JP4631124B2 - 圧電アクチュエータ、時計および機器 - Google Patents

圧電アクチュエータ、時計および機器 Download PDF

Info

Publication number
JP4631124B2
JP4631124B2 JP2000094579A JP2000094579A JP4631124B2 JP 4631124 B2 JP4631124 B2 JP 4631124B2 JP 2000094579 A JP2000094579 A JP 2000094579A JP 2000094579 A JP2000094579 A JP 2000094579A JP 4631124 B2 JP4631124 B2 JP 4631124B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
diaphragm
piezoelectric actuator
vibration
rotor
driving
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2000094579A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2001286166A (ja
Inventor
泰治 橋本
修 宮澤
誠 古畑
司 舩坂
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP2000094579A priority Critical patent/JP4631124B2/ja
Publication of JP2001286166A publication Critical patent/JP2001286166A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4631124B2 publication Critical patent/JP4631124B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • General Electrical Machinery Utilizing Piezoelectricity, Electrostriction Or Magnetostriction (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧電アクチュエータ、時計および機器に係り、特に、圧電アクチュエータの駆動効率を向上する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
圧電素子は、電気エネルギーから機械エネルギーへの変換効率や、応答性に優れていることから、近年、圧電素子の圧電効果を利用した各種の圧電アクチュエータが開発されている。この圧電アクチュエータは、圧電ブザー、プリンタのインクジェットヘッド、あるいは超音波モータなどの分野に応用されている。
ところで、圧電素子の変位は、印加電圧にもよるが微少であり、サブミクロン程度であるのが通常であるため、圧電素子の振動を外部に効率よく伝達するためには圧電アクチュエータに何らかの工夫を施す必要がある。例えば、従来の圧電アクチュエータを用いた装置においては、何らかの増幅機構によって変位を増幅してロータに伝達することが行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、増幅機構を用いた場合、それ自身を動かすためにエネルギーが消費され効率が低下するといった問題があるとともに、装置のサイズが大きくなってしまうという問題がある。
【0004】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、サイズの大型化を招くことなく駆動効率を向上させる圧電アクチュエータ、時計および機器を提供することを目的とする。
【0005】
上述した課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、支持体と、長手方向を有する板状の圧電素子と補強部とが積層された振動板であって、前記支持体に対して振動可能に支持され、長手方向の一端側において幅方向の中心からずれた位置に当該振動板から突出したバランス部を有する振動板と、前記振動板の長手方向の前記バランス部がある側と反対側の一端側において、幅方向の中心から幅方向において前記バランス部のある側と反対側へずれた位置に設けられ、駆動対象と当接させられ、前記駆動対象に向いた面が曲面であり、駆動対象との接点が前記幅方向の中心からずれた位置にある駆動部とを備え、前記振動板を振動させて前記駆動部を楕円軌道に沿って移動させることにより、該駆動部に当接する前記駆動対象を所定の駆動方向に駆動する圧電アクチュエータであって、前記圧電素子に電力を供給して前記振動板を振動させる駆動手段を備え、前記駆動手段は、前記楕円軌道の長軸方向が前記所定の駆動方向とほぼ一致するように前記振動板を振動させ、前記圧電素子を駆動するための駆動周波数は、前記圧電素子の振動によって前記振動板が長手方向に伸縮する縦振動の共振周波数と、前記振動板が前記長手方向と直交する幅方向に揺動する屈曲振動の共振周波数との間の周波数であることを特徴としている。
