1−2)および膨張クランク角変更手段(1−3)の詳細を示すブロック図である。これは、エンジン回転数と目標負荷とから目標膨張クランク角を決定する膨張クランク角MAP(5−1)と、この膨張クランク角MAP(5−1)から読み出した目標膨張クランク角に補正を加える補正計算部(5−2)と、補正後の膨張クランク角に応じて膨張クランク角を変更する可変膨張クランク角機構(5−3)と、を備える。上記の膨張クランク角MAP(5−1)と補正計算部(5−2)が図1の膨張クランク角制御手段(1−2)に相当し、可変膨張クランク角機構(5−3)が図1の膨張クランク角変更手段(1−3)に相当する。なお、図19に膨張クランク角MAP(5−1)の特性例を示す。
図6は、本発明が適用される内燃機関の機械的な構成例を示している。
この内燃機関は、吸気行程および圧縮行程を担う吸気圧縮シリンダ(6−15)と膨張行程および排気行程を担う膨張排気シリンダ(6−16)とが隣接して設けられたもので、吸気圧縮シリンダ(6−15)は、吸気バルブ(6−1)と、圧縮混合気を膨張排気シリンダ(6−16)に供給する圧縮バルブ(6−2)と、を備え、膨張排気シリンダ(6−16)は、排気バルブ(6−3)と、点火装置である点火プラグ(6−4)と、を備える。吸気圧縮シリンダ(6−15)には、吸気圧縮を行う吸気圧縮ピストン(6−5)が設けられ、膨張排気シリンダ(6−16)には、膨張排気を行う膨張排気ピストン(6−6)が設けられる。吸気圧縮ピストン(6−5)とクランクシャフト(6−11)とは、吸気圧縮コンロッド(6−8)によって連結される。膨張行程の燃焼圧は、膨張排気ピストン(6−6)から膨張排気コンロッド(6−7)を介して、3次元カム(6−10)を備えたクランクシャフト(6−11)に伝達される。膨張排気コンロッド(6−7)が先端のカムローラ(6−9)を介して接触する3次元カム(6−10)は、膨張排気ピストン(6−6)の所望のピストンモーションを再現するように所定のカムプロフィールを備え、かつ軸方向に複数の異なるカムプロフィールを有する3次元形状をなしている。そして、このカムプロフィールを切り換えるように、クランクシャフト(6−11)を軸方向にスライドさせる膨張速度コントロールアクチュエータ(6−12)を備えている。
また、吸気バルブ(6−1)を開閉駆動する吸気カム(6−13)および排気バルブ(6−3)を開閉駆動する排気カム(6−14)は、図22に示すように、クランクシャフト(6−11)に対する位相を変更する適宜な位相可変機構(31−1)およびリフト量を変更する適宜なリフト可変機構(31−2)によって、バルブ開閉時期の位相およびリフト量を変化させることができる構成となっている。
上記の構成において、吸気行程・圧縮行程は1回転で行われる。圧縮行程終了時に圧縮バルブ(6−2)が開かれ、圧縮混合気が膨張排気シリンダ(6−16)に投入される。膨張行程・排気行程も同じく1回転で行われる。圧縮行程の終わりと排気行程の終わりが同期して実行されるため、吸気、圧縮、膨張、排気の4行程がクランクシャフト(6−11)の1回転で終了する。
膨張速度コントロールアクチュエータ(6−12)は、電動あるいは油圧のどちらの機構でもよく、また、この膨張速度コントロールアクチュエータ(6−12)とクランクシャフト(6−11)との間に、適宜なトルク増幅器やトルク遮断機を配置することもできる。3次元カム(6−10)は、クランクシャフト(6−11)が軸方向に移動することで、実際に用いられるカムプロフィールが無段階または複数段に変更される。
なお、図示例では、燃焼室を膨張排気ピストン(6−6)のある膨張排気シリンダ(6−16)内に設けているが、吸気圧縮シリンダ(6−15)と膨張排気シリンダ(6−16)との間に設けることもできる。
図16に例示するように、吸気圧縮ピストン(6−5)が下降する動作に合わせて吸気バルブ(6−1)が開かれる。なお、吸気バルブ(6−1)を、エンジンの吸入空気量を制御するための絞り弁として利用することも可能である。吸気圧縮ピストン(6−5)が下死点に到達し再び上昇し始めると、吸気バルブ(6−1)が閉じられる。