【0010】
請求項に記載の発明は、請求項に記載の圧電アクチュエータにおいて、前記駆動周波数を、前記縦振動の共振周波数と前記屈曲振動の共振周波数との間で変動させることを特徴としている。
【0013】
請求項に記載の発明は、時計であって、請求項1または請求項2に記載の圧電アクチュエータと、前記圧電アクチュエータによって回転駆動されるリング状のカレンダー表示車とを備えたことを特徴としている。
【0014】
請求項に記載の発明は、機器であって、請求項1または請求項2に記載の圧電アクチュエータと、前記圧電アクチュエータに電力を供給する電源とを備えたことを特徴としている。
【0015】
【発明の実施の形態】
[1]実施形態の構成
[1.1]全体構成
以下に図面を参照しながら本発明の第1実施形態について説明する。
図1は、第1実施形態に係る腕時計において、圧電アクチュエータを組み込んだカレンダー表示機構の主要構成を示す平面図である。
圧電アクチュエータA1は、面内方向(図の紙面と平行な方向)に伸縮振動する振動板10およびロータ30から大略構成されている。
ロータ30は地板(支持体)70に回転自在に支持されるとともに、振動板10の突起部17と当接する位置に配置されている。これにより、振動板10に生ずる振動によって突起部17が後述するように楕円軌道に沿って移動し、この突起部17がロータ30の外周面に当接することによって、ロータ30は図中矢印で示される方向に回転駆動されるようになっている。
【0016】
カレンダー表示機構は、圧電アクチュエータA1と連結しており、圧電アクチュエータA1の駆動力によって駆動される。カレンダー表示機構の主要部は、ロータ30の回転を減速する日回し中間車40および日回し車60等から構成される減速輪列と、リング状の日車50から大略構成されている。
【0017】
[1.2]圧電アクチュエータの構成
次に、図2を参照して本実施形態に係る圧電アクチュエータA1について説明する。図2に示すように、圧電アクチュエータA1は、図の左右方向に長く形成された長板状の振動板10と、この振動板10を地板70(図1参照)に支持する支持部材20とを備えている。
【0018】
ここで、振動板10の長手方向の一方の端部15には、突起部(駆動部)17がロータ30側に向けて突設されており、この突起部17はロータ30の外周面に当接している。突起部17としては、導体または非導体のものを用いることができるが、非導体で形成するようにすれば、一般的に金属から形成されるロータ30と接触しても圧電素子がショートしないようにすることができる。
また、突起部17は、平面的にみてロータ30側に突出した曲面形状になされている。このようにロータ30と当接する突起部17を曲面形状にすることによって、ロータ30と振動板10の位置関係が寸法ばらつき等によりばらついた場合でも、曲面であるロータ30の外周面と曲面形状の突起部17との接触状態がさほど変化しない。したがって、安定したロータ30と突起部17の接触状態を維持することができる。
【0019】
また、振動板10の長手方向の他方の端部16には、バランス部18が設けられている。図4に示すように、振動板10が長手方向に伸縮する縦振動を行うとき、突起部17およびバランス部18によって、振動板10の重心を中心とした回転モーメントが発生する。この回転モーメントにより振動板10には、図5に示すような振動板10の長手方向と直交する幅方向に揺動する屈曲振動が励振される。
このように、バランス部18を設けることによって振動板10には縦振動と屈曲振動とが生じる。その結果、突起部17は、図6に示すように楕円軌道に沿って移動する。
なお、振動板10に生じる屈曲振動の共振周波数は、バランス部18だけではなく、振動板10の縦横比によっても変動する。
【0020】
また、振動板10の長手方向の中央よりもややロータ側には、支持部材20の一端部21が取り付けられている。支持部材20の他端部22は、ネジ23により地板70(図1参照)に支持されている。
この構成の下、支持部材20は、その弾性力によって振動板10をロータ30側に付勢した状態で支持しており、これにより振動板10の突起部17はロータ30の外周面に当接させられている。
【0021】
次に、図3を参照して振動板10の構成について説明する。図3に示すように、振動板10は、2つの長方形状の圧電素子11,12の間に、これらの圧電素子11,12とほぼ同形状であり、かつ圧電素子11,12よりも肉厚の薄いステンレス鋼などの補強板(補強部)13を配置した積層構造となっている。
このように圧電素子11,12の間に補強板13を配置することにより、振動板10の過振幅あるいは外力に起因する振動板10の損傷を低減することができる。補強板13としては、圧電素子11,12よりも肉厚の薄いものを用いることにより、圧電素子11,12の振動を極力妨げないようにしている。