吸気バルブ(6−1)の開閉タイミングは、エンジン回転数に応じて適正化することが好ましい。吸気圧縮ピストン(6−5)が上死点に接近すると、圧縮バルブ(6−2)が開かれ、吸気圧縮シリンダ(6−15)から膨張排気シリンダ(6−16)へ圧縮された混合気が送り込まれる。吸気圧縮ピストン(6−5)が上死点に到達すると、圧縮バルブ(6−1)が閉じられ、圧縮された混合気の逆流が防止される。圧縮された混合気は点火プラグ(6−4)により点火されて燃焼し、膨張排気ピストン(6−6)を下降させる。このとき3次元カム(6−10)のプロフィールによって膨張排気ピストン(6−6)の膨張速度(ピストン速度)と筒内圧が制御される。膨張排気ピストン(6−6)が下死点から再び上昇を始めると、排気バルブ(6−3)が開かれ、膨張排気シリンダ(6−16)から排気が行われる。排気バルブ(6−3)の開閉タイミングは、エンジン回転数に応じて適正化されることが好ましい。
3次元カム(6−10)の一実施例を図8,9に示す。本実施例では、例えば無段階にカムプロフィールが切り換えられる。これにより、排気行程における膨張排気ピストン(6−6)の動き(ピストンモーション)やストロークが変化する。
以上のように、図6の内燃機関では、吸気圧縮行程と膨張排気行程とが分離され、3次元カム(6−10)により膨張速度と筒内圧を変更して動作させることができる。
図7は、図1における膨張クランク角変更手段(1−3)と膨張ストローク変更手段(1−5)と圧縮比変更手段(1−7)とを上記のカム機構で実現した場合の制御ブロック図を示す。これは、目標膨張クランク角と目標膨張ストロークと目標圧縮比からカムスライド量を計算するカムスライド量計算部(7−1)と、カムスライド量計算部(7−1)で演算されたカムスライド量に応じてカムスライド量を変更するカムスライドアクチュエータ(7−2)(図6の膨張速度コントロールアクチュエータ(6−12))と、を含む。上記のカムスライド量計算部(7−1)が図1の膨張クランク角制御手段(1−2)と膨張ストローク制御手段(1−4)と圧縮比制御手段(1−6)に相当し、カムスライドアクチュエータ(7−2)が図1の膨張クランク角変更手段(1−3)と膨張ストローク変更手段(1−5)と圧縮比変更手段(1−7)に相当する。
次に、図10は、本発明のメイン制御フローを示している。ステップ(10−1)で制御を開始し、ステップ(10−2)で機関運転状態(目標負荷)を読み込むとともに、ステップ(10−3)でエンジン回転数を読み込む。ステップ(10−4)で冷却水温度を読み込む。ステップ(10―5)では後述する圧縮比制御を実行し、ステップ(10−6)で後述する膨張クランク角制御を実行する。そしてステップ(10−7)で後述する膨張ストローク制御を実行し、ステップ(10−8)から再びステップ(10−1)へ戻る。
図11は、ステップ(10−5)の圧縮比制御の制御フローを示す。ステップ(11−1)からルーチンが開始する。ステップ(11−2)でエンジン回転数と負荷とから目標圧縮比MAP(図20)を検索して目標圧縮比を決定する。そして、ステップ(11−3)で、検索された目標圧縮比を、冷却水温度に基づいて補正する。ステップ(11−4)では、補正された目標圧縮比を可変圧縮比機構(3−3)へ出力する。ステップ(11−5)でルーチンを終了し、メイン制御フローのステップ(10−5)へ戻る。
図12は、ステップ(10−6)の膨張クランク角制御の制御フローを示す。ステップ(12−1)からルーチンが開始する。ステップ(12−2)でエンジン回転数と負荷とから膨張クランク角MAP(図19)を検索し、目標膨張クランク角を決定する。ステップ(12−3)で、検索された目標膨張クランク角を、冷却水温度に基づいて補正する。ステップ(12−4)では、補正された目標膨張クランク角を可変膨張クランク角機構(5−2)へ出力する。ステップ(12−5)でルーチンを終了し、メイン制御フローのステップ(10−6)へ戻る。