また、上下に配置された圧電素子11,12の面上には、それぞれ電極14が配置されている。そして、この電極14を介して圧電素子11,12に、電圧が供給されるようになっている。
このような構成の振動板10は、電力を供給して振動板10を振動させる駆動手段S1から電極14を介して圧電素子11,12に交流電圧が印加されると圧電素子11,12が伸縮し、この伸縮によって振動板10は、図4に示すように縦振動するようになっている。
【0022】
ここで、圧電素子11,12としては、チタン酸ジルコニウム酸鉛(PZT(商標))、水晶、ニオブ酸リチウム、チタン酸バリウム、チタン酸鉛、メタニオブ酸鉛、ポリフッ化ビニリデン、亜鉛ニオブ酸鉛((Pb(Zn1/3-Nb2/3)03 1-x-Pb Ti 03 x)xは組成により異なる。x=0.09程度)、スカンジウムニオブ酸鉛((Pb((Sc1/2-Nb1/2)1-x Tix)03)xは組成により異なる。x=0.09程度)等の各種のものを用いることができる。
【0023】
[1.3]高駆動効率を得るための構成
本実施形態では、上述したように突起部17を楕円軌道に沿って移動させることにより、高効率でのロータ30の駆動を可能としている。本願発明者は、さらなる駆動効率の向上を図るため、上記楕円の向きと駆動効率との関係を解析し、図8に示すような結果を得た。
ここで、図8中の角度φについて図7を参照して説明する。図7に示すように、角度φは、振動板10の突起部17とロータ30の外周面とが接触する接点Pにおけるロータ30の外周面上の接線Sと、振動板10の突起部17が移動する楕円軌道の長軸方向線Tとがおりなす角度である。図8に示されるように、ロータ30の外周面上の接線Sと、突起部17が移動する楕円軌道の長軸方向線Tとがおりなす角度φが0、つまり両者が一致する場合に、最も高い駆動効率が得られる。
したがって、振動板10とロータ30は、ロータ30の外周面上の接線Sと、突起部17が移動する楕円軌道の長軸方向線Tとがおりなす角度φが0度になるように設定することが最も好ましい。ただし、上述した角度φが±約5度の範囲内に収まっている場合においては、最大駆動効率時に得られる効果とほぼ同程度の効果が得られており、角度φをこの範囲内に収まるようにすれば、十分な駆動効率を得ることができると考えられる。
【0024】
上述したような楕円の向きと駆動効率との関係を考慮すると、ロータ30の外周面上の接線Sと、突起部17が移動する楕円軌道の長軸方向線Tがほぼ一致するように圧電アクチュエータA1を構成することが駆動効率を向上させる上で好ましい。
そこで、本願発明者は、圧電アクチュエータA1において上記楕円の向きがどのような要件によって決定されるかを考察した。その結果、上述した接線Sと長軸方向線Tとの関係は、振動板10とロータ30との位置関係および圧電素子11,12の駆動周波数の設定によって大きく影響を受けていることが判った。
具体的には、圧電素子11,12の駆動周波数や使用する振動板10の構成等が同一条件である場合には、ロータ30と振動板10の位置関係が、上述した突起部17の楕円軌道の向きに大きく影響することが判った。
【0025】
一方、ロータ30と振動板10の位置関係や振動板10の構成等の条件が同一である場合には、圧電素子11,12の駆動周波数によって大きく影響を受けることが判った。これについて図9に示すシミュレーション結果を参照しながら説明する。
ここで、図9においては、最も低い駆動周波数であるときの振動形状を形状K1で示し、2番目に低い駆動周波数であるときの振動形状を形状K2で示し、3番目に低い駆動周波数であるときの振動形状を形状K3で示し、4番目に低い駆動周波数であるときの振動形状を形状K4で示し、最も高い駆動周波数であるときの振動形状を形状K5で示している。
図9に示すように、圧電素子11,12の駆動周波数によって、振動形状の大きさや振動形状である楕円の長軸方向が異なることが判る。したがって、圧電素子11,12の駆動周波数を変更することによって、振動板10の突起部17が移動する楕円軌道の大きさと長軸方向を変えることができる。言い換えれば、圧電素子11,12の駆動周波数を変更することにより、上述した接点Pにおけるロータ30の外周面上の接線Sと振動板10の突起部17が移動する楕円軌道の長軸方向線Tとを一致させることが可能となる。
以上のことから、圧電アクチュエータA1の高い駆動効率は、振動板10とロータ30との位置関係および圧電素子11,12の駆動周波数の設定を調整することにより得られることが判った。
【0026】
ところで、製品によっては、その製品の設計上の制約等により圧電素子11,12の駆動周波数が予め一定に定められているような場合がある。このような場合には、上述した振動板10とロータ30との位置関係を調整することによって圧電アクチュエータA1の最適な駆動効率を設定するようにすればよい。具体的には、振動板10の突起部17が移動する楕円軌道の長軸方向線Tを、上述した接点Pにおけるロータ30の外周面上の接線Sに一致するように振動板10とロータ30を配置すれば高い駆動効率を得ることが可能となる。
【0027】