図13は、ステップ(10−7)の膨張ストローク制御の制御フローを示す。ステップ(13−1)からルーチンが開始する。ステップ(13−2)でエンジン回転数と負荷とから膨張ストロークMAP(図21)を検索し、目標膨張ストロークを決定する。ステップ(13−3)で、検索された目標膨張ストロークを、冷却水温度に基づいて補正する。ステップ(13−4)では、補正された目標膨張ストロークを可変膨張ストローク機構(2−2)へ出力する。ステップ(13−5)でルーチンを終了し、メイン制御フローのステップ(10−7)へ戻る。
図14は、図7のカムスライド量計算部(7−1)に相当するカムスライド量計算フローを示すフローチャートである。ここでは、膨張クランク角、膨張ストローク、圧縮比を一つのカム機構で制御する。
ステップ(14−1)から制御を開始し、ステップ(14−2)で、図12の制御フローにより出力された膨張クランク角を読み込むとともに、ステップ(14−3)で、図13の制御フローにより出力された目標膨張クランク角を読み込み、かつステップ(14−4)で、図11の制御フローにより出力された目標圧縮比を読み込む。そして、ステップ(14−5)で、カムスライド量カウンタCRを0にセットする。
ステップ(14−6)では、後述するようにインクリメントされるカムスライド量カウンタCRの値をカムスライド量として、図15に示すような特性の圧縮比カムスライド量Tableを検索し、このカムスライド量により発生する圧縮比を演算する。同様に、ステップ(14−7)では、カムスライド量カウンタCRの値をカムスライド量として、図15に示すような特性の膨張クランク角カムスライド量Tableを検索し、このカムスライド量により発生する膨張クランク角を演算する。さらに、ステップ(14−8)では、カムスライド量カウンタCRをカムスライド量として、図15に示すような特性の膨張ストロークカムスライド量Tableを検索し、このカムスライド量により発生する膨張ストロークを演算する。
ステップ(14−9)では、これらのステップ(14−6)、(14−7)、(14−8)で演算した発生膨張クランク角、発生膨張ストロークおよび発生圧縮比と、目標圧縮比、目標膨張ストロークおよび目標圧縮比と、を用い、評価Sを算出する。具体的には、重みW1,W2,W3を用いて、下式のように算出する。
評価S=W1×|目標圧縮比−発生圧縮比|+W2×|目標膨張クランク角−発生膨張クランク角|+W3×|目標膨張ストローク−発生膨張ストローク|
そして、評価Sが前回の値よりも小さい場合は、そのときのカムスライド量カウンタCRの値を、スライド量SRとして保存する。評価Sが前回の値よりも小さくならなければ、前回のスライド量SRをそのまま保持する。
次にステップ(14−10)へ進み、カムスライド量カウンタCRの値が、所定の最大値(制限値)に達したか判定する。ここで、カウンタCRの値が最大値以上である場合はステップ(14−11)へ進んで、上記スライド量SRを目標カムスライド量として図7のカムスライドアクチュエータ(7−2)へ出力する。従って、3次元カム(6−10)は、この目標カムスライド量に従って軸方向に移動し、そのカムプロフィールが変化する。
ステップ(14−10)でカムスライド量カウンタSRの値が最大値(制限値)よりも小さい場合は、ステップ(14−13)へ進み、カムスライド量カウンタCRに所定のカウンタ増加分ΔCRを加え、ステップ(14−6)へ戻る。そして、ステップ(14−6)からステップ(14−10)の処理を再び繰り返すことになる。
上記の式における重みW1,W2,W3は、内燃機関あるいはこれを搭載する車両や設備の特性に合わせて決定する。例えば、燃焼室容積と燃焼室表面積の比であるS/V比が大きい場合は、W1よりもW2,W3を重要視した設定とすることが好ましい。逆に、ロングストロークエンジンの場合は、W1を重要視することが好ましい。また、ノッキングの発生し易い低回転高負荷領域では、圧縮比によりノッキングを回避することが重要なため、W1を重要視することが好ましい。逆に高回転領域では、振動騒音が発生し易いため、W2やW3を重要視することが好ましい。なお、カウンタ増加分ΔCRを小さくするほど、より高精度に、目標圧縮比、目標膨張ストローク、目標膨張クランク角を実現することが可能となる。