さらに、製品によっては、設置スペースにあまり余裕がない等の製品の設計上の制約により圧電アクチュエータA1の設置位置が限られてしまう場合もある。
このような場合には、上述した圧電素子11,12の駆動周波数の設定を調整することによって圧電アクチュエータA1の最適な駆動効率を設定するようにすればよい。具体的には、圧電素子11,12の駆動周波数を変更することによって振動板10の突起部17が移動する楕円軌道の長軸方向線Tを上述した接点Pにおけるロータ30の外周面上の接線Sに一致させるようにすれば高い駆動効率を得ることが可能となる。
【0028】
[2]実施形態の動作
次に、第1実施形態に係る圧電アクチュエータA1の動作について図1および図2を参照して説明する。まず、駆動手段S1から振動板に電圧が印加されると、圧電素子11,12の伸縮によって縦振動し、突起部17がロータ30と当接した状態で振動板10が振動する。この振動によって突起部17が楕円軌道に沿って移動し、この変位に伴ってロータ30が図中矢印方向に回転させられる。
ロータ30が回転させられることにより、日回し中間車40を介して日回し車60が回転させられ(図1参照)、表示される日や曜が切り替わるようになっている。
【0029】
ここで、圧電素子11,12の駆動周波数を振動板10の縦振動の共振周波数と屈曲振動の共振周波数との間の周波数に設定すれば、つまりこのような範囲内の駆動周波数で圧電素子11,12を駆動すれば、縦振動および屈曲振動の両者を誘発し易くなり、振動板10の突起部17が移動する楕円軌道がより大きくなるような振動を振動板10に生じさせることができる。その結果、さらに効率のよいロータ30の回転駆動が得られる。
【0030】
[3]第1実施形態の効果
以上の説明のように本実施形態によれば、振動板10の突起部17とロータ30の外周円上とが接触する接点Pにおけるロータ30の外周円上の接線Sと振動板10の突起部17が移動する楕円軌道の長軸方向線Tとが一致するように振動板10およびロータ30の位置関係や圧電素子11,12の駆動周波数を設定することによって、圧電アクチュエータA1の高い駆動効率を得ることが可能となる。
【0031】
[4]変形例
[4.1]第1変形例
なお、上述した実施形態においては、圧電アクチュエータA1が高い駆動効率を得られるように振動板10とロータ30との位置関係や圧電素子11,12の駆動周波数を設定しているが、製品の製造時に圧電アクチュエータA1を高い駆動効率によって設定した場合であっても、振動板10の振動特性は温度や湿度等に依存しているため、製品を使用する際の温度や湿度等が変化することによって上記楕円の向き等が変化してしまう。したがって、ある設定環境下において高い駆動効率が得られるようにロータ30の外周円上の接線Sと楕円軌道の長軸方向線Tとを一致させるようにしても、温度や湿度等の変化によってロータ30の外周円上の接線Sと楕円軌道の長軸方向線Tがずれて駆動効率が変動してしまう。
【0032】
そこで、圧電アクチュエータA1の駆動効率の変動幅を少しでも抑えるために、圧電アクチュエータA1が駆動している際に、駆動手段S1によって圧電素子11,12の駆動周波数を予め定められた所定の範囲内で変動させるようにしてもよい。この場合、変動させる駆動周波数の範囲は、例えば、図10に示される振動板10の場合には、振動板10の縦振動の共振周波数と屈曲振動の共振周波数との間の周波数の範囲内に納まるように設定することが好ましい。
圧電素子11,12の駆動周波数を所定の範囲内で変動させる場合には、駆動周波数を連続的に変動させてもよいし、断続的に一定の周波数ごとに変動させるようにしてもよい。要するに、温度や湿度等が変化した場合に生じ得る駆動効率の落ち込みを、駆動周波数を変更して駆動効率の変動幅をちいさくすることができればよい。
【0033】
本変形例のように圧電素子11,12の駆動周波数を所定の範囲内で変動することによって、温度や湿度等の環境条件が変化して振動板10の振動特性が変動した場合にも、駆動効率の変動幅を小さくすることができ駆動効率が大きく低下してしまうことを防止することができる。
【0034】
[4.2]第2変形例
また、製品によっては、設計上の都合により振動板10とロータ30との位置関係や圧電素子11,12の駆動周波数の設定についても制約されてしまう場合がある。
そこで、本願発明者は、図11に示すように振動板10の突起部17の平面方向に切れ込む切込部19を設け、突起部17の振動特性を切込部19によって変化させることに着眼し実験を試みた。
この実験の結果、突起部17に切込部19を設けることによって、振動板10の縦振動に対するロータ30からの反力により突起部17が局部的に屈曲することが判った。さらに、突起部17が局部的に屈曲することによって突起部17が楕円軌道に沿って移動することも判った。
したがって、本変形例においても、上述した実施形態と同様に、振動板10の突起部17とロータ30の外周面とが接触する接点におけるロータ30の外周面上の接線Sと、振動板10の突起部17が移動する楕円軌道の長軸方向線Tとが一致するように設定すれば、圧電アクチュエータA1の高い駆動効率を得ることが可能となる。
【0035】