図8には、上記3次元カム(6−10)により実現される膨張クランク角が示されている。このカム(6−10)のカムプロフィールにおけるカムリフト量がピストン位置に対応するので、上死点(TDC)を示す破線から下死点(BDC)を示す破線までのクランク角の設定により、膨張クランク角が適宜に設定される。このようなカムプロフィールを軸方向に重ね合わせることで3次元カム(6−10)全体の形状が決定される。そして、内燃機関の運転条件に応じてカムプロフィールを選択することで、高効率運転が可能となる。
図9は、3次元カム(6−10)全体の形状つまりカムプロフィールを重ねた形状の一例を示している。この図の例では、手前のカムプロフィールほど、膨張クランク角が小、圧縮比が大、膨張ストロークが大、となり、奥方のプロフィールほど、膨張クランク角が大、圧縮比が小、膨張ストロークが小、となる。このような3次元カム(6−10)を軸方向に移動させることで、種々異なる組み合わせとした膨張クランク角、圧縮比、膨張ストロークが実現される。
図16および図17は、各部の動きをタイムチャートとして表したものであり、図16は、通常の運転状態を示し、図17は、膨張排気ピストン(6−6)の動きやバルブリフト等を変化させた様子を示したものである。また、図18は、3次元カム(6−10)を軸方向に動かしてカムプロフィールを切り換えたときの過渡時の膨張排気ピストン(6−6)のピストンモーションを示している。図示するように、排気行程中に3次元カム(6−10)をスライドさせることが好ましく、これにより、カムスライドアクチュエータ(7−2)に発生する力を小さく抑えることができ、その強度やアクチュエータサイズの上で有利となる。
図19は、前述したように膨張クランク角MAP(5−1)の特性例を示しているが、図示するように、低回転高負荷域では膨張クランク角を小さくし冷却損失を削減する。高回転域では、膨張クランク角が大きく与えられる。つまり高回転時の燃焼期間中の膨張を削減することで等容度を向上することが可能となる。
図20は、圧縮比MAP(3−1)の特性例を示しているが、図示するように、低回転高負荷域では、ノッキングが発生し易いため圧縮比を低く設定する。但し、本発明のように膨張クランク角を同時に変更する場合は、膨張クランク角によるノック抑制効果があるため、通常のエンジンの場合よりは高い圧縮比に設定することが好ましい。高回転側ではノッキングは発生し難いため、高圧縮比化することが好ましい。
図21は、膨張ストロークMAP(2−1)の特性例を示しているが、図示するように、高負荷側では排気損失エネルギが増加するため膨張ストロークを大きくして排気エネルギを回収する。また、回転数が高くなるとシリンダ壁面とピストン間の摩擦が大きくなる。そのため、膨張ストロークを大きくすると排気損失エネルギの回収エネルギよりも摩擦損失エネルギが増加してしまうので、高回転側では膨張ストロークを相対的に短くすることが好ましい。
図19〜図21の各MAPは、前述したように、エンジンのS/V比等の特性に応じて最適となるように適合することが好ましい。
なお、上記実施例は一例であって、膨張クランク角、圧縮比、膨張ストロークをそれぞれ異なる機構で実現する構成の内燃機関においても本発明は適用可能である。
最後に、各請求項の発明の利点について述べる。
請求項2の発明によれば、機関回転数に応じた膨張クランク角となるため、冷却損失と排気損失と機械損失とを適切なバランスとすることができ、正味効率を向上させることができる。
請求項3の発明によれば、機関回転数に応じた膨張ストロークとなるため、冷却損失と機械損失とを適切なバランスにすることができるとともに、排気損失を低減することができ、正味効率を向上させることができる。
請求項4の発明によれば、機関負荷に応じた膨張クランク角となるため、冷却損失と排気損失と機械損失を適切なバランスとすることができ、正味効率を向上させることができる。
請求項5の発明によれば、機関負荷に応じた膨張ストロークとなるため、冷却損失と機械損失を適切なバランスにしつつ排気損失を低減して正味効率を向上させることができる。
請求項6の発明によれば、膨張クランク角や膨張ストロークだけでなく圧縮行程の圧縮比の変更も別々に行うことで、正味効率を向上させることができる。
請求項7の発明によれば、機関負荷に応じて、膨張クランク角、膨張ストローク、圧縮比のそれぞれを最適化することができる。
請求項8の発明によれば、機関回転数に応じて、膨張クランク角、膨張ストローク、圧縮比のそれぞれを最適化することができる。
本発明に係る制御装置のブロック図。 膨張ストローク制御手段および膨張ストローク変更手段のブロック図。 圧縮比制御手段および圧縮比変更手段のブロック図。 運転状態判定手段のブロック図。 膨張クランク角制御手段および膨張クランク角変更手段のブロック図。 本発明が適用される内燃機関を示す構成説明図。 膨張クランク角変更手段等のブロック図。 三次元カムと膨張クランク角等の関係を示す説明図。 三次元カムの形状の一例を示す説明図。 本発明のメイン制御フローを示すフローチャート。 圧縮比制御フローを示すフローチャート。 膨張クランク角制御フローを示すフローチャート。 膨張ストローク制御フローを示すフローチャート。 カムスライド量計算フローを示すフローチャート。 圧縮比カムスライド量Table、膨張クランク角カムスライド量Tableおよび膨張ストロークカムスライド量Tableをまとめて示す特性図。 通常の運転状態における動作を示すタイミングチャート。 異なる制御状態の動作を示すタイミングチャート。 カムプロフィールを切り換える過渡時の動作を示すタイミングチャート。 膨張クランク角MAPの一例を示す特性図。 圧縮比MAPの一例を示す特性図。 膨張ストロークMAPの一例を示す特性図。 可変バルブ機構の構成例の説明図。
符号の説明
1−1…機関運転状態判定手段
1−2…膨張クランク角制御手段
1−3…膨張クランク角変更手段
1−4…膨張ストローク制御手段
1−5…膨張ストローク変更手段
1−6…圧縮比制御手段
1−7…圧縮比変更手段

Claims (9)

  1. 往復動するピストンと、該ピストンの往復動から動力を取り出す回転軸とを備える内燃機関において、膨張行程において上記ピストンが上死点から下死点に到達するまでの上記回転軸の回転角度である膨張クランク角を変更する膨張クランク角変更手段を有し、機関の運転条件に応じて、上記膨張クランク角を変更することを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 上記運転条件は機関回転数であり、該機関回転数が高くなるにつれて上記膨張クランク角を大きくすることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 上記運転条件は機関負荷であり、該機関負荷が高くなるにつれて上記膨張クランク角を小さくすることを特徴とする請求項1または2に記載の内燃機関の制御装置。
  4. 往復動するピストンと、該ピストンの往復動から動力を取り出す回転軸とを備える内燃機関において、膨張行程におけるピストンストロークである膨張ストロークを、吸気行程とは無関係に変更する膨張ストローク変更手段を有し、機関の運転条件に応じて、上記膨張ストロークを変更することを特徴とする内燃機関の制御装置。
  5. 上記運転条件は機関回転数であり、該機関回転数が高くなるにつれて上記膨張ストロークを小さくすることを特徴とする請求項に記載の内燃機関の制御装置。
  6. 上記運転条件は機関負荷であり、該機関負荷が高くなるにつれて上記膨張ストロークを大きくすることを特徴とする請求項4または5に記載の内燃機関の制御装置。
  7. 圧縮比を変更可能な圧縮比変更手段をさらに有し、機関運転条件に応じて上記圧縮比変更手段により圧縮比を変更することを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の内燃機関の制御装置。
  8. 上記運転条件は機関負荷であり、該機関負荷が高くなるにつれて上記圧縮比を低くすることを特徴とする請求項に記載の内燃機関の制御装置。
  9. 上記運転条件は機関回転数であり、該機関回転数が高くなるにつれて上記圧縮比を高くすることを特徴とする請求項またはに記載の内燃機関の制御装置。
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