上述した実施形態においては、圧電素子11,12の駆動周波数やロータ30と振動板10の位置関係を調整することにより、ロータ30の外周面上の接線Sと突起部17が移動する楕円軌道の長軸方向線Tがほぼ一致するようにしていたが、両者を一致させるための方法はこれに限らず、他の方法であってもよい。例えば、図11に示すように、振動板10の突起部17に平面方向に切れ込む切込部19を設け、振動板10の縦振動に対するロータ30からの反力により突起部17を局部的に屈曲させて突起部17を楕円軌道に沿って移動させる構成においても、この楕円軌道の長軸方向線Tと接線Sをほぼ一致させるようにすればよい。
【0036】
以下、図12および図13を参照して図11に示される圧電アクチュエータA1において、ロータ30の外周面上の接線Sと突起部17が移動する楕円軌道の長軸方向線Tとを一致させる方法について説明する。
図12に示すように切込部19の大きさは、突起部17の平面方向への切れ込みの深さhと、切れ込みの幅tによって決定する。そして、この切れ込みの深さhと切れ込みの幅tによって、ロータ30からの反力により切込部19に励起される屈曲振動の大きさが決定する。
【0037】
また、図11に示される角度ψは、振動板10の長手方向と平行なロータ30の中心を通る線Rと、突起部17が移動する楕円軌道の長軸方向線Tとに挟まれた角度である。
ここで、切れ込みの幅tを一定にした場合の角度ψと切れ込みの深さhとの関係を示すグラフを図13に示す。図13に示すように切れ込みの深さhが増加していくに従って角度ψも増加している。したがって、切れ込みの深さhと切れ込みの幅tとを調整することにより、突起部17が移動する楕円軌道の長軸方向線Tの傾きを変えることができる。
【0038】
以上のことから、切込部19の切れ込みの深さhと切れ込みの幅tとを変更することにより、突起部17が移動する楕円軌道の大きさおよび楕円軌道の長軸方向線Tの傾きを変えることができる。
したがって、切れ込みの深さhと切れ込みの幅tとを変更することによって、図7に示されるロータ30の外周面上の接線Sと突起部17が移動する楕円軌道の長軸方向線Tとの差によって示される角度φを0度になるように設定することが可能となる。
【0039】
以上のように本変形例においては、切込部19の切れ込みの深さhと切れ込みの幅tとを調整するだけで切込部19に生じる屈曲振動の周波数等を変更することができ、ひいては、圧電アクチュエータA1の高い駆動効率を得ることが可能となるため、設計上の都合により駆動効率の調整が困難な場合であっても容易に駆動効率を調整することが可能となる圧電アクチュエータA1を提供することができる。
【0040】
[4.3]第3変形例
また、上述した実施形態においては、圧電アクチュエータA1の駆動対象としてロータ30を例示して説明しているが、駆動対象はロータ等の円盤状に限る必要はなく、板状体あるいは棒状体等の駆動対象であってもよい。この場合、圧電アクチュエータA1は、振動板10を振動させて駆動部である突起部17を楕円軌道に沿って移動させることにより、突起部17に当接する板状体あるいは棒状体等の駆動対象を所定の駆動方向、例えば板状体あるいは棒状体等の長手方向に駆動することとなる。
【0041】
[4.4]第4変形例
また、上述した実施形態において、圧電アクチュエータは、上述したような時計のカレンダー表示機構に搭載される以外にも、電源駆動される時計以外の機器に搭載して用いることも可能である。
【0042】
【発明の効果】
上述したように本発明によれば、サイズの大型化を招くことなく駆動効率を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の各実施形態に係る時計において、圧電アクチュエータを組み込んだカレンダー表示機構の主要構成を示す平面図である。
【図2】 圧電アクチュエータの全体構成を示す平面図である。
【図3】 圧電アクチュエータの構成要素である振動板を示す側断面図である。
【図4】 振動板が縦振動する様子を示す図である。
【図5】 振動板が振動した場合に屈曲振動する様子を説明するための図である。
【図6】 屈曲振動時における突起部の起動を説明するための図である。
【図7】 振動板とロータとの位置関係を示す図である。
【図8】 角度φと圧電アクチュエータの駆動効率との関係を示すグラフである。
【図9】 振動板の突起部の縦方向変位と横方向変位とによって表される振動形状を示す図である。
【図10】 振動板の振動周波数とインピーダンスとの関係の一例を示すグラフである。
【図11】 第2変形例における圧電アクチュエータの全体構成を示す平面図である。
【図12】 第2変形例における突起部の構成を示す平面図である。
【図13】 第2変形例における角度ψと切れ込みの深さhとの関係を示すグラフである。
【符号の説明】
A1……圧電アクチュエータ、
10……振動板、
17……突起部(駆動部)、
18……バランス部、
11,12……圧電素子、
13……補強板(補強部)、
30……ロータ(駆動対象)、
50……日車(カレンダー表示車)、
70……地板(支持体)。

Claims (4)

  1. 支持体と、
    長手方向を有する板状の圧電素子と補強部とが積層された振動板であって、前記支持体に対して振動可能に支持され、長手方向の一端側において幅方向の中心からずれた位置に当該振動板から突出したバランス部を有する振動板と、
    前記振動板の長手方向の前記バランス部がある側と反対側の一端側において、幅方向の中心から幅方向において前記バランス部のある側と反対側へずれた位置に設けられ、駆動対象と当接させられ、前記駆動対象に向いた面が曲面であり、駆動対象との接点が前記幅方向の中心からずれた位置にある駆動部とを備え、
    前記振動板を振動させて前記駆動部を楕円軌道に沿って移動させることにより、該駆動部に当接する前記駆動対象を所定の駆動方向に駆動する圧電アクチュエータであって、
    前記圧電素子に電力を供給して前記振動板を振動させる駆動手段を備え、
    前記駆動手段は、前記楕円軌道の長軸方向が前記所定の駆動方向とほぼ一致するように前記振動板を振動させ、
    前記圧電素子を駆動するための駆動周波数は、前記圧電素子の振動によって前記振動板が長手方向に伸縮する縦振動の共振周波数と、前記振動板が前記長手方向と直交する幅方向に揺動する屈曲振動の共振周波数との間の周波数であることを特徴とする圧電アクチュエータ。
  2. 請求項1に記載の圧電アクチュエータにおいて、
    前記駆動周波数を、前記縦振動の共振周波数と前記屈曲振動の共振周波数との間で変動させることを特徴とする圧電アクチュエータ。
  3. 請求項1または請求項2に記載の圧電アクチュエータと、
    前記圧電アクチュエータによって回転駆動されるリング状のカレンダー表示車とを備えたことを特徴とする時計。
  4. 請求項1または請求項2に記載の圧電アクチュエータと、
    前記圧電アクチュエータに電力を供給する電源と
    を備えたことを特徴とする機器。
JP2000094579A 2000-03-30 2000-03-30 圧電アクチュエータ、時計および機器 Expired - Fee Related JP4631124B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000094579A JP4631124B2 (ja) 2000-03-30 2000-03-30 圧電アクチュエータ、時計および機器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000094579A JP4631124B2 (ja) 2000-03-30 2000-03-30 圧電アクチュエータ、時計および機器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001286166A JP2001286166A (ja) 2001-10-12
JP4631124B2 true JP4631124B2 (ja) 2011-02-16

Family

ID=18609609

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000094579A Expired - Fee Related JP4631124B2 (ja) 2000-03-30 2000-03-30 圧電アクチュエータ、時計および機器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4631124B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005237102A (ja) 2004-02-19 2005-09-02 Seiko Epson Corp 圧電アクチュエータ、時計及び電子機器

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60150757U (ja) * 1984-03-16 1985-10-07 オムロン株式会社 電気機械変換装置
JPS62152377A (ja) * 1985-12-24 1987-07-07 Taga Denki Kk 超音波振動子の駆動制御方法
JPH01259764A (ja) * 1988-04-07 1989-10-17 Hitachi Ltd 圧電駆動ユニット
JPH10300868A (ja) * 1997-04-25 1998-11-13 Seiko Instr Inc カレンダ付電子時計
JPH11346486A (ja) * 1998-06-01 1999-12-14 Seiko Instruments Inc 超音波モータ及び超音波モータ付電子機器

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5893478A (ja) * 1981-11-30 1983-06-03 Nissan Motor Co Ltd 超音波モ−タ
JPS60178677A (ja) * 1984-02-24 1985-09-12 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 屈曲形圧電アクチユエ−タ
JPH04347588A (ja) * 1991-05-24 1992-12-02 Sankyo Seiki Mfg Co Ltd 単相共振モード超音波モータの駆動回路
JPH053688A (ja) * 1991-06-21 1993-01-08 Omron Corp 超音波モータ

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60150757U (ja) * 1984-03-16 1985-10-07 オムロン株式会社 電気機械変換装置
JPS62152377A (ja) * 1985-12-24 1987-07-07 Taga Denki Kk 超音波振動子の駆動制御方法
JPH01259764A (ja) * 1988-04-07 1989-10-17 Hitachi Ltd 圧電駆動ユニット
JPH10300868A (ja) * 1997-04-25 1998-11-13 Seiko Instr Inc カレンダ付電子時計
JPH11346486A (ja) * 1998-06-01 1999-12-14 Seiko Instruments Inc 超音波モータ及び超音波モータ付電子機器

Also Published As

Publication number Publication date
JP2001286166A (ja) 2001-10-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6885615B1 (en) Piezoelectric actuator, time piece, and portable device
JP5776270B2 (ja) 圧電アクチュエーター、モーター、ロボットハンドおよびロボット
JP3719061B2 (ja) 圧電アクチュエータ、時計および携帯機器
JP2005237102A (ja) 圧電アクチュエータ、時計及び電子機器
JP4222208B2 (ja) 圧電アクチュエータおよび圧電アクチュエータを備えた時計並びに携帯機器
JP2001218481A (ja) 圧電駆動体、超音波モータ及び超音波モータ付き電子機器
JP2007336678A (ja) 超音波振動子の振動特性の調整方法およびそれに用いられる超音波振動子
JP3614076B2 (ja) 圧電アクチュエータ、時計、携帯機器および圧電アクチュエータの駆動方法
JP4631124B2 (ja) 圧電アクチュエータ、時計および機器
JP3632562B2 (ja) 圧電アクチュエータ、時計および携帯機器
JP2001286167A (ja) 圧電アクチュエータの調整方法および圧電アクチュエータ
JP2002223577A (ja) 圧電アクチュエータ、時計、携帯機器、圧電アクチュエータの設計方法および製造方法
JP2002223576A (ja) 圧電アクチュエータ、時計および携帯機器
JP3649086B2 (ja) 圧電アクチュエータ、時計および携帯機器
JP4333146B2 (ja) 圧電アクチュエータ、時計および携帯機器
JP3832260B2 (ja) 圧電アクチュエータ、時計および携帯機器
JP3614111B2 (ja) 圧電アクチュエータ、時計、携帯機器及び圧電アクチュエータにおいて押圧力を調整する調整方法
EP2290720B1 (en) Ultrasonic motor
JP3721928B2 (ja) 圧電アクチュエータ、時計および携帯機器
JP3861563B2 (ja) 圧電アクチュエータ、時計および携帯機器
JP3680602B2 (ja) 圧電アクチュエータ、時計および携帯機器
JP2001268954A (ja) アクチュエータ、アクチュエータのロータ、ロータの製造方法、時計および携帯機器
JP2002233174A (ja) 圧電アクチュエータ、圧電アクチュエータの製造方法、時計および携帯機器
JPS61262091A (ja) 振動波モ−タ
JP2000188885A (ja) 圧電アクチュエータおよびその製造方法ならびに時計

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070323

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20091126

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091215

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100210

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100629

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100827

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20101019

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20101101

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131126

Year of fee payment: 3

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313532

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